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JPH08169786A - 耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材の製造法 - Google Patents

耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材の製造法

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Publication number
JPH08169786A
JPH08169786A JP6334153A JP33415394A JPH08169786A JP H08169786 A JPH08169786 A JP H08169786A JP 6334153 A JP6334153 A JP 6334153A JP 33415394 A JP33415394 A JP 33415394A JP H08169786 A JPH08169786 A JP H08169786A
Authority
JP
Japan
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carbon fiber
composite
coating layer
silicon carbide
fiber reinforced
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6334153A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihiko Nakada
邦彦 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokai Carbon Co Ltd
Original Assignee
Tokai Carbon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokai Carbon Co Ltd filed Critical Tokai Carbon Co Ltd
Priority to JP6334153A priority Critical patent/JPH08169786A/ja
Publication of JPH08169786A publication Critical patent/JPH08169786A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
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    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5053Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
    • C04B41/5057Carbides
    • C04B41/5059Silicon carbide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭素繊維強化炭素複合材(C/C複合材)の
材質強度の低下を抑制した、耐酸化性に優れたC/C複
合材の製造法を提供する。 【構成】 炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複合成
形し硬化した炭素繊維複合樹脂成形体の外周面に、ポリ
イミド系樹脂フィルムを展着した状態で焼成炭化し、得
られた炭素繊維強化炭素複合基材を珪素源と炭材との混
合粉末を加熱反応させて生成するSiOガスと非酸化性
雰囲気中1600〜2000℃の温度域で接触させ、炭
素繊維強化炭素複合基材の表面にコンバージョン法によ
る炭化珪素被覆層を形成する。好ましくは、炭化珪素被
覆層をベース被覆層とし、その表面にSiO2 または/
およびB2 3 からなる被覆層を積層形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温酸化性雰囲気にお
いて優れた耐酸化性を発揮する炭素繊維強化炭素複合材
(以下「C/C複合材」という)の製造法、詳しくは材
質強度を低下させずにコンバージョン法により安定した
緻密組織のSiC被覆層を形成することができる耐酸化
性炭素繊維強化炭素複合材の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】C/C複合材は、卓越した比強度、比弾
性率を有するうえに1000℃を越える高温域において
優れた耐熱性および化学的安定性を備えているため、航
空宇宙用をはじめ高温過酷な条件で使用される構造材料
として有用されている。ところが、この材料には大気中
において500℃付近から材質酸化を受けるという炭素
材固有の欠点があり、これが汎用性を阻害する最大のネ
ックとなっている。このため、C/C複合材の表面に耐
酸化性の被覆を施して改質化する試みが盛んになされて
おり、例えば炭化珪素、窒化珪素、ジルコニヤ、アルミ
ナ等の耐熱セラミックス系物質によって被覆処理する方
法が数多く開発されている。このうち、炭化珪素の被覆
化が技術性および経済性の面で優れており、最も好適な
工業化手段として実用されている。
【0003】C/C複合材の表面に炭化珪素の被覆層を
形成する代表的な方法として、気相反応により生成する
SiCを直接沈着させるCVD法(化学的気相蒸着法)
と、C/C複合材の炭素を反応源に利用してSiOガス
と反応させることによりSiCに転化させるコンバージ
ョン法が知られている。しかしながら、これらの方法に
よって形成される炭化珪素被覆層にはそれぞれに長所と
短所がある。すなわち前者のCVD法により形成される
炭化珪素被覆層は、緻密性には優れているものの、基材
との界面が明確に分離している関係で熱衝撃を与えると
相互の熱膨張差によって層間剥離現象が起こり易い欠点
がある。この層間剥離現象は、主にC/C複合基材とS
iC被覆層との熱膨張差が大きく、最大歪みが追随でき
ないことに起因して発生するため、C/C複合基材面を
SiCの熱膨張率に近似するように改質すれば軽減化さ
せることができる。このような観点から、C/C複合基
材面に気相熱分解法により熱分解炭素層を形成し、つい
でCVDまたはCVI法でSiCを被覆する方法(特開
平2−111681号公報)が提案されているが、操作の煩雑
性に見合う程の十分な高温酸化抵抗性は期待できない。
【0004】これに対し、後者のコンバージョン法は珪
素源と炭材を加熱反応させて生成するSiOガスとC/
C複合材を構成する炭素組織を反応させ、C/C複合材
の表層部の表面から内部にかけて漸次SiC化する機構
に基づくものであるため、形成される炭化珪素層はSi
C化の度合が材質内部に向うに従って漸次減少する連続
的な傾斜機能組織を呈する。したがって、CVD法によ
り形成される炭化珪素層のように層間がなく、熱衝撃を
受けても層間界面剥離を生じることがない利点がある。
しかし、その反面、表層部における炭化珪素層の緻密度
合が低下して、十分な耐酸化性を付与できない欠点があ
る。
【0005】このため、C/C基材の表面に予めコンバ
ージョン法によりSiC層を形成し、これをベース被覆
層としてその上に各種の被覆層を積層して耐酸化性能を
向上させる試みが提案されている。例えば、本出願人は
C/C基材の表面に、SiC被覆層、SiO2 微粒被覆
層、SiO2 ガラス被覆層またはB2 3 ガラス被覆層
もしくはB2 3 ・SiO2 ガラス被覆層が3層状に積
層被覆された構造の耐酸化性C/C材とその製造方法
(特開平4−42883 号公報)を開発し、さらに、特開平
4−187583号公報、特開平4−243989号公報、特開平4
−243990号公報、特開平4−43366 号公報、特開平5−
70228 号公報、特開平5−229886号公報、特開平5−33
0961号公報、特開平6−48872 号公報、特開平6−1449
67号公報、特開平6−247782号公報などの改良技術を開
発、提案している。
【0006】これらの多層被覆手段によればC/C複合
材の耐酸化性能を効果的に向上させることが可能となる
が、ベース被覆層を構成するコンバージョン法によるS
iC化には、本質的にC/C複合基材そのものの材質強
度を損ねる問題がある。すなわち、コンバージョン法に
よる被覆段階においては、SiOガスはC/C基材の表
面から組織内部まで浸透拡散しながらC/C基材組織を
SiCに転化していくため、C/C複合材の表面ばかり
ではなく、比較的深い内部組織までSiC化が進行して
基材組織、とくにSiC化し易いマトリックス炭素部分
を優先的に珪化して基材組織全体を脆弱化する現象が生
じる。この現象を抑制するためには、C/C複合基材の
材質密度を高めることが効果的であるが、これには限界
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、C/C複
合基材の表面にコンバージョン法により炭化珪素被覆層
を形成するには、SiCが生成する層厚を可及的に抑制
して基材組織内部に達する珪化反応を防止しない限り材
質強度の減退は免れない。本発明者は、かかる課題を解
決するために鋭意研究を重ねた結果、炭素繊維複合樹脂
成形体の段階で外周面に特定の樹脂フィルムを展着して
から焼成炭化し、得られたC/C複合材を基材としてコ
ンバージョン法により炭化珪素層を形成すると、生成す
る炭化珪素層は基材の表層部に留まり、かつ緻密で層間
剥離しない安定な被覆層として得られることを確認し
た。
【0008】本発明は上記の知見に基づいて開発された
もので、その目的とするところは、コンバージョン法に
よりC/C複合基材面に炭化珪素の被覆層を形成する際
に、組織内部までSiC化することによる材質強度の低
下現象を抑制し、優れた材質強度と緻密で安定な被覆層
を形成することができる耐酸化性C/C複合材の製造法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による耐酸化性C/C複合材の製造法は、炭
素繊維をマトリックス樹脂とともに複合成形し硬化した
炭素繊維複合樹脂成形体の外周面に、ポリイミド系樹脂
フィルムを展着した状態で焼成炭化し、得られた炭素繊
維強化炭素複合基材を珪素源と炭材の混合粉末を加熱反
応させて生成するSiOガスと非酸化性雰囲気中160
0〜2000℃の温度域で接触させ、炭素繊維強化炭素
複合基材の表面にコンバージョン法による炭化珪素被覆
層を形成することを構成上の特徴とする。
【0010】C/C複合材の強化材となる炭素繊維に
は、ポリアクリロニトリル系、レーヨン系、ピッチ系な
ど各種原料から製造された平織、朱子織、綾織などの織
布を一次元または多次元方向に配向した繊維体、フェル
ト、トウ等が使用され、マトリックス樹脂としてはフェ
ノール系、フラン系など高炭化性の液状熱硬化性樹脂、
タールピッチのような熱可塑性物質が用いられる。炭素
繊維は、含浸、塗布などの手段によりマトリックス樹脂
で十分に濡らしたのち半硬化してプリプレグを形成し、
ついで積層加圧成形したのち、加熱して樹脂成分を完全
に硬化して炭素繊維複合樹脂成形体を得る。
【0011】ついで、炭素繊維複合樹脂成形体の外周面
にポリイミド系樹脂フィルムを展着する。本発明の目的
に適用できるポリイミド系樹脂としては、ポリイミド樹
脂のほか、カプトン樹脂、ウルテム樹脂などを挙げるこ
とができる。ポリイミド系樹脂フィルムの膜厚は、10
〜300μm の薄膜であることが好ましく、さらに好ま
しくは30〜100μm である。300μm を越えると
バリア性が強くなり過ぎて被覆時にSiOガスがC/C
複合基材の表層部まで浸透拡散しなくなり、10μm 未
満では炭素繊維複合樹脂成形体の外周面に展着する際に
膜破損し易くなる。展着の手段にはとくに限定はない
が、接着剤を用いて接着する方法が最も簡便であり、接
着剤には樹脂フィルムと同質のポリイミド系のワニスを
用いることが好ましい。
【0012】外周面にポリイミド系樹脂フィルムを展着
した炭素繊維複合樹脂成形体は、常法に従い非酸化性雰
囲気下で1000〜2000℃の温度に加熱して焼成炭
化することによりC/C複合基材を作製する。この焼成
炭化処理により、マトリックス樹脂は炭素化されてC/
C複合材に転化し、同時に外周面に展着されたポリイミ
ド系樹脂フィルムも炭素質あるいは黒鉛質に転化する。
このため、C/C複合基材の表面は内部組織とは異質の
緻密なカ−ボン層が密着した状態となるが、ポリイミド
系樹脂フィルムから転化するカーボン層はC/C複合基
材に比べて炭化収縮率が相対的に大きいため、得られる
炭素質薄膜には全面に微細なクラックが発生する。
【0013】上記のC/C複合基材は、コンバージョン
法により炭化珪素層の被覆工程に移される。反応ガスを
発生させる珪素源としては、石英、珪石、珪砂等のSi
2含有物質を粒径10〜500μm に粉砕したものが
用いられ、また炭材には粒径10〜500μm のコーク
ス、ピッチ、黒鉛、カーボンブラック等の炭素質粉末が
使用される。珪素源と炭材との配合組成は、各材料粉末
の表面積を考慮して決定されるが、通常、SiO2 :C
の重量比率が1:1〜5:1の範囲になるように配合さ
れる。配合物はV型ブレンダーなどの混合装置で十分に
混合し、均一な混合物としたのち、黒鉛のような高耐熱
性材料で構成された反応容器に入れる。
【0014】上記の反応容器を密閉加熱炉内に設置し、
C/C複合基材を反応容器内の混合粉末中に埋没するか
反応容器の近傍にセットした状態で系内を還元または中
性の非酸化性雰囲気に保持しながら1600〜2000
℃の温度に加熱処理する。処理過程で、珪素源と炭材の
加熱還元反応により発生したSiOガスは、C/C複合
基材の表層面と接触しながらSiCに転化するが、C/
C複合基材の外周面には薄膜状の緻密なカーボン層が介
在するため、大部分のSiOガスは該カーボン層のSi
C化に消費されると共にバリア作用によって内部組織へ
の浸透拡散は阻止される。しかし、一部のSiOガスは
緻密カーボン層に発生した微細なクラックを通って内部
組織に達し、この過程でクラック細孔を目詰めしながら
C/C複合基材の表層部までをSiC化する。したがっ
て、最終的な炭化珪素被覆層は外周面の緻密カーボン層
が転化した緻密質のSiC層とC/C複合基材の表層部
がSiC化した連続状態となり、C/C複合基材の組織
内部までSiC化することはない。
【0015】このようにして形成した炭化珪素被覆層の
表面には、これをベース層として更に高度の耐酸化性能
を付与するために、SiO2 または/およびB2 5
らなる他の被覆層を積層形成することができる。SiO
2 やB2 5 の積層被膜を形成する方法としては、例え
ばSi(OC2 5)4 やB(OC1227)3のようなアル
コキシドを加水分解して得られるガラス前駆体溶液を塗
布するか含浸させたのち、加熱する方法を適用すること
ができ、特開平4−42883号公報、特開平4−18
7583号公報等に記載された方法が有効に使用し得
る。
【0016】
【作用】本発明によれば、炭素繊維強化樹脂成形体の段
階で外周面に介在するポリイミド系樹脂フィルムが炭化
して生成した薄膜の緻密カーボン層が、コンバージョン
法による炭化珪素被覆層形成時にSiOガスがC/C複
合基材の組織内部まで浸透拡散する現象を抑制するバリ
アとして機能するとともに、ポリイミド系樹脂フィルム
が炭化する際に発生した微細なクラックが一部のSiO
ガスをC/C複合基材の表層部まで侵入させるための通
路として機能する。
【0017】したがって、被覆操作の過程で、SiOガ
スの大部分はポリイミド系樹脂フィルムが炭化した緻密
カーボン層と接触してSiCに転化し、一部のSiOガ
スは微細なクラックから侵入してクラック空隙をSiC
で目詰めしながらC/C複合基材の表層部をSiCに転
化する。この際、微細なクラックからC/C複合基材の
表層部まで生成するSiCはアンカー効果(投錨効果)
を発揮し、ポリイミド系樹脂フィルムの緻密カーボン層
から転化したSiC層とC/C複合基材の表層部が転化
したSiC層の間を強固に密着結合する。
【0018】上記の作用を介して、C/C複合材の組織
内部がSiC化することによる材質強度の減退を伴うこ
となく、C/C複合基材の表層部のみに緻密で安定強固
な炭化珪素被覆層を形成することが可能となる。
【0019】また、このように形成された炭化珪素被覆
層をベース被覆層として、その上にSiO2 または/お
よびB2 5 からなる他の被覆層を積層形成することに
より、更に高度の耐酸化性能を付与することができる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。
【0021】実施例1 引張り弾性率約70tのピッチ系炭素繊維織布〔日本石
油(株)製XN−70〕を平面に揃え、フェノール樹脂初期
縮合物〔住友デュレズ(株)製、PR940 〕をマトリック
ス樹脂として炭素繊維の体積含有率が60%となるよう
に塗布し、48時間風乾してプリプレグシートを作成し
た。このプリプレグシート16枚を積層し、オートクレ
ーブにより圧力7Kg/cm2、温度170℃で2時間、加熱
加圧処理して、縦横250mmの炭素繊維複合樹脂成形体
を得た。この炭素繊維複合樹脂成形体の外周面にポリイ
ミド樹脂のフィルム〔宇部興産(株)製ユーピレック
ス〕を50μm の厚さに接着した。なお、接着剤として
はポリイミドワニス〔宇部興産(株)製ユーワニス〕を
使用した。このようにして得られたポリイミド樹脂フィ
ルムを接着した炭素繊維複合樹脂成形体を、窒素ガス雰
囲気に保持された焼成炉に移し、20℃/hr の昇温速度
で1000℃に加熱したのち、フェノール樹脂初期縮合
物を真空、加圧含浸して緻密化し、再び焼成炉に移して
50℃/hr の昇温速度で2000℃まで加熱処理して、
外周面にカーボン層を形成した縦横250mm、厚さ2mm
のC/C複合材を作製した。このカーボン層を顕微鏡観
察したところ、全面に亘って微細なクラックが多数発生
していることが認められた。
【0022】次いで、粒径40〜300μm の珪砂粉末
と粒径40〜300μm の黒鉛粉末とを4:1の重量比
でV型ブレンダーで均一に混合した混合粉末を黒鉛容器
に入れ、その中に前記C/C複合材を埋没した状態で、
窒素ガス雰囲気下に50℃/hr の昇温速度で1800℃
に加熱し、1時間保持してC/C複合基材の表面に炭化
珪素の被覆層を形成した。
【0023】このようにして製造したC/C複合基材お
よび炭化珪素の被覆処理を施したC/C複合材につい
て、次の方法により引張強度、カーボン層の厚さ、炭化
珪素被覆層の厚さの測定ならびに耐酸化性の評価を行
い、その結果を表1に示した。 引張強度:厚さ2mm、長さ160mmの試料より掴み部
分を長さ40mm、幅25.4mmとし、ゲージ部を長さ4
0mm、幅12.7mmのダンベル形状に加工して、引張強
度測定用試験片とした。この試験片にクロスヘッド速度
1.3mm/minで引張荷重を加え破壊荷重を測定した。 カーボン層の厚さ:C/C複合基材の一部をダイヤモ
ンドカッターで切断した断面をSEMで観察して、測定
した。 炭化珪素被覆層の厚さ:炭化珪素を被覆したC/C複
合材の一部をダイヤモンドカッターで切断した断面をS
EMで観察して炭化珪素被覆層の上下面の厚さおよび側
面の厚さを測定した。 耐酸化性試験:炭化珪素を被覆したC/C複合材を電
気炉に入れて、大気雰囲気下に1400℃の温度に30
分間保持した時の重量減少率を測定した。
【0024】実施例2 接着したポリイミド樹脂フィルムの厚さを100μm と
したほかは、実施例1と同一の方法によりC/C複合基
材の作製、および炭化珪素の被覆層を形成してC/C複
合材を製造した。次いで、Si (OC2 5)4 とエタノ
ールをモル比1:12の割合で配合し、70℃の温度で
還流撹拌したのち、Si (OC2 5)41モルに対し2
5モルの水と0.2モルのNH4 OHの混合液を撹拌し
ながら滴下し(pH12.0)、引き続き撹拌を継続し
て約0.2μm のSiO2 球状微粒子が均一に分散する
サスペンジョンを作成し、このサスペンジョン中に前記
炭化珪素被覆C/C複合材を浸漬して、15分間160
Torrの圧力下に含浸処理を行ったのち、風乾した。次
に、Si (OC2 5)4 とエタノールをモル比1:4.
5の割合で配合し、室温で還流撹拌したのち、Si (O
2 5)4 1モルに対し2.5モルの水と0.03モル
のHClの混合液を撹拌しながら滴下して(pH3.
0)、SiO2 ガラス前駆体溶液を調製した。このガラ
ス前駆体溶液に前記のSiO2 微粒子層を形成した炭化
珪素被覆C/C複合材を浸漬し、160Torrの圧力下に
15分間含浸処理したのち風乾し、その後500℃の温
度で10分間加熱して、SiO2 のガラス質被膜(厚さ
5μm )を形成した。
【0025】このようにして製造した炭化珪素被覆層の
上に、SiO2 のガラス質被膜を形成したC/C複合材
について、実施例1と同一の方法により引張強度、カー
ボン層の厚さ、炭化珪素被覆層の上下面の厚さおよび側
面の厚さの測定ならびに耐酸化性の評価を行い、その結
果を表1に併載した。
【0026】比較例1 ポリイミド樹脂フィルムを接着しないほかは、実施例1
と同一の方法により作製したC/C複合基材、および炭
化珪素の被覆層を形成したC/C複合材について、実施
例1と同一の方法により引張強度、炭化珪素被覆層の上
下面の厚さおよび側面の厚さの測定ならびに耐酸化性の
評価を行い、その結果を表1に併載した。
【0027】比較例2 ポリイミド樹脂フィルムを接着しないほかは、実施例2
と同一の方法によりC/C複合基材の作製、炭化珪素被
覆層の形成およびSiO2 ガラス質被膜を形成したC/
C複合材について、実施例1と同一の方法により引張強
度、炭化珪素被覆層の上下面の厚さおよび側面の厚さの
測定ならびに耐酸化性の評価を行い、その結果を表1に
併載した。
【0028】
【表1】
【0029】表1の結果から、C/C複合基材の外周面
にカーボン層を形成することにより炭化珪素被覆層の形
成時にC/C複合基材の内部がSiC化される現象が抑
制され、実施例1ではSiC被覆C/C複合材の引張強
度の低下が小さいのに対し、比較例1の場合は引張強度
の低下が著しく、カーボン層を厚く形成した実施例2で
は、実施例1に比べて引張強度の低下がさらに少ないこ
とが判る。また、SiC被覆層の上にSiO2 ガラス質
層を形成することにより、酸化による消耗が減少し、耐
酸化性がより向上することが認められる。
【0030】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によればC/C複
合基材の外周面にポリイミド樹脂フィルムを焼成炭化し
たカーボン層を形成することにより、炭化珪素の被覆層
を形成する際に、C/C複合基材の内部組織がSiC化
される現象を抑制することができるので、C/C複合材
の材質強度の低下が防止され、更にガラス質被膜を形成
することにより、高度の耐酸化性能を付与することが可
能である。したがって、材質強度に優れた耐酸化性C/
C複合材の製造方法として極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維をマトリックス樹脂とともに複
    合成形し硬化した炭素繊維複合樹脂成形体の外周面に、
    ポリイミド系樹脂フィルムを展着した状態で焼成炭化
    し、得られた炭素繊維強化炭素複合基材を珪素源と炭材
    の混合粉末を加熱反応させて生成するSiOガスと非酸
    化性雰囲気中1600〜2000℃の温度域で接触さ
    せ、炭素繊維強化炭素複合基材の表面にコンバージョン
    法による炭化珪素被覆層を形成することを特徴とする耐
    酸化性炭素繊維強化炭素複合材の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1で形成した炭化珪素被覆層をベ
    ース被覆層とし、その表面にSiO2 または/およびB
    2 3 からなる被覆層を積層形成することを特徴とする
    耐酸化性炭素繊維強化炭素複合材の製造法。
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