JPH08157773A - 無機多孔質基材用水性下塗分散体 - Google Patents
無機多孔質基材用水性下塗分散体Info
- Publication number
- JPH08157773A JPH08157773A JP30641294A JP30641294A JPH08157773A JP H08157773 A JPH08157773 A JP H08157773A JP 30641294 A JP30641294 A JP 30641294A JP 30641294 A JP30641294 A JP 30641294A JP H08157773 A JPH08157773 A JP H08157773A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dispersion
- polymerization
- porous substrate
- aqueous
- weight
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Polymerisation Methods In General (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】含浸不足、密着性不足、耐水性、耐凍結融解性
の問題を有しない無機多孔質基材用水性下塗分散体を提
供すること。 【構成】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体1
00重量部と分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結
合を持つ反応性界面活性剤10重量部以下とを重合開始
剤および重合溶剤の存在下で溶液重合して得られた樹脂
溶液を水に相転換し、重合溶剤を除去することにより得
られる水性樹脂分散体とポリビニルアルコールが重量固
形分比で70〜98/30〜2の混合物である無機多孔
質基材用水性下塗分散体。
の問題を有しない無機多孔質基材用水性下塗分散体を提
供すること。 【構成】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量体1
00重量部と分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結
合を持つ反応性界面活性剤10重量部以下とを重合開始
剤および重合溶剤の存在下で溶液重合して得られた樹脂
溶液を水に相転換し、重合溶剤を除去することにより得
られる水性樹脂分散体とポリビニルアルコールが重量固
形分比で70〜98/30〜2の混合物である無機多孔
質基材用水性下塗分散体。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機多孔質基材用水性
下塗分散体に関し、さらに詳しくは無機多孔質基材に対
する密着性、耐水性、耐凍結融解性などを顕著に改善せ
しめた、反応性界面活性剤を共重合した溶剤型アクリル
樹脂に分散媒を水に相転換した水性樹脂分散体とポリビ
ニルアルコ−ル(以下PVAと略称する)との混合物か
らなる軽量コンクリート、モルタル、石綿セメント板、
珪酸カルシウム板、スレートまたは石膏ボードなどの各
種無機基材に対しての塗布に対し密着性、耐水性、耐凍
結融解性などの良好な塗膜を形成する無機多孔質基材用
水性下塗分散体に関する。
下塗分散体に関し、さらに詳しくは無機多孔質基材に対
する密着性、耐水性、耐凍結融解性などを顕著に改善せ
しめた、反応性界面活性剤を共重合した溶剤型アクリル
樹脂に分散媒を水に相転換した水性樹脂分散体とポリビ
ニルアルコ−ル(以下PVAと略称する)との混合物か
らなる軽量コンクリート、モルタル、石綿セメント板、
珪酸カルシウム板、スレートまたは石膏ボードなどの各
種無機基材に対しての塗布に対し密着性、耐水性、耐凍
結融解性などの良好な塗膜を形成する無機多孔質基材用
水性下塗分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】無機多孔質基材としては、軽量コンクリ
ート、モルタル、石綿セメント板、珪酸カルシウム板、
スレートまたは石膏ボードなどがあり、いずれも多孔質
であるため表面強度が小さく、水分を吸収しやすいた
め、このまま表面を化粧仕上げするとアクがにじみ出た
り、剥離したり、吸水や吸湿した場合凍結融解の繰り返
しにより、仕上げ剤が剥離するなどの問題が発生する。
このような耐剥離性を改善する目的で,無機基材表面に
シーラーの塗布を施すのが通例である。
ート、モルタル、石綿セメント板、珪酸カルシウム板、
スレートまたは石膏ボードなどがあり、いずれも多孔質
であるため表面強度が小さく、水分を吸収しやすいた
め、このまま表面を化粧仕上げするとアクがにじみ出た
り、剥離したり、吸水や吸湿した場合凍結融解の繰り返
しにより、仕上げ剤が剥離するなどの問題が発生する。
このような耐剥離性を改善する目的で,無機基材表面に
シーラーの塗布を施すのが通例である。
【0003】無機多孔質基材のシーラーに使用する樹脂
としては、湿気硬化型ウレタン樹脂や溶剤型樹脂などが
用いられている。しかし毒性や有機溶剤の使用による火
災の危険性や環境汚染などが問題になっており、水性化
の要望が強くなっている。
としては、湿気硬化型ウレタン樹脂や溶剤型樹脂などが
用いられている。しかし毒性や有機溶剤の使用による火
災の危険性や環境汚染などが問題になっており、水性化
の要望が強くなっている。
【0004】水系シーラーとしては、水溶性樹脂や水分
散型樹脂を主成分とするものが種々検討されているが、
水溶性樹脂を主成分とするものは耐水性が、水分散型樹
脂を主成分とするものは基材への含浸性性や密着性が悪
く、耐剥離性を長期間に亘って維持することが困難であ
る。更に、水溶性樹脂と水分散型樹脂を混合して用いる
方法が検討されており、例えば特定の重合体水性エマル
ジョンにPVAをブレンドする方法(特開昭53−97
018号公報)が提案されているが基材への含浸性が不
充分など各々欠点があり、満足な水系シーラーは得られ
ていない。また、そのような欠点の改良されたエポキシ
系シーラーにおいては、二液混合型であるため取扱いが
容易でなく、さらに毒性の点でも問題がある。
散型樹脂を主成分とするものが種々検討されているが、
水溶性樹脂を主成分とするものは耐水性が、水分散型樹
脂を主成分とするものは基材への含浸性性や密着性が悪
く、耐剥離性を長期間に亘って維持することが困難であ
る。更に、水溶性樹脂と水分散型樹脂を混合して用いる
方法が検討されており、例えば特定の重合体水性エマル
ジョンにPVAをブレンドする方法(特開昭53−97
018号公報)が提案されているが基材への含浸性が不
充分など各々欠点があり、満足な水系シーラーは得られ
ていない。また、そのような欠点の改良されたエポキシ
系シーラーにおいては、二液混合型であるため取扱いが
容易でなく、さらに毒性の点でも問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは種々検討
の結果、相転換した水性分散樹脂と特定のPVAの水性
樹脂分散体の製造において、無機基材への含浸不足、密
着性不足、耐水性、耐凍結融解性などの上記問題を解決
することである。
の結果、相転換した水性分散樹脂と特定のPVAの水性
樹脂分散体の製造において、無機基材への含浸不足、密
着性不足、耐水性、耐凍結融解性などの上記問題を解決
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第一の発明は、ラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部と分子
内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ反応性界
面活性剤10重量部以下とを重合開始剤および重合溶剤
の存在下で溶液重合して得られた樹脂溶液を水に相転換
し、重合溶剤を除去することにより得られる水性樹脂分
散体とポリビニルアルコールが重量固形分比で70〜9
8/30〜2の混合物である無機多孔質基材用水性下塗
分散体である。第二の発明は、分子内にラジカル重合可
能な不飽和二重結合を持つ反応性界面活性剤をラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部に対し
5重量部以下である第一発明の無機多孔質基材用水性下
塗分散体である。
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部と分子
内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ反応性界
面活性剤10重量部以下とを重合開始剤および重合溶剤
の存在下で溶液重合して得られた樹脂溶液を水に相転換
し、重合溶剤を除去することにより得られる水性樹脂分
散体とポリビニルアルコールが重量固形分比で70〜9
8/30〜2の混合物である無機多孔質基材用水性下塗
分散体である。第二の発明は、分子内にラジカル重合可
能な不飽和二重結合を持つ反応性界面活性剤をラジカル
重合可能なエチレン性不飽和単量体100重量部に対し
5重量部以下である第一発明の無機多孔質基材用水性下
塗分散体である。
【0007】第三の発明は、PVAの重合度が200〜
2400、鹸化度が85モル%以上の第一発明の無機多
孔質基材用水性下塗分散体である。
2400、鹸化度が85モル%以上の第一発明の無機多
孔質基材用水性下塗分散体である。
【0008】本発明に使用するエチレン性不飽和単量体
としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系単
量体のアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2エチルヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、酸系単量体として、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、パラビニル安息香酸、パラビニルベンゼンス
ルホン酸、その他スチレン、アルファメチルスチレン、
ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が
使用できる。
としては、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル系単
量体のアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸2エチルヘキシル、メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2エチルヘ
キシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、酸系単量体として、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、パラビニル安息香酸、パラビニルベンゼンス
ルホン酸、その他スチレン、アルファメチルスチレン、
ビニルトルエン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が
使用できる。
【0009】エチレン性不飽和単量体を用いて共重合体
する場合において、酸系単量体を用いて共重合すること
が好ましく、酸系単量体の使用量は得られる共重合体の
酸価が5〜200の範囲にあることが望ましい。酸価が
5より低い場合には溶剤系から水系への相転換時に系が
不安定になりやすく、良好なエマルジョンが得にくいか
らであり、200より高い場合には系の粘度が高くなっ
たり、塗膜の耐水性の低下をまねく原因となりうるから
である。さらに、これら酸系単量体を用いて共重合した
ときは、これらの酸の全部または一部をトリエチルアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、アンモニア等のような
塩基性物質で中和した後に水系へ相転換することもでき
る。
する場合において、酸系単量体を用いて共重合すること
が好ましく、酸系単量体の使用量は得られる共重合体の
酸価が5〜200の範囲にあることが望ましい。酸価が
5より低い場合には溶剤系から水系への相転換時に系が
不安定になりやすく、良好なエマルジョンが得にくいか
らであり、200より高い場合には系の粘度が高くなっ
たり、塗膜の耐水性の低下をまねく原因となりうるから
である。さらに、これら酸系単量体を用いて共重合した
ときは、これらの酸の全部または一部をトリエチルアミ
ン、ジメチルアミノエタノール、アンモニア等のような
塩基性物質で中和した後に水系へ相転換することもでき
る。
【0010】また、流動性、乾燥性の調整、樹脂保存時
の安定性の向上を主目的として、アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシルプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル等が使用できる。さらに皮膜に架橋構造
を付与する目的で、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン等も使用で
きる。
の安定性の向上を主目的として、アクリルアミド、N−
メチロールアクリルアミド、アクリル酸ヒドロキシエチ
ル、アクリル酸ヒドロキシルプロピル、メタクリル酸ヒ
ドロキシエチル等が使用できる。さらに皮膜に架橋構造
を付与する目的で、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン等も使用で
きる。
【0011】本発明で使用する反応性界面活性剤は分子
内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を1個以上有す
るアニオン性またはノニオン性の界面活性剤であり、例
えば下記一般式(1)、(2)で表されるスルホコハク
酸エステル系(市販品としては、例えば、花王(株)製
ラテムルS−120P、S−180A、三洋化成(株)
製エレミノールJS−2等)、一般式(3)で表される
アルキルフェノールエーテル系(市販品としては、第一
工業製薬(株)製アクアロンHS−10、RN−20
等)がある。
内にラジカル重合可能な不飽和二重結合を1個以上有す
るアニオン性またはノニオン性の界面活性剤であり、例
えば下記一般式(1)、(2)で表されるスルホコハク
酸エステル系(市販品としては、例えば、花王(株)製
ラテムルS−120P、S−180A、三洋化成(株)
製エレミノールJS−2等)、一般式(3)で表される
アルキルフェノールエーテル系(市販品としては、第一
工業製薬(株)製アクアロンHS−10、RN−20
等)がある。
【0012】一般式(1)
【0013】
【化1】
【0014】R1 :炭素数12〜30のアルキル基 M1 :Na、NH4 、K
【0015】一般式(2)
【0016】
【化2】
【0017】R1 :炭素数12〜30のアルキル基 M1 :Na、NH4 、K
【0018】一般式(3)
【0019】
【化3】
【0020】R2 :炭素数8〜12のアルキル基 X :HまたはSO3 M2 M2 :Na、NH4 、K n :1〜200
【0021】反応性界面活性剤を使用することにより疎
水性の強い組成、また低酸価の場合水系への相転換時不
安定になりやすく、凝集物を生じたり、得られる樹脂分
散体の粒子径が大きくなることにより経時での安定性や
塗料皮膜の耐水性の低下をまねきやすい事が回避され、
経時安定性などが非常に良好になる。
水性の強い組成、また低酸価の場合水系への相転換時不
安定になりやすく、凝集物を生じたり、得られる樹脂分
散体の粒子径が大きくなることにより経時での安定性や
塗料皮膜の耐水性の低下をまねきやすい事が回避され、
経時安定性などが非常に良好になる。
【0022】重合に際しては、これらの1種または2種
以上を混合して使用してもよい。これら反応性界面活性
剤はエチレン性単量体100重量部に対して10重量部
以下、好ましくは5重量部以下で使用される。10重量
部より量が多い場合は重合反応が完結しなかったり、反
応系や得られる分散体の粘度が高くなりすぎたり、さら
には塗料皮膜の耐水性の低下をまねく。
以上を混合して使用してもよい。これら反応性界面活性
剤はエチレン性単量体100重量部に対して10重量部
以下、好ましくは5重量部以下で使用される。10重量
部より量が多い場合は重合反応が完結しなかったり、反
応系や得られる分散体の粘度が高くなりすぎたり、さら
には塗料皮膜の耐水性の低下をまねく。
【0023】なお、非反応性界面活性剤を合成時、相転
換時などに使用することも可能であるが泡立ちや塗料皮
膜の耐水性の低下などの問題が生じる。
換時などに使用することも可能であるが泡立ちや塗料皮
膜の耐水性の低下などの問題が生じる。
【0024】本発明で使用する重合開始剤は、熱または
還元性物質によりラジカル分解して単量体の付加重合を
おこなわせしめるもので、単量体または重合溶剤に可溶
の過硫酸塩、過酸化物およびアゾビス化合物である。た
とえば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、過酸化ベンゾイル、アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソバレ
ロニトリル等があげられるが必ずしもこれらに限定され
ない。
還元性物質によりラジカル分解して単量体の付加重合を
おこなわせしめるもので、単量体または重合溶剤に可溶
の過硫酸塩、過酸化物およびアゾビス化合物である。た
とえば、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、t−ブ
チルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサノエート、過酸化ベンゾイル、アゾビ
スイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソバレ
ロニトリル等があげられるが必ずしもこれらに限定され
ない。
【0025】本発明で使用する重合溶剤としては一般的
に溶剤系アクリル樹脂の重合に用いられる有機溶剤が使
用できるが、好ましくは重合により得られるアクリル樹
脂の良溶媒であり、かつ水と容易に混合でき、さらにそ
の沸点が水の沸点より低いものを使用することが望まし
い。たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール系溶
剤やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等があげら
れるが必ずしもこれらに限定されない。
に溶剤系アクリル樹脂の重合に用いられる有機溶剤が使
用できるが、好ましくは重合により得られるアクリル樹
脂の良溶媒であり、かつ水と容易に混合でき、さらにそ
の沸点が水の沸点より低いものを使用することが望まし
い。たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、
イソプロピルアルコール(IPA)等のアルコール系溶
剤やアセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、
酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤等があげら
れるが必ずしもこれらに限定されない。
【0026】本発明で使用するPVAとしては鹸化度8
5モル%以上のものである。鹸化度が80モル%以下の
PVAを用いると、親水性が強くなり耐水性が低下する
ため好ましくない。また、重量混合比としては水性樹脂
分散体(固形分)70〜98/PVA2〜30である。
さらに、PVAの重合度は耐水性などの点から200〜
2400の範囲が好ましい。
5モル%以上のものである。鹸化度が80モル%以下の
PVAを用いると、親水性が強くなり耐水性が低下する
ため好ましくない。また、重量混合比としては水性樹脂
分散体(固形分)70〜98/PVA2〜30である。
さらに、PVAの重合度は耐水性などの点から200〜
2400の範囲が好ましい。
【0027】本発明により得られる水性樹脂分散体は、
無機多孔質基材用シーラーとして使用できるが、必要に
応じて成膜助剤、顔料、充填剤、トナー、湿潤剤、消泡
剤などを配合して用いてもよい。
無機多孔質基材用シーラーとして使用できるが、必要に
応じて成膜助剤、顔料、充填剤、トナー、湿潤剤、消泡
剤などを配合して用いてもよい。
【0028】
【実施例】以下、実施例により、本発明を説明する。例
中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
中、部とは重量部を、%とは重量%をそれぞれ表す。
【0029】実施例1 攪拌機、温度計、滴下ロート、還流器を備えた反応容器
に表1に示す反応缶量を仕込み、窒素ガスで飽和させ
る。表1の滴下分は予め混合しておく。内温を82℃に
昇温した後に過酸化ベンゾイルを添加し均一に溶解させ
た後に滴下を開始する。全量を2時間で滴下し、滴下終
了時に過酸化ベンゾイルを添加する。82℃でさらに2
時間加熱熟成したのちトリエチルアミンで中和し、水を
加える。さらに加熱し重合に用いたイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)を留去し、冷却下でPVAを
添加し均一に混合攪拌させ、ガラス転移温度(Tg)2
0℃、固形分30%、粘度720cpsの水性樹脂分散
体を得た。
に表1に示す反応缶量を仕込み、窒素ガスで飽和させ
る。表1の滴下分は予め混合しておく。内温を82℃に
昇温した後に過酸化ベンゾイルを添加し均一に溶解させ
た後に滴下を開始する。全量を2時間で滴下し、滴下終
了時に過酸化ベンゾイルを添加する。82℃でさらに2
時間加熱熟成したのちトリエチルアミンで中和し、水を
加える。さらに加熱し重合に用いたイソプロピルアルコ
ール(以下IPAと略す)を留去し、冷却下でPVAを
添加し均一に混合攪拌させ、ガラス転移温度(Tg)2
0℃、固形分30%、粘度720cpsの水性樹脂分散
体を得た。
【0030】
【表1】
【0031】*1 エレミノールJS−2 三洋化成
(株)製 有効成分38% *2 PVA2 鹸化度98.5 重合度1700 1
2%水溶液
(株)製 有効成分38% *2 PVA2 鹸化度98.5 重合度1700 1
2%水溶液
【0032】実施例2〜6 実施例1と同様の方法で不飽和単量体の種類、酸価、反
応性活性剤の種類、量、PVAの鹸化度、重合度、添加
料を変え、表2に示す組成にて水性樹脂分散体の合成を
おこなった。
応性活性剤の種類、量、PVAの鹸化度、重合度、添加
料を変え、表2に示す組成にて水性樹脂分散体の合成を
おこなった。
【0033】
【表2】
【0034】*2 PVA2 鹸化度98.5 重合度
1700 12%水溶液 *3 ラテムルS−180A 花王(株)製 有効成分
30% *4 アクアロンHS−10 第一工業製薬(株)製
有効成分98% *5 PVA1 鹸化度88 重合度1000 2
0%水溶液 *6 PVA3 鹸化度98.5 重合度2000 1
2%水溶液 *7 PVA4 鹸化度98.5 重合度2400 1
0%水溶液 比較例1〜6 反応性界面活性剤を使用しないでPVA鹸化度80を使
用した例(比較例1)、反応性界面活性剤を使用しPV
A鹸化度80を使用した例(比較例2)、反応性界面活
性剤を使用しPVAを請求の範囲以上の例(比較例
3)、応性界面活性剤を使用しPVAを請求の範囲以下
の例(比較例4)、反応性界面活性剤を請求の範囲以上
の例(比較例5)について実施例1に準じて水性樹脂分
散体を製造した。
1700 12%水溶液 *3 ラテムルS−180A 花王(株)製 有効成分
30% *4 アクアロンHS−10 第一工業製薬(株)製
有効成分98% *5 PVA1 鹸化度88 重合度1000 2
0%水溶液 *6 PVA3 鹸化度98.5 重合度2000 1
2%水溶液 *7 PVA4 鹸化度98.5 重合度2400 1
0%水溶液 比較例1〜6 反応性界面活性剤を使用しないでPVA鹸化度80を使
用した例(比較例1)、反応性界面活性剤を使用しPV
A鹸化度80を使用した例(比較例2)、反応性界面活
性剤を使用しPVAを請求の範囲以上の例(比較例
3)、応性界面活性剤を使用しPVAを請求の範囲以下
の例(比較例4)、反応性界面活性剤を請求の範囲以上
の例(比較例5)について実施例1に準じて水性樹脂分
散体を製造した。
【0035】
【表3】
【0036】*2 PVA2 鹸化度98.5 重合度
1700 12%水溶液 *6 PVA3 鹸化度98.5 重合度2000 1
2%水溶液 *8 PVA5 鹸化度80 重合度300 2
0%水溶液
1700 12%水溶液 *6 PVA3 鹸化度98.5 重合度2000 1
2%水溶液 *8 PVA5 鹸化度80 重合度300 2
0%水溶液
【0037】実施例、比較例より得られた水性樹脂分散
体の固形分、粘度、PHの測定をおこない結果は表4に示
した。また水性樹脂分散体に成膜助剤等を加え調整し、
珪酸カルシウム板およびフレキシブルボ−ド板に20g
/m2 (dry)塗布し、130℃で10分熱風乾燥し
た後、基材に対する密着性、耐温水性、耐凍結融解性を
調べた。結果は表5に示したとおりであった。
体の固形分、粘度、PHの測定をおこない結果は表4に示
した。また水性樹脂分散体に成膜助剤等を加え調整し、
珪酸カルシウム板およびフレキシブルボ−ド板に20g
/m2 (dry)塗布し、130℃で10分熱風乾燥し
た後、基材に対する密着性、耐温水性、耐凍結融解性を
調べた。結果は表5に示したとおりであった。
【0038】試験方法 一次密着性:塗膜をカッタ−ナイフで2mm間隔で5×
5の碁盤目を切り、セロテ−プを圧着した後、引き剥が
し塗膜の残存状態を観察した。
5の碁盤目を切り、セロテ−プを圧着した後、引き剥が
し塗膜の残存状態を観察した。
【0039】耐温水性:塗膜を塗布した試験片を50℃
の温水に7日間浸漬し塗膜の状態の観察および、2日間
室温乾燥し上記の方法で密着性試験をおこなった。
の温水に7日間浸漬し塗膜の状態の観察および、2日間
室温乾燥し上記の方法で密着性試験をおこなった。
【0040】耐凍結融解性:10℃の水中浸漬2時間,
−20℃の気中凍結2時間を1サイクルとし、100サ
イクルおこない塗膜の観察および、2日間室温乾燥し上
記の方法で密着性試験をおこなった。
−20℃の気中凍結2時間を1サイクルとし、100サ
イクルおこない塗膜の観察および、2日間室温乾燥し上
記の方法で密着性試験をおこなった。
【0041】上記試験の判定として ○:塗膜外観が異常なく、また塗膜が全く剥離しない △:小さなブリスタ−が見られ、また塗膜が一部剥離し
た ×:大きなブリスタ−が見られ、また塗膜が全部剥離し
た
た ×:大きなブリスタ−が見られ、また塗膜が全部剥離し
た
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【発明の効果】本発明の水性樹脂分散体は、無機多孔質
基材に対し密着性、耐水性、耐凍結融解性の良好な下塗
分散体の塗膜を得ることができた。
基材に対し密着性、耐水性、耐凍結融解性の良好な下塗
分散体の塗膜を得ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/04 PGF
Claims (3)
- 【請求項1】ラジカル重合可能なエチレン性不飽和単量
体100重量部と分子内にラジカル重合可能な不飽和二
重結合を持つ反応性界面活性剤10重量部以下とを重合
開始剤および重合溶剤の存在下で溶液重合して得られた
樹脂溶液を水に相転換し、重合溶剤を除去することによ
り得られる水性樹脂分散体とポリビニルアルコールが重
量固形分比で70〜98/30〜2の混合物である無機
多孔質基材用水性下塗分散体。 - 【請求項2】分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結
合を持つ反応性界面活性剤をラジカル重合可能なエチレ
ン性不飽和単量体100重量部に対し5重量部以下であ
る請求項1記載の無機多孔質基材用水性下塗分散体。 - 【請求項3】ポリビニルアルコールの重合度が200〜
2400、鹸化度が85モル%以上の請求項1記載の無
機多孔質基材用水性下塗分散体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30641294A JPH08157773A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 無機多孔質基材用水性下塗分散体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30641294A JPH08157773A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 無機多孔質基材用水性下塗分散体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157773A true JPH08157773A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17956714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30641294A Pending JPH08157773A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | 無機多孔質基材用水性下塗分散体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08157773A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194292A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Chuo Rika Kogyo Corp | 水性下地塗料 |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30641294A patent/JPH08157773A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002194292A (ja) * | 2000-12-26 | 2002-07-10 | Chuo Rika Kogyo Corp | 水性下地塗料 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1008635B1 (en) | Dirt pickup resistant coating binder and coatings | |
JP3410473B2 (ja) | 水性樹脂分散体およびその製造方法 | |
JPH06166864A (ja) | アクリル系コーキング組成物 | |
JP4129087B2 (ja) | 塗料組成物 | |
JPH07144979A (ja) | 無機板用プライマー組成物 | |
JP3602180B2 (ja) | 窯業セメント系外装材仕上げ塗料用エマルジョン | |
JPH11199825A (ja) | 水性シーラー組成物 | |
JPH08157773A (ja) | 無機多孔質基材用水性下塗分散体 | |
JPH02229820A (ja) | 水性樹脂分散液 | |
JPS6254351B2 (ja) | ||
JPS63162768A (ja) | 被覆用組成物 | |
JP3736674B2 (ja) | 無機系多孔質基材用水性下塗塗料組成物 | |
JPH0352981A (ja) | 接着剤組成物 | |
JP3295484B2 (ja) | 水性被覆組成物 | |
JPH08157774A (ja) | 無機多孔質基材用水性下塗分散体 | |
JPH08245733A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP3463512B2 (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP2004099823A (ja) | 水性被覆組成物 | |
JPH1112311A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JPH0660276B2 (ja) | シーラー用水性樹脂乳化物の製造方法 | |
JPH0136512B2 (ja) | ||
JPH0339522B2 (ja) | ||
JPH08302287A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JPH08188618A (ja) | 水性樹脂分散体 | |
JP3621346B2 (ja) | 水性下地塗料 |