[go: up one dir, main page]

JPH08100308A - 乳房カップ - Google Patents

乳房カップ

Info

Publication number
JPH08100308A
JPH08100308A JP23268294A JP23268294A JPH08100308A JP H08100308 A JPH08100308 A JP H08100308A JP 23268294 A JP23268294 A JP 23268294A JP 23268294 A JP23268294 A JP 23268294A JP H08100308 A JPH08100308 A JP H08100308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cup
breast
breast cup
reinforcing portion
reinforcing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP23268294A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2856678B2 (ja
Inventor
Katsuko Horii
克子 堀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Wacoal Corp
Original Assignee
Wacoal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Wacoal Corp filed Critical Wacoal Corp
Priority to JP23268294A priority Critical patent/JP2856678B2/ja
Publication of JPH08100308A publication Critical patent/JPH08100308A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2856678B2 publication Critical patent/JP2856678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Undergarments, Swaddling Clothes, Handkerchiefs Or Underwear Materials (AREA)
  • Corsets Or Brassieres (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 乳房の揺れを少なくし、ずり上がりやずり下
がり、着崩れなどの生じにくい、着用感の低下の少ない
女性衣類用の乳房カップを提供する。 【構成】 乳房カップのくり上の前中心側の上方端部分
から、乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切
り、乳房カップの脇側上辺9まで達している補強部分
(a)と、その下側の縁の一部に一体的に連結されてい
て補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からスター
トして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカップ下
部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯状の
補強部分を有し、前記補強部分(a)41の長手方向の
長さが7/8cである乳房カップを具備するブラジャ
ー。(ただし、cは乳房カップを水平な仮想線(B)で
切断したと仮定した場合に、カップ上でカップ渡りの最
も長くなる部分のカップ渡り長を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、女性用衣類の乳房カッ
プに関するものである。特に本発明は、着用者の乳房の
揺れを抑制した女性用衣類の乳房カップに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、乳房カップを有する女性用衣
類、具体的には、例えばブラジャー、ロングラインブラ
ジャー、ビスチエ、ボディスーツ、スリーインワン、ブ
ラテディ、ブラキャミソールあるいはブラスリップなど
の乳房カップを有するファンデーション類や水着あるい
はレオタードなどの衣類は、着用者の乳房に当てがわれ
る膨らみのある乳房カップを有しており、これらの乳房
カップを有する衣類は、女性用の被服として広く普及し
ている。
【0003】乳房カップを有する従来の女性用衣類の代
表例としてブラジャーを例にとって説明する。図25
に、従来より知られている3枚接ぎと称するタイプの乳
房カップを有するブラジャーの一例の斜視図を示した。
【0004】この例の場合には乳房カップ241が、カ
ップの前中心側のくりからカップの膨らみの頂点部近傍
を通りカップの脇側のくりに達する接ぎライン245と
カップの膨らみの頂点部近傍からほぼ下方向に伸びてカ
ップの下辺のくりに達する接ぎライン246の部分で、
上カップ部片242と下前側カップ部片243と下脇側
カップ部片244の合計3枚の部片がカップに膨らみが
出るように接ぎ合わされて構成されている。尚、カップ
のくりとは、249で示したカップほぼ下半分のほぼ半
円状のカップの縁を意味する。このカップのくりのとこ
ろで衣類の本体である生地、この場合はブラジャーの土
台布248に縫合されてブラジャーが形成されている。
この様に3枚の部片が接ぎ合わされて構成されているカ
ップを3枚接ぎタイプと称する。そのほか接ぎラインが
245の一本だけの2枚接ぎのカップも従来より良く用
いられている。図示していないが、これらの乳房カップ
は必要に応じて通常比較的薄地の織物、編物ないしはレ
ースなどからなる表カップが更に設けられたり、あるい
は必要に応じて裏カバー布などが設けられた2枚重ねや
3枚重ねの構造のものも存在する。また、乳房の形状を
整えるため、金属や合成樹脂、繊維強化合成樹脂などの
カップワイヤーが乳房カップのくりに沿った部分に取り
付けられているものもある。
【0005】ところで従来のブラジャーその他の乳房カ
ップを有する衣類の乳房カップについては、種々提案さ
れているが、最も多く見られる提案は、乳房の形を補整
して美しいバスト形状を実現し得る乳房カップについて
のものが多く、運動などによる乳房の揺れを少なくする
ための乳房カップについてはあまり考慮が払われていな
いのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】乳房カップを有する女
性用衣類において、前述したブラジャーの様な従来の乳
房カップを具備した女性用衣類の場合には、通常の日常
の動作を行う場合にはそれ程問題にならないが、走った
り、運動したりする場合には、乳房が上下に揺れたり、
左右に揺れると言う問題があり、女性にとっては、かか
る乳房の揺れは非常に気になり、できるだけ防止したい
と言う願望がある。また、スポーツを行う場合には乳房
の揺れがスポーツの動作のより正確な動きに不利な影響
を与える場合があり、特に乳房のボリュームの大きい人
はこの影響が大きいと感じている人が多い。また、乳房
の揺れが気になって、スポーツのプレイに集中できない
と言った問題もあり、また、衣類の乳房カップ近傍がず
り上がったり、ずり下がったり、特に上下動が激しい動
きをした場合には、乳房がカップの上辺から上にはみ出
してしまい、着崩れが生ずると言う問題がある。更に例
えばマラソンやジョギングをする女性においては、スポ
ーツ時の乳房の揺れにより、乳首がウェアーと擦れて出
血したり、傷ついたり、特に激しい乳房の揺れが生じる
場合には、最悪の場合、揺れのため乳腺が切れたと言う
トラブルも報告されている。この様な乳房の揺れを防止
するには、カップ素材を強い布、例えば伸びのない腰の
ある布で構成することが考えられる。
【0007】しかし、乳房カップの大部分をこの様な強
い布で構成すると、かなり着用感が低下してしまうと言
う問題がある。 (1)本発明は、かかる従来の乳房カップの問題点に鑑
み、運動などを行った場合でも乳房の揺れを少なくし、
衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩
れなどの生じにくい、しかも着用感の低下の少ない女性
用衣類に用いられる乳房カップを提供することを目的と
するものである。
【0008】また、そのほか後述する本発明の各好まし
い態様に於いては、前記目的のほかにそれぞれ更に次の
ような目的を有する。 (2)すなわち、更に本発明は、乳房カップの上辺に沿
う部分の近傍を補強して安定させることにより、しっか
りと乳房を保持でき、より乳房の揺れを少なくし、衣類
の乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れな
どの生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提
供することを目的とするものである。
【0009】(3)また、更に、本発明の別の目的は、
よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下への揺れを
より一層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上がり
やずり下がり、着崩れなどがより生じにくい女性用衣類
に用いられる乳房カップを提供することにある。
【0010】(4)また、更に、本発明の別の目的は、
よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下方向ならび
に左右方向への揺れをより一層少なくし、衣類の乳房カ
ップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどがより
生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提供す
ることにある。
【0011】(5)また、更に、本発明の別の目的は、
よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下方向への揺
れをより一層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上
がりやずり下がり、着崩れなどがより生じにくく、しか
も比較的構造が簡単で、着用感の低下がより少なく、比
較的安価に製造し得る女性用衣類に用いられる乳房カッ
プを提供することにある。
【0012】(6)また、更に本発明の別の目的は、更
に一層しっかりと乳房を保持でき、乳房の上下方向なら
びに左右方向への揺れをより一層少なくし、衣類の乳房
カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどがよ
り生じにくく、しかも比較的構造が簡単で、着用感の低
下がより少なく、比較的安価に製造し得る女性用衣類に
用いられる乳房カップを提供することにある。
【0013】(7)また、更に本発明の別の目的は、不
必要に乳房を圧迫し過ぎる事がなく、従ってあまり着用
感を低下させずに乳房の揺れ防止機能を確実に発揮し得
る女性用衣類に用いられる乳房カップを提供することに
ある。
【0014】(8)また、更に本発明の別の目的は、よ
り一段と乳房の保持機能が強化され、安定した乳房揺れ
防止機能を有する女性用衣類に用いられる乳房カップを
提供することにある。
【0015】(9)また、更に本発明の別の目的は、補
強部分に用いられる補強材が、通常よく用いられる素材
からなり使用しやすく、通常の衣類製造用のミシンで縫
着可能であり、補強部分としての必要な強度は容易に得
られ、しかも比較的柔軟で着用感の低下がより少なく、
かつ乳房の揺れを少なくし、着崩れなどの生じにくい女
性用衣類に用いられる乳房カップを提供することにあ
る。
【0016】(10)また、更に本発明の別の目的は、
より一段と乳房の保持機能が強化され、より安定した乳
房揺れ防止機能を有する女性用衣類に用いられる乳房カ
ップを提供することにある。
【0017】(11)また、更に本発明の別の目的は、
前記乳房揺れ防止機能をより有効に利用し得る女性用衣
類に用いられる乳房カップを提供することにある。 (12)また、更に本発明の別の目的は、前記乳房揺れ
防止機能をより有効に利用し得る特定の女性用衣類に用
いられる乳房カップを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明の女性用衣類に用いられる乳房カップは次の
構成を有するものである。
【0019】(1)女性用衣類に用いられる乳房カップ
に於いて、乳房カップの膨らみの頂点を通る水平な仮想
線(A)で前記乳房カップをカップ上部分とカップ下部
分に分けた場合、カップ上部分をほぼ横切る方向にほぼ
帯状の補強部分(a)を有し、更に、前記補強部分
(a)に連結されていて前記水平な仮想線(A)を越え
てカップ下部分に至るほぼ下方に向かって伸びるほぼ帯
状の補強部分(b)とを有し、前記補強部分(a)の長
手方向の長さが1/3c以上(ただし、cは乳房カップ
を水平な仮想線(B)で切断したと仮定した場合に、カ
ップ上でカップ渡りの最も長くなる部分のカップ渡り長
を表す。)であることを特徴とする乳房カップ。
【0020】(2)補強部分(a)がほぼ乳房カップの
上辺に沿う部分近傍に位置する補強部分である前記
(1)項に記載の乳房カップ。 (3)補強部分(a)が乳房カップのくり上でその前中
心側の上方部分から、カップ上部分を横切り、乳房カッ
プの脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でその脇側の
上方部分まで達している補強部分である前記(1)項ま
たは(2)項のいずれかに記載の乳房カップ。
【0021】(4)補強部分(b)が乳房カップの膨ら
みの頂点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達し
ている補強部分である前記(1)〜(3)項のいずれか
に記載の乳房カップ。
【0022】(5)補強部分(b)が乳房カップの膨ら
みの頂点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達し
ている1本のほぼ帯状の補強部分である前記(1)〜
(3)項のいずれかに記載の乳房カップ。
【0023】(6)補強部分(a)が乳房カップのくり
上でその前中心側の上方部分から、カップ上部分を横切
り、乳房カップの脇側上辺もしくは乳房カップのくり上
でその脇側の上方部分まで達している補強部分(a)で
あり、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通
ってカップ下部分の下辺のくりまで到達している1本の
ほぼ帯状の補強部分(b)である前記(1)項に記載の
乳房カップ。
【0024】(7)補強部分(a)と補強部分(b)の
合計の面積が乳房カップの面積の15〜50%である前
記(1)〜(6)項のいずれかに記載の乳房カップ。 (8)補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強さ
れた部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない
部分の伸度の2/3以下である前記(1)〜(7)項の
いずれかに記載の乳房カップ。
【0025】(9)補強部分(a)ならびに補強部分
(b)に用いられる補強材が、編物、織物、樹脂処理さ
れた編物または織物から選ばれた素材からなる補強材で
ある前記(1)〜(8)項のいずれかに記載の乳房カッ
プ。
【0026】(10)乳房カップがカップのくりに沿っ
た部分にカップワイヤーが取り付けられる衣類のための
乳房カップである前記(1)〜(9)項のいずれかに記
載の乳房カップ。
【0027】(11)女性用衣類が乳房カップを有する
ファンデーション類、水着またはレオタードから選ばれ
た女性用衣類である前記(1)〜(10)項のいずれか
に記載の乳房カップ。
【0028】(12)乳房カップを有するファンデーシ
ョン類がブラジャーまたはボディスーツである前記(1
1)項に記載の乳房カップ。
【0029】
【作用】
(1)本発明の乳房カップは、乳房カップの膨らみの頂
点を通る水平な仮想線(A)で前記乳房カップをカップ
上部分とカップ下部分に分けた場合、カップ上部分をほ
ぼ横切る方向にほぼ帯状の補強部分(a)を有し、更
に、前記補強部分(a)に連結されていて前記水平な仮
想線(A)を越えてカップ下部分に至るほぼ下方に向か
って伸びるほぼ帯状の補強部分(b)とを有し、前記補
強部分(a)の長手方向の長さが1/3c以上(ただ
し、cは乳房カップを水平な仮想線(B)で切断したと
仮定した場合に、カップ上でカップ渡りの最も長くなる
部分のカップ渡り長を表す。)であるので、乳房カップ
上部分をほぼ横切る方向とカップ下部分に至るほぼ下方
に向かって伸びるほぼ帯状の補強部分が、しっかりと乳
房カップを補強して、乳房カップの伸びを抑え、その結
果乳房がしっかりとホールドされて安定し、補強部分
(a)と(b)とが連結されている事により乳房がほぼ
上下方向へ揺れたり、ほぼ左右方向へ揺れたりすること
を補強部分(a)と(b)との相互作用により抑制し、
衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩
れなどの生じにくい、しかも着用感の低下の少ない女性
用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0030】(2)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)がほぼ乳房カップの上辺に沿う部分
近傍に位置する補強部分である本発明の好ましい態様と
することにより、乳房カップの上辺に沿う部分の近傍を
補強して安定させることにより、しっかりと乳房を保持
でき、より乳房の揺れを少なくし、衣類の乳房カップ近
傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくい
女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0031】(3)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)が乳房カップのくり上でその前中心
側の上方部分から、カップ上部分を横切り、乳房カップ
の脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でその脇側の上
方部分まで達している補強部分である本発明の好ましい
態様とすることにより、補強部分(a)が乳房カップの
前中心側から脇側まで完全に横切っているので、よりし
っかりと乳房を保持でき、乳房の上下への揺れをより一
層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり
下がり、着崩れなどのより生じにくい女性用衣類に用い
られる乳房カップを提供し得る。
【0032】(4)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通っ
てカップ下部分の下辺のくりまで到達している補強部分
である本発明の好ましい態様とすることにより、補強部
分(b)がカップ上部分を横切る方向に延びている補強
部分(a)からスタートして乳房カップの膨らみの頂点
を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達しているの
で、よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下方向な
らびに左右方向への揺れをより一層少なくし、衣類の乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
より生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提
供し得る。
【0033】(5)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通っ
てカップ下部分の下辺のくりまで到達している1本のほ
ぼ帯状の補強部分である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、前記(4)で説明したと同様の作用により、
ほぼ同様の機能が補強部分(b)としては1本のほぼ帯
状の補強部分(b)により達成し得るので、乳房を圧迫
する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより少な
く、しかも補強部分(b)としては1本なので比較的構
造が簡単で比較的安価に製造でき、また補強部分(b)
が乳房をほぼ縦方向に2分する形に延在するので、乳房
のボリュームに対しバランス良く補強できる女性用衣類
に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0034】(6)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)が乳房カップのくり上でその前中心
側の上方部分から、カップ上部分を横切り、乳房カップ
の脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でその脇側の上
方部分まで達している補強部分(a)であり、補強部分
(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通ってカップ下部
分の下辺のくりまで到達している1本のほぼ帯状の補強
部分(b)である本発明の好ましい態様とすることによ
り、前記(3)〜(5)で説明した作用が同時に作用し
て前記(3)〜(5)で説明した機能が同時に発揮され
る事になり、従って、更に一層しっかりと乳房を保持で
き、乳房の上下方向ならびに左右方向への揺れをより一
層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり
下がり、着崩れなどがより生じにくく、しかも比較的構
造が簡単で、着用感の低下がより少なく、比較的安価に
製造し得る女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し
得る。
【0035】(7)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳
房カップの面積の15〜50%である本発明の好ましい
態様とすることにより、補強部分の面積が必要以上に大
き過ぎたり、あるいは少な過ぎたりすることがないの
で、不必要に乳房を圧迫し過ぎる事がなく、また、補強
力が弱すぎることもなく、従ってあまり着用感を低下さ
せずに乳房の揺れ防止機能を確実に発揮し得る女性用衣
類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0036】(8)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強され
た部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない部
分の伸度の2/3以下である本発明の好ましい態様とす
ることにより、補強された部分の伸度がかなり小さくさ
れているので、より一段と乳房の保持機能が強化され、
安定した乳房揺れ防止機能を有する女性用衣類に用いら
れる乳房カップを提供し得る。
【0037】(9)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)ならびに補強部分(b)に用いられ
る補強材が、編物、織物、樹脂処理された編物または織
物から選ばれた素材からなる補強材である本発明の好ま
しい態様とすることにより、これらの素材は衣類に於い
ては通常よく用いられる素材で使用しやすく、通常の衣
類製造用のミシンで縫着可能であり、補強部分としての
必要な強度は容易に得られ、比較的柔軟で着用感の低下
がより少なく、かつ乳房の揺れを少なくし、着崩れなど
の生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提供
し得る。
【0038】(10)また、本発明の乳房カップに於い
て、乳房カップがカップのくりに沿った部分にカップワ
イヤーが取り付けられる衣類のための乳房カップである
本発明の好ましい態様とすることにより、カップ上部分
は主として補強部分(a)でまたカップ下部分は主とし
てカップワイヤーで補強され、この両者の間にカップ上
部分からカップ下部分に向かって延びている補強部分
(b)が存在するので、カップ上下その中間部分で乳房
保持機能が発揮され、より一段と乳房の保持機能が強化
され、より安定した乳房揺れ防止機能を有する女性用衣
類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0039】(11)また、本発明の乳房カップに於い
て、女性用衣類が乳房カップを有するファンデーション
類、水着またはレオタードから選ばれた女性用衣類であ
る本発明の好ましい態様とすることにより、ファンデー
ション類や水着、レオタードは女性の体形補整機能が要
求されかつ体形補正機能が発揮されやすい比較的肌に近
いかまたは直接肌に接して着用される衣類であるので、
本発明の乳房カップがこれらの衣類用の乳房カップとし
て使用される場合には、乳房を本発明の乳房カップで直
接的に保持しやすく、従って前述した前記乳房揺れ防止
機能をより有効に利用し得る女性用衣類に用いられる乳
房カップを提供し得る。
【0040】(12)また、本発明の乳房カップに於い
て、乳房カップを有するファンデーション類がブラジャ
ーまたはボディスーツである本発明の好ましい態様とす
ることにより、ファンデーション類のうちでも特にブラ
ジャーまたはボディスーツは女性の乳房の形を補整する
機能がより重要視される衣類であり、しかも直接肌に接
して着用される衣類であるので、本発明の乳房カップが
これらの衣類用の乳房カップとして使用される場合に
は、前記乳房揺れ防止機能をより有効に利用し得る特定
の女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0041】なお、本発明においてブラジャーとは、通
常の概念のブラジャーは元より、ロングラインブラジャ
ーやビスチエも含む概念で使用している。
【0042】
【実施例】以下、本発明の理解を容易にするために、図
面を参照しながら、本発明の女性用衣類の乳房カップの
構造についてその応用例としてブラジャーを初めとして
幾つかの例を挙げてより具体的に説明するが、本発明は
この実施例のもののみに限定されるものではなく、ま
た、例えば、実施例に挙げたもののほか、ビスチエ、ス
リーインワン、ブラテディ、ブラキャミソールあるいは
ブラスリップなどの乳房カップを有するファンデーショ
ン類のみならず、他の各種の乳房カップを有する女性用
の衣類の乳房カップとしても同様に適用できることは容
易に理解されるところである。
【0043】図1は本発明に用いる用語を説明するため
の乳房カップを具備したブラジャーの斜視図であり、乳
房カップを有する女性用衣類の代表例としてブラジャー
を取上げて説明したものであり、他の女性用衣類の乳房
カップについてもほぼ同様である。
【0044】図1において1が乳房カップであり、乳房
カップの膨らみの頂点を11とすると、乳房カップの膨
らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)は10で示さ
れている。この乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線10で前記乳房カップを上下に分けたと仮定
した場合、本発明に於てはこの仮想線10より上側の乳
房カップの部分を「カップ上部分」と名付け(この場合
は符号2で示されている)、また、この仮想線10より
下側の乳房カップの部分を「カップ下部分」と名付けた
(この場合は符号3で示されている)。また、4は乳房
カップのくりであり、B−C−D−Eを通るラインで示
されている。本発明で言及した乳房カップのくり上でそ
の前中心側の部分とは、その文言の通り乳房カップのく
り上でその前中心側の部分を示しており、厳密な境界が
あるわけではないが、例えば強いて図示をするとすれば
ほぼB−Cのラインで示される5で示された部分であ
る。したがって「乳房カップのくり上でその前中心側の
上方部分」とは5で示された部分の内B点に近い方の部
分と言うことである。また、「カップ下部分の下辺のく
り」の「下辺のくり」とは乳房カップのくり4の下側部
分を指すものであり、厳密な境界があるわけではない
が、例えば強いて図示をするとすればほぼC−Dのライ
ンで示される6で示された部分である。また、「乳房カ
ップのくり上でその脇側」とはその文言の通り乳房カッ
プのくり上でその脇側の部分を示しており、厳密な境界
があるわけではないが、例えば強いて図示をするとすれ
ばほぼD−Eのラインで示される7で示された部分であ
る。したがって「乳房カップのくり上でその脇側の上方
部分」とは7で示された部分の内E点に近い方の部分と
言うことである。また、乳房カップの上辺8とは、A−
Bのラインで示される部分であり、乳房カップの脇側上
辺9とはF−Eのラインで示される部分である。以上の
各部分の実際の位置や形は衣類の種類によっても多少変
化するし、例えば衣類が同じブラジャーと言う範疇のも
のであってもブラジャーの形状の変化(例えば、フルカ
ップタイプのブラジャーとか、3/4カップや1/2カ
ップタイプのブラジャーとか、あるいはノンワイヤータ
イプのブラジャなど)に応じて変化するので、図1で説
明したものはその代表例として説明したものである。
尚、図1に於いて、12は土台布を示している。
【0045】また、「補強部分(a)の長手方向の長さ
が1/3c以上」と言う場合の、cは乳房カップを水平
な仮想線(B)で切断したと仮定した場合に、カップ上
でカップ渡りの最も長くなる部分のカップ渡り長を表す
ものであるが、図2および図3を用いてこの点について
説明する。図2は本発明に用いる用語を説明するための
乳房カップを具備した図1と同様のブラジャーの斜視図
であり、プラジャーは乳房カップを有する女性用衣類の
代表例として取上げたものであり、他の女性用衣類の乳
房カップについてもほぼ同様である。乳房カップを水平
な仮想線(B)21で切断したと仮定した場合に、その
断面の端面形状は通常図3の様な形になって現われる。
図3のK−L−Mの長さが最も長くなる様な位置で図2
の乳房カップを水平な仮想線(B)21で切断し、それ
に対応する図3のK−L−Mの長さをここではカップ渡
りの最も長くなる部分のカップ渡り長と言う。したがっ
て「水平な仮想線(B)」の位置は、図3のK−L−M
の長さが最も長くなるような位置を選ぶ必要がある。こ
れは乳房カップの形状によって異なるのでそれぞれの乳
房カップに応じて決定されるものであるが、テープ状の
メジャーを用いて乳房カップの上にあてがって何箇所か
を測定すればどの部分が最も長いかは容易に知ることが
できる。即ち、いちいち乳房カップを水平な仮想線
(B)で切断しなくとも容易にその長さを知ることは可
能である。勿論、実際に仮想線(B)で切断して測定し
ても良い。尚、図3は乳房カップを水平な仮想線(B)
で切断したと仮定した場合の断面の端面形状を示す概念
図である。
【0046】また、補強部分(a)の「カップ上部分を
ほぼ横切る方向」とは衣類のカップ上部分における水平
方向のみを意味するものでなく、着用者人体左側の乳房
にあてがわれるカップを例にとって説明するならば、図
4に示した矢印31がカップ上部分をほぼ水平に横切る
方向であるとすると、水平方向矢印31よりほぼ角度6
0度程度までの範囲で斜め上方に向かう方向(つまり矢
印31から矢印32までの間の角度で示される方向)
や、水平方向矢印31よりほぼ角度30度程度までの範
囲で斜め下方に向かう方向(つまり矢印31から矢印3
3までの間の角度で示される方向)の如く、ある程度斜
め方向に向いていても横切る方向の範疇に入ることを意
味する。すなわち本発明の目的が達成される限り、カッ
プ上部分をほぼ横切る方向とは水平方向に限られるもの
ではない。尚、図4はカップ上部分をほぼ横切る方向の
方向を説明するための概念図である。
【0047】また、「カップ上部分をほぼ横切る」と
は、カップ上部分の一方の縁から他方の縁まで完全に横
切っているもののみを意味するものではなく、いずれか
一方または両方の縁にまで到達していないような部分的
に横切っているものも含む意味である。また、補強部分
(a)の一部が乳房カップの膨らみの頂点を通る水平な
仮想線(A)の下側に多少はみ出していても、本発明の
目的を達成できる限り何等差し支えないものであり、補
強部分(a)の一部が仮想線(A)の下側にはみ出して
いる場合には、例えば仮想線(A)の下側にはみ出して
いる補強部分(a)の長手方向の長さが、補強部分
(a)の長手方向の全体の長さの1/3程度以下にして
おくことが好ましい。
【0048】次に、前述した補強部分(a)の長手方向
の長さはどの部分の長さを言うかであるが、これも補強
部分(a)の形状によって種々異なるが、代表的な例を
図5〜図9を用いて説明する。図5〜図9において乳房
カップの形状は図中の点線44と実線で示されている最
外周のラインで囲まれる部分である。いずれも着用者人
体左側の乳房にあてがわれるカップについて図示したも
のである。そして実線で囲まれた部分が補強部分を示し
ており、41が補強部分(a)、42が補強部分(b)
を示している。
【0049】図5や図6あるいは図7で示されている補
強部分(a)41はいずれもその左右方向の端部が尖っ
た端部でない場合、すなわち左右方向の端部がA−Bの
ラインやC−Dのラインの様な場合には、ラインA−B
の中点EとラインC−Dの中点Fとの間の直線距離、つ
まり一点鎖線43で示したラインE−Fの長さを補強部
分(a)の長手方向の長さとして採用するのが便利であ
る。この場合補強部分(a)がカップの形状に応じて立
体的に肌の反対側方向に盛り上がっている場合には、偏
平な板の上などで平らに伸ばした上でラインE−Fの長
さを測定するか、または盛り上がりに沿って測定すれば
良い。この点については他の態様の場合も同様である。
そこで、この一点鎖線43を補強部分(a)の長手方向
の長さ測定のための基準線として採用した。以下、一点
鎖線43は補強部分(a)の長手方向の長さ測定のため
の基準線を示している。
【0050】また、図8の様な補強部分(a)の左右方
向の端部がほぼ尖った端部形状をしている場合には、そ
の左右方向の先端部を結ぶ直線G−Hライン(一点鎖線
43で示した)の長さを補強部分(a)の長手方向の長
さとして採用するのが便利である。
【0051】また、図9の様な補強部分(a)の前中心
方向の端部の形状が尖っておらず、ラインA−Bで示さ
れる様な端部であり、脇側方向の端部Hがほぼ尖った端
部形状をしている場合には、ラインA−Bの中点Eと脇
側方向のほぼ尖った端部Hとを結ぶ直線E−Hライン
(一点鎖線43で示した)の長さを補強部分(a)の長
手方向の長さとして採用するのが便利である。
【0052】そして、本発明においては、前記補強部分
(a)の長手方向の長さは1/3c以上であることが必
要であり、1/2c以上であることが好ましい。補強部
分(a)の長手方向の長さが1/3cより小さい場合に
は、乳房をしっかり保持することが困難になり、したが
って乳房の揺れ防止機能を十分発揮することが困難とな
り、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、
着崩れなどを防止することが困難となる。
【0053】尚、本発明の乳房カップに於いて、補強部
分(a)は乳房カップのくり上でその前中心側の上方部
分から、カップ上部分を横切り、乳房カップの脇側上辺
もしくは乳房カップのくり上でその脇側の上方部分まで
達しているようないわゆるカップの一方の縁から他方の
縁まで横切っていることが好ましく、補強部分(a)が
乳房カップの前中心側から脇側まで完全に横切っている
ので、よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下への
揺れをより一層少なく出来、また乳房の上方へのはみ出
しなどもより防止しやすくなる。
【0054】また、補強部分(a)はほぼ乳房カップの
上辺に沿う部分近傍に位置することが好ましく、この様
に乳房カップの上辺に沿う部分の近傍を補強して安定さ
せることにより、しっかりと乳房を保持でき、より乳房
の揺れを少なくし、乳房の上方へのはみ出しなどもより
防止しやすくなり、衣類の乳房カップ近傍のずり上がり
やずり下がり、着崩れなどの生じにくい乳房カップを提
供し得る。
【0055】また、本発明の乳房カップに於いて、補強
部分(b)は前記補強部分(a)に連結されていて前記
水平な仮想線(A)を越えてカップ下部分に至るほぼ下
方に向かって伸びていればよい。したがって補強部分
(b)は1本のみに限られるものではなく補強部分
(a)からほぼ下方に向かって複数本伸びていてもよ
い。また、補強部分(b)は必ずしもカップの下辺のく
りまで到達している必要はなく、上述した様に水平な仮
想線(A)を越えてカップ下部分に至るほぼ下方に向か
って伸びているものであればよい。
【0056】中でも、補強部分(b)は乳房カップの膨
らみの頂点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達
していることが好ましく、補強部分(b)がカップ上部
分を横切る方向に延びている補強部分(a)からスター
トして乳房カップの膨らみの頂点を通ってカップ下部分
の下辺のくりまで到達していることにより、よりしっか
りと乳房を保持でき、乳房の上下方向ならびに左右方向
への揺れをより一層少なくし、衣類の乳房カップ近傍の
ずり上がりやずり下がり、着崩れなどのより生じにくい
乳房カップを提供し得る。この場合補強部分(b)を1
本のほぼ帯状の補強部分で構成することにより、乳房を
圧迫する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより少
なくなり、しかも比較的構造が簡単になるので、製造コ
ストを安価にし得る点でも好ましい。
【0057】そして特に、補強部分(a)を乳房カップ
のくり上でその前中心側の上方部分から、カップ上部分
を横切り、乳房カップの脇側上辺もしくは乳房カップの
くり上でその脇側の上方部分まで達している補強部分
(a)とし、補強部分(b)を乳房カップの膨らみの頂
点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達している
1本のほぼ帯状の補強部分(b)とすることが好まし
く、この様に上述した好ましい態様の2つ以上をを同時
に満足させる態様とすることにより、更に一層しっかり
と乳房を保持でき、乳房の上下方向ならびに左右方向へ
の揺れをより一層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のず
り上がりやずり下がり、着崩れなどがより生じにくく、
しかも比較的構造が簡単で、着用感の低下がより少な
く、製造コストを安価にし得る乳房カップを提供できる
点で特に好ましい。
【0058】本発明の乳房カップに於いて、補強部分
(a)と補強部分(b)の合計の面積は、乳房カップの
面積の15〜50%、より好ましくは20〜40%であ
ることが、補強部分の面積が必要以上に大き過ぎたり、
あるいは少な過ぎたりすることがないので、不必要に乳
房を圧迫し過ぎる事がなく、また、補強力が弱すぎるこ
ともなく、従ってあまり着用感を低下させずに乳房の揺
れ防止機能を確実に発揮し得る点からも好ましい。
【0059】補強部分(a)と補強部分(b)の部分に
用いられる補強材としては、必ずしも伸びのない素材の
みに限定されるものではなく、伸びのある素材を用いて
も、補強されただけ、その分伸びが抑えられるので、伸
びを有する素材も用いることが出来る。特に乳房の揺れ
防止機能を強化したい場合には、伸びが小さいか、ほと
んど伸びのない素材を用いることが好ましい。着用者の
好みに応じて、特に着用感を重視する場合には伸びを有
する素材を用いてもよい。
【0060】補強材としては、編物、織物、樹脂処理さ
れた編物または織物、合成樹脂シート状物などが挙げら
れ、これらは通常乳房カップ本体にその少なくとも一部
が縫製されたり接着、熱接着などによって取り付けられ
る。そのほか乳房カップに樹脂含浸処理や樹脂溶液また
はエマルジョンの塗布、また樹脂フイルム状物やネット
状物、樹脂粉末などの熱融着処理によって補強部分を形
成したものなども補強部分として用いられる。これらの
内でも編物、織物、樹脂処理された編物または織物が補
強部分としての必要な強度は容易に得られ、且つ比較的
柔軟で着用感の低下がより少ないこと、またこれらの素
材は衣類においては通常よく用いられる素材で使用しや
すく、通常の衣類製造用のミシンで縫着可能であること
などからも好ましく用いられる。
【0061】特に好適に用いられる素材としてはマーキ
ゼット、チュールネットなどであり、これらは、比較的
薄い素材であり、乳房カップに積層しても余りその部分
の厚みが大きくならず、乳房カップの外観を低下させな
いうえに、着用感も低下しないし、また伸びがほとんど
ないので乳房の揺れ防止機能も大きく特に好ましい素材
である。しかし、これらに限られるものでなく、そのほ
か各種の編物、織物あるいはそれらの樹脂処理品などが
用い得る。
【0062】また、合成樹脂シート状物などを用いる場
合には合成樹脂としては柔軟性の点でアモルファス樹脂
が好ましく、アモルファス樹脂の中でもエラストマー樹
脂が好ましく用いられ、特にエラストマー樹脂は着用感
が余り低下せず、しかも編物や織物のようにミシンで縫
製することも可能なので好ましい。
【0063】前記アモルファス樹脂としては各種のアモ
ルファス樹脂を用いることが出来る。中でも、ショアA
硬度が35〜95のアモルファス樹脂が好ましく、この
範囲の硬度のアモルファス樹脂は着用感の低下が少なく
適度の柔軟性を有するとともに、乳房の揺れ防止に必要
な伸びの拘束力を有する点で好ましい。
【0064】アモルファス樹脂の具体例としては、例え
ば無定型のポリアミド系共重合樹脂、無定型のエチレン
−酢酸ビニル系共重合樹脂、無定型のオレフィン−スチ
レン系共重合樹脂、無定型のポリブチレンテレフタレー
ト系共重合樹脂、無定型のオレフィン系共重合樹脂等が
あげられるが、特にエラストマー樹脂が好ましく、各種
の化学架橋(いわゆる加硫されたタイプ)エラストマー
樹脂ならびに物理架橋エラストマー樹脂(いわゆる熱可
塑性エラストマー)などが好適に用いられる。
【0065】かかるエラストマー樹脂の種類としては、
例えば、ポリスチレン系エラストマー樹脂、ポリオレフ
ィン系エラストマー樹脂、ポリエステル系エラストマー
樹脂、ポリウレタン系エラストマー樹脂,ポリアミド系
エラストマー樹脂およびシリコーン系エラストマー樹脂
などが好ましいものの例である。また、補強部分(a)
と補強部分(b)の部分に用いられる補強材は、必ずし
も同一の補強材を用いる必要はなく補強部分(a)と補
強部分(b)とで適宜異なる種類の補強材を用いても良
い。また、補強部分(a)と補強部分(b)とはそれら
が一体に連なった継ぎ目のない連続した補強材で構成す
ることが好ましいが、必ずしも一体に形成される必要は
なく、補強部分(a)と補強部分(b)とが別々の補強
部材片から構成され、これらの補強部材片が縫製や接着
などにより連結されてもよいし、また、補強部分(a)
または補強部分(b)を構成する夫々の補強部材片が更
に再分割された小部片を縫製や接着などにより連結され
て補強部分(a)および(b)が形成されてもよい。
【0066】以上に説明したような補強部分を有する本
発明の乳房カップに於いては、特に限定されるものでは
ないが、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強
された部分の乳房カップの伸度が当該乳房カップの前記
補強部分のない部分の伸度の2/3以下、更により好ま
しくは1/2以下となるように補強材の素材の種類や、
厚さを選ぶことがより好ましく、この様にすることによ
り、補強された部分の伸度がかなり小さくされているの
で、より一段と乳房の保持機能が強化され、安定した乳
房揺れ防止機能を有する女性用衣類に用いられる乳房カ
ップを提供し得るので好ましい。尚、この場合、補強部
分(a)ならびに補強部分(b)で補強された部分
(X)の乳房カップの伸度と前記補強部分のない部分
(Y)の乳房カップの伸度とを比較する場合、伸度の測
定方法は、例えば下記の方法によるが、下記方法におい
て、試験片を乳房カップ製品から切り出した場合、各々
の試験片を定速伸長形引張試験機で伸ばす方向は、補強
部分(a)ならびに補強部分(b)で補強された部分
(X)の試験片の乳房カップ製品を基準とした伸長方向
と前記補強部分のない部分(Y)の試験片の乳房カップ
製品を基準とした伸長方向とはほぼ同一方向にして比較
すべきである。具体的に説明すると補強された部分
(X)の試験片の伸長方向が乳房カップ製品基準で例え
ば乳房カップ製品の横方向に相当する方向に伸ばして測
定される場合には、これと比較する補強部分のない部分
(Y)の試験片の伸長方向も乳房カップ製品の横方向に
相当する方向で伸ばして測定された伸度を比較すべきで
あり、補強された部分(X)の試験片の伸長方向が乳房
カップ製品の縦方向に相当する方向で伸ばして測定され
る場合には、これと比較する補強部分のない部分(Y)
の試験片の伸長方向も乳房カップ製品の縦方向に相当す
る方向で伸ばして測定された伸度の値を比較すべきであ
る。すなわち、一方の試験片の伸長方向が乳房カップ製
品の例えば横方向に相当する方向に伸ばして伸度を測定
し、これと比較する他方の試験片の伸長方向を乳房カッ
プ製品の縦方向に相当する方向で伸ばして測定した伸度
とを比較すべきではない。上述の様にいずれの試験片の
伸長方向も乳房カップ製品を基準とした場合の伸長方向
がほぼ同一方向であれば、その伸長方向は乳房カップ製
品を基準とした場合の縦方向あるいは横方向に限られる
ものではなく斜め方向など任意の方向でよい。これにと
もない、比較すべき試験片を乳房カップ製品から切り出
す場合に試験片を長方形または正方形に切り出すのであ
るが、相互に比較すべき試験片を切り出す方向も乳房カ
ップ製品を基準とした場合ほぼ同一方向に切り出すべき
であることは当然のこととなる。つまり、長方形に試験
片を切り出す場合には一方の試験片の長軸方向とそれと
比較すべき他方の試験片の長軸方向とは乳房カップ製品
を基準としてほぼ同一方向(即ちほぼ平行)にし、当然
その大きさや形状は実質上同一の試験片で比較する(た
だし、厚みはその試験片を切り出した部分の厚みのまま
にして比較する。)。試験片を正方形に切り出す場合
も、考え方は同様であり、一方の試験片のある1つの辺
の方向が、他の試験片のそれと対応する辺の方向と乳房
カップ製品を基準としてほぼ同一方向(即ちほぼ平行)
にし、当然その大きさは実質上同一の試験片で比較する
(ただし、厚みはその試験片を切り出した部分の厚みの
ままにして比較する。)。尚、乳房カップの補強部分
(a)ならびに補強部分(b)で補強された部分(X)
が複数の部材が積層されて構成されている場合には、積
層された状態で試験片を作成し伸度の測定を行う。また
乳房カップの補強部分のない部分(Y)についても複数
の部材が積層されて構成されている場合には、積層され
た状態で試験片を作成し伸度の測定を行う。
【0067】そして、伸度の測定方法は、乳房カップ製
品より長方形または正方形状に適宜の大きさの試験片を
切り取り(試験片の大きさは任意であるが測定誤差を小
さくする上からは、製品から切り出せる範囲で大きいほ
ど好ましい。)、その長手方向(正方形の場合はどちら
の方向でも良いが、前述した様に比較対象のいずれの試
験片の伸長方向も乳房カップ製品を基準とした場合の伸
長方向がほぼ同一方向となるようにする。)を上下方向
に向けてその両端をクリップでつかむ。定速伸長形引張
試験機に取り付け、30±2cm/分の速度で試験片を
伸ばし、荷重2.25kgfの伸度を測定する方法など
が挙げられる。
【0068】本発明において乳房カップ本体を構成する
素材は通常乳房カップに用いられている各種素材が使用
できる。特に限定されるものではないが、不織布、軟質
ポリウレタン発泡体あるいはこれらの素材の片面または
両面に編物ないしは織物が積層された積層物などが好ま
しく用いられる。
【0069】また、本発明に於いて、乳房カップをカッ
プのくりに沿った部分にカップワイヤーが取り付けられ
る衣類のための乳房カップとして用いることにより、カ
ップ上部分は主として補強部分(a)でまたカップ下部
分は主としてカップワイヤーで補強され、この両者の間
にカップ上部分からカップ下部分に向かって延びている
補強部分(b)が存在するので、より一段と乳房の保持
機能が強化され、より安定した乳房揺れ防止機能を有す
る女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得るので
好ましい。
【0070】以下、本発明の乳房カップが用いられた女
性用衣類の具体的例を図面を引用しながら説明する。図
10〜21は本発明の乳房カップが用いられた女性用衣
類であるブラジャーについての斜視図であり、いずれの
態様に於いても、着用者の人体左側の乳房にあてがわれ
る方の乳房カップについてのみ補強部分(a)と補強部
分(b)を図示したが、右側のカップについてはカップ
の接ぎラインのみを図示して補強部分(a)と補強部分
(b)は左側のカップのそれらと左右線対称でほぼ同一
であるので図示を省略した。また、これらの補強部分は
乳房カップの表面側に設けられている形で図示している
が、勿論裏側に設けられていても良く、更には、図示し
ていないが、これらの乳房カップは必要に応じて通常比
較的薄地の織物、編物ないしはレースなどからなる表カ
ップが更に設けられたり、あるいは必要に応じて裏カバ
ー布や裏カップなどが設けられた2枚重ねや3枚重ねの
構造のものでもよいことは勿論である。
【0071】図10に示したブラジャーは1/2カップ
タイプのブラジャーであり、10は乳房カップの膨らみ
の頂点11を通る水平な仮想線(A)であり、上カップ
部と下カップ部は接ぎライン47で接ぎ合わされて乳房
カップを構成している。尚、上カップ部とは接ぎライン
47より上側の乳房カップを構成している部分であり、
下カップ部は接ぎライン47より下側の乳房カップを構
成している部分であって、この名称は、本発明において
乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線
(A)10よりの上側部分の乳房カップの部分を「カッ
プ上部分」と名付け、また、この仮想線10より下側の
乳房カップの部分を「カップ下部分」と名付けたことと
は、別の意味で用いられており、この両者は区別されて
使用されていることに注意すべきである。また、4は乳
房カップのくりを示し、8は乳房カップの上辺を示す。
41は補強部分(a)であり、41の補強部分(a)
は、乳房カップのくり上の前中心側の上方端部分から、
乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切り、乳
房カップのくりの脇側の上方端部分まで達している。4
2で示される補強部分(b)は、前記補強部分(a)4
1の下側の縁の一部に一体的に連結されていて補強部分
(a)41の長さ方向のほぼ中央より若干前中心側から
スタートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカ
ップ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ
帯状の補強部分から構成されている。本態様に於いて
は、前記補強部分(a)の長手方向の長さが1cであ
り、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳
房カップの面積の30%であり、補強部分(a)ならび
に補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房カ
ップの前記補強部分のない部分の伸度の約2/3の設計
とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル繊
維からなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛を
用い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼッ
トを用いた。またこのブラジャーは乳房カップのくりに
沿った部分にカップワイヤーが取り付けられているワイ
ヤー入りのブラジャーとした。
【0072】このブラジャーの乳房カップは、しっかり
と乳房を保持でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
生じにくいブラジャーとすることができる。しかも乳房
を圧迫する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより
少なく、しかも補強部分(b)としては1本なので比較
的構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比
較的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャーと
することが出来る。次に図11に本発明の乳房カップを
備えた別の態様のブラジャーの斜視図を示した。図11
に示したブラジャーはフルカップタイプのブラジャーで
あり、10は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平
な仮想線(A)であり、上カップ部と下カップ部は接ぎ
ライン47で接ぎ合わされて乳房カップを構成してい
る。尚、上カップ部とは接ぎライン47より上側の乳房
カップを構成している部分であり、下カップ部は接ぎラ
イン47より下側の乳房カップを構成している部分であ
って、この名称は、本発明において乳房カップの膨らみ
の頂点11を通る水平な仮想線(A)10よりの上側部
分の乳房カップの部分を「カップ上部分」と名付け、ま
た、この仮想線10より下側の乳房カップの部分を「カ
ップ下部分」と名付けたこととは、別の意味で用いられ
ており、この両者は区別されて使用されていることに注
意すべきであることは前述した通りであり、以下の例に
ついても同様である。また、4は乳房カップのくりを示
し、8は乳房カップの上辺を示す。41は補強部分
(a)であり、41の補強部分(a)は、乳房カップの
くり上の前中心側の上方端部分から、乳房カップの上辺
8に沿ってカップ上部分を横切り、乳房カップの脇側上
辺9まで達している。この補強部分(a)はその前中心
側部分の一部が乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線(A)10より幾分カップ下部分にはみだし
ているが、何等差し支えないことは前述した通りであ
る。
【0073】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。本態様に於いては、
前記補強部分(a)41の長手方向の長さが7/8cで
あり、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が
乳房カップの面積の25%であり、補強部分(a)なら
びに補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房
カップの前記補強部分のない部分の伸度の約1/2の設
計とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル
繊維からなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛
を用い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼ
ットを用いた。またこのブラジャーは乳房カップのくり
に沿った部分にカップワイヤーが取り付けられているワ
イヤー入りのブラジャーとした。
【0074】このブラジャーの乳房カップは、しっかり
と乳房を保持でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
生じにくいブラジャーとすることができる。しかも乳房
を圧迫する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより
少なく、しかも補強部分(b)としては1本なので比較
的構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比
較的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャーと
することが出来る。次に図12に本発明の乳房カップを
備えた別の態様のブラジャーの斜視図を示した。図12
に示したブラジャーは3/4カップタイプのブラジャー
であり、10は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線(A)であり、上カップ部と下カップ部は接
ぎライン47で接ぎ合わされて乳房カップを構成してい
る。また、4は乳房カップのくりを示し、8は乳房カッ
プの上辺を示す。41は補強部分(a)であり、41の
補強部分(a)は、乳房カップのくり上の前中心側の上
方端部分から、乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部
分を横切り、乳房カップの脇側上辺9まで達している。
この補強部分(a)はその前中心側部分の一部が乳房カ
ップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)10
より幾分カップ下部分にはみだしているが、何等差し支
えないことは前述した通りである。そして、この態様に
おいて特徴的な部分は、補強部分(a)41のうち長手
方向ほぼ中央より前中心側の補強部分41aが長手方向
ほぼ中央より脇側の補強部分41bより幅が狭い補強部
分となっていることである。こうすることにより、拘束
力をそれ程大きくしなくても済む前中心側の補強部分4
1aの幅を狭めにすることにより、乳房の揺れやはみだ
し防止に必要な拘束力、保持力を維持しながら乳房への
圧迫部分をより少なくして着用感を更に改良した乳房カ
ップとすることができる。
【0075】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。本態様に於いては、
前記補強部分(a)41の長手方向の長さが1cであ
り、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳
房カップの面積の20%であり、補強部分(a)ならび
に補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房カ
ップの前記補強部分のない部分の伸度の約1/2の設計
とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル繊
維からなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛を
用い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼッ
トを用いた。またこのブラジャーは乳房カップのくりに
沿った部分にカップワイヤーが取り付けられているワイ
ヤー入りのブラジャーとした。
【0076】このブラジャーの乳房カップは、しっかり
と乳房を保持でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
生じにくいブラジャーとすることができる。しかも乳房
を圧迫する部分がより少なくなり着用感の低下が更に少
なく、しかも補強部分(b)としては1本なので比較的
構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比較
的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャーとす
ることが出来る。
【0077】次に図13に本発明の乳房カップを備えた
別の態様のブラジャーの斜視図を示した。図13に示し
たブラジャーは3/4カップタイプのブラジャーであ
り、乳房カップの形状やブラジャーの全体形状は図12
に示したものと同一である。10は乳房カップの膨らみ
の頂点11を通る水平な仮想線(A)であり、上カップ
部と下カップ部は接ぎライン47で接ぎ合わされて乳房
カップを構成している。また、4は乳房カップのくりを
示し、8は乳房カップの上辺を示す。41は補強部分
(a)であり、41の補強部分(a)は、乳房カップの
くり上の前中心側の上方端部分から、乳房カップの上辺
8に沿ってカップ上部分を横切り、乳房カップの脇側上
辺9まで達している。この補強部分(a)はその前中心
側部分の一部が乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線(A)10より幾分カップ下部分にはみだし
ているが、何等差し支えないことは前述した通りであ
る。そして、この態様において特徴的な部分は、補強部
分(a)41がカップ脇側の上方部分41cまでカバー
していることと、全体に補強部分(a)41ならびに補
強部分(b)42の幅が広い点である。こうすることに
より、乳房の保持力を一層大きくして、より激しい運動
に対しても、乳房の揺れやはみだしを防止し得るように
した点である。42で示される補強部分(b)は、前記
補強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結さ
れていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央から
スタートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカ
ップ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ
帯状の補強部分から構成されている。本態様に於いて
は、前記補強部分(a)41の長手方向の長さが7/8
cであり、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面
積が乳房カップの面積の30%であり、補強部分(a)
ならびに補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該
乳房カップの前記補強部分のない部分の伸度の約1/2
の設計とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエス
テル繊維からなる不織布の両面に編物が積層された積層
布帛を用い、補強部分(a)および(b)としてはマー
キゼットを用いた。またこのブラジャーは乳房カップの
くりに沿った部分にカップワイヤーが取り付けられてい
るワイヤー入りのブラジャーとした。
【0078】このブラジャーの乳房カップは、乳房の保
持力が図12に示したブラジャーよりもより増強されて
おり、乳房の揺れをより一層少なくでき、乳房カップ近
傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくい
ブラジャーとすることができる。しかも乳房を圧迫する
部分は乳房カップの一部であり、着用感の低下を少なく
しており、しかも補強部分(b)としては1本なので比
較的構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み
比較的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャー
とすることが出来る。次に図14に本発明の乳房カップ
を備えた別の態様のブラジャーの斜視図を示した。図1
4に示したブラジャーはフルカップタイプのブラジャー
であり、10は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線(A)であり、上カップ部と下カップ部は接
ぎライン47で接ぎ合わされて乳房カップを構成してい
る。また、4は乳房カップのくりを示し、8は乳房カッ
プの上辺を示す。41は補強部分(a)であり、41の
補強部分(a)は、乳房カップのくり上の前中心側の上
方部分(乳房カップのくり上の前中心側の上方端部より
若干下方)から、乳房カップの上辺8より下側のカップ
上部分を横切り、乳房カップの脇側上辺9まで達してい
る。この補強部分(a)はその前中心側部分の一部が乳
房カップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)
10より幾分カップ下部分にはみだしているが、何等差
し支えないことは前述した通りである。
【0079】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。本態様が図11に示
した態様と異なる特徴的部分は、補強部分(a)が図1
1の態様のようにカップ上部分を横切る位置が乳房カッ
プの上辺8に沿って接触して横切っているのではなく、
乳房カップの上辺8より下側部分を横切っている点であ
る。この態様のように大きな乳房カップを有するフルカ
ップタイプの場合には、上カップ部が3/4カップタイ
プや1/2カップタイプあるいは4/5カップタイプに
比べて乳房の上方部分までカバーしているので、補強部
分(a)はこの態様のように乳房カップの上辺8に接触
せずにそれより下側部分を横切っていても、ほぼ同様の
乳房揺れ防止、着崩れ防止機能を発揮することができ
る。
【0080】尚、本態様に於いては、前記補強部分
(a)41の長手方向の長さが1cであり、補強部分
(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳房カップの面
積の15%であり、補強部分(a)ならびに補強部分
(b)で補強された部分の伸度が当該乳房カップの前記
補強部分のない部分の伸度の約1/2の設計とした。
尚、乳房カップの素材としてはポリエステル繊維からな
る不織布の両面に編物が積層された積層布帛を用い、補
強部分(a)および(b)としてはマーキゼットを用い
た。またこのブラジャーは乳房カップのくりに沿った部
分にカップワイヤーが取り付けられているワイヤー入り
のブラジャーとした。
【0081】このブラジャーの乳房カップは、しっかり
と乳房を保持でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
生じにくいブラジャーとすることができる。しかも乳房
を圧迫する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより
少なく、しかも補強部分(b)としては1本なので比較
的構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比
較的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャーと
することが出来る。次に図15に本発明の乳房カップを
備えた別の態様のブラジャーの斜視図を示した。図15
に示したブラジャーはカップワイヤーの装着されていな
いノンワイヤータイプのフルカップタイプブラジャーで
あり、10は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平
な仮想線(A)であり、上カップ部と下カップ部は接ぎ
ライン47で接ぎ合わされて乳房カップを構成してい
る。また、4は乳房カップのくりを示し4aは乳房カッ
プのくり4の脇側部分であり図11に示したカツプのく
りと異なり、この部分はほぼ直線状になっている。8は
乳房カップの上辺を示す。41は補強部分(a)であ
り、41の補強部分(a)は、乳房カップのくり上の前
中心側の上方端部分から、乳房カップの上辺8に沿って
カップ上部分を横切り、乳房カップの脇側上辺9まで達
している。この補強部分(a)はその前中心側部分の一
部が乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線
(A)10より幾分カップ下部分にはみだしているが、
何等差し支えないことは前述した通りである。
【0082】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。本態様に於いては、
前記補強部分(a)41の長手方向の長さが7/8cで
あり、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が
乳房カップの面積の20%であり、補強部分(a)なら
びに補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房
カップの前記補強部分のない部分の伸度の約2/3の設
計とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル
繊維からなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛
を用い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼ
ットを用いた。
【0083】このブラジャーの乳房カップは、補強部分
(a)と(b)の作用により乳房を保持し、乳房の揺れ
をかなり少なくでき、乳房カップ近傍のずり上がりやず
り下がり、着崩れなどの生じにくいブラジャーとするこ
とができる。しかも乳房を圧迫する部分が最低限に抑え
られ着用感の低下がより少なく、しかも補強部分(b)
としては1本なので比較的構造が簡単で、補強部分の縫
製箇所も少なくて済み比較的安価に製造し得る乳房カッ
プを備えたブラジャーとすることが出来る。次に図16
に本発明の乳房カップを備えた別の態様のブラジャーの
斜視図を示した。図16に示したブラジャーは3/4カ
ップタイプのブラジャーであり、乳房カップの形状やブ
ラジャーの全体形状は図12に示したものと同一であ
る。10は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平な
仮想線(A)であり、上カップ部と下カップ部は接ぎラ
イン47で接ぎ合わされて乳房カップを構成している。
また、4は乳房カップのくりを示し、8は乳房カップの
上辺を示す。41は補強部分(a)であり、41の補強
部分(a)は、乳房カップのくり上の前中心側の上方端
部分から、乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を
横切り、乳房カップの脇側上辺9まで達している。図1
2に示した態様の補強部分(a)とこの態様の補強部分
(a)とは若干その平面形状が異なり、その長手方向の
両端部がやや幅が狭くなっている点である。尚、この補
強部分(a)はその前中心側部分の一部が乳房カップの
膨らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)10より幾
分カップ下部分にはみだしているが、何等差し支えない
ことは前述した通りである。
【0084】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通って斜め
下方に向かいカップ下部分の下辺のくり4より少し手前
で幅が狭くなって終わっている1本のほぼ帯状の補強部
分から構成されている。すなわち補強部分(b)は、先
に例示した態様のようにカップ下部分の下辺のくり4ま
で到達していない。
【0085】そして、この態様においては、補強部分
(a)41の長手方向の両端部がやや幅が狭くなってい
る点と補強部分(b)42がカップ下部分の下辺のくり
4より少し手前で幅が狭くなって終わっていることによ
り、補強部分(a)41の前中心部分と脇側部分の乳房
の拘束力を若干弱め、また、乳房の下辺部近傍の拘束力
を弱めて着用感をより向上させ、かつ、乳房の揺れやは
みだしを防止機能は保持するようにした点が特色であ
る。このブラジャーは乳房カップのくりに沿った部分に
カップワイヤーが取り付けられていることにより補強部
分(b)42がカップ下部分の下辺のくり4より少し手
前で幅が狭くなって終わっていても、乳房の上下方向へ
の揺れについても尚必要な揺れ防止機能を十分発揮する
のである。
【0086】本態様に於いては、前記補強部分(a)4
1の長手方向の長さが1cであり、補強部分(a)と補
強部分(b)の合計の面積が乳房カップの面積の18%
であり、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強
された部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のな
い部分の伸度の約1/2の設計とした。尚、乳房カップ
の素材としてはポリエステル繊維からなる不織布の両面
に編物が積層された積層布帛を用い、補強部分(a)お
よび(b)としてはマーキゼットを用いた。またこのブ
ラジャーは前述した様に乳房カップのくりに沿った部分
にカップワイヤーが取り付けられているワイヤー入りの
ブラジャーとした。
【0087】このブラジャーの乳房カップは、乳房を圧
迫する部分は前述した様により少なくされており、着用
感が図12や図13に示されたブラジャーよりも向上し
ており、かつ乳房の揺れを少なくでき、乳房カップ近傍
のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくいブ
ラジャーとすることができる。しかも補強部分(b)と
しては1本なので比較的構造が簡単で、補強部分の縫製
箇所も少なくて済み比較的安価に製造し得る乳房カップ
を備えたブラジャーとすることが出来る。次に図17に
本発明の乳房カップを備えた別の態様のブラジャーの斜
視図を示した。図17に示したブラジャーは3/4カッ
プタイプのブラジャーであり、乳房カップの形状やブラ
ジャーの全体形状は図12、図13、図16に示したも
のと同一である。10は乳房カップの膨らみの頂点11
を通る水平な仮想線(A)であり、上カップ部と下カッ
プ部は接ぎライン47で接ぎ合わされて乳房カップを構
成している。また、4は乳房カップのくりを示し、8は
乳房カップの上辺を示す。41は補強部分(a)であ
り、41の補強部分(a)は、乳房カップのくり上の前
中心側の上方端部分よりやや脇側によったところから、
乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切り、乳
房カップの脇側上辺9の手前で終わっており、図16に
示した態様の補強部分(a)とこの態様の補強部分
(a)とは若干その平面形状が異なり、その長手方向の
両端部がやや短くなっていてカップの前中心側のくりや
カップの脇側の縁にまで到達していない点である。
【0088】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通って斜め
下方に向かいカップ下部分の下辺のくり4より少し手前
で幅が狭くなって終わっている1本のほぼ帯状の補強部
分から構成されている。すなわち補強部分(b)は、図
16の態様と同じくカップ下部分の下辺のくり4まで到
達していない。
【0089】そして、この態様においては、補強部分
(a)41の長手方向の両端部がやや幅が狭くなってい
て且つその長手方向の両端部がやや短くなっていてカッ
プの前中心側のくりやカップの脇側の縁にまで到達して
いない点と補強部分(b)42がカップ下部分の下辺の
くり4より少し手前で幅が狭くなって終わっていること
により、補強部分(a)41の前中心部分と脇側部分の
乳房の拘束力を更に弱め、また、乳房の下辺部近傍の拘
束力を弱めてよりソフトな着用感とすることができ、か
つ、カップ上方中央部分からカップの中心部を主体に補
強し、乳房の揺れやはみだしを防止する機能は保持する
ようにした点が特色である。このブラジャーは乳房カッ
プのくりに沿った部分にカップワイヤーが取り付けられ
ていることにより補強部分(b)が42カップ下部分の
下辺のくり4より少し手前で幅が狭くなって終わってい
ても、乳房の上下方向への揺れについても尚必要な揺れ
防止機能を十分発揮するのである。
【0090】本態様に於いては、前記補強部分(a)4
1の長手方向の長さが3/4cであり、補強部分(a)
と補強部分(b)の合計の面積が乳房カップの面積の1
5%であり、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で
補強された部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分
のない部分の伸度の約1/2の設計とした。尚、乳房カ
ップの素材としてはポリエステル繊維からなる不織布の
両面に編物が積層された積層布帛を用い、補強部分
(a)および(b)としてはマーキゼットを用いた。ま
たこのブラジャーは前述した様に乳房カップのくりに沿
った部分にカップワイヤーが取り付けられているワイヤ
ー入りのブラジャーとした。
【0091】このブラジャーの乳房カップは、乳房を圧
迫する部分が図16に示された態様のものより更に少な
くなっており、着用感が図12や図13に示されたブラ
ジャーよりも一段と向上しており、かつ乳房の揺れを少
なくでき、乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、
着崩れなどの生じにくいブラジャーとすることができ
る。しかも補強部分(b)としては1本なので比較的構
造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み、比較
的安価に製造し得る乳房カップを備えたブラジャーとす
ることが出来る。また、この態様のような補強部分
(a)および(b)とすることにより、着用者によって
異なる乳房のボリュームの個人差にも比較的容易に対応
できる寸法対応性性の良い乳房カップとすることができ
る。すなわち1つのサイズのカップで適用できる乳房ボ
リュームサイズの幅がより広くなる。次に図18に本発
明の乳房カップを備えた別の態様のブラジャーの斜視図
を示した。図18に示したブラジャーはフルカップタイ
プのブラジャーであり、乳房カップの形状やブラジャー
の全体形状は図11に示したものと同一である。10は
乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線
(A)であり、上カップ部と下カップ部は接ぎライン4
7で接ぎ合わされて乳房カップを構成している。また、
4は乳房カップのくりを示し、8は乳房カップの上辺を
示す。41は補強部分(a)であり、41の補強部分
(a)は、乳房カップのくり上の前中心側の上方端部分
から、乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切
り、乳房カップの脇側上辺9まで達している。この補強
部分(a)はその前中心側部分の一部が乳房カップの膨
らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)10より幾分
カップ下部分にはみだしているが、何等差し支えないこ
とは前述した通りである。
【0092】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。図11に示した態様
の補強部分(b)と異なる点は、補強部分(b)42が
カップ下部分の下辺のくり4に到達するカップ下辺近傍
でその幅が広がって、より一層乳房の揺れを防止する機
能を強化すると共に、バストアップの機能も保持してい
る点である。
【0093】本態様に於いては、前記補強部分(a)4
1の長手方向の長さが7/8cであり、補強部分(a)
と補強部分(b)の合計の面積が乳房カップの面積の3
0%であり、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で
補強された部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分
のない部分の伸度の約2/3の設計とした。尚、乳房カ
ップの素材としてはポリエステル繊維からなる不織布の
両面に編物が積層された積層布帛を用い、補強部分
(a)および(b)としてはマーキゼットを用いた。ま
たこのブラジャーは前述した様に乳房カップのくりに沿
った部分にカップワイヤーが取り付けられているワイヤ
ー入りのブラジャーとした。
【0094】このブラジャーの乳房カップは、乳房を保
持する機能が図11に示された態様のものより更に強化
されており、バストアップ機能も発揮され、しっかりと
乳房を保持でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳房
カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生
じにくいブラジャーとすることができる。しかも補強部
分(b)としては1本なので乳房を圧迫する部分が比較
的少なく着用感の低下が抑えられ、比較的構造が簡単な
ので、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比較的安価に
製造し得る乳房カップを備えたブラジャーとすることが
出来る。次に図19に本発明の乳房カップを備えた別の
態様のブラジャーの斜視図を示した。図19に示したブ
ラジャーはフルカップタイプのブラジャーであり、乳房
カップの形状やブラジャーの全体形状は図11や図18
に示したものと同一である。10は乳房カップの膨らみ
の頂点11を通る水平な仮想線(A)であり、上カップ
部と下カップ部は接ぎライン47で接ぎ合わされて乳房
カップを構成している。また、4は乳房カップのくりを
示し、8は乳房カップの上辺を示す。41は補強部分
(a)であり、41の補強部分(a)は、乳房カップの
くり上の前中心側の上方端部分から、乳房カップの上辺
8に沿ってカップ上部分を横切り、乳房カップの脇側上
辺9まで達している。この補強部分(a)はその前中心
側部分の一部が乳房カップの膨らみの頂点11を通る水
平な仮想線(A)10より幾分カップ下部分にはみだし
ているが、何等差し支えないことは前述した通りであ
る。
【0095】42で示される補強部分(b)は、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて補強部分(a)41の長さ方向のほぼ中央からス
タートして乳房カップの膨らみの頂点11を通ってカッ
プ下部分の下辺のくり4まで到達している1本のほぼ帯
状の補強部分から構成されている。図11に示した態様
と異なる点は、補強部分(a)41と補強部分(b)4
2との間をカップ脇側上辺9からカップのくり4の脇側
から下辺に沿って更に補強部分48が設けられている点
であり、より一層乳房の揺れを防止する機能を強化する
と共に、バストアップとバストを前中心側に寄せるバス
ト形状補整機能も保持している点である。尚、補強部分
43は補強部分(a)や補強部分(b)について説明し
た素材と同様の補強材を用いることができるし、補強部
分(a)41、補強部分(b)42および補強部分43
を一体の連続した素材で構成しても良い。
【0096】本態様に於いては、前記補強部分(a)4
1の長手方向の長さが7/8cであり、補強部分(a)
41と補強部分(b)42の合計の面積が乳房カップの
面積の25%であり、更に補強部分(a)41と補強部
分(b)42と補強部分43との合計の面積が乳房カッ
プの面積の35%である。補強部分(a)41、補強部
分(b)42ならびに補強部分43で補強された部分の
伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない部分の伸度
の約2/3の設計とした。尚、乳房カップの素材として
はポリエステル繊維からなる不織布の両面に編物が積層
された積層布帛を用い、補強部分(a)41、補強部分
(b)42ならびに補強部分43としてはマーキゼット
を用いた。またこのブラジャーは前述した様に乳房カッ
プのくりに沿った部分にカップワイヤーが取り付けられ
ているワイヤー入りのブラジャーとした。
【0097】このブラジャーの乳房カップは、乳房を保
持する機能が図11に示された態様のものより更に強化
されており、バストアップとバストを前中心側に寄せる
バスト形状補整機能も発揮され、しっかりと乳房を保持
でき、乳房の揺れをかなり少なくでき、乳房カップ近傍
のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくいブ
ラジャーとすることができる。次に図20に本発明の乳
房カップを備えた別の態様のブラジャーの斜視図を示し
た。図20に示したブラジャーは3/4カップタイプの
ブラジャーであり、乳房カップの形状やブラジャーの全
体形状は図12、図13に示したものと同一である。1
0は乳房カップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線
(A)であり、上カップ部と下カップ部は接ぎライン4
7で接ぎ合わされて乳房カップを構成している。また、
4は乳房カップのくりを示し、8は乳房カップの上辺を
示す。41は補強部分(a)であり、41の補強部分
(a)は、乳房カップのくり上の前中心側の上方端部分
から、乳房カップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切
り、乳房カップの脇側上辺9まで達している。この補強
部分(a)はその前中心側部分の一部が乳房カップの膨
らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)10より幾分
カップ下部分にはみだしているが、何等差し支えないこ
とは前述した通りである。そして、この態様において
は、補強部分(a)41がカップ脇側の上方部分41c
までカバーしている。42で示される補強部分(b)
は、42aと42bの2本の補強部分(b)からなり、
前記補強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連
結されていて、それぞれ補強部分(a)41の長さ方向
の中央より前中心側と脇側とからスタートしてカップ下
部分の下辺のくり4まで到達している。本態様に於いて
は、前記補強部分(a)41の長手方向の長さが1cで
あり、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が
乳房カップの面積の30%であり、補強部分(a)なら
びに補強部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房
カップの前記補強部分のない部分の伸度の約2/3の設
計とした。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル
繊維からなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛
を用い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼ
ットを用いた。またこのブラジャーは乳房カップのくり
に沿った部分にカップワイヤーが取り付けられているワ
イヤー入りのブラジャーとした。
【0098】このブラジャーの乳房カップは、補強部分
(b)42が42aと42bの2本設けられているの
で、乳房の保持力が図12に示したブラジャーよりもよ
り増強されており、乳房の揺れをより一層少なくでき、
乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなど
の生じにくい乳房カップを備えたブラジャーとすること
ができる。次に図21に本発明の乳房カップを備えた別
の態様のブラジャーの斜視図を示した。図21に示した
ブラジャーは3/4カップタイプのブラジャーであり、
乳房カップの形状やブラジャーの全体形状は図12、図
13、図20に示したものと同一である。10は乳房カ
ップの膨らみの頂点11を通る水平な仮想線(A)であ
り、上カップ部と下カップ部は接ぎライン47で接ぎ合
わされて乳房カップを構成している。また、4は乳房カ
ップのくりを示し、8は乳房カップの上辺を示す。41
は補強部分(a)であり、41の補強部分(a)は、乳
房カップのくり上の前中心側の上方端部分から、乳房カ
ップの上辺8に沿ってカップ上部分を横切り、乳房カッ
プの脇側上辺9まで達している。この補強部分(a)は
その前中心側部分の一部が乳房カップの膨らみの頂点1
1を通る水平な仮想線(A)10より幾分カップ下部分
にはみだしているが、何等差し支えないことは前述した
通りである。そして、この態様においては、補強部分
(a)41がカップ脇側の上方部分41cまでカバーし
ている。42で示される補強部分(b)は、42a、4
2b、42cの3本の補強部分(b)からなり、前記補
強部分(a)41の下側の縁の一部に一体的に連結され
ていて、それぞれ補強部分(a)41の長さ方向の中央
より前中心側とほぼ中央部と脇側とからスタートしてカ
ップ下部分の下辺のくり4まで到達している。なお、補
強部材(b)の42bは乳房カップの膨らみの頂点11
を通ってカップ下部分の下辺のくり4まで到達してい
る.本態様に於いては、前記補強部分(a)41の長手
方向の長さが1cであり、補強部分(a)41と補強部
分(b)42(42a、42b、42cの合計)の合計
の面積が乳房カップの面積の35%であり、補強部分
(a)41ならびに補強部分(b)42で補強された部
分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない部分の
伸度の約2/3の設計とした。尚、乳房カップの素材と
してはポリエステル繊維からなる不織布の両面に編物が
積層された積層布帛を用い、補強部分(a)および
(b)としてはマーキゼットを用いた。またこのブラジ
ャーは乳房カップのくりに沿った部分にカップワイヤー
が取り付けられているワイヤー入りのブラジャーとし
た。
【0099】このブラジャーの乳房カップは、補強部分
(b)42が42a、42b、42cの3本設けられて
いるので、乳房の保持力が図20に示されたブラジャー
よりも更に増強されており、カップワイヤーの機能も合
わせて網目状に乳房全体を保持することができるので、
乳房の揺れを更に一段と少なくでき、乳房カップ近傍の
ずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくい乳房
カップを備えたブラジャーとすることができる。
【0100】以上、ブラジャーについて幾つかの態様を
説明したが、説明を容易にする為、乳房カップとしては
2枚接ぎのカップを用いて説明している。しかし図25
に示されたような3枚接ぎタイプやその他のタイプの乳
房カップにも本発明が適用できることは、当然である。
次にブラジャー以外の乳房カップを有する衣類への本発
明の応用例として、図22にボディスーツの斜視図を示
した。この乳房カップの態様は図15に示したノンワイ
ヤータイプのブラジャーの乳房カップと実質的に同じで
あるので、同一部分に同一の符号を付して詳細説明は省
略した。
【0101】このボディスーツに於いては、補強部分
(a)41の長手方向の長さが7/8cであり、補強部
分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳房カップの
面積の25%であり、補強部分(a)ならびに補強部分
(b)で補強された部分の伸度が当該乳房カップの前記
補強部分のない部分の伸度の約1/2の設計とした。
尚、乳房カップの素材としてはポリエステル繊維からな
る不織布の両面に編物が積層された積層布帛を用い、補
強部分(a)および(b)としてはマーキゼットを用い
た。
【0102】このボディスーツの乳房カップは、補強部
分(a)と(b)の作用により乳房を保持し、乳房の揺
れをかなり少なくでき、乳房カップ近傍のずり上がりや
ずり下がり、着崩れなどの生じにくい乳房カップを備え
たボディスーツとすることができる。しかも乳房を圧迫
する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより少な
く、しかも補強部分(b)としては1本なので比較的構
造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて済み比較的
安価に製造し得る乳房カップを備えたボディスーツとす
ることが出来る。
【0103】次にブラジャー以外の乳房カップを有する
衣類への本発明の別の応用例として、図23に水着の斜
視図を示した。なお、230は水着の乳房カップの下辺
部近傍に設けられたギャザーを示している。この乳房カ
ップの態様は多少の相違はあるが図10に示したタイプ
のブラジャーの乳房カップと類似しているので、同一部
分に同一の符号を付して詳細説明は省略した。ただし、
この水着の乳房カップにはカップワイヤーは装着されて
いない。
【0104】この水着に於いては、補強部分(a)41
の長手方向の長さが1cであり、補強部分(a)と補強
部分(b)の合計の面積が乳房カップの面積の30%で
あり、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強さ
れた部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない
部分の伸度の約2/3の設計とした。尚、乳房カップの
素材としてはポリエステル繊維からなる不織布の両面に
編物が積層された積層布帛を用い、補強部分(a)およ
び(b)としてはマーキゼットを用いた。
【0105】この水着の乳房カップは、補強部分(a)
と(b)の作用により乳房を保持し、乳房の揺れをかな
り少なくでき、乳房カップ近傍のずり上がりやずり下が
り、着崩れなどの生じにくい乳房カップを備えた水着と
することができる。しかも乳房を圧迫する部分が最低限
に抑えられ着用感の低下がより少なく、しかも補強部分
(b)としては1本なので比較的構造が簡単で、補強部
分の縫製箇所も少なくて済み比較的安価に製造し得る乳
房カップを備えた水着とすることが出来る。
【0106】次にブラジャー以外の乳房カップを有する
衣類への本発明の更に別の応用例として、図24にレオ
タードのトップの斜視図を示した。この乳房カップの態
様は多少の相違はあるが図22に示したボディスーツの
乳房カップと類似しているので、同一部分に同一の符号
を付して詳細説明は省略した。ただし、このレオタード
の乳房カップは、レオタードのトップの本体布235の
裏側に装着されているので、乳房カップ全体の輪郭など
は点線で示してある。なお、このレオタードのトップの
乳房カップにはカップワイヤーは装着されていない。
【0107】このレオタードのトップに於いては、補強
部分(a)41の長手方向の長さが8/7cであり、補
強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳房カッ
プの面積の40%であり、補強部分(a)ならびに補強
部分(b)で補強された部分の伸度が当該乳房カップの
前記補強部分のない部分の伸度の約2/3の設計とし
た。尚、乳房カップの素材としてはポリエステル繊維か
らなる不織布の両面に編物が積層された積層布帛を用
い、補強部分(a)および(b)としてはマーキゼット
を用いた。
【0108】このレオタードのトップの乳房カップは、
補強部分(a)と(b)の作用により乳房を保持し、乳
房の揺れをかなり少なくでき、乳房カップ近傍のずり上
がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくい乳房カップ
を備えたレオタードのトップとすることができる。しか
も乳房を圧迫する部分が最低限に抑えられ着用感の低下
がより少なく、しかも補強部分(b)としては1本なの
で比較的構造が簡単で、補強部分の縫製箇所も少なくて
済み比較的安価に製造し得る乳房カップを備えたレオタ
ードのトップとすることが出来る。
【0109】以上、乳房カップを有する女性用衣類の乳
房カップの構造についてその応用例としてブラジャー、
ボディスーツ、レオタード、水着の例を挙げて説明した
が、本発明はこの実施例のもののみに限定されるもので
はなく、また、例えば、実施例に挙げたもののほか、ビ
スチエ、スリーインワン、ブラテディ、ブラキャミソー
ルあるいはブラスリップなどの乳房カップを有するファ
ンデーション類のみならず、他の各種の乳房カップを有
する女性用の衣類の乳房カップとしても同様に適用でき
る。
【0110】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0111】(1)本発明の乳房カップは、乳房カップ
の膨らみの頂点を通る水平な仮想線(A)で前記乳房カ
ップをカップ上部分とカップ下部分に分けた場合、カッ
プ上部分をほぼ横切る方向にほぼ帯状の補強部分(a)
を有し、更に、前記補強部分(a)に連結されていて前
記水平な仮想線(A)を越えてカップ下部分に至るほぼ
下方に向かって伸びるほぼ帯状の補強部分(b)とを有
し、前記補強部分(a)の長手方向の長さが1/3c以
上(ただし、cは乳房カップを水平な仮想線(B)で切
断したと仮定した場合に、カップ上でカップ渡りの最も
長くなる部分のカップ渡り長を表す。)であるので、乳
房カップ上部分をほぼ横切る方向とカップ下部分に至る
ほぼ下方に向かって伸びるほぼ帯状の補強部分が、しっ
かりと乳房カップを補強して、乳房カップの伸びを抑
え、その結果乳房がしっかりと保持されて安定し、補強
部分(a)と(b)とが連結されている事により乳房が
ほぼ上下方向へ揺れたり、ほぼ左右方向へ揺れたりする
ことを補強部分(a)と(b)との相互作用により抑制
し、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、
着崩れなどの生じにくい、しかも着用感の低下の少ない
女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0112】(2)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)がほぼ乳房カップの上辺に沿う部分
近傍に位置する補強部分である本発明の好ましい態様と
することにより、乳房カップの上辺に沿う部分の近傍を
補強して安定させることにより、しっかりと乳房を保持
でき、より乳房の揺れを少なくし、衣類の乳房カップ近
傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの生じにくい
女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0113】(3)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)が乳房カップのくり上でその前中心
側の上方部分から、カップ上部分を横切り、乳房カップ
の脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でその脇側の上
方部分まで達している補強部分である本発明の好ましい
態様とすることにより、補強部分(a)が乳房カップの
前中心側から脇側まで完全に横切っているので、よりし
っかりと乳房を保持でき、乳房の上下への揺れをより一
層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり
下がり、着崩れなどのより生じにくい女性用衣類に用い
られる乳房カップを提供し得る。
【0114】(4)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通っ
てカップ下部分の下辺のくりまで到達している補強部分
である本発明の好ましい態様とすることにより、補強部
分(b)がカップ上部分を横切る方向に延びている補強
部分(a)からスタートして乳房カップの膨らみの頂点
を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達しているの
で、よりしっかりと乳房を保持でき、乳房の上下方向な
らびに左右方向への揺れをより一層少なくし、衣類の乳
房カップ近傍のずり上がりやずり下がり、着崩れなどの
より生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提
供し得る。
【0115】(5)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通っ
てカップ下部分の下辺のくりまで到達している1本のほ
ぼ帯状の補強部分である本発明の好ましい態様とするこ
とにより、前記(4)で説明したと同様の作用により、
ほぼ同様の機能が補強部分(b)としては1本のほぼ帯
状の補強部分(b)により達成し得るので、乳房を圧迫
する部分が最低限に抑えられ着用感の低下がより少な
く、しかも補強部分(b)としては1本なので比較的構
造が簡単で比較的安価に製造でき、また補強部分(b)
が乳房をほぼ縦方向に2分する形で延在するので、乳房
のボリュームに対しバランス良く補強できる女性用衣類
に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0116】(6)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)が乳房カップのくり上でその前中心
側の上方部分から、カップ上部分を横切り、乳房カップ
の脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でその脇側の上
方部分まで達している補強部分(a)であり、補強部分
(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通ってカップ下部
分の下辺のくりまで到達している1本のほぼ帯状の補強
部分(b)である本発明の好ましい態様とすることによ
り、前記(3)〜(5)で説明した作用が同時に作用し
て前記(3)〜(5)で説明した機能が同時に発揮され
る事になり、従って、更に一層しっかりと乳房を保持で
き、乳房の上下方向ならびに左右方向への揺れをより一
層少なくし、衣類の乳房カップ近傍のずり上がりやずり
下がり、着崩れなどがより生じにくく、しかも比較的構
造が簡単で、着用感の低下がより少なく、比較的安価に
製造し得る女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し
得る。
【0117】(7)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)と補強部分(b)の合計の面積が乳
房カップの面積の15〜50%である本発明の好ましい
態様とすることにより、補強部分の面積が必要以上に大
き過ぎたり、あるいは少な過ぎたりすることがないの
で、不必要に乳房を圧迫し過ぎる事がなく、また、補強
力が弱すぎることもなく、従ってあまり着用感を低下さ
せずに乳房の揺れ防止機能を確実に発揮し得る女性用衣
類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0118】(8)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)ならびに補強部分(b)で補強され
た部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部分のない部
分の伸度の2/3以下である本発明の好ましい態様とす
ることにより、補強された部分の伸度がかなり小さくさ
れているので、より一段と乳房の保持機能が強化され、
安定した乳房揺れ防止機能を有する女性用衣類に用いら
れる乳房カップを提供し得る。
【0119】(9)また、本発明の乳房カップに於い
て、補強部分(a)ならびに補強部分(b)に用いられ
る補強材が、編物、織物、樹脂処理された編物または織
物から選ばれた素材からなる補強材である本発明の好ま
しい態様とすることにより、これらの素材は衣類に於い
ては通常よく用いられる素材で使用しやすく、通常の衣
類製造用のミシンで縫着可能であり、補強部分としての
必要な強度は容易に得られ、比較的柔軟で着用感の低下
がより少なく、かつ乳房の揺れを少なくし、着崩れなど
の生じにくい女性用衣類に用いられる乳房カップを提供
し得る。
【0120】(10)また、本発明の乳房カップに於い
て、乳房カップがカップのくりに沿った部分にカップワ
イヤーが取り付けられる衣類のための乳房カップである
本発明の好ましい態様とすることにより、カップ上部分
は主として補強部分(a)でまたカップ下部分は主とし
てカップワイヤーで補強され、この両者の間にカップ上
部分からカップ下部分に向かって延びている補強部分
(b)が存在するので、カップ上下その中間部分で乳房
保持機能が発揮され、より一段と乳房の保持機能が強化
され、より安定した乳房揺れ防止機能を有する女性用衣
類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【0121】(11)また、本発明の乳房カップに於い
て、女性用衣類が乳房カップを有するファンデーション
類、水着またはレオタードから選ばれた女性用衣類であ
る本発明の好ましい態様とすることにより、ファンデー
ション類や水着、レオタードは女性の体形補整機能が要
求されかつ体形補正機能が発揮されやすい比較的肌に近
いかまたは直接肌に接して着用される衣類であるので、
本発明の乳房カップがこれらの衣類用の乳房カップとし
て使用される場合には、乳房を本発明の乳房カップで直
接的に保持しやすく、従って前述した前記乳房揺れ防止
機能をより有効に利用し得る女性用衣類に用いられる乳
房カップを提供し得る。
【0122】(12)また、本発明の乳房カップに於い
て、乳房カップを有するファンデーション類がブラジャ
ーまたはボディスーツである本発明の好ましい態様とす
ることにより、ファンデーション類のうちでも特にブラ
ジャーまたはボディスーツは女性の乳房の形を補整する
機能がより重要視される衣類であり、しかも直接肌に接
して着用される衣類であるので、本発明の乳房カップが
これらの衣類用の乳房カップとして使用される場合に
は、前記乳房揺れ防止機能をより有効に利用し得る特定
の女性用衣類に用いられる乳房カップを提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる用語を説明するための乳房カッ
プを具備したブラジャーの斜視図。
【図2】本発明に用いる別の用語を説明するための乳房
カップを具備したブラジャーの斜視図
【図3】乳房カップを水平な仮想線(B)で切断したと
仮定した場合の断面の端面形状を示す概念図
【図4】本発明の乳房カップの補強部分(a)の長手方
向の長さを説明するための平面図。
【図5】本発明の別の態様の乳房カップの補強部分
(a)の長手方向の長さを説明するための平面図。
【図6】本発明の更に別の態様の乳房カップの補強部分
(a)の長手方向の長さを説明するための平面図。
【図7】本発明の更に別の態様の乳房カップの補強部分
(a)の長手方向の長さを説明するための平面図。
【図8】本発明の更に別の態様の乳房カップの補強部分
(a)の長手方向の長さを説明するための平面図。
【図9】本発明の更に別の態様の乳房カップの補強部分
(a)の長手方向の長さを説明するための平面図。
【図10】本発明の乳房カップを具備したブラジャーの
斜視図。
【図11】本発明の乳房カップを具備した別の態様のブ
ラジャーの斜視図。
【図12】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図13】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図14】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図15】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図16】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図17】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図18】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図19】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図20】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図21】本発明の乳房カップを具備した更に別の態様
のブラジャーの斜視図。
【図22】本発明の乳房カップを具備したボディスーツ
の斜視図。
【図23】本発明の乳房カップを具備した水着の斜視
図。
【図24】本発明の乳房カップを具備したレオタードの
トップの斜視図。
【図25】従来の乳房カップを具備したブラジャーの斜
視図。
【符号の説明】
1 乳房カップ 2 カップ上部分 3 カップ下部分 4 乳房カップのくり 4a 乳房カップのくり4の脇側部分 5 乳房カップのくりの前中心側の部分 6 下辺のくり 7 乳房カップのくりの脇側の部分 8 乳房カップの上辺 9 乳房カップの脇側上辺 10 乳房カップの膨らみの頂点を通る水平な仮想線
(A) 11 乳房カップの膨らみの頂点 12 土台布 21 水平な仮想線(B) 31 水平方向矢印 32 斜め上方に向かう方向の矢印 33 斜め下方に向かう方向の矢印 41 補強部分(a) 41a 長手方向ほぼ中央より前中心側の補強部分 41b 長手方向ほぼ中央より脇側の補強部分 41c カップ脇側の上方部分の補強部分 42 補強部分(b) 42a 補強部分(b) 42b 補強部分(b) 42c 補強部分(b) 43 補強部分(a)の長手方向の長さ測定のための基
準線 44 乳房カップの外形を示す点線 47 接ぎライン47 48 補強部分 230 ギャザー 235 本体布 241 乳房カップ 242 上カップ部片 243 下前側カップ部片 244 下脇側カップ部片 245 接ぎライン 246 接ぎライン 248 ブラジャーの土台布 249 カップのくり

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 女性用衣類に用いられる乳房カップに於
    いて、乳房カップの膨らみの頂点を通る水平な仮想線
    (A)で前記乳房カップをカップ上部分とカップ下部分
    に分けた場合、カップ上部分をほぼ横切る方向にほぼ帯
    状の補強部分(a)を有し、更に、前記補強部分(a)
    に連結されていて前記水平な仮想線(A)を越えてカッ
    プ下部分に至るほぼ下方に向かって伸びるほぼ帯状の補
    強部分(b)とを有し、前記補強部分(a)の長手方向
    の長さが1/3c以上(ただし、cは乳房カップを水平
    な仮想線(B)で切断したと仮定した場合に、カップ上
    でカップ渡りの最も長くなる部分のカップ渡り長を表
    す。)であることを特徴とする乳房カップ。
  2. 【請求項2】 補強部分(a)がほぼ乳房カップの上辺
    に沿う部分近傍に位置する補強部分である請求項1に記
    載の乳房カップ。
  3. 【請求項3】 補強部分(a)が乳房カップのくり上で
    その前中心側の上方部分から、カップ上部分を横切り、
    乳房カップの脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でそ
    の脇側の上方部分まで達している補強部分である請求項
    1または2のいずれかに記載の乳房カップ。
  4. 【請求項4】 補強部分(b)が乳房カップの膨らみの
    頂点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達してい
    る補強部分である請求項1〜3のいずれかに記載の乳房
    カップ。
  5. 【請求項5】 補強部分(b)が乳房カップの膨らみの
    頂点を通ってカップ下部分の下辺のくりまで到達してい
    る1本のほぼ帯状の補強部分である請求項1〜3のいず
    れかに記載の乳房カップ。
  6. 【請求項6】 補強部分(a)が乳房カップのくり上で
    その前中心側の上方部分から、カップ上部分を横切り、
    乳房カップの脇側上辺もしくは乳房カップのくり上でそ
    の脇側の上方部分まで達している補強部分(a)であ
    り、補強部分(b)が乳房カップの膨らみの頂点を通っ
    てカップ下部分の下辺のくりまで到達している1本のほ
    ぼ帯状の補強部分(b)である請求項1に記載の乳房カ
    ップ。
  7. 【請求項7】 補強部分(a)と補強部分(b)の合計
    の面積が乳房カップの面積の15〜50%である請求項
    1〜6のいずれかに記載の乳房カップ。
  8. 【請求項8】 補強部分(a)ならびに補強部分(b)
    で補強された部分の伸度が当該乳房カップの前記補強部
    分のない部分の伸度の2/3以下である請求項1〜7の
    いずれかに記載の乳房カップ。
  9. 【請求項9】 補強部分(a)ならびに補強部分(b)
    に用いられる補強材が、編物、織物、樹脂処理された編
    物または織物から選ばれた素材からなる補強材である請
    求項1〜8のいずれかに記載の乳房カップ。
  10. 【請求項10】 乳房カップがカップのくりに沿った部
    分にカップワイヤーが取り付けられる衣類のための乳房
    カップである請求項1〜9のいずれかに記載の乳房カッ
    プ。
  11. 【請求項11】 女性用衣類が乳房カップを有するファ
    ンデーション類、水着またはレオタードから選ばれた女
    性用衣類である請求項1〜10のいずれかに記載の乳房
    カップ。
  12. 【請求項12】 乳房カップを有するファンデーション
    類がブラジャーまたはボディスーツである請求項11に
    記載の乳房カップ。
JP23268294A 1994-09-28 1994-09-28 乳房カップ Expired - Lifetime JP2856678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23268294A JP2856678B2 (ja) 1994-09-28 1994-09-28 乳房カップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23268294A JP2856678B2 (ja) 1994-09-28 1994-09-28 乳房カップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08100308A true JPH08100308A (ja) 1996-04-16
JP2856678B2 JP2856678B2 (ja) 1999-02-10

Family

ID=16943145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23268294A Expired - Lifetime JP2856678B2 (ja) 1994-09-28 1994-09-28 乳房カップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2856678B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011002009A1 (ja) * 2009-07-03 2011-01-06 株式会社ワコール カップ部を有する衣類
JP2012102418A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Wacoal Corp カップ部を有する衣類
WO2013089243A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 旭化成せんい株式会社 防振性に優れるブラジャー
CN106983512A (zh) * 2017-04-28 2017-07-28 武汉纺织大学 一种胸型测量装置
JP2020180411A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社ワコール カップ付き衣類

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107788585A (zh) * 2016-09-06 2018-03-13 北京汇众程远科技有限公司 一种防水智能内衣

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011002009A1 (ja) * 2009-07-03 2011-01-06 株式会社ワコール カップ部を有する衣類
JP2012102418A (ja) * 2010-11-08 2012-05-31 Wacoal Corp カップ部を有する衣類
WO2013089243A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 旭化成せんい株式会社 防振性に優れるブラジャー
GB2503383A (en) * 2011-12-16 2013-12-25 Asahi Kasei Fibers Corp Brassiere having superior vibration damping
GB2503383B (en) * 2011-12-16 2014-08-27 Asahi Kasei Fibers Corp Brassiere with excellent vibration resistance
US9055771B2 (en) 2011-12-16 2015-06-16 Asahi Kasei Fibers Corporation Brassiere with excellent vibration resistance
EP2792257A4 (en) * 2011-12-16 2015-07-08 Asahi Kasei Fibers Corp BUST HOLDER WITH IMPROVED VIBRATION DAMPING
CN106983512A (zh) * 2017-04-28 2017-07-28 武汉纺织大学 一种胸型测量装置
CN106983512B (zh) * 2017-04-28 2023-07-04 武汉纺织大学 一种胸型测量装置
JP2020180411A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社ワコール カップ付き衣類

Also Published As

Publication number Publication date
JP2856678B2 (ja) 1999-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5517008B2 (ja) カップ部を有する衣類
CA2939645C (en) Garment with back stays for enhanced fit
JP2011012368A (ja) カップ部を有する衣類
JP2008121153A (ja) ファンデーション等の衣料及びその製造方法
JPH08100308A (ja) 乳房カップ
JP3039383U (ja) 乳房カップを有する衣類
JP3506362B2 (ja) カップ付き女性用衣類
JP6928235B2 (ja) カップ部を有する衣類
JP4572040B2 (ja) 女性用衣料
JP3254379B2 (ja) バスト部用パッド付き衣服
JP6380725B1 (ja) カップ付き衣類
JP5923909B2 (ja) カップ部を有する衣類
JP2003055805A (ja) カップ付き女性用衣類
JP3012019U (ja) 股部を有するフィットタイプの衣類
JP4673720B2 (ja) 女性用衣料
WO2019087415A1 (ja) カップ付き衣類
JP3219265B2 (ja) 乳房カップを有する衣類
JP3177101B2 (ja) 乳房カップ
JPH0661908U (ja) 乳房受けカップを有する衣類
JP6966163B1 (ja) 衣類
JP2015021207A (ja) 衣服
JP4374209B2 (ja) 乳房カップを有する衣料
JP3045686B2 (ja) カップ付き女性用衣類
JP2013067931A (ja) カップ部を有する衣類
JP3153734B2 (ja) 乳房カップ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091127

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101127

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111127

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121127

Year of fee payment: 14

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131127

Year of fee payment: 15

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term