JPH0812151A - 被印刷体圧着・移送用ローラ、ローラ用被覆体並びにこれらを用いた印刷装置およびこれに対する清浄装置 - Google Patents
被印刷体圧着・移送用ローラ、ローラ用被覆体並びにこれらを用いた印刷装置およびこれに対する清浄装置Info
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Abstract
耐久性の高い印刷機における被印刷体圧着・移送用ロー
ラを提供する。 【構成】 脱脂、ブラスト処理された金属製ローラ基材
(10)表面上に、多孔質のセラミックス溶射層(12)と前記
セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形成された
低表面エネルギー性樹脂層(13)とからなる複合被覆皮膜
(14)が形成されていることを特徴とする被印刷体圧着・
移送用ローラである。また、前記複合被覆皮膜を可撓性
を有する金属製板材上に形成し、ローラに巻装可能な被
覆体の形態で提供することも可能で、さらにセラミック
ス溶射層に代えてセラミックス粉体、ガラスビーズ等よ
り構成される無機微粒子層を用い、これと低表面エネル
ギー性樹脂層とからなる複合被覆皮を合成樹脂フィル
ム、耐水処理紙等の基材上に形成したより簡易な被覆体
の形態で提供することも可能である。
Description
被印刷体圧着・移送用ローラの改良に関するものであ
り、特に各種輪転印刷機におけるガイドローラ、オフセ
ット印刷機における圧胴などといったローラの改良に関
するものである。
紙その他の被印刷体面上に、同質画像を形成したハード
コピー(印刷物)として大量に複製する技術である。こ
のような印刷技術において、印刷版に色材(インキ)を
付着させ、被印刷体面に圧着転移して印刷物を作成する
のに用いられる印刷装置としては、周知のように、印刷
版の形式および印刷版からの被印刷体面へのインキの転
移形式(直接印刷あるいは間接印刷方式)の相違によっ
て、オフセット印刷機、凸版印刷機、フレキソ印刷機、
グラビア印刷機、スクリーン印刷機等の各種のものがあ
る。
接に被印刷体に圧着させるか、あるいは印刷版に付着し
たインクをいったん転移したゴムブランケット等の中間
媒体を被印刷体に圧着させるかの相違はあれ、このよう
な印刷要素(印刷版または中間媒体)上のインキを被印
刷体に転移するという大きな概念においては同じであ
り、被印刷体をこれらの印刷要素に圧着しその後移送す
る被印刷体の圧着・移送系の構成としては、共通すると
ころも多い。
構の概略的な構成を示す図面である。オフセット印刷機
においては、インキは版胴1からゴム胴(ゴムブランケ
ット)2に転写された後、ゴム胴2と圧胴3の間に送入
された被印刷体4面上へと圧着転移し、インキ像(印刷
物)5を形成する。
金属シリンダー表面を通常、クロムメッキにより表面仕
上げしたものが使用されているが、このような構成の圧
胴を備えた印刷機で、両面印刷を行なった場合、第一面
印刷後の被印刷体4が次工程において図7に示すように
上記と同様の構成のゴム胴2と圧胴3の間に送入される
(すなわち、インキ像5が形成された被印刷体の第一面
が圧胴3側に接する)と、第一面に印刷されたインキ像
5が、圧胴3面上に転写インキ像6として転写され、続
いて送られてくる被印刷体4の同面にこの転写インキ像
6が再度転写される結果、印刷面が汚染される(以下、
「裏汚れ」と称する。)という問題が生じていた。両面
印刷を繰返せば、この傾向は更にひどくなり、印刷ムラ
を発生させることとなった。
(a)、(b)に示すように、使用する被印刷体4の大
きさは、幅広のものから幅狭のものまであり、図8
(a)に示すように幅狭の被印刷体4に印刷する場合に
は、被印刷体4の存在しない幅部においてはゴム胴2と
圧胴3が直接接触する(強い印圧がかけられているため
被印刷体4の厚さ相当分はゴム胴2がへこむ。)ことと
なり、版胴1上のわずかな汚れインキがゴム胴2を介し
て圧胴3へと転写され、圧胴汚れとなる。次に圧胴が汚
れたまま幅広の被印刷体4が通過すると、この圧胴の汚
れが被印刷体4へと付着して印刷物汚れが生じるという
問題があった。
場合、あるいは幅狭の印刷から幅広の印刷へと変更する
場合においては、必ず圧胴3の洗浄を行なわなければな
らず、しかもこの圧胴3の洗浄は、圧胴3の表面に付着
したインキが、容易に除去困難であるため、印刷機を停
止し、非常に不安定な姿勢で狭小な部位へと手を延ば
し、有機溶剤を含ませたウェス等を用い、圧胴3を逐次
手動にて回転させながら拭き取るという極めて危険かつ
困難な手作業を強いられるものであった。
62−94392号公報においては、金属シリンダー表
面を特定のシリコーン系樹脂により被覆してなる圧胴が
提唱されている。
表面に、単にシリコーン系樹脂を被覆した場合、得られ
るシリコーン系樹脂皮膜の硬度が低いため、傷、磨耗に
よる性能低下が著しく、オフセット印刷機の圧胴のよう
に取替えの困難な部品として使用することは実用的でな
いことが判明した。加えて、金属シリンダー表面に直接
このようなシリコーン系樹脂皮膜を形成した場合、その
表面性状は極端に滑らかで平坦なものとなるが、このよ
うな表面形状を有するものであると、被印刷体4と完全
に密着接触することとなるため、シリコーン系樹脂が表
面エネルギーの低い非粘着性の表面物性を示すにもかか
わらず、被印刷体4からのインキの移行がかなり多いこ
とが判明した。
る被印刷体の印刷および移送機構の概略的な構成を示す
図面である。この例は、被印刷体4としてロール状に巻
かれた連続紙を用いる輪転式のものであり、上記と同様
にして、インキが版胴1からゴム胴2に転写され、さら
にゴム胴2と圧胴3の間に送入された被印刷体4面上へ
と圧着転移し、インキ像5が形成されるが、インキ像5
を表面に形成された被印刷体4は、その後、複数のガイ
ドローラ7によって移送変向されながら装置内を通過す
る。
ム等の被印刷体に連続的に印刷を行なう輪転機において
は、被印刷体の移送系において多くのガイドローラを備
える。このようなガイドローラを用いた移送系は、上記
したようなオフセット輪転機(新聞輪転機、商業用オフ
セット輪転機、フォーム輪転機)のみならず、グラビア
印刷機、フレキソ印刷機、凸版新聞輪転機等の輪転機も
同様に有するものである。
のためアルミニウム合金パイプを素材としたものが多
い。もちろん、この他に鉄パイプの表面にクロムメッキ
を施したもの、あるいはより軽量化のために炭素繊維強
化樹脂等を使用しているものなども知られている。さら
に、被印刷体のスリップ防止およびインキ付着防止のた
めに、これらのガイドローラ表面に、ローレット加工
したもの、表面をサンドペーパー状の粗面にしたテー
プを貼付したものセラミックスを溶射したものなどが
知られている。 しかしながら、アルミニウム合金パイ
プをローレット加工したものは、耐磨耗性が低く短期間
でローレットの凹凸が消失してしまい、スリップを生じ
やすくなるものであった。またサンドペーパー状の粗面
テープをローラ表面に貼付したものにおいても同様に短
期間の使用でサンド・ビーズの脱落、テープの剥離等が
生じ長期の使用に耐えられないものであった。一方、セ
ラミックスの溶射面を形成したものは、耐磨耗性が非常
に高くかつ耐スリップ性の面でも非常に良好な効果があ
るものの、以下のようなインキ付着性の問題が顕著とな
るという欠点が生じるものであった。
ーラの表面も、比較的インキ付着性の高い物性の材質か
らなるものであり、従って、このようなガイドローラ7
は、表面に凹凸加工をされていても、輪転機を長時間運
転すると、上記した圧胴における場合と同様に、被印刷
体4表面に印刷されたインキ像5が、接触するガイドロ
ーラ7面上に転写インキ像8として転写され、更にこの
転写インキ像8が後続する被印刷体4表面に逆転写され
印刷物の汚染が生じるという、上記した圧胴における場
合と同様の問題が生じている。このため、輪転機の運転
にあっては、定期的にこのようなガイドローラの洗浄を
行なわなければならず、洗浄操作のための印刷作業の中
断、洗浄負荷が大きく、また洗浄をおろそかにすると、
印刷物不良品を出すというトラブルの発生を招くことと
なる。
たものにあっては、インキが溶射粗面の凹部に入り込ん
で付着してしまうために、表面を拭うことによっては容
易に除去できず、また溶剤を用いて洗浄を行なうと溶剤
に溶解したインキがセラミックス溶射層の気孔内へと移
行含浸されてしまうために、洗浄操作が困難であった。
さらに、特開昭63−102940号には印刷機の中
間胴のインキ汚れを防止するために、シリコン樹脂を表
面層にもちかつ圧縮性を有するカバリング材を中間胴の
表面に巻き付けることが提案されている。しかし上記し
たようにシリコン樹脂コーティングのみの被覆材は、耐
磨耗性が著しく乏しく、磨耗接触により極めて短期間で
離型効果を失うため磨耗作用下で使用される部材への適
用は実用性がない。
へのインキ付着防止用部材として、特公昭53−784
1号、実開昭61−31740号にはクラフト紙、合成
紙、樹脂フィルム等の基材上にガラスビーズをコーティ
ングしたインキ付着防止用被覆体に関する技術が開示さ
れており、また一般的に市販されており、これらを圧
胴、送り胴、ガイドローラへ張り付けることが実施され
ている。この技術は、ガラスビーズの頭面を印刷面と接
触させることによる点接触効果でインキ付着を防止する
という発想であり、材質的には比較的表面エネルギーが
高くてインキに対する反撥性が弱いため充分なインキ付
着防止効果を発揮していない。特にガラスビーズ相互の
間に形成される谷間(凹部)は、鋭角形状であるために
インキが残留・固化しやすく、ある程度の時間運転する
とインキ、紙粉等が付着堆積し後続する紙を汚染してし
まう欠点がある。このため機械を定期的に停止させて有
機溶剤で付着汚染物を洗浄除去する必要があり、この場
合も長持間印刷機を連続稼働させることが不可能であ
り、汚染物の除去に要する時間と労力がかなり大きいも
のであった。また、繰返し使用によって前記谷間に残留
する乾燥固化したインキ等の残留汚染物が増大すると共
に離型効果を失い、短期間で新しい被覆体に張り代える
必要があるなど問題点が多いものであった。
は、上記ガラスビーズの代りにシリカゲル、アルミナ、
スチレンゲルなどの多孔質ビーズをシート状基材接着
し、この多孔質物の細孔内に水分を包含させ、ビーズ面
を印刷稼働中絶えず湿潤させた状態に保ち、インキ反撥
姓を付与する技術が開示されている。この多孔質物中の
水分補給はスプレーなどの方法で可能であると述べられ
ているが、使用中のシート面に水をスプレーすると余分
な水が印刷紙面へと付着し、色濃度低下等の問題が生じ
る虞れが高く、コントロールが非常に難しい。また多孔
質物質の細孔内にはインキが詰って短期間にその機能を
喪失してしまう等実用的でない。さらに水によるインキ
反撥性効果が失われると、前記ガラスビーズを接着させ
たシートの場合同様に、ビーズ相互の間に形成される谷
間へのインキ堆積による諸問題が発生し、大きな改善効
果が維持できないものであった。
用される改良された被印刷体圧着・移送用ローラないし
は同ローラ用の被覆体を提供することを目的とするもの
である。本発明は、またインキの付着汚染が少なくかつ
洗浄の容易な耐久性の高い被印刷体圧着・移送用ローラ
ないしは同ローラ用の被覆体を提供することを目的とす
るものである。本発明はさらに、両面印刷時の裏汚れ、
片面印刷時の被印刷物幅変更に起因する印刷物汚れとい
った問題の発生の少ないオフセット印刷機用圧胴及び中
間胴を提供することを目的とするものである。本発明は
また、被印刷物との耐スリップ性が良好でかつ印刷物汚
れの問題の発生の少ない輪転機用ガイドローラを提供す
ることを目的とする。本発明はさらに、極めて簡単な構
成において、オフセット印刷機の圧胴、ガイドローラ等
の清浄を可能とする清浄装置を提供することを目的とす
る。
めに、本第1発明の被印刷体圧着・移送用ローラは、脱
脂、ブラスト処理された金属製ローラ基材表面上に、多
孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の
表面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹
脂層とからなる複合被覆皮膜を形成してなるものであ
る。
状は、代表的には、表面粗度Rmaxが20〜40μmで
あることが望ましく、滑らかな凹凸を有するものであ
る。さらに、前記凹凸の凸部が、20μm×20μm平
方ないし100μm×100μm平方当りに1ケ程度の
割合で均一に分散して存在するものであることが望まし
い。
属製板材と、前記複合被覆皮膜との間には、前記複合被
覆皮膜のより強固な接合のために、金属溶射層が形成さ
れているものであることが好ましい。
リコーン系樹脂であることが好ましい。
ーラ基材表面上に直接形成しなくともよく、着脱自在な
被覆体として構成し、被印刷体圧着・移送用ローラの実
質的全周面にわたり巻装するようなものとしてもよい。
用ローラの実質的全周面にわたり着脱可能に巻装される
被覆体であって、可撓性基板上に、表面に微細な凹凸を
有する硬質ベース層と前記ベース層の表面上に前記凹凸
を完全に消失させることなく形成された低表面エネルギ
ー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されているこ
とを特徴とする被印刷体圧着・移送用ローラ用被覆体で
ある。
面エネルギー性樹脂層としては、シリコーン系樹脂より
構成されるものであることが望ましい。
態様が考えられる。その1つは、例えばローラがオフセ
ット印刷機用の圧胴などといった、印圧の比較的高いロ
ーラ(高負荷部)に好ましく適用されるものであり、脱
脂、ブラスト処理された金属製板材などからなる基板上
に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶
射層の表面上および孔部内に形成された低表面エネルギ
ー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜を形成してなる被覆
体である(以下、「第1態様の被覆体」と称する。)。
印刷機用のガイドローラなどといった、印刷紙面とロー
ラ間の接触圧の比較的低いローラ(低負荷部)に好まし
く適用されるものであり、合成樹脂フィルムまたは耐水
処理紙などからなる基板上に、複数の無機微粒子を付着
させて形成されたベース層と前記ベース層の表面上に形
成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆
皮膜を形成してなる被覆体である(以下、「第2態様の
被覆体」と称する。)。
体の表面性状が、表面粗度Rmax 20〜40μmで、滑
らかな凹凸を有するものであること、さらにこの凹凸の
凸部が、20μm×20μm平方ないし100μm×1
00μm平方当りに1ケ程度の割合で存在することが望
ましく、さらに前記金属製板材と、前記複合被覆皮膜と
の間には、金属溶射層が形成されているものであること
が望ましい。
微粒子がセラミックス粉体またはガラスビーズであるこ
と、さらに前記被覆体の表面性状が表面粗度Rmax 20
〜150μmで、滑らかな凹凸を有するものであること
が望ましい。
としては、オフセット印刷機用の圧胴または中間胴、輪
転印刷機用のガイドローラなどが代表的なものとして挙
げられる。
着・移送用ローラを有してなる印刷装置でもある。本発
明はまた、前記第2発明の被覆体を外周面に巻装してな
る被印刷体圧着・移送用ローラを有してなる印刷装置で
もある。本発明はさらに、上記第1発明の被印刷体圧着
・移送用ローラ、または上記第2発明の第1態様に係る
被覆体を外周面に巻装してなる被印刷体圧着・移送用ロ
ーラを高負荷部に配し、かつ上記第2発明の第2態様に
係る被覆体を外周面に巻装してなる被印刷体圧着・移送
用ローラを低負荷部に配してなる印刷装置でもある。
着・移送用ローラ、または前記第2発明の被覆体を外周
面に巻装してなる被印刷体圧着・移送用ローラを備えて
なる印刷装置における清浄装置に関し、前記被印刷体圧
着・移送用ローラのローラ面に押圧・解離可能な乾式の
清浄体を備えていることを特徴とするものである。
着・移送用ローラ、または前記第2発明の被覆体を外周
面に巻装してなる被印刷体圧着・移送用ローラとしての
構成の圧胴を備えてなるオフセット印刷装置における清
浄装置に関し、前記圧胴に対向するゴム胴のローラ面に
押圧可能な清浄体を備え、かつ、前記清浄体をゴム胴へ
押圧した状態において一定時間の間圧胴をゴム胴へ接触
回転させるものとするシーケンス制御機構を有してな
り、ゴム胴の清浄と併せて圧胴の清浄を行なうことがで
きることを特徴とするものである。
同様に粘着移行性物質が表面に付与されたフィルム状体
を処理するローラであって、脱脂、ブラスト処理された
金属製ローラ基材表面上に、多孔質のセラミックス溶射
層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部内に形
成されたシリコーン系樹脂層とからなる複合被覆皮膜が
形成されていることを特徴とするものである。
同様に粘着移行性物質が表面に付与されたフィルム状体
を処理するローラの実質的全周面にわたり着脱可能に巻
装される被覆体であって、可撓性基板上に、表面に微細
な凹凸を有する硬質ベース層と前記ベース層の表面上に
前記凹凸を完全に消失させることなく形成されたシリコ
ーン系樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されている
ことを特徴とするものである。
された金属製板材からなる基板上に、ベース層としての
多孔質セラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の
表面上および孔部内に形成されたシリコーン系樹脂層と
からなる複合被覆皮膜が形成されているものからなる第
1の態様、および、合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙
からなる基板上に、複数の無機微粒子を付着させて形成
されたベース層と前記ベース層の表面上に形成されたシ
リコーン系樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されて
いるものからなる第2の態様が含まれる。
ローラは、脱脂、ブラスト処理された金属製ローラ基材
表面上に、多孔質のセラミックス溶射層と前記セラミッ
クス溶射層の表面上および孔部内に形成された低表面エ
ネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜を形成してな
るものである。図1は、このような本発明に係る被印刷
体圧着・移送用ローラの一実施態様における断面構造を
模式的に示す図、図2は、本発明に係る被印刷体圧着・
移送用ローラの断面構造をさらに拡大して模式的に示す
図、また図3は、本発明に係る被印刷体圧着・移送用ロ
ーラの製造過程における断面構造を模式的に示す図であ
る。なお、これらの図において縦横の縮尺比は誇張して
描かれている。
るには、まず図3に示すように脱脂・ブラスト処理して
粗面とした金属製ローラ基材10表面上に、セラミック
ス溶射層12を形成する。なお、この図に示す例におい
ては、金属製ローラ基材10表面上に金属溶射層11が
形成されその上にセラミック溶射層12が形成されてい
る。このようにして形成されたセラミックス溶射層12
表面は、図示するように非常にシャープな突起を形成す
る短周期的な凹凸(ピッチ波状凹凸)と、さらにより長
周期的な凹凸(うねり状凹凸)とが複合して形成した粗
面、代表的に好ましくは、Rmax 30〜50μm程度の
粗面であり、かつセラミックス溶射層12は多孔質、好
ましくは0.1μm〜数十μmの微細な気孔を気孔率5
〜20%で有するものである。
部から、例えばシリコーン系樹脂等の低表面エネルギー
性樹脂を含浸コーティングして乾燥固化させると、図1
および2に示すように、セラミックス溶射層の表面上お
よび孔部内に低表面エネルギー性樹脂層13が形成され
る。低表面エネルギー性樹脂13は、前記したようにセ
ラミックス溶射層12がピッチ波状凹凸を有することお
よび多孔質であることから、これらの部位に入り込むこ
とによるアンカー効果によってセラミックス溶射層12
との密着性がよく複合皮膜化し、セラミックス溶射層1
2と低表面エネルギー性樹脂層13とで複合被覆皮膜1
4を構成する。
ラミックス溶射層12の表面を実質的に全面的に覆う
が、そのピッチ波状凹部には厚く一方ピッチ波状凸部に
は薄く付着する。このため、セラミックス溶射層12の
みを形成した状態と比較すると滑らかな表面性状となる
が、セラミックス溶射層12に起因する凹凸が完全に埋
没してしまうものではなく、前記うねり状凹凸は概ね維
持され、滑らかな凹凸を有する粗面が形成できるもので
ある。なお、最終的な表面粗度Rmax は代表的には20
〜40μm程度とすることが望ましい。また最終的な滑
らかな凹凸における凸部(前記うねりの凸部)は、例え
ば30μm×30μm平方〜60μm×60μm平方当
りに1ケ程度の割合で均一に分散して存在することが望
ましい。なお、ここで言う凸部は、被測定物表面を長さ
20mm×幅20mmにわたり2次元的に走査して測定
し、この測定領域内における最高凸部の高さの70%以
上の高さを有する凸部を指すものである。
送用ローラが、被印刷体と接触する際には、ローラ表面
全体で接触することなく前記したような滑らかな突起に
おいてのみ接触し、かつその表面には低表面エネルギー
性樹脂が存在するために、被印刷体からのインキの移行
は起りにくく、かつ移行したインキも、表面が低表面エ
ネルギー性樹脂によるものであることと滑らかな凹凸の
プロフィールを有することが相俟って、乾燥した布材等
で軽く触れるだけで容易に除去できるものである。
樹脂層13はセラミックス溶射層12と複合化されて表
面に付与されているために、極めて長期間使用されたと
しても全体的に磨耗剥離してしまうといったことは生じ
ず、前記うねり状凹凸の凸部という極めて小さな部位で
磨耗が生じるのみである。このため長期間にわたってロ
ール表面の低表面エネルギーが維持され、特性の劣化が
生じにくいものである。なお、このうねり状凹凸は、よ
り微細なピッチの凹凸との比較のために「うねり」と表
現したが、目視的には全くわからない程度のものであ
り、従ってその凸部の表面の樹脂層13が磨耗してセラ
ミックス溶射層12が露出し、この部位でインキの付
着、逆転移が生じたとしても、印刷品質上全く問題とな
らないものである。
複合被覆皮膜を金属製ローラ基材表面上に直接形成する
ことのみならず、例えば図4に示すように、ローラが、
ローラ本体20上に脱着可能に巻装される被覆体21を
有する構成とし、この被覆体21の基材としての金属製
板材22上に前記したと同様な金属溶射層23、および
セラミックス溶射層23と低表面エネルギー性樹脂層2
4とからなる複合被覆皮膜25を形成するものとしても
良く、この場合、前記と同様に優れた作用、効果が得ら
れると共に、万一、その表面に何らかの不具合が生じた
場合においても、ローラ本体20を交換することなく被
覆体21のみを交換できるためにコスト的に有利であ
る。なお、このように被覆体21を形成する態様におい
ては、そのローラ本体21への装着時に曲げ応力が加わ
ることを考慮すれば、複合被覆皮膜25のローラ本体2
0への密着性を高めるために、前記金属溶射層23はで
きる限り形成することが望ましい。
記したようなものとは別の態様が、適用されるローラの
種類によってはより好ましい場合がある。すなわち、上
記したような本第2発明の第1の態様の被覆体を適用し
たローラ、ないしは第1発明のローラは、実機使用にお
いて、非常にインキ付着防止効果が高く、かつ耐久性も
高いため、実用的に非常に大きな価値を有している。し
かし、既設の印刷機の圧胴、中間胴、ガイドローラ等に
適用する場合、ローラの交換、プレート脱着機構の改造
等が必要となるというように、作業が煩雑で、コストも
高価になるという側面も有している。また、本第2発明
の第1態様の被覆体の場合、基材として金属製板材を用
いるが、金属製板材は装着するローラの形状に応じて縦
横の寸法、装着のための孔加工、曲げ加工等を予め行な
った後、セラミックス溶射、低表面エネルギー性樹脂コ
ーティングを行なう必要があり、必然的に切板でのバッ
チ処理となるためコスト高となる。そして、このような
被覆体の適用対象たるローラとしては、印圧のかからな
い低負荷のものも多くある。
等の条件が低負荷であるローラ用の被覆材としては、例
えば図5に示すように、基材32として合成樹脂フィル
ムまたは耐水処理紙等を使用し、また前記セラミックス
溶射層23に代わる硬質ベース層として、セラミックス
粉体、ガラスビーズ等の無機微粒子を複数付着させて形
成し、この無機微粒子層33と低表面エネルギー性樹脂
層34とからなる複合被覆皮膜35を形成してなる第2
の態様のものが考えられる。なお、図中符号36は、基
材32に無機微粒子を付着させるための接着剤層であ
る。
という面では上記第1態様の被覆体に劣るものの、容易
に任意のサイズに鋏、カッター等を用いて裁断でき、巻
装のための曲げ加工等も特に必要ないといった加工性の
面で、またコスト面においても有利なものとなる。
特に低負荷ローラに対する被覆体として有利なものとな
る。さらに、もう1つ着目すべき点が存在する。すなわ
ち、従来の例えばブラスト処理したクロムメッキのロー
ラ等を高負荷部に用いた印刷装置(例えば、オフセット
印刷機の圧胴としてクロムメッキローラ)においては、
印刷装置の操業時に当該ローラの汚れが著しく、頻繁に
操業を停止して当該ローラの手作業による清掃を行なう
必要があり、低負荷部のローラもこの際合せて清掃する
ためにあまり問題とはなっていなかったが、本願第1発
明に係るローラあるいは本願第2発明の第1態様の被覆
体を巻装してなるローラを高負荷部に用いた印刷装置の
場合、後続する低負荷部のローラが一般的な鉄製ローラ
にクロムメッキを施したものあるいはこれらにガラスビ
ーズ被覆体等の従来の被覆体を貼着したものであると、
当該高負荷部ローラの汚れ頻度が著しく低下するため
に、かえって低負荷部ローラの汚れが問題となり、この
低負荷部ローラの清掃あるいは貼着された被覆体の交換
のために操業を停止しなければならないという事態が発
生しており、このように本願第1発明の被印刷体圧着・
移送用ローラまたは本願第2発明の第1態様に係る被覆
体を巻装したローラを高負荷部に有する構成とした印刷
装置においては、低負荷部のローラに上記第2態様の被
覆体を巻装することで極めて操業性に優れた印刷装置を
提供し得るということである。
可撓性基板上に、表面に微細な凹凸を有する硬質ベース
層と前記ベース層の表面上に前記凹凸を完全に消失させ
ることなく形成された低表面エネルギー性樹脂層とから
なる複合被覆皮膜が形成されなるものが広く含まれるも
のである。
体圧着・移送用ローラは、移行付着したインキの除去が
極めて容易であるので、その清浄装置としては、これら
のローラの面に押圧可能なフェルト、布材等の清浄体を
備えるのみでよく、非常にコンパクトなものとすること
ができ、印刷装置内に組込むことで十分に自動清浄が可
能となるが、特に、被印刷体圧着・移送用ローラが圧胴
である場合、前記圧胴に対向するゴム胴のローラ面に押
圧可能な清浄体を備え、かつ、前記清浄体をゴム胴へ押
圧した状態において一定時間の間圧胴をゴム胴へ接触回
転させるものとすれば、圧胴に直接的に洗浄装置を備え
なくとも、圧胴に付着したインキ汚れをゴム胴側へ移行
させ、ゴム胴の清浄と併せて圧胴の清浄を行なうことが
できるため、装置構成上より有効なものとなる。
に説明する。本第1発明の被印刷体圧着・移送用ローラ
における金属製ローラ基材としては、鋳鉄、ステンレス
鋼、アルミニウム合金等のパイプ、シリンダーもしくは
板材からのロールなどからなるものがその用途に応じて
適宜選択される。例えば、ローラがオフセット印刷機の
圧胴である場合には、FCD(ダクタイル鋳鉄)等のシ
リンダーが、輪転機のガイドローラである場合には、ア
ルミニウム合金、鉄等のパイプが好ましいものである
が、もちろんこれらに何ら限定されるものではない。
または研磨加工して所定の径精度を有するものとされる
必要がある。すなわち、本発明に係る被印刷体圧着・移
送用ローラは、最終仕上としてこのような切削研磨が行
なえないためである。
ス溶射層との密着性を向上させるために、周知の手法に
より金属製ローラ基材表面に脱脂・ブラスト処理を行な
い表面を粗す。
に、Al、Ni、Cr等の金属あるいは金属合金、好ま
しくはNi−Cr等の溶射層を、プラズマ溶射、アーク
溶射、ガス溶射等の手法により形成する。この金属溶射
層は、金属製ローラ基材表面とセラミックス溶射層との
密着性をより高めるためのものであり、特に圧胴などの
ような使用時に高い負荷が加わるローラにあっては、こ
のような金属溶射層を形成することは非常に望ましい
が、ガイドローラのように負荷の比較的かからないロー
ラにあっては、経済性等を考慮して省略することが可能
である。なお、この金属溶射層の厚さとしては平均膜厚
30〜70μm程度であればよい。30μm未満である
と金属溶射層を形成したことによる密着性向上効果が得
られない虞れがあり、一方70μmを越えてもそれ以上
の効果は望めず経済的に不利であるからである。
金属溶射層表面上に、例えばプラズマジェット溶射法等
の公知のセラミックス溶射法を用いることにより、セラ
ミックス溶射層を形成する。セラミックス材料として
は、Al2 O3 、TiO2 、Al2 O3 −TiO2 、C
r2 O3 、ZrO2 、WC、WC−Co、Cr3 C2 、
TiC等あるいはこれらの混合物、さらには導電性をも
たすためにセラミックスと金属を同時溶射した複合皮
膜、サーメット類等が例示されるが、これらに限定され
るものではない。セラミックス材料の選択は、金属製ロ
ーラ基材または溶射金属との密着強度、耐磨耗性、なら
びに得られるセラミックス溶射層が数μm〜数十μmの
微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%で有しかつ
その表面粗度がRmax 30〜50μm程度となること等
の点に、経済性を考慮して行なえば良い。一般的には、
ホワイトアルミナ(W−Al2 O3 )およびグレーアル
ミナ(G−Al2 O3 )(Al2 O3 −TiO2 )、ク
ロミナ(Cr2 O3 )などが望ましい。
μmの微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%で有
することが望まれるのは、セラミックス溶射層に後述す
る低表面エネルギー性樹脂層を安定して複合形成可能と
するためであり、気孔率が5%未満では表面活性樹脂が
セラミックス溶射層内部に十分に入り込めず剥離性が高
まる虞れがあり、一方気孔率が20%を越えるものであ
ると複合皮膜の骨格構造となるセラミックス溶射層の強
度が低下する虞れがあるためである。またその表面粗度
がRmax 30〜50μm程度を有することが望まれるの
は、セラミックス溶射層表面上に後述するような低表面
エネルギー性樹脂を堆積した際に、該体表面エネルギー
性樹脂が安定に付着しかつ最終的に必要かつ十分な大き
さの滑らかな凹凸が形成され易い範囲であるからであ
る。
ては、平均膜厚30〜200μm、より好ましくは40
〜80μm程度であることが望まれる。すなわち、平均
膜厚が30μm未満では均一でかつ密着性、強度および
耐磨耗性等の特性が十分な溶射層を得ることができない
虞れがあり、一方平均膜厚が200μmを越えるもので
あるとコスト面で不利となるからである。更に、ロール
が圧胴の場合におけるように高い径精度を必要とされる
態様においては、膜厚は150μm以下であることが望
ましい。すなわち、圧胴の場合、最終的な仕上げ径をD
±0.02mm以下、円筒度0.020以下に抑える必
要があるためである。
前記したように一般にRmax 30〜50μm程度である
ことが望まれるが、最終製品として必要とされる最適な
表面粗度は、ローラの種類によって異なり、例えばグラ
ビア印刷機等の薄いフィルムを印刷する機械におけるガ
イドローラ等は、代表的なRmax 20〜40μm程度よ
りもより細かい5〜20μm程度の最終表面粗度が望ま
しいものであるので、このような最終的な粗度が得られ
るように、必要に応じてセラミック溶射後に軽く表面研
磨を行なうことも可能である。
されたら、その上部から低表面エネルギー性樹脂を例え
ば、スプレー、ディッピング、ハケ塗り、ローラ塗布等
の方法で含浸、コーティングし、所定の温度で乾燥固化
させ、セラミックス溶射層の表面上および孔部内に低表
面エネルギー性樹脂層を形成する。低表面エネルギー性
樹脂としては、使用されるインキに対する濡れ性が低く
かつインキ組成中等に使用される薬剤に対し安定な皮
膜、望ましくは高硬度皮膜を形成できるものであれば特
に限定されるものではないが、通常、シリコーン系樹脂
およびフッ素原子含有樹脂が望ましく、さらにその硬
度、施工性、化学的安定性等の面からシリコーン系樹脂
が望ましい。
分子化、三次元化してSi−O−Si結合と有機基、望
ましくはメチル基および/またはフェニル基、より望ま
しくはメチル基を主体とする骨格構造を有し、安定な硬
化皮膜を形成できるものであればよい。側鎖としてのメ
チル基が多くなるほど、インキに対する濡れ性は低いも
のとなるが、その硬度の向上面からはフェニル基、ある
いはビニル基などの官能基に起因する架橋構造の含有割
合を高めることが望まれる。
はなく、例えば、オリゴマー、モノマー等の液状のも
の、あるいは樹脂状のものを適当な溶媒に溶解した溶液
状のものなど、例えば、シリコーンワニス、シリコーン
ゴム等に分類され市販される公知の各種の組成のものを
適宜選択して使用することができるが、例えば、ワニス
系シリコーン離型剤として市販されている組成物、ない
しこれに類似する組成物が、施工性および得られる皮膜
特性の面から好ましいものが多い。シリコーン離型剤と
しては、例えば、一般式(I)で示されるような構造を
有するシリコーンポリマーないしコポリマーを主成分と
するものが市販品として入手できる。
基、アルキル、アリール、アルケニル、ハロゲン置換ア
ルキル、ハロゲン置換アリール、ハロゲン置換アルケニ
ル、好ましくはメチル基を表し、nは1〜30000で
ある。) しかしながら、もちろん使用されるシリコーン系樹脂組
成物としては、このようなシリコーン離型剤に何ら限定
されるものではない。
には、必要に応じて、皮膜硬度を高めるためのシリカ微
粒子等の充填剤を配合することも可能であるが、セラミ
ックス溶射層の空孔部および凹部に十分侵入し得る程度
の粒径のものである必要がある。
ロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リフッ化ビニル等といった熱可塑性フッ素原子含有樹脂
を用い、適当な溶剤に懸濁ないし膨潤させて塗布し、溶
融温度以上に加熱して成膜するといったディスパージョ
ン加工法を用いることも可能であるが、セラミックス溶
射層の表面上および孔部内により確実に皮膜を形成する
ためには、分子鎖内に少量の水酸基、カルボン酸基等の
官能基を有し、液状にて塗布可能でかつ常温または加熱
して架橋硬化する熱硬化性フッ素原子含有樹脂の方が望
ましく、例えば、フルオロエチレンとアクリル酸、メタ
アクリル酸との共重合体などが例示される。
ラミックス溶射層表面上における厚さは、前記したよう
にセラミックス溶射層のピッチ波状凹部には厚く一方ピ
ッチ波状凸部には薄く付着するため、平均膜厚として規
定することは困難である。しかしながら、溶射層の表面
を実質的に全面的に覆い、かつセラミックス溶射層のう
ねり状凹凸を維持したものとなるように、全体を通じて
0.5〜20μm程度の厚さにおいて付着することが望
ましい。
圧着・移送用ローラは、最終的な表面性状が滑らかな凹
凸を有するものとなり、代表的にはその表面粗度Rmax
が、20〜40μm程度であることが望ましく、また最
終的な表面における滑らかな凹凸の凸部は、例えば20
μm×20μm平方〜100μm×100μm平方当り
に1ケ程度、より好ましくは30μm×30μm平方〜
60μm×60μm平方当りに1ケ程度の割合で均一に
分散して存在するものことが望ましい。そしてその全表
面は、複合被覆皮膜として前記セラミック溶射層に保持
された緻密な低表面エネルギー性樹脂層よって形成され
ており、使用されるインキに対する濡れ性の低いもので
ある。
における被印刷体圧着・移送系に配される各種のローラ
として好適に使用でき、具体的には例えば、オフセット
印刷機における圧胴、あるいはオフセット輪転機(新聞
輪転機、商業用オフセット輪転機、フォーム輪転機)、
グラビア印刷機、フレキソ印刷機、凸版新聞輪転機等の
各種輪転機におけるガイドローラとして好適に使用でき
るものである。
明する。本第2発明の被覆体は、可撓性基板上に、表面
に微細な凹凸を有する硬質ベース層と前記ベース層の表
面上に前記凹凸を完全に消失させることなく形成された
低表面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形
成されてなるものである。
性等を重視する場合には、アルミニウム合金板、ステン
レス鋼板等の金属製板材を用いることが、また施工容易
性、価格面等を重視する場合には、水、溶剤等の吸収
による収縮、熱による伸縮の小さいもの、ローラ表面
にうまく密着するようなある程度の可撓性を有するも
の、またある程度の引裂き、張力に耐える強度を有し
かつカッターナイフ、鋏等による裁断加工の容易なもの
であるといった観点から、合成樹脂フィルムまたは耐水
処理紙などを用いることが例示されるが、もちろんこれ
らに限定されるものではない。なお、合成樹脂フィルム
としては、ポリエチレン、ポリプロピレンといったオレ
フィン系フィルム、ポリウレタン系フィルム、ポリエス
テル系フィルム、ポリ塩化ビニルないしポリ塩化ビニリ
デン系フィルム、ポリアミド系フィルム等が、また耐水
処理紙としては、樹脂含浸紙、耐水処理クラフト紙、あ
るいはその他の耐水不織紙などが含まれるが、もちろん
これらに何ら限定されるものではない。
は、板材の種類、あるいはローラの種類等によっても左
右されるものであり、特に限定されるものではないが、
例えば0.1〜0.5mm程度のものが用いられ得る。
面に微細な凹凸を有する硬質ベース層としては、例え
ば、前記したようなセラミックス溶射層、あるいは複数
の無機微粒子により形成されるコーティング層などが例
示でき、さらに前記ベース層の表面上に前記凹凸を完全
に消失させることなく形成された低表面エネルギー性樹
脂層としては、前記したようなシリコーン系樹脂等が用
いられる。
い、硬質ベース層としてセラミックス溶射層を用いる場
合(第1の実施態様)には、上記第1発明のローラに関
する場合と、その施工される金属製ローラ基材が金属製
板材に代わるのみで、その製造方法、製造条件、各層の
材質ないし特性値等はほぼ同一であるため詳細な説明を
省略する。製造方法についてのみ概略すれば、金属製板
材に対し、まず周知の手法により金属製ローラ基材表面
に脱脂・ブラスト処理を行ない表面を粗し、次に、必要
に応じてこの金属製ローラ基材に、金属あるいは金属合
金溶射層を形成た後、公知のセラミックス溶射法を用い
ることにより、セラミックス溶射層を形成し、さらにそ
の上部から低表面エネルギー性樹脂を含浸、コーティン
グし、所定の温度で乾燥固化させ、セラミックス溶射層
の表面上および孔部内に低表面エネルギー性樹脂層を形
成して複合被覆皮膜層とするものである。
形成する場合について説明する。使用される無機微粒子
としては、各種セラミックス粉体、ガラスビーズ、硬質
金属粒子等が用いられるが、好ましくは各種セラミック
粉体、ガラスビーズである。これらの微粒子の大きさ
は、特に限定されるものではないが、平均粒径30〜2
00μm程度のものでかつ粒径分布の狭い粒径の揃った
ものがよく、またその形状としては球形ないしは球形に
近いものが、印刷紙および印刷面を損傷しないという観
点から好ましい。これらの微粒子は、多孔質のものであ
ってもあるいは実質的に無孔質のものであってもよい。
多孔質のものである場合、後述する低表面エネルギー性
樹脂の付着性が良好なものとなるが、一方で強度的に弱
くかつ価格的にも高価なものとなる場合が多い。無孔質
のものである場合、逆に低表面エネルギー性樹脂の付着
性は低下するものの、強度面および価格面では有利であ
る。従って、当該被覆体が施工されるローラの使用条件
等に応じて多孔質のものか無孔質かは適宜選択すればよ
い。
に合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙などの基材上部に
付着させるのには、一般に接着剤が使用される。使用さ
れる接着剤は、十分な耐水性および耐溶剤性を有し、か
つ使用される基材および無機微粒子ならびに上部に付与
される低表面エネルギー性樹脂との被着性ないし濡れ性
が良好なものを適宜選択して使用する。特に限定される
ものではないが、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系
接着剤、クロロプレン系接着剤、シアノアクリレート系
接着剤、ウレタン系接着剤、SBR系接着剤、ブチルゴ
ム系接着剤、SBS・SIS系接着剤等が使用され得
る。また基材が熱可塑性の合成樹脂フィルムである場合
には、無機微粒子の熱溶着(合成樹脂フィルムの部分的
溶融)による直接付着といった態様も考えられる。
せる場合、その付着させた後の表面粗度が適当な値、例
えばRmax 30〜150μmになるように、無機微粒子
の頭が露出する状態で付着させる必要がある。すなわ
ち、無機微粒子が接着剤層等内に完全に埋没してしまう
と、ローラに粗面を付与する被覆体としての機能が果せ
なくなるためである。また、基材上に付着させた無機微
粒子は、全体に均一に付着する限り、二層ないしそれ以
上積層された状態となっていてもよいが、図5に示すよ
うに一層のみとなっている方が、微粒子の剥離等の不具
合が発生する虞れが小さく、安定した特性を示すために
望ましい。
の上部に上述したと同様にシリコーン系樹脂等を用い
て、この無機微粒子層上部に低表面エネルギー性樹脂層
を形成し、複合被覆皮膜とする。この低エネルギー性樹
脂層の無機微粒子層上における厚さは、無機微粒子の露
出頭部には薄く、一方、粒子相互の間に形成される谷部
には比較的厚くさせるが、前記頭部および谷部で形成さ
れる凹凸を完全に消失させることなく滑らかな凹凸を残
すような状態とする必要がある。例えば、無機微粒子の
頭部には約2μm程度、一方谷部には約5〜10μm程
度の厚さとして付着させることが望ましい。なお、具体
的な低エネルギー性樹脂の種類およびその塗布方法等は
前記と同様である。なお、低エネルギー性樹脂と無機微
粒子(および前記谷部として一部露出する接着剤あるい
は基材)との被着性向上のため、例えば、公知のカップ
リング剤等を使用した化学的前処理あるいは各種の物理
的前処理等を行なうことも可能である。
態様に係る被覆体も、最終的な表面性状が滑らかな凹凸
を有するものとなるが、その表面粗度Rmax は、20〜
150μm程度であることが望ましい。
の場合、基材として合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙
などを用いることができるため、例えばロール状に巻か
れた長尺の基材に対し、無機微粒子コーティングおよび
低エネルギー性樹脂コーティングを行なうということが
でき、高い製造効率を達成できる。そして、巻装しよう
とする圧胴、中間胴、ガイドローラ等のローラそれぞれ
に必要なサイズに容易に裁断して適用できる。
る方法としては、捩子止め、接着によるもの、あるいは
ローラ本体にクランプ装置、巻軸を有する巻締め装置を
設けたものなどが採用され得るが、殊に第2態様の被覆
体の場合、両面接着テープ等を用いて容易に貼着するこ
とができる。
いは本第2発明の被覆体を巻装してなるローラの構成あ
るいは当該被覆体の構成は、印刷機の分野のみならず、
前記したような印刷物におけるインキと同様に、粘着移
行性物質が表面に付与されたフィルム状体を処理するロ
ーラないしその表面被覆体として、同様にこれらの粘着
移行性物質によるローラの汚染が生じにくくかつ耐久性
の高いものとして好適に使用できることは明らかであ
る。印刷機における被印刷体圧着・移送用ローラ以外の
適用例としては、例えば、各種複写機における被印写体
の圧着・移送系におけるローラ等が例示されるが、もち
ろんこれらに限定されるものではない。
ーラ、あるいは本第2発明の被覆体を巻装してなる被印
刷体圧着・移送用ローラを用いてなる印刷機において
は、これらの被印刷体圧着・移送用ローラに対する清浄
装置を有することが好ましい。このような清浄装置は、
被印刷体の移送経路あるいはその他の装置構成と干渉し
ない部位において、被印刷体圧着・移送用ローラの面に
対し接触し得る清浄体を有するものであればよい。この
清浄体はローラ面に対し、印刷終了時のみ接触しうる構
成としても、印刷作業時においても適宜接触・離間しう
る構成としてもよい。清浄体は、乾式のものでも十分な
清浄効果を付与できるが、より高い清浄効果を得る上で
は溶剤を含浸させた湿式のものが望まれる。なお清浄体
は、フェルト、不織布、布材、紙材等の柔軟で吸収性の
ある材質により構成することができる。また、ローラ面
に対し、固定接触する構成としても、回転接触する構成
とすることも可能である。
刷が多い印刷機の場合、ロット途中でのガイドローラ洗
浄は従来不可欠であり、主なガイドローラには洗浄装置
(湿式)が備えられていたが、本発明に係るガイドロー
ラを使用することによって、ロット途中でのローラ洗浄
は不要となり、また作業終了時でのローラ上のわずかな
インキ汚れも上記のごとき簡単な構成の清浄装置の清浄
体をローラ面に軽く押圧して拭き取るという簡単な操作
で、必要十分な清浄効果を得ることができるものであ
る。また新聞輪転機等の場合、紙を空通しして、ローラ
の回転速度を紙の送り速度よりも速くあるいは遅くし、
ローラ面と紙面とをスリップさせることことによって
も、清浄作業を行なうことができる。なお、従来、新聞
輪転機においては、ローラ面に溶剤を付与しローラ面上
のインキを溶かした後、このようなスリップを行なうこ
とによって清浄作業が行なわれているが、本発明のロー
ラを用いた場合には、溶剤を用いることなく乾式にてス
リップさせることのみで十分な清浄効果が得られる。
浄機構としては、より簡便な構成とすることができる。
すなわち、本発明に係る圧胴を使用したオフセット印刷
機における圧胴清浄装置としては、圧胴に対向するゴム
胴のローラ面に押圧可能な清浄体を備え、かつ、前記清
浄体をゴム胴へ押圧した状態において一定時間の間圧胴
をゴム胴へ接触回転させるものとするシーケンス制御機
構を有してなるものでよい。このような構成を有するも
のであると、印刷作業終了時において、ゴム胴のローラ
面に前記清浄体を押圧し、ゴム胴を回転させている状態
で、ゴム胴と圧胴の接触をオンとし、ゴム胴と共に圧胴
を回転させてやれば、圧胴上のインキ汚れはゴム胴上へ
と逆転写され、さらにゴム胴上の汚れとして清浄体で拭
き取ることができるためである。
説明する。
径−0.240mmに研磨加工し、径精度(円筒度0.
01)を出した後、脱脂、ブラスト処理して表面を粗し
た。なおこの際の表面粗度Rmax は約35μmであっ
た。
Cr合金を用い、プラズマ溶射にて前記シリンダー表面
に膜厚約30μmのNi−Cr溶射層を形成し、続いて
粉末粒径10〜44μmのg−Al2 O3 を用い、同様
にプラズマ溶射して膜厚約70μmのセラミックス溶射
層を形成した。このセラミック溶射層の表面粗度Rmax
は約40μmであり、図2に図示するように非常にシャ
ープな突起を有しながらうねる粗面であった。またセラ
ミックス溶射層は0.1〜数十μmの大きさの空孔を有
しており、空孔率は約16%であった。このようにして
得られた圧胴を以下のような印刷試験に供した。
溶射層の上から、シリコーン系樹脂離型剤(信越化学工
業(株)製 KS776L)100部、トルエン300
部および硬化触媒(信越化学工業(株)製 CAT−P
L8)1部を混合攪拌した溶液を、スプレー方式で含浸
塗布した後、150℃の乾燥炉で1時間乾燥固化させて
セラミックス溶射層の表面にシリコーン系樹脂皮膜を形
成した。このシリコーン系樹脂皮膜は、セラミックス溶
射層の連通空孔部を完全に閉塞し、かつ溶射層の表面に
おいて、ピッチ波状凹凸の凹部には厚くかつ凸部には薄
く付着しその全面を完全に覆っているものであり、その
膜厚は各部位によって相違するが2〜20μmの範囲に
あった。そしてこのシリコーン系樹脂皮膜形成後におけ
る表面粗度Rmax は約30μmであり、図1に図示する
ように滑らかな凹凸を有する粗面であった。このように
して得られた圧胴を参考例1と同様に以下のような印刷
試験に、更に以下のような耐傷性試験に供した。
オフセット印刷機((株)小森コーポレーション製、菊
全両面機)に取付け、紅インキ(東洋インキ(株)製、
ハイプラス)を使用して、コート紙3万枚に対し、両面
印刷を行なった。なお比較対照のために、通常のクロム
メッキ後研磨した圧胴を使用して同様の印刷試験を併せ
て行なった。その結果、参考例1の圧胴を使用した場合
には、圧胴の表面が砂目状の凹凸形状となっている分、
通常のクロムメッキの圧胴と比較すると、圧胴表面のイ
ンキ汚れは少ないが、紙通し枚数が増えるとどんどん汚
れがひどくなり、約3000枚を越えるころには、この
圧胴のインキ汚れに起因する印刷物の裏汚れが顕著とな
り、実用上採用出来ないことが判明した。またセラミッ
クス溶射層の表面の鋭利な突起部で、印刷物のベタ部の
インキを取り去ることによって、数μmの微細な素抜け
が無数に出来、目視によっても明らかに印刷の鮮明性が
劣るものとなっていた。
刷を行なった後でも、圧胴表面の微細な凸部に極わずか
なインキが付着しているのみであり、しかもこのインキ
付着量はさらに紙通し枚数を増やしてもほとんど変化な
くインキ付着が成長しないものであった。さらに、印刷
物のベタ部に当接する部位においても圧胴表面の突起部
にインキがほとんど転写されておらず、素抜けも非常に
少なくかつ小さいものであり、印刷物の印刷品質上ほと
んど障害にならず、良好な印刷物を得ることができた。
インキの除去を試みたところ、実施例1のものにおいて
は、乾いた布で軽く拭き取るのみでわずかに付着したイ
ンキを完全に除去できたが、比較対照のクロムメッキの
圧胴の場合、このような処理で取除くことは困難で、白
灯油を用いて洗浄しないと除去することができず、さら
に参考例1の圧胴の場合、このような有機溶剤を用いて
も表面の微細な凹部に入り込んだインキが完全には除去
できず、かつ溶剤に溶解し流動性の生じたインキが気孔
内へと浸み込んでいくために洗浄困難であった。
より調べたところ4Hであり、しかも、鉄製の工具(ド
ライバ)を強く押しつけてこすっても、圧胴上には一旦
は金属色の傷状の跡が付くが、その上を指先で拭くとこ
の跡はきれいに消失した。すなわち、実施例1の圧胴表
面に傷が付いたのではなく、工具が削れてその滓が圧胴
上に付着しただけのものであった。これは、前記工具と
は、圧胴表面微細な突起部のみが工具と接触するだけで
あり、この突起部は耐磨耗性の高いセラミックス溶射層
の上に極薄くシリコーン系樹脂皮膜が付着しているのみ
であって実質的に前記溶射層の硬度の影響が強く生じる
ためであると考えられる。なお、この突起部においては
シリコーン系樹脂皮膜が直接的には、工具と接触するも
のの、非常に微細な点として接触しているのみであり面
として接触していないため、これらの非常に微細な突起
部のみにおいてシリコーン系樹脂皮膜が磨耗除去される
のみであり、シリコーン系樹脂皮膜が面として剥ぎ取ら
れることはない。
たシリコーン系樹脂、あるいは特開昭62−94392
号で開示されるいくつかのシリコーン系樹脂を、ブラス
ト処理前の滑らかな表面性状の鋳鉄シリンダー表面に直
接コーティングして得られた試験体の表面硬度を、鉛筆
硬度試験により調べたところB〜2Hであり、工具等の
硬いもので軽く擦るのみで簡単に傷が付いた。
表面を脱脂、ブラスト処理して表面を粗した。なおこの
際の表面粗度Rmax は約35μmであった。その後、粉
末粒径10〜55μmのNi−Cr合金を用い、プラズ
マ溶射にて前記シリンダー表面に膜厚約30μmのNi
−Cr溶射層を形成し、続いて粉末粒径10〜44μm
のg−Al2 O3 を用い、同様にプラズマ溶射して膜厚
約70μmのセラミックス溶射層を形成した。このセラ
ミック溶射層の表面粗度Rmax は約40μmであり、図
2に図示するように非常にシャープな突起を有しながら
うねる粗面であった。またセラミックス溶射層は0.1
〜数十μmの大きさの空孔を有しており、空孔率は約1
6%であった。このようにして得られたガイドローラを
以下のような印刷試験に供した。
溶射層の上から、シリコーン系樹脂離型剤(信越化学工
業(株)製 KS776L)100部、トルエン300
部および硬化触媒(信越化学工業(株)製 CAT−P
L8)1部を混合攪拌した溶液を、スプレー方式で含浸
塗布した後、150℃の乾燥炉で1時間乾燥固化させて
セラミックス溶射層の表面にシリコーン系樹脂皮膜を形
成した。このシリコーン系樹脂皮膜は、セラミックス溶
射層の連通空孔部を完全に閉塞し、かつ溶射層の表面に
おいて、ピッチ波状凹凸の凹部には厚くかつ凸部には薄
く付着しその全面を完全に覆っているものであり、その
膜厚は各部位によって相違するが2〜20μmの範囲に
あった。そしてこのシリコーン系樹脂皮膜形成後におけ
る表面粗度Rmax は約30μmであり、図1に図示する
ように滑らかな凹凸を有する粗面であった。このように
して得られたガイドローラを参考例2と同様に以下のよ
うな印刷試験に供した。
ーラを、それぞれフォーム輪転機((株)ミヤコシ製、
MVF18)に取付け、墨、藍、紅、黄のプロセスイン
キでカラー絵柄の印刷を、上質紙に対し、連続40時間
を行なった。なお比較対照のために、通常のアルミニウ
ム合金製ロールでローレット加工したものをガイドロー
ラとして使用して同様の印刷試験を併せて行なった。
した場合には、良好な耐スリップ性が得られ、また表面
が砂目状の凹凸形状となっている分、比較対照のローレ
ット加工したアルミニウム合金製ガイドローラと比較す
ると、インキ汚れは少なく約1/2の洗浄頻度であった
が、少ないが、紙通し枚数が増えるとどんどん汚れがひ
どくなり、約10時間を越えるころには、このガイドロ
ーラのインキ汚れに起因する印刷物の汚れが顕著とな
り、実用上採用出来ないことが判明した。
0時間の印刷を行なった後でも、表面の微細な凸部に極
わずかなインキが付着しているのみであり、しかもこの
インキ付着量はさらに紙通し枚数を増やしてもほとんど
変化なくインキ付着が成長しないものであった。このた
め、肉眼で確認できる程の印刷物の汚れは40時間の連
続運転後も生じず、途中でガイドローラを清掃すること
なく、良好な印刷品質の印刷物を得ることができた。
付着したインキの除去を試みたところ、実施例1のもの
においては、乾いた布で軽く拭き取るのみでわずかに付
着したインキを完全に除去でき、印刷装置内に備えられ
るガイドローラーの清浄装置としては乾式のもので十分
であることを示唆するものであった。一方、比較対照の
ものの場合、このような処理で取除くことは困難で、白
灯油を用いて洗浄しないと除去することができず、印刷
装置内に備えられる清浄装置も、有機溶剤を用いた湿式
の洗浄装置が必要であることが確認された。さらに参考
例2のガイドローラの場合、このような有機溶剤を用い
て洗浄した場合、溶剤に溶解し流動性の生じたインキが
気孔内へと浸み込んでいくために非常に洗浄が行ないに
くく、従来の有機溶剤を用いた湿式の洗浄装置によって
も十分な洗浄効果が得れないとの結論を得た。
剤(信越化学工業(株)製 KNS316)100部、
トルエン100部および硬化触媒(信越化学工業(株)
製 CAT−PL56)3部を混合攪拌した溶液を用い
て形成する以外は実施例1と同様にして圧胴を作製し、
前記と同様に印刷試験、耐傷性試験を行なったところ実
施例1と同様に優れた結果が得られた。
てKR2046(実施例4)、X−40−2141(実
施例5)、X−41−9710H(実施例6)、または
X−40−201(実施例7)(いずれも信越化学工業
(株)製)を用いて形成する以外は、実施例1と同様に
して圧胴を作製し、前記と同様に印刷試験を行なった。
印刷試験終了後の圧胴面上の汚れの度合に若干の相違が
見られたものの、いずれのものにおいても、実施例1と
同様に良好な印刷品質が保たれ、かつ印刷終了後の圧胴
の汚れも乾式にて完全に除去できるものであった。
系)に、直接シリコーン系樹脂離型剤(信越化学工業
(株)製 KNS316)を膜厚3μmの厚さにコーテ
ィングした試験片を作製した。
のガラスビーズを接着剤(アクリル系)により、ガラス
ビーズがフィルム全面を覆いかつガラスビーズが一層だ
け均一に分散するように接着させて試験片を作製した。
なお得られた試験片の表面粗度は、Rmax 140μmで
あった。
接着させた後、参考例3で用いたと同じシリコーン系離
型剤をこのガラスビーズ層の上部からコーティングし
た。なおシリコーン系離型剤は、ガラスビーズの頭部で
は約2μmと比較的薄く、一方ガラスビーズ間の谷部で
は約5〜10μmと比較的厚くコーティングされ、得ら
れた試験片の表面粗度はRmax 133μmとなってい
た。
び実施例8の試験片に対し、以下のようなガムテープ剥
離試験および印刷試験に供した。
認するため、市販のガムテープ(幅25mm×長さ10
0mm)を試験片表面に貼着し、これを剥離する際に要
する力を測定した。
考例3についてはセロテープはほとんど付着しない状態
(剥離力5g未満)であったが、参考例4については1
10gの力を要した。なお、比較対照たるポリプロピレ
ン系樹脂フィルムそのものにおける剥離力は480gで
あった。
調べるため、それぞれの試験片を直径100mmのロー
ルに、それぞれシリコーン系樹脂層ないしガラスビーズ
層が表面側に向くように両面接着テープで取付け、その
上にコート紙を巻角90°、テンション力200g/c
mで取付け、コート紙側を固定し、ローラを回転させて
摺動磨耗テストを行なった。なお、コート紙表面には、
インキを定期的に塗布した紙を用いた。そして所定回転
数毎に上記したようなガムテープ剥離試験を実施した。
それぞれの試験片について得られた累積回転数と剥離力
との関係を図10に示す。
考例3の試験片は、シリコーン系樹脂離型剤が表面に存
在する間は参考例4のものよりも剥離力が大幅に小さい
が、少ない累積回転数(約1000回転)で離型剤が磨
耗脱落し、剥離力が急速に高まっている(すなわち、耐
汚染性能の低下)。また参考例4のものは初期段階では
比較対照たる樹脂フィルムのみのものと比較して、ガラ
スビーズで凹凸面を形成させている効果が出て、剥離力
が小さいが、累積回転数が大きくなるに従い、インキ及
び紙粉が凹面に付着堆積していき、剥離力が高くなる
(耐汚染性能の低下)。これに対し、実施例8のもので
は初期段階で剥離力がほぼ0のものが累積回転数が大き
くなるに従い剥離力はわずかに大きくなるが、その増大
は極めてゆるやかで、長期間にわたって耐汚染性能を維
持する。これは離型剤の磨耗脱落が、ガラスビーズの凸
部のみで、凹部の離型剤はほとんど磨耗脱落せずそのま
ま残っているため、凹部にインキ及び紙粉が付着堆積せ
ず、参考例4の場合のような耐汚染性能の低下につなが
らないものであると思われる。
アキヤマ印刷機製造(株)製、JP−40両面印刷機の
中間胴に両面粘着テープを用いて巻装し、実機にて操業
比較テストを行なった。使用した紙はコート紙、インキ
は東洋インキ(株)製、ハイプラスとし、版はベタ部の
多い絵柄のテスト版でインキ厚盛り印刷を行なった。
初期段階では、当然インキ反撥性の高い表面となってい
るが、表面の摩擦係数が高いために中間胴表面と紙面で
の紙離れ性はあまり良くない。このため第1中間胴→第
2中間胴→圧胴へと紙を受渡していく場合、中間胴と紙
間では微小なズレが生じるが、中間胴と紙間で紙離れが
悪いとそこで擦れが生じ印刷面の傷、汚れが発生した。
またこの試験片は、印刷部数の増加とともに表面のシリ
コーン離型剤層が磨耗・脱落し、1ヵ月位でシ−ト面へ
のインキ付着が急に増大し、印刷物の傷・汚れも非常に
目立つようになり実用に耐えるものではなかった。
00〜10000枚位の印刷で、中間胴がかなり汚れて
これが印刷物のダブリ、汚れとなるため、長持間印刷機
を連続稼働することが不可能で、機械を停止してガソリ
ン等で洗浄する必要がある。この試験片は、印刷面との
接触が点接触であるため、紙との摩擦を少なくする点で
は有効と言えるが、ガラスビーズ自体にはインキ反撥性
がほとんどなく、特に凹部に付着堆積したインキ・紙粉
等の汚染物質は非常に洗浄しにくい。これらの洗浄除去
に要する時間・労力は印刷工程のうち大きな割合を占め
ていた。また毎回の洗浄で落ちきれない汚れが凹部に堆
積してインキ反撥性がより一層低下していくため、1〜
3ヵ月で新しいシートとの取換えが必要であった。また
洗浄に用いられる溶剤によるシートの劣化も無視できな
い事項であった。
合、中間胴面の汚れが非常に少なく、1日6万枚の連続
印刷でも中間胴汚れによる印刷物の汚れ・ダブリは全く
発生しなかった。わずかに付着したインキ汚れも、洗浄
油を浸した布で拭き取ることにより簡単に除去でき、凹
部での汚れ残りも非常に少ないものであった。すなわ
ち、中間胴汚れによる印刷物不良率の発生減少、洗浄頻
度の大幅減少による生産性の向上と労働負荷の減少で、
多大な効果があり、またインキ反撥性の長持間持続によ
る寿命の大幅向上が可能となった。
着・移送用ローラおよび本発明の被覆体を巻装した被印
刷体圧着・移送用ローラは、その表面性状が微細で比較
的滑らかな凹凸を有するものであり、耐磨耗性に優れた
セラミックス溶射層ないしは無機微粒子層と表面エネル
ギーの低いシリコーン系樹脂等の低表面エネルギー性樹
脂層とからなる複合皮膜で基材表面を被覆しているもの
であるため、表面にインキが付着し難いものである。こ
のため各種の印刷機における被印刷体圧着・移送系に配
される各種のローラ、例えば、オフセット印刷機におけ
る圧胴、あるいはオフセット輪転機(新聞輪転機、商業
用オフセット輪転機、フォーム輪転機)、グラビア印刷
機、フレキソ印刷機等の各種輪転機におけるガイドロー
ラとして好適に使用できるものであり、連続して多量な
いし長持間の印刷操作を行なう場合に、洗浄操作を施す
必要もなく、汚れのない良好な印刷品質の印刷物を提供
できるものとなり、かつその耐久性も優れたものであ
る。さらに、表面に付着したインキも乾式にて容易に除
去できるものであることから、従来、非常に危険でかつ
重労働であったローラの洗浄操作も極めて容易なものと
なり、また非常に簡単な構成の清浄装置を装置内に組込
むことで、自動的に清浄化することも可能であり、清掃
に費す時間と労力、またイニシャルコストの削減の上で
も非常に高い効果を与えるものである。さらに、例えば
ビジネスフォーム輪転機等においては、逆転写の不具合
を解消するためにUVインキを使用することが行なわれ
ていたが、本発明のガイドローラを用いることによっ
て、インキ自体がコスト的に高くまたおよび装置構成が
複雑かつコスト高になるUVインキを使用しなくとも、
通常のインキで同等の印刷レベルを達成することが可能
となる。
て合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙などを使用した態
様においては、その生産性に優れかつ既設の各種印刷機
の様々なサイズの非印刷体圧着・移送ローラに対しても
任意のサイズに容易に裁断して巻装可能であり、その適
用範囲が非常に広いものとなる。
は、印刷機の分野のみならず、粘着移行性物質が表面に
付与されたフィルム状体を処理するその他の分野におけ
る各種ローラとしても、同様の優れた効果を奏するもの
である。
一実施態様における断面構造を模式的に示す図、
断面構造をさらに拡大して模式的に示す図、
製造過程における断面構造を模式的に示す図、
刷体圧着・移送用ローラに巻装する状態を模式的に示す
断面図、
構造を模式的に示す図、
な構成を示す図、
インキ汚れを説明する模式図、
と被印刷体の関係を示す図であり、(a)は幅狭の被印
刷体に印刷している状態、(b)は幅広の被印刷体に印
刷している状態をそれぞれ示す図、
印刷体の印刷および移送機構の概略的な構成を示す図、
体表面の付着特性の経時的変化を示すグラフ。
4…被印刷体、5…インキ像、 6,
8…転写インキ像、7…ガイドローラ、 10…金
属製ローラ基材、11,23…金属溶射層、12,24
…セラミックス溶射層、13,25,34…低表面エネ
ルギー性樹脂層、14,26,35…複合被覆皮膜、2
0…ローラ本体、21…被覆体、 22…金属製板
材。32…基材(合成樹脂フィルムまたは耐水処理
紙)、33…無機微粒子層、36…接着剤層。
金属溶射層表面上に、例えばプラズマジェット溶射法等
の公知のセラミックス溶射法を用いることにより、セラ
ミックス溶射層を形成する。セラミックス材料として
は、Al2 O3 、TiO2 、Al2 O3 −TiO2 、C
r2 O3 、ZrO2 、WC、WC−Co、Cr3 C2 、
TiC等あるいはこれらの混合物、さらには導電性をも
たすためにセラミックスと金属を同時溶射した複合皮
膜、サーメット類等が例示されるが、これらに限定され
るものではない。セラミックス材料の選択は、金属製ロ
ーラ基材または溶射金属との密着強度、耐磨耗性、なら
びに得られるセラミックス溶射層が数μm〜数十μmの
微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%で有しかつ
その表面粗度がRmax 30〜50μm程度となること等
の点に、経済性を考慮して行なえば良い。一般的には、
ホワイトアルミナ(W−Al2 O3 )およびグレーアル
ミナ(G−Al2 O3 )(Al2 O3 −TiO2 )、ク
ロミア(Cr2 O3 )などが望ましい。
μmの微細な気孔(連続気孔)を気孔率5〜20%で有
することが望まれるのは、セラミックス溶射層に後述す
る低表面エネルギー性樹脂層を安定して複合形成可能と
するためであり、気孔率が5%未満では表面活性樹脂が
セラミックス溶射層内部に十分に入り込めず剥離性が高
まる虞れがあり、一方気孔率が20%を越えるものであ
ると複合皮膜の骨格構造となるセラミックス溶射層の強
度が低下する虞れがあるためである。またその表面粗度
がRmax 30〜50μm程度を有することが望まれるの
は、セラミックス溶射層表面上に後述するような低表面
エネルギー性樹脂を堆積した際に、該低表面エネルギー
性樹脂が安定に付着しかつ最終的に必要かつ十分な大き
さの滑らかな凹凸が形成され易い範囲であるからであ
る。
考例3についてはガムテープはほとんど付着しない状態
(剥離力5g未満)であったが、参考例4については1
10gの力を要した。なお、比較対照たるポリプロピレ
ン系樹脂フィルムそのものにおける剥離力は480gで
あった。
Claims (27)
- 【請求項1】 印刷装置において、印刷要素に対して被
印刷体を圧着し、その後移送する被印刷体圧着・移送系
に配される被印刷体圧着・移送用ローラであって、 脱脂、ブラスト処理された金属製ローラ基材上に、多孔
質のセラミックス溶射層と前記セラミックス溶射層の表
面上および孔部内に形成された低表面エネルギー性樹脂
層とからなる複合被覆皮膜が形成されていることを特徴
とする被印刷体圧着・移送用ローラ。 - 【請求項2】 前記被印刷体圧着・移送用ローラの表面
性状が、表面粗度Rmax 20〜40μmで、滑らかな凹
凸を有するものである請求項1に記載の被印刷体圧着・
移送用ローラ。 - 【請求項3】 前記凹凸の凸部が、20μm×20μm
平方ないし100μm×100μm平方当りに1ケ程度
の割合で存在するものである請求項2に記載の被印刷体
圧着・移送用ローラ。 - 【請求項4】 前記金属製ローラ基材と、前記複合被覆
皮膜との間には、金属溶射層が形成されているものであ
る請求項1〜3のいずれかに記載の被印刷体圧着・移送
用ローラ。 - 【請求項5】 前記低表面エネルギー性樹脂が、シリコ
ーン系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の被印
刷体圧着・移送用ローラ。 - 【請求項6】 ローラがオフセット印刷機用の圧胴また
は中間胴である請求項1〜5のいずれかに記載の被印刷
体圧着・移送用ローラ。 - 【請求項7】 ローラが輪転印刷機用のガイドローラで
ある請求項1〜6のいずれかに記載の被印刷体圧着・移
送用ローラ。 - 【請求項8】 印刷装置において、印刷要素に対して被
印刷体を圧着し、その後移送する被印刷体圧着・移送系
に配される被印刷体圧着・移送用ローラの実質的全周面
にわたり着脱可能に巻装される被覆体であって、 可撓性基板上に、表面に微細な凹凸を有する硬質ベース
層と前記ベース層の表面上に前記凹凸を完全に消失させ
ることなく形成された低表面エネルギー性樹脂層とから
なる複合被覆皮膜が形成されていることを特徴とする被
印刷体圧着・移送用ローラ用被覆体。 - 【請求項9】 前記低表面エネルギー性樹脂が、シリコ
ーン系樹脂である請求項8に記載の被覆体。 - 【請求項10】 脱脂、ブラスト処理された金属製板材
からなる基板上に、ベース層としての多孔質セラミック
ス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部
内に形成された低表面エネルギー性樹脂層とからなる複
合被覆皮膜が形成されているものである請求項8または
9に記載の被覆体。 - 【請求項11】 合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙か
らなる基板上に、複数の無機微粒子を付着させて形成さ
れたベース層と前記ベース層の表面上に形成された低表
面エネルギー性樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成さ
れているものである請求項8または9に記載の被覆体。 - 【請求項12】 前記被覆体の表面性状が、表面粗度R
max 20〜40μmで、滑らかな凹凸を有するものであ
る請求項10に記載の被覆体。 - 【請求項13】 前記凹凸の凸部が、20μm×20μ
m平方ないし100μm×100μm平方当りに1ケ程
度の割合で存在するものである請求項10または12に
記載の被覆体。 - 【請求項14】 前記金属製板材と、前記複合被覆皮膜
との間には、金属溶射層が形成されているものである請
求項10、12または13に記載の被覆体。 - 【請求項15】 前記微粒子がセラミックス粉体または
ガラスビーズである請求項11に記載の被覆体。 - 【請求項16】 前記被覆体の表面性状が、表面粗度R
max 20〜150μmで、滑らかな凹凸を有するもので
ある請求項11または15に記載の被覆体。 - 【請求項17】 ローラがオフセット印刷機用の圧胴ま
たは中間胴である請求項8〜16のいずれかに記載の被
覆体。 - 【請求項18】 ローラが輪転印刷機用のガイドローラ
である請求項8〜16のいずれかに記載の被覆体。 - 【請求項19】 請求項1〜7のいずれかに記載の被印
刷体圧着・移送用ローラを有してなる印刷装置。 - 【請求項20】 請求項9〜17のいずれかに記載の被
覆体を外周面に巻装してなる被印刷体圧着・移送用ロー
ラを有してなる印刷装置。 - 【請求項21】 請求項1〜7のいずれかに記載の被印
刷体圧着・移送用ローラ、または請求項11および13
〜15のいずれかに記載の被覆体を外周面に巻装してな
る被印刷体圧着・移送用ローラを高負荷部に配し、かつ
請求項12、16および17のいずれかに記載の被覆体
を外周面に巻装してなる被印刷体圧着・移送用ローラを
低負荷部に配してなる印刷装置。 - 【請求項22】 請求項19〜21のいずれかに記載の
印刷装置における清浄装置であって、前記被印刷体圧着
・移送用ローラのローラ面に押圧・解離可能な乾式の清
浄体を備えていることを特徴とする清浄装置。 - 【請求項23】 請求項6または17に記載の圧胴を備
えてなるオフセット印刷装置における清浄装置であっ
て、前記圧胴に対向するゴム胴のローラ面に押圧・解離
可能な清浄体を備え、かつ、前記清浄体をゴム胴へ押圧
した状態において一定時間の間圧胴をゴム胴へ接触回転
させるものとするシーケンス制御機構を有してなり、ゴ
ム胴の洗浄と併せて圧胴の洗浄を行なうことができるこ
とを特徴とする清浄装置。 - 【請求項24】粘着移行性物質が表面に付与されたフィ
ルム状体の処理用ローラであって、脱脂、ブラスト処理
された金属製ローラ基材表面上に、多孔質のセラミック
ス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部
内に形成されたシリコーン系樹脂層とからなる複合被覆
皮膜が形成されていることを特徴とするローラ。 - 【請求項25】粘着移行性物質が表面に付与されたフィ
ルム状体の処理用ローラの実質的全周面にわたり着脱可
能に巻装される被覆体であって、 可撓性基板上に、表面に微細な凹凸を有する硬質ベース
層と前記ベース層の表面上に前記凹凸を完全に消失させ
ることなく形成されたシリコーン系樹脂層とからなる複
合被覆皮膜が形成されていることを特徴とする被覆体。 - 【請求項26】 脱脂、ブラスト処理された金属製板材
からなる基板上に、ベース層としての多孔質セラミック
ス溶射層と前記セラミックス溶射層の表面上および孔部
内に形成されたシリコーン系樹脂層とからなる複合被覆
皮膜が形成されているものである請求項25に記載の被
覆体。 - 【請求項27】 合成樹脂フィルムまたは耐水処理紙か
らなる基板上に、複数の無機微粒子を付着させて形成さ
れたベース層と前記ベース層の表面上に形成されたシリ
コーン系樹脂層とからなる複合被覆皮膜が形成されてい
るものである請求項25に記載の被覆体。
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