[go: up one dir, main page]

JPH0816141B2 - プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法 - Google Patents

プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法

Info

Publication number
JPH0816141B2
JPH0816141B2 JP62313717A JP31371787A JPH0816141B2 JP H0816141 B2 JPH0816141 B2 JP H0816141B2 JP 62313717 A JP62313717 A JP 62313717A JP 31371787 A JP31371787 A JP 31371787A JP H0816141 B2 JPH0816141 B2 JP H0816141B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propylene
titanium
catalyst component
ethylene
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62313717A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01153709A (ja
Inventor
禎徳 菅
康夫 丸山
英二 磯部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP62313717A priority Critical patent/JPH0816141B2/ja
Publication of JPH01153709A publication Critical patent/JPH01153709A/ja
Publication of JPH0816141B2 publication Critical patent/JPH0816141B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、プロピレン−エチレンブロック共重合体の
製造法に関する。更に詳しくは、特定のα−オレフィン
を前重合し、ついでプロピレンおよびエチレンを2段階
で重合させることによって剛性の高いかつ耐衝撃性に優
れたプロピレン−エチレンブロック共重合体を得る方法
に関する。
〔従来の技術〕
プロピレン単独重合体は、剛性に優れた特性を有する
が、反面、耐衝撃性が低いという欠点を有する。この欠
点を改良する方法として、プロピレンとエチレンを段階
的に重合させてブロピレン共重合体を製造する方法は、
既に公知である。そして、これらのほとんどは、プロピ
レン単独重合体あるいはプロピレンと少量のエチレンと
の共重合体とプロピレン−エチレンランダム共重合体の
重合比、プロピレン−エチレンランダム共重合体の組成
や分子量等を特定することによって、剛性をさほど損う
ことなく耐衝撃性を改良する方法である。しかしこれら
の方法では、耐衝撃性を高めた場合の剛性の低下には大
きいものがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
プロピレン−エチレンブロック共重合体を製造する際
に、前重合触媒成分を用いることは、公知である。例え
ば特開昭57−147508号公報では、チタン含有固体触媒成
分を用い、プロピレン−エチレンブロック共重合体を製
造するにあたって、オレフィンで前処理した触媒を用い
ることにより、嵩密度などの重合体の粉体性状を改良す
る方法が、また、特開昭61−171715号公報では、マグネ
シウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体触媒
成分を用い、プロピレンを前重合させ、ついでプロピレ
ン−エチレンブロック共重合体を製造することで、低結
晶性成分の副生を抑制する方法が提案されている。これ
らは、前重合触媒成分を用いることで、嵩密度の向上や
非結晶成分の溶出を抑制することを目的としたものであ
る。特開昭56−57814号公報では、マグネシウム、チタ
ン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有す
るチタン複合体触媒成分を用い、エチレン、プロピレン
もしくはC4〜C10のα−オレフィンを前重合させ、つい
でプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するこ
とによって、剛性と耐衝撃性のバランスが優れた重合体
を得る方法が提案されているが、この方法においても剛
性と耐衝撃性のバランスは不充分である。ここで、C4
C10のα−オレフィンについては、ブテン−1、ペンテ
ン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、デセ
ン−1が例示されているのみで、本発明の3−メチルブ
テン−1については、何ら示唆されていない。
3−メチルブテン−1を前重合させ、ついでプロピレ
ンまたはプロピレンと他のα−オレフィンを共重合させ
る方法についても提案されている。特公昭45−32430号
公報では、少量の3−メチルブテン−1で前重合した
後、プロピレンとC4以上のα−オレフィンを共重合する
ことによって透明性の良好なプロピレン共重合体を得る
方法が、また、特開昭61−151204号公報では、少量の3
−メチルブテン−1で前重合した後、プロピレンを重合
することによって剛性の高い、しかも表面に多数のヒビ
割れが存在する重合粉末を得る方法が、提案されてい
る。これらの方法は、プロピレン単独重合体または、プ
ロピレンと他のα−オレフィンのランダム共重合体の改
良方法であり、本発明におけるプロピレン−エチレンブ
ロック共重合体での改良効果については、何ら示唆され
ていない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、従来公知のプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体に比べ、高剛性を有し、かつ耐衝撃性に優
れたプロピレン−エチレンブロック共重合体を提供すべ
く鋭意検討を重ねた結果、特定のα−オレフィンで前重
合させた前重合触媒成分を用いることによって、高剛性
でかつ高耐衝撃性を有するブロック共重合体が得られる
ことを見出し本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は、チタン含有固体触媒成分
と有機アルミニウム化合物とを主成分とする触媒系を用
い、以下の3工程 (1)3−メチルブテン−1もしくは3−メチルブテン
−1と他のα−オレフィンの混合物による前重合工程 (2)プロピレン単独またはプロピレンとエチレンを気
相中のプロピレン濃度が90%以上である条件下で重合を
行う第1段階重合工程 (3)プロピレンとエチレンとを気相中のプロピレン濃
度が90モル%未満である条件下で重合を行う第2段階重
合工程に従い重合することによって、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体を製造することを特徴とするプロ
ピレン−エチレンブロック共重合体の製造法に存する。
本発明の如き、特定のα−オレフィンで前重合しつい
でブロック共重合体を製造することは、従来知られてい
なかったことである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用される触媒系は、チタン含有固体
触媒成分と有機アルミニウム化合物とから得られる。
チタン含有固体触媒成分としては、三塩化チタンを主
成分とする固体触媒成分と、マグネシウム、チタン、ハ
ロゲン、電子供与性化合物を含有してなる担体担持型触
媒成分が挙げられる。
三塩化チタンを主成分とする固体触媒成分としては、
四塩化チタンを金属アルミニウム、水素または有機アル
ミニウム化合物で還元したもの、あるいはこれらを摩砕
したもの、さらにこれらを電子供与性化合物と接触処理
または粉砕処理したものも使用可能であるが、重合活性
の面からみると、特に好ましくは、アルミニウム含有量
がチタンに対するアルミニウムの原子比で0.15以下、好
ましくは0.1以下さらに好ましくは0.02以下であり、か
つ錯化剤を含有するものである。そして錯化剤の含有量
は、固体三塩化チタン系触媒錯体中の三塩化チタンに対
する錯化剤のモル比で0.001以上好ましくは0.01以上で
ある。具体的には、三塩化チタン、三塩化チタンのチタ
ンに対するアルミニウムの原子比で0.15以下の式AIR1
pX3-p(式中、R1は炭素数1〜20の炭化水素基、Xはハ
ロゲン原子、pは0≦p≦2を示す)で表わされるハロ
ゲン化アルミニウムおよび三塩化チタンに対しモル比で
0.001以上の錯化剤を含むものが挙げられる。
ここで錯化剤としては、エーテル、チオエーテル、ケ
トン、カルボン酸エステル、アミン、カルボン酸アミ
ド、ポリシロキサン等が挙げられるが、このうちエーテ
ル、チオエーテルまたはカルボン酸エステルが特に好ま
しい。
このような固体三塩化チタン系触媒錯体の製法に制限
はないが例えば (イ)エーテル又はチオエーテルの存在下に液状化した
三塩化チタンを含有する液状物から150℃以下の温度で
析出させる方法。
(ロ)四塩化チタンを有機アルミニウム化合物又は金属
アルミニウムで還元して得られた固体三塩化チタンを錯
化剤処理及びハロゲン化合物処理で処理する方法。
などの方法により容易に製造することができる。
マグネシウム、チタン、ハロゲン、電子供与性化合物
を含有してなる担体担持型触媒成分としては、少なくと
もマグネシウム化合物とチタン化合物および電子供与性
化合物、更に必要に応じてケイ素化合物、ハロゲン化
剤、アルコール等の助剤とを一時的または段階的に接
触、反応させて得られる従来公知の全てのマグネシウ
ム、チタン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を含有す
る担体担持型触媒が使用可能であるが、特に好ましく
は、マグネシウム、チタン、ハロゲン、アルコキシ基お
よび/またはアリールオキシ基および電子供与性化合物
を必須成分とするものである。
このような担体担持型触媒成分は (1)少くともMg(OR)2(Rは炭化水素)、チタン化
合物および電子供与性化合物を任意の順序で接触、反応
させた後、液状炭化水素で適宜洗浄する方法。
(2)少くとも塩化マグネシウム、チタン化合物および
電子供与性化合物を任意の順序で接触、反応させた後、
液状炭化水素で適宜洗浄する方法。
(3)少なくとも有機マグネシウム化合物と水、アルコ
ール、フェノールあるいはシラノールとの反応生成物に
チタン化合物および電子供与性化合物を任意の順序で接
触、反応させた後液状炭化水素で適宜洗浄する方法。
などの方法によって製造することができる。
また、これらの方法以外に、担体原料としてMgO,Mg
(OH)2,Mg(OH)Cl,Mgカーボネート、有機酸のMg塩、M
gシリケート、Mgアルミネート、Mg(OR)Cl等を用いる
こともできる。
更にこれらの反応時にケイ素化合物、ハロゲン化合
物、アルコールあるいはSiO2,Al2O3,ポリプロピレ
ン、TiO2等の不活性固体を添加してもよい。
ここで用いられるチタン化合物は、Ti(OR)nX
4-n(Rは炭化水素、Xはハロゲン,nは0≦n≦4を示
す。)、Ti(OR)mX3-m(Rは炭化水素、Xはハロゲ
ン、mは0≦m≦3を示す。)あるいは、これらの混合
物等の中から選ばれる。電子供与性化合物としては、好
ましくは含酸素化合物が挙げられる。
含酸素化合物としては、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、アニス酸
メチル、アニス酸エチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジイソブチルのようなカルボン酸の
エステル類が好ましく用いられる。またSi−OR,Si−OCO
RまたはSi−NR2結合を有するケイ素化合物(式中、Rは
炭素数1〜20個の炭化水素基を示す)も好適に用いられ
る。
前重合、第1段階および第2段階の重合で共触媒とし
て使用される有機アルミニウム化合物としては、一般式
AlRmCl3−m(式中、Rは炭素数1〜20の炭化水素基を
表わし、mは3≧m>1.5を示す。)で表わされる。チ
タン含有固体触媒成分が三塩化チタンを主成分とする触
媒成分である場合は、AlR2Clを使用するのが好ましい。
一方マグネシウム、ハロゲン、チタンおよび電子供与性
化合物を含有する担体担持型触媒成分である場合は、Al
R3またはAlR3とAlR2Clの混合物を使用するのが好まし
い。
この有機アルミニウム化合物の具体例としては、トリ
エチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリ
イソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニ
ウムクロライド、ジブチルアルミニウムクロライド、ジ
ヘキシルアルミニウムクロライド等が挙げられる。
更に本発明方法においては、上記固体触媒および共触
媒のほかに必要に応じて触媒第3成分として電子供与性
化合物も使用される。
電子供与性化合物としては、チタン含有固体触媒成分
の製造において使用された錯化剤もしくは電子供与性化
合物の中から選ばれる。
前重合は、前記チタン含有固体触媒成分と、有機アル
ミニウム化合物および必要に応じて電子供与性化合物よ
りなる触媒と、通常は不活性炭化水素や液化α−オレフ
ィン等の溶媒中で3−メチルブテン−1もしくは3−メ
チルブテン−1と他のαオレフィン、好ましくはプロピ
レン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等との
混合物を接触させることによって行なわれる。混合物の
組成としては、3−メチルブテン−1/他のα−オレフィ
ン(モル比)が0.01〜10000、好ましくは0.1〜1000、よ
り好ましくは1〜100の範囲である。前重合の温度は通
常0〜100℃、好ましくは20〜80℃、より好ましくは50
℃を超える温度である。前重合量は、通常チタン含有固
体触媒成分1g当り0.01〜100g、全重合量に対して0.001
〜30重量%の範囲から選ばれる。この様な範囲の外で
は、本発明の効果が充分に得られない。
前重合後、該重合体含有固体触媒成分(前重合触媒成
分)は、不活性炭化水素で洗浄もしくは洗浄せずに、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合に供される。
プロピレン−エチレンブロック共重合は2段階に分け
て行なわせるわけであるが、重合反応は、プロパン、ブ
タン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン等の不活性炭化水
素や液化α−オレフィン等の溶媒の存在下あるいは不存
在下に行なわれる。また、第1段階と第2段階は同一で
あっても異なっていてもよい。
まず、第1段階では、先に得られた前重合触媒成分と
一般式AlRmCl3-mで表わされる有機アルミニウム化合物
および必要に応じて電子供与性化合物とを用いて、プロ
ピレンの単独重合またはプロピレンとエチレンとを気相
中のプロピレン濃度(プロピレンのプロピレンとエチレ
ンの和に対する濃度)が90モル%以上である条件下で共
重合を行なわせる。(以下、単にプロピレンの単独重合
と略すことがある。)通常、プロピレン単独重合体の量
は、全重合体生成量の70〜95%となるように重合温度お
よび時間が選ばれる。重合温度は通常40〜100℃、好ま
しくは50〜80℃の範囲から選ばれる。第1段階で得られ
るプロピレン単独重合体のメルトフローインデックス
(以下MFIと略す)が、1〜150になるように重合温度、
分子量調節剤の量を選ぶ。分子量調節剤としては、水素
が好ましい。
次に第2段階では、第1段階で生成したプロピレン単
独重合体の存在下にプロピレンとエチレンの共重合を行
なわせる。ここであらたに一般式AlRmCl3-mで表わされ
る有機アルミニウム化合物および必要に応じて電子供与
性化合物を添加してもよい。気相中のプロピレン濃度
は、90モル%未満であればよいが、好ましくは50〜85モ
ル%である。この範囲では、非結晶性重合体の副生量が
最大となる条件であるが、一方最終重合体の衝撃強度が
最も改良される条件である。通常プロピレン−エチレン
共重合体の量が全重合体生成量の5〜30重量%となるよ
うに重合温度および重合時間が選ばれる。5重量%未満
では衝撃強度改良の効果が小さく、30重量%を超える
と、嵩密度および自由流動性が悪化し好ましくない。重
合温度は通常0〜100℃、好ましくは25〜80℃の範囲か
ら選ばれる。プロピレン−エチレン共重合体のMFIは通
常、0.1以下となるよに重合温度、分子量調節剤の水素
の量を選ぶ。MFIが0.1を超えると衝撃強度の改良が不充
分となる。
これらの第1段階および第2段階の重合の後、引き続
き第3段階以後、プロピレンとエチレンの共重合、エチ
レン単独もしくはエチレンと他の少量のαオレフィンと
の共重合を行ってもよい。また第1段階および第2段
階、更に必要に応じて第3段階以後の重合によって得ら
れた重合体に、各種のポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリブテン、ポリ−4メチルペンテン−1等のポリオレ
フィンを溶融混合あるいは溶液状態で混合してもよい。
〔実施例〕
次に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明はその要旨に逸脱しない限りこれら実施例に
よって制約を受けるものではない。
なお、実施例において、触媒効率(CEとして示す)
は、固体触媒成分1g当りのボリマーの生成量gである。
アイソタクチックインデックス(IIとして示す)は、改
良型ソックスレー抽出器で沸騰n−ヘプタンにより6時
間抽出した場合の残量(重量%)である。嵩密度(ρB
として示す。単位はg/cc)はJIS−K−6721に従って測
定した。メルトフローインデックス(MFIとして示す。
単位はg/10min)はASTM−D−1238に従って測定した。
第1降伏強度YS(kg/cm2)はASTM−D−638−72に準
拠し厚さ1.0mmのプレスシートから打ち抜いたダンベン
片の引張試験によつて求めた。曲げ弾性率FM(kg/cm2
は、ASTM−D−790−66に従って測定した。アイゾット
衝撃強度(kg−cm/cm)は、ASTMD256に準拠し、プレス
シートから打抜いた短冊片にノッチを入れたものについ
て測定した。なお、これらの物性測定は、23℃で行っ
た。
実施例1 (1)固体触媒成分の製造 攪拌機、温度計を備え、精製N2置換した500mlフラス
コに精製トルエン70mlと四塩化チタン90ミリモルを仕込
み、更にジーn−ブチルエーテル90ミリモルを添加し
た。これを攪拌下に25℃に保持しながら、ジエチルアル
ミニウムモノクロリド45ミリモルをトルエン20mlに溶解
した溶液を添加したところ、濃橙色の三塩化チタンの均
一溶液が得られた。この溶液を95℃まで徐々に昇温した
ところ、昇温途中により紫色の三塩化チタンの沈殿生成
が認められた。
95℃で1時間反応後、精製トルエン100mlで5回洗浄
し、固体触媒成分を得た。元素分析したところこの固体
触媒成分は式 TiCl3(AlCl3)0.004〔(n−C4H92O〕0.05 の組成を有していた。
(2)前重合 精製アルゴンで充分置換した1の誘導攪拌式オート
クレーブに、アルゴンシール下、室温でジエチルアルミ
ニウムモノクロリド3ミリモルおよび3−メチルブテン
−1 315gを仕込んだ。ついで55℃に昇温し、実施例1
(1)で得られた固体触媒成分1gを添加して30分間前重
合を行った。その後室温において精製ノルマルヘキサン
200mlで3回洗浄し、前重合触媒成分を得た。
この前重合触媒成分は、固体触媒成分1g当り20gの重
合体を含有していた。
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合 いかり型攪拌機を内蔵する2lの誘導攪拌式オートクレ
ープを精製アルゴンで充分置換した。ついでプロピレン
ガスで置換した後にジノルマルプロピルアルミニウムク
ロライド2.0ミリモルを仕込んだ。水素ガスを1.1kg/cm2
装入し、液化プロピレンを700g装入した後、オートクレ
ープを昇温した。70℃に昇温後、実施例1(2)で得ら
れた前重合触媒成分を固体触媒成分として20mg圧入し
た。この時を第1段階の重合反応開始とし70℃で3.5時
間重合反応を行った。3.5時間後プロピレンおよび水素
をパージして、第1段の重合反応を終らせた。反応終了
後、精製アルゴン下で粉末状のプロピレン単独重合体を
数g採取し、蛍光X線によりTi含有量を測定し、第1段
階における重合体の収量を求めた。ついで水素ガスを装
入し、液化プロピレンを500g装入した後すみやかに40℃
に昇温し、エチレンガスを10.4kg/cm2装入した。この時
を第2段階の重合反応の開始とし、40℃で0.5時間重合
反応を行った。この間エチレン分圧が10.4kg/cm2となる
ように連続してエチレンガスを装入した。全重合圧力は
28.5kg/cm2ゲージ圧であった。気相におけるプロピレン
/プロピレン+エチレン比は平均60モル%、H2/プロピ
レン+エチレン比は平均4.1モル%であった。
0.5時間後、プロピレン、エチレン等をパージして白
色粉末のプロピレン−エチレンブロック共重合体380gを
得た。以上のようにして得られた粉末に添加剤としてBH
T(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)を0.1%、
イルガノックス1010(ガイギー社安定剤、商標)を0.1
%、ジラウリルチオジプロピオネートを0.2%、ステア
リン酸カルシウムを0.2%添加し内径40mmの単軸押出機
を用いて220℃で混練を行った。ついでプレスシートを
生成し各種物性の測定を行った。その結果第1降伏強度
YSは302kg/cm2、曲げ弾性率FMは15,500kg/cm2であり、
アイゾット衝撃強度は17.5kg−cm/cmと、剛性〜耐衝撃
性のバランスは良好であった。重合条件と各種物性の測
定結果を表−1に示す。
実施例2 (1)前重合 実施例1(1)で得られた固体触媒成分を用いて3−
メチルブチル−1とプロピレンによる前重合を行った。
実施例1(2)において、3−メチルブテン−1に代
えて、3−メチルブテン−1を315gとプロピレンを7g用
い、更に重合時間を15分にした以外は、実施例1(2)
と同様にして前重合を行い前重合触媒成分を得た。この
ものは固体触媒成分1gあたり、18gの重合体を含有して
いた。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合 実施例2(1)で得られた前重合触媒成分を用いて、
実施例1(3)において表−1に示した重合条件を代え
た以外は、実施例1(3)と同様にして重合を行い、プ
ロピレン−エチレンブロック共重合体を得た。このもの
の各種物性値を表−1に示す。
実施例3 (1)固体触媒成分の製造 実施例1(1)と同様な装置を用いて精製N2シール
下、市販Mg(OC2H5210g、Ti(OC4H9414.9gおよびテ
トラエトキシシラン9.2gを混合し、攪拌下130℃まで昇
温した。130℃においてフェノール16.4gのトルエン溶液
50mlを30分かけて滴下した。滴下液130℃において1時
間反応させて黄橙色スラリー状の反応生成物を得た。
このものに精製トルエン125mlを添加した後−20℃ま
で冷却し、−20℃においてTiCl4 50gを添加した。添加
後系内は均一となった。この均一溶液を徐々に80℃まで
昇温したところ昇温途中より、固体の生成が認められ
た。80℃において安息香酸エチル2.6gを添加し、同温度
で1時間保持した。次いで精製トルエン200mlで洗浄し
固体生成物を得た。
このものにTiCl4 166gおよび安息香酸エチル2.6gを添
加し、80℃で1時間処理した。処理後、室温において、
精製トルエン200mlで5回洗浄し固体触媒成分を得た。
元素分析したところ、この固体触媒成分は式 Mg10.5TiCl24.3(OC6H5)0.2(OC4H9)2.0(OC2H5)0.0
8(安息香酸エチル)1.6 の組成を有していた。
(2)前重合 実施例1(2)において、有機アルミニウム化合物と
してトリエチルアルミニウム1.2ミリモル、固体触媒成
分として上記(1)で得られた固体触媒成分を用いた以
外は、実施例1(2)と同様にして前重合を行った。得
られた前重合触媒成分は、固体触媒成分1g当り16gの重
合体を含有していた。
(3)プロピレン−エチレンブロック共重合 実施例1(3)と同様にして、2lオートクレープにト
リエチルアルミニウム1.0ミリモル、トルイル酸メチル
0.3ミリモルを仕込みついで水素ガスを1.1kg/cm2装入し
液化プロピレン700gを装入した。その後70℃に昇温し昇
温後実施例3(2)で得られた前重合触媒成分を固体触
媒成分として15mg圧入し、第1段階の重合開始とした。
70℃で1時間重合反応を行った後、プロピレンおよび水
素をパージして第1段階の重合反応を終らせた。ついで
水素ガスおよび液化プロピレンを装入した後すみやかに
60℃に昇温してエチレンガスを装入して第2段階の重合
開始とした。
60℃で0.4時間重合反応を行った後、プロピレン、エ
チレン、水素をパージして白色粉末状のプロピレン−エ
チレンブロック共重合体345gを得た。このものは、実施
例1(3)と同様にして各種物性を測定した。その結果
および重合条件を表−1に示す。
実施例4 (1)前重合 実施例3(1)で得られた固体触媒成分を用いて、3
−メチルブテン−1とプロピレンによる前重合を行っ
た。
実施例3(2)において、3−メチルブテン−1に代
えて、3−メチルブテン−1 315gとプロピレン3gを用い
た以外は、実施例3(2)と同様にして前重合を行い、
前重合触媒成分を得た。このものは固体触媒成分1gあた
り30gの重合体を含有していた。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合 実施例4(1)で得られた前重合触媒成分を用いて、
表−1に示した重合条件とした以外は実施例3(3)と
同様にして重合を行い、プロピレン−エチレンブロック
共重合体を得た。このものの各種物性の測定結果を表−
1に示す。
比較例1 (1)前重合 実施例3(1)で得られた固体触媒成分用い、プロピ
レンによる前重合を行った。
精製アルゴンで充分置換した1の誘導攪拌式オート
クレーブに、アルゴンシール下、室温でノルマルヘキサ
ン50ml、トリエチルアルミニウム1.2ミリモルおよび固
体触媒成分が1gを添加した。その後25℃においてプロピ
レンガスを3分間流通させて前重合触媒成分を得た。得
られた前重合触媒成分は固体触媒成分1g当り10gの重合
体を含有していた。
(2)プロピレン−エチレンブロック共重合 比較例1(1)で得られた前重合触媒成分を用い、実
施例4(2)と同一重合条件下で同様にして重合を行い
プロピレン−エチレンブロック共重合体を得た。このも
のの第1降伏強度YSは254kg/cm2、曲げ弾性率FMは13,10
0kg/cm2、アイゾット衝撃強度は、14.5kg−cm/cmであっ
た。
〔発明の効果〕 本発明の製造法によれば、高剛性であり、かつ耐衝撃
性に優れたプロピレン−エチレンブロック共重合体を得
ることが出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】チタン含有固体触媒成分と、有機アルミニ
    ウム化合物とを主成分とする触媒系を用い、プロピレン
    −エチレンブロック共重合体を製造する方法において、
    チタン含有固体触媒成分と有機アルミニウム化合物の存
    在下、3−メチルブテン−1もしくは3−メチルブテン
    −1と他のα−オレフィンの混合物を前重合させ、つい
    で第1段階において、プロピレン単独または、プロピレ
    ンとエチレンを気相中のプロピレン濃度が90モル%以上
    である条件下で重合することによってプロピレン単独重
    合体または、プロピレン−エチレン共重合体を製造し、
    第2段階において該触媒系および第1段階で製造された
    重合体の存在下でプロピレンとエチレンとを気相中のプ
    ロピレン濃度が90モル%未満である条件下で共重合させ
    てプロピレン−エチレンブロック共重合体を製造するこ
    とを特徴とするプロピレン−エチレンブロック共重合体
    の製造法。
  2. 【請求項2】チタン含有固体触媒成分が三塩化チタン、
    三塩化チタンのチタンに対するアルミニウムの原子比で
    0.15以下の式AlR1 pX3-p(式中、R1は炭素数1〜20の炭
    化水素基、Xはハロゲン原子、pは0≦p≦2の数であ
    る)で表わされるハロゲン化アルミニウムおよび三塩化
    チタンに対しモル比で0.001以上の錯化剤を含むもので
    ある特許請求の範囲第1項記載のプロピレン−エチレン
    ブロック共重合体の製造法。
  3. 【請求項3】チタン含有固体触媒成分が、マグネシウ
    ム、チタン、ハロゲンおよび電子供与性化合物を含有し
    ているものである特許請求の範囲第1項記載のプロピレ
    ン−エチレンブロック共重合体の製造法。
  4. 【請求項4】電子供与性化合物の共存下に第1段階およ
    び第2段階の重合を行なわせることを特徴とする特許請
    求の範囲第1項記載のプロピレン−エチレンブロック共
    重合体の製造法。
  5. 【請求項5】他のα−オレフィンとしてプロピレンを用
    いることを特徴とする特許請求範囲第1項記載のプロピ
    レン−エチレンブロック共重合体の製造法。
JP62313717A 1987-12-11 1987-12-11 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法 Expired - Lifetime JPH0816141B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62313717A JPH0816141B2 (ja) 1987-12-11 1987-12-11 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62313717A JPH0816141B2 (ja) 1987-12-11 1987-12-11 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01153709A JPH01153709A (ja) 1989-06-15
JPH0816141B2 true JPH0816141B2 (ja) 1996-02-21

Family

ID=18044666

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62313717A Expired - Lifetime JPH0816141B2 (ja) 1987-12-11 1987-12-11 プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0816141B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58201816A (ja) * 1982-05-19 1983-11-24 Chisso Corp 高剛性成形品用プロピレンエチレンブロツク共重合体とその製造法
JPS6096612A (ja) * 1983-10-31 1985-05-30 Chisso Corp 難白化高溶融粘弾性エチレン・プロピレン共重合体とその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01153709A (ja) 1989-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2874934B2 (ja) α‐オレフィン重合体の製造
EP0321218B1 (en) Process for producing polypropylene and stretched polypropylene film
JP5255175B2 (ja) 新規なブテン−1(コ)ポリマーおよびその製造方法
JPS61218606A (ja) α−オレフイン重合体の製造法
JPH0370710A (ja) α―オレフイン重合体の製造
JPH0780968B2 (ja) オレフィン重合体の製造法
JP3421202B2 (ja) プロピレンの重合方法及びそれを用いて得られるプロピレン系重合体
JP2834226B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JPS58138710A (ja) オレフイン系重合体の製造方法
EP0369796B1 (en) Production of alfa-olefin polymers
JP3443990B2 (ja) α−オレフィンの重合方法
JPH0410889B2 (ja)
JP3400022B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JPH0816141B2 (ja) プロピレン−エチレンブロック共重合体の製造法
JP2941404B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JP3385687B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造方法
JP2844469B2 (ja) オレフィン重合体の製造方法
JP3279675B2 (ja) α−オレフィン重合体の製造法
JP2620328B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JPH0830095B2 (ja) オレフィン重合体の製造方法
JP2807027B2 (ja) α‐オレフィン重合体の製造
JP2941397B2 (ja) プロピレンブロック共重合体の製造法
JP3207464B2 (ja) プロピレン重合体の製造法
JP3184575B2 (ja) ポリプロピレン樹脂成形物の製造方法
JP3279347B2 (ja) オレフィン重合体の製造方法