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JPH08170263A - 不織布体及びその製造法 - Google Patents

不織布体及びその製造法

Info

Publication number
JPH08170263A
JPH08170263A JP7168606A JP16860695A JPH08170263A JP H08170263 A JPH08170263 A JP H08170263A JP 7168606 A JP7168606 A JP 7168606A JP 16860695 A JP16860695 A JP 16860695A JP H08170263 A JPH08170263 A JP H08170263A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
nonwoven fabric
woven fabric
short
fibers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7168606A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Murauchi
一夫 村内
Kenji Yoshino
賢二 吉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP7168606A priority Critical patent/JPH08170263A/ja
Publication of JPH08170263A publication Critical patent/JPH08170263A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 着心地良好でかつ衛生面にも優れた医療用途
に好適な不織布体及びその製造法を提供する。 【構成】 特定の凹部を多数有する長繊維不織布と親水
性繊維を含む短繊維ウエブとを80kg/cm2 以上の
水圧で流体噴射加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、適度な通気性と耐水圧
を有し、着心地が良好な不織布体及びその製造法に関
し、さらに詳しくは手術室などで使用するディスポーザ
ブルガウン(手術着)、シューズカバー、キャップ、ア
ームカバー、覆布、ドレープ、検査室用トランクスなど
の医療用に好適な不織布体及びその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディスポーザブルガウン、シ
ューズカバー、覆布、ドレープなどの基布として、木材
パルプとポリエステル短繊維とを用いたウォータパンチ
による不織布が提案されている(特開昭59−9465
9)。
【0003】この不織布は、スパンレース不織布ともよ
ばれ、具体的には、ポリエステル短繊維群を開繊し、均
一なウエブを形成した後、ティッシュまたはパルプマッ
トを該ウエブに重ねて、高圧水流によりウエブとパルプ
マットとを交絡一体化することにより得られる。
【0004】しかし、このスパンレース不織布は、医療
用不織布製品の基布として使用された場合に、通気度が
低く、そのためにむれやすく、また摩擦による繊維屑の
発塵が多く、さらに着用時にペーパーライクな風合いを
与えるものであった。
【0005】使用時の発塵を少なくする方法として、セ
ルロース系短繊維と合成繊維の短繊維との混合、又は積
層状態で柱状流体交絡した湿式不織布を用いたリントフ
リー性に優れた手術着及びその製造法が提案されている
(特開平3−14693)。この手術着は、リントフリ
ー性が改良されてはいるものの、短繊維だけで構成され
ており、また、流体交絡処理時の水圧が低く、さらにオ
リフィスの径もやや大きいことなどから、引張り強度や
引裂強度、耐摩耗性について十分満足のできるものでは
ない。
【0006】さらに、強度とドレープ性を改良する方法
として、連続フィラメント群を自己接着した繊維フリー
スを補強材として用いるものが提案されている(特開平
1−97257)。この方法によって得られる不織布
は、医療用不織布製品の基布などとして使用した場合
に、連続フィラメント群の各交点が自己接着しているた
めに、組織の粗密を有し、通気度が高く、そのために粗
い部分から外部の塵埃が中に入りやすく、更に風合い
(着心地)も十分ではないという問題を有していた。
【0007】さらに、短繊維ウエブと熱可塑性重合体か
らなる長繊維ウエブが交絡一体化してなる不織布であっ
て、長繊維ウエブの一方の面に1個当りの面積が0.1
mm 2以下の微小な凹部を熱圧着により一面に形成した
ものが提案されている(特開昭57−112454)。
しかしながら、この不織布には次のような問題があっ
た。すなわち、この不織布には1個当りの面積が0.1
mm2 以下という微小な凹部が多数存在し、そのため通
気度が大きく外部から塵埃が入りやすく、また、平面摩
耗が十分でないという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の不織
布の夫々の欠点を解消し、通気性、耐水圧、着心地の良
さを同時に満足し、医療用に好適な不織布体及びその製
造法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、次の手段をとるものである。すなわち、
本発明は、疎水性繊維からなり熱圧着による面積0.3
〜0.6mm2 /コの凹部を多数その少なくとも一面に
有する長繊維不織布と、親水性繊維を含む短繊維ウエブ
とが交絡により積層一体化されてなる柔軟な不織布層か
らなり、水分率5%以上、通気度100cm3 /cm2
/秒〜180cm3 /cm2 /秒、耐水圧12cm以
上、平面摩耗14回以上、経方向の引張強力9.0Kg
/5cm幅以上、経方向の引裂強力0.8Kg以上、緯
方向の引張強力2.5Kg/5cm幅以上であることを
特徴とする不織布体である。
【0010】また、本発明は、疎水性繊維からなり熱圧
着による凹部を多数有する長繊維不織布と、親水性繊維
を含む短繊維ウエブを積層し、ついで短繊維ウエブ側か
ら80Kg/cm2 以上の水圧で流体噴射処理を行なう
ことを特徴とする不織布体の製造法である。
【0011】以下に、本発明を詳細に説明する。まず、
本発明の不織布体は、長繊維不織布と短繊維ウエブとか
らなるものであるが、この長繊維不織布は、その少なく
とも一面に熱圧着による面積0.3〜0.6mm2 /コ
の凹部を多数有しなければならない。該凹部は、長繊維
不織布の引張強力、引裂強力を高め、寸法安定性の向上
に資し、通気度を適性な範囲におさめる上で重要な要件
であり、ひいては着心地に大きく影響するものである。
【0012】1コ当りの凹部の面積が0.3mm2 /コ
未満になると通気度が大きくなりすぎて外部から塵埃が
中に入りやすくなり医療用として好ましくない。他方、
0.6mm2 /コをこえると逆に通気度が小さくなりす
ぎてむれやすく着心地が悪く医療用として好ましくな
い。
【0013】前記凹部の数(コ/cm2 )は、通気度に
も影響するものであるので、好ましくは20コ/cm2
〜35コ/cm2 の範囲にあるものが良い。20コ/c
2 未満であると不織布体の強度および平面摩耗などが
低くなって好ましくなく、35コ/cm2 をこえると不
織布体の通気度が大幅に低下し、さらに風合いが硬くな
って好ましくない。
【0014】また、前記長繊維不織布は、少なくとも一
面に前記凹部を有すれば良いが、好ましくは一面にある
方が剛性を低くすること、風合い(着心地)を良好にす
る点から好ましい。
【0015】なお、長繊維不織布は、疎水性繊維でなけ
ればならない。該疎水性繊維のうちでも公定水分率1%
以下の繊維、例えばポリオレフィン系長繊維、ポリエス
テル系長繊維、ポリ塩化ビニル系長繊維、ポリ塩化ビニ
リデン系長繊維、ポリウレタン系長繊維などを使用する
ことができる。疎水性繊維でない場合には、基布にして
撥水性を付与した場合に十分な撥水効果が得ることが出
来ず好ましくない。この中でも、強度が高く、加工性も
良く、廃棄処理性に優れたポリエステル系長繊維が好ま
しい。ポリエステル系長繊維としては、ポリエチレンテ
レフタレートの長繊維、およびポリブチレンテレフタレ
ートの長繊維およびポリエチレンナフタレートの長繊維
などを使用することができる。なお、前記長繊維の太さ
は、好ましくは2d以下、さらに好ましくは0.5〜
1.5dが良い。
【0016】また、前記長繊維不織布は、目付として1
0〜20g/m2 のものが好ましい。長繊維不織布の目
付けが10g/m2 未満になると、長繊維不織布の厚さ
が薄過ぎて短繊維ウエブと積層する場合に取扱いにく
く、医療用不織布製品の基布強度面で不安があるので好
ましくない。逆に、長繊維不織布の目付けが20g/m
2 をこえると、長繊維不織布の剛性が高くて基布の風合
いが硬くなり医療用不織布製品の基布として使用するの
に好ましくない。長繊維不織布の厚みを0.10〜0.
20mmの範囲に規定したのも長繊維不織布の目付けと
ほぼ同様の理由である。長繊維不織布の厚みが0.10
mm未満になると、長繊維不織布の厚さが薄過ぎて短繊
維ウエブと積層する場合に取扱いにくく、医療用不織布
製品の基布強度面で不安があるので好ましくない。長繊
維不織布の厚みが0.20mmをこえる、長繊維不織布
の剛性が高くて基布の風合いが硬くなり医療用不織布製
品の基布として使用するのに好ましくない。
【0017】次に、前記長繊維不織布と絡合される短繊
維ウエブは、親水性繊維を含んでおり、不織布体の風合
い(着心地)を高め、通気度、耐水圧、および機械的特
性を特定のレベルに保つ役目(制御する役目)を果た
す。該短繊維ウエブは、親水性繊維を好ましくは40〜
70重量%含んでいなければならない。これは、着心地
と寸法安定性の両方の観点から定められるもので、親水
性繊維が40重量%未満になると、肌に接した場合に着
心地が悪くなり好ましくない。70重量%をこえると、
医療用途には強度面で問題が生じ、さらに吸湿したとき
に寸法安定性が低下し形くずれしやすい問題が生じるの
で好ましくない。
【0018】ここに親水性繊維とは、公定水分率5%以
上の繊維を指し、例えば再生繊維、天然繊維などが挙げ
られ、そのうちでも親水性再生繊維系としてのセルロー
ス系繊維例えばレーヨン、ポリノジック、キュプラなど
が好ましい。
【0019】前記親水性繊維などの短繊維は、太さとし
て0.7〜1.5d、平均繊維長として32〜51mm
のものが好ましい。繊度が0.7d未満になると、短繊
維の開繊性が低下し均一な短繊維ウエブが得られないと
いう問題がある。逆に、短繊維の繊度が1.5dをこえ
ると、短繊維ウエブの剛性が高くて風合いが硬くなり、
さらには医療用不織布製品の基布として使用する場合に
十分な耐水圧が得られないという問題がある。短繊維の
平均繊維長が32mm未満になると、繊維長が短か過ぎ
て短繊維間の十分な交絡が得られず、脱落繊維が多いと
いう問題がある。逆に、短繊維の繊維長が51mmをこ
えると、短繊維ウエブの地合いが悪くなり、さらには医
療用不織布製品の基布として使用する場合に十分な耐水
圧が得られないという問題がある。
【0020】なお、短繊維ウエブには親水性繊維のほ
か、叙上の太さ、長さの疎水性繊維好ましくは公定水分
率1%以下の疎水性繊維が好ましくはいわゆる混紡の態
様で含まれている。
【0021】前記長繊維不織布と短繊維ウエブとが交絡
により積層一体化されてなる不織布層は、積層一体化に
接着剤を用いずに水による流体噴射処理を用いているた
めに柔軟なものになっている。該不織布層は5%以上の
水分率を有している。
【0022】積層一体化した不織布層の目付けは60〜
80g/m2 が好ましい。積層一体化した不織布の目付
けが60g/m2 未満になると、医療用不織布製品の基
布として使用する場合に十分な耐水圧が得られないとい
う問題がある。逆に、積層一体化した不織布の目付けが
80g/m2 をこえると、医療用不織布製品の基布とし
て使用する場合の剛性が高くて風合いが硬くなり柔軟性
が低下するという問題がある。
【0023】積層一体化した不織布の厚みは0.3〜
0.6mmである。厚みが0.3mm未満になると、医
療用不織布製品の基布として使用する場合に十分な耐水
圧と良好な風合いとが得られないという問題がある。逆
に、厚みが0.6mmをこえると、かさばって医療用不
織布製品の基布として使用する場合、着用時に膨らんで
おり着脹れした状態になり、さらに、保存や廃棄時にも
スペースを余計にとり、廃棄時にゴミの量が増えるとい
う問題がある。
【0024】本発明の不織布体は、長繊維不織布と短繊
維ウエブとが交絡により積層一体化されてなる柔軟な不
織布層からなるが、さらに次の物性を備えていなければ
ならない。まず、該不織布体は、5%以上の水分率を有
していなければならない。これは、医療用不織布製品と
して使用する場合の風合い及びむれ防止のためである。
該不織布体の水分率が5%未満の場合には医療用不織布
製品として使用する場合に風合い(肌触わり)が劣り、
むれやすくなり好ましくない。
【0025】次に、該不織布体は、通気度100cm3
/cm2 秒〜180cm3 /cm2/秒を有しなければ
ならない。これは、着心地良く、むれなくするためであ
り、100cm3 /cm2 /秒未満になると医療不織布
製品として使用する場合にむれやすくなって好ましくな
く、他方180cm3 /cm2 /秒をこえると医療用不
織布製品として使用する場合に外部からのバクテリアや
塵埃が入りやすくなって好ましくない。
【0026】さらに、該不織布体は、12cm以上の耐
水圧を有していなければならない。これは、医療用不織
布製品して使用する場合に血液や体液などの液体に対す
る抵抗性を保持するためで、12cm未満であると医療
用不織布製品として使用する場合に、血液や体液などの
液体に対する抵抗性が低くなり、安全性の面で問題とな
り好ましくない。
【0027】また、不織布体は、14回以上の平面摩耗
を有していなければならない。これは、医療用不織布製
品として使用する場合に生じる製品同士のマサツや医療
器具との接触に対する形状保持性を確保するためであ
り、14回未満であると医療用不織布製品として使用す
る場合に長時間手術などでは前記のマサツや接触により
表面の毛羽立ちや生地が薄くなる等の問題が生じ好まし
くない。
【0028】さらに、該不織布体は、経方向の引張強力
として5cm幅当りで9.0Kg以上を有しなければな
らない。これは、医療用不織布製品として使用する場合
に製品が変形したり破れたりしないようにするためであ
り、他方9.0Kg未満になると瞬時に経方向に大きな
引張りの力がかかった場合に製品が変形するなどの問題
が生じるおそれがあり好ましくない。
【0029】またさらに、緯方向の引張強力として5c
m幅当り2.5Kg以上を有していなければならない。
これは、経方向の場合と同様の理由によるものであり、
他方、2.5Kg未満になると瞬時に緯方向に大きな引
張りの力がかかった場合に製品が変形するなどの問題が
生じるおそれがあり好ましくない。
【0030】さらに、経方向の引裂強力として0.8K
g以上を有しなければならない。これは、医療用不織布
製品として使用する場合に、鋭利な医療器械、器具の接
触に基づく破損防止や着用中の引裂防止のためで、0.
8Kg未満になると着用中の動作に基づく引裂き応力に
対して破損するおそれがあり、さらに鋭利な医療器械、
器具の接触によって破損する危険が生じるようになり好
ましくない。
【0031】ここで、本発明の不織布体の製造法につい
て説明する。まず、疎水性繊維からなる長繊維不織布を
スパンボンド法、メルトブロー法などによって製造し、
ついで該長繊維不織布の少なくとも一面にエンボス加工
などにより熱圧着を加え、多数の凹部を形成する。
【0032】他方、親水性繊維を含む短繊維からなる短
繊維ウエブをカードなどで形成する。ついで、前記長繊
維不織布と短繊維ウエブを重ねて、短繊維ウエブ側から
好ましくは80Kg/cm2 以上の高圧水流を噴射し、
短繊維同士を絡合するとともに短繊維ウエブの短繊維を
長繊維不織布の中に侵入させて絡合させる。なお、さら
に長繊維不織布側からも高圧水流を好ましくは80Kg
/cm2 以上で噴射するのが好ましい。液体噴射処理装
置においては、孔径が0.08〜0.15mmの噴射孔
をノズル間隔0.4〜0.8mmで1〜3列のノズルを
多段階に配置したものが好ましい。
【0033】
【実施例】
実施例1 極限粘度0.63のポリエチレンテレフタレート樹脂を
溶融押出し、紡糸し、冷却後、通常のスパンボンド製造
法により公定水分率0.4%、繊度1.0dの長繊維フ
リースを製造した。
【0034】この長繊維フリースを、10コ/cm2
割合で凹凸を有するエンボスロールと平滑ロールとの間
に通して240℃、60Kg/cmの条件で熱圧着し、
目付15g/m2 、厚み0.11mm(凹部以外の厚
み)の長繊維不織布を製造した。なお、エンボスロール
の凹部の面積を種々変化させて夫々の長繊維不織布を製
造した。
【0035】他方、公定水分率11%、繊度1.25
d、平均繊維長38mmのレーヨン65重量%と、公定
水分率0.4%、繊度1.0d、平均繊維長38mmの
ポリエステル短繊維35重量%とを混綿、開繊し、目付
65g/m2 の短繊維ウエブを製造した。
【0036】ついで、前記長繊維不織布と短繊維ウエブ
とを金属支持体上に積層して短繊維ウエブ側から、ノズ
ル径0.12mm、ノズル間隔0.6mmで水圧100
Kg/cm2 で高圧水流で処理して不織布体を製造し
た。その特性を表1に示した。
【0037】
【表1】
【0038】なお、表1における特性の測定方法は下記
の方法によった。 イ.凹部の面積(mm2 /個) 長繊維不織布の凹部5ケ所をランダムに採取し光学顕微
鏡にて観察し、同時に標準スケールと共に30倍の写真
を撮り、プリントから採寸し5ケ所の平均値であらわし
た。
【0039】ロ.水分率(%) JIS L 1015(化学繊維ステープル試験方法)
の平衡水分率に関する試験方法に準じて測定した。すな
わち、水分平衡に達した試料から約5gをとり、その質
量および絶乾質量をはかり、下記の式により、平衡水分
率(%)を算出し、試験回数3回の平均値であらわす。 平衡水分率(%)=〔(試料採取時の質量(g)−試料
の絶乾質量(g))/試料の絶乾質量(g)〕×100
【0040】ハ.目付(g/m2 ) JIS L 1085(不織布芯地試験方法)の質量
(目付)に関する試験方法に準じて測定した。なお、2
0cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれ水分
平衡状態での質量をはかり、その平均値を単位面積当り
で示す。
【0041】ニ.厚み(mm) 日本化学繊維協会の合成繊維長繊維不織布試験方法に準
じて定圧厚さ測定器で測定した。なお、試料の測定面積
は1cm2 で、初荷重20g/cm2 で試験回数は3回
とし、その平均値で表わした。
【0042】ホ.耐水圧(cm) JIS L 1092(繊維製品の防水試験方法)に関
する試験方法に準じて測定した。具体的には、A法(低
水圧法)のうち静水圧法により試験をした。すなわち、
耐水度試験装置を用いて、15cm×15cmの試験片
を4枚採取し、水位を上昇させて、試験片の裏側の3カ
所から水が出たときの水位(cm)を測り、その平均値
で表わした。
【0043】ヘ.通気度(cm3 /cm2 /秒) JIS L 1096(一般織物試験方法)に関する試
験方法に準じて測定した。具体的には、A法のフラジー
ル試験機を用いて、水柱1.27cmの圧力を示すよう
に吸込みファンを調整し、そのときの垂直型気圧計の示
す圧力と使用した空気孔の種類から、同試験機の付属の
表によって試験片を通過する空気量(通気度)を下記の
式より求める。 通気度(cm3 /cm2 /秒)=測定値×ノズル係数
(50)/測定時間(30秒)
【0044】ト.脱落繊維(本) 不織布試料を用いて縫製加工したガウンを実際に着用
し、使用者の動きを単純、模擬化した単位運動(上体の
前後屈み、肘の屈伸、脇部の擦れ、金属ハサミとの接触
こすれ)を各100回行ない、発生したリント(糸く
ず)の本数を数えた。
【0045】チ.平面摩耗(回) JIS L 1096の摩耗強さに関するA−1法(ユ
ニバーサル形法)に準じて測定した。具体的には、直径
12cmの試験片を5枚採取し、これらをゴム膜上に載
せ、研磨紙(cc#600番)で、押圧荷重0.454
kgf、摩擦速度125±5回/分、空気圧0.281
kg/cm2 の条件下で多方向に摩擦し、試験片が破壊
したときの回数をはかり、5回の平均値で表わした。
【0046】リ.剛軟度(mm) JIS L 1096(一般織物方法)に関する試験方
法に準じて測定した。具体的には、A法の45°カンチ
レバー形試験機を用いて、2cm×15cmの試験片を
たて方向およびよこ方向に各5枚採取し、一端が45°
の斜面を持つ表面の滑らかな水平台の上におき、ついで
該試験片を斜面の方向に緩やかに滑らせてこの試験片の
一端の中央点が斜面と接したとき、試験片が移動した長
さ(mm)の平均値を剛軟度として表わした。
【0047】ヌ.着心地(点) それぞれの不織布を用いて短繊維ウエブを肌側にして縫
製加工したガウンを実際に着用したときの着心地を10
名のモニターを対象にドレープ性を中心に評価してもら
い、ドレープ性があると感じ、判定した場合に1点と加
工した。
【0048】ル.外部からの塵埃の混入 JIS D 0207に準じて着色ダストを用いて、塵
埃が不織布体内部に侵入し、通過するか否かで判定し
た。
【0049】ヲ.引張強さ(kgf/5cm) JIS L−1096の引張強さ試験法に準拠して測定
した。すなわち、定速伸長形試験機を用い、試験片の幅
5cm、つかみ間隔20cm、引張り速度20cm/分
の試験条件で破断時の強さを測定した。試験回数は3回
で引張り強さをその平均値であらわした。
【0050】ワ.引裂強さ(kgf) JIS L−1096の引裂強さに関する試験法のうち
D法(ペンジュラム法)を準用して測定した。すなわ
ち、6.5cm×10cmの試験片を経方向および緯方
向に各5枚採取し、エルメンドルフ形引裂試験機を用
い、試験片の両つかみの中央で直角に2cmの切れ目を
入れ、残りの4.5cmを経および緯方向に引裂いたと
きの荷重強さを測り、それぞれの平均値で表わした。
【0051】表1から次のことが確認された。NO1は、
凹部の面積が0.2mm2 /個の場合であり、本発明の
範囲外である。通気度が200cm3 /cm2 /秒と高
くて外部からの塵埃の混入があり、また、凹部の単位表
面積が小さいために表面の繊維間における結合力および
絡合力が低く、そのため平面摩耗が低くて長時間使用時
には表面がスリ切れるおそれがあり、また、引裂強力は
補強部となる凹部の単位表面積が低く、一度引裂かれる
と抑止しにくいため低かった。
【0052】NO2〜5は、本発明の範囲内のものであ
り、通気度も適性で脱落繊維も少なく着心地が良好であ
った。
【0053】NO6は、凹部の面積が1.0mm2 /個と
大きいために、通気度が小さくてむれており着心地が悪
かった。
【0054】実施例2 実施例1の短繊維ウエブを構成する短繊維のうち、ポリ
エステル短繊維の繊度を種々変え、その他は実施例1と
同じものを採用し、また、長繊維不織布の凹部の面積を
0.5mm2 /個、一面に存在する割合を30個/cm
2 とするほかは実施例1と同じ条件を採用し、実施例1
と同様にして不織布体を製造し、その特性を表2に示し
た。
【0055】
【表2】
【0056】表2の特性の測定はすでに述べた方法で行
なった。 表2から次のことが確認された。NO1は、短
繊維の太さ(d)は、ポリエステル短繊維の太さが0.
5dと細いために、通気度が低くむれて着心地が悪く、
極細繊維に基因する皮膚と接触した場合の抵抗が大きい
ために平面摩耗が小さく耐摩耗性が悪かった。
【0057】NO2〜NO5は、通気度、耐水圧も適性な範
囲のもので、着心地も良好であった。
【0058】NO6は、短繊維の太さが2.0dと太いた
めに、通気度が大きく外部からの塵埃の混入が目立ち、
耐水圧が低く風合いが硬いなどの点で好ましくなかっ
た。
【0059】実施例3 実施例1の短繊維ウエブの構成繊維として1.5d、3
8mmのレーヨン100%を用いて、目付55g/m2
の短繊維ウエブをつくり、他は実施例1のNO3と同様に
して本発明の不織布体を製造した。
【0060】なお、比較のために実施例3においてエン
ボスローラの代わりに一対の平滑ローラを使用し、一方
の加熱ローラの温度を210℃にして自己接着した長繊
維不織布をつくり、叙上の短繊維と重ねて実施例3と同
じ条件で不織布体を製造した(比較例1)。
【0061】また、比較のためにポリエステル短繊維
(1.2d、38mm)を用いて均一なウエブ(目付3
0g/m2 )を形成し、このウエブに木材パルプ繊維か
らなる市販のティッシュ5枚(目付40g/m2 )を重
ねて実施例3と同一の条件で一体化させて目付66g/
2 (ポリエステル短繊維:木材パルプ=45:55)
の不織布を製造した(比較例2)。
【0062】このようにして求めた実施例3、比較例
1、2の特性をすでに述べた測定方法により測定し、表
3に示した。
【0063】
【表3】
【0064】表3から次のことが確認された。すなわ
ち、実施例3は、自己接着した長繊維不織布を用いて比
較例1に比べて剛軟度が低く柔軟性に優れ、着心地も良
いことが判明した。また、ポリエステル短繊維と木材パ
ルプ繊維を用いた比較例2に対しては、脱落繊維が少な
く、リントフリー性に優れ、通気度も高いためむれにく
く着心地も良好であることがわかった。
【0065】
【作用】本発明の不織布体は、長繊維不織布と短繊維ウ
エブとが積層一体化されたものであり、長繊維不織布に
は疎水性素材からなるエンボスロールによる熱圧着で所
定の大きさの凹部が多数形成されている。それによっ
て、凹部が規則的にかつ均質に強固に形成されているの
で、不織布体とした場合に補強効果、脱落繊維の低下お
よび平面摩耗に寄与する。長繊維不織布の非熱圧着部
は、短繊維ウエブ中の短繊維と80kg/cm2 以上の
水圧条件で高圧水流により交絡される。これによって、
公定水分率を規定した長繊維不織布中の材料と短繊維ウ
エブ中の材料とが緊密に積層一体化される。それと同時
に、高圧水流により短繊維ウエブ中の短繊維同士も緊密
に交絡される。その結果、通気度、脱落繊維、耐水圧お
よび着心地を両立させることができる。
【0066】
【発明の効果】本発明の不織布体は、特定の長繊維不織
布と特定の短繊維ウエブとからなり、医療用の不織布製
品の基布として、適度な通気度と耐水圧を有し、着心地
に優れ、また、外部からの塵埃が中に入りにくく、脱落
繊維も少なく、耐摩耗性にも優れている。また、本発明
方法は、叙上の不織布体を安定して再現性良く製造でき
る効果を奏する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 疎水性繊維からなり熱圧着による面積
    0.3〜0.6mm2/コの凹部を多数その少なくとも
    一面に有する長繊維不織布と、親水性繊維を含む短繊維
    ウエブとが交絡により積層一体化されてなる柔軟な不織
    布層からなり、水分率5%以上、通気度100cm3
    cm2 /秒〜180cm3 /cm2 /秒、耐水圧12c
    m以上、平面摩耗14回以上、経方向の引張強力9.0
    Kg/5cm幅以上、経方向の引裂強力0.8kg以
    上、緯方向の引張強力2.5Kg/5cm幅以上である
    ことを特徴とする不織布体。
  2. 【請求項2】 不織布層の目付が60〜80g/m2
    厚みが0.3〜0.6mmである請求項1に記載の不織
    布体。
  3. 【請求項3】 親水性繊維が短繊維ウエブに40〜70
    重量%含まれる請求項1〜2項のいずれか1項に記載の
    不織布体。
  4. 【請求項4】 短繊維ウエブの短繊維は、その繊度が
    0.7〜1.5dの範囲にあり、その平均繊維長が32
    〜51mmの範囲にある請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の不織布。
  5. 【請求項5】 疎水性繊維からなり熱圧着による凹部を
    多数有する長繊維不織布と、親水性繊維を含む短繊維ウ
    エブを積層し、ついで短繊維ウエブ側から80Kg/c
    2 以上の水圧で流体噴射処理を行なうことを特徴とす
    る不織布体の製造法。
  6. 【請求項6】 短繊維ウエブ側からの流体噴射処理の
    後、さらに長繊維不織布側からも流体噴射処理を行なう
    請求項5に記載の不織布体の製造法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0814189A1 (en) * 1996-06-18 1997-12-29 Nippon Petrochemicals Co., Ltd. Bulky nonwoven fabric and method for producing the same
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