JPH0819551B2 - 鉄系電着方法及び装置 - Google Patents
鉄系電着方法及び装置Info
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- JPH0819551B2 JPH0819551B2 JP5607789A JP5607789A JPH0819551B2 JP H0819551 B2 JPH0819551 B2 JP H0819551B2 JP 5607789 A JP5607789 A JP 5607789A JP 5607789 A JP5607789 A JP 5607789A JP H0819551 B2 JPH0819551 B2 JP H0819551B2
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- anode
- cathode
- chamber
- insoluble
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、不溶性陽極を使用するCAROSELタイプの電
解槽を用いて鉄系の電着を行う際に、安定した状態で高
陰極電流効率でしかも加工性の優れた鉄系電着皮膜を連
続的に製造することのできる鉄系電着方法及び該方法の
実施に使用する装置に関するものである。
解槽を用いて鉄系の電着を行う際に、安定した状態で高
陰極電流効率でしかも加工性の優れた鉄系電着皮膜を連
続的に製造することのできる鉄系電着方法及び該方法の
実施に使用する装置に関するものである。
近年、工業的にFe又はFe系合金皮膜を形成させる鉄系
電着方法として、陰極に定速で回転する陰極ロールを使
用し、この陰極ロールに相対した電解槽内壁の位置に陽
極を配置させて、陰極ロールと陽極との間に鉄系電解液
を連続的に供給するCAROSELタイプの電解槽を用いて鉄
系の電着を行う方法が広く使用されるようになつてい
る。
電着方法として、陰極に定速で回転する陰極ロールを使
用し、この陰極ロールに相対した電解槽内壁の位置に陽
極を配置させて、陰極ロールと陽極との間に鉄系電解液
を連続的に供給するCAROSELタイプの電解槽を用いて鉄
系の電着を行う方法が広く使用されるようになつてい
る。
このCAROSELタイプの電解槽を用いて鉄系の電着を行
う方法において、陽極に可溶性金属を使用する方法と、
不溶性金属を使用する方法とが存在するが、近年は陽極
に不溶性金属を使用する方法が主流をなしている。
う方法において、陽極に可溶性金属を使用する方法と、
不溶性金属を使用する方法とが存在するが、近年は陽極
に不溶性金属を使用する方法が主流をなしている。
これは陽極として鉄系皮膜の成分となる鉄又は鋼など
の可溶性金属を使用すると、電解中における鉄系電解液
の組成の変化が少なくて電解液の管理が簡便になる利点
を有している反面、陰極ロールと相対する形状に陽極と
なる金属を加工する必要があるので安価な鉄スクラツプ
などを用いることが困難なばかりでなく、陽極が暫時消
耗するために陽極と陰極との間の極間距離が変化するこ
とになるので極間距離を一定に保つための複雑且つ高価
な制御機構を具備させる必要があり、しかもかなりの頻
度で陽極を交換することも必要になり、更に陽極の溶解
時に発生する粉状の鉄が電着皮膜中に取り込まれ易いの
で電着皮膜の加工性が極端に低下する現象が発生するか
らである。
の可溶性金属を使用すると、電解中における鉄系電解液
の組成の変化が少なくて電解液の管理が簡便になる利点
を有している反面、陰極ロールと相対する形状に陽極と
なる金属を加工する必要があるので安価な鉄スクラツプ
などを用いることが困難なばかりでなく、陽極が暫時消
耗するために陽極と陰極との間の極間距離が変化するこ
とになるので極間距離を一定に保つための複雑且つ高価
な制御機構を具備させる必要があり、しかもかなりの頻
度で陽極を交換することも必要になり、更に陽極の溶解
時に発生する粉状の鉄が電着皮膜中に取り込まれ易いの
で電着皮膜の加工性が極端に低下する現象が発生するか
らである。
しかしながら、陰極ロールと相対した位置にこのよう
な欠点を生じさせない不溶性陽極を配置させたCAROSEL
タイプの電解槽を用いて鉄系の電着を行うと、陽極で電
解液中のFe2+イオンがFe3+イオンに酸化されてFe3+イオ
ンが増加しそのFe3+イオンの一部が陰極でFe2+イオンに
還元される現象が生じる際に余分な電力が消費されて陰
極の電流効率が低くなる現象と、陽極で水の電気分解に
より酸素が発生してpHが低下し電解中の陰極電流効率が
低下する現象とが発生するという欠点がある。
な欠点を生じさせない不溶性陽極を配置させたCAROSEL
タイプの電解槽を用いて鉄系の電着を行うと、陽極で電
解液中のFe2+イオンがFe3+イオンに酸化されてFe3+イオ
ンが増加しそのFe3+イオンの一部が陰極でFe2+イオンに
還元される現象が生じる際に余分な電力が消費されて陰
極の電流効率が低くなる現象と、陽極で水の電気分解に
より酸素が発生してpHが低下し電解中の陰極電流効率が
低下する現象とが発生するという欠点がある。
特に、Fe3+イオンは微量存在していても水酸化物とな
つて沈殿し易い性質を有しているために、Fe3+イオンが
生成すると容易にそれに起因して生成した水酸化物が電
着皮膜中に取り込まれて電着皮膜の加工性を極端に低下
させるので、高陰極電流効率で且つ加工性の優れた電着
皮膜を得るためには陽極付近のFe3+イオンを減少させる
と共にFe2+イオンを増加させるための方法が従来より種
々検討され、次に示すような方法が提案されている。
つて沈殿し易い性質を有しているために、Fe3+イオンが
生成すると容易にそれに起因して生成した水酸化物が電
着皮膜中に取り込まれて電着皮膜の加工性を極端に低下
させるので、高陰極電流効率で且つ加工性の優れた電着
皮膜を得るためには陽極付近のFe3+イオンを減少させる
と共にFe2+イオンを増加させるための方法が従来より種
々検討され、次に示すような方法が提案されている。
1.Fe3+イオンが陰極付近に移行し難いように陽極と陰極
との間で鉄系電解液を層流状に循環させてめつきする方
法。
との間で鉄系電解液を層流状に循環させてめつきする方
法。
2.電解槽をイオン交換膜で陽極室と陰極室とに仕切り、
陽極室内には電導液を又陰極室内には鉄系電解液をそれ
ぞれ流しながら電解する方法。
陽極室内には電導液を又陰極室内には鉄系電解液をそれ
ぞれ流しながら電解する方法。
しかしながら、前者の方法はFe3+イオンが陰極付近に
移行するのを減少させることはできるが、流速が遅い層
流状態では陰極の高電流効率化に繋がるイオンの高速供
給や発生ガスの除去を充分に行うことが困難であり、ま
た後者の方法は電着に要する電力の1.5〜2.5倍の余分な
電力を電解還元に必要とするために処理費用が高価とな
り、しかも陽極室内に酸又は酸性塩から成る電導液を通
さなければならないためにその管理が非常に煩雑であ
り、しかも多少のFeイオンの濃度勾配に起因する陽極室
内へのFeイオンの拡散は免れないという欠点があつた。
移行するのを減少させることはできるが、流速が遅い層
流状態では陰極の高電流効率化に繋がるイオンの高速供
給や発生ガスの除去を充分に行うことが困難であり、ま
た後者の方法は電着に要する電力の1.5〜2.5倍の余分な
電力を電解還元に必要とするために処理費用が高価とな
り、しかも陽極室内に酸又は酸性塩から成る電導液を通
さなければならないためにその管理が非常に煩雑であ
り、しかも多少のFeイオンの濃度勾配に起因する陽極室
内へのFeイオンの拡散は免れないという欠点があつた。
本発明の課題は、上記従来技術の欠点を解消し、不溶
性陽極を使用するCAROSELタイプの電解槽を用いて鉄系
の電着を行う際に安定した状態で高陰極電流効率でしか
も加工性の優れた鉄系電着皮膜を連続的に製造し得る方
法及び装置を提供することにある。
性陽極を使用するCAROSELタイプの電解槽を用いて鉄系
の電着を行う際に安定した状態で高陰極電流効率でしか
も加工性の優れた鉄系電着皮膜を連続的に製造し得る方
法及び装置を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決すべく種々検討した結
果、陽極付近のFe3+イオンを減少させると共にFe2+イオ
ンを増加させるための従来方法において後者の方法が好
ましい方法であるが、鉄系電解液を高速で流すとイオン
交換膜にたるみが生じて陽極室内で発生したガスが浮力
により上昇してきてたるんだイオン交換膜の中央部に停
留してしまつて抵抗になること、及びCAROSELタイプの
電解槽においてはその構造上からイオン交換膜を陰極ロ
ールと所定間隔を保持して保持することが難しいという
問題点があるので、この問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、隔膜により電解槽内を陰極ロールに面する陰極室
と電解槽内壁に配置される不溶性陽極に面する陽極室と
に区画し、電解槽内壁に配置される不溶性陽極から立設
されている支持部材を介してその不溶性陽極に電気的に
接続されており且つ不溶性陽極との間に鉄系電解液が流
れる間隙を設けて配置されている不溶性金属から成る網
状構造体で前記隔膜を支持させ、前記陰極室と陽極室と
のそれぞれに陰極室内の圧力が陽極室内の圧力より高く
なるように鉄系電解液を供給しながら電着を行えば一挙
に問題点が解決できることを究明して本発明を完成した
のである。
果、陽極付近のFe3+イオンを減少させると共にFe2+イオ
ンを増加させるための従来方法において後者の方法が好
ましい方法であるが、鉄系電解液を高速で流すとイオン
交換膜にたるみが生じて陽極室内で発生したガスが浮力
により上昇してきてたるんだイオン交換膜の中央部に停
留してしまつて抵抗になること、及びCAROSELタイプの
電解槽においてはその構造上からイオン交換膜を陰極ロ
ールと所定間隔を保持して保持することが難しいという
問題点があるので、この問題点を解決すべく鋭意研究の
結果、隔膜により電解槽内を陰極ロールに面する陰極室
と電解槽内壁に配置される不溶性陽極に面する陽極室と
に区画し、電解槽内壁に配置される不溶性陽極から立設
されている支持部材を介してその不溶性陽極に電気的に
接続されており且つ不溶性陽極との間に鉄系電解液が流
れる間隙を設けて配置されている不溶性金属から成る網
状構造体で前記隔膜を支持させ、前記陰極室と陽極室と
のそれぞれに陰極室内の圧力が陽極室内の圧力より高く
なるように鉄系電解液を供給しながら電着を行えば一挙
に問題点が解決できることを究明して本発明を完成した
のである。
以下、図面により本発明に係る鉄系電着方法及び装置
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
第1図の本発明方法の実施に好適な装置の1実施例を
示す断面説明図、第2図は第1図のA−A線において陰
極ロールを取り除いた状態での説明図である。
示す断面説明図、第2図は第1図のA−A線において陰
極ロールを取り除いた状態での説明図である。
図面中、1は陰極ロールであり、その円筒面の一部が
鉄系電解液中に浸漬されていてその軸心1a回りに定速で
回転せしめられる。2は陰極ロール1の円筒面の下方の
電解槽内壁に配置される白金などから成る不溶性陽極で
ある。3は陰極ロール1と電解槽内壁に配置される不溶
性陽極2との間に陰極ロール1の円筒面に相対して設置
されている白金などの不溶性金属の網状構造体であり、
不溶性陽極2から立設されている支持部材2aを介して不
溶性陽極2と電気的に接続されている。この網状構造体
3としては、チタン等の不溶性金属や、更にはこのよう
な不溶性金属に白金族金属やその酸化物を被覆したもの
等であつても良い。この支持部材2aは網状構造体3と電
解槽内壁に配置される不溶性陽極2との間の鉄系電解液
の流れを遮断するものであつてはならないので、第2図
に示す如く鉄系電解液の流動方向に交互に千鳥状に配置
せしめられている。4はこの網状構造体3で支持されて
いる隔膜である。この隔膜4により電解槽内は、陰極ロ
ール1側が陰極室5に、また不溶性陽極2側が陽極室6
にそれぞれ区画されており、これらの陰極室5と陽極室
6とにはそれぞれ独立した貯蔵槽より陰極ロール1の回
転方向と対向して鉄系電解液が高速で供給される。この
鉄系電解液の供給は、図示した実施例では電解槽を陰極
室5側と陽極室6側とに分割した構造として隔膜4の鉄
系電解液入側及び出側の両端を陰極室側電解液供給管7
を陽極室側電解液供給管8,陰極室側電解液排出管9と陽
極室側電解液排出管10によりそれぞれ挟み込んだ状態で
固定するようにすれば構造も簡単であり、このような構
造において鉄系電解液の高速供給の効果を上げるために
陰極室5入側及び出側の部分を構造上制限を受けない範
囲で上部方向に傾斜させたものとすることが好ましい。
なお、上記構造において、隔膜4の鉄系電解液の流動方
向と平行な両端は、網状構造体3の端縁をそれぞれ折り
返して網状構造体3と一体化せしめておくことが強度上
から好ましい。
鉄系電解液中に浸漬されていてその軸心1a回りに定速で
回転せしめられる。2は陰極ロール1の円筒面の下方の
電解槽内壁に配置される白金などから成る不溶性陽極で
ある。3は陰極ロール1と電解槽内壁に配置される不溶
性陽極2との間に陰極ロール1の円筒面に相対して設置
されている白金などの不溶性金属の網状構造体であり、
不溶性陽極2から立設されている支持部材2aを介して不
溶性陽極2と電気的に接続されている。この網状構造体
3としては、チタン等の不溶性金属や、更にはこのよう
な不溶性金属に白金族金属やその酸化物を被覆したもの
等であつても良い。この支持部材2aは網状構造体3と電
解槽内壁に配置される不溶性陽極2との間の鉄系電解液
の流れを遮断するものであつてはならないので、第2図
に示す如く鉄系電解液の流動方向に交互に千鳥状に配置
せしめられている。4はこの網状構造体3で支持されて
いる隔膜である。この隔膜4により電解槽内は、陰極ロ
ール1側が陰極室5に、また不溶性陽極2側が陽極室6
にそれぞれ区画されており、これらの陰極室5と陽極室
6とにはそれぞれ独立した貯蔵槽より陰極ロール1の回
転方向と対向して鉄系電解液が高速で供給される。この
鉄系電解液の供給は、図示した実施例では電解槽を陰極
室5側と陽極室6側とに分割した構造として隔膜4の鉄
系電解液入側及び出側の両端を陰極室側電解液供給管7
を陽極室側電解液供給管8,陰極室側電解液排出管9と陽
極室側電解液排出管10によりそれぞれ挟み込んだ状態で
固定するようにすれば構造も簡単であり、このような構
造において鉄系電解液の高速供給の効果を上げるために
陰極室5入側及び出側の部分を構造上制限を受けない範
囲で上部方向に傾斜させたものとすることが好ましい。
なお、上記構造において、隔膜4の鉄系電解液の流動方
向と平行な両端は、網状構造体3の端縁をそれぞれ折り
返して網状構造体3と一体化せしめておくことが強度上
から好ましい。
〔作 用〕 このような構造の電解槽を用いて鉄系の電着を行うに
は、陰極ロール1と電解槽内壁に配置される不溶性陽極
2とに所定の電圧を付与し、陰極ロール1を定速で回転
させながら不溶性陽極2から立設されている支持部材2a
を介して不溶性陽極2に電気的に接続されている網状構
造体3で支持されている隔膜4により区画されている陰
極室5と陽極室6とにそれぞれ独立した貯蔵槽より陰極
ロール1の回転方向と対向してFe2+イオンを含む鉄系電
解液を高速で供給するのであり、この際陰極室5と陽極
室6との内部の圧力として陰極室5側の圧力の方が陽極
室6側の圧力より高くなるように鉄系電解液の供給を調
整することによつて隔膜4のたるみの発生を防止するの
である。
は、陰極ロール1と電解槽内壁に配置される不溶性陽極
2とに所定の電圧を付与し、陰極ロール1を定速で回転
させながら不溶性陽極2から立設されている支持部材2a
を介して不溶性陽極2に電気的に接続されている網状構
造体3で支持されている隔膜4により区画されている陰
極室5と陽極室6とにそれぞれ独立した貯蔵槽より陰極
ロール1の回転方向と対向してFe2+イオンを含む鉄系電
解液を高速で供給するのであり、この際陰極室5と陽極
室6との内部の圧力として陰極室5側の圧力の方が陽極
室6側の圧力より高くなるように鉄系電解液の供給を調
整することによつて隔膜4のたるみの発生を防止するの
である。
このような構成で鉄系の電着を行うと、陽極2,3で酸
化されたFe3+イオンが陰極室5側に移動することが隔膜
4により防止されるため、陰極室5側の鉄系電解液のFe
3+イオンが増加することが無くなるため、Fe3+イオンの
存在による陰極電流効率の低下や、水酸化物の電着皮膜
への巻込みによる加工性の低下などという不溶性陽極を
使用した際に発生する問題点が解決できるのである。そ
して隔膜4は陰極室5と陽極室6とに供給される鉄系電
解液の流速差による圧力で網状構造体3に支持されてい
るので、高速流で鉄系電解液を供給してもたるむことが
ないから陽極室6内での発生ガスの排出がスムーズに行
われることになつて、従来CAROSELタイプの電解槽で鉄
系の電着を行う際の最大の支障であった鉄系電解液の高
速供給が困難であることに起因するFe2+イオンの供給不
足が解消され、Fe2+イオンの供給が高速潤沢に行われる
ようになるので高陰極電流効率化が可能となるのであ
る。
化されたFe3+イオンが陰極室5側に移動することが隔膜
4により防止されるため、陰極室5側の鉄系電解液のFe
3+イオンが増加することが無くなるため、Fe3+イオンの
存在による陰極電流効率の低下や、水酸化物の電着皮膜
への巻込みによる加工性の低下などという不溶性陽極を
使用した際に発生する問題点が解決できるのである。そ
して隔膜4は陰極室5と陽極室6とに供給される鉄系電
解液の流速差による圧力で網状構造体3に支持されてい
るので、高速流で鉄系電解液を供給してもたるむことが
ないから陽極室6内での発生ガスの排出がスムーズに行
われることになつて、従来CAROSELタイプの電解槽で鉄
系の電着を行う際の最大の支障であった鉄系電解液の高
速供給が困難であることに起因するFe2+イオンの供給不
足が解消され、Fe2+イオンの供給が高速潤沢に行われる
ようになるので高陰極電流効率化が可能となるのであ
る。
更に、陽極室6においては鉄系電解液の供給速度が陰
極室5のそれに比べて遅いことに起因する障害は、隔膜
4を支持している網状構造体3を保持している不溶性陽
極2から立設されている支持部材2aを交互に千鳥状に設
置することによつて陽極室6内を流れる鉄系電解液が乱
流となることにより発生ガスの除去効果の促進により解
消されるのである。なお、陽極室6内の鉄系電解液には
Fe3+イオン濃度の増加とpHの低下が発生するが、これは
陽極室6内に鉄系電解液を連続的に供給していることに
より解消され、陽極室6内から流出した鉄系電解液を還
元槽に導いて例えばその鉄系電着液に鉄粒子等の電着皮
膜原料を溶解させるという還元作用を利用すれば安価且
つ容易に対処できるのである。更にこのように隔膜4に
より電解槽内を陰極室5と陽極室6とに区画しているこ
とにより、陽極室6内の鉄系電解液の管理はそれほど厳
密に行わなくてもよいので、鉄系電解液の管理が隔膜4
を使用していない従来に比べて著しく簡略化されると共
に、陰極室5内の鉄系電解液はその組成が殆ど変化しな
いために基本的には電着皮膜として取り出された金属イ
オン成分を定期的に補充するだけで済み、工業的に極め
て容易に鉄系電着を行うことができるのである。
極室5のそれに比べて遅いことに起因する障害は、隔膜
4を支持している網状構造体3を保持している不溶性陽
極2から立設されている支持部材2aを交互に千鳥状に設
置することによつて陽極室6内を流れる鉄系電解液が乱
流となることにより発生ガスの除去効果の促進により解
消されるのである。なお、陽極室6内の鉄系電解液には
Fe3+イオン濃度の増加とpHの低下が発生するが、これは
陽極室6内に鉄系電解液を連続的に供給していることに
より解消され、陽極室6内から流出した鉄系電解液を還
元槽に導いて例えばその鉄系電着液に鉄粒子等の電着皮
膜原料を溶解させるという還元作用を利用すれば安価且
つ容易に対処できるのである。更にこのように隔膜4に
より電解槽内を陰極室5と陽極室6とに区画しているこ
とにより、陽極室6内の鉄系電解液の管理はそれほど厳
密に行わなくてもよいので、鉄系電解液の管理が隔膜4
を使用していない従来に比べて著しく簡略化されると共
に、陰極室5内の鉄系電解液はその組成が殆ど変化しな
いために基本的には電着皮膜として取り出された金属イ
オン成分を定期的に補充するだけで済み、工業的に極め
て容易に鉄系電着を行うことができるのである。
なお、この本発明方法は陰極ロールに直接鉄系電着を
行う場合のみならず、陰極ロールを通電用ロールとして
ストリツプを通板することにより一般的な鉄系電気めつ
きにも応用することができる。
行う場合のみならず、陰極ロールを通電用ロールとして
ストリツプを通板することにより一般的な鉄系電気めつ
きにも応用することができる。
実施例 第1図に示す構造で直径が210mm,胴長が520mmの陰極
ロール1が設置されている電解槽内を幅が296mmの鉄箔
を形成させるべく隔膜4(商品名:SA−48,東ソ−社製フ
ツ素系隔膜)で296mmの幅で容積が約900cm3の陰極室5
と容積が約500cm3の陽極室6とに区画し、その陰極室5
と陽極室6とにそれぞれ塩化第一鉄(FeCl2・nH2O)600
g/を含む塩酸酸性の鉄系電解液(pH:0.5)を1:0.2の
割合で供給して陰極ロール1の円筒面上に鉄箔を形成さ
せた。この際、陰極ロール1と隔膜4との間隙は15mm,
隔膜4と電解槽内壁に配置される厚さ3.0mmの白金から
成る不溶性陽極2との間隙は7mm,隔膜4を支持するため
に不溶性陽極2から立設されている支持部材2aを介して
不溶性陽極2に電気的に接続されており不溶性陽極2と
の間に鉄系電解液が流れる間隙を設けて配置されている
TiにPtめつきした線材から成る網状構造体3の厚さは1.
5mm,鉄系電解液の温度は100℃,電流密度は30A/dm2であ
つた。得られた電着鉄皮膜を陰極ロール1の円筒面上よ
り連続的に剥離して厚さ45〜50μmの鉄箔を製造する際
の鉄箔厚さと通電量から陰極電流効率を求めた結果を第
3図に●印で示した。この第3図から明らかなように、
陰極電流効率は90%以上と高く安定している。また得ら
れた鉄箔をJISB7729-1976に規定されているエリクセン
A方法に準じて直径20mmの鋼球をその円中央部に押し付
けてその鉄箔に亀裂を生じるまでの鋼球の移動距離で鉄
箔の加工性を評価したところその移動距離は5.0mmで充
分に優れた加工性を有していることが確認できた。更に
第4図に電解中の鉄系電解液のFe3+イオン濃度と通電量
との推移を陰極室5については▲印でまた陽極室6につ
いては△印でそれぞれ示し、第5図に電解中の鉄系電解
液のpHと通電量との推移を陰極室5については▲印でま
た陰極室6については△印でそれぞれ示した。この結果
から明らかなように、本発明方法を実施した場合は陰極
室5内の鉄系電解液のFe3+イオン濃度及びpHは殆ど変化
せず、その結果陰極電流効率が安定して高く、電着皮膜
の加工性の劣化が防止されていることが確認できた。
ロール1が設置されている電解槽内を幅が296mmの鉄箔
を形成させるべく隔膜4(商品名:SA−48,東ソ−社製フ
ツ素系隔膜)で296mmの幅で容積が約900cm3の陰極室5
と容積が約500cm3の陽極室6とに区画し、その陰極室5
と陽極室6とにそれぞれ塩化第一鉄(FeCl2・nH2O)600
g/を含む塩酸酸性の鉄系電解液(pH:0.5)を1:0.2の
割合で供給して陰極ロール1の円筒面上に鉄箔を形成さ
せた。この際、陰極ロール1と隔膜4との間隙は15mm,
隔膜4と電解槽内壁に配置される厚さ3.0mmの白金から
成る不溶性陽極2との間隙は7mm,隔膜4を支持するため
に不溶性陽極2から立設されている支持部材2aを介して
不溶性陽極2に電気的に接続されており不溶性陽極2と
の間に鉄系電解液が流れる間隙を設けて配置されている
TiにPtめつきした線材から成る網状構造体3の厚さは1.
5mm,鉄系電解液の温度は100℃,電流密度は30A/dm2であ
つた。得られた電着鉄皮膜を陰極ロール1の円筒面上よ
り連続的に剥離して厚さ45〜50μmの鉄箔を製造する際
の鉄箔厚さと通電量から陰極電流効率を求めた結果を第
3図に●印で示した。この第3図から明らかなように、
陰極電流効率は90%以上と高く安定している。また得ら
れた鉄箔をJISB7729-1976に規定されているエリクセン
A方法に準じて直径20mmの鋼球をその円中央部に押し付
けてその鉄箔に亀裂を生じるまでの鋼球の移動距離で鉄
箔の加工性を評価したところその移動距離は5.0mmで充
分に優れた加工性を有していることが確認できた。更に
第4図に電解中の鉄系電解液のFe3+イオン濃度と通電量
との推移を陰極室5については▲印でまた陽極室6につ
いては△印でそれぞれ示し、第5図に電解中の鉄系電解
液のpHと通電量との推移を陰極室5については▲印でま
た陰極室6については△印でそれぞれ示した。この結果
から明らかなように、本発明方法を実施した場合は陰極
室5内の鉄系電解液のFe3+イオン濃度及びpHは殆ど変化
せず、その結果陰極電流効率が安定して高く、電着皮膜
の加工性の劣化が防止されていることが確認できた。
比較例 電解槽内壁に配置される不溶性陽極2から立設されて
いる支持部材2aとこの支持部材2aを介して不溶性陽極2
に電気的に接続されている網状構造体3と隔膜4とを使
用しない以外は実施例と同様の電解槽において実施例と
同条件で鉄箔を製造した。そのときの皮膜厚さと通電量
から陰極電流効率を求めた結果を第3図に○印で示し
た。この第3図から明らかなように、陰極電流効率は70
%以下で通電量が大きくなるに従つて更に低下していく
ことが判る。このように陰極電流効率が低いのは、陽極
で酸化されて生成したFe3+イオンが陰極で還元されると
いう反応が頻繁に生じてその反応に余分な電力が消費さ
れたためである。また得られた鉄箔の加工性を実施例と
同様な条件で測定した結果、1.7mmで加工性が非常に劣
つていことが確認できた。更に第4図に電解中の鉄系電
解液のFe3+イオン濃度と通電量との推移を○印で示し、
第5図に電解中の鉄系電解液のpHと通電量との推移を○
印で示した。この結果から明らかなように、この比較例
の場合は鉄系電解液のFe3+イオン濃度が増加して上記鉄
箔の加工性が低いことを立証している。
いる支持部材2aとこの支持部材2aを介して不溶性陽極2
に電気的に接続されている網状構造体3と隔膜4とを使
用しない以外は実施例と同様の電解槽において実施例と
同条件で鉄箔を製造した。そのときの皮膜厚さと通電量
から陰極電流効率を求めた結果を第3図に○印で示し
た。この第3図から明らかなように、陰極電流効率は70
%以下で通電量が大きくなるに従つて更に低下していく
ことが判る。このように陰極電流効率が低いのは、陽極
で酸化されて生成したFe3+イオンが陰極で還元されると
いう反応が頻繁に生じてその反応に余分な電力が消費さ
れたためである。また得られた鉄箔の加工性を実施例と
同様な条件で測定した結果、1.7mmで加工性が非常に劣
つていことが確認できた。更に第4図に電解中の鉄系電
解液のFe3+イオン濃度と通電量との推移を○印で示し、
第5図に電解中の鉄系電解液のpHと通電量との推移を○
印で示した。この結果から明らかなように、この比較例
の場合は鉄系電解液のFe3+イオン濃度が増加して上記鉄
箔の加工性が低いことを立証している。
以上詳述した如く本発明に係る鉄系電着方法は、隔膜
により電解槽内を陰極ロールに面する陰極室と電解槽内
壁に配置される不溶性陽極に面する陽極室とに区画し、
電解槽内壁に配置される不溶性陽極から立設されている
支持部材を介してその不溶性陽極に電気的に接続されて
おり且つ不溶性陽極との間に鉄系電解液が流れる間隙を
設けて配置されている不溶性金属から成る網状構造体で
前記隔膜を支持させ、前記陰極室と陽極室とそれぞれに
陰極室内の圧力が陽極室内の圧力より高くなるように鉄
系電解液を供給しながら電着を行うという非常に簡単な
方法であつてこの方法により鉄系の電着を行うと、陽極
で酸化されたFe3+イオンが陰極室側に移動することが隔
膜により防止されるために陰極室側の鉄系電解液のFe3+
イオンが増加することが無くなるため、Fe3+イオンの存
在による陰極電流効率の低下や水酸化物の電着皮膜への
巻込みによる加工性の低下などという不溶性陽極を使用
した際に発生する問題点が完全に解決でき、隔膜は陰極
室と陽極室とに供給される鉄系電解液の圧力差により網
状構造体で支持されているので高速流で鉄系電解液を供
給してもたるむことがなく陽極室内での発生ガスの排出
もスムーズに行われることになり、その結果従来CAROSE
Lタイプの電解槽で鉄系の電着を行う際の最大の支障で
あった鉄系電解液の高速供給が困難であることに起因す
るFe2+イオンの供給不足が解消され、Fe2+イオンの供給
が高速潤沢に行われるようになるので高陰極電流効率化
が可能となり更に陽極室においては鉄系電解液の供給速
度が陰極室のそれに比べて遅いことに起因する障害も隔
膜を支持している網状構造体を保持している不溶性陽極
から立設されている支持部材を交互に千鳥状に設置する
ことによつて陽極室内を流れる鉄系電解液が乱流となる
ことにより発生ガスの除去効果の促進により解消される
のである。
により電解槽内を陰極ロールに面する陰極室と電解槽内
壁に配置される不溶性陽極に面する陽極室とに区画し、
電解槽内壁に配置される不溶性陽極から立設されている
支持部材を介してその不溶性陽極に電気的に接続されて
おり且つ不溶性陽極との間に鉄系電解液が流れる間隙を
設けて配置されている不溶性金属から成る網状構造体で
前記隔膜を支持させ、前記陰極室と陽極室とそれぞれに
陰極室内の圧力が陽極室内の圧力より高くなるように鉄
系電解液を供給しながら電着を行うという非常に簡単な
方法であつてこの方法により鉄系の電着を行うと、陽極
で酸化されたFe3+イオンが陰極室側に移動することが隔
膜により防止されるために陰極室側の鉄系電解液のFe3+
イオンが増加することが無くなるため、Fe3+イオンの存
在による陰極電流効率の低下や水酸化物の電着皮膜への
巻込みによる加工性の低下などという不溶性陽極を使用
した際に発生する問題点が完全に解決でき、隔膜は陰極
室と陽極室とに供給される鉄系電解液の圧力差により網
状構造体で支持されているので高速流で鉄系電解液を供
給してもたるむことがなく陽極室内での発生ガスの排出
もスムーズに行われることになり、その結果従来CAROSE
Lタイプの電解槽で鉄系の電着を行う際の最大の支障で
あった鉄系電解液の高速供給が困難であることに起因す
るFe2+イオンの供給不足が解消され、Fe2+イオンの供給
が高速潤沢に行われるようになるので高陰極電流効率化
が可能となり更に陽極室においては鉄系電解液の供給速
度が陰極室のそれに比べて遅いことに起因する障害も隔
膜を支持している網状構造体を保持している不溶性陽極
から立設されている支持部材を交互に千鳥状に設置する
ことによつて陽極室内を流れる鉄系電解液が乱流となる
ことにより発生ガスの除去効果の促進により解消される
のである。
また、本発明に係る鉄系電着装置は上記した本発明方
法を実施するための装置であつて、従来のCAROSELタイ
プの電解槽において電解槽内壁に配置される不溶性陽極
に更にこの不溶性陽極から立設されている支持部材を介
してその不溶性陽極に電気的に接続されており且つ不溶
性陽極との間に鉄系電解液が流れる間隙を設けて不溶性
金属から成る網状構造体を配置することとこの網状構造
体により隔膜を支持させるだけの簡単な改造で製作でき
るのである。
法を実施するための装置であつて、従来のCAROSELタイ
プの電解槽において電解槽内壁に配置される不溶性陽極
に更にこの不溶性陽極から立設されている支持部材を介
してその不溶性陽極に電気的に接続されており且つ不溶
性陽極との間に鉄系電解液が流れる間隙を設けて不溶性
金属から成る網状構造体を配置することとこの網状構造
体により隔膜を支持させるだけの簡単な改造で製作でき
るのである。
このような本発明方法及び装置は安定して安価に効率
良くしかも品質の優れた鉄系の電着を工業的に実施し得
る画期的な方法及び該方法を実施するための装置であ
り、その工業的価値の非常に高いものである。
良くしかも品質の優れた鉄系の電着を工業的に実施し得
る画期的な方法及び該方法を実施するための装置であ
り、その工業的価値の非常に高いものである。
第1図の本発明方法の実施に好適な装置の1実施例を示
す断面説明図、第2図は第1図のA−A線において陰極
ロールを取り除いた状態での説明図、第3図は皮膜厚さ
と通電量から陰極電流効率を求めた結果で示す図、第4
図は本発明における陰極室と陽極室及び比較例の電解中
の鉄系電解液のFe3+イオン濃度と通電量との推移を示す
図、第5図は本発明における陰極室と陽極室及び比較例
の電解中の鉄系電解液のpHと通電量との推移を示す図で
ある。 図面中 1……陰極ロール 1a……軸心 2……不溶性陽極 2a……支持部材 3……網状構造体 4……隔膜 5……陰極室 6……陽極室 7……陰極室側電解液供給管 8……陽極室側電解液供給管 9……陰極室側電解液排出管 10……陽極室側電解液排出管
す断面説明図、第2図は第1図のA−A線において陰極
ロールを取り除いた状態での説明図、第3図は皮膜厚さ
と通電量から陰極電流効率を求めた結果で示す図、第4
図は本発明における陰極室と陽極室及び比較例の電解中
の鉄系電解液のFe3+イオン濃度と通電量との推移を示す
図、第5図は本発明における陰極室と陽極室及び比較例
の電解中の鉄系電解液のpHと通電量との推移を示す図で
ある。 図面中 1……陰極ロール 1a……軸心 2……不溶性陽極 2a……支持部材 3……網状構造体 4……隔膜 5……陰極室 6……陽極室 7……陰極室側電解液供給管 8……陽極室側電解液供給管 9……陰極室側電解液排出管 10……陽極室側電解液排出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三輪 幸美 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神研究所内 (72)発明者 高木 一宇 大阪府堺市石津西町5番地 日新製鋼株式 会社阪神研究所内 (72)発明者 菅沼 義明 神奈川県藤沢市石川1739番地4 (56)参考文献 特開 昭58−199890(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】不溶性陽極を用いたCAROSELタイプの電解
槽で鉄系の電着を行うに際し、陰極ロール(1)と電解
槽内壁に配置される不溶性陽極(2)との間に隔膜
(4)を配置せしめれ該電解槽内を該陰極ロール(1)
に面する陰極室(5)と該不溶性陽極(2)に面する陽
極室(6)とに区画し、前記隔膜(4)を該不溶性陽極
(2)から立設されている支持部材(2a)を介して該不
溶性陽極(2)に電気的に接続されており該不溶性陽極
(2)との間に鉄系電解液が流れる間隙を設けて配置さ
れている不溶性金属から成る網状構造体(3)で支持さ
せ、前記陰極室(5)と陽極室(6)とそれぞれに陰極
室(5)内の圧力が陽極室(6)内の圧力より高くなる
ように鉄系電解液を供給しながら電着を行うことを特徴
とする鉄系電着方法。 - 【請求項2】不溶性陽極(2)から立設されている支持
部材(2a)を鉄系電解液の流動方向に交互に千鳥状に配
置せしめて鉄系電解液の流動を乱流にせしめる請求項1
に記載の鉄系電着方法。 - 【請求項3】軸心(1a)回りに定速で回転せしめられる
陰極ロール(1)と、該陰極ロール(1)の円筒面の下
方の電解槽内壁に配置される不溶性陽極(2)と、該不
溶性陽極(2)から立設されている支持部材(2a)を介
して該不溶性陽極(2)に電気的に接続されていて前記
陰極ロール(1)と不溶性陽極(2)との間に陰極ロー
ル(1)の円筒面に相対して設置されている不溶性金属
製の網状構造体(3)と、該網状構造体(3)で支持さ
れており電解槽内を陰極ロール(1)側を陰極室(5)
にまた不溶性陽極(2)側を陽極室(6)にそれぞれ区
画している隔膜(4)とより成り、該陰極室(5)と陽
極室(6)とにそれぞれ独立した貯蔵槽より陰極ロール
(1)の回転方向と対向して鉄系電解液を高速で供給す
る陰極室側電解液供給管(7)と陽極室側電解液供給管
(8)及び陰極室側電解液排出管(9)と陽極室側電解
液排出管(10)が連結されていることを特徴とするCARO
SELタイプの鉄系電着装置。 - 【請求項4】不溶性陽極(2)から立設されている支持
部材(2a)が鉄系電解液の流動方向に対して交互に千鳥
状に配置せしめられている請求項3に記載の鉄系電着装
置。 - 【請求項5】電解槽が陰極室(5)側と陽極室(6)側
とに分割された構造であり、隔膜(4)の鉄系電解液入
側及び出側の両端が陰極室側電解液供給管(7)と陽極
室側電解液供給管(8),陰極室側電解液排出管(9)
と陽極室側電解液排出管(10)によりそれぞれ挟み込ん
だ状態で固定されている請求項3又は4に記載の鉄系電
着装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5607789A JPH0819551B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 鉄系電着方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5607789A JPH0819551B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 鉄系電着方法及び装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02236297A JPH02236297A (ja) | 1990-09-19 |
JPH0819551B2 true JPH0819551B2 (ja) | 1996-02-28 |
Family
ID=13017023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5607789A Expired - Lifetime JPH0819551B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 鉄系電着方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0819551B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5393396A (en) * | 1990-10-30 | 1995-02-28 | Gould Inc. | Apparatus for electrodepositing metal |
DE69203600T3 (de) * | 1991-05-30 | 2000-01-05 | May, Hans Josef | Elektrode für eine elektrolytische zelle, deren gebrauch und verfahren. |
JP2015021154A (ja) * | 2013-07-18 | 2015-02-02 | ペルメレック電極株式会社 | 電解金属箔の連続製造方法及び電解金属箔連続製造装置 |
-
1989
- 1989-03-10 JP JP5607789A patent/JPH0819551B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02236297A (ja) | 1990-09-19 |
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