JPH08108235A - アルミニウム合金di缶の製造法及びその装置 - Google Patents
アルミニウム合金di缶の製造法及びその装置Info
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- JPH08108235A JPH08108235A JP6268213A JP26821394A JPH08108235A JP H08108235 A JPH08108235 A JP H08108235A JP 6268213 A JP6268213 A JP 6268213A JP 26821394 A JP26821394 A JP 26821394A JP H08108235 A JPH08108235 A JP H08108235A
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- ironing
- aluminum alloy
- die
- rate
- necking
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ネッキング部のしわやフランジ部の割れの発
生を防止したアルミニウム合金DI缶の製造法を提供す
ること、及び生産性の高いDI加工による製造装置を提
供すること。 【構成】 アルミニウム合金DI缶の製造法において、
しごき加工における少なくとも1回のしごき率を40%
以上とし、全体のしごき率を60%以上とすることによ
りネッキング及びフランジング加工性を高めたアルミニ
ウム合金DI缶の製造法及び、1枚の再絞りダイスと2
枚のしごきダイスがツールボックスに収納固定され、そ
の少なくとも一方のしごきダイスによるしごき率を40
%以上としたアルミニウム合金DI缶の製造装置。
生を防止したアルミニウム合金DI缶の製造法を提供す
ること、及び生産性の高いDI加工による製造装置を提
供すること。 【構成】 アルミニウム合金DI缶の製造法において、
しごき加工における少なくとも1回のしごき率を40%
以上とし、全体のしごき率を60%以上とすることによ
りネッキング及びフランジング加工性を高めたアルミニ
ウム合金DI缶の製造法及び、1枚の再絞りダイスと2
枚のしごきダイスがツールボックスに収納固定され、そ
の少なくとも一方のしごきダイスによるしごき率を40
%以上としたアルミニウム合金DI缶の製造装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビールやジュース、炭
酸飲料などに用いられるアルミニウム合金DI缶(絞り
しごき加工法による缶)の製造法及びその装置に関し、
さらに詳しくは有底円筒状をなす2ピース缶の胴体部分
(缶胴)のDI加工法による製造法及びその装置に関す
るものである。
酸飲料などに用いられるアルミニウム合金DI缶(絞り
しごき加工法による缶)の製造法及びその装置に関し、
さらに詳しくは有底円筒状をなす2ピース缶の胴体部分
(缶胴)のDI加工法による製造法及びその装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】DI加工法の基本的な加工技術について
は「軽金属」Vol.40,No.3(1990)P.
251等、「アルミニウム技術便覧」(軽金属協会編、
1985年)P.1473等に記載されているが、さら
に図面に基づいて説明する。図2は一般的なDI加工装
置の要部の断面図である。図3は成形されたカップのD
I加工にともなう変形過程を示す断面図、図4はDI加
工法による缶胴製品の断面図である。
は「軽金属」Vol.40,No.3(1990)P.
251等、「アルミニウム技術便覧」(軽金属協会編、
1985年)P.1473等に記載されているが、さら
に図面に基づいて説明する。図2は一般的なDI加工装
置の要部の断面図である。図3は成形されたカップのD
I加工にともなう変形過程を示す断面図、図4はDI加
工法による缶胴製品の断面図である。
【0003】図2に示すように通常4枚のダイスがタン
デムに配列されているのが一般的である。円形の貫通孔
1aを有する1枚の再絞りダイス1と、この再絞りダイ
スと同軸で配列され、円形の貫通孔2a、3a、4aを
有する3枚のしごきダイス2、3、4と、前記各貫通孔
1a〜4aの内部に所定の間隔をなして嵌合、かつ軸方
向に移動自在とされた円筒状のパンチスリーブ5と、こ
のパンチスリーブ5の外側に嵌合された円筒状のカップ
ホルダースリーブ6とを備えている。各ダイスの間には
スペーサーが配置されており、各ダイスの間の距離を一
定に保持されるようになっている。また再絞りダイス1
及びしごきダイス2〜4には、潤滑と冷却のためのDI
クーラントが供給されるようになっている。
デムに配列されているのが一般的である。円形の貫通孔
1aを有する1枚の再絞りダイス1と、この再絞りダイ
スと同軸で配列され、円形の貫通孔2a、3a、4aを
有する3枚のしごきダイス2、3、4と、前記各貫通孔
1a〜4aの内部に所定の間隔をなして嵌合、かつ軸方
向に移動自在とされた円筒状のパンチスリーブ5と、こ
のパンチスリーブ5の外側に嵌合された円筒状のカップ
ホルダースリーブ6とを備えている。各ダイスの間には
スペーサーが配置されており、各ダイスの間の距離を一
定に保持されるようになっている。また再絞りダイス1
及びしごきダイス2〜4には、潤滑と冷却のためのDI
クーラントが供給されるようになっている。
【0004】こうした装置においては、前工程であるカ
ッピングプレスによって得られた有底円筒状のカップ7
(図3の(a)参照)をパンチスリーブ5と再絞りダイ
ス1との間に配置し、この状態でカップホルダースリー
ブ6及びパンチスリーブ5を前進させる。まずカップホ
ルダースリーブ6が再絞りダイス1の端面にカップ7の
底面を押し付ける。次にカップホルダースリーブ6によ
るカップ7の押し付け動作を行ないつつ、パンチスリー
ブ5がカップ7を再絞りダイス1の貫通孔1a内に押し
込む。これによりカップ7を細長い再絞り後のカップ8
Aに成形することができる(図3の(b)参照)。再絞
りダイス1を通過したカップ8Aは、さらにしごきダイ
ス2〜4の貫通孔2a〜4aを順次通過して行き、徐々
にしごき加工が施されて、3回のしごき加工により所定
の肉厚を有するしごき加工後の缶胴8に成形される(図
3の(c)参照)。パンチスリーブ5はしごき加工を終
了した缶胴8をさらに前方に押し出し、缶胴8の底部8
aをドーム部成形用の金型11に押圧してドーム部9a
を成形し、ドーム成形後の缶胴9を製造することができ
る(図3の(d)参照)。得られた缶胴9は、この後通
常の工程である、トリミング工程→洗浄/表面処理/乾
燥工程→外面塗装/焼き付け乾燥工程→内面塗装/焼き
付け乾燥工程→ネッキング/フランジング工程→検査工
程を経て最終の缶胴製品10となる(図4参照)。とこ
ろで前記した3回のしごき加工においては、アルミニウ
ム技術便覧(軽金属協会編)P.1472等に記載され
ているように、過大なしごき加工が1工程に集中しない
ように各ダイスにおけるしごき率を平均的にすることが
一般に行なわれている。一方アルミニウムの1回当りの
限界しごき率は40%以下とされており、この値を超え
ると加工時に破断が生じると云われていた。これらのこ
とから各ダイスの1回当りのしごき率は40%よりかな
り低い値に設定されているのが実状である。
ッピングプレスによって得られた有底円筒状のカップ7
(図3の(a)参照)をパンチスリーブ5と再絞りダイ
ス1との間に配置し、この状態でカップホルダースリー
ブ6及びパンチスリーブ5を前進させる。まずカップホ
ルダースリーブ6が再絞りダイス1の端面にカップ7の
底面を押し付ける。次にカップホルダースリーブ6によ
るカップ7の押し付け動作を行ないつつ、パンチスリー
ブ5がカップ7を再絞りダイス1の貫通孔1a内に押し
込む。これによりカップ7を細長い再絞り後のカップ8
Aに成形することができる(図3の(b)参照)。再絞
りダイス1を通過したカップ8Aは、さらにしごきダイ
ス2〜4の貫通孔2a〜4aを順次通過して行き、徐々
にしごき加工が施されて、3回のしごき加工により所定
の肉厚を有するしごき加工後の缶胴8に成形される(図
3の(c)参照)。パンチスリーブ5はしごき加工を終
了した缶胴8をさらに前方に押し出し、缶胴8の底部8
aをドーム部成形用の金型11に押圧してドーム部9a
を成形し、ドーム成形後の缶胴9を製造することができ
る(図3の(d)参照)。得られた缶胴9は、この後通
常の工程である、トリミング工程→洗浄/表面処理/乾
燥工程→外面塗装/焼き付け乾燥工程→内面塗装/焼き
付け乾燥工程→ネッキング/フランジング工程→検査工
程を経て最終の缶胴製品10となる(図4参照)。とこ
ろで前記した3回のしごき加工においては、アルミニウ
ム技術便覧(軽金属協会編)P.1472等に記載され
ているように、過大なしごき加工が1工程に集中しない
ように各ダイスにおけるしごき率を平均的にすることが
一般に行なわれている。一方アルミニウムの1回当りの
限界しごき率は40%以下とされており、この値を超え
ると加工時に破断が生じると云われていた。これらのこ
とから各ダイスの1回当りのしごき率は40%よりかな
り低い値に設定されているのが実状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】製缶の最終加工工程で
あるネッキング/フランジング工程のネッキングは缶胴
ネッキング部の口絞り加工であり、フランジングはその
後のつばだし加工である。近年軽量化のため缶胴側壁部
が薄肉化される傾向にあり、ネッキング部9bも薄肉化
されている。その結果ネッキングでのしわの発生やフラ
ンジングでの割れがしばしば問題となることがある。ネ
ッキングしわはフランジングでの割れの原因となる。ま
たネッキングしわやフランジ割れは蓋との巻き締め不良
の原因となり、飲料缶内容物の漏洩問題を引き起こす危
険性がある。特にDI加工ではしごき加工による断面減
少率が大きくなるに従い、側壁部に非常に大きな加工硬
化を受け、内部応力も残存することになる。このままで
はネッキングしわやフランジ割れが生じ易い。通常の生
産ラインでは洗浄や塗装工程の各乾燥炉による加熱によ
って、内部応力はかなり除去されネッキングやフランジ
ング加工性はかなり改善されるが、なお不充分である。
本発明の目的はアルミニウム合金DI缶の製造法におい
て、ネッキング及びフランジング加工に優れたDI加工
法によるアルミニウム合金DI缶、特にその缶胴の製造
法を提供することにある。さらに他の目的はDI加工の
運転の回転数を高くして生産性を向上させることにあ
る。
あるネッキング/フランジング工程のネッキングは缶胴
ネッキング部の口絞り加工であり、フランジングはその
後のつばだし加工である。近年軽量化のため缶胴側壁部
が薄肉化される傾向にあり、ネッキング部9bも薄肉化
されている。その結果ネッキングでのしわの発生やフラ
ンジングでの割れがしばしば問題となることがある。ネ
ッキングしわはフランジングでの割れの原因となる。ま
たネッキングしわやフランジ割れは蓋との巻き締め不良
の原因となり、飲料缶内容物の漏洩問題を引き起こす危
険性がある。特にDI加工ではしごき加工による断面減
少率が大きくなるに従い、側壁部に非常に大きな加工硬
化を受け、内部応力も残存することになる。このままで
はネッキングしわやフランジ割れが生じ易い。通常の生
産ラインでは洗浄や塗装工程の各乾燥炉による加熱によ
って、内部応力はかなり除去されネッキングやフランジ
ング加工性はかなり改善されるが、なお不充分である。
本発明の目的はアルミニウム合金DI缶の製造法におい
て、ネッキング及びフランジング加工に優れたDI加工
法によるアルミニウム合金DI缶、特にその缶胴の製造
法を提供することにある。さらに他の目的はDI加工の
運転の回転数を高くして生産性を向上させることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は製缶における
ネッキングしわの発生やフランジングでの割れ防止につ
いて鋭意研究した結果、最近のアルミニウム合金板材の
強度の向上及び潤滑剤の性能向上等により1枚のダイス
でのしごき率を40%以上とすることが可能であるこ
と、及びしごき率を高くして内部応力を大きくすれば乾
燥炉での加熱による内部応力除去の際の大きな駆動力と
なり従来以上に内部応力が除去され、その結果ネッキン
グしわやフランジングでの割れが防止されることを見出
し本発明に到達した。
ネッキングしわの発生やフランジングでの割れ防止につ
いて鋭意研究した結果、最近のアルミニウム合金板材の
強度の向上及び潤滑剤の性能向上等により1枚のダイス
でのしごき率を40%以上とすることが可能であるこ
と、及びしごき率を高くして内部応力を大きくすれば乾
燥炉での加熱による内部応力除去の際の大きな駆動力と
なり従来以上に内部応力が除去され、その結果ネッキン
グしわやフランジングでの割れが防止されることを見出
し本発明に到達した。
【0007】即ち、本発明はアルミニウム合金DI缶の
製造法において、しごき加工における少なくとも1回
(1枚のダイス)のしごき率を40%以上、全体のしご
き率を60%以上とすることを特徴とするネッキング及
びフランジング加工性に優れたアルミニウム合金DI缶
の製造法、及びアルミニウム合金DI缶の製造装置であ
って、1枚の再絞りダイスと2枚のしごきダイスがツー
ルボックスに収納固定され、該しごきダイスの少なくと
も一方のしごきダイスのしごき率が40%以上に構成さ
れてなるアルミニウム合金DI缶の製造装置である。
製造法において、しごき加工における少なくとも1回
(1枚のダイス)のしごき率を40%以上、全体のしご
き率を60%以上とすることを特徴とするネッキング及
びフランジング加工性に優れたアルミニウム合金DI缶
の製造法、及びアルミニウム合金DI缶の製造装置であ
って、1枚の再絞りダイスと2枚のしごきダイスがツー
ルボックスに収納固定され、該しごきダイスの少なくと
も一方のしごきダイスのしごき率が40%以上に構成さ
れてなるアルミニウム合金DI缶の製造装置である。
【0008】以下本発明を詳しく説明する。本発明はア
ルミニウム合金DI缶を製造する場合のダイスによるし
ごき率に特徴を有するものであり、再絞りダイスやしご
きダイスの配置、その他は従来と同様であってもよい。
この場合図2に示すように再絞りダイス1、しごきダイ
ス2、3、4を使用する場合、3枚のしごきダイスのう
ち少なくとも1枚のダイスによるしごき率を40%以
上、好ましくは実施例に示すように42%以上とするこ
とが必要である。このしごき率があまり大きいと破断の
おそれがあるので、上限は50%程度とするのが好まし
い。しごき率は肉厚減少率で表わし、しごき前の肉厚を
a、しごき後の肉厚をbとすれば(a−b)/a×10
0(%)で表わされる。ただし第1しごきのしごき率は
元板の肉厚に対する第1しごき後の肉厚減少率とした。
なお一般にしごき後の缶胴のネッキング部より下の側壁
部の肉厚は図3の8c及び9cに示すようにネッキング
部8b、9bの肉厚よりわずかに薄くされるのが普通で
ある。本発明においてしごき率は缶胴のこの側壁部(図
3の8c、9c)の平均厚さで規定している。また全体
のしごき率は元板の肉厚をa、最終のしごき後の肉厚を
cとすれば(a−c)/a×100(%)とする。
ルミニウム合金DI缶を製造する場合のダイスによるし
ごき率に特徴を有するものであり、再絞りダイスやしご
きダイスの配置、その他は従来と同様であってもよい。
この場合図2に示すように再絞りダイス1、しごきダイ
ス2、3、4を使用する場合、3枚のしごきダイスのう
ち少なくとも1枚のダイスによるしごき率を40%以
上、好ましくは実施例に示すように42%以上とするこ
とが必要である。このしごき率があまり大きいと破断の
おそれがあるので、上限は50%程度とするのが好まし
い。しごき率は肉厚減少率で表わし、しごき前の肉厚を
a、しごき後の肉厚をbとすれば(a−b)/a×10
0(%)で表わされる。ただし第1しごきのしごき率は
元板の肉厚に対する第1しごき後の肉厚減少率とした。
なお一般にしごき後の缶胴のネッキング部より下の側壁
部の肉厚は図3の8c及び9cに示すようにネッキング
部8b、9bの肉厚よりわずかに薄くされるのが普通で
ある。本発明においてしごき率は缶胴のこの側壁部(図
3の8c、9c)の平均厚さで規定している。また全体
のしごき率は元板の肉厚をa、最終のしごき後の肉厚を
cとすれば(a−c)/a×100(%)とする。
【0009】本発明では少なくとも1枚のダイスによる
しごき率が40%以上であるから、残りのダイスによる
しごき率は従来より少なくすることが可能であり、その
結果しごきダイスの数を減らすことができる。この状態
を図1に示す。図に示すようにしごきダイスは2枚であ
り、その少なくとも一方が40%以上のしごき率になる
ように構成される。そして2枚のしごきダイスと1枚の
再絞りダイスがツールボックス12に収納固定されてい
る。本発明において1枚のダイスのみのしごき率を40
%以上とする場合、そのダイスの選択には制限ないが、
望ましくは最後のダイス即ち、図1の3、図2の4のダ
イスのしごき率を40%以上とする。その理由は後述す
るように内部応力を最も大きくするためである。
しごき率が40%以上であるから、残りのダイスによる
しごき率は従来より少なくすることが可能であり、その
結果しごきダイスの数を減らすことができる。この状態
を図1に示す。図に示すようにしごきダイスは2枚であ
り、その少なくとも一方が40%以上のしごき率になる
ように構成される。そして2枚のしごきダイスと1枚の
再絞りダイスがツールボックス12に収納固定されてい
る。本発明において1枚のダイスのみのしごき率を40
%以上とする場合、そのダイスの選択には制限ないが、
望ましくは最後のダイス即ち、図1の3、図2の4のダ
イスのしごき率を40%以上とする。その理由は後述す
るように内部応力を最も大きくするためである。
【0010】最終のダイスによるしごきが終了した後の
全体のしごき率は、本発明においても従来同様60%以
上である。その上限は板の強度、DI加工技術、再絞り
缶の肉厚、缶の用途等によって定められ、一般的には7
0%程度とされている。本発明に用いられるアルミニウ
ム合金は、1000系,3000系,5000系等一般
のアルミニウム合金でよいが、通常3004,3104
等3000系の合金が用いられる。潤滑油はエマルジョ
ンタイプ及びソリューションタイプの水溶性潤滑油、一
般の鉱物油、合成油などが用いられる。
全体のしごき率は、本発明においても従来同様60%以
上である。その上限は板の強度、DI加工技術、再絞り
缶の肉厚、缶の用途等によって定められ、一般的には7
0%程度とされている。本発明に用いられるアルミニウ
ム合金は、1000系,3000系,5000系等一般
のアルミニウム合金でよいが、通常3004,3104
等3000系の合金が用いられる。潤滑油はエマルジョ
ンタイプ及びソリューションタイプの水溶性潤滑油、一
般の鉱物油、合成油などが用いられる。
【0011】
【作用】DI加工で発生した内部応力は洗浄や塗装工程
の各乾燥炉による加熱でかなり除去されるが、従来のも
のでは充分ではない。内部応力が残存しているとネッキ
ングやフランジング工程でしわの発生や割れの原因とな
る。特に最近の薄肉化の傾向によりこの問題が大きくな
りつつある。内部応力が除去されるときの主な駆動力
は、内部応力の大きさと加熱温度である。洗浄や塗装工
程での加熱条件を一定とすると駆動力は内部応力の大き
さにより決まる。内部応力の除去はいわゆる回復現象で
あるが、缶胴部の洗浄や塗装工程の乾燥炉による加熱
(通常150℃〜250℃)では内部応力を大きくし
て、その除去の駆動力を大きくした方が加熱後の残留応
力が小さくなる。
の各乾燥炉による加熱でかなり除去されるが、従来のも
のでは充分ではない。内部応力が残存しているとネッキ
ングやフランジング工程でしわの発生や割れの原因とな
る。特に最近の薄肉化の傾向によりこの問題が大きくな
りつつある。内部応力が除去されるときの主な駆動力
は、内部応力の大きさと加熱温度である。洗浄や塗装工
程での加熱条件を一定とすると駆動力は内部応力の大き
さにより決まる。内部応力の除去はいわゆる回復現象で
あるが、缶胴部の洗浄や塗装工程の乾燥炉による加熱
(通常150℃〜250℃)では内部応力を大きくし
て、その除去の駆動力を大きくした方が加熱後の残留応
力が小さくなる。
【0012】本発明はこの現象に基づき加熱前の内部応
力を大きくするため、1枚のダイスによるしごき率を高
くしたものである。しごき率の高いダイスをしごきの最
後のダイスとすることが好ましいのは、途中の高いしご
き率で発生した大きな内部応力が、その後のしごき加工
で発生する熱によって回復現象が起こり、内部応力が減
少することがあるのでこれを避けるためである。また最
後のしごきダイスのしごき率を低くすると外観不良が生
じ易い。
力を大きくするため、1枚のダイスによるしごき率を高
くしたものである。しごき率の高いダイスをしごきの最
後のダイスとすることが好ましいのは、途中の高いしご
き率で発生した大きな内部応力が、その後のしごき加工
で発生する熱によって回復現象が起こり、内部応力が減
少することがあるのでこれを避けるためである。また最
後のしごきダイスのしごき率を低くすると外観不良が生
じ易い。
【0013】以下実施例により具体的に説明する。
[実施例1] しごきダイスを3枚とした実施例 アルミニウム合金板JISA3004−H19、板厚
0.30mmを用いて、通常の方法によりカップを成形
し、これを図2の装置により従来の加工方法及び本発明
による加工方法により350ml用缶胴を作製した。最
終のしごき後の缶胴の側壁部8cの肉厚は0.11mm
とした。従って全体のしごき率は63%((0.30−
0.11)/0.30)となる。ネッキング部8bは加
工性の評価を行なうため板厚を0.168mmと一定に
した。この缶胴をトリミング、洗浄、塗装、200℃×
20分のベーング処理後、4段のダイネッキングを施し
フランジ加工性評価のための試験サンプルとした。フラ
ンジ成形法の試験方法としては、ネッキングされた缶胴
の開口端に頂角75°の円錐台形の工具を押し込み、開
口端部が破断したときの半径方向の拡がり量を測定し
た。その結果を表1に示す。表においてNo.1〜4は
本発明の方法によるDI加工法であり、全体のしごき率
は同じとし、最後のしごきダイスによるしごき率を40
%以上とした。No.5、6は従来法によるDI加工法
であり、各ダイスのしごき率はいずれも40%未満であ
る。開口端部の半径方向拡がり量すなわちフランジ成形
性は、従来よりも本発明法が優れていることがわかる。
本発明法によれば、ネッキングしわの発生もなかった。
0.30mmを用いて、通常の方法によりカップを成形
し、これを図2の装置により従来の加工方法及び本発明
による加工方法により350ml用缶胴を作製した。最
終のしごき後の缶胴の側壁部8cの肉厚は0.11mm
とした。従って全体のしごき率は63%((0.30−
0.11)/0.30)となる。ネッキング部8bは加
工性の評価を行なうため板厚を0.168mmと一定に
した。この缶胴をトリミング、洗浄、塗装、200℃×
20分のベーング処理後、4段のダイネッキングを施し
フランジ加工性評価のための試験サンプルとした。フラ
ンジ成形法の試験方法としては、ネッキングされた缶胴
の開口端に頂角75°の円錐台形の工具を押し込み、開
口端部が破断したときの半径方向の拡がり量を測定し
た。その結果を表1に示す。表においてNo.1〜4は
本発明の方法によるDI加工法であり、全体のしごき率
は同じとし、最後のしごきダイスによるしごき率を40
%以上とした。No.5、6は従来法によるDI加工法
であり、各ダイスのしごき率はいずれも40%未満であ
る。開口端部の半径方向拡がり量すなわちフランジ成形
性は、従来よりも本発明法が優れていることがわかる。
本発明法によれば、ネッキングしわの発生もなかった。
【0014】
【表1】
【0015】[実施例2] しごきダイスを2枚とした実施例 しごき加工を図1の装置による他は実施例1と同様にし
て缶胴を作製し、加工性の評価を行なった。その結果を
表2に示す。表においてNo.1、2、3が本発明によ
るDI加工法であり、しごき加工を2回とし2回目のし
ごき加工のしごき率を40%以上とした。No.4、5
は従来の方法によるDI加工法であり、3回のしごき加
工を行ない個々のしごき率はいずれも40%未満の値で
ある。そして全体のしごき率はすべて同じになるよう調
整した。本発明の方法によれば、開口端部の半径方向拡
がり量すなわちフランジ成形性が従来よりも優れている
ことがわかる。また本発明法によれば、ネッキングしわ
の発生もなかった。
て缶胴を作製し、加工性の評価を行なった。その結果を
表2に示す。表においてNo.1、2、3が本発明によ
るDI加工法であり、しごき加工を2回とし2回目のし
ごき加工のしごき率を40%以上とした。No.4、5
は従来の方法によるDI加工法であり、3回のしごき加
工を行ない個々のしごき率はいずれも40%未満の値で
ある。そして全体のしごき率はすべて同じになるよう調
整した。本発明の方法によれば、開口端部の半径方向拡
がり量すなわちフランジ成形性が従来よりも優れている
ことがわかる。また本発明法によれば、ネッキングしわ
の発生もなかった。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】本発明の方法によれば、DI加工におい
て少なくとも1回のしごき加工におけるしごき率を40
%以上、全体のしごき率を60%以上とすることによ
り、ネッキングしわやフランジ割れのない加工性に優れ
た2ピース缶用缶胴が得られる。また従来に較べダイス
の数を少なくできるので経済的である。ダイスが少ない
分だけツールボックスを小さくすることができるので、
加工装置のストローク長さを短くすることができる。こ
れにより精度よく加工装置の運転の回転数を上げること
ができるので生産性も向上する。
て少なくとも1回のしごき加工におけるしごき率を40
%以上、全体のしごき率を60%以上とすることによ
り、ネッキングしわやフランジ割れのない加工性に優れ
た2ピース缶用缶胴が得られる。また従来に較べダイス
の数を少なくできるので経済的である。ダイスが少ない
分だけツールボックスを小さくすることができるので、
加工装置のストローク長さを短くすることができる。こ
れにより精度よく加工装置の運転の回転数を上げること
ができるので生産性も向上する。
【図1】本発明の一実施例を示すDI加工装置の要部の
断面図。
断面図。
【図2】一般的なDI加工装置の要部の断面図。
【図3】成形されたカップ(7−7)のDI加工にとも
なう変形過程を示す断面図。
なう変形過程を示す断面図。
【図4】DI加工による缶胴製品の断面図。
1 再絞りダイス 1a 貫通孔 2 しごきダイス 2a 貫通孔 3 しごきダイス 3a 貫通孔 4 しごきダイス 4a 貫通孔 5 パンチスリーブ 6 カップホルダースリーブ 7 カップ 8A 再絞り加工後のカップ 8 しごき加工後の缶胴 8a 底部 8b ネッキング部 8c 側壁部 9 ドーム成形後の缶胴 9a ドーム部 9b ネッキング部 9c 側壁部 10 缶胴製品 11 ドーム成形金型 12 ツールボックス
Claims (6)
- 【請求項1】 アルミニウム合金DI缶の製造法におい
て、しごき加工における少なくとも1回のしごき率を4
0%以上、全体のしごき率を60%以上とすることを特
徴とするネッキング及びフランジング加工性に優れたア
ルミニウム合金DI缶の製造法。 - 【請求項2】 少なくとも1回のしごき率を40%以
上、50%以下とする請求項1に記載のアルミニウム合
金DI缶の製造法。 - 【請求項3】 複数のしごき加工における最後のしごき
ダイスによるしごき率を40%以上とする請求項1又は
2に記載のアルミニウム合金DI缶の製造法。 - 【請求項4】 しごきダイスを2枚とし、その少なくと
も一方のダイスによるしごき率を40%以上とする請求
項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム合金DI缶の
製造法。 - 【請求項5】 アルミニウム合金DI缶の製造装置であ
って、1枚の再絞りダイスと2枚のしごきダイスがツー
ルボックスに収納固定され、該しごきダイスの少なくと
も一方のしごきダイスのしごき率が40%以上に構成さ
れてなるアルミニウム合金DI缶の製造装置。 - 【請求項6】 最後のしごきダイスのしごき率が40%
以上である請求項5に記載のアルミニウム合金DI缶の
製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6268213A JPH08108235A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金di缶の製造法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6268213A JPH08108235A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金di缶の製造法及びその装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08108235A true JPH08108235A (ja) | 1996-04-30 |
Family
ID=17455492
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6268213A Pending JPH08108235A (ja) | 1994-10-06 | 1994-10-06 | アルミニウム合金di缶の製造法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08108235A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061968A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Showa Aluminum Kan Kk | Di缶の製造方法及びその製造法で製造したdi缶 |
CN103736854A (zh) * | 2013-12-25 | 2014-04-23 | 惠州安特科技工业有限公司 | 一种熨薄模具结构 |
JP2017523920A (ja) * | 2014-05-30 | 2017-08-24 | アンハイザー−ブッシュ リミテッド ライアビリティ カンパニーAnheuser−Busch,Llc | 長尺ボトル形金属容器を成形するための二段しごきツールパック |
-
1994
- 1994-10-06 JP JP6268213A patent/JPH08108235A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006061968A (ja) * | 2004-08-30 | 2006-03-09 | Showa Aluminum Kan Kk | Di缶の製造方法及びその製造法で製造したdi缶 |
CN103736854A (zh) * | 2013-12-25 | 2014-04-23 | 惠州安特科技工业有限公司 | 一种熨薄模具结构 |
JP2017523920A (ja) * | 2014-05-30 | 2017-08-24 | アンハイザー−ブッシュ リミテッド ライアビリティ カンパニーAnheuser−Busch,Llc | 長尺ボトル形金属容器を成形するための二段しごきツールパック |
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