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JPH0821327A - 分配型燃料噴射ポンプ - Google Patents

分配型燃料噴射ポンプ

Info

Publication number
JPH0821327A
JPH0821327A JP6151314A JP15131494A JPH0821327A JP H0821327 A JPH0821327 A JP H0821327A JP 6151314 A JP6151314 A JP 6151314A JP 15131494 A JP15131494 A JP 15131494A JP H0821327 A JPH0821327 A JP H0821327A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
fuel injection
chamber
distribution
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6151314A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Nomoto
勝哉 野本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NipponDenso Co Ltd filed Critical NipponDenso Co Ltd
Priority to JP6151314A priority Critical patent/JPH0821327A/ja
Publication of JPH0821327A publication Critical patent/JPH0821327A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エンジンの極低速回転域における必要なフィ
ード圧を確保可能な分配型燃料噴射ポンプを提供し、併
せて、エンジン始動開始時などの極低速回転域の燃料噴
射時期の進角不足を解消する分配型燃料噴射ポンプを提
供する。 【構成】 ピストン83がピストンバルブ85に当接し
ている場合、ピストン83とピストンバルブ85の凸部
85cとの隙間が40μm〜60μmであることから、
ピストン83がピストンバルブ85に当接するエンジン
の極低速回転域においてロータ後端室88に流入する燃
料の流入量を減少させ必要なフィード圧を確保し、タイ
マ部のタイマ進角不足を補う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関用の分配型燃
料噴射ポンプに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の分配型燃料噴射ポンプは、シリン
ダ内をロータが摺接しながら回転し、ロータに形成され
る分配ポートがシリンダの分配通路に連通したときプラ
ンジャによる加圧燃料が分配ポートから分配通路を経由
してデリバリバルブよりディーゼル機関に供給されるよ
うになっている。このような分配型燃料噴射ポンプとし
ては、インナカム式分配型燃料噴射ポンプ等があること
が知られている。
【0003】従来のインナカム式分配型燃料噴射ポンプ
においては、低圧燃料による分配ロータとシリンダ間の
積極的な潤滑は行わない構成となっていることから、分
配ロータの回転による摩擦熱等によって分配ロータの後
端に形成される空間部が乾き切ってしまいシリンダとロ
ータの間の摺接部で分配ロータとシリンダが焼付いてし
まうという問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この問題を解
決する分配型燃料噴射ポンプとして、出願人は、先の出
願である特願平6−50442号明細書において、分配
ロータの外壁とシリンダの内壁との摺接による温度上昇
を防止するために分配ロータの燃料分配部近傍にフィー
ドポンプからの燃料を導く油路を形成することによりこ
の油路を通過する燃料によって分配ロータとシリンダと
の焼付きを防止するようにしているものを提案してい
る。この分配型燃料噴射ポンプは、フィードポンプから
圧送された燃料を分配ロータ後端部に形成されたオリフ
ィスを介して分配ロータに潤滑油として供給する。
【0005】しかしながら、これらの分配型燃料噴射ポ
ンプによると、エンジンの回転域に関係なく常にフィー
ドポンプから供給される燃料を分配ロータに潤滑油とし
て用いることから、エンジン始動時等、短時間であれば
分配ロータとシリンダとが焼付くことがない極低速域例
えば10〜30rpmにおいても分配ロータに燃料を供
給している。このため、フィードポンプ効率が低くなる
極低速域においては、分配ロータに潤滑油として用いる
燃料を供給している分さらにフィード圧が低下し、この
フィード圧により制御されるタイマ部による燃料噴射時
期特性が進角不足になるという問題がある。また、この
タイマ特性の劣化により、極低速域において必要とする
タイマ進角が充分に得られないことから、排気ガスに白
煙を生ずるという問題がある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、エンジンの極低速回転域における必
要なフィード圧を確保可能な分配型燃料噴射ポンプを提
供することを目的とする。併せて、本発明は、エンジン
始動開始時などの極低速回転域の燃料噴射時期の進角不
足を解消する分配型燃料噴射ポンプを提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の本発明の請求項1記載の分配型燃料噴射ポンプは、往
復運動可能なプランジャと回転運動可能なロータにより
燃料の圧送および分配を行う分配型燃料噴射ポンプであ
って、内燃機関と同期して回転駆動される送油ポンプ
と、前記送油ポンプの吐出室に連通する吸入通路および
内燃機関の各気筒に連通する複数の分配通路を有するシ
リンダと、前記シリンダ内を回転運動可能かつ前記吸入
通路及び前記複数の分配通路を開閉可能なロータと、前
記吸入通路に連通し前記ポンプ室の圧力に応じて容積が
変化する可変容積室を有するアキュームレータと、前記
シリンダの内壁と前記ロータの一端面とともに固定容積
室を区画形成し、一端が前記固定容積室に一端が連通
し、他端が前記可変容積室に連通する連通路を有するプ
レートと、極低速回転時に、前記連通路、または前記吸
入通路と前記可変容積室とを接続する通路を規制する規
制手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】また、本発明の請求項2記載の分配型燃料
噴射ポンプは、請求項1記載の分配型燃料噴射ポンプに
おいて、前記アキュムレータは、前記可変容積室の一部
を区画形成し前記可変容積室の容積を変化するピストン
と、前記可変容積室の容積を減少する方向に前記ピスト
ンを付勢する付勢手段と、前記ピストン及び前記付勢手
段を収容するアキュムレータハウジングとを有すること
を特徴とする。
【0009】また、本発明の請求項3記載の分配型燃料
噴射ポンプは、請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプに
おいて、前記規制手段は、前記可変容積室の容積最小位
置にあるピストンの端面と前記プレートが近接すること
により前記連通路の端部を閉塞する手段であることを特
徴とする。また、本発明の請求項4記載の分配型燃料噴
射ポンプは、請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプにお
いて、前記規制手段は、前記プレートと前記ピストン端
面との間に微小隙間を有することを特徴とする。
【0010】
【作用および発明の効果】本発明の分配型燃料噴射ポン
プによると、極低速回転時において、固定容積室と可変
容積室とを連通する連通路の端部をアキュムレータのピ
ストンの端面が閉塞することから、固定容積室の圧力と
可変容積室の圧力との圧力差を確保できる効果がある。
【0011】また、本発明の分配型燃料噴射ポンプによ
ると、エンジン始動時、可変容積室から連通路を経由し
て固定容積室に流入する燃料量を抑制することから、噴
射ポンプ回転数の上昇に伴い増大する吸入通路の圧力を
確保することができる。このため、吸入通路に連通する
送油ポンプの吐出室の圧力により制御されるタイマ部の
燃料噴射時期特性を向上させ、タイマ進角の不足を補う
効果がある。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例)本発明の第1実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図1〜図7に示す。図2に示すように、図示
しないエンジンにより駆動される噴射ポンプ10のドラ
イブシャフト1はベアリング2およびドライブシャフト
ジャーナル軸受2aを介してポンプハウジング3に回転
可能に支持されている。ベーン式フィードポンプ4はド
ライブシャフト1と一体に回転し、図示しない燃料タン
クから燃料を吸入して加圧し、フィードポンプフィード
圧室4aを介し外部配管200を通して吸入ギャラリ1
4に燃料を送出している。またこの加圧された燃料は直
径0.5mmのオリフィス7aによる絞りを有するシャ
フト潤滑通路7を通してドライブシャフトジャーナル軸
受2aに潤滑油として用いられる燃料を送出している。
吸入ギャラリ14は、ポンプハウジング3に固定された
分配ヘッド5の内壁に環状に形成されている。ベーン式
フィードポンプ4の燃料吐出側と燃料吸入側とは、吐出
圧力が調節されるように図示しない圧力調整弁を介して
接統されている。
【0013】分配ヘッド5の内壁にシリンダ6が固定さ
れ、このシリンダ6の内壁に分配ロータ13が回転可能
に支持されている。分配ロータ13はドライブシャフト
1と軸方向に連結され、ドライブシャフト1と一体に回
転する。シリンダ6には吸入ギャラリ14に連通する複
数の吸入通路15、エンジンの各気筒に燃料を供給する
ための複数の分配通路16および複数のスピル通路17
が形成されており、各分配通路16は分配ヘッド5に設
けた分配通路18を介してエンジンの各気筒に燃料を供
給するためのデリバリバルブ19に連通されている。
【0014】分配ロータ13には互いに直交する一対の
摺動孔13aが形成され、各摺動孔13aを形成する分
配ロータ13の内壁にそれぞれ一対のプランジャ20が
油密状態で摺動可能に支持されており、各プランジャ2
0の内端面と各摺動孔13aを形成する内壁により燃料
加圧室としてのプランジャ室21が画成されている。各
プランジャ20の外側端部にはシュー22が配設され、
各シュー22にローラ23が回転自在に保持されてい
る。ローラ23の外側には内周面に複数のカム山を有す
るカム面の形成されたインナーカムリング24が配置さ
れており、分配ロータ13の回転に基づいてローラ23
がインナーカムリング24内周面のカム面に摺動するこ
とにより、ローラ23はカム面に沿ってインナーカムリ
ング24の半径方向に往復動し、この往復動がシュー2
2を介して前記プランジャ20に伝達される。そしてプ
ランジャ20が分配ロータ13の半径方向外側に移動す
る行程が吸入行程であり、半径方向内側に移動する行程
が分配行程となる。
【0015】また、分配ロータ13にはプランジャ室2
1に連通する吸入ポート25、分配ポート26およびス
ピルポート27が形成されており、分配ロータ13の回
転に基づきそれぞれ各吸入通路15、各分配通路16お
よび各スピル通路17に連通するようになっている。タ
イマ部40はローラ23に接するインナーカムリング2
4を回動させることによりエンジンクランク角度に対す
る噴射開始位置を調節する。すなわちインナーカムリン
グ24に連動するタイマピストンピン41を駆動するタ
イマピストン42がタイマシリンダ43に摺動可能に収
納されており、フィードポンプフィード圧室4aの圧力
がタイマ部油圧供給通路47を介してこのタイマピスト
ン42の一端側のタイマ高圧室44に導かれ、他端側の
タイマ低圧室45にタイマピストン42を遅角側(高圧
室側)に付勢するリターンスプリング46が介装されて
いる。これにより、燃料噴射時期を調節するタイマピス
トン42の位置は、タイマ高圧室44の圧力とタイマ低
圧室45の圧力およびリターンスプリング46の付勢力
とのバランスにより決定される。フィードポンプフィー
ド圧室4aの圧力が増加するとタイマピストン42が図
2で右方向に移動し、燃料噴射時期を進角するようにな
っている。
【0016】スピル弁30はスピル通路17の先端に配
設され、バルブボディ51と弁体53と弁体53を開方
向に付勢する圧縮コイルスプリング52と励磁コイル等
からなる励磁部54とからなる。スピル弁30は、燃料
の分配行程時においてスピル通路17と吸入ギャラリ1
4との連通または遮断を行なって加圧された燃料を溢流
させ、噴射量を制御するようになっている。励磁部54
に励磁電流が供給されると弁体53が圧縮コイルスプリ
ング52の付勢力に抗して図1で下方に下がり弁を閉じ
る。励磁部54に励磁電流が供給されず弁が開いたとき
の燃料の経路は、溢流通路17、環状ギャラリ56、ギ
ャラリ57、溢流通路58、吸入ギャラリ14である。
このため、スピル弁30を経て溢流した燃料は溢流通路
58を経て吸入ギャラリ14に再吸入可能になってい
る。ギャラリ57に連通する通路60は、オーバーフロ
ーバルブ63内の通路に接続されている。
【0017】図1および図2に示すように、アキュムレ
ータ70は、ハウジング80と、このハウジング80の
内部に固定されるストッパ81と、圧縮コイルスプリン
グ82と、この圧縮コイルスプリング82により付勢さ
れるピストン83と、このピストン83の外周部にピス
トン83と精密嵌合しピストン83と摺動自在な相対関
係にあるシリンダ84と、ピストン83の端面側に設け
られるピストンバルブ85とからなる。ハウジング80
内のスプリング収容室86には、ほぼ大気圧のリーク燃
料が充満している。
【0018】ピストン83は、図1で示す状態ではもっ
ともピストンバルブ85に近づいている状態であり、可
変容積室87の容積は最小である。図5に示すように、
この状態からフィード圧と等圧である可変容積室87の
圧力が増加すると、0.5MPa以上になったときピスト
ン83が圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗してピ
ストンバルブ85から離れる方向へ次第に移動し、ある
圧力値に達した時点でピストン83がストッパ81で止
まり、それ以上ピストン83はピストンバルブ85から
離れる方向には移動しない。その位置にあるとき可変容
積室87の容積は最大である。この可変容積室87は燃
料通路73、74、75により吸入ギャラリ14に連通
している。
【0019】ピストンバルブ85は、シリンダ6とシリ
ンダ84との間に挟持され、分配ヘッド5に固定されて
いる。このピストンバルブ85の中央部にはピストン8
3に近づくにつれて先細りになる円錐台形状を有する凸
部85cが形成されている。この凸部85cの円錐台形
状によりピストン83に近づくにつれて先細りになるた
め、ピストン83に対向する凸部85cの上端面85d
の面積を極力小さくでき、その反対にピストン83の受
圧面積を大きくとることができる。したがって、可変容
積室87の圧力変化に対応してピストン83を俊敏に移
動させることができる。
【0020】図3に示すように、この周縁上端部85b
の高さが凸部85cの高さより高いことから、ピストン
83が周縁上端部85bに当接したとき、ピストン83
の端面とピストンバルブ85の凸部85cの上端面85
dとの間に隙間d1 が形成される。この隙間d1 の間隔
は40μm〜60μmである。フィード圧の脈動によっ
てピストン83がシリンダ84軸方向に左右に移動した
場合、この隙間d1 によりピストン83が凸部85cを
連打することを防止している。ピストンバルブ85の凸
部85cの中央部にはドライブシャフト1の軸方向に貫
通する連通路89が形成され、この連通路89にはオリ
フィス89aによる絞りが形成されている。オリフィス
89aは、可変容積室87と後述のロータ後端室88と
を連通する連通路89の内壁に形成され、可変容積室8
7からロータ後端室88に流入する燃料の流入量を制御
している。このオリフィス89aの直径は、前記先の出
願である特願平6−50442号明細書に記載のものと
同様、0.5mm程度であるが、この先の出願のものと
比較して大きくしても良い。周縁上端部85bにピスト
ン83が当接するとき、可変容積室87と連通路89と
の間に形成される隙間d1 の間隔を例えば40μm〜6
0μmに設定する。また、可変容積室87への燃料の流
入量を増大させる場合、図4に示すように、周縁上端部
85bからピストン83を離隔させ、可変容積室87と
連通路89との間に形成される隙間の間隔は例えばd2
になる。
【0021】図1および図2に示すように、分配ロータ
13の後端に形成されるロータ後端室88は、シリンダ
6の内壁、分配ロータ13の後端13b、ピストンバル
ブ85の端面85aにより区画形成されている。このロ
ータ後端室88と可変容積室87が連通路89により連
通している。また、このロータ後端室88は戻し通路9
5、戻し通路96、ギャラリ92、低圧側通路93を介
して低圧のポンプ室94に連通している。
【0022】戻し通路95はシリンダ6の後端部側壁を
斜め上方に貫通するように形成され、戻し通路96に連
通している。戻し通路96はピストンバルブ85を斜め
上方に貫通するように形成されている。ギャラリ92
は、戻し通路96に連通するもので、分配ヘッド5の内
壁に環状に形成されている。低圧側通路93は、分配ヘ
ッド5の内部に形成されるもので、その一端がギャラリ
92に連通し、他端はポンプ室94に連通している。
【0023】次に、エンジンの極低速回転域における作
動について説明する。エンジンの始動時、図示しないク
ランクシャフトに同期して回転するドライブシャフト1
の回転が0回転から次第に上昇し始める。このエンジン
の極低速回転域にあるとき、吸入ギャラリ14と連通し
ている可変容積室87の圧力も増加するが、この増加し
た圧力は圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗する強
さに満たないため、アキュムレータ70のピストン83
は周縁上端部85bに当接したまま移動しない。このた
め、可変容積室87に流入した燃料は、ピストン83と
ピストンバルブ85との間に形成される隙間d1 から僅
かに流れ出る程度であることから、可変容積室87の圧
力が減少することを抑制する。このとき、タイマ部40
は、フィードポンプフィード圧室4aに連通した可変容
積室87の圧力が増加することから、タイマ部油圧供給
通路47を介してフィードポンプフィード圧室4aに連
通するタイマ高圧室44の圧力が増加する。この圧力が
リターンスプリング46の付勢力に抗してタイマピスト
ン42をリターンスプリング46を圧縮する方向に移動
させ燃料噴射時期を進角させる。このようにしてエンジ
ンの極低速回転域においても燃料噴射時期を進化させる
ことで進角不足を解消し、エンジン排気ガス中の白煙等
の発生量を低減することができる。
【0024】次に、第1実施例の燃料噴射終了から次の
燃料噴射終了までの燃料噴射行程の1サイクルについて
説明する。 (1) 駆動軸1の回転に伴い分配ロータ13が回転し、イ
ンナーカムリング24のカム山とローラ23とが係合す
ると、各プランジャ20が分配ロータ13の半径方向内
側に移動することによりプランジャ室21の容積が減少
するのでプランジャ室21の圧力が増大する。ここで、
吸入ポート25と吸入通路15とが遮断される一方、分
配ロータ13の分配ポート26がいずれかの分配通路1
6に連通するとともに、プランジャ室21で加圧された
燃料が一定圧以上になると、分配ポート26、分配通路
16、分配通路18を経てデリバリバルブ19からエン
ジンの各気筒に高圧燃料が供給される。このとき、吸入
ポート15と吸入通路25とは遮断されているため、ベ
ーン式フィードポンプ4により加圧された燃料が外部配
管200を通して吸入ギャラリ14に送出されるととも
に、燃料噴射終了時にスピル弁30から溢流通路58を
介して吸入ギャラリ14に燃料が還流されるため、吸入
ギャラリ14の圧力は急激に増加しようとする。このと
き、吸入ギャラリ14と連通している可変容積室87の
圧力も増加するので、アキュムレータ70のピストン8
3は圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗して図1の
右方向に移動し、可変容積室87の容積が増加する。こ
のため、吸入ギャラリ14の容積は可変容積室87の容
積を合わせた容積となり、次噴射に備えて十分量の燃料
を充填しておける。そして、急激に増加しようとした吸
入ギャラリ14の圧力は増加率および増加量が小さくな
る。
【0025】(2) インナーカムリング24のカム山とロ
ーラ23とが係合していない状態では、各プランジャ2
0が分配ロータ13の半径方向外側に移動することによ
りプランジャ室21の容積が増大するのでプランジャ室
21の圧力が低下する。ここで、分配ロータ13の吸入
ポート25がいずれかの吸入通路15に連通すると、次
噴射に備えて吸入ギャラリ14に充填されていた燃料が
プランジャ室21内に吸入される。すると、吸入ギャラ
リ14の圧力が低下しようとする。このとき、吸入ギャ
ラリ14と連通している可変容積室87の圧力も下降す
るので、アキュムレータ70のピストン83は、圧縮コ
イルスプリング82の付勢力により図1の左方向に移動
し、可変容積室87の容積が減少する。このため、下降
しようとした吸入ギャラリ14の圧力は、下降率および
下降量が小さくなるので吸入ギャラリ14の燃料がプラ
ンジャ室21に十分量充填され続ける。
【0026】前記燃料噴射工程の1サイクル中、吸入ギ
ャリ14と容積可変室87とは燃料通路73、74、7
5を介して常に連通しており吸入ギャリ14から容積可
変室87に燃料を供給可能である。ベーン式フィードポ
ンプ4から吸入ギャリ14を経て可変容積室87に供給
される燃料の圧力は、アキュムレータキャップ85に形
成された連通路89を通過する際に減圧され、分配ロー
タ13のロータ後端室88では低圧となる。ロータ後端
室88に供給された燃料は分配ロータ13の端部外壁と
シリンダ6の内壁との間に浸透し、分配ロータ13の端
部外壁とシリンダ6の内壁とを潤滑するとともに、シリ
ンダ6の内壁と摺接することにより高温になっている分
配ロータ13を冷却する。
【0027】また、ロータ後端室88に導入された燃料
は、戻り通路95、96、ギャラリ92、低圧側通路9
3を経てポンプ室94に還流される。ここで、第1実施
例の効果を明確にするため、本発明者が行った従来例と
の比較実験により得た特性図を図6および図7に示す。
図6に示される特性図は、フィードポンプの回転数に対
するフィード圧を表したものである。ここで先の出願で
ある特願平6−50442号明細書の記載を比較例と
し、第1実施例の分配型燃料噴射ポンプによるものと対
比した。それぞれフィードポンプの回転数に対するフィ
ード圧特性を示している。第1実施例の分配型燃料噴射
ポンプは比較例と比較して、フィードポンプの回転数が
150rpm以下においてほぼ2倍のフィード圧を得ら
れ改善していることが確認されている。
【0028】図7に示される特性図は、フィードポンプ
の回転数に対するタイマ部のタイマ進角値を表したもの
である。前記比較例の分配型燃料噴射ポンプのよるもの
と第1実施例の分配型燃料噴射ポンプによるものとの対
比で、それぞれフィードポンプの回転数に対するタイマ
部のタイマ進角値特性を示している。フィードポンプの
回転数が150rpm以下において前述のフィード圧が
ほぼ2倍の改善されたことに伴い、第1実施例の分配型
燃料噴射ポンプは、従来の分配型燃料噴射ポンプのフィ
ードポンプの回転数よりほぼ50rpm低い回転数で、
従来のものと同等のタイマ進角値を得られ、矢印106
方向に改善していることが確認されている。
【0029】第1実施例によると、極低速回転域におい
てピストン83がピストンバルブ85に最も近づいた場
合、ピストン83とピストンバルブ85の凸部85cと
の間には僅かな隙間d1 が設けられていることから、ピ
ストン83が凸部85cに当接することがなく、フィー
ド圧の脈動によってピストン83が凸部85cを連打す
ることがない。したがって、ピストンバルブ85の凸部
85cに形成されている連通路89の開口部の変形を防
止し信頼性を確保できる効果がある。また、ピストン8
3とピストンバルブ85の凸部85cとの間に設けられ
る隙間d1 の間隔は、40μm〜60μmであることか
ら、凸部85cに形成されている連通路89の圧力と凸
部85cの周囲を環状に囲む可変容積室87の圧力との
圧力差を確保できる効果がある。またこの連通路89と
可変容積室87との圧力差が確保できることにより、可
変容積室87に充填されている燃料がロータ後端室88
に流入することを抑制する効果がある。さらに極低速回
転域において、可変容積室87の圧力の減少を抑制する
ことから、フィードポンプ効率が低下する極低速回転域
のフィード圧の減少を抑制することができる効果があ
る。また極低速回転域のフィード圧の減少を抑制するこ
とから、フィード圧により制御されるタイマ部40のタ
イマ特性を向上させ、タイマ進角の不足を補う効果があ
る。
【0030】また、第1実施例によると、低速回転域に
おいてエンジンの回転数が上昇するとともにフィード圧
が増加し、ピストン83がピストンバルブ85から離隔
することから、可変容積室87に充填される燃料量が増
加しこれによりフィード圧の脈動を防止する効果があ
り、また吸入ギャラリ14に吸入される燃料の充填不足
を解消する効果がある。
【0031】第1実施例では、ベーン式フィードポンプ
4をドライブシャフト1に設けたが、本発明では噴射ポ
ンプの搭載スペースに合わせて分配ロータ側に設けるこ
とも可能である。 (第2実施例)本発明の第2実施例による分配型燃料噴
射ポンプを図8に示す。第1実施例と実質的に同一の構
成部分には同一の符号を付す。
【0032】第2実施例による分配型燃料噴射ポンプ
は、ピストンバルブ111に形成された通路112と可
変容積室87との圧力差をピストン113に設けた円錐
台形状の凸部113aにより確保する点が第1実施例と
異なる。アキュムレータ70に収容されるピストン11
3のピストンバルブ111側の端面中央部には、ピスト
ンバルブ111に近づくにつれて先細りになる円錐台形
状を有する凸部113aが形成されている。
【0033】シリンダ6とシリンダ84との間に挟持さ
れているピストンバルブ111の中央部には、一方の端
面から他方に端面へシリンダ84の軸方向に貫通する通
路112が形成され、この通路112には直径0.5m
m程度のオリフィス112aが形成されている。また、
ピストンバルブ111の周縁部には、ピストン113が
ピストンバルブ111に最も近づいたとき、通路112
の開口面112bと凸部113aの端部との間に40μ
m〜60μmの隙間d3 が形成されるのに必要なシリン
ダ84の軸方向の高さを有するピストン当接部111c
が形成されている。
【0034】このピストンバルブ111とピストン11
3との構成から第1実施例と同様、第2実施例による
と、ピストン113がピストンバルブ111に当接して
いる場合、凸部113aと開口面112bとの隙間d3
が40μm〜60μmであることから、ピストン113
がピストンバルブ111に当接するエンジンの極低速回
転域においてロータ後端室88に流入する燃料の流入量
を減少させ、タイマ進角の不足を補う効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プの主要部分を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プを示す縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのピストン当接部85cへのピストン83の当接を示
す模式的縦断面図である。
【図4】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのピストン当接部85cからのピストン83の離隔を
示す模式的縦断面図である。
【図5】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのフィード圧に対するピストン83の移動量を示す特
性図である。
【図6】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのフィードポンプの回転数に対するフィード圧を示す
特性図である。
【図7】本発明の第1実施例による分配型燃料噴射ポン
プのフィードポンプの回転数に対するタイマ進角度を示
す特性図である。
【図8】本発明の第2実施例による分配型燃料噴射ポン
プのピストン当接部111cへのピストン113の当接
を示す模式的縦断面図である。
【符号の説明】
4 ベーン式フィードポンプ(送油ポンプ) 4a フィードポンプフィード圧室(吐出室) 6 シリンダ 10 噴射ポンプ(分配型燃料噴射ポンプ) 13 分配ロータ(ロータ) 14 吸入ギャラリ 15 吸入通路 16 分配通路 20 プランジャ 70 アキュムレータ 73、74、75 燃料通路(通路) 82 圧縮コイルスプリング(付勢手段) 83、113 ピストン 84 シリンダ(アキュムレータハウジング) 85、111 ピストンバルブ(プレート) 85d 上端面(端部) 87 可変容積室 88 ロータ後端室(固定容積室) 89 連通路 89a オリフィス

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復運動可能なプランジャと回転運動可
    能なロータにより燃料の圧送および分配を行う分配型燃
    料噴射ポンプであって、 内燃機関と同期して回転駆動される送油ポンプと、 前記送油ポンプの吐出室に連通する吸入通路および内燃
    機関の各気筒に連通する複数の分配通路を有するシリン
    ダと、 前記シリンダ内を回転運動可能かつ前記吸入通路及び前
    記複数の分配通路を開閉可能なロータと、 前記吸入通路に連通し前記ポンプ室の圧力に応じて容積
    が変化する可変容積室を有するアキュムレータと、 前記シリンダの内壁と前記ロータの一端面とともに固定
    容積室を区画形成し、一端が前記固定容積室に一端が連
    通し、他端が前記可変容積室に連通する連通路を有する
    プレートと、 極低速回転時に、前記連通路、または前記吸入通路と前
    記可変容積室とを接続する通路を規制する規制手段とを
    備えたことを特徴とする分配型燃料噴射ポンプ。
  2. 【請求項2】 前記アキュムレータは、前記可変容積室
    の一部を区画形成し前記可変容積室の容積を変化するピ
    ストンと、前記可変容積室の容積を減少する方向に前記
    ピストンを付勢する付勢手段と、前記ピストン及び前記
    付勢手段を収容するアキュムレータハウジングとを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の分配型燃料噴射ポン
    プ。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は、前記可変容積室の容積
    最小位置にあるピストンの端面と前記プレートが近接す
    ることにより前記連通路の端部を閉塞する手段であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプ。
  4. 【請求項4】 前記規制手段は、前記プレートと前記ピ
    ストン端面との間に微小隙間を有することを特徴とする
    請求項2記載の分配型燃料噴射ポンプ。
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