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JPH0822784A - 投写用陰極線管とその投写用陰極線管を用いた投写型表示装置 - Google Patents

投写用陰極線管とその投写用陰極線管を用いた投写型表示装置

Info

Publication number
JPH0822784A
JPH0822784A JP9326995A JP9326995A JPH0822784A JP H0822784 A JPH0822784 A JP H0822784A JP 9326995 A JP9326995 A JP 9326995A JP 9326995 A JP9326995 A JP 9326995A JP H0822784 A JPH0822784 A JP H0822784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray tube
cathode ray
projection
phosphor layer
electron
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9326995A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Tanaka
孝明 田中
Masahide Yamauchi
真英 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP9326995A priority Critical patent/JPH0822784A/ja
Publication of JPH0822784A publication Critical patent/JPH0822784A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像コントラストが向上できる投写用陰極線
管とスクリーン上の画像コントラストが向上できる投写
型表示装置を提供することを目的とする。 【構成】 投写型表示装置の投写用陰極線管には、蛍光
体層24上で電子銃20からの電子ビーム21が入射し
て画像が形成される画像形成領域31のアルミニウム膜
23とファンネル28との内面上に、アルミニウム膜2
3,26より原子番号が小さいカーボン膜22,25が
形成されるので、このカーボン膜22,25は、アルミ
ニウム膜23,26や蛍光体層24の2次的な反射電子
を吸収してその発生率を低減するとともに、反射電子の
平均エネルギーも低減し、反射電子による蛍光体層24
での不要な励起発光を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写用陰極線管に形成
される画像を投写レンズによりスクリーン上に投写する
投写型表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の投写用陰極線管の構成を示
したものである。投写用陰極線管はフェイスプレート1
とファンネル2とネック3から構成されるガラスバルブ
4と、ネック3内に封入した電子銃5を備えている。フ
ェイスプレート1の内面には電子銃5からの電子ビーム
6が入射して励起発光する蛍光体からなる蛍光体層7が
形成されている。蛍光体層7上とファンネル2の内面上
には金属膜としてアルミニウム膜8が形成されている。
【0003】この構成において、映像信号に応じて電子
銃5から出射した電子ビーム6はアルミニウム膜8を透
過し、蛍光体層7に入射する。電子ビーム6により励起
された蛍光体は発光し、画像を形成する。蛍光体層7上
に形成されたアルミニウム膜8は、蛍光体層7で電子銃
5側に発光した光を反射してフェイスプレート1側に出
射し、蛍光体層7での発光輝度を増加させる。
【0004】投写用陰極線管に形成された画像を投写レ
ンズを用いてスクリーン上に拡大投写する投写型表示装
置の画像の高コントラスト化を図るために、一般に、投
写用陰極線管のフェイスプレート1と投写レンズを光学
的に結合するオプティカルカップリングの技術が用いら
れている。オプティカルカップリングは、光学的結合材
料としてエチレングリコールなどの透明な液体を用いて
フェイスプレート1と液体とレンズ面の屈折率差を小さ
くし、不要な蛍光体層7への反射光を低減する。
【0005】この技術により投写画像のコントラストが
改善されたが、映像観賞用としては十分なコントラスト
ではない。さらに、コントラストを向上させる手法とし
ていくつかの手法が開示されている。例えば、特開昭6
4−63248号公報では、投写用陰極線管の蛍光体層
が形成されるフェイスプレートの内面を平滑化すること
により、投写レンズからの不要な反射光がフェイスプレ
ートの内面で乱反射することに起因する投写画像のコン
トラスト低下が、改善されることを示している。
【0006】また、特開平3−224384号公報で
は、複数枚のレンズで構成される投写レンズの中の投写
用陰極線管側に配置される凹レンズに光吸収材を混入し
て着色している。凹レンズと空気との境界面での不要な
反射光が凹レンズの光吸収材により吸収されるために、
蛍光体層の不要な拡散反射輝度が低下し、投写画像のコ
ントラスト低下が改善されることを示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、投写型
表示装置の投写画像のコントラストを低下させる要因と
しては、フェイスプレートの内面粗さやフェイスプレー
トと液体の境界面、投写レンズの境界面での不要反射光
による要因だけではない。
【0008】図6に示す従来の投写用陰極線管の電子銃
5から出射した電子ビーム6はアルミニウム膜8を透過
して蛍光体層7に入射して蛍光体を励起発光させるが、
入射した電子ビーム6はアルミニウム膜8や蛍光体層7
に入射したときに2次電子を放出する。放出した2次電
子のエネルギーは、入射物質の殻内電子が励起されて放
出した真の2次電子と、後方に弾性あるいは非弾性散乱
した入射電子とに分けられる。後方に弾性散乱した電子
は反射電子9と呼ばれている。
【0009】真の2次電子のエネルギーは数十eVであ
るが、反射電子9のエネルギーは入射電子のエネルギー
と同程度である。反射電子9の発生率は、入射物質の原
子番号、入射電子のエネルギー、入射物質の表面の粗さ
などによって決まる。入射電子ビーム6はアルミニウム
膜8で反射電子9を生じる。蛍光体層7上に形成された
アルミニウム膜8の表面は粗く、反射電子9はあらゆる
方向に反射する。反射電子9はファンネル2の内面に形
成されたアルミニウム膜8で反射電子10を生じる。反
射電子10は再び蛍光体層7上のアルミニウム膜8を透
過して蛍光体層7に入射し、蛍光体を励起発光させる。
【0010】このため、蛍光体層7で不要な発光が生じ
て、投写用陰極線管上に形成する画像のコントラストを
低下させる。さらに、その投写用陰極線管上の画像を投
写レンズで拡大投写する投写型表示装置の投写画像のコ
ントラストも低下する。これらの課題に対して、投写用
陰極線管のアルミニウム膜8や蛍光体層7での反射電子
9,10を低減して、コントラストを向上させることが
課題であった。
【0011】本発明は、上記課題に鑑み、画像のコント
ラストを向上することができる投写用陰極線管と、その
投写用陰極線管を用いることにより、スクリーン上に高
コントラストの画像を表示することができる投写型表示
装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の投写用陰極線管は、電子
ビームを出射する電子銃と、フェイスプレートと前記フ
ェイスプレートに結合したファンネルと前記ファンネル
に結合し前記電子銃が封入されるネックとで構成された
ガラスバルブと、前記フェイスプレートの内面に形成さ
れ前記電子銃から出射された電子ビームにより励起発光
する蛍光体により構成された蛍光体層と、前記蛍光体層
上に形成された金属膜とを備え、前記電子ビームが入射
して前記蛍光体層上に画像が形成される画像形成領域の
前記金属膜と前記ファンネルとの内面上に、前記金属膜
より原子番号が小さい元素により構成され、前記電子ビ
ームが前記金属膜や前記蛍光体層で散乱して反射する反
射電子を低減する反射電子防止膜を形成した構成とす
る。
【0013】また、請求項4に記載の投写型表示装置
は、3本の陰極線管と、前記陰極線管からの出射光を受
けてスクリーン上に画像を投写する投写レンズとを備
え、前記3本の陰極線管を、請求項1から請求項3のい
ずれかに記載の投写用陰極線管により構成し、各陰極線
管が映像信号に基づいて形成した青、緑、赤の各画像に
より前記スクリーン上の画像を形成するよう構成する。
【0014】
【作用】上記構成では、請求項4の投写型表示装置の3
本の陰極線管を構成する請求項1から請求項3のいずれ
かの投写用陰極線管には、反射電子防止膜が、金属膜を
構成する物質より原子番号が小さい元素により、電子銃
から出射された電子ビームが入射して蛍光体層上に画像
が形成される画像形成領域の金属膜とファンネルとの内
面上に形成されるので、この反射電子防止膜は、金属膜
や蛍光体層における2次的な反射電子を吸収してその発
生率を低減するとともに反射電子の平均エネルギーも低
減し、反射電子による蛍光体層での不要な励起発光を低
減する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例における投写用陰極線
管とそれを用いた投写型表示装置について、図面を参照
しながら説明する。
【0016】最初に、本実施例の投写用陰極線管につい
て説明する。図1は本実施例における投写用陰極線管の
構成を示したものである。図1において、20は電子
銃、21は電子ビーム、22、25は反射電子防止膜で
あるカーボン膜、23、26は金属膜であるアルミニウ
ム膜、24は蛍光体からなる蛍光体層、27はフェイス
プレート、28はファンネル、29はネック、30はフ
ェイスプレート27、ファンネル28、ネック29を封
着結合して構成されるガラスバルブ、31は画像形成領
域であり、電子ビーム21により蛍光体層24の蛍光体
が励起発光して画像を形成する領域を示す。
【0017】ここで、蛍光体層24の蛍光体は3原色光
の中の青色の光を発光するZnS:AgAlとする。蛍
光体層24は沈降塗着法などによりフェイスプレート2
7の内面に形成される。画像形成領域31の蛍光体層2
4上のアルミニウム膜23は、有効加速電圧の低下防
止、蛍光体層24のイオン焼け防止、蛍光体層24から
の光をフェイスプレート27側に反射して蛍光体層24
からの発光輝度を増加させるなどの機能を有する。蛍光
体層24上に形成されるアルミニウム膜23の厚みは
0.2μmで、表面の粗さは約2μm程度である。ファ
ンネル28の内面上に形成されたアルミニウム膜26
は、画像形成領域31のアルミニウム膜23のような機
能はなく、投写用陰極線管の陽極電圧を蛍光体層24へ
伝達、供給する機能と、ファンネル28の内面を等電位
に保つ機能を有する。カーボン膜22、25は画像形成
領域31のアルミニウム膜23と、ファンネル28内面
のアルミニウム膜26上とに形成されている。
【0018】以上のように構成された投写用陰極線管に
ついて、その動作を以下に説明する。電子銃20から出
射した電子ビーム21はカーボン膜22、アルミニウム
膜23を透過して、蛍光体層24に入射する。電子ビー
ム21により蛍光体層24の蛍光体が励起発光する。映
像信号に応じて電子銃20が電子ビーム21を制御して
蛍光体層23に画像を形成する。
【0019】電子銃20から出射した電子ビーム21は
カーボン膜22、アルミニウム膜23や蛍光体層24に
入射したときにそれぞれの層で反射電子を生じる。反射
電子の方向はアルミニウム膜23や蛍光体層24の表面
が粗いために、ガラスバルブ30の内部の様々な方向に
反射する。
【0020】図1には、カーボン膜22、アルミニウム
膜23、蛍光体層24で生じた反射電子32がガラスバ
ルブ30の内部に出射して、ファンネル28の内面のカ
ーボン膜25に入射し2次的に反射電子33を生じ、さ
らに、反射電子33が再び画像形成領域31のカーボン
膜22、アルミニウム膜23を透過して蛍光体層24に
入射する様子を示している。
【0021】一般に、反射電子発生率ηは、電子ビーム
21の入射物質の原子番号、入射電子のエネルギー、入
射物質の表面の粗さ(入射電子の入射物質への入射角)
などによって決まる。原子番号Zと反射電子の発生率や
反射電子の平均エネルギーの関係は、古くからティー.イー.エ
ハ゛ーハート(シ゛ェイ. アフ゜ライト゛ フィシ゛ックス,ホ゛ル.31,エヌオー.8,ヒ゜ーヒ゜ー.
1483-1490,1960)(T.E.EVERHART(J. Applied Physics,vo
l.31,No.8,PP.1483-1490,1960)) によって示されてい
る。
【0022】原子番号Zと反射電子発生率ηの関係は、
次式で表される。
【0023】
【数1】
【0024】ここで、aは、次式で表される。
【0025】
【数2】
【0026】ただし、Zは入射物質の原子番号、eは電
子の電荷量、NA はアボガドロ定数、mは電子の質量、
Aは入射物質の原子量、cは電子の速度や入射物質の密
度で決まる定数で表されるが、実験的に求めた定数cを
用いると、近似的に次式で表現される。
【0027】
【数3】
【0028】図2に原子番号に対する反射電子発生率η
について示す。反射電子発生率ηは原子番号の大きさに
ほぼ比例して高くなる。カーボンの原子番号Z=6、ア
ルミニウムの原子番号Z=13、ZnSの平均原子番号
Z=23であるから、反射電子発生率ηはそれぞれ0.
08、0.16、0.26となる。カーボンの反射電子
発生率ηはアルミニウムの50%、ZnSの31%と低
い。
【0029】図3に原子番号Zと反射電子の平均エネル
ギー比の関係を示す。反射電子のエネルギーはエネルギ
ー分布を有するために平均エネルギーを用いて表してい
る。反射電子の平均エネルギー比kは、単位反射電子発
生率あたりの入射電子エネルギーに対する反射電子の平
均エネルギーを表す。反射電子のエネルギー比kは原子
番号Zが約25以下では電子の入射角θが大きいほど高
い。入射物質への電子ビームの入射角θ=0゜の場合、
カーボン、アルミ二ウム、ZnSの反射電子のエネルギ
ー比kはそれぞれ0.55、0.61、0.69とな
る。
【0030】カーボンの反射電子の平均エネルギー比は
アルミニウムの90%、ZnSの80%と低い。反射電
子の発生率ηと反射電子の平均エネルギー比kの積を反
射電子エネルギー率Rとすると、カーボン、アルミニウ
ム、ZnSでの反射電子エネルギー率RはそれぞれRC
=0.044、RAl=0.098、RZnS =0.179
となる。
【0031】したがって、カーボン膜22で生じる反射
電子の反射電子エネルギー率はアルミニウム膜23や蛍
光体層24での反射電子エネルギー率に対してそれぞれ
45%、25%と低くくなる。
【0032】このため、カーボン膜22を形成しない場
合に比べて、ガラスバルブ30の内部への反射電子の発
生量、エネルギーともに低減される。ガラスバルブ30
の内部へ出射した反射電子32は、ファンネル28の内
面のカーボン膜25に入射する。カーボン膜25を形成
していることによりファンネル28内面で生じる2次的
な反射電子33はアルミニウム膜26だけの場合より
も、発生量、エネルギーともに減衰する。
【0033】カーボン膜25より生じた2次的な反射電
子33は、再び画像形成領域31のカーボン膜22に入
射する。反射電子33はカーボン膜22で吸収され減衰
し、画像形成領域31のアルミニウム膜23を透過して
蛍光体層24に入射する。反射電子32が再び画像形成
領域31上のアルミニウム膜23に入射する過程におい
て、カーボン膜22を透過すること、ファンネル28内
面のカーボン膜25で減衰することにより、蛍光体層2
4に入射する反射電子32の数量、エネルギーが非常に
減衰する。
【0034】このため、反射電子による蛍光体層24で
の不要な励起発光が十分に低減される。画像形成領域3
1のカーボン膜22は入射電子ビーム21のエネルギー
も低下させるために、カーボン膜22の形成による発光
輝度の低下が生じる。そこで、入射電子ビーム21のエ
ネルギー低下を抑えて、反射電子による蛍光体層24で
の不要な励起発光を低減するためには、カーボン膜22
の厚みを選択する必要がある。
【0035】図4にカーボン膜の厚みと電子エネルギー
透過率τの関係を示す。投写用陰極線管の陽極電圧は2
5kV〜34kVで用いられている。最小の陽極電圧の
場合を考え、陽極電圧が25kVの場合の電子エネルギ
ー透過率τを示す。カーボン膜22の厚みを約0.8μ
m以下で形成すれば、電子エネルギー透過率τ>0.8
となる。カーボン膜22の厚みを0.8〜1μmで形成
すれば、入射電子ビームのエネルギー損失が約20%以
下となる。入射電子エネルギーはカーボン膜22の電子
エネルギー透過率τに比例して減衰するが、反射電子が
再び蛍光体層24に入射するエネルギーは透過率τ2
比例して減衰する。
【0036】このため、発光輝度の低下を抑えて、反射
電子による蛍光体層での不要な励起発光を低減できる。
ファンネル28の内面に形成したカーボン膜25につい
ては、カーボン膜25の内部に入射する電子のエネルギ
ーを吸収し、アルミニウム膜26で反射電子を生じない
ような厚みを有する。
【0037】画像形成領域31のアルミニウム膜23上
に形成したカーボン膜22とファンネル28内面上に形
成したカーボン膜25により、図6に示す従来の投写用
陰極線管の反射電子に比べて、反射電子の数量、エネル
ギーが十分に低減され、蛍光体層24での不要な励起発
光が低減でき、投写用陰極線管の画像のコントラストを
高くすることができる。
【0038】カーボン膜22、25は黒色のグラファイ
トあるいはカーボンブラックの一方、またはその混合物
から成る。黒色のカーボン膜22、25は、アルミニウ
ム膜23を透過してガラスバルブ30内に出射する蛍光
体層24からの微弱光を吸収する。このため、ガラスバ
ルブ30内への不要な光による蛍光体層24の拡散光が
低減でき、投写用陰極線管の画像のコントラスト高くす
ることができる。
【0039】図1に示す投写用陰極線管には、画像形成
領域31のアルミニウム膜23上とファンネル28の内
面上にそれぞれカーボン膜22、25を形成している
が、とちらか一方の領域のみにカーボン膜を形成しても
よい。
【0040】この場合、図1に示す投写用陰極線管より
も反射電子低減効果は小さくなるが、図6に示す従来の
投写用陰極線管と比べて、反射電子による蛍光体層24
での不要な励起発光は低減できる。
【0041】ファンネル28の内面のアルミニウム膜2
6には、画像形成領域31のアルミニウム膜23に陽極
電圧を伝達、供給する導電性の機能があればよいため、
ファンネル28の内面はカーボン膜25のみであっても
よい。
【0042】また、ここでは、青色の画像を形成する投
写用陰極線管について説明したが、緑色および赤色の投
写用陰極線管についても、カーボン膜としては同様な効
果を示す。
【0043】さらに、反射電子防止膜としては、画像形
成領域31の金属膜やファンネル内面の金属膜よりも原
子番号が小さい元素から構成される物質であればボロン
などの他の物質であってもよい。
【0044】次に、本実施例の投写型表示装置について
説明する。図5は本実施例の投写型表示装置の構成を示
すものである。図5において、40、41、42はそれ
ぞれ青、緑、赤の投写用陰極線管、44、45、46は
それぞれ青、緑、赤の投写用陰極線管に対応する投写レ
ンズ、47はスクリーンである。
【0045】ここでは、3本の投写用陰極線管40、4
1、42として、図1に示す本実施例の投写用陰極線管
を用いた場合を示している。つまり、投写用陰極線管4
0、41、42の画像形成領域31のアルミニウム膜2
3上とファンネル28の内面上には、それぞれカーボン
膜22、25が形成されている。
【0046】以上のような構成要素からなる投写型表示
装置について、その動作を以下に説明する。青、緑、赤
の投写用陰極線管40、41、42に入力された映像信
号に応じて、各投写用陰極線管40、41、42のそれ
ぞれの蛍光体層43B、43G、43Rに形成された画
像は、それぞれに対応する3本の投写レンズ44、4
5、46に入射し、スクリーン47上に拡大投写され
る。このようにして、拡大投写された青、緑、赤の各画
像はスクリーン47上で合成され、フルカラーの投写画
像が得られる。
【0047】投写用陰極線管40、41、42の画像形
成領域31のアルミニウム膜23上とファンネル28の
内面上に、それぞれカーボン膜22、25が形成されて
いるため、投写用陰極線管40、41、42内への反射
電子の発生を抑え、この反射電子による蛍光体層23で
の不要な励起発光が十分に低減される。
【0048】以上により、投写用陰極線管の画像形成領
域31に表示される画像のコントラストを高くすること
ができる。さらに、この投写用陰極線管を用いた投写型
表示装置のスクリーン47上における画像のコントラス
トを高くすることができる。実際に、図5に示す投写型
表示装置において、表示画像のコントラストを測定した
ところ、従来の投写型表示装置に比べて、10%から3
0%のコントラストの向上が得られた。
【0049】また、図5に示す投写型表示装置のスクリ
ーン47として透過型スクリーンを用い、投写用陰極線
管40,41,42、投写レンズ44,45,46、ス
クリーン47をキャビネットの内部に組み込んだ背面投
写型表示装置を構成することもでき、図5に示す投写型
表示装置と同様の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、投写型表
示装置の3本の陰極線管を構成する投写用陰極線管で
は、反射電子防止膜は、金属膜を構成する物質より原子
番号が小さい元素により、電子銃から出射された電子ビ
ームが入射して蛍光体層上に画像が形成される画像形成
領域の金属膜とファンネルとの内面上に形成されるの
で、金属膜や蛍光体層における2次的な反射電子を吸収
してその発生率を低減するとともに反射電子の平均エネ
ルギーも低減し、反射電子による蛍光体層での不要な励
起発光を低減することができる。
【0051】そのため、投写用陰極線管は、画像のコン
トラストを向上することができ、その投写用陰極線管を
用いることにより、投写型表示装置は、スクリーン上に
高コントラストの画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の投写用陰極線管の構成図
【図2】金属の原子番号に対する反射電子発生率の特性
【図3】金属の原子番号に対する反射電子の平均エネル
ギー比の特性図
【図4】カーボン膜厚に対する電子エネルギー透過率の
特性図
【図5】本発明の実施例の投写型表示装置の構成図
【図6】従来の投写用陰極線管の構成図
【符号の説明】
20 電子銃 22、25 カーボン膜 23、26 アルミニウム膜 24、43B、43G、43R 蛍光体層 30 ガラスバルブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを出射する電子銃と、フェイ
    スプレートと前記フェイスプレートに結合したファンネ
    ルと前記ファンネルに結合し前記電子銃が封入されるネ
    ックとで構成されたガラスバルブと、前記フェイスプレ
    ートの内面に形成され前記電子銃から出射された電子ビ
    ームにより励起発光する蛍光体により構成された蛍光体
    層と、前記蛍光体層上に形成された金属膜とを備え、前
    記電子ビームが入射して前記蛍光体層上に画像が形成さ
    れる画像形成領域の前記金属膜と前記ファンネルとの内
    面上に、前記金属膜より原子番号が小さい元素により構
    成され、前記電子ビームが前記金属膜や前記蛍光体層で
    散乱して反射する反射電子を低減する反射電子防止膜を
    形成した投写用陰極線管。
  2. 【請求項2】 金属膜を、アルミニウム膜で構成し、反
    射電子防止膜を、カーボン膜で少なくともグラファイト
    またはカーボンブラックの一方により構成した請求項1
    に記載の投写用陰極線管。
  3. 【請求項3】 画像形成領域の金属膜上に形成した反射
    電子防止膜の厚みを0.8μm〜1μmとする請求項1
    または請求項2に記載の投写用陰極線管。
  4. 【請求項4】 3本の陰極線管と、前記陰極線管からの
    出射光を受けてスクリーン上に画像を投写する投写レン
    ズとを備え、前記3本の陰極線管を、請求項1から請求
    項3のいずれかに記載の投写用陰極線管により構成し、
    各陰極線管が映像信号に基づいて形成した青、緑、赤の
    各画像により前記スクリーン上の画像を形成するよう構
    成した投写型表示装置。
JP9326995A 1994-05-02 1995-04-19 投写用陰極線管とその投写用陰極線管を用いた投写型表示装置 Pending JPH0822784A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0851455A1 (fr) * 1996-12-27 1998-07-01 Thomson Tubes Electroniques Tube intensificateur d'image radiologique
JP2006202528A (ja) * 2005-01-18 2006-08-03 Hitachi Displays Ltd 画像表示装置

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