JPH0790335B2 - 双ロ−ル式連続鋳造機 - Google Patents
双ロ−ル式連続鋳造機Info
- Publication number
- JPH0790335B2 JPH0790335B2 JP61273135A JP27313586A JPH0790335B2 JP H0790335 B2 JPH0790335 B2 JP H0790335B2 JP 61273135 A JP61273135 A JP 61273135A JP 27313586 A JP27313586 A JP 27313586A JP H0790335 B2 JPH0790335 B2 JP H0790335B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- twin
- sleeve
- rolls
- continuous casting
- Prior art date
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- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/06—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into moulds with travelling walls, e.g. with rolls, plates, belts, caterpillars
- B22D11/0637—Accessories therefor
- B22D11/0648—Casting surfaces
- B22D11/0651—Casting wheels
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Continuous Casting (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は狭間隙をあけて平行に対向配置した互いに反対
方向に回転する内部冷却式双ロールの円周面上において
湯溜りを形成するためのサイドダムを双ロールの両側部
の円周面の上に配置し,この湯溜り内の溶湯を該ロール
表面で冷却凝固しながらロール間の最狭隙部で圧着して
薄板に連続鋳造する双ロール式連続鋳造機の改善に関す
る。
方向に回転する内部冷却式双ロールの円周面上において
湯溜りを形成するためのサイドダムを双ロールの両側部
の円周面の上に配置し,この湯溜り内の溶湯を該ロール
表面で冷却凝固しながらロール間の最狭隙部で圧着して
薄板に連続鋳造する双ロール式連続鋳造機の改善に関す
る。
双ロール式連続鋳造機を鋼の薄板の製造に適用しようと
する試みがなされ,この薄板連続鋳造機の改善に関する
提案がこれまで数多くなされている。
する試みがなされ,この薄板連続鋳造機の改善に関する
提案がこれまで数多くなされている。
双ロール式連続鋳造機の基本は,一対の内部冷却式ロー
ルを,軸を平行にして所定の間隙を開けて対向配置し,
この双ロールの円周面上に湯溜りを形成し,この湯溜り
内の溶湯を回転する双ロール表面で冷却しながら,この
冷却によって両方のロール表面上で成長する両方の凝固
殻(凝固シエル)を双ロールの最狭隙部で互いに圧着し
て薄板に直接製造するものである。したがって,回転す
る双ロール円周面上に適切に湯溜りを形成することが必
要であるが,このためには双ロールの円周面上における
サイド側(ロールの端部側)で湯が漏れないようにダム
を形成することが少なくとも必要となる。このダムをサ
イドダムと呼び,両側とも同じ構成にされるのが通常で
ある。
ルを,軸を平行にして所定の間隙を開けて対向配置し,
この双ロールの円周面上に湯溜りを形成し,この湯溜り
内の溶湯を回転する双ロール表面で冷却しながら,この
冷却によって両方のロール表面上で成長する両方の凝固
殻(凝固シエル)を双ロールの最狭隙部で互いに圧着し
て薄板に直接製造するものである。したがって,回転す
る双ロール円周面上に適切に湯溜りを形成することが必
要であるが,このためには双ロールの円周面上における
サイド側(ロールの端部側)で湯が漏れないようにダム
を形成することが少なくとも必要となる。このダムをサ
イドダムと呼び,両側とも同じ構成にされるのが通常で
ある。
このサイドダムの設け方には,大きく分けて次の二種の
方式が知られている。
方式が知られている。
一つは,双ロールの両サイド面(ロールの両端部の軸と
直交する外面)に,このサイド面と接して(摺接して)
壁を形成する方式である。この方式ではロールの外側か
らサイドダムを当てることになるので,ロール幅が鋳込
まれる板幅に実質上対応することになる。
直交する外面)に,このサイド面と接して(摺接して)
壁を形成する方式である。この方式ではロールの外側か
らサイドダムを当てることになるので,ロール幅が鋳込
まれる板幅に実質上対応することになる。
第二は,双ロールの円周面の上にサイドダムを立ち上げ
る方式である。すなわち,サイドダムの底部が双ロール
の両側部の円周面の上に摺接するように双ロール表面の
上に立ち上げるのである。この方式では両サイドダムの
幅が鋳込まれる板幅に実質上対応することになる。
る方式である。すなわち,サイドダムの底部が双ロール
の両側部の円周面の上に摺接するように双ロール表面の
上に立ち上げるのである。この方式では両サイドダムの
幅が鋳込まれる板幅に実質上対応することになる。
本発明はこの第二のサイドダムの設置方式を採用する双
ロール式連続鋳造機の改善に関するものである。この第
二方式の場合には,ロール表面は高温の溶湯と接する部
分と接しない部分(例えばサイドダムの底部に摺接する
部分)とに分けられることになる。
ロール式連続鋳造機の改善に関するものである。この第
二方式の場合には,ロール表面は高温の溶湯と接する部
分と接しない部分(例えばサイドダムの底部に摺接する
部分)とに分けられることになる。
特開昭59−30455号公報は,この第二方式を採用する双
ロール式連続鋳造機において,溶湯との接触部と非接触
部とではロール裏面に別系統の冷却水の導入を行い,そ
のさい非接触部では接触部より高温の冷却水を通水する
方式を提案している。
ロール式連続鋳造機において,溶湯との接触部と非接触
部とではロール裏面に別系統の冷却水の導入を行い,そ
のさい非接触部では接触部より高温の冷却水を通水する
方式を提案している。
本発明の目的は前記の第二のサイドダム設置方式を採用
する双ロール式連続鋳造機におけるロールの膨脹に基づ
く諸問題を解決することにある。より具体的には,この
方式では,高温の溶湯と接することになるロール円周面
と溶湯とは接しない円周面(例えばサイドダムが存在す
る部分)とではロール表面に温度差が生じる結果,ロー
ルの膨脹に差が現れてロールの変形が発生することにな
るが,このロールの変形の問題を,前記の特開昭59−30
455号公報のように冷却水温度の管理によらずとも,よ
り効果的に防止するロール構造を提供することにある。
する双ロール式連続鋳造機におけるロールの膨脹に基づ
く諸問題を解決することにある。より具体的には,この
方式では,高温の溶湯と接することになるロール円周面
と溶湯とは接しない円周面(例えばサイドダムが存在す
る部分)とではロール表面に温度差が生じる結果,ロー
ルの膨脹に差が現れてロールの変形が発生することにな
るが,このロールの変形の問題を,前記の特開昭59−30
455号公報のように冷却水温度の管理によらずとも,よ
り効果的に防止するロール構造を提供することにある。
前記の目的を達成せんとする本発明の要旨とするところ
は,狭間隙をあけて対向配置した互いに反対方向に回転
する内部冷却式双ロールの円周面の上に,その底部が該
ロールの円周面と摺接するように一対のサイドダムを立
ち上げ,この両サイドダムと双ロール円周面とで形成さ
れる湯溜り内の溶湯を該ロール表面で冷却凝固しながら
ロール間の最狭隙部で圧着して薄板に連続鋳造する双ロ
ール式連続鋳造機において,双ロール本体と一体的に回
転する双ロールの最外円周層を銅合金からなるロールス
リーブで構成し,溶湯と接する部分に対応するロールス
リーブの裏面に冷却水通路を設け,溶湯と接しない部分
に対応するロールスリーブの裏面に断熱層,例えば空気
層を形成したことを特徴とする。
は,狭間隙をあけて対向配置した互いに反対方向に回転
する内部冷却式双ロールの円周面の上に,その底部が該
ロールの円周面と摺接するように一対のサイドダムを立
ち上げ,この両サイドダムと双ロール円周面とで形成さ
れる湯溜り内の溶湯を該ロール表面で冷却凝固しながら
ロール間の最狭隙部で圧着して薄板に連続鋳造する双ロ
ール式連続鋳造機において,双ロール本体と一体的に回
転する双ロールの最外円周層を銅合金からなるロールス
リーブで構成し,溶湯と接する部分に対応するロールス
リーブの裏面に冷却水通路を設け,溶湯と接しない部分
に対応するロールスリーブの裏面に断熱層,例えば空気
層を形成したことを特徴とする。
以下に図面の実施例に従って本発明の内容を具体的に説
明する。
明する。
第1図は,本発明を適用する双ロール式連続鋳造機の要
部を図解的に示したもので,内部冷却式双ロール1aと1b
が軸を水平にして所定の間隙を開けて平行に対向配置さ
れ,これらは矢印の方向に互いに反対方向に回転する。
この双ロール1a,1bの円周面R上に湯溜り2が形成さ
れ,この湯溜り2内の溶鋼が双ロール1a,1bの円周面R
上で冷却されつつ最狭隙部を経て薄板3に鋳造される。
部を図解的に示したもので,内部冷却式双ロール1aと1b
が軸を水平にして所定の間隙を開けて平行に対向配置さ
れ,これらは矢印の方向に互いに反対方向に回転する。
この双ロール1a,1bの円周面R上に湯溜り2が形成さ
れ,この湯溜り2内の溶鋼が双ロール1a,1bの円周面R
上で冷却されつつ最狭隙部を経て薄板3に鋳造される。
双ロール1a,1bの円周面R上に湯溜り2を形成するため
に,サイドダム4a,4bが双ロール1a,1bの軸と直角方向の
面内に円周面R上に立ち上げられる。すなわち,双ロー
ル1a,1bの円周面Rの上において,その底部が円周面R
と摺接するように一対のサイドダム4a,4bが双ロール1a,
1bの両側方に立ち上げられる。このサイドダム4a,4bは
耐熱性や溶鋼に対する耐侵食性などから耐火物で作ら
れ,図示しないが通常はこの耐火物のサイドダム4a,4b
の外側に冷却された板を取付け,この冷却板によってサ
イドダム4a,4bを所定の位置に固定する。
に,サイドダム4a,4bが双ロール1a,1bの軸と直角方向の
面内に円周面R上に立ち上げられる。すなわち,双ロー
ル1a,1bの円周面Rの上において,その底部が円周面R
と摺接するように一対のサイドダム4a,4bが双ロール1a,
1bの両側方に立ち上げられる。このサイドダム4a,4bは
耐熱性や溶鋼に対する耐侵食性などから耐火物で作ら
れ,図示しないが通常はこの耐火物のサイドダム4a,4b
の外側に冷却された板を取付け,この冷却板によってサ
イドダム4a,4bを所定の位置に固定する。
第2図は,本発明に従うロール構造を図解的に示したも
ので,図には一方のロール1aしか示されていないが他方
のロール1bも同様の構造である。図示のように,本発明
のロールは鋼製のロール本体5の円周表面に,銅合金か
らなるロールスリーブ6を被着して構成される。ここで
“被着”とは,第2〜3図に示すようにロール本体5と
ロールスリーブ6が互いに接合していることを意味す
る。したがって,ロール本体5の軸回りの回転に伴って
ロールスリーブ6もこれと一体的に回転する。このロー
ルスリーブ6を構成する銅合金としては析出硬化型銅合
金等の高強度合金が好ましく,0〜300℃の温度での引張
強さが30kgf/mm2以上,また熱伝導率が0.6cal/cm.sec.
℃以上のものが適当である。
ので,図には一方のロール1aしか示されていないが他方
のロール1bも同様の構造である。図示のように,本発明
のロールは鋼製のロール本体5の円周表面に,銅合金か
らなるロールスリーブ6を被着して構成される。ここで
“被着”とは,第2〜3図に示すようにロール本体5と
ロールスリーブ6が互いに接合していることを意味す
る。したがって,ロール本体5の軸回りの回転に伴って
ロールスリーブ6もこれと一体的に回転する。このロー
ルスリーブ6を構成する銅合金としては析出硬化型銅合
金等の高強度合金が好ましく,0〜300℃の温度での引張
強さが30kgf/mm2以上,また熱伝導率が0.6cal/cm.sec.
℃以上のものが適当である。
そして,ロールスリーブ6の溶鋼と接する部位に対応す
る裏面には冷却水通路7が円周方向に沿って螺旋状に形
成されている。図示の例では,鋼製のロール本体5の最
外円周表面に螺線状の溝を予め削設しておき,この溝を
もつロール本体5の表面をロールスリーブ6で覆うこと
によって冷却水通路7が形成されている。この冷却水通
路7にはロール本体5の軸心を通る冷却水導入管8から
冷却水が通水され,やはりロール本体5の軸心を通る冷
却水排水管9を経て系外に排出される。一方,ロールス
リーブ6の溶鋼と接しない部位に対応する裏面(サイド
ダムが存在する部位および場合によってはさらにその側
方)には断熱層10が形成されている。この断熱層10はロ
ールスリーブ6からロール本体5への熱の伝達を遮断す
る層であり,図示の例ではロールスリーブ6とロール本
体5との間に断熱物質として空気を介在させた例を示し
ている。
る裏面には冷却水通路7が円周方向に沿って螺旋状に形
成されている。図示の例では,鋼製のロール本体5の最
外円周表面に螺線状の溝を予め削設しておき,この溝を
もつロール本体5の表面をロールスリーブ6で覆うこと
によって冷却水通路7が形成されている。この冷却水通
路7にはロール本体5の軸心を通る冷却水導入管8から
冷却水が通水され,やはりロール本体5の軸心を通る冷
却水排水管9を経て系外に排出される。一方,ロールス
リーブ6の溶鋼と接しない部位に対応する裏面(サイド
ダムが存在する部位および場合によってはさらにその側
方)には断熱層10が形成されている。この断熱層10はロ
ールスリーブ6からロール本体5への熱の伝達を遮断す
る層であり,図示の例ではロールスリーブ6とロール本
体5との間に断熱物質として空気を介在させた例を示し
ている。
第3図は,第2図におけるロール断面をロール軸を通る
垂直断面で示した略断面図であり,冷却水通路7と断熱
層10の取付け関係を示したものである。銅合金のロール
スリーブ6の最外表面が溶湯と接する部分はサイドダム
4aと4bの間の幅Wであり,サイドダム4a,4bが位置する
部分およびその側方では溶鋼とは非接触の部分となる。
本発明ではこの幅Wに対応するロールスリーブ6の裏面
に冷却水通路7を設けてこの幅Wの部分を強制冷却する
が,溶鋼との非接触部は強制冷却せず,逆にその裏面に
断熱層10を設けることによって接触部から受ける熱を断
熱し,これによって溶鋼との非接触部のロールスリーブ
6の温度が接触部のロールスリーブ6の温度に近づくよ
うにする。この断熱層10はロール本体5の表面に深さが
0.5mm以上の溝を作り,この溝をロールスリーブ6で覆
うことによって空気がその中に介在する空洞を形成する
のが望ましい。この溝の幅は非接触部の幅の50%を占め
るようにするのがよく,場合によっては複数本の溝によ
って形成することもできる。また,大気と接触すること
になるロールスリーブ6の側面にも断熱材を取付けて側
面からの放熱を防止することも望ましい。
垂直断面で示した略断面図であり,冷却水通路7と断熱
層10の取付け関係を示したものである。銅合金のロール
スリーブ6の最外表面が溶湯と接する部分はサイドダム
4aと4bの間の幅Wであり,サイドダム4a,4bが位置する
部分およびその側方では溶鋼とは非接触の部分となる。
本発明ではこの幅Wに対応するロールスリーブ6の裏面
に冷却水通路7を設けてこの幅Wの部分を強制冷却する
が,溶鋼との非接触部は強制冷却せず,逆にその裏面に
断熱層10を設けることによって接触部から受ける熱を断
熱し,これによって溶鋼との非接触部のロールスリーブ
6の温度が接触部のロールスリーブ6の温度に近づくよ
うにする。この断熱層10はロール本体5の表面に深さが
0.5mm以上の溝を作り,この溝をロールスリーブ6で覆
うことによって空気がその中に介在する空洞を形成する
のが望ましい。この溝の幅は非接触部の幅の50%を占め
るようにするのがよく,場合によっては複数本の溝によ
って形成することもできる。また,大気と接触すること
になるロールスリーブ6の側面にも断熱材を取付けて側
面からの放熱を防止することも望ましい。
ロールスリーブ6の材質として銅合金を使用すると,鋼
を使用した場合に比べてスリーブ温度が低くなり,結果
的に熱膨脹量を小さくすることができる。これは,銅合
金は鋼よりも線膨脹率は大きいが(銅合金では18×10-6
℃-1に対して,鋼では14×16-6℃-1),銅合金の方が鋼
よりも熱伝導率が大きいからである(銅合金では0.84ca
l/cm.sec.℃であるのに対し,鋼では0.12cal/cm.sec.
℃)。鋳造中のロールスリーブの表面温度の測定データ
や凝固速度データを参考にして本発明者らは非定常伝熱
式を解いた。その結果を第5図に示す。この図の結果に
見られるように,銅合金では鋼に比べてスリーブの表裏
温度の差は非常に小さくなる。さらに,この温度プロフ
ィールを用いてロールスリーブの半径方向熱膨脹量を求
めたところ,銅合金の方が鋼の約75%であるという結果
を得た。半径方向熱膨脹量(Δr)としては次の式が導
かれた。
を使用した場合に比べてスリーブ温度が低くなり,結果
的に熱膨脹量を小さくすることができる。これは,銅合
金は鋼よりも線膨脹率は大きいが(銅合金では18×10-6
℃-1に対して,鋼では14×16-6℃-1),銅合金の方が鋼
よりも熱伝導率が大きいからである(銅合金では0.84ca
l/cm.sec.℃であるのに対し,鋼では0.12cal/cm.sec.
℃)。鋳造中のロールスリーブの表面温度の測定データ
や凝固速度データを参考にして本発明者らは非定常伝熱
式を解いた。その結果を第5図に示す。この図の結果に
見られるように,銅合金では鋼に比べてスリーブの表裏
温度の差は非常に小さくなる。さらに,この温度プロフ
ィールを用いてロールスリーブの半径方向熱膨脹量を求
めたところ,銅合金の方が鋼の約75%であるという結果
を得た。半径方向熱膨脹量(Δr)としては次の式が導
かれた。
ここで,a:内半径,b;外半径,α:線膨脹係数,T(r):
スリーブ温度プロフィール,T0:スリーブ初期温度,ν:
ポアソン比である。
スリーブ温度プロフィール,T0:スリーブ初期温度,ν:
ポアソン比である。
さらに重要なことは,銅合金は熱伝導率が大きいため,
溶湯との接触部から非接触部への熱移動が大きく,ロー
ル幅方向における温度差が小さくなることである。本発
明者らは鋳造中のロールスリーブの表面温度を表面温度
計を用いて測定したところ,銅合金製と鋼製とでは第1
表に示すような結果を得た(鋳造条件は両者とも同一で
あり接触部も非接触部も同一条件で内部冷却した)。
溶湯との接触部から非接触部への熱移動が大きく,ロー
ル幅方向における温度差が小さくなることである。本発
明者らは鋳造中のロールスリーブの表面温度を表面温度
計を用いて測定したところ,銅合金製と鋼製とでは第1
表に示すような結果を得た(鋳造条件は両者とも同一で
あり接触部も非接触部も同一条件で内部冷却した)。
また,銅合金スリーブで鋳造した場合には鋼スリーブで
鋳造した場合と比較すると,得られた板の板端部と板中
央部の厚みの差は,前者では後者の約1/4となった。
鋳造した場合と比較すると,得られた板の板端部と板中
央部の厚みの差は,前者では後者の約1/4となった。
したがって,銅合金スリーブを用いると,鋳造される板
の中央部が端部よりも薄くなる,いわゆる逆クラウン形
状が緩和される。逆クラウンが存在すると後の冷延工程
で部分延びが生じて正常な板形状が得られないのである
が,この問題は銅合金スリーブを用いることによって部
分的には解決できる。
の中央部が端部よりも薄くなる,いわゆる逆クラウン形
状が緩和される。逆クラウンが存在すると後の冷延工程
で部分延びが生じて正常な板形状が得られないのである
が,この問題は銅合金スリーブを用いることによって部
分的には解決できる。
しかし,まだこれだけでは逆クラウン形状解消は不十分
である。すなわち,ロールスリーブの幅方向の温度の均
一性は銅合金を使用するだけでは達成できない。これを
達成するには,スリーブの溶湯との非接触部の温度を接
触部の温度に近付けることが必要となるが,その手段と
して本発明では先に説明したように溶鋼との非接触部の
ロールスリーブの裏面に断熱層を設けたことに特徴があ
る。
である。すなわち,ロールスリーブの幅方向の温度の均
一性は銅合金を使用するだけでは達成できない。これを
達成するには,スリーブの溶湯との非接触部の温度を接
触部の温度に近付けることが必要となるが,その手段と
して本発明では先に説明したように溶鋼との非接触部の
ロールスリーブの裏面に断熱層を設けたことに特徴があ
る。
この断熱層を設けると,溶鋼がスリーブ表面に対して約
1Kw/cm2という極めて高密度の熱流束を与えることと銅
合金が熱の良導体であることに相まって溶鋼自身から発
生する熱をスリーブ幅端部に蓄積させることができ,こ
れによってこの部分を昇温させることができる。すなわ
ち,第3図で説明したように,ロールスリーブ6の溶鋼
と接触する幅W以外の裏面をロール本体5とはできるだ
け接触しないような支持構造とする(空気を断熱材とす
る断熱層10を設ける)ことによって,このロールスリー
ブ6の裏面は空気と接することになってロール本体5へ
の熱の伝達が抑制される。空気は本発明において利用し
易く且つ効果的な断熱材である。例えば,スリーブ/空
気の界面の熱伝達係数は約10-3cal/cm2.sec.℃である。
これに対してスリーブ/水の界面の場合の熱伝達係数は
約10-1〜10-2cal/cm2.sec.℃となる。また,第4図に示
すように,ロールスリーブ6の幅端部をロール本体5に
対して例えば焼きばめ加工等によって密に接触させた場
合には,そのスリーブ/ロール本体間の熱伝達係数は約
10-1cal/cm2.sec.℃であり,スリーブ/空気の界面のそ
れの約100倍となる。したがって,本発明に従って空気
の存在する空隙からなる断熱層10を形成することは断熱
効果の点でもまた構造の単純性の面からも好ましい。
1Kw/cm2という極めて高密度の熱流束を与えることと銅
合金が熱の良導体であることに相まって溶鋼自身から発
生する熱をスリーブ幅端部に蓄積させることができ,こ
れによってこの部分を昇温させることができる。すなわ
ち,第3図で説明したように,ロールスリーブ6の溶鋼
と接触する幅W以外の裏面をロール本体5とはできるだ
け接触しないような支持構造とする(空気を断熱材とす
る断熱層10を設ける)ことによって,このロールスリー
ブ6の裏面は空気と接することになってロール本体5へ
の熱の伝達が抑制される。空気は本発明において利用し
易く且つ効果的な断熱材である。例えば,スリーブ/空
気の界面の熱伝達係数は約10-3cal/cm2.sec.℃である。
これに対してスリーブ/水の界面の場合の熱伝達係数は
約10-1〜10-2cal/cm2.sec.℃となる。また,第4図に示
すように,ロールスリーブ6の幅端部をロール本体5に
対して例えば焼きばめ加工等によって密に接触させた場
合には,そのスリーブ/ロール本体間の熱伝達係数は約
10-1cal/cm2.sec.℃であり,スリーブ/空気の界面のそ
れの約100倍となる。したがって,本発明に従って空気
の存在する空隙からなる断熱層10を形成することは断熱
効果の点でもまた構造の単純性の面からも好ましい。
なお,第4図の場合にはロールスリーブ6を銅合金で構
成したとしても,溶鋼との接触部Wとそれ以外の非接触
部ではロールスリーブに温度差が生じるので(非接触部
ではロール本体5に熱が流れて蓄熱されないないの
で),点線で示すようなクラウン形状が発生することに
なる。
成したとしても,溶鋼との接触部Wとそれ以外の非接触
部ではロールスリーブに温度差が生じるので(非接触部
ではロール本体5に熱が流れて蓄熱されないないの
で),点線で示すようなクラウン形状が発生することに
なる。
以下に本発明の装置を用いてステンレス鋼の薄板を連続
鋳造した稼動例を比較例と共に挙げる。
鋳造した稼動例を比較例と共に挙げる。
例1 ロール本体5の材質が鋼合金,ロールスリーブ6の材質
が析出硬化型のCr−Zr銅合金からなる第1図〜第3図で
示した双ロール式連続鋳造機を使用した。該銅合金から
なるロールスリーブ6は外径400mmφ,内径320mmφであ
り,厚み40mmで幅300mmである。このロールスリーブ6
の円周面にその底部が摺接するように立ち上げたサイド
ダム4a,4bはフューズドシリカで作られ,その厚みは25m
mである。各サイドダム4a,4bはその外側の壁面がロール
スリーブ6の両端面と同一垂直面内にあるように立ち上
げた。ロール本体5の表面に深さ2mmの溝を両側面から2
5mm内側まで削設しこの溝をロールスリーブ6が覆うこ
とによって空気が存在する断熱層10を形成した。両者の
サイドダム4a,4b間の溶鋼と接することになるロールス
リーブ6の裏面には冷却水通路7を設け,この冷却水通
路7に1m/minの流速で常温の水を流した。
が析出硬化型のCr−Zr銅合金からなる第1図〜第3図で
示した双ロール式連続鋳造機を使用した。該銅合金から
なるロールスリーブ6は外径400mmφ,内径320mmφであ
り,厚み40mmで幅300mmである。このロールスリーブ6
の円周面にその底部が摺接するように立ち上げたサイド
ダム4a,4bはフューズドシリカで作られ,その厚みは25m
mである。各サイドダム4a,4bはその外側の壁面がロール
スリーブ6の両端面と同一垂直面内にあるように立ち上
げた。ロール本体5の表面に深さ2mmの溝を両側面から2
5mm内側まで削設しこの溝をロールスリーブ6が覆うこ
とによって空気が存在する断熱層10を形成した。両者の
サイドダム4a,4b間の溶鋼と接することになるロールス
リーブ6の裏面には冷却水通路7を設け,この冷却水通
路7に1m/minの流速で常温の水を流した。
双ロールの最狭隙部の間隔を2.5mmにセットして湯溜り
2にSUS304の溶鋼を注入し,25m/minの速度で鋳造した。
鋳造開始後1分の時点で幅方向の板厚を測定した。その
結果を第2表に示した。
2にSUS304の溶鋼を注入し,25m/minの速度で鋳造した。
鋳造開始後1分の時点で幅方向の板厚を測定した。その
結果を第2表に示した。
例2(比較例) ロールスリーブ6の材質をS40Cの中炭素鋼とし,そし
て,第4図に示したように,溶鋼との非接触部ではロー
ルスリーブ6とロール本体5とが密に接する構造として
断熱層を設けなかった以外は例1と同じ双ロール式連続
鋳造機を用いて,例1と同じ条件で鋳造した。例1と同
じ時点での板厚を測定した結果を第3表に示した。
て,第4図に示したように,溶鋼との非接触部ではロー
ルスリーブ6とロール本体5とが密に接する構造として
断熱層を設けなかった以外は例1と同じ双ロール式連続
鋳造機を用いて,例1と同じ条件で鋳造した。例1と同
じ時点での板厚を測定した結果を第3表に示した。
第1図は双ロール式連続鋳造機の例を示す全体斜視図,
第2図は本発明のロール構造を説明するための一部切り
欠き斜視図,第3図はロール軸を通る垂直面で切断した
本発明のロールの内部構造を示す略断面図,第4図はロ
ール軸を通る垂直面で切断した比較例のロールの内部構
造を示す略断面図,第5図は鋼スリーブと銅合金スリー
ブの表裏温度の温度プロフィール図である。 1a,1b……双ロール,2……湯溜り, 3……鋳造される薄板,4a,4b……サイドダム, 5……ロール本体,6……ロールスリーブ, 7……冷却水通路,10……断熱層。
第2図は本発明のロール構造を説明するための一部切り
欠き斜視図,第3図はロール軸を通る垂直面で切断した
本発明のロールの内部構造を示す略断面図,第4図はロ
ール軸を通る垂直面で切断した比較例のロールの内部構
造を示す略断面図,第5図は鋼スリーブと銅合金スリー
ブの表裏温度の温度プロフィール図である。 1a,1b……双ロール,2……湯溜り, 3……鋳造される薄板,4a,4b……サイドダム, 5……ロール本体,6……ロールスリーブ, 7……冷却水通路,10……断熱層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−17169(JP,A) 実開 昭61−58948(JP,U) 実開 昭60−113149(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】狭間隙をあけて対向配置した互いに反対方
向に回転する内部冷却式双ロールの円周面の上に,その
底部が該ロールの円周面と摺接するように一対のサイド
ダムを立ち上げ,この両サイドダムと双ロール円周面と
で形成される湯溜り内の溶湯を該ロール表面で冷却凝固
しながらロール間の最狭隙部で圧着して薄板に連続鋳造
する双ロール式連続鋳造機において, 双ロール本体と一体的に回転する双ロールの最外円周層
を銅合金からなるロールスリーブで構成し,溶湯と接す
る部分に対応するロールスリーブの裏面に冷却水通路を
設け,溶湯と接しない部分に対応するロールスリーブの
裏面に断熱層を形成したことを特徴とする双ロール式連
続鋳造機。 - 【請求項2】断熱層は空気層である特許請求の範囲第1
項記載の双ロール式連続鋳造機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61273135A JPH0790335B2 (ja) | 1986-11-17 | 1986-11-17 | 双ロ−ル式連続鋳造機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61273135A JPH0790335B2 (ja) | 1986-11-17 | 1986-11-17 | 双ロ−ル式連続鋳造機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63126645A JPS63126645A (ja) | 1988-05-30 |
JPH0790335B2 true JPH0790335B2 (ja) | 1995-10-04 |
Family
ID=17523608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61273135A Expired - Lifetime JPH0790335B2 (ja) | 1986-11-17 | 1986-11-17 | 双ロ−ル式連続鋳造機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0790335B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106925733B (zh) * | 2017-04-28 | 2019-07-12 | 华南理工大学 | 一种轴向非均匀的非晶结晶器铜套冷却结构 |
CN112247086B (zh) * | 2020-10-21 | 2022-01-28 | 东北大学 | 工作辊装置、双辊薄带连铸设备及连铸生产工艺 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60113149A (ja) * | 1983-11-25 | 1985-06-19 | Tokyo Rika Kikai Kk | 液体クロマトグラフイ−の高圧定量ポンプ装置 |
JPS60113149U (ja) * | 1983-12-29 | 1985-07-31 | 石川島播磨重工業株式会社 | 連鋳機用ロ−ル |
-
1986
- 1986-11-17 JP JP61273135A patent/JPH0790335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63126645A (ja) | 1988-05-30 |
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