JPH0813824B2 - 有機ケイ素化合物 - Google Patents
有機ケイ素化合物Info
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- JPH0813824B2 JPH0813824B2 JP63271554A JP27155488A JPH0813824B2 JP H0813824 B2 JPH0813824 B2 JP H0813824B2 JP 63271554 A JP63271554 A JP 63271554A JP 27155488 A JP27155488 A JP 27155488A JP H0813824 B2 JPH0813824 B2 JP H0813824B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、新規な有機ケイ素化合物に関する。
従来、有機ケイ素化合物として下記式: 〔ここで、A1及びA2は相異なり、水素原子又は式: (式中R1、R2及びR3は同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基である) で表される基である〕 で表されるものが知られている。(特開昭63−113021
号) 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、上記特開昭63−113021号に記載の有機ケイ素
化合物は、加水分解すると、A1又はA2中に含まれるシリ
ル基から生ずるシラノール基(Si−OH)とトリメチルシ
ロキシ基から生ずるシラノール基とが反応してしまい、
例えば、式: で表されるような化合物が生成する。この化合物で
は、末端シラノール基がトリメチルシリル基でブロック
されてシロキサン結合を形成して反応性が失われている
ため、中間体としては極めて狭い用途にしか利用できな
いものであった。
ゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基である) で表される基である〕 で表されるものが知られている。(特開昭63−113021
号) 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、上記特開昭63−113021号に記載の有機ケイ素
化合物は、加水分解すると、A1又はA2中に含まれるシリ
ル基から生ずるシラノール基(Si−OH)とトリメチルシ
ロキシ基から生ずるシラノール基とが反応してしまい、
例えば、式: で表されるような化合物が生成する。この化合物で
は、末端シラノール基がトリメチルシリル基でブロック
されてシロキサン結合を形成して反応性が失われている
ため、中間体としては極めて狭い用途にしか利用できな
いものであった。
そこで本発明の目的は、種々の化合物合成の中間体と
して、また種々の重合体の改質コモノマー等として広く
有用である新規な有機ケイ素化合物を提供することにあ
る。
して、また種々の重合体の改質コモノマー等として広く
有用である新規な有機ケイ素化合物を提供することにあ
る。
本発明は、上記課題を解決するものとして、 下記式(I): 〔ここで、A1とA2とは相異なり、水素原子又は式: (式中R1、R2及びR3は同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等;ア
ルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシ
ル基、n−オクチル基等;又はアルコキシ基、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、n−アミ
ロキシ基、i−アミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n
−オクチロキシ基等である) で表される基である〕 で表される有機ケイ素化合物を提供するものである。
ゲン原子、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素等;ア
ルキル基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t
−ブチル基、n−アミル基、i−アミル基、n−ヘキシ
ル基、n−オクチル基等;又はアルコキシ基、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロ
ポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、n−アミ
ロキシ基、i−アミロキシ基、n−ヘキシロキシ基、n
−オクチロキシ基等である) で表される基である〕 で表される有機ケイ素化合物を提供するものである。
本発明の式〔I〕で表される有機ケイ素化合物の製造
は、例えば下記の方法によって行うことができる。すな
わち、下記式(II): で表されるp−tert−ブトキシスチレンと、下記式(II
I): 〔ここで、R1、R2及びR3は前記と同じ〕 で表されるシラン化合物とを、溶媒を用いないで、又は
炭化水素系溶媒もしくはエーテル系溶媒中で、重合禁止
剤の存在下にヒドロシリル化反応触媒を用いて、20〜20
0℃、好ましくは30〜150℃で、0.5〜30時間攪拌して反
応させることにより行うことができる。
は、例えば下記の方法によって行うことができる。すな
わち、下記式(II): で表されるp−tert−ブトキシスチレンと、下記式(II
I): 〔ここで、R1、R2及びR3は前記と同じ〕 で表されるシラン化合物とを、溶媒を用いないで、又は
炭化水素系溶媒もしくはエーテル系溶媒中で、重合禁止
剤の存在下にヒドロシリル化反応触媒を用いて、20〜20
0℃、好ましくは30〜150℃で、0.5〜30時間攪拌して反
応させることにより行うことができる。
溶媒を使用する場合、用いられる炭化水素系溶媒とし
ては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、
キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等が挙げられ、またエーテル系溶媒として
は、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これら
は1種単独でも2種以上を組合わせても用いられる。
ては、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、
キシレン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシク
ロヘキサン等が挙げられ、またエーテル系溶媒として
は、例えば、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。これら
は1種単独でも2種以上を組合わせても用いられる。
用いられる重合禁止剤としては、例えばハイドロキノ
ン、tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−
イソプロピル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ
る。この重合禁止剤の使用量は、通常、p−tert−ブト
キシスチレンに対して500ppm〜5重量%の範囲の量であ
る。
ン、tert−ブチルカテコール、2,6−ジ−t−ブチル−
4−メチルフェノール、2,2′−メチレン−ビス(4−
エチル−6−t−ブチルフェノール)、N,N′−ジフェ
ニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−
イソプロピル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ
る。この重合禁止剤の使用量は、通常、p−tert−ブト
キシスチレンに対して500ppm〜5重量%の範囲の量であ
る。
用いられるヒドロシリル化反応触媒としては、例え
ば、白金黒、白金アスベスト、白金シリカゲル、白金活
性炭、白金アルミナ、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム
等の白金系触媒;AlCl3、ZnCl2−AlCl3複合物等のルイ
ス酸;ピリジン、ピリジン−塩化ニッケル錯化合物等の
有機塩素;パラジウム−アルミナ、ラネーニッケル等を
挙げることができる。これらの触媒は、通常、p−tert
−ブトキシスチレン1モルに対して1×10-8〜1×10-5
モルの割合で使用される。
ば、白金黒、白金アスベスト、白金シリカゲル、白金活
性炭、白金アルミナ、塩化白金酸、塩化白金酸カリウム
等の白金系触媒;AlCl3、ZnCl2−AlCl3複合物等のルイ
ス酸;ピリジン、ピリジン−塩化ニッケル錯化合物等の
有機塩素;パラジウム−アルミナ、ラネーニッケル等を
挙げることができる。これらの触媒は、通常、p−tert
−ブトキシスチレン1モルに対して1×10-8〜1×10-5
モルの割合で使用される。
また、上記反応において用いられる式(III)で表さ
れるシラン化合物と式(II)で表されるp−tert−ブト
キシスチレンのモル比は、通常、1.0〜3.0、好ましくは
1.0〜1.5である。
れるシラン化合物と式(II)で表されるp−tert−ブト
キシスチレンのモル比は、通常、1.0〜3.0、好ましくは
1.0〜1.5である。
本発明の有機ケイ素化合物の製造に使用される上記式
(II)で表されるp−tert−ブトキシスチレンは、例え
ば、下記式で表されるグリニャール反応によって製造す
ることができる。
(II)で表されるp−tert−ブトキシスチレンは、例え
ば、下記式で表されるグリニャール反応によって製造す
ることができる。
本発明の有機ケイ素化合物は、上記方法によって合成
された式(II)で表されるp−tert−ブトキシスチレン
と式(III)で表されるシラン化合物とを付加反応させ
ることにより製造できるが、この付加反応による生成物
は、通常、本発明の有機ケイ素化合物である下記式
(I)′: 及び下記式(I)″: で表される2種の有機ケイ素化合物の混合物として得ら
れる。反応生成物中の式(I)′で表される有機ケイ素
化合物と式(I)″で表される有機ケイ素化合物の生成
比は、出発物質であるシラン化合物のケイ素原子に結合
した置換基の種類に関係すると推定されるが必ずしも明
らかではない。
された式(II)で表されるp−tert−ブトキシスチレン
と式(III)で表されるシラン化合物とを付加反応させ
ることにより製造できるが、この付加反応による生成物
は、通常、本発明の有機ケイ素化合物である下記式
(I)′: 及び下記式(I)″: で表される2種の有機ケイ素化合物の混合物として得ら
れる。反応生成物中の式(I)′で表される有機ケイ素
化合物と式(I)″で表される有機ケイ素化合物の生成
比は、出発物質であるシラン化合物のケイ素原子に結合
した置換基の種類に関係すると推定されるが必ずしも明
らかではない。
本発明の有機ケイ素化合物は、例えば、下記反応式: で表されるように、酸性条件下で加水分解することによ
り、ベンゼン核からtert−ブチル基が脱離すると同時に
シロキサン結合を生成して上記式(VI)で表される化合
物を得ることができる。この式(VI)で表される化合物
は、例えば、カルボキシル基、イソシアナート基等を有
するポリエステル、ポリウレタンと反応させることによ
りシリコーンを含有するポリエステル、ポリウレタン、
いわゆるシリコーン変性樹脂を製造するのに用いること
ができる。得られるシリコーン変性樹脂は、耐候性、耐
熱性、耐湿性、染色性及び耐酸素プラズマ性に優れるた
め、塗料や半導体の微細加工用材料、例えば、フォトレ
ジスト用材料として有用である。
り、ベンゼン核からtert−ブチル基が脱離すると同時に
シロキサン結合を生成して上記式(VI)で表される化合
物を得ることができる。この式(VI)で表される化合物
は、例えば、カルボキシル基、イソシアナート基等を有
するポリエステル、ポリウレタンと反応させることによ
りシリコーンを含有するポリエステル、ポリウレタン、
いわゆるシリコーン変性樹脂を製造するのに用いること
ができる。得られるシリコーン変性樹脂は、耐候性、耐
熱性、耐湿性、染色性及び耐酸素プラズマ性に優れるた
め、塗料や半導体の微細加工用材料、例えば、フォトレ
ジスト用材料として有用である。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明
する。
する。
実施例1 p−tert−ブトキシ−α又はβ−メチルジク
ロロシリルエチルベンゼンの製造 内容積200mlのフラスコに、p−tert−ブトキシスチ
レン10.6g(60ミリモル)、p−tert−ブチルカテコー
ル0.5g、塩化白金酸1.5mg及びトルエン50mlを仕込み、9
0℃に加熱した。この反応混合物に、メチルジクロロシ
ラン7.6g(66ミリモル)とトルエン50mlとを溶解してな
る溶液を滴下して、90〜95℃で反応させた。滴下終了
後、温度を90〜95℃に保持して1時間攪拌して反応を継
続させた。反応終了後、反応混合物から溶媒のトルエン
と過剰のメチルジクロロシランとを加熱留去した。その
後、減圧蒸留して沸点123℃/4mmHgの留分として無色透
明の液状物質を得た。(収率64%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
ロロシリルエチルベンゼンの製造 内容積200mlのフラスコに、p−tert−ブトキシスチ
レン10.6g(60ミリモル)、p−tert−ブチルカテコー
ル0.5g、塩化白金酸1.5mg及びトルエン50mlを仕込み、9
0℃に加熱した。この反応混合物に、メチルジクロロシ
ラン7.6g(66ミリモル)とトルエン50mlとを溶解してな
る溶液を滴下して、90〜95℃で反応させた。滴下終了
後、温度を90〜95℃に保持して1時間攪拌して反応を継
続させた。反応終了後、反応混合物から溶媒のトルエン
と過剰のメチルジクロロシランとを加熱留去した。その
後、減圧蒸留して沸点123℃/4mmHgの留分として無色透
明の液状物質を得た。(収率64%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
元素分析: C H Cl Si 計算値* :53.5 6.9 24.4 9.6 実測値 :52.8 7.0 24.3 9.7 (*C13H20OCl2Siとして) また、この物質をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:57/43
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)57重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.69(s;3H:Si−CH 3) 1.37(s;9H:O−t−C4 H 9) 6.80〜7.56(m;4H:芳香族環) (b)43重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.61(s;3H:Si−CH 3) 1.37(s;9H:O−t−C4 H 9) 1.42〜1.93(m;2H:CH2CH 2−Si) 6.80〜7.56(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−メチルジクロロシリルエチル
ベンゼン57重量%と、p−tert−ブトキシ−β−メチル
ジクロロシリルエチルベンゼン43重量%との混合物であ
ることがわかった。
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:57/43
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)57重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.69(s;3H:Si−CH 3) 1.37(s;9H:O−t−C4 H 9) 6.80〜7.56(m;4H:芳香族環) (b)43重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.61(s;3H:Si−CH 3) 1.37(s;9H:O−t−C4 H 9) 1.42〜1.93(m;2H:CH2CH 2−Si) 6.80〜7.56(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−メチルジクロロシリルエチル
ベンゼン57重量%と、p−tert−ブトキシ−β−メチル
ジクロロシリルエチルベンゼン43重量%との混合物であ
ることがわかった。
実施例2 p−tert−ブトキシ−α又はβ−ジメチルエ
トキシシリルエチルベンゼンの製造 内容積100mlのフラスコに、上記製造例で得られたp
−tert−ブトキシスチレン5.3g(30ミリモル)、p−te
rt−ブチルカテコール0.2g及び塩化白金酸0.7mgを仕込
み、90℃に加熱した。この反応混合物に、ジメチルエト
キシシラン3.4g(33ミリモル)を約30分間かけて滴下し
た。滴下終了後、温度を90〜95℃に保持して3時間反応
を継続させた。反応終了後、減圧蒸留して沸点101〜102
℃/1mmHgの留分として無色透明の液状物質を得た。(収
率67%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
トキシシリルエチルベンゼンの製造 内容積100mlのフラスコに、上記製造例で得られたp
−tert−ブトキシスチレン5.3g(30ミリモル)、p−te
rt−ブチルカテコール0.2g及び塩化白金酸0.7mgを仕込
み、90℃に加熱した。この反応混合物に、ジメチルエト
キシシラン3.4g(33ミリモル)を約30分間かけて滴下し
た。滴下終了後、温度を90〜95℃に保持して3時間反応
を継続させた。反応終了後、減圧蒸留して沸点101〜102
℃/1mmHgの留分として無色透明の液状物質を得た。(収
率67%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
元素分析: C H Si 計算値*:68.4 10.0 10.0 実測値 :68.2 10.4 10.1 (*C16H28O2Siとして) また、この物質をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:23/77
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)23重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.09(s;6H:Si−CH 3) 1.30(s;9H:O−t−C4H9) 3.27〜3.83(m;2H:SiOCH 2−CH3) 6.60〜7.17(m;4H:芳香族環) (b)77重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.09(s;6H:Si−CH 3) 1.30(s;9H:O−t−C4 H 9 3.27〜3.83(m;2H:SiOCH 2−CH3) 6.60〜7.17(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−ジメチルエトキシシリルエチ
ルベンゼン23重量%と、p−tert−ブトキシ−β−ジメ
チルエトキシシリルエチルベンゼン77重量%との混合物
であることがわかった。
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:23/77
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)23重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.09(s;6H:Si−CH 3) 1.30(s;9H:O−t−C4H9) 3.27〜3.83(m;2H:SiOCH 2−CH3) 6.60〜7.17(m;4H:芳香族環) (b)77重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.09(s;6H:Si−CH 3) 1.30(s;9H:O−t−C4 H 9 3.27〜3.83(m;2H:SiOCH 2−CH3) 6.60〜7.17(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−ジメチルエトキシシリルエチ
ルベンゼン23重量%と、p−tert−ブトキシ−β−ジメ
チルエトキシシリルエチルベンゼン77重量%との混合物
であることがわかった。
実施例3 p−tert−ブトキシ−α、β−トリエチルシ
リルエチルベンゼンの製造 ジメチルエトキシシランの代わりに、トリエチルシラ
ン3.8g(33ミリモル)を使用した以外は、実施例2と同
様にして沸点148〜149℃/0.5mmHgの留分として無色透明
の液状物質を得た。(収率58%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
リルエチルベンゼンの製造 ジメチルエトキシシランの代わりに、トリエチルシラ
ン3.8g(33ミリモル)を使用した以外は、実施例2と同
様にして沸点148〜149℃/0.5mmHgの留分として無色透明
の液状物質を得た。(収率58%) 得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
元素分析: C H Si 計算値*: 73.8 10.9 9.6 実測値 : 73.6 10.8 9.8 (*C18H32OSiとして) また、この物質をガスクロマトグラフィーで分析した
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:79/21
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)79重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(m;6H:Si−CH 2−CH3) 1.30(s:9H:O−t−C4 H 9) 6.53〜7.10(m;4H:芳香族環) (b)21重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(m;6H:Si−CH 2−CH3) 1.30(s:9H:O−t−C4 H 9) 6.53〜7.10(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−トリエチルシリルエチルベン
ゼン79重量%と、p−tert−ブトキシ−β−トリエチル
シリルエチルベンゼン21重量%との混合物であることが
わかった。
ところ、2つのピーク成分(2成分の重量比:79/21
(%))に分離された。各成分の1H−NMRスペクトルを
測定したところ、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)79重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(m;6H:Si−CH 2−CH3) 1.30(s:9H:O−t−C4 H 9) 6.53〜7.10(m;4H:芳香族環) (b)21重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(m;6H:Si−CH 2−CH3) 1.30(s:9H:O−t−C4 H 9) 6.53〜7.10(m;4H:芳香族環) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた液状物質は、
p−tert−ブトキシ−α−トリエチルシリルエチルベン
ゼン79重量%と、p−tert−ブトキシ−β−トリエチル
シリルエチルベンゼン21重量%との混合物であることが
わかった。
応用例1 実施例3で得られたp−tert−ブトキシ−α−トリエ
チルシリルエチルベンゼン79重量%と、p−tert−ブト
キシ−β−トリエチルシリルエチルベンゼン21重量%と
の混合物3.0g(10.3ミリモル)をTHF10ml及びメタノー
ル5mlの混合溶媒に溶解した後、35%塩酸1.5g(15ミリ
モル)を加え、25℃で10分間反応させた。
チルシリルエチルベンゼン79重量%と、p−tert−ブト
キシ−β−トリエチルシリルエチルベンゼン21重量%と
の混合物3.0g(10.3ミリモル)をTHF10ml及びメタノー
ル5mlの混合溶媒に溶解した後、35%塩酸1.5g(15ミリ
モル)を加え、25℃で10分間反応させた。
得られた物質を元素分析に供したところ、下記の結果
が得られた。
が得られた。
元素分析: C H Si 計算値*: 71.1 10.3 11.9 実測値 : 71.2 10.1 11.8 (*C14H24OSiとして) また、この物質をガスクロマトグラフィーに掛けたと
ころ、2つのピーク成分(2成分の重量比:79/21
(%))に分離された。この成分はp−tert−ブトキシ
−α−トリエチルシリルエチルベンゼン及びp−tert−
ブトキシ−β−トリエチルシリルエチルベンゼンではな
かった。また1H−NMRスペクトルを測定し、実施例3に
おける1H−NMRスペクトルの測定結果と比較したとこ
ろ、tert−ブチル基に由来するピーク(1.3ppm付近)が
完全に消失し、新たにヒドロキシル基に由来するピーク
(8ppm付近)が出現していた。各成分の1H−NMRスペク
トルの測定結果は、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)79重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(t;6H、J=8.6Hz:Si−CH 2−CH3) 6.56〜7.32(m;4H:芳香族環) 8.05(s:1H:OH) (b)21重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(t;6H、J=8.6Hz:Si−CH 2−CH3) 6.56〜7.32(m;4H:芳香族環) 8.05(s:1H:OH) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた物質は、p−
ヒドロキシ−α−トリエチルシリルエチルベンゼン79重
量%と、p−ヒドロキシ−β−トリエチルシリルエチル
ベンゼン21重量%との混合物であることがわかった。
ころ、2つのピーク成分(2成分の重量比:79/21
(%))に分離された。この成分はp−tert−ブトキシ
−α−トリエチルシリルエチルベンゼン及びp−tert−
ブトキシ−β−トリエチルシリルエチルベンゼンではな
かった。また1H−NMRスペクトルを測定し、実施例3に
おける1H−NMRスペクトルの測定結果と比較したとこ
ろ、tert−ブチル基に由来するピーク(1.3ppm付近)が
完全に消失し、新たにヒドロキシル基に由来するピーク
(8ppm付近)が出現していた。各成分の1H−NMRスペク
トルの測定結果は、次の通りであった。1 H−NMR:周波数:90MHz、溶媒:CDCl3、 内部基準:TMS (a)79重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(t;6H、J=8.6Hz:Si−CH 2−CH3) 6.56〜7.32(m;4H:芳香族環) 8.05(s:1H:OH) (b)21重量%のピーク成分の1H−NMR δ:0.59(t;6H、J=8.6Hz:Si−CH 2−CH3) 6.56〜7.32(m;4H:芳香族環) 8.05(s:1H:OH) 上記の元素分析、ガスクロマトグラフィー及び1H−NM
Rスペクトルの測定の結果から、得られた物質は、p−
ヒドロキシ−α−トリエチルシリルエチルベンゼン79重
量%と、p−ヒドロキシ−β−トリエチルシリルエチル
ベンゼン21重量%との混合物であることがわかった。
この反応生成物から溶媒を留去して生成した化合物の
混合物を得た。(収率85%) 得られた混合物1.1gを、脱塩酸剤の存在下で、アクリ
ロイルクロリド0.45gと5℃で反応させた。
混合物を得た。(収率85%) 得られた混合物1.1gを、脱塩酸剤の存在下で、アクリ
ロイルクロリド0.45gと5℃で反応させた。
得られた反応生成物を上記と同様にして元素分析、ガ
スクロマトグラフィー及び1H−NMRスペクトルの分析に
供したところ、この反応生成物は、下記式(IV)及び
(V): で表される化合物の混合物(混合比:80/20)であること
がわかった。
スクロマトグラフィー及び1H−NMRスペクトルの分析に
供したところ、この反応生成物は、下記式(IV)及び
(V): で表される化合物の混合物(混合比:80/20)であること
がわかった。
得られた混合物にBPOを添加し温度100℃に保持して放
置したところ、1時間後に透明な固形物である重合体が
得られた。
置したところ、1時間後に透明な固形物である重合体が
得られた。
この重合体の酸素透過率を測定し、式(VII): で表される重合体の酸素透過率と比較したところ、この
重合体は、式(VI)で表される重合体の1.5倍の酸素透
過率を示した。
重合体は、式(VI)で表される重合体の1.5倍の酸素透
過率を示した。
本発明の新規な有機ケイ素化合物は、酸性条件下で加
水分解することにより第3級ブチル基が脱離してフェノ
ール性水酸基を発生するため、この水酸基の反応性を利
用して種々の化合物へ誘導することができる。例えば、
NCO基が残ったポリウレタン、COOH基が残ったポリエス
テル、あるいは分子中に少量のエポキシ基を有するフェ
ノール樹脂と反応させることによって、耐候性、耐熱
性、耐湿性、染色性、耐酸素プラズマ性が改良された重
合性を得ることができる。また、本発明の新規な有機ケ
イ素化合物から誘導したアクリル酸エステルは、各種の
アクリル酸系モノマーと共重合して酸素透過性に優れた
重合体を得ることができる。
水分解することにより第3級ブチル基が脱離してフェノ
ール性水酸基を発生するため、この水酸基の反応性を利
用して種々の化合物へ誘導することができる。例えば、
NCO基が残ったポリウレタン、COOH基が残ったポリエス
テル、あるいは分子中に少量のエポキシ基を有するフェ
ノール樹脂と反応させることによって、耐候性、耐熱
性、耐湿性、染色性、耐酸素プラズマ性が改良された重
合性を得ることができる。また、本発明の新規な有機ケ
イ素化合物から誘導したアクリル酸エステルは、各種の
アクリル酸系モノマーと共重合して酸素透過性に優れた
重合体を得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 篠原 紀夫 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社シリコーン電子材料技術研 究所内
Claims (1)
- 【請求項1】下記式(I): 〔ここで、A1とA2とは相異なり、水素原子又は式: (式中、R1、R2及びR3は同一でも異なってもよく、ハロ
ゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基である) で表される基である〕 で表される有機ケイ素化合物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63271554A JPH0813824B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 有機ケイ素化合物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63271554A JPH0813824B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 有機ケイ素化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02117681A JPH02117681A (ja) | 1990-05-02 |
JPH0813824B2 true JPH0813824B2 (ja) | 1996-02-14 |
Family
ID=17501690
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63271554A Expired - Fee Related JPH0813824B2 (ja) | 1988-10-27 | 1988-10-27 | 有機ケイ素化合物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0813824B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5608095A (en) * | 1996-04-30 | 1997-03-04 | Hoechst Marion Roussel, Inc. | Alkyl-4-silyl-phenols and esters thereof as antiatherosclerotic agents |
JP4557497B2 (ja) * | 2002-03-03 | 2010-10-06 | ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. | シランモノマー及びポリマーを製造する方法及びそれを含むフォトレジスト組成物 |
-
1988
- 1988-10-27 JP JP63271554A patent/JPH0813824B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02117681A (ja) | 1990-05-02 |
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