JPH08100162A - エポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方法 - Google Patents
エポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方法Info
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- JPH08100162A JPH08100162A JP6259426A JP25942694A JPH08100162A JP H08100162 A JPH08100162 A JP H08100162A JP 6259426 A JP6259426 A JP 6259426A JP 25942694 A JP25942694 A JP 25942694A JP H08100162 A JPH08100162 A JP H08100162A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)アクリ
レート系重合体及び/又はジエン系重合体からなるコア
部及び(メタ)アクリレート系単量体と遊離カルボン酸
基を有する炭素数3〜8個の不飽和カルボン酸単量体の
ガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層
で構成される樹脂粒子に、金属カチオンを付加してイオ
ン架橋させた共重合体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂から
なる混合物に、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着
操作直前に混合して得られる二液型エポキシ樹脂系接着
性組成物を接着面に塗布して接面し、次いで加熱するこ
とを特徴とするエポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接
着方法。 【効果】本発明に用いられる二液型エポキシ樹脂系接着
性組成物は、コア/シェル型共重合体を配合されてな
り、40〜100℃のようなゆるやかな加熱により硬化
し、高い引張剪断強度とT字剥離強度を発現する。
レート系重合体及び/又はジエン系重合体からなるコア
部及び(メタ)アクリレート系単量体と遊離カルボン酸
基を有する炭素数3〜8個の不飽和カルボン酸単量体の
ガラス転移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層
で構成される樹脂粒子に、金属カチオンを付加してイオ
ン架橋させた共重合体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂から
なる混合物に、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着
操作直前に混合して得られる二液型エポキシ樹脂系接着
性組成物を接着面に塗布して接面し、次いで加熱するこ
とを特徴とするエポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接
着方法。 【効果】本発明に用いられる二液型エポキシ樹脂系接着
性組成物は、コア/シェル型共重合体を配合されてな
り、40〜100℃のようなゆるやかな加熱により硬化
し、高い引張剪断強度とT字剥離強度を発現する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂系接着性
組成物を用いる接着方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、建物、家具、車両などにおける構造体の接合用
に好適な、高温加熱せずに簡便に施工しやすい、それで
いて優れた接着強度の得られるエポキシ樹脂系接着性組
成物を用いる接着方法に関する。
組成物を用いる接着方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、建物、家具、車両などにおける構造体の接合用
に好適な、高温加熱せずに簡便に施工しやすい、それで
いて優れた接着強度の得られるエポキシ樹脂系接着性組
成物を用いる接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エポキシ樹脂は種々の優れた
性質を有することから、家庭工作用、土木建築用、構造
用などの接着剤、建築用、自動車用、缶用、重防食用な
どの塗料、舗装材料、炭素繊維強化プラスチックなどの
複合材料、エレクトロニクスにおける超LSIやLED
などの封止用材料、電気機器における注型、含浸、粉体
塗装絶縁材料などの用途に幅広く用いられている。しか
しながら、エポキシ樹脂は硬化物に内部応力が発生しや
すいため、接着強度や耐衝撃性が不十分なりやすいとい
う欠点を有し、これまで種々の改良がなされてきた。例
えば、スピロ環型構造の導入などのエポキシ樹脂の構造
の変性、充填剤の配合、ポリブタジエンやニトリルゴム
などのゴム質の配合、反応性希釈剤の添加、硬化剤によ
る脂肪族鎖の導入などが行われているが、コストアップ
や、耐熱性、剛性などの物性の低下を招くことが多く、
適用しうる用途は限られている。特開平6−17273
4号公報には、この問題に対して、エポキシ樹脂未硬化
媒体に、相溶性パラメーターの近い(メタ)アクリレー
ト系重合体をシェル層とし、ガラス転移点が−30℃以
下の重合体をコア部とするコア/シェル型共重合体を補
強剤とし、熱活性型硬化剤と共に配合してなる組成物を
180℃に加熱することにより金属間他の接着強度が著
しく向上すること、また、上記組成物は高温に加熱しな
ければ硬化反応を起こさないので一液型であり、かつ室
温での粘度安定性が優れていることが開示されている。
この方法は十分な接着強度を発現する優れた工業的方法
ではあるものの、高温加熱装置を持たない家庭用途には
向かないものである。高温に加熱することなく、十分な
接着強度、すなわち、引張剪断強度として200kgf/c
m2以上、T字剥離強度として10kgf/25mm以上が簡
単に得られるような接着方法が求められている。
性質を有することから、家庭工作用、土木建築用、構造
用などの接着剤、建築用、自動車用、缶用、重防食用な
どの塗料、舗装材料、炭素繊維強化プラスチックなどの
複合材料、エレクトロニクスにおける超LSIやLED
などの封止用材料、電気機器における注型、含浸、粉体
塗装絶縁材料などの用途に幅広く用いられている。しか
しながら、エポキシ樹脂は硬化物に内部応力が発生しや
すいため、接着強度や耐衝撃性が不十分なりやすいとい
う欠点を有し、これまで種々の改良がなされてきた。例
えば、スピロ環型構造の導入などのエポキシ樹脂の構造
の変性、充填剤の配合、ポリブタジエンやニトリルゴム
などのゴム質の配合、反応性希釈剤の添加、硬化剤によ
る脂肪族鎖の導入などが行われているが、コストアップ
や、耐熱性、剛性などの物性の低下を招くことが多く、
適用しうる用途は限られている。特開平6−17273
4号公報には、この問題に対して、エポキシ樹脂未硬化
媒体に、相溶性パラメーターの近い(メタ)アクリレー
ト系重合体をシェル層とし、ガラス転移点が−30℃以
下の重合体をコア部とするコア/シェル型共重合体を補
強剤とし、熱活性型硬化剤と共に配合してなる組成物を
180℃に加熱することにより金属間他の接着強度が著
しく向上すること、また、上記組成物は高温に加熱しな
ければ硬化反応を起こさないので一液型であり、かつ室
温での粘度安定性が優れていることが開示されている。
この方法は十分な接着強度を発現する優れた工業的方法
ではあるものの、高温加熱装置を持たない家庭用途には
向かないものである。高温に加熱することなく、十分な
接着強度、すなわち、引張剪断強度として200kgf/c
m2以上、T字剥離強度として10kgf/25mm以上が簡
単に得られるような接着方法が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属、木
材、プラスチックなど、あるいはこれらの異種材料間を
強力に接着することができる、家庭でも簡便に使用する
ことができる準構造用エポキシ樹脂系接着性組成物を用
いる接着方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
材、プラスチックなど、あるいはこれらの異種材料間を
強力に接着することができる、家庭でも簡便に使用する
ことができる準構造用エポキシ樹脂系接着性組成物を用
いる接着方法を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、簡便で高
い接着強度が得られる接着方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、低ガラス転移点のコア部と高ガラス転移点
のシェル層で構成され、金属カチオンによりイオン架橋
させた共重合体樹脂粉末とエポキシ樹脂よりなる混合物
に、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を混合して得られ
る組成物が、高温加熱せずに短時間に硬化し、かつ高い
接着強度を与えることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(A)(a)ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)ア
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及び(B)エポキシ樹脂からなる混合物
に、(C)エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作
直前に混合して得られる二液型エポキシ樹脂系接着性組
成物を接着面に塗布して接面し、次いで加熱することを
特徴とする接着方法を提供するものである。また、上記
加熱温度が40〜100℃である接着方法を提供するも
のである。
い接着強度が得られる接着方法を開発すべく鋭意研究を
重ねた結果、低ガラス転移点のコア部と高ガラス転移点
のシェル層で構成され、金属カチオンによりイオン架橋
させた共重合体樹脂粉末とエポキシ樹脂よりなる混合物
に、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を混合して得られ
る組成物が、高温加熱せずに短時間に硬化し、かつ高い
接着強度を与えることを見いだし、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、
(A)(a)ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)ア
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及び(B)エポキシ樹脂からなる混合物
に、(C)エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作
直前に混合して得られる二液型エポキシ樹脂系接着性組
成物を接着面に塗布して接面し、次いで加熱することを
特徴とする接着方法を提供するものである。また、上記
加熱温度が40〜100℃である接着方法を提供するも
のである。
【0005】本発明方法において、(A)成分に用いら
れるコア/シェル型共重合体の樹脂粒子は、ガラス転移
点が−30℃以下の重合体からなるコア部と、ガラス転
移点が70℃以上のシェル層とで構成されるコア/シェ
ル型共重合体である。該(A)成分に用いる樹脂粒子の
製造においては、まずコア部であるガラス転移点が−3
0℃以下の重合体からなるゴム状のシードポリマー(a)
を調製する。ガラス転移点が−30℃以下の重合体の例
としては、ジエン系重合体又は(メタ)アクリレート系
重合体を挙げることができる。本発明において、(メ
タ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレー
トを意味するものである。ガラス転移点が−30℃以下
のホモ重合体を与える(メタ)アクリレート系単量体と
しては、例えば、n−プロピルアクリレート(ホモ重合
体のガラス転移点−52℃)、n−ブチルアクリレート
(同−54℃)、n−オクチルアクリレート(同−65
℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(同−85
℃)、n−デシルメタクリレート(同−65℃)などが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。特に、n−ブチルアクリレー
トや2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。ま
た、ガラス転移点が−30℃以下のホモ重合体を与える
ジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエンなど
の共役ジエン系化合物;1,4−ヘキサジエンなどの非
共役ジエン系化合物などが挙げられ、これらは1種又は
2種以上を組み合わせて使用することができるが、これ
らの中で、特にブタジエン及びイソプレンが好適であ
る。本発明において、コア部のガラス転移点は−30℃
以下、好ましくは−40℃以下であることが望ましい。
その理由は、コア部のガラス転移点が−30℃を超える
と、樹脂粉末(A)のエポキシ樹脂(B)の補強材とし
ての機能が低下し、殊に耐衝撃性が低下するからであ
る。
れるコア/シェル型共重合体の樹脂粒子は、ガラス転移
点が−30℃以下の重合体からなるコア部と、ガラス転
移点が70℃以上のシェル層とで構成されるコア/シェ
ル型共重合体である。該(A)成分に用いる樹脂粒子の
製造においては、まずコア部であるガラス転移点が−3
0℃以下の重合体からなるゴム状のシードポリマー(a)
を調製する。ガラス転移点が−30℃以下の重合体の例
としては、ジエン系重合体又は(メタ)アクリレート系
重合体を挙げることができる。本発明において、(メ
タ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレー
トを意味するものである。ガラス転移点が−30℃以下
のホモ重合体を与える(メタ)アクリレート系単量体と
しては、例えば、n−プロピルアクリレート(ホモ重合
体のガラス転移点−52℃)、n−ブチルアクリレート
(同−54℃)、n−オクチルアクリレート(同−65
℃)、2−エチルヘキシルアクリレート(同−85
℃)、n−デシルメタクリレート(同−65℃)などが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよい。特に、n−ブチルアクリレー
トや2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。ま
た、ガラス転移点が−30℃以下のホモ重合体を与える
ジエン系単量体としては、例えば、ブタジエン、イソプ
レン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエンなど
の共役ジエン系化合物;1,4−ヘキサジエンなどの非
共役ジエン系化合物などが挙げられ、これらは1種又は
2種以上を組み合わせて使用することができるが、これ
らの中で、特にブタジエン及びイソプレンが好適であ
る。本発明において、コア部のガラス転移点は−30℃
以下、好ましくは−40℃以下であることが望ましい。
その理由は、コア部のガラス転移点が−30℃を超える
と、樹脂粉末(A)のエポキシ樹脂(B)の補強材とし
ての機能が低下し、殊に耐衝撃性が低下するからであ
る。
【0006】本発明においては、前記の(メタ)アクリ
レート系又はジエン系単量体に、所望により架橋性単量
体を添加して、一層ゴム弾性を有するコア部を調製する
ことも有効である。このための架橋性単量体としては、
2個以上の反応性が実質上等しい二重結合を有するも
の、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メ
タ)アクリレート、さらにはジビニルベンゼンなどの芳
香族ジビニル単量体、トリメリット酸トリアリル、トリ
アリルイソシアヌレートなどを用いることができる。こ
れらの架橋性単量体は、得られる重合体のガラス転移点
が−30℃以下となる範囲で単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その使用量
は、コア部の単量体全重量に基づき、通常0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で選ばれ
る。架橋性単量体の使用量がコア部の全重量の5重量%
を超えると、コア部の架橋が著しくなり、エポキシ樹脂
組成物の接着強度、殊に耐衝撃性が低下する。さらに、
前記(メタ)アクリレート系単量体、ジエン系単量体及
び架橋性単量体とともに、所望に応じ共重合可能な他の
単量体を用いることができる。この所望に応じて用いら
れる共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化
ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;さらには、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルフマレ
ート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマ
レエート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチル
メタクリレートなどが挙げられる。これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その
使用量は、得られる重合体のガラス転移点が−30℃以
下となる範囲で選ぶ必要があるが、通常コア部の単量体
全重量に基づき50重量%以下の範囲で選ばれる。ま
た、必要に応じてt−ドデシルメルカプタンなどの分子
量調節剤を添加してもよい。
レート系又はジエン系単量体に、所望により架橋性単量
体を添加して、一層ゴム弾性を有するコア部を調製する
ことも有効である。このための架橋性単量体としては、
2個以上の反応性が実質上等しい二重結合を有するも
の、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジ
オールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレンジ(メ
タ)アクリレート、さらにはジビニルベンゼンなどの芳
香族ジビニル単量体、トリメリット酸トリアリル、トリ
アリルイソシアヌレートなどを用いることができる。こ
れらの架橋性単量体は、得られる重合体のガラス転移点
が−30℃以下となる範囲で単独で用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよく、また、その使用量
は、コア部の単量体全重量に基づき、通常0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜2重量%の範囲で選ばれ
る。架橋性単量体の使用量がコア部の全重量の5重量%
を超えると、コア部の架橋が著しくなり、エポキシ樹脂
組成物の接着強度、殊に耐衝撃性が低下する。さらに、
前記(メタ)アクリレート系単量体、ジエン系単量体及
び架橋性単量体とともに、所望に応じ共重合可能な他の
単量体を用いることができる。この所望に応じて用いら
れる共重合可能な他の単量体としては、例えば、スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの芳香族
ビニル系化合物;(メタ)アクリロニトリル、シアン化
ビニリデンなどのシアン化ビニル化合物;さらには、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロ
キシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルフマレ
ート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、モノブチルマ
レエート、グリシジルメタクリレート、ブトキシエチル
メタクリレートなどが挙げられる。これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その
使用量は、得られる重合体のガラス転移点が−30℃以
下となる範囲で選ぶ必要があるが、通常コア部の単量体
全重量に基づき50重量%以下の範囲で選ばれる。ま
た、必要に応じてt−ドデシルメルカプタンなどの分子
量調節剤を添加してもよい。
【0007】次に、このようにして得られたガラス転移
点が−30℃以下の重合体をコア部(a)とし、ガラス転
移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層(b)を形
成させる。この際用いられるシェル層の原料成分として
は、ホモ重合体がガラス転移点70℃以上を与える単量
体を主に用いる必要がある。具体的には、例えば、イソ
プロピルメタクリレート(ホモ重合体のガラス転移点8
1℃)、t−ブチルメタクリレート(同107℃)、シ
クロヘキシルメタクリレート(同76℃)、フェニルメ
タクリレート(同110℃)、メチルメタクリレート
(同105℃)などの(メタ)アクリレート系単量体;
スチレン(同100℃)、4−クロロスチレン(同11
0℃)、2−エチルスチレン(同103℃)などの芳香
族ビニル単量体;アクリロニトリル(同125℃)、塩
化ビニル(同約80℃)などが挙げられる。これらは1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
いが、これらの中で(メタ)アクリレート系単量体、特
にメチルメタクリレートが好適である。本発明におい
て、シェル層(b)のガラス転移点は70℃以上、好まし
くは90℃以上であることが望ましい。シェル層のガラ
ス転移点が70℃未満であるとコア/シェル型共重合体
からなる樹脂粒子を重合反応後に乾燥する際、凝集して
塊になりやすい。本発明において、コア部/シェル層の
重量比は1/4〜3/1、好ましくは1/3〜2/1の
範囲にあることが望ましい。コア部/シェル層の重量比
が1/4未満であると、接着性組成物の接着強度が低下
するおそれがある。コア部/シェル層の重量比が3/1
を超えると、コア/シェル型共重合体からなる樹脂粒子
のイオン架橋物とエポキシ樹脂との混合物の貯蔵時の粘
度の増加が大きくなるおそれがある。
点が−30℃以下の重合体をコア部(a)とし、ガラス転
移点が70℃以上の共重合体からなるシェル層(b)を形
成させる。この際用いられるシェル層の原料成分として
は、ホモ重合体がガラス転移点70℃以上を与える単量
体を主に用いる必要がある。具体的には、例えば、イソ
プロピルメタクリレート(ホモ重合体のガラス転移点8
1℃)、t−ブチルメタクリレート(同107℃)、シ
クロヘキシルメタクリレート(同76℃)、フェニルメ
タクリレート(同110℃)、メチルメタクリレート
(同105℃)などの(メタ)アクリレート系単量体;
スチレン(同100℃)、4−クロロスチレン(同11
0℃)、2−エチルスチレン(同103℃)などの芳香
族ビニル単量体;アクリロニトリル(同125℃)、塩
化ビニル(同約80℃)などが挙げられる。これらは1
種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
いが、これらの中で(メタ)アクリレート系単量体、特
にメチルメタクリレートが好適である。本発明におい
て、シェル層(b)のガラス転移点は70℃以上、好まし
くは90℃以上であることが望ましい。シェル層のガラ
ス転移点が70℃未満であるとコア/シェル型共重合体
からなる樹脂粒子を重合反応後に乾燥する際、凝集して
塊になりやすい。本発明において、コア部/シェル層の
重量比は1/4〜3/1、好ましくは1/3〜2/1の
範囲にあることが望ましい。コア部/シェル層の重量比
が1/4未満であると、接着性組成物の接着強度が低下
するおそれがある。コア部/シェル層の重量比が3/1
を超えると、コア/シェル型共重合体からなる樹脂粒子
のイオン架橋物とエポキシ樹脂との混合物の貯蔵時の粘
度の増加が大きくなるおそれがある。
【0008】本発明において、シェル層の樹脂はエポキ
シ樹脂が硬化した後は一体的な物質として含有されるこ
とにより、接着強度を高く維持することができる。その
ため、シェル層の樹脂はエポキシ樹脂と相溶性があるの
で、硬化前の貯蔵中エポキシ樹脂が粒子に浸透して顕著
な粘度上昇を起こして塗工不能になるおそれがある。こ
の場合、シェル層を共有結合による架橋処理を十分に行
うことにより貯蔵安定性は改善できるが、本来の目的で
ある耐衝撃性が逆に低下するという背反した結果とな
る。本発明においては、シェル層の重合体にイオン架橋
させたコア/シェル型共重合体を使用することにより、
貯蔵中の粘度上昇を防ぎ、硬化物に高い衝撃強度をもた
せることができる。イオン架橋は、硫黄架橋やパーオキ
サイド架橋などの共有結合による架橋構造と異なり、熱
可逆的に架橋構造の形成が変化するため、イオン架橋に
よって改質された樹脂粒子の表面は、室温では架橋され
た構造の性質を示し、一方、加熱硬化の成形条件下では
架橋が弛緩した性質を示す。従って加熱をしない室温硬
化、あるいは低温では耐衝撃性が低下する傾向となる。
その結果、本発明に用いられる接着性組成物は、粘度安
定性と接着性とを兼ね備えた性質を有している。すなわ
ち、本発明においては、架橋剤としての金属カチオン
が、コア/シェル型共重合体のシェル層に側鎖として導
入されたカルボキシル基とカルボキシル基との間にイオ
ン架橋を形成させ、これによる三次元ポリマー構造によ
って、分散媒であるエポキシ樹脂による室温での膨潤性
を低下させ、それでいて加熱によりエポキシ樹脂がコア
/シェル型共重合体に浸透しつつ硬化するので本来の物
性を発揮することができる。本発明においては、イオン
架橋の目的で、シェル層の原料成分としてカルボキシル
基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性不飽和カル
ボン酸単量体を導入する。このような不飽和カルボン酸
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチルア
クリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;マ
レイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロ
ロマレイン酸などの不飽和ポリカルボン酸やその無水
物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モ
ノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチルなどの少なくとも一つのカル
ボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸誘導体などが
挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよいが、これらの中で特に(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸が好適
である。
シ樹脂が硬化した後は一体的な物質として含有されるこ
とにより、接着強度を高く維持することができる。その
ため、シェル層の樹脂はエポキシ樹脂と相溶性があるの
で、硬化前の貯蔵中エポキシ樹脂が粒子に浸透して顕著
な粘度上昇を起こして塗工不能になるおそれがある。こ
の場合、シェル層を共有結合による架橋処理を十分に行
うことにより貯蔵安定性は改善できるが、本来の目的で
ある耐衝撃性が逆に低下するという背反した結果とな
る。本発明においては、シェル層の重合体にイオン架橋
させたコア/シェル型共重合体を使用することにより、
貯蔵中の粘度上昇を防ぎ、硬化物に高い衝撃強度をもた
せることができる。イオン架橋は、硫黄架橋やパーオキ
サイド架橋などの共有結合による架橋構造と異なり、熱
可逆的に架橋構造の形成が変化するため、イオン架橋に
よって改質された樹脂粒子の表面は、室温では架橋され
た構造の性質を示し、一方、加熱硬化の成形条件下では
架橋が弛緩した性質を示す。従って加熱をしない室温硬
化、あるいは低温では耐衝撃性が低下する傾向となる。
その結果、本発明に用いられる接着性組成物は、粘度安
定性と接着性とを兼ね備えた性質を有している。すなわ
ち、本発明においては、架橋剤としての金属カチオン
が、コア/シェル型共重合体のシェル層に側鎖として導
入されたカルボキシル基とカルボキシル基との間にイオ
ン架橋を形成させ、これによる三次元ポリマー構造によ
って、分散媒であるエポキシ樹脂による室温での膨潤性
を低下させ、それでいて加熱によりエポキシ樹脂がコア
/シェル型共重合体に浸透しつつ硬化するので本来の物
性を発揮することができる。本発明においては、イオン
架橋の目的で、シェル層の原料成分としてカルボキシル
基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性不飽和カル
ボン酸単量体を導入する。このような不飽和カルボン酸
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、α−エチルア
クリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;マ
レイン酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロ
ロマレイン酸などの不飽和ポリカルボン酸やその無水
物;マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マ
レイン酸モノブチル、フマル酸モノメチル、フマル酸モ
ノエチル、イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノエチ
ル、イタコン酸モノブチルなどの少なくとも一つのカル
ボキシル基を有する不飽和ポリカルボン酸誘導体などが
挙げられる。これらは1種用いてもよいし、2種以上を
組み合わせて用いてもよいが、これらの中で特に(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸が好適
である。
【0009】本発明において、シェル層の共重合体に
は、カルボキシル基を含む単量体単位が該共重合体10
0重量部当たり0.01〜20重量部、好ましくは0.0
5〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部の
割合で存在することが望ましい。カルボキシル基を含む
単量体単位の含有量が該共重合体100重量部当たり
0.01重量部未満であると、イオン架橋による粒子表
面の改質効果の向上はほとんど発揮されない。カルボキ
シル基を含む単量体単位の含有量が該共重合体100重
量部当たり20重量部を超えると、その量の割には粒子
表面の改質効果の向上は認められず、むしろコア/シェ
ル型共重合体本来の機械的特性が低下する。 本発明においては、また、所望によりシェル層の原料成
分として架橋性単量体を添加することができる。この架
橋性単量体としては、前記コア部を形成する(メタ)ア
クリレート系重合体又はジエン系重合体の説明において
例示したものの中から1種又は2種以上を選び、用いる
ことができる。この架橋性単量体の使用量は、シェル層
の単量体全重量に基づき、通常0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%の範囲で選ばれる。架橋性
単量体の使用量がシェル層の単量体全重量に基づいて1
0重量%を超えると、樹脂粒子の補強剤としての機能が
低下する。本発明においては、さらに所望に応じて、前
記シェル層の原料成分とともに、共重合可能な他の単量
体を用いることができる。この所望に応じて用いられる
共重合可能な単量体としては、前記コア部を形成する重
合体の例として、ジエン系又は(メタ)アクリレート系
重合体の説明において例示したものの中から1種又は2
種以上を選び用いることができる。その使用量は、シェ
ル層のガラス転移点が70℃以上となる範囲で選ぶ必要
があるが、シェル層の単量体全重量に基づき、通常、5
0重量%以下の範囲で選ばれる。
は、カルボキシル基を含む単量体単位が該共重合体10
0重量部当たり0.01〜20重量部、好ましくは0.0
5〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜5重量部の
割合で存在することが望ましい。カルボキシル基を含む
単量体単位の含有量が該共重合体100重量部当たり
0.01重量部未満であると、イオン架橋による粒子表
面の改質効果の向上はほとんど発揮されない。カルボキ
シル基を含む単量体単位の含有量が該共重合体100重
量部当たり20重量部を超えると、その量の割には粒子
表面の改質効果の向上は認められず、むしろコア/シェ
ル型共重合体本来の機械的特性が低下する。 本発明においては、また、所望によりシェル層の原料成
分として架橋性単量体を添加することができる。この架
橋性単量体としては、前記コア部を形成する(メタ)ア
クリレート系重合体又はジエン系重合体の説明において
例示したものの中から1種又は2種以上を選び、用いる
ことができる。この架橋性単量体の使用量は、シェル層
の単量体全重量に基づき、通常0.01〜10重量%、
好ましくは0.1〜5重量%の範囲で選ばれる。架橋性
単量体の使用量がシェル層の単量体全重量に基づいて1
0重量%を超えると、樹脂粒子の補強剤としての機能が
低下する。本発明においては、さらに所望に応じて、前
記シェル層の原料成分とともに、共重合可能な他の単量
体を用いることができる。この所望に応じて用いられる
共重合可能な単量体としては、前記コア部を形成する重
合体の例として、ジエン系又は(メタ)アクリレート系
重合体の説明において例示したものの中から1種又は2
種以上を選び用いることができる。その使用量は、シェ
ル層のガラス転移点が70℃以上となる範囲で選ぶ必要
があるが、シェル層の単量体全重量に基づき、通常、5
0重量%以下の範囲で選ばれる。
【0010】本発明において、コア/シェル型共重合体
を製造するには、例えば、まず前記のコア部形成のため
の単量体を用いて乳化重合又は微細懸濁重合により重合
体粒子のラテックスを製造する。次いで、このラテック
スに前記したシェル層を形成させるための単量体を添加
して重合を続行する。この後段の反応は通常乳化重合法
が採用され、安定な反応生成物を得るため乳化剤溶液や
ラジカル開始剤溶液を、ある一定期間にわたって少量ず
つ添加する方式が多用される。本発明において、イオン
架橋型のコア/シェル型共重合体を製造するには、通常
は上記の後段のシェル層形成のための単量体の中に前記
のカルボキシル基含有単量体を所定量含有させる。シェ
ル層全体にカルボキシル基が存在する共重合体にしても
よいし、シェル層の最外層のみにカルボキシル基を有す
る共重合体にしてもよい。シェル層の最外層のみにカル
ボキシル基を含む共重合体にするには、カルボキシル基
含有単量体を、シェル層の重合反応の後期に連続的ある
いは断続的に添加する方法と、シェル層の成分として
(メタ)アクリレート系単量体を重合して調製した重合
体粒子を、重合後にアルカリなどでけん化させる方法な
どがある。これらのシェル層の最外層のみにカルボキシ
ル基を存在させる方法によって、カルボキシル基を有す
る単量体単位のコア/シェル型共重合体粒子全体に占め
る割合を少量にして、本来のコア/シェル型共重合体の
物性を維持することが好ましい。このコア/シェル型共
重合体は、前記のように少なくとも2段階の多段重合法
により得ることができるが、場合によっては1段目で作
成したシードラテックスを無機塩やアルコールや単量体
などによって部分凝集させたのち、その上にグラフト重
合することにより作成してもよい。本発明においては、
次に、前記コア/シェル型共重合体に金属カチオンを添
加してシェル層のカルボキシル基間をイオン架橋させ
る。この金属カチオンとしては、例えば、カリウム、ナ
トリウム、リチウム、セシウムなどの一価の金属イオ
ン;カルシウム、亜鉛、スズ、クロム、鉛などの二価の
金属イオンなどを使用することができるが、特に周期律
表I〜II族に属する金属の一価又は二価のイオンが好ま
しい。また、該カチオンの供給体としては、前記金属類
の酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩などの無機酸の塩、さ
らにはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、
カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、エルシン酸、リノレン酸、コハク酸、アジピン酸、
ナフテン酸、チオカルボン酸などの有機酸の塩、アセチ
ルアセトン塩、エトキシドやメトキシドなどのアルコラ
ートなどが挙げられる。酸塩の場合は、酸の解離定数p
Kaが4以上のものが望ましい。また、これらの金属カ
チオンの中で、特に一価の金属の水酸化物及びカルボン
酸塩がイオン架橋の反応効率や加熱成形品の機械的強度
の点から有効である。前記の一価及び二価のカチオン供
給体は、溶液中においては、室温で数分以内でイオン架
橋反応が可能であるという特徴を有している。
を製造するには、例えば、まず前記のコア部形成のため
の単量体を用いて乳化重合又は微細懸濁重合により重合
体粒子のラテックスを製造する。次いで、このラテック
スに前記したシェル層を形成させるための単量体を添加
して重合を続行する。この後段の反応は通常乳化重合法
が採用され、安定な反応生成物を得るため乳化剤溶液や
ラジカル開始剤溶液を、ある一定期間にわたって少量ず
つ添加する方式が多用される。本発明において、イオン
架橋型のコア/シェル型共重合体を製造するには、通常
は上記の後段のシェル層形成のための単量体の中に前記
のカルボキシル基含有単量体を所定量含有させる。シェ
ル層全体にカルボキシル基が存在する共重合体にしても
よいし、シェル層の最外層のみにカルボキシル基を有す
る共重合体にしてもよい。シェル層の最外層のみにカル
ボキシル基を含む共重合体にするには、カルボキシル基
含有単量体を、シェル層の重合反応の後期に連続的ある
いは断続的に添加する方法と、シェル層の成分として
(メタ)アクリレート系単量体を重合して調製した重合
体粒子を、重合後にアルカリなどでけん化させる方法な
どがある。これらのシェル層の最外層のみにカルボキシ
ル基を存在させる方法によって、カルボキシル基を有す
る単量体単位のコア/シェル型共重合体粒子全体に占め
る割合を少量にして、本来のコア/シェル型共重合体の
物性を維持することが好ましい。このコア/シェル型共
重合体は、前記のように少なくとも2段階の多段重合法
により得ることができるが、場合によっては1段目で作
成したシードラテックスを無機塩やアルコールや単量体
などによって部分凝集させたのち、その上にグラフト重
合することにより作成してもよい。本発明においては、
次に、前記コア/シェル型共重合体に金属カチオンを添
加してシェル層のカルボキシル基間をイオン架橋させ
る。この金属カチオンとしては、例えば、カリウム、ナ
トリウム、リチウム、セシウムなどの一価の金属イオ
ン;カルシウム、亜鉛、スズ、クロム、鉛などの二価の
金属イオンなどを使用することができるが、特に周期律
表I〜II族に属する金属の一価又は二価のイオンが好ま
しい。また、該カチオンの供給体としては、前記金属類
の酸化物、水酸化物、リン酸塩、炭酸塩、硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、亜硝酸塩、亜硫酸塩などの無機酸の塩、さ
らにはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、オクチル酸、
カプリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、エルシン酸、リノレン酸、コハク酸、アジピン酸、
ナフテン酸、チオカルボン酸などの有機酸の塩、アセチ
ルアセトン塩、エトキシドやメトキシドなどのアルコラ
ートなどが挙げられる。酸塩の場合は、酸の解離定数p
Kaが4以上のものが望ましい。また、これらの金属カ
チオンの中で、特に一価の金属の水酸化物及びカルボン
酸塩がイオン架橋の反応効率や加熱成形品の機械的強度
の点から有効である。前記の一価及び二価のカチオン供
給体は、溶液中においては、室温で数分以内でイオン架
橋反応が可能であるという特徴を有している。
【0011】本発明において、上記のイオン架橋させた
樹脂粒子を得る方法には、カルボキシル基を有するコア
/シェル型共重合体を用い、上記のような(1)重合工程
後のコア/シェル型共重合体ラテックスにカチオンを添
加する方法、(2)コア/シェル型共重合体を適当な溶媒
に溶かして、このポリマー溶液中にカチオンを添加して
イオン架橋反応を起こさせる方法、(3)未反応エポキシ
樹脂にコア/シェル型共重合体の粉体を添加して接着剤
を混合調製する過程でカチオンを添加する方法などがあ
る。これらのいずれの方法も利用可能であるが、特に取
扱い性と分散効率上から(1)のラテックス添加法が簡便
であり有用である。本発明において、水系重合液中でカ
ルボキシル基含有単量体を共重合させた場合は、その親
水性によってコア/シェル型共重合体粒子の表層に、カ
ルボキシル基の大部分が集積されている。そのため水相
にカチオン供給体を添加する場合は、水相中に解離した
カチオンと解離性の高いカルボキシル基との遭遇の確率
は極めて高く、また、イオン間の反応であるために、短
時間でイオン架橋反応が完了する。本発明において、コ
ア部を構成する重合体がカルボキシル基含有単量体との
共重合体である必要はないが、コア部をカルボキシル基
を有する共重合体にすることもできる。本発明におい
て、上記イオン架橋においては、カルボキシル基の一部
ないし全部がイオン化してカルボキシルアニオンとな
り、金属イオンをカウンターカチオンとしてイオン結合
を形成するために、イオン架橋率は添加するカチオン供
給体の量によって容易に調節することができる。上述の
イオン架橋反応は一般的に定量的に進行するが、理論量
よりも過剰量のカチオン供給体を使用することができ
る。このイオン架橋の存在は、赤外吸収スペクトルによ
るカルボキシレート基の吸収の測定や、金属イオンの定
量や、溶剤に対するコア/シェル型共重合体の膨潤度を
測定することにより容易に分析することが可能である。
イオン架橋の解離性については示差熱分析で、密度につ
いては膨潤度の測定により、それぞれ確認することが可
能である。本発明において、コア/シェル型共重合体を
イオン架橋させる場合は、所望の架橋度に応じて、コア
/シェル型共重合体中に含有されるカルボキシル基当た
りのカチオン供給体の金属原子のモル比を選択する必要
がある。カチオン供給体の添加量は、コア/シェル型共
重合体中のカルボキシル基量に対して0.1〜3モル倍
が好適範囲で、このモル比でイオン架橋させた樹脂粒子
は特に機械的特性が優れたものとなる。上記モル比が
0.1モル倍未満の場合は、共重合体樹脂粉末とエポキ
シ樹脂の混合物の貯蔵安定性改良のための表面改質効果
が著しく劣り、上記モル比が3モル倍を超えた場合は得
られたイオン架橋させた樹脂粉末の吸湿性が高く、硬化
した接着性組成物の機械的特性が低下する傾向が見られ
る。
樹脂粒子を得る方法には、カルボキシル基を有するコア
/シェル型共重合体を用い、上記のような(1)重合工程
後のコア/シェル型共重合体ラテックスにカチオンを添
加する方法、(2)コア/シェル型共重合体を適当な溶媒
に溶かして、このポリマー溶液中にカチオンを添加して
イオン架橋反応を起こさせる方法、(3)未反応エポキシ
樹脂にコア/シェル型共重合体の粉体を添加して接着剤
を混合調製する過程でカチオンを添加する方法などがあ
る。これらのいずれの方法も利用可能であるが、特に取
扱い性と分散効率上から(1)のラテックス添加法が簡便
であり有用である。本発明において、水系重合液中でカ
ルボキシル基含有単量体を共重合させた場合は、その親
水性によってコア/シェル型共重合体粒子の表層に、カ
ルボキシル基の大部分が集積されている。そのため水相
にカチオン供給体を添加する場合は、水相中に解離した
カチオンと解離性の高いカルボキシル基との遭遇の確率
は極めて高く、また、イオン間の反応であるために、短
時間でイオン架橋反応が完了する。本発明において、コ
ア部を構成する重合体がカルボキシル基含有単量体との
共重合体である必要はないが、コア部をカルボキシル基
を有する共重合体にすることもできる。本発明におい
て、上記イオン架橋においては、カルボキシル基の一部
ないし全部がイオン化してカルボキシルアニオンとな
り、金属イオンをカウンターカチオンとしてイオン結合
を形成するために、イオン架橋率は添加するカチオン供
給体の量によって容易に調節することができる。上述の
イオン架橋反応は一般的に定量的に進行するが、理論量
よりも過剰量のカチオン供給体を使用することができ
る。このイオン架橋の存在は、赤外吸収スペクトルによ
るカルボキシレート基の吸収の測定や、金属イオンの定
量や、溶剤に対するコア/シェル型共重合体の膨潤度を
測定することにより容易に分析することが可能である。
イオン架橋の解離性については示差熱分析で、密度につ
いては膨潤度の測定により、それぞれ確認することが可
能である。本発明において、コア/シェル型共重合体を
イオン架橋させる場合は、所望の架橋度に応じて、コア
/シェル型共重合体中に含有されるカルボキシル基当た
りのカチオン供給体の金属原子のモル比を選択する必要
がある。カチオン供給体の添加量は、コア/シェル型共
重合体中のカルボキシル基量に対して0.1〜3モル倍
が好適範囲で、このモル比でイオン架橋させた樹脂粒子
は特に機械的特性が優れたものとなる。上記モル比が
0.1モル倍未満の場合は、共重合体樹脂粉末とエポキ
シ樹脂の混合物の貯蔵安定性改良のための表面改質効果
が著しく劣り、上記モル比が3モル倍を超えた場合は得
られたイオン架橋させた樹脂粉末の吸湿性が高く、硬化
した接着性組成物の機械的特性が低下する傾向が見られ
る。
【0012】本発明においては、多段重合により得られ
たコア/シェル型共重合体を含むラテックスを、通常、
多翼型回転ディスク式、円盤型回転ディスク式、ノズル
式などで噴霧乾燥をすることにより、粉末状のコア/シ
ェル型共重合体が得られる。この乾燥の場合、一般にコ
ア/シェル型共重合体は噴霧液滴単位で凝集し、20〜
100μm程度の凝集粒子を形成する。凝集の程度は乾
燥条件によって異なり、乾燥後に粉砕してほぐす工程を
設けることもできる。また、乳化重合後に塩析法や凍結
法によりラテックス粒子を凝固分離し、脱水して調製し
たウェットケーキを流動床などで乾燥して、凝集粒子状
として得ることもできる。本発明に用いられるエポキシ
樹脂(B)は、常温で液状又はペーストのエポキシ樹脂
であり、ビスフェノール縮合物、ヒダントイン系エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹
脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などの広い種類のエポ
キシ樹脂が含まれる。特に好ましいエポキシ樹脂の例と
しては、ビスフェノールA又はビスフェノールFにエピ
クロルヒドリンなどのエポキシ基含有化合物を反応させ
て得られる初期縮合物などが挙げられる。また、ビスフ
ェノールAにエチレンオキシド又はプロピレンオキシド
を2〜20モル付加した化合物から誘導されるエポキシ
樹脂も使用することができる。本発明における樹脂粉末
(A)の使用量は、エポキシ樹脂(B)100重量部当
たり5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部とす
ることが望ましい。樹脂粉末の使用量がエポキシ樹脂1
00重量部当たり5重量部未満では、得られた接着性組
成物の接着強度が小さく、樹脂粉末の使用量がエポキシ
樹脂100重量部当たり70重量部を超えると、接着性
組成物の粘度が高くなり、また使用量の割には接着強度
が上がらない。本発明において、樹脂粉末(A)とエポ
キシ樹脂(B)の混合は公知の任意の混練機を使用して
行うことができる。このような混練機としては、例え
ば、ディスパー、ニーダー、三本ロール、パドルミキサ
ー、プラネタリーミキサーなどを好適に使用することが
できる。本発明に用いられる樹脂粉末はシェル層におい
てイオン架橋しているので、エポキシ樹脂と混合しても
高温に加熱しない限り安定に保存することができる。
たコア/シェル型共重合体を含むラテックスを、通常、
多翼型回転ディスク式、円盤型回転ディスク式、ノズル
式などで噴霧乾燥をすることにより、粉末状のコア/シ
ェル型共重合体が得られる。この乾燥の場合、一般にコ
ア/シェル型共重合体は噴霧液滴単位で凝集し、20〜
100μm程度の凝集粒子を形成する。凝集の程度は乾
燥条件によって異なり、乾燥後に粉砕してほぐす工程を
設けることもできる。また、乳化重合後に塩析法や凍結
法によりラテックス粒子を凝固分離し、脱水して調製し
たウェットケーキを流動床などで乾燥して、凝集粒子状
として得ることもできる。本発明に用いられるエポキシ
樹脂(B)は、常温で液状又はペーストのエポキシ樹脂
であり、ビスフェノール縮合物、ヒダントイン系エポキ
シ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹
脂、ダイマー酸変性エポキシ樹脂、NBR変性エポキシ
樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などの広い種類のエポ
キシ樹脂が含まれる。特に好ましいエポキシ樹脂の例と
しては、ビスフェノールA又はビスフェノールFにエピ
クロルヒドリンなどのエポキシ基含有化合物を反応させ
て得られる初期縮合物などが挙げられる。また、ビスフ
ェノールAにエチレンオキシド又はプロピレンオキシド
を2〜20モル付加した化合物から誘導されるエポキシ
樹脂も使用することができる。本発明における樹脂粉末
(A)の使用量は、エポキシ樹脂(B)100重量部当
たり5〜70重量部、好ましくは10〜50重量部とす
ることが望ましい。樹脂粉末の使用量がエポキシ樹脂1
00重量部当たり5重量部未満では、得られた接着性組
成物の接着強度が小さく、樹脂粉末の使用量がエポキシ
樹脂100重量部当たり70重量部を超えると、接着性
組成物の粘度が高くなり、また使用量の割には接着強度
が上がらない。本発明において、樹脂粉末(A)とエポ
キシ樹脂(B)の混合は公知の任意の混練機を使用して
行うことができる。このような混練機としては、例え
ば、ディスパー、ニーダー、三本ロール、パドルミキサ
ー、プラネタリーミキサーなどを好適に使用することが
できる。本発明に用いられる樹脂粉末はシェル層におい
てイオン架橋しているので、エポキシ樹脂と混合しても
高温に加熱しない限り安定に保存することができる。
【0013】本発明に用いられるエポキシ樹脂用室温硬
化型硬化剤(C)としては、例えば、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチ
ルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン、m−キシレンジアミン、各種ダイマー酸とジアミン
の付加物よりなるポリアミドアミンなどの脂肪族アミン
化合物などを挙げることができる。これらの硬化剤は1
種を用いることができ、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。これらの硬化剤は、通常、常温
(15〜40℃)においてエポキシ樹脂の硬化反応に使
用されるものである。本発明において、接着に際して
は、上記の樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物と、上記の
エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作直前に混合
する。樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物及び硬化剤の混
合方法は任意であり、例えば、大量の該混合物と硬化剤
を混合する場合には、ディスパー、ニーダー、三本ロー
ル、パドルミキサー、プラネタリーミキサーなどの混練
機を使用することもできるが、接着面積が比較的小さい
場合には、少量の該混合物と硬化剤を手作業で混合する
ことができる。樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物及び硬
化剤の一方にあらかじめ染料を配合し、他方にその染料
を消色する成分を配合しておけば、消色の状態より該混
合物と硬化剤の混合状態を知ることができる。樹脂粉末
とエポキシ樹脂の混合物及びエポキシ樹脂用室温硬化型
硬化剤を混合したものを、接着する面に薄く塗って被着
体を接合し、加熱する。好ましい加熱温度は40〜10
0℃、更に好ましくは50〜80℃に温める。本発明に
用いられるエポキシ樹脂系接着性組成物には室温硬化型
硬化剤が配合されるので、室温下で接着作用が現れるの
ではあるものの、これに加熱を施すことにより驚異的な
接着強度が現出することが見出された。加熱方法には特
に制限はなく、ヘアドライアーの温風、赤外線ランプ又
はオーヴンなどを好適に使用することができるが、金属
どうしの接着の場合は湯をかけることでもよい。加熱温
度が40℃未満では、24時間以上かけなければ硬化が
進まないので実用的ではない。加熱温度が100℃を超
えると、接着強度が低下するおそれがある。本発明の接
着方法によれば、家庭において大がかりな高温加熱装置
がないところにおいても高強度の接着を実現することが
できる。本発明に用いられる接着性組成物は、コア部に
エポキシ樹脂と相溶する柔軟な重合体をもち、外部を常
温ではエポキシ樹脂の浸透を防止するカルボン酸金属塩
によりイオン架橋したシェル層で覆った共重合体樹脂粉
末を補強剤として添加したものである。接着操作の直前
に、室温硬化型硬化剤及び樹脂粉末を配合したエポキシ
樹脂を混合し、接着面に塗布して接面し、中程度の温度
すなわち40〜100℃に加熱することにより、家庭用
といえども建築、家具、車両用などで十分な構造上の接
着強度が得られる。
化型硬化剤(C)としては、例えば、エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ヘキサメチレンジアミン、
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチ
ルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5.5)ウンデカ
ン、m−キシレンジアミン、各種ダイマー酸とジアミン
の付加物よりなるポリアミドアミンなどの脂肪族アミン
化合物などを挙げることができる。これらの硬化剤は1
種を用いることができ、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。これらの硬化剤は、通常、常温
(15〜40℃)においてエポキシ樹脂の硬化反応に使
用されるものである。本発明において、接着に際して
は、上記の樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物と、上記の
エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作直前に混合
する。樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物及び硬化剤の混
合方法は任意であり、例えば、大量の該混合物と硬化剤
を混合する場合には、ディスパー、ニーダー、三本ロー
ル、パドルミキサー、プラネタリーミキサーなどの混練
機を使用することもできるが、接着面積が比較的小さい
場合には、少量の該混合物と硬化剤を手作業で混合する
ことができる。樹脂粉末とエポキシ樹脂の混合物及び硬
化剤の一方にあらかじめ染料を配合し、他方にその染料
を消色する成分を配合しておけば、消色の状態より該混
合物と硬化剤の混合状態を知ることができる。樹脂粉末
とエポキシ樹脂の混合物及びエポキシ樹脂用室温硬化型
硬化剤を混合したものを、接着する面に薄く塗って被着
体を接合し、加熱する。好ましい加熱温度は40〜10
0℃、更に好ましくは50〜80℃に温める。本発明に
用いられるエポキシ樹脂系接着性組成物には室温硬化型
硬化剤が配合されるので、室温下で接着作用が現れるの
ではあるものの、これに加熱を施すことにより驚異的な
接着強度が現出することが見出された。加熱方法には特
に制限はなく、ヘアドライアーの温風、赤外線ランプ又
はオーヴンなどを好適に使用することができるが、金属
どうしの接着の場合は湯をかけることでもよい。加熱温
度が40℃未満では、24時間以上かけなければ硬化が
進まないので実用的ではない。加熱温度が100℃を超
えると、接着強度が低下するおそれがある。本発明の接
着方法によれば、家庭において大がかりな高温加熱装置
がないところにおいても高強度の接着を実現することが
できる。本発明に用いられる接着性組成物は、コア部に
エポキシ樹脂と相溶する柔軟な重合体をもち、外部を常
温ではエポキシ樹脂の浸透を防止するカルボン酸金属塩
によりイオン架橋したシェル層で覆った共重合体樹脂粉
末を補強剤として添加したものである。接着操作の直前
に、室温硬化型硬化剤及び樹脂粉末を配合したエポキシ
樹脂を混合し、接着面に塗布して接面し、中程度の温度
すなわち40〜100℃に加熱することにより、家庭用
といえども建築、家具、車両用などで十分な構造上の接
着強度が得られる。
【0014】以下に本発明の態様を示す。 (1)(a)ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)ア
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂からなる混合物に、エポ
キシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作直前に混合して
得られる二液型エポキシ樹脂系接着性組成物を接着面に
塗布して接面し、次いで加熱することを特徴とする接着
方法。 (2)接面後の加熱温度が、40〜100℃である(1)
記載の接着方法。 (3)(a)ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)ア
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂からなる混合物を成分A
とし、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を成分Bとし、
両成分を組み合わせてなることを特徴とするエポキシ樹
脂系接着性組成物。 (4)コア部のガラス転移点が、−40℃以下である
(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接着性組成
物。 (5)コア部を形成する重合体が、n−ブチルアクリレ
ート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートの重合
体である(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接
着性組成物。 (6)コア部を形成する重合体が、ブタジエン及び/又
はイソプレンの重合体である(1)又は(2)記載の接着方
法又は(3)記載の接着性組成物。 (7)コア部を形成する重合体が、架橋性単量体により
架橋されたものである(1)又は(2)記載の接着方法又は
(3)記載の接着性組成物。 (8)シェル層のガラス転移点が、90℃以上である
(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接着性組成
物。 (9)シェル層を形成する重合体が、メチルメタクリレ
ート又は(メタ)アクリル酸、マレイン酸若しくは無水
マレイン酸の共重合体である(1)又は(2)記載の接着方
法又は(3)記載の接着性組成物。 (10)金属カチオンが、周期律表I〜II族に属する金
属の一価又は二価のイオンである(1)又は(2)記載の接
着方法又は(3)記載の接着性組成物。 (11)エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤が室温硬化型
ポリアミドアミン系硬化剤である(1)又は(2)記載の接
着方法又は(3)記載の接着性組成物。
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂からなる混合物に、エポ
キシ樹脂用室温硬化型硬化剤を接着操作直前に混合して
得られる二液型エポキシ樹脂系接着性組成物を接着面に
塗布して接面し、次いで加熱することを特徴とする接着
方法。 (2)接面後の加熱温度が、40〜100℃である(1)
記載の接着方法。 (3)(a)ガラス転移点が−30℃以下の(メタ)ア
クリレート系重合体及び/又はジエン系重合体からなる
コア部及び(b)(メタ)アクリレート系単量体と遊離
カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラジカル重合性
不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が70℃以上の
共重合体からなるシェル層で構成され、かつ、コア部/
シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲にある樹脂粒
子に、金属カチオンを付加してイオン架橋させた共重合
体樹脂粉末、及びエポキシ樹脂からなる混合物を成分A
とし、エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤を成分Bとし、
両成分を組み合わせてなることを特徴とするエポキシ樹
脂系接着性組成物。 (4)コア部のガラス転移点が、−40℃以下である
(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接着性組成
物。 (5)コア部を形成する重合体が、n−ブチルアクリレ
ート及び/又は2−エチルヘキシルアクリレートの重合
体である(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接
着性組成物。 (6)コア部を形成する重合体が、ブタジエン及び/又
はイソプレンの重合体である(1)又は(2)記載の接着方
法又は(3)記載の接着性組成物。 (7)コア部を形成する重合体が、架橋性単量体により
架橋されたものである(1)又は(2)記載の接着方法又は
(3)記載の接着性組成物。 (8)シェル層のガラス転移点が、90℃以上である
(1)又は(2)記載の接着方法又は(3)記載の接着性組成
物。 (9)シェル層を形成する重合体が、メチルメタクリレ
ート又は(メタ)アクリル酸、マレイン酸若しくは無水
マレイン酸の共重合体である(1)又は(2)記載の接着方
法又は(3)記載の接着性組成物。 (10)金属カチオンが、周期律表I〜II族に属する金
属の一価又は二価のイオンである(1)又は(2)記載の接
着方法又は(3)記載の接着性組成物。 (11)エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤が室温硬化型
ポリアミドアミン系硬化剤である(1)又は(2)記載の接
着方法又は(3)記載の接着性組成物。
【0015】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。 補強剤の合成例 第1表のコア部に示す単量体を表示の重量部、水150
重量部、炭素数12〜18のアルキル硫酸ナトリウム
1.0重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部及
び過硫酸カリウム0.1重量部を重合反応器に仕込み、
70℃にて乳化重合を行った。重合転化率98%で一旦
冷却して反応を止め、次いで第1表のシェル層に示す単
量体のうちメチルメタクリレートを表示の重量部添加し
て、再度70℃にて重合を続けた。前記メチルメタクリ
レートの50%が重合した時点で、表示のメタクリル酸
を3時間かけて連続添加して反応させ、全重合転化率9
6%にて冷却して重合反応を終了した。重合後のラテッ
クスに、水酸化カリウム1重量%水溶液100重量部
を、室温で添加して30分間撹拌した。ついでこのラテ
ックスを150℃の熱風による噴霧乾燥機にて乾燥し、
イオン架橋させた樹脂粉末(イ)及び(ロ)を得た。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら
限定されるものではない。 補強剤の合成例 第1表のコア部に示す単量体を表示の重量部、水150
重量部、炭素数12〜18のアルキル硫酸ナトリウム
1.0重量部、t−ドデシルメルカプタン0.3重量部及
び過硫酸カリウム0.1重量部を重合反応器に仕込み、
70℃にて乳化重合を行った。重合転化率98%で一旦
冷却して反応を止め、次いで第1表のシェル層に示す単
量体のうちメチルメタクリレートを表示の重量部添加し
て、再度70℃にて重合を続けた。前記メチルメタクリ
レートの50%が重合した時点で、表示のメタクリル酸
を3時間かけて連続添加して反応させ、全重合転化率9
6%にて冷却して重合反応を終了した。重合後のラテッ
クスに、水酸化カリウム1重量%水溶液100重量部
を、室温で添加して30分間撹拌した。ついでこのラテ
ックスを150℃の熱風による噴霧乾燥機にて乾燥し、
イオン架橋させた樹脂粉末(イ)及び(ロ)を得た。
【0016】
【表1】
【0017】接着強度の測定条件 (1)引張剪断強度:JIS K 6850に準じ、厚さ
1.6mmの鋼板を25mm×10mmの面積で接合した試験
片を使用し、引張速度5mm/min、23℃で、5点の試
験片について測定し、平均値を求めた。 (2)T字剥離強度:JIS K 6854に準じ、厚さ
0.8mmの鋼板を150mm×25mmの面積で接合した試
験片を使用し、引張速度50mm/min、23℃で、5点
の試験片について測定し、平均値を求めた。 ただし、引張剪断強度及びT字剥離強度の試験片は、第
2表に示した加熱条件による加熱を終えたのち、直ちに
23℃の恒温室へ移し、1時間後に測定を行った。 実施例1〜5及び比較例1〜10 JIS G 3141のSPCC鋼板の接着面を、240
番研摩紙で金属光沢が出るまでみがき、トリクロルエチ
レンで十分に洗って乾燥した。第2表に示した配合にし
たがって、500mlポリカップの中で各成分を混合し、
上記の鋼板の接着面に塗布して接面し、直ちに第2表に
示した加熱条件で加熱して硬化せしめた。
1.6mmの鋼板を25mm×10mmの面積で接合した試験
片を使用し、引張速度5mm/min、23℃で、5点の試
験片について測定し、平均値を求めた。 (2)T字剥離強度:JIS K 6854に準じ、厚さ
0.8mmの鋼板を150mm×25mmの面積で接合した試
験片を使用し、引張速度50mm/min、23℃で、5点
の試験片について測定し、平均値を求めた。 ただし、引張剪断強度及びT字剥離強度の試験片は、第
2表に示した加熱条件による加熱を終えたのち、直ちに
23℃の恒温室へ移し、1時間後に測定を行った。 実施例1〜5及び比較例1〜10 JIS G 3141のSPCC鋼板の接着面を、240
番研摩紙で金属光沢が出るまでみがき、トリクロルエチ
レンで十分に洗って乾燥した。第2表に示した配合にし
たがって、500mlポリカップの中で各成分を混合し、
上記の鋼板の接着面に塗布して接面し、直ちに第2表に
示した加熱条件で加熱して硬化せしめた。
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】[注] エピコート828:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
油化シェルエポキシ(株)製 アデカレジンEPU−11:ウレタン変性エポキシ樹
脂、旭電化工業(株)製 グットマイドG−730:室温硬化型ポリアミドアミン
系硬化剤、東都化成(株)製 エポメートB001:室温硬化型複素環状エーテルジア
ミン系硬化剤、油化シェルエポキシ(株)製 ジシアンジアミド:加熱型硬化剤、日本カーバイド(株)
製 DCMU:硬化促進剤、保土谷化学工業(株)製、3−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルユリア 白艶華U:炭酸カルシウム充填剤、白石カルシウム(株)
製 比較例1、2及び3は、ビスフェノールA型のエポキシ
樹脂100重量部に室温硬化型の硬化剤80重量部のみ
を配合したものを、30℃×1週間、60℃×1時間及
び80℃×1時間の条件で硬化させたものである。いず
れの場合も引張剪断強度は構造用接着剤として使用可能
な範囲には至らず、また、T字剥離強度が極端に低い値
となった。これに対して、実施例1及び2は、比較例1
及び2の配合にさらに補強剤(イ)を30重量部添加し
たものであり、実施例3は比較例3の配合にさらに補強
材(ロ)を30重量部添加したものである。実施例1は
50℃×24時間、実施例2は比較例2と同じ60℃×
1時間、実施例3は比較例3と同じ80℃×1時間の条
件で硬化させたものであるが、比較例1〜3に比べ、引
張剪断強度が5割以上向上し、T字剥離強度は10倍以
上と顕著に向上し、準構造用接着剤として使用できる水
準に達した。実施例4は、実施例1と同じ配合で30℃
で1日間放置した後、60℃で30分間加熱したもので
あり、後加熱によってもT字剥離強度を向上させること
ができた。実施例5は、実施例2の配合に更に微粒子の
炭酸カルシウム40重量部を併用したものであり、加熱
条件も実施例2と同一で行った結果、接着剤のタレ防止
のために充填剤で増粘させているにもかかわらず、引張
剪断強度とT字剥離強度とも殆ど低下しなかった。比較
例4は、実施例1、2及び4と同一の配合で30℃で1
週間硬化させたものであるが、T字剥離強度は実施例
1、2および4の加熱した場合と比べて半分以下であ
り、加熱しなければ補強剤を配合してもその効果が十分
に発揮されないことが分かる。比較例5は、実施例1、
2及び4と同一の配合で110℃で30分間加熱し硬化
せしめたものであるが、T字剥離強度は実施例1、2及
び4と比較して半分以下であり、加熱温度が高すぎると
T字剥離強度が低下することが分かる。比較例6、7及
び8は、ジシアンジアミドと硬化促進剤を用いた典型的
な加熱硬化型の例である。充分な接着強度を得るために
は、150℃以上の加熱が必要となり、接着のための特
別な加熱装置が必要である上に、各種熱可塑性プラスチ
ックを始めとした軟化温度の低い材料を被接着体として
使用することができなくなる。比較例9及び10は、従
来より使用されているウレタン変性エポキシ樹脂を用い
た典型的な配合である。この配合物は、室温硬化型で高
いT字剥離強度を有するとされているが、引張剪断強度
が低く、T字剥離強度も準構造用接着剤として満足すべ
き水準に達していない。さらに、この配合物は加熱によ
っても物性改善効果が見られない。
油化シェルエポキシ(株)製 アデカレジンEPU−11:ウレタン変性エポキシ樹
脂、旭電化工業(株)製 グットマイドG−730:室温硬化型ポリアミドアミン
系硬化剤、東都化成(株)製 エポメートB001:室温硬化型複素環状エーテルジア
ミン系硬化剤、油化シェルエポキシ(株)製 ジシアンジアミド:加熱型硬化剤、日本カーバイド(株)
製 DCMU:硬化促進剤、保土谷化学工業(株)製、3−
(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルユリア 白艶華U:炭酸カルシウム充填剤、白石カルシウム(株)
製 比較例1、2及び3は、ビスフェノールA型のエポキシ
樹脂100重量部に室温硬化型の硬化剤80重量部のみ
を配合したものを、30℃×1週間、60℃×1時間及
び80℃×1時間の条件で硬化させたものである。いず
れの場合も引張剪断強度は構造用接着剤として使用可能
な範囲には至らず、また、T字剥離強度が極端に低い値
となった。これに対して、実施例1及び2は、比較例1
及び2の配合にさらに補強剤(イ)を30重量部添加し
たものであり、実施例3は比較例3の配合にさらに補強
材(ロ)を30重量部添加したものである。実施例1は
50℃×24時間、実施例2は比較例2と同じ60℃×
1時間、実施例3は比較例3と同じ80℃×1時間の条
件で硬化させたものであるが、比較例1〜3に比べ、引
張剪断強度が5割以上向上し、T字剥離強度は10倍以
上と顕著に向上し、準構造用接着剤として使用できる水
準に達した。実施例4は、実施例1と同じ配合で30℃
で1日間放置した後、60℃で30分間加熱したもので
あり、後加熱によってもT字剥離強度を向上させること
ができた。実施例5は、実施例2の配合に更に微粒子の
炭酸カルシウム40重量部を併用したものであり、加熱
条件も実施例2と同一で行った結果、接着剤のタレ防止
のために充填剤で増粘させているにもかかわらず、引張
剪断強度とT字剥離強度とも殆ど低下しなかった。比較
例4は、実施例1、2及び4と同一の配合で30℃で1
週間硬化させたものであるが、T字剥離強度は実施例
1、2および4の加熱した場合と比べて半分以下であ
り、加熱しなければ補強剤を配合してもその効果が十分
に発揮されないことが分かる。比較例5は、実施例1、
2及び4と同一の配合で110℃で30分間加熱し硬化
せしめたものであるが、T字剥離強度は実施例1、2及
び4と比較して半分以下であり、加熱温度が高すぎると
T字剥離強度が低下することが分かる。比較例6、7及
び8は、ジシアンジアミドと硬化促進剤を用いた典型的
な加熱硬化型の例である。充分な接着強度を得るために
は、150℃以上の加熱が必要となり、接着のための特
別な加熱装置が必要である上に、各種熱可塑性プラスチ
ックを始めとした軟化温度の低い材料を被接着体として
使用することができなくなる。比較例9及び10は、従
来より使用されているウレタン変性エポキシ樹脂を用い
た典型的な配合である。この配合物は、室温硬化型で高
いT字剥離強度を有するとされているが、引張剪断強度
が低く、T字剥離強度も準構造用接着剤として満足すべ
き水準に達していない。さらに、この配合物は加熱によ
っても物性改善効果が見られない。
【0021】
【発明の効果】本発明に用いられる二液型エポキシ樹脂
系接着性組成物は、コア/シェル型共重合体を配合され
てなり、40〜100℃のようなゆるやかな加熱により
硬化し、高い引張剪断強度とT字剥離強度を発現する。
系接着性組成物は、コア/シェル型共重合体を配合され
てなり、40〜100℃のようなゆるやかな加熱により
硬化し、高い引張剪断強度とT字剥離強度を発現する。
Claims (2)
- 【請求項1】(A)(a)ガラス転移点が−30℃以下
の(メタ)アクリレート系重合体及び/又はジエン系重
合体からなるコア部及び(b)(メタ)アクリレート系
単量体と遊離カルボン酸基を有する炭素数3〜8個のラ
ジカル重合性不飽和カルボン酸単量体のガラス転移点が
70℃以上の共重合体からなるシェル層で構成され、か
つ、コア部/シェル層の重量比が1/4〜3/1の範囲
にある樹脂粒子に、金属カチオンを付加してイオン架橋
させた共重合体樹脂粉末、及び(B)エポキシ樹脂から
なる混合物に、(C)エポキシ樹脂用室温硬化型硬化剤
を接着操作直前に混合して得られる二液型エポキシ樹脂
系接着性組成物を接着面に塗布して接面し、次いで加熱
することを特徴とするエポキシ樹脂系接着性組成物を用
いる接着方法。 - 【請求項2】接面後、40〜100℃で加熱する請求項
1記載のエポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方
法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6259426A JPH08100162A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | エポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方法 |
US08/534,934 US5637179A (en) | 1994-09-29 | 1995-09-28 | Process for adhesion using an epoxy resin adhesive composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6259426A JPH08100162A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | エポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08100162A true JPH08100162A (ja) | 1996-04-16 |
Family
ID=17333939
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6259426A Pending JPH08100162A (ja) | 1994-09-29 | 1994-09-29 | エポキシ樹脂系接着性組成物を用いる接着方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5637179A (ja) |
JP (1) | JPH08100162A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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