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JPH08143697A - ポリプロピレン発泡体組成物 - Google Patents

ポリプロピレン発泡体組成物

Info

Publication number
JPH08143697A
JPH08143697A JP28623894A JP28623894A JPH08143697A JP H08143697 A JPH08143697 A JP H08143697A JP 28623894 A JP28623894 A JP 28623894A JP 28623894 A JP28623894 A JP 28623894A JP H08143697 A JPH08143697 A JP H08143697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silane coupling
clay compound
foaming agent
coupling agent
foaming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28623894A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kato
淳 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP28623894A priority Critical patent/JPH08143697A/ja
Publication of JPH08143697A publication Critical patent/JPH08143697A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に発泡剤及びシランカップリング剤を吸着
した粘土化合物及び/又はケイ藻土を使用することによ
り、高い発泡倍率を有するため、断熱材、衝撃吸収材及
び吸音材として有用なPP発泡体組成物を提供するこ
と。 【構成】 発泡剤及びシランカップリング剤を吸着した
粘土化合物及び/又はケイ藻土を含有することを特徴と
するポリプロピレン発泡体組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリプロピレン(以
下、PPという)発泡体組成物に関し、特に発泡剤及び
シランカップリング剤を吸着した粘土化合物及び/又は
ケイ藻土を使用することにより、高い発泡倍率を有する
ため、断熱材、衝撃吸収材及び吸音材として有用なPP
発泡体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
PP発泡体組成物の製造方法は、常圧発泡法、射出発泡
法及び押出発泡法の3種に大別され、得られる発泡体組
成物には下記のような特徴がある。
【0003】常圧発泡法は、PP融解温度(Tm)より
高い分解温度(Td)を有する発泡剤を用いて、発泡剤
のTd以下の温度で発泡剤を樹脂と混練し、シート化し
た後、そのシートを発泡剤のTd以上の温度で加熱し
て、常圧で発泡させる方法である。この方法で得られる
PP発泡体は、その発泡倍率が5〜30倍と比較的高い
が、Td以上で溶融したPPは分解ガスを保持するだけ
の粘弾性を持たない場合が多く、放射線や有機過酸化物
などを使用するバッチ工程により、PPに架橋構造を導
入するため、生産性はそれ程高くできないことや、成形
体の形状が板などの単純形状に限られることが課題とな
っている。
【0004】射出発泡法は、射出成形機を使用して、成
形体表面に硬いスキン層を有するストラクチュラルフォ
ームを成形することができる。この方法によれば、発泡
剤の配合技術や発泡状態のコントラルフォームを成形す
ることができる。しかしながら、この方法は発泡剤の配
合技術、発泡状態のコントロール技術及び金型を用いた
射出成形技術などの種々の成形ノウハウが必要であるこ
とと共に、得られる発泡体の発泡倍率が1.1〜3.0
倍と低いことが課題であった。
【0005】押出発泡法は、発泡剤を含む、溶融状態の
PPを高圧の押出機から常圧の外部に押し出し、発泡剤
と圧力の変化を利用して発泡させる方法である。この方
法で得られるPP発泡体では、気泡の安定化が難しく、
発泡倍率が1.2〜2.5倍の定発泡体に限定される。
また、アゾ化合物などの分解型発泡剤、飽和炭化水素や
塩素化炭化水素などの蒸発型発泡剤をそのまま溶融PP
に注入するため、成形時における発泡剤の損失や発泡構
造の不均一性にも考慮しなければならないという課題が
あった。
【0006】従って本発明は、上述した課題を解決し、
高い発泡倍率と優れた機械特性を有すると共に、高い生
産性が可能なPP発泡体組成物を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
発泡剤及びシランカップリング剤を吸着した粘土化合物
及び/又はケイ藻土を含有することを特徴とするポリプ
ロピレン発泡体組成物により達成された。
【0008】
【作用】以下、本発明の作用を説明する。発泡剤とシラ
ンカップリング剤を吸着した粘土化合物又はケイ藻土の
調製法を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1には使用した粘土化合物(粒径4〜1
0μ)、ケイ藻土(粒径4〜9μ)、発泡剤、シランカ
ップリング剤の種類、組成と仕込み割合、吸着処理条
件、真空乾燥条件、発泡剤とシランカップリング剤の付
着率を示した。ここで、粘土化合物とは、パイロフィラ
イト、セリサイト、カオリナイト、モンモリナイトの総
称である。ケイ藻土とは、微細孔を有する化石資源であ
る。尚、粘土化合物は吸着した発泡剤とシランカップリ
ング剤との間で層間化合物を形成し、ケイ藻土はその微
細孔に発泡剤及びシランカップリング剤を吸着すると考
えられる。
【0011】一方、発泡剤としては、5−アミノ−1H
−テトラゾール(HAT)、HATのナトリウム塩(H
ATNa)、HATの銅塩(HATCu)、1H−テト
ラゾール(1HT)などのテトラゾール化合物、アゾジ
カルボンアミド(ADCA)、N,N′−ジニトロペン
タメチレンテトラミン(DPT)等が挙げられる。
【0012】また、シランカップリング剤としては、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニル−トリス(β−メトキシ
エトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン(VS
i)などのビニルシラン類、γ−メタアクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APT)、N
−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルートリメ
トキシシランなどのアミノシラン類、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエピ
キシシラン類などが挙げられる。
【0013】発泡剤とシランカップリング剤との粘土化
合物への吸着処理では、仕込み組成として粘土化合物4
0〜90重量部に対し、発泡剤5〜40重量部、シラン
カップリング剤5〜20重量部を用い、メタノール/水
混合溶媒にて23〜60℃、6〜24時間攪拌還留した
後、溶媒を除去するために、吸着処理済み粘土化合物を
50℃で24時間真空乾燥処理した。
【0014】表2に前記吸着処理粘土化合物とPP発泡
体組成物ペレットの混練条件を示した。
【表2】
【0015】使用したPPは市販品ホモポリマーで、メ
ルトフローインデックス(MI)=5である。混練手順
としては、二軸混練機を使用して、前記吸着処理粘土化
合物粉体とPPペレットとの混合物をメインフィーダー
より投入し、樹脂温度210℃及びスクリュー回転数1
20RPMにて、射出成形用ペレットを調製した。但
し、比較例1及び2の如く、各種発泡剤(HAT、AD
CA)のみを添加したペレットを混練する場合は、混練
機のメインフィーダーよりPPペレットを、サイドフィ
ーダーより、各種発泡剤を投入して混練を行った。
【0016】表3にPP発泡体組成物の射出成形条件を
示した。
【表3】
【0017】前記射出成形用ペレットを使用し、シリン
ダヘッド温度230℃、射出圧930kg/cm2 、型
温室温、型締圧150kg/cm2 、保時間26.5秒
にて、JIS K 7113、JIS K 6767に
準拠した引張試験片と圧縮試験片を成形し、各種試験に
供した。
【0018】本発明で得られたPP発泡体組成物の実施
例及び比較例の発泡倍率、密度、引張強度、10%変形
圧縮強度を表4に示した。
【表4】
【0019】実施例1〜6では、発泡剤(HAT:5−
アミノ−1H−テトラゾール)とシランカップリング剤
(VSi:ビニルトリエトキシシラン)吸着率0.3〜
46.9重量%のモンモリナイト(Mon.)を使用し
て、発泡倍率0.6〜22.5倍、密度0.86〜0.
14g/cm3 、引張強度125〜15kg/cm2
10%変形圧縮強度78〜7.2kg/cm2 であるP
P発泡体組成物が得られた。
【0020】尚、PP発泡体組成物の発泡倍率を(発泡
後の成形体体積)/(未発泡前の成形体体積)と定義し
た。また、その密度を(PP発泡体組成物重量)/(P
P発泡体組成物体積)から算出した。実用的なPP発泡
体は従来のPP発泡体の発泡倍率以上が望ましいことか
ら、発泡剤及びシランカップリング剤の吸着率を実施例
1の0.3重量%より高くしなければならない。
【0021】一方、実施例6のような、高い吸着率(4
6.9重量%)では、粘土化合物粉体が凝集してしまい
好ましくない。従って、発泡剤及びシランカップリング
剤の吸着率は0.5〜45重量%、好ましくは1〜40
重量%が最適である。
【0022】実施例7〜10では、実施例1〜6と同じ
組成の発泡剤及びシランカップリング剤を使用し、その
吸着率を12.9重量%に固定して、PPに対する粘土
化合物の配合比(重量部数)を0.5/99.5〜50
/50まで変化させた。実施例7(配合比0.5/9
9.5)では従来のPP発泡体に相当するPP発泡体組
成物が得られるのに対し、実施例10では粘土化合物の
充填量が過剰のため、樹脂の流動阻害及び過剰発泡が発
生し、好ましいPP発泡体組成物を得ることができなか
った。このことは、PPに対する吸着処理粘土化合物の
配合比(重量部数)は0.5〜48重量部、好ましくは
1〜45重量部が最適であることを示唆している。
【0023】実施例11〜16は種々の粘土化合物やケ
イ藻土、発泡剤、シランカップリング剤を使用した結果
である。実施例11では粘土化合物としてMon.、発
泡剤としてHAT Cu(HAT銅塩)、シランカップ
リング剤としてVSi、実施例12では粘土化合物とし
てMon.、発泡剤として1H−テトラゾール(1H
T)、シランカップリング剤としてVSi、実施例13
では粘土化合物としてMon.、発泡剤としてアゾジカ
ルボンアミド(ADCA)、シランカップリング剤とし
てVSi、実施例14では粘土化合物としてMon.、
発泡剤としてHAT、シランカップリング剤としてγ−
アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APT)、実
施例15では粘土化合物としてカオリナイト(Ka
o)、発泡剤としてHAT、シランカップリング剤とし
てVSi、実施例16では粘土化合物としてケイ藻土、
発泡剤としてHAT、シランカップリング剤としてVS
iをそれぞれ使用した。
【0024】これらの場合、前記吸着率は7.5〜2
9.9重量%、PPへの配合比(重量部数)10/90
又は20/80の条件で、発泡倍率6.1〜18.3
倍、密度0.37〜0.18g/cm3 、引張強度45
〜18kg/cm2 、10%変形圧縮強度27〜10.
3kg/cm2 の、好ましい特性を有するPP発泡体組
成物が得られた。
【0025】これに対し、発泡剤(HAT又はADC
A)のみを用いた比較例1、2では、発泡倍率2.8、
3.2倍、密度0.32、0.57g/cm3 、引張強
度5.6、8.2kg/cm2 、10%変形圧縮強度
2.3、3.2kg/cm2 であり、実施例4などに比
べ、発泡倍率と機械特性が劣る。
【0026】尚、この発泡倍率2.8、3.2倍は従来
のPP発泡体の倍率にほぼ匹敵しているが、前記吸着粘
土化合物又はケイ藻土を使用する場合よりも、発泡剤の
損失が大きいことがわかる。また、比較例1、2の発泡
体には、最適成形条件の設定が困難なため、発泡体に部
分的に不均一な発泡構造が認められる。
【0027】比較例3は粘土化合物(Mon.)と発泡
剤(HAT)を用い、シランカップリング剤を使用しな
かった場合である。HAT吸着率11.2重量%、PP
に対する配合比10重量部の条件で、発泡倍率4.8
倍、密度0.19g/cm3 、引張強度4.1kg/c
2 、10%変形圧縮強度0.9kg/cm2 である。
実施例3、4に比較して、比較例3の発泡体の機械特性
が劣る原因は、シランカップリング剤を使用しなかった
ため、粘土化合物粒子とPPの界面近傍における発泡が
優先的に発生したためと考えられる。
【0028】比較例4は、発泡剤を使用しないで、粘土
化合物(Mon.)とシランカップリング剤を用いた場
合である。この場合は、優れた機械特性を示すが、発泡
倍率がほとんど0倍であり、論外である。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。ま
た、特に断らない限り、以下に記載する部及び%は、そ
れぞれ重量部及び重量%を示す。
【0030】(1)発泡剤とシランカップリング剤を吸
着した粘土化合物の調製法(表2)
【0031】実施例1 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)180g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)10g、ビニ
ルトリエトキシシラン(VSi)10g、メチルアルコ
ール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、
ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、23
℃で6時間攪拌した後、濾紙を用いて濾過物を取り出し
た。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で24
時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡剤とシラ
ンカップリング剤の吸着率は0.3%であった。
【0032】実施例2 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)180g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)10g、ビニ
ルトリエトキシシラン(VSi)10g、メチルアルコ
ール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、
ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50
℃で6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を
取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50
℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡
剤とシランカップリング剤の吸着率は4.3%であっ
た。
【0033】実施例3 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)170g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)20g、ビニ
ルトリエトキシシラン(VSi)10g、メチルアルコ
ール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、
ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50
℃で6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を
取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50
℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡
剤とシランカップリング剤の吸着率は6.1%であっ
た。
【0034】実施例4 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)120g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)60g、ビニ
ルトリエトキシシラン(VSi)20g、メチルアルコ
ール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、
ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50
℃で6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を
取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50
℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡
剤とシランカップリング剤の吸着率は12.9%であっ
た。
【0035】実施例5 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)100g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)80g、ビニ
ルトリエトキシシラン(VSi)20g、メチルアルコ
ール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、
ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50
℃で12時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物
を取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、6
0℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発
泡剤とシランカップリング剤の吸着率は26.2%であ
った。
【0036】実施例6 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)80g、5−
アミノ−1H−テトラゾール(HAT)80g、ビニル
トリエトキシシラン(VSi)40g、メチルアルコー
ル2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、ウ
ォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、60℃
で24時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を
取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50
℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡
剤とシランカップリング剤の吸着率は46.9%であっ
た。
【0037】実施例7 モンモリナイト、5−アミノ−1H−テトラゾール(H
AT)、ビニルトリエトキシシラン(VSi)の吸着処
理仕込み比を実施例4と全く同様になるように投入した
後、実施例4と全く同様な方法により、同様な吸着率で
発泡剤とシランカップリング剤を粘土化合物に吸着し
た。
【0038】実施例8 モンモリナイト、5−アミノ−1H−テトラゾール(H
AT)、ビニルトリエトキシシラン(VSi)の吸着処
理仕込み比を実施例4と全く同様になるように投入した
後、実施例4と全く同様な方法により、同様な吸着率で
発泡剤とシランカップリング剤を粘土化合物に吸着し
た。
【0039】実施例9 モンモリナイト、5−アミノ−1H−テトラゾール(H
AT)、ビニルトリエトキシシラン(VSi)の吸着処
理仕込み比を実施例4と全く同様になるように投入した
後、実施例4と全く同様な方法により、同様な吸着率で
発泡剤とシランカップリング剤を粘土化合物に吸着し
た。
【0040】実施例10 モンモリナイト、5−アミノ−1H−テトラゾール(H
AT)、ビニルトリエトキシシラン(VSi)の吸着処
理仕込み比を実施例4と全く同様になるように投入した
後、実施例4と全く同様な方法により、同様な吸着率で
発泡剤とシランカップリング剤を粘土化合物に吸着し
た。
【0041】実施例11 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)120g、5
−アミノ−1H−テトラゾールの銅塩(HAT Cu)
60g、ビニルトリエトキシシラン(VSi)20g、
メチルアルコール2L及び水0.1Lを3L丸底フラス
コに投入し、ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を
用いて、50℃で12時間攪拌し、還留した後、濾紙を
用いて濾過物を取り出した。この濾過物を真空乾燥機を
使用して、50℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物
に吸着した発泡剤とシランカップリング剤の吸着率は2
9.9%であった。
【0042】実施例12 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)120g、1
H−テトラゾール(1HT)60g、ビニルトリエトキ
シシラン(VSi)20g、メチルアルコール2L及び
水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、ウォーターバ
スと羽付きモーター攪拌機を用いて、50℃で6時間攪
拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を取り出した。
この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で24時間
真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡剤とシランカ
ップリング剤の吸着率は11.6%であった。
【0043】実施例13 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)120g、ア
ゾジカルボンアミド(ADCA)60g、ビニルトリエ
トキシシラン(VSi)20g、メチルアルコール2L
及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、ウォータ
ーバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50℃で6時
間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を取り出し
た。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で24
時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡剤とシラ
ンカップリング剤の吸着率は17.0%であった。
【0044】実施例14 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)120g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)60g、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン(γ−APT)20
g、メチルアルコール2L及び水0.1Lを3L丸底フ
ラスコに投入し、ウォーターバスと羽付きモーター攪拌
機を用いて、50℃で6時間攪拌、還留した後、濾紙を
用いて濾過物を取り出した。この濾過物を真空乾燥機を
使用して、50℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物
に吸着した発泡剤とシランカップリング剤の吸着率は1
3.6%であった。
【0045】実施例15 市販のカオリナイト(粒径4〜9μ)120g、5−ア
ミノ−1H−テトラゾール(HAT)60g、ビニルト
リエトキシシラン(VSi)20g、メチルアルコール
2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、ウォ
ーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50℃で
6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を取り
出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で
24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡剤と
シランカップリング剤の吸着率は7.5%であった。
【0046】実施例16 市販のケイ藻土(粒径4〜10μ)120g、5−アミ
ノ−1H−テトラゾール(HAT)60g、ビニルトリ
エトキシシラン(VSi)20g、メチルアルコール2
L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入し、ウォー
ターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50℃で6
時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を取り出
した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で2
4時間真空乾燥した。ケイ藻土に吸着した発泡剤とシラ
ンカップリング剤の吸着率は9.7%であった。
【0047】比較例1 粘土化合物及びシランカップリング剤を用いないで、混
練時に5−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)5部
のみを溶融PPに添加して、吸着処理はしなかった。
【0048】比較例2 粘土化合物及びシランカップリング剤を用いないで、混
練時にADCA5部のみを溶融PPに添加して、吸着処
理はしなかった。
【0049】比較例3 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)140g、5
−アミノ−1H−テトラゾール(HAT)60g及びメ
チルアルコール2Lを3L丸底フラスコに投入し、ウォ
ーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、50℃で
6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過物を取り
出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、50℃で
24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した発泡剤の
吸着率は11.2%であった。
【0050】比較例4 市販のモンモリナイト(粒径4〜10μ)140g、ビ
ニルトリエトキシシラン(VSi)60g、メチルアル
コール2L及び水0.1Lを3L丸底フラスコに投入
し、ウォーターバスと羽付きモーター攪拌機を用いて、
50℃で6時間攪拌し、還留した後、濾紙を用いて濾過
物を取り出した。この濾過物を真空乾燥機を使用して、
50℃で24時間真空乾燥した。粘土化合物に吸着した
シランカップリング剤の吸着率は9.8%であった。
【0051】(2)混練、成形条件、配合比及びPP発
泡体組成物の特性(表2、3、4)
【0052】実施例1 二軸混練機(JSW TEX30)を使用して、樹脂温
度210℃及びスクリュー転数120RPMに保持し
て、表1で示した実施例1で発泡剤HAT及びシランカ
ップリング剤VSi吸着処理した粘土化合物(Mo
n.)とPP(ホモポリマー:MI=5)ペレットを混
練した。この時、前記吸着処理粘土化合物とPPペレッ
トを配合比(部数)10/90で混合した後、二軸混練
機のメインフィーダーより投入した。混練ポリマーをカ
ッターマシンでカッティングした後100℃で24時間
熱風乾燥した物を射出成形原料とした。
【0053】次に、125t射出成形機(東芝機械株式
会社製の商品名:TM−66135)を使用し、射出条
件としてシリンダヘッド温度220℃、射出圧931k
g/cm2 、型締圧150kg/cm2 、金型温度室
温、保圧373kg/cm2 、保圧時間26.5秒を設
定し、前記射出成形原料をホッパーより投入して射出成
形した。
【0054】引張試験片の形状はJIS K 7113
に、圧縮試験片形状はJIS K6767に準拠した。
PP発泡体組成物の発泡倍率及び密度を下記のように定
義して、算出した。 発泡分率=100×成形体体積/未発泡成形体体積 密度=成形体重量/成形体体積 また、機械特性として、引張強度及び10%変形の圧縮
強度をJIS K 7113、JIS K 6767に
準拠して測定した。
【0055】実施例2〜6 表1に示した発泡剤とシランカップリング剤との仕込み
比を変えて、吸着処理粘土化合物を用いた他は、実施例
1と全く同様にしてPP発泡体組成物を成形した。
【0056】実施例7〜10 表1に示した実施例4における発泡剤HAT及びシラン
カップリング剤VSi吸着処理粘土化合物(吸着率1
2.9%)を用い、前記吸着処理粘土化合物とPPペレ
ットを配合比(部数)を実施例7では0.5/99.
5、実施例8では20/80、実施例9では40/6
0、実施例10では50/50とした他は、実施例1と
全く同様にしてPP発泡体組成物を成形した。
【0057】実施例11〜13 表1に示した発泡剤をHAT Cu、1HT、ADCA
と変えて吸着処理した粘土化合物を用いること、並び
に、前記吸着処理粘土化合物とPPペレットとの配合比
(部数)を実施例11では10/90、実施例12及び
13では20/80とした他は、実施例1と全く同様に
してPP発泡体組成物を成形した。
【0058】実施例14 表1に示したシランカップリング剤γ−APTに変えて
吸着処理した粘土化合物(Mon.)(吸着率13.6
%)を用い、前記吸着処理粘土化合物とPPペレットと
の配合比(部数)を20/80とした他は、実施例1と
全く同様にしてPP発泡体組成物を成形した。
【0059】実施例15及び16 表1に示した粘土化合物カオリナイト及びケイ藻土に変
えて吸着処理した粘土化合物(吸着率7.5%)及びケ
イ藻土(吸着率9.7%)を用い、この粘土化合物又は
ケイ藻土とPPペレットとの配合比(部数)を20/8
0とした他は、実施例1と全く同様にしてPP発泡体組
成物を成形した。
【0060】比較例1 二軸混練機(JSW TEX30)を使用して、樹脂温
度210℃及びスクリュー転数120RPMに保持し
て、PP(ホモポリマー:MI=5)ペレットをメイン
フィーダーより投入すると共に、PPに対し発泡剤HA
T5部をサイドフィーダーより添加して混練した。次
に、混練ポリマーをカッターマシンでカッティングした
後100℃で24時間熱風乾燥した物を射出成形原料と
した。上記以外は実施例1と全く同様な方法により行っ
た。
【0061】比較例2 二軸混練機(JSW TEX30)を使用して、樹脂温
度210℃及びスクリュー転数120RPMに保持し
て、PP(ホモポリマー:MI=5)ペレットをメイン
フィーダーより投入すると共に、PPに対し発泡剤AD
CA5部をサイドフィーダーより添加して混練した。次
に、混練ポリマーをカッターマシンでカッティングした
後100℃で24時間熱風乾燥した物を射出成形原料と
した。上記以外は実施例1と全く同様な方法により行っ
た。
【0062】比較例3 二軸混練機(JSW TEX30)を使用して、樹脂温
度210℃及びスクリュー転数120RPMに保持し
て、表1に示した発泡剤HAT吸着処理した粘土化合物
(Mon.)とPP(ホモポリマー:MI=5)ペレッ
トとを混練した。この時、前記吸着処理粘土化合物とP
Pペレットとを配合比(部数)10/90で混合した
後、二軸混練機のメインフィーダーより投入した。混練
ポリマーをカッターマシンでカッティングした後100
℃で24時間熱風乾燥した物を射出成形原料とした。上
記以外は実施例1と全く同様な方法により行った。
【0063】比較例4 二軸混練機(JSW TEX30)を使用して、樹脂温
度210℃及びスクリュー転数120RPMに保持し
て、表1に示したシランカップリング剤VSi吸着処理
した粘土化合物(Mon.)とPP(ホモポリマー:M
I=5)ペレットを混練した。この時、前記吸着処理粘
土化合物とPPペレットとを配合比(部数)10/90
で混合した後、二軸混練機のメインフィーダーより投入
した。混練ポリマーをカッターマシンでカッティングし
た後100℃で24時間熱風乾燥した物を射出成形原料
とした。上記以外は実施例1と全く同様な方法により行
った。
【0064】
【発明の効果】前述してきたように、本発明によれば、
発泡剤及びシランカップリング剤を吸着した粘土化合物
及び/又はケイ藻土を使用することにより、従来のPP
発泡体以上の発泡倍率を有し、機械特性に優れるPP発
泡体組成物を提供することができる。
【0065】本発明のPP発泡体組成物は、射出成形法
にて賦形可能であるため、造型的自由度が大きい。
【0066】本発明のPP発泡体組成物によれば、発泡
剤とシランカップリング剤とを粘土化合物に吸着させる
ため、成形加工時における発泡剤の損失を低減すること
ができると共に、安定発泡倍率のPP発泡体が連続生産
できることから、製品の品質管理が容易になる。
【0067】本発明のPP発泡体組成物は、化学的に活
性な発泡剤とシランカップリング剤とを粘土化合物に吸
着させることにより、常温にて上記吸着粘土化合物を安
定保管できることから、工業的な作業性や取扱い時の安
全性を向上させることができる。
【0068】本発明のPP発泡体組成物の工業的用途と
しては、自動車における衝撃吸収材、吸音材、断熱材な
どの製造、電気製品の外装、断熱材の製造、断熱用パイ
プカバーや発泡ボードや電線の被覆などが挙げられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/12 LBZ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤及びシランカップリング剤を吸着
    した粘土化合物及び/又はケイ藻土を含有することを特
    徴とするポリプロピレン発泡体組成物。
  2. 【請求項2】 発泡剤及びシランカップリング剤の吸着
    率が0.5〜45重量%の範囲、好ましくは1〜40重
    量%の範囲である粘土化合物及び/又はケイ藻土を使用
    したことを特徴とする請求項1記載のポリプロピレン発
    泡体組成物。
  3. 【請求項3】 ポリプロピレン100重量部に対し、請
    求項2記載の発泡剤及びシランカップリング剤を吸着し
    た粘土化合物及び/又はケイ藻土を0.5〜48重量部
    の範囲、好ましくは1〜45重量部の範囲で添加して得
    られることを特徴とするポリプロピレン発泡体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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