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JPH08142598A - 成形性を有する金属光沢転写箔 - Google Patents

成形性を有する金属光沢転写箔

Info

Publication number
JPH08142598A
JPH08142598A JP30842094A JP30842094A JPH08142598A JP H08142598 A JPH08142598 A JP H08142598A JP 30842094 A JP30842094 A JP 30842094A JP 30842094 A JP30842094 A JP 30842094A JP H08142598 A JPH08142598 A JP H08142598A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
thin film
metal thin
transfer foil
metallic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30842094A
Other languages
English (en)
Inventor
Seishi Ikemoto
精志 池本
Masayuki Shibata
雅之 柴田
Takashi Matano
剛史 俣野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP30842094A priority Critical patent/JPH08142598A/ja
Publication of JPH08142598A publication Critical patent/JPH08142598A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品が三次元形状で転写箔の伸びが大きい
部分にも、伸びの小さい部分と類似の金属光沢による意
匠感を付与できるようにする。 【構成】 転写箔の離型性基材(2)に金属光沢層
(4)として、別の離型性基材に、硬化皮膜、蒸着等に
よる粉末作成用の金属薄膜、さらに第2硬化皮膜を形成
した後、両硬化皮膜と共に金属薄膜を剥離して、これを
粉砕して得た金属光沢顔料を有するインキにより伸び適
性のある金属薄膜粉末インキ層(42)を用いる。そし
て、転写時の伸びの小さい部分には、蒸着等による金属
薄膜層(41)を部分的に形成し、伸びの大きい部分に
は、金属薄膜粉末インキ層を部分的に、金属薄膜層とは
異なる部分に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転写箔に関し、特に、
射出成形同時加飾方法等の成形同時転写法にて、成形品
の絞りの深い部分にも金属光沢を付与できる高意匠性の
転写箔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、成形品の加飾手段として転写
箔が広く用いられ、特に成形品の成形と同時に転写を行
う、成形同時転写法では、転写箔を成形時に伸ばすこと
で三次元形状の成形品表面への加飾が可能となってい
る。このような成形同時転写法としては、射出成形の金
型等で転写箔を予備成形する射出成形同時加飾方法や、
予備成形せずに射出成形時の溶融樹脂の熱圧で転写箔を
成形するインモールド射出成形同時加飾方法等がある。
特に、前者の場合は予備成形するために、後者よりも絞
りの深い複雑な三次元立体形状の成形品表面への加飾が
可能である。そして、金属光沢感の高意匠性を付与すべ
く、アルミニウムの真空蒸着等による金属薄膜層を部分
的にパターンとして有する金属薄膜転写箔等も、使用さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、金属薄膜は
伸びにくく、成形同時転写の時、即ち転写箔の成形時に
伸びが大きい部分に金属薄膜を適用すると、金属薄膜に
大小様々なひび割れが入る結果、外観上、クラック、曇
り、白化、虹状の模様等が生じるために、蒸着薄膜によ
る金属光沢の加飾は伸びの少ない部分に限定した意匠表
現に限定されていた。この解決策として、金属薄膜層の
代わりに金属薄膜粉末を顔料として用いたインキを用い
て金属光沢層を形成すると、一応の高意匠の金属感はあ
るが、金属光沢面が全面に滑らかに連続した面による光
沢膜ではないために、金属薄膜層に比べ若干の曇り感が
あり、使用面積が大きい目立ち、意匠性が低下するとい
う問題があった。
【0004】そこで、本発明の転写箔においては、上記
問題点を解決し、転写時の伸びの大きい所でも、違和感
がなく、金属光沢を付与できる成形性を有する金属光沢
転写箔を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の成形性を
有する金属光沢転写箔は、離型性基材の片面に、金属光
沢層を有する転写箔であって、該金属光沢層を、樹脂フ
ィルム上の硬化皮膜層の上に粉末用金属薄膜層と第2硬
化皮膜層を順に形成した後、粉末用金属薄膜層を、当該
層を挟持する硬化皮膜層と第2硬化皮膜層と共に樹脂フ
ィルムから剥離し、それを粉砕して得られた金属薄膜粉
末を有する金属薄膜粉末インキによって形成された金属
薄膜粉末インキ層から構成する。また、上記成形性を有
する金属光沢転写箔において、金属光沢層を、部分的に
形成された金属薄膜粉末インキ層と、該金属薄膜粉末イ
ンキ層とは異なる部分に部分的に形成された金属薄膜層
と、から構成するものでもある。また、上記成形性を有
する金属光沢転写箔において、金属薄膜層の直下の離型
性基材側に硬化透明層を有する構成とするものでもあ
る。また、上記成形性を有する金属光沢転写箔におい
て、成型時の転写箔の伸びが10%以上となる部分には
金属薄膜粉末インキ層、伸びが10%未満となる部分に
は金属薄膜層として、選択的に形成した構成でもある。
【0006】以下、図面を参照しながら本発明の成形性
を有する金属光沢転写箔を詳述する。図1は、本発明の
成形性を有する金属光沢転写箔の一実施例を示す縦断面
図である。同図において、成形性を有する金属光沢転写
箔1は、離型性基材2の片面(同図で下方の面)に、剥
離層3、硬化透明層7を設け、硬化透明層7の面に金属
光沢層を部分的に形成したものであり、金属薄膜層41
及び金属薄膜粉末インキ層42をそれぞれ場所を分けて
部分的にパターン状に設け、さらに絵柄層5、接着剤層
6を設けたものである。転写時は、剥離層3以下が転写
層として離型性基材2と分離して被転写体に転写移行す
る。そして、図2は、図1に示す成形性を有する金属光
沢転写箔を、成形時に曲面等の箇所で転写箔が伸ばされ
る被転写面を有する成形品基材Pに転写した後の、得ら
れる加飾成形品の例を示す縦断面図である。図2のよう
に、転写箔の伸びが大きい部分(同図で左右のコーナー
部分)には、金属薄膜粉末インキ層42が、伸びが小さ
い部分には金属薄膜層41が、位置的に対応するように
転写されている。本発明の成形性を有する金属光沢転写
箔としては、このように通常は、離型性基材2に金属薄
膜層41及び金属薄膜粉末インキ層42以外に、剥離層
3、絵柄層5及び接着剤層6を伴うものである。
【0007】離型性基材2としては、例えば、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンテレフタレート−イソフタレートの共重合体
等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリ
フッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ4フッ化エ
チレン、エチレン−4フッ化エチレン共重合体等のフッ
素系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリア
ミド樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、ビニ
ロン等のビニル重合体、三酢酸セルロース、セロファン
等のセルロース系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
メタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアク
リル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリ
カーボネート、ポリアリレート等の合成樹脂の単独又は
複数を用いたフィルムの単層体又は該フィルムの複数の
積層体からなるフィルム等が使用できる。なかでも、一
般的なのは、ポリエチレンテレフタレートフィルムであ
る。また厚みは、通常12〜100μm程度である。
【0008】離型性基材2は上記の樹脂からなるフィル
ムを単独で用いることもあるが、転写層との離型性を調
整する意味で、該フィルムを基材フィルム21として、
その上に離型層22を施すのが普通である。離型層22
としては、フッ素系樹脂、各種ワックス、シリコーン樹
脂等を公知のビヒクル、例えばアクリル系樹脂、セルロ
ース系樹脂、ビニル系樹脂に添加した塗料や電離放射線
硬化性のアクリル系樹脂等の塗料を塗布したり、あるい
は、離型性の樹脂、例えば、フッ素系樹脂、シリコーン
樹脂、ポリオレフィン樹脂等をエクストルージョンコー
トしたりして形成する。また、本発明のように成形同時
転写に用いる転写箔では、転写時の熱圧への耐熱性等の
点から、熱硬化性樹脂として、アクリル樹脂、メラミン
樹脂、エポキシ樹脂、エポキシ−メラミン樹脂、ウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アミノアルキッド樹脂等に
必要に応じて、シリコーン、フッソ系樹脂、パラフィン
等の離型剤を添加した塗料を塗布して硬化形成したもの
が好ましい。
【0009】剥離層3は、転写後は転写層の最外層とな
って表面を保護するものであり、通常は設けるのが普通
である。剥離層3としては、熱可塑性樹脂、また特に表
面の耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性等を要する場合に
は、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の公知の材
料の塗液又はインキの塗布又は印刷方法にて形成すれば
良い。剥離層3の厚さは、通常0.1〜10μm程度で
ある。
【0010】上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、エ
チルセルロース、硝酸セルロース、酢酸セルロース、エ
チルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテー
トプロピオネート等のセルロース誘導体、ポリスチレ
ン、ポリ−α−メチルスチレン、スチレン共重合体等の
スチレン系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタク
リル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸
ブチル等のアクリル樹脂、ポリ塩ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチ
ラール等のビニル樹脂、ロジン、ロジン変性マレイン酸
樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、重合ロジン、ロジン
エステル等のロジン誘導体、クマロン樹脂、ビニルトル
エン樹脂、ポリアミド樹脂等の天然樹脂又は合成樹脂等
が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えば、
フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、
メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリウタレン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッ
ド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ポリシロキサン等
のケイ素樹脂等が挙げられる。これらに、必要に応じ
て、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤を併用
する。また、電離放射線硬化性樹脂としては、ウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリ
レート等の多官能性オリゴマーと、重合性の単官能モノ
マー、多官能モノマー等によって得られる樹脂が用いら
れる。
【0011】金属光沢層4としての金属薄膜層41は、
金属蒸着やスパッタリング、イオンプレーティング等に
よって形成する薄膜である為に高光沢感を得やすいが、
成型転写時の伸びがない為に主として伸びが10%未満
となる部分に使用する。金属薄膜層41を形成する金属
としては、例えば、アルミニウム、クロム、ニッケル、
コバルト、銅、金、銀、スズ、亜鉛、黄銅、ステンレス
等の金属、合金、金属酸化物等である。厚みは通常20
0〜800Å、好ましくは400〜600Åである。な
お、金属薄膜層41を部分的に形成するには、先ず不要
部分にポリビニルアルコール等の水溶性樹脂からなる水
溶性除去層を印刷等で設けた上から、全面に蒸着等によ
り金属薄膜を形成し、その後、水、アルカリ性水溶液等
で水洗し、水溶性除去層と共に、その上の金属薄膜を除
去する方法や、あるいは、基材の全面に蒸着などにより
金属薄膜を形成し、該金属薄膜を残し必要のある部分の
上に、レジスト層を形成し、その後、酸、アルカリ等の
腐食液で不要部分の金属薄膜を除去する方法によって形
成する。
【0012】金属光沢層4としての金属薄膜粉末インキ
層42としては、予め、金属薄膜を(別の基材上に)蒸
着等で形成したものを粉末化した金属光沢顔料を添加し
たインキにより形成した、金属薄膜層41類似の金属光
沢を有する層である。このような金属光沢顔料として
は、図4に示す様に、基材フィルム401に硬化皮膜層
402を形成し、その上に、上記金属薄膜層41と同様
の材料、方法から適宜選択したもの、例えば、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム等を真空蒸着やスパッタリング
等によって粉末用金属薄膜層403を形成し、さらにそ
の上に、第2硬化皮膜層404を形成したものを、金属
光沢顔料原材料フィルム40とし、これより、粉末用金
属薄膜層403を硬化皮膜層402及び第2硬化皮膜層
404により挟持された状態で基材フィルム401から
剥離し、剥離物をロールミル等で顔料として好ましい粒
径まで微粉砕することによって得られる。
【0013】基材フィルム401は、例えば、ポリエス
テルフィルム等の前記した基材フィルム21と同様のも
のが使用される。また、硬化皮膜層402及び第2硬化
皮膜層404は粉砕しやすい様に硬質であることが好ま
しく、硬化性樹脂であるウレタン樹脂、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、アミノ樹脂等が使用できる。またこれら
の皮膜の厚みは、それぞれ1μm程度もあれば十分であ
る。また、これら硬化皮膜層を例えば青色等と着色して
おけば、得られる金属光沢顔料に着色した光沢感を付与
できる。このような金属光沢顔料の粒径は、金属薄膜粉
末インキ層をグラビア印刷やシルクスクリーン印刷等の
印刷法で形成するに支障の来さない程度の粒径であれば
よく、例えば、1〜200μm程度であり、粒径が細か
すぎると金属光沢感が低下し、粒径が大きすぎると、イ
ンキに分散した時の顔料適性が低下する。
【0014】このようにして得られた、金属薄膜を粉末
化した金属光沢顔料を、公知のビヒクルに混合して金属
薄膜粉末インキを調整し、これを要求される意匠デザイ
ンに応じて全面又は部分的にパターン状に印刷して、金
属薄膜粉末インキ層を形成する。なお、ビヒクルとして
は、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂等、また剥離層の形成用の樹脂として前記
した樹脂等が使用できるる。印刷方法は、グラビア印
刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等によれば
良いが、高意匠感の表現の点では、厚く印刷できるシル
クスクリーン印刷が望ましい。金属薄膜粉末インキ層の
厚さは、0.5〜200μm程度が好ましく、0.5μ
m未満では光沢感が少なく、逆に200μmを越えると
光沢感の効果が飽和しインキを過剰に要しコスト高とな
る。
【0015】金属光沢層4としての、金属薄膜層41と
金属薄膜粉末インキ層42は、その使い分けが重要であ
る。金属薄膜層41は高光沢感を得やすいが、転写成形
時の伸びに追従しないため、伸びが10%未満の部分に
使用すると良い。特に伸びが15%以上の時は金属薄膜
粉末インキ層42と共用する効果が顕著である。金属薄
膜粉末インキ層42は上記した様な金属光沢顔料が樹脂
からなるインキ層中に分散した状態の為に伸び適性があ
り、金属薄膜層41に比較してクラック、白化等の発生
が少ない。但し、意匠的には金属薄膜層41に比べ劣る
ために、使用は転写成形時の伸びのある部分に用いる。
【0016】なお、金属薄膜層41を形成する際に下地
層として、硬化透明層7を設けておくことが好ましい。
硬化透明層7は、特に金属薄膜層41に対して設けるも
のであり、成形時の熱圧で当該層に隣接する層の軟化変
形が、金属薄膜層41にまで及び、微細な凹凸発生で光
沢感が変化する所謂「焼け」の発生を防止する。このよ
うな、硬化透明層7としては、硬化性樹脂として、メラ
ミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹
脂や、アクリレート系樹脂等の電離放射線硬化性樹脂等
の塗料を塗工して形成する。硬化透明層7を設ける場合
は、少なくとも金属薄膜層41の下地部分に設ければ十
分であるが、塗工法による製造上の点で、転写箔全面に
設けても構わない。なお、硬化透明層の厚みは、通常
0.2〜3μm、好ましくは0.5〜2μm程度が良
い。
【0017】絵柄層5は、必要に応じ適宜、金属薄膜層
41や金属薄膜粉末インキ層42とは重ならない様に、
あるいは重なってもこれら金属光沢層4よりも転写後の
状態で表面側に設ける。絵柄層5は公知のインキ、すな
わち、ビヒクルに必要に応じて、顔料、染料等の着色
剤、体質顔料、用材、 安定剤、可塑剤、触媒、硬化剤
等を混合したインキを公知の印刷手段により形成する。
ビヒクルとしては上述した剥離層3に列記した樹脂等が
使用できる。なお、絵柄層の形成は、金属薄膜粉末イン
キ層の形成と同じ印刷方法によるのであれば、同時に設
ければ工程数の省略ができる。また、絵柄層の形成工程
と金属薄膜層の形成工程のとの前後関係は、どちらでも
良いが、絵柄層を後に形成した方が、通常、真空下が行
われる金属薄膜層の製造工程に影響がなく、金属薄膜層
の光沢感が得やすい。
【0018】接着剤層6は、転写箔の転写面に露出する
層が、例えば金属薄膜層41のように熱接着性を有しな
い場合の時には、設けることが必要であるが、露出する
層が転写成型時の熱圧条件での熱接着性を有し、また転
写後の密着性等が十分であれば、省略することもでき
る。このような接着剤層としては、感熱接着剤が用いら
れ、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹
脂、あるいは、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチルゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンアクリロニト
リルゴム等のゴム系樹脂等が挙げられる。接着剤層は、
上記の樹脂を公知の塗工方法で形成され、厚さは通常
0.5〜10μm程度である。
【0019】本発明の成形性を有する金属光沢転写箔は
以上のような構成からなるが、その用途としては、従来
技術において述べた様に、転写箔の予熱や予備成形の有
無に拘らず、成形品の射出成形と同時に転写する成形同
時転写法に広く適用できる。また、射出成形のみでな
く、注形成形時に転写する方法等、転写箔の成形と樹脂
の成形とを、その前後又は同時関係に拘らず組み合わせ
て、加飾成形品を製造するに際して、転写箔が伸ばされ
る方法に効果的に適用できる。
【0020】
【作用】本発明の成形性を有する金属光沢転写箔によれ
ば、金属光沢層として、特定の製法でえられた金属光沢
顔料を有する金属薄膜粉末インキ層を用いるため、転写
箔が成形転写されて伸ばさても金属光沢の低下が少ない
ので、優れた金属光沢感が保持される。また、このよう
な金属薄膜粉末インキ層と金属薄膜層との二種類の金属
光沢層を設けると、転写箔が成形転写されて伸ばされる
時に、金属薄膜粉末インキ層は伸ばされても金属光沢の
低下が少ないので、優れた金属光沢感が保持される。ま
た、金属薄膜層を形成する下地に硬化透明層を形成して
おくと、金属薄膜層の金属光沢感を成形転写時に高品質
に維持できる。そして、このような金属薄膜粉末インキ
層と金属薄膜層とを、転写箔の伸びが10%以上の部分
に前者を、10%未満の部分に後者を適用することによ
って、得られる三次元形状の加飾成形品の金属光沢感に
おいて、金属薄膜粉末インキ層と金属薄膜層との部分で
違和感が無くなる。
【0021】
【実施例】
《実施例1》1.離型性基材の作成 ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製
T−60 #50、厚み50μm)に、エポキシ・メラ
ミン樹脂(大日本インキ化学工業(株)製)をグラビア
コート法で塗布後170℃で20秒間焼き付けして、
0.3g/m2 (乾燥時塗布量、以下同様)の離型層と
して、離型性基材とした。
【0022】2.剥離層及び硬化透明層の形成 上記離型性基材の離型層の上に、アクリル樹脂系剥離イ
ンキ((株)昭和インク工業所製)ハクリ46−7)
で、1g/m2 の剥離層を設け、さらにこの上に二液硬
化型ウレタン系樹脂にて1g/m2 の硬化透明層を設け
た。なお、これらは、グラビアコート法で塗布形成し
た。
【0023】3.金属薄膜層の形成 上記の硬化透明層の上に、水洗プライマーインキ
((株)昭和インク工業所製)を金属薄膜層が不要な部
分にパータン状に水溶性除去層をグラビア印刷で形成
し、次いで、その上を含めて全面に真空蒸着法によりア
ルミニウムの金属薄膜を形成した。その後、水洗処理を
行うことにより、水溶性除去層をその上の金属薄膜と共
に除去して、金属光沢の必要部分に金属薄膜層を形成し
た。この金属薄膜層は成形品の二次曲面(図3のB部
分)、及び平面部分(図3のA部分)に相当する部分と
した。
【0024】4.金属薄膜粉末インキ層の形成 次に、上記フィルムの処理面側に、アルミニウムの蒸着
で得られた金属光沢顔料による金属薄膜粉末粉末インキ
(大日本インキ化学工業(株)製)をシルクスクリーン
印刷して、金属薄膜粉末インキ層を前記金属薄膜層とは
異なる場所にパターン状に6g/m2 の厚みに形成し
た。形成部分は成型時に転写箔が10%以上伸びる三次
元曲面部分(図3のC部分)に相当する部分とした。
【0025】5.絵柄層及び接着剤層の形成 絵柄層として、アクリル系樹脂インキ((株)昭和イン
ク工業所製 GG)により2g/m2 の厚みにグラビア
印刷にて形成した。次いで、処理面全面に、塩化ビニル
−酢酸ビニル系インキ((株)昭和インク工業所製 P
VHS)にて1g/m2 の接着剤層をグラビア印刷にて
形成した。かくして、本発明の成形性を有する金属光沢
転写箔が得られた。
【0026】6.転写箔の成形同時転写(性能評価試
験) 図3に示すような、縦100mm、横100mm、高さ
20mm、四隅のコーナの曲率半径20Rの球面形状の
合成樹脂成形品の外表面全面に上記にて得た本発明の成
形性を有する金属光沢転写箔を射出成形同時加飾方法
(転写箔の予熱と射出成形金型を利用した予備成形を行
う)による成形同時転写を行い、性能を評価した。な
お、射出樹脂はAS(アクリロニトリル−スチレン)樹
脂(旭化成工業(株)製 スタイラック767)とし、
射出成形条件は成形温度220℃、成形時間8秒とし
た。
【0027】《比較例1》実施例1において、金属光沢
層を全て金属薄膜層で形成した他は、実施例1と同様に
して、比較例1の金属光沢転写箔とした。
【0028】《比較例2》実施例1において、金属光沢
層を全て金属薄膜粉末インキ層で形成した他は、実施例
1と同様にして、比較例2の金属光沢転写箔とした。
【0029】実施例及び比較例の成形同時転写におけ
る、金属光沢層の金属光沢の意匠感の性能評価結果を表
1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の金属光沢転写箔は以上説明した
ように構成されているので、絞りの深い三次元形状の成
形品への成形同時転写に使用するにあたって、転写箔が
伸ばされる部分にも、伸ばされない部分よりも若干劣る
が類似の金属光沢を付与でき、伸びの小さい部分と伸び
の大きい部分の両方に類似の金属光沢を有する意匠感に
優れた立体の成形品が得られ、意匠表現の自由度が増
す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形性を有する金属光沢転写箔の一実
施例を示す縦断面図。
【図2】図1の転写箔が成形品に転写された例を示す縦
断面図。
【図3】成形性を有する金属光沢転写箔で加飾された成
形品を示す斜視図。
【図4】金属薄膜粉末インキに使用し得る金属光沢顔料
の製造法の説明図。
【符号の説明】
1 成形性を有する金属光沢転写箔 2 離型性基材 21 基材フィルム 22 離型層 3 剥離層 4 金属光沢層 41 金属薄膜層 42 金属薄膜粉末インキ層 5 絵柄層 6 接着剤層 7 硬化透明層 40 金属光沢顔料の原材料フィルム 401 基材フィルム 402 硬化皮膜層 403 粉末用金属薄膜層 404 第2硬化皮膜層 A 平面部分に転写形成された金属光沢層 B 二次曲面部分に転写形成された金属光沢層 C 三次元曲面で伸びが大きい部分に形成された金
属光沢層 P 成形品基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 離型性基材の片面に、金属光沢層を有す
    る転写箔であって、該金属光沢層が、樹脂フィルム上の
    硬化皮膜層の上に粉末用金属薄膜層と第2硬化皮膜層を
    順に形成した後、粉末用金属薄膜層を、当該層を挟持す
    る硬化皮膜層と第2硬化皮膜層と共に樹脂フィルムから
    剥離し、それを粉砕して得られた金属薄膜粉末を有する
    金属薄膜粉末インキによって形成された金属薄膜粉末イ
    ンキ層からなることを特徴とする成形性を有する金属光
    沢転写箔。
  2. 【請求項2】 金属光沢層が、部分的に形成された金属
    薄膜粉末インキ層と、該金属薄膜粉末インキ層とは異な
    る部分に部分的に形成された金属薄膜層と、からなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の成形性を有する金属光沢
    転写箔。
  3. 【請求項3】 金属薄膜層の直下の離型性基材側に硬化
    透明層を有することを特徴とする成形性を有する請求項
    1又は2記載の金属光沢転写箔。
  4. 【請求項4】 成型時の転写箔の伸びが10%以上とな
    る部分には金属薄膜粉末インキ層、伸びが10%未満と
    なる部分には金属薄膜層として、選択的に形成したこと
    を特徴とする請求項1,2又は3記載の成形性を有する
    金属光沢転写箔。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160648A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Shin Etsu Polymer Co Ltd 金属調加飾シートおよびその製造方法
JP2011021051A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Dic Corp 活性エネルギー線硬化性転写シートの製造方法
JP2014231309A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 テイ・エス テック株式会社 車両用加飾部材及び車両用加飾部材の製造方法
JP2016221851A (ja) * 2015-05-29 2016-12-28 文右衛門 木戸 「虚階」を有したシート貼付物

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