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JPH0782588A - 香気放出調整法 - Google Patents

香気放出調整法

Info

Publication number
JPH0782588A
JPH0782588A JP5229261A JP22926193A JPH0782588A JP H0782588 A JPH0782588 A JP H0782588A JP 5229261 A JP5229261 A JP 5229261A JP 22926193 A JP22926193 A JP 22926193A JP H0782588 A JPH0782588 A JP H0782588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
weight
parts
group
fragrance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5229261A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Onishi
隆志 大西
Hiroaki Koiso
博昭 小磯
Toshinaga Tamiya
敏呂 田宮
Toshihiro Ishii
敏宏 石井
Takayuki Fukumoto
隆行 福本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
Original Assignee
SANEI GEN F F I Inc
San Ei Gen FFI Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SANEI GEN F F I Inc, San Ei Gen FFI Inc filed Critical SANEI GEN F F I Inc
Priority to JP5229261A priority Critical patent/JPH0782588A/ja
Publication of JPH0782588A publication Critical patent/JPH0782588A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 調合香料類の香気の放出性を任意に調整す
る。 【構成】 調合香料類に、一般式(I) 【化1】 (式中、Rは同一または異なって水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
基または低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数で
あり、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の低級アル
キレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸ま
たはその塩の香気放出調整量を添加して調合香料類の香
気の放出性を調整することを特徴とする香気放出調整
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、香気放出調整法に関
する。更に詳しくは、食品、飼料、ペットフード、化粧
品、医薬品、医薬部外品およびたばこに使用される香料
の香気放出調整法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】一般
に、香料はあらゆる食品、飼料、ペットフード、化粧
品、医薬品、医薬部外品およびたばこに使用されてい
る。
【0003】調合香料類は、酸臭を与える酪酸、甘い香
りをもたらすマルトールおよびバニリン、果実香を与え
るガンマ−ウンデカラクトン、オレンジの花の香りを与
えるメチルアンスラニレート、レモン系の香りを与える
シトラール、未熟で青々とした香りを与えるフェニルア
セトアルデヒドジメチルアセタール、ココアの香りを与
えるイソブチルフェニルアセテート、ねぎ臭を与えるア
リルイソチオシアネート、スパイシーな香りを与えるシ
ンナミックアルデヒド、油っこい臭いを与えるヘキサデ
カン、アニスの果実の香りを与えるアネトール、魚のよ
うな香りを与えるトリメチルアミン、ハッカの香りを与
えるl−メントール、ヒヤシンスの香りを与えるシンナ
ミールアルコール、ジャスミンの香りを与えるシスジャ
スモン、ユリの香りを与えるヒドロキシシトロネラー
ル、スミレの香りを与えるアルファーイオノン、木のよ
うな香りを与えるセドリルアセテート、ローズの香りを
与える2−フェニルエタノール、汗くさい香りを与える
イソ吉草酸、麦芽の香りを与えるイソ−ブチルアルデヒ
ド等のエステル類、エーテル類、アルデヒド類、ケトン
類、ラクトン類、イソチオシアネート類、インドール
類、脂肪酸、アルコール類、テルペン系炭化水素、フル
フラール、フェノール類およびそれらの誘導体、その他
の種々の化学物質類、精油類、動物、植物および鉱物等
の抽出物類、動植物の加水分解物類等の有香物質、およ
び/または香気増強物質の単品またはこれらの混合物を
調合して、花香、果香、薬香、焦香、樹脂香およびその
他の香りに調製した後、エチルアルコール、多価アルコ
ール、乳化剤、高分子多糖類、澱粉分解物、樹脂、油脂
類および水等を加えて、液体または固体物質に調製され
る。
【0004】調製された調合香料類には、水溶性または
水分散型としてエッセンス、乳化香料、吸着香料および
その他があり、油溶性または油分散型として油性香料、
乳化香料およびその他がある。これらの調合香料類の匂
いは、香水、シャンプー、オーデコロンおよび煙草等は
前鼻孔および固有鼻腔を経由して、また食品および医薬
品等は口腔の上咽頭および後鼻孔を経由して、嗅覚の受
容器である嗅粘膜に致達して嗅神経および嗅球を経由し
て大脳皮質で調合された固有の匂いを認知すると言われ
ている。匂いは、分子内にカルボニル基、水酸基、エス
テル基のような官能基や不飽和結合を有している匂い分
子が嗅粘膜の嗅覚受容体分子に吸着反応することによっ
て嗅細胞膜の電圧変化が嗅細胞の匂い刺激に対する最初
の電気的反応であると言われている。従って、各々の有
香物質を組み合わせて、放出性の良い調合香料を調製す
ることが必要である。
【0005】調合香料の香気の放出性を調整するため
に、低分子量で常温でも揮散性の良い物質の配合や低い
温度で揮発するエチルアルコールを過剰量使用すること
によって香気の放出性が促進された調合香料で賦香する
方法もあるが、この場合調合された他の有香物質も同時
に揮発し香りの調和が破れ賦香の目的が十分に達せられ
ない。また調合香料それ自身が保存中に香気成分が揮発
し、香りのバランスが破れることがある。そのため、通
常プロピングリコール、グリセリンおよびソルビット等
の多価アルコールを保留剤として併用し、調合香料の揮
散性を低下せしめ香気成分の揮発度をおさえ香気の放出
度を調整することによって嗜好性に調和した調合香料を
調製することが行われている。しかしながら、香気成分
の放出性を促進するために乳化香料および粉末香料にエ
チルアルコールを添加することは、前者では乳化が破壊
され、後者では液体から固体への脱水工程中でエチルア
ルコールが揮発し添加した効果を期待することはできな
い。
【0006】以上のように、嗜好性に調和した調合香料
類を調製するには有香物質の種類および配合量、および
調合された調合香料の放出性および保留性を調整する必
要がある。
【0007】一方、米国特許第5,045,336号あるいは米
国特許第4,567,053号公報には、芳香族アルカン酸およ
びこれらの塩を糖または糖アルコールの甘味抑制に使用
する方法が開示されている。また、食塩代用顆粒を製造
するにあたり、その賦形剤としての糖または糖アルコー
ルの甘味減少に、フェノキシアルカン酸誘導体の使用が
知られている(ヨーロッパ特許出願第0414550A2号参
照)。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、調合香料類に、一般式(I)
【0009】
【化2】 (式中、Rは同一または異なって水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
基または低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数で
あり、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の低級アル
キレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸ま
たはその塩の香気調整量を添加して調合香料類の香気の
放出性を調整することを特徴とする香気放出調整法が提
供される。
【0010】上記の一般式(I)の各定義において、詳
細は次の通りである。「ハロゲン原子」の好ましい例と
しては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
「低級アルキル基」の好ましい例としては、炭素数1〜
3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基が挙げられ、例え
ばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル等が挙げら
れる。
【0011】「低級アルカノイル基」の好ましい例とし
ては、炭素数2〜4のアルカノイル基が挙げられ、例え
ばアセチル、プロピオニル、ブチリル等が挙げられる。
「低級アルコキシ基」の好ましい例としては、炭素数1
〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシ基が挙げられ、
例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキ
シ等が挙げられる。
【0012】「低級アルキレン基」の好ましい例として
は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレン基が
挙げられ、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、
テトラメチレン、ペンタメチレン、ブチレン、アミレン
等が挙げられる。また、一般式(I)中、nは1〜4の
整数であり、好ましくはnが1の場合であり、更に好ま
しくは、nが1でありかつ置換基がp位に結合している
場合である。
【0013】一般式(I)で示されるフェノキシアルカ
ン酸の塩としては、無毒の、食品、医薬品等の許容され
る塩であり、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ
金属塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属塩、またはアンモニウム塩等が挙げられる。このうち
好ましい塩はナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩
である。
【0014】一般式(I)の化合物の多くは、カルボキ
シル基に隣接する炭素にキラル中心を有し、通常2種の
光学異性体が生じる。本発明には、これら光学異性体、
ラセミ混合物のいずれも含まれる。この異性体のうち一
方は強い活性をもち、他方は弱い活性を有している。ま
た上記化合物のラセミ混合物は、通常2種の光学異性体
の中間活性を示す。そこで、光学分割によって活性がよ
り強い法の化合物を分離し、その化合物を使用すること
によって香気の放出性を任意に調整することができる。
【0015】一般式(I)に属する化合物としては、次
のものが挙げられる。(±)−2−フェノキシプロピオ
ン酸、S−(−)−2−フェノキシプロピオン酸、
(±)−2−フェノキシ酪酸、S−(−)−2−フェノ
キシ酪酸、(±)−2−p−メトキシフェノキシ酪酸、
(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、S−
(−)−2−p−メチルフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、S
−(−)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、
2−p−メトキシフェノキシ−2−メチルプロピオン
酸、(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオン
酸、p−メチルフェノキシ酢酸、フェノキシ酢酸、p−
メトキシフェノキシ酢酸、p−エトキシフェノキシ酢
酸、(±)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、
S−(−)−2−p−クロロフェノキシプロピオン酸、
(±)−2−フェノキシ−2−メチルプロピオン酸、
2,4−ジメチルフェノキシ酢酸、p−イソプロピルフ
ェノキシ酢酸、p−エチルフェノキシ酢酸、2−(p−
クロロフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸、3,4
−ジクロロフェノキシ酢酸、p−クロロフェノキシ酢
酸、2−(2−メチル−4−クロロフェノキシ)−酢
酸、2−(3−クロロフェノキシ)−プロピオン酸、4
−フルオロフェノキシ酢酸、2,3−ジクロロフェノキ
シ酢酸、3−メチルフェノキシ酢酸、2−(3,4−ジ
メトキシフェノキシ)−プロピオン酸、2−(2,3,
4−トリメトキシフェノキシ)−酪酸、2−メチルフェ
ノキシ酢酸、2−ホルミルフェノキシ酢酸、p−エチル
フェノキシ酢酸、2−ヒドロキシフェノキシ酢酸、4−
ヨードフェノキシ酢酸、2−メトキシフェノキシ酢酸、
2−プロピル−2−エチルフェノキシ酢酸、ジフェニル
酢酸、ジフェニルヒドロキシ酢酸(ジフェニルグリコー
ル酸)、2−p−クロロフェニルプロピオン酸、2−p
−イソプロピルフェニルプロピオン酸、2−(2,4−
ジメトキシフェニル)−2−メトキシ酢酸、2−(2,
4−ジメチルフェニル)−プロピオン酸、2−(2−メ
チルフェニル)−プロピオン酸、2−(2−メチルフェ
ニル)−3−メチル酪酸等が挙げられる。
【0016】この内、好ましい化合物は、フェノキシ酢
酸、2−フェノキシプロピオン酸、2−フェノキシ酪
酸、2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸、2−p
−エトキシフェノキシプロピオン酸、2−p−エチルフ
ェノキシプロピオン酸、2−p−メトキシフェノキシ酪
酸、p−メトキシフェノキシ酢酸、2−p−メチルフェ
ノキシプロピオン酸、2−p−エチルフェノキシ酪酸、
p−メトキシフェノキシ酢酸、2−p−エトキシフェノ
キシ酪酸のナトリウムあるいはカリウム塩が挙げられ
る。これら化合物は、1種または2種以上を組み合わせ
ることによって、香気の放出性を任意に調整することが
できる。
【0017】一般式(I)の化合物は、縮合等による既
知の方法により合成することができる。例えばジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J. Ame
r. Chem. Soc.), 53, 304 (1931)、ジャーナル・オブ・
ケミカル・ソサエティ(J. Chem. Soc.) 1891 (1956)に
記載の方法で合成することができるが、アルドリッチ社
からも入手可能な化合物がある。
【0018】フェノキシアルカン酸またはその塩は、そ
のまま使用することもできるが、一般にそれらを溶解し
うる媒体によって溶解、あるいは懸濁させることが好ま
しい。このような媒体として、水、エタノール、プロパ
ノール等のアルコール類、プロピレングリコール等が挙
げられる。
【0019】更に、好ましくは上記単一または複合溶媒
に溶解して調合香料類の原料である有香物質と混合する
かあるいはこの混合液にソルビタン、ポリオキシエチレ
ンソルビタン、ショ糖、グリセリン、ポリグリセリン等
の脂肪酸のエステル、燐脂質、高分子多糖類、蛋白質お
よび糖蛋白質等の乳化剤を使用して乳化分散液として使
用することができる。また高分子多糖類、澱粉分解物、
蛋白質および糖蛋白質とフェノキシアルカン酸またはそ
の塩を溶解した混合液に調合香料類の原料である有香物
質を加えて乳化させ、脱水乾燥し固体状にして使用する
こともできる。更に、調合香料を使用する最終製品に調
合香料と別々に添加してもよい。
【0020】フェノキシアルカン酸の添加量は、調合香
料または調合香料を添加する最終製品の香気の放出性が
調整される濃度でよく、一般に調合香料100重量部に対
し0.0001〜500重量部、好ましくは0.001〜100重量部で
目的が達成される。調合香料の香調のタイプによって香
気放出調整量は異なるが、低い使用濃度では軽いトップ
ノートが出現し、高い使用濃度では甘い芳香性のボディ
ー感のある重厚な香気を呈する。従って香りの嗜好性に
合せて、調合香料の有香物質の組成比を変えることな
く、そしてエチルアルコールとプロピレグリコールの比
率を変えることなく任意に香気成分の放出性を調整する
ことができる。
【0021】本発明の香気放出調整法は、各種の最終製
品に使用することができ、例えば食品、飼料、ペットフ
ード、化粧品、医薬品、医薬部外品およびたばこ等が挙
げられる。
【0022】上記最終製品のうち、適用可能な食品に
は、ドリンクヨーグルト、ゼリー、缶コーヒー、スー
プ、果実着色炭酸飲料、ポテトチップ、グミキャンデ
ー、チューイングガム、インスタントカレー、ハンバー
グ、風味かまぼこ等が挙げられる。これらの食品には、
ピーチ、アップル、コーヒー、スパイスミックス、グレ
ープ、ポーク、バナナ、スペアミントまたはカニ等の調
合香料が約0.05〜5%含まれており、この調合香料100
重量部当たり0.001〜10重量部のフェノキシアルカン酸
誘導体を加えることによって、香気の放出性がよく軽い
トップノートにすぐれた食品からボディー感のある食品
迄、香気を任意に調整した食品が得られる。
【0023】また、適用可能な飼料およびペットフード
には、養魚用、小豚用、家禽用、ドッグフード等が挙げ
られる。これらの飼料およびドッグフードには、ごか
い、ミルク、フローラルシトラス、ラズベリー、かつお
等の調合香料が約0.05〜0.5%含まれており、この調合
香料100重量部当たり0.01〜10重量部のフェノキシアル
カン酸誘導体を加えることによって、軽いトップノート
から甘い芳香性を有する香気が任意に得られ、動物の飼
料摂取量を増加することができる。
【0024】次に適用可能な医薬品には、エリキシル
剤、顆粒剤、散剤、洒精剤、シロップ剤、トローチ剤、
パップ剤、リニメント剤、ローション剤等が挙げられ
る。これらの医薬品には、ストロベリー、バナナ、レモ
ネード、オレンジ、レモン、メントール、カンファー、
マルトール、ウイキョウ、ペパーミント、シンナモン等
の調合香料が約0.01〜0.2%含まれており、この調合香
料100重量部当たり、0.01〜100重量部のフェノキシアル
カン酸誘導体を加えることによって、軽いトップノート
からボディ感のある甘い芳香性に富む香気の医薬品が任
意に調製できる。
【0025】医薬部外品には、口中清涼剤、腋臭防止
剤、てんか粉類、育毛剤、浴用剤、薬用歯磨類、殺虫剤
等が挙げられる。これらの医薬部外品には、メントー
ル、カンファー、スペアーミント、ペパーミント、アニ
ス、ライム、フェンネル、ローズ、ラベンダー等を配合
した調合香料が0.3〜5%含まれており、この調合香料1
00重量部当たり、0.1〜50重量部のフェノキシアルカン
酸誘導体を加えることによって清涼感に富むトップノー
トから甘い芳香性に富むボディー感のある香気に任意に
調製された医薬部外品が得られる。
【0026】化粧品には、頭髪または洗髪用化粧品類、
化粧水類、クリーム乳液類、パック類、ファンデーショ
ン類、白粉打粉類、口紅類、眉目類化粧品類、爪化粧品
類、香水類、浴用化粧品類、化粧用油類、洗顔料類、石
けん類および歯みがき類等が挙げられる。これらの化粧
品には、メントール、シトロネロール、サイクラメンア
ルデヒド、ゲラニオール、バジル、ローズ、ラベンダ
ー、ベルガモット、カモミール、ムスク、アンバー、サ
ンダルウッドおよびその他等の有香物質を配合した調合
香料が0.5〜5%含まれており、この調合香料100重量部
当たり0.1〜20重量部のフェノキシアルカン酸誘導体を
加えることによって、爽快な花香のトップノートから芳
醇な花香の香気を有する化粧品が任意に得られる。
【0027】たばこには、ハニー、シュガー、ココア、
バニラ等の調合香料が0.01〜1%含まれており、この調
合香料100重量部当たり、0.01〜30重量部のフェノキシ
アルカン酸誘導体を加えることによって、爽快な甘いト
ップノートからボディー感に富む甘い芳香を有する香気
のたばこが任意に得られる。
【0028】
【作用】本発明のフェノキシアルカン酸またはその塩を
調合香料類に対する添加量を増減することによって、化
粧品のように鼻の前鼻孔を経由して、また食品等のよう
な経口物も咀しゃくまたは飲用した時に口腔の上咽頭を
経由して爽快なトップノートに富む新鮮な香気から、ボ
ディー感のある芳醇で完熟香に富む甘さのある香気に任
意に調整することができる。また調合香料が添加される
被賦香物質に本発明のフェノキシアルカン酸またはその
塩と調合香料を別々に添加しても、上記と同じ結果が得
られる。これらの現象から本発明のフェノキシアルカン
酸またはその塩は、匂い分子を嗅粘膜の嗅覚受容体に吸
着され易い分子配座に変化せしめるのかまたは嗅覚受容
体を匂い分子と吸着しやすい分子配座に変化せしめてい
るのかもしれない。
【0029】
【実施例】本発明の効果を試験例で説明するが、本発明
はこれらに限定されない。 試験例1 市販されている調合香料“オーデコロン”100重量部に
対し、表1に示すような各重量部の(±)−2−p−エ
トキシフェノキシ酪酸ナトリウムを添加、混合した。こ
の添加区と、無添加区との香気の放出性の相違を10名の
専門パネラー(男性5名、女性5名平均年齢30才)にて
p<0.05で官能検査し以下の表1に示す結果を得た。
【0030】
【表1】
【0031】試験例2 市販されている調合香料“オーデコロン”100重量部に
対し、表2に示すような各重量部の(±)−2−p−エ
チルフェノキシプロピオン酸を添加、混合した後、40℃
の温湯100重量部に1重量部を添加混合した。この添加
区と無添加区との40℃の温湯における香気の放出性の相
違を試験例1と同様に官能検査し以下の表2に示す結果
を得た。
【0032】
【表2】 (±)−2−p−エチルフェノキシプロピオン酸をあら
かじめ40℃の温湯に添加、溶解した後、オーデコロンを
添加し官能検査しても表2と同様の結果が得られた。
【0033】試験例3 調合香料“グレープフレーバー”100重量部に対し、表
3に示すような各重量部のp−メトキシフェノキシ酢酸
を添加、混合した後、炭酸水100重量部に0.1重量部を添
加混合した。この添加区と無添加区との炭酸ガス共存下
において香気の放出性の相違を試験例1と同様に官能検
査し以下の表3に示す結果を得た。
【0034】
【表3】 p−メトキシフェノキシ酢酸をあらかじめ炭酸水に添
加、溶解した後、グレープエッセンスを添加し官能検査
した結果表3と類似の結果が得られた。
【0035】試験例4 調合油性香料“ラズベリーフレーバー”100重量部に対
し、表4に示すような各重量部の2−フェノキシプロピ
オン酸と(±)−2−p−エトキシフェノキシプロピオ
ン酸の1:1の重量比の混合物をチューイングガムベー
ス100重量部に1.0重量部を添加し常法通りチューイング
ガムを調製した。この添加区と無添加区との香気の放出
性の相違を試験例1と同様に官能検査し以下の表4に示
す結果を得た。
【0036】
【表4】 2−フェノキシプロピオン酸と(±)−2−p−エトキ
シフェノキシプロピオン酸の1:1の重量比の混合物と
ラーズベリー香料を別々に添加しても表4と同様な結果
が得られた。
【0037】試験例5 調合油性香料“パイナップルフレーバー”100重量部に
対し、(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン
酸ナトリウム、(±)−2−p−メチルフェノキシプロ
ピオン酸カリウムおよび(±)−2−p−メトキシフェ
ノキシ酪酸ナトリウムの重量割合が1:1:1である混
合物を表5に示すような各重量部を添加混合した後、ソ
ルビットおよびキシリットの重量割合が1:1である多
価アルコール100重量部に0.5重量部を添加し常温通りキ
ャンデーを調製した。この添加区と無添加区との香気の
放出性の相違を試験例1と同様に官能検査し以下の表5
に示す結果を得た。
【0038】
【表5】 (±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオン酸ナト
リウム、(±)−2−p−メチルフェノキシプロピオン
酸カリウムおよび(±)−2−p−メトキシフェノキシ
酪酸ナトリウムの1:1:1の重量比の混合物をパイナ
ップルフレーバーと別々に添加しても表5と同様な結果
が得られた。
【0039】実施例1 水酸化アルミニウム95.5重量部、フッ化ナトリウム0.05
重量部、ラウリル硫酸ナトリウム0.8重量部、ペパーミ
ント油0.8部、l−カルボン0.01部、メントール0.1部お
よびサリチル酸メチルエステル0.09部からなる調合香料
に対して、p−メトキシフェノキシ酢酸0.005部を加え
た混合物1.01重量部、リン酸カルシウム2重量部、水0.
64重量部の粉歯みがきを常法により調製した結果、油っ
ぽい匂がなく、清涼爽快なトップノートを有し、芳香性
に富む粉歯みがきが得られた。本発明品無添加区は、油
っぽい清涼感に欠ける重い匂であった。
【0040】実施例2 トウモロコシ59.05重量部、大豆油かす15重量部、ふす
ま15重量部、廃糖蜜10重量部、食塩2重量部、クエン酸
0.1重量部、リン酸カルシウム2.0重量部、炭酸カルシウ
ム1.0重量部、調合香料“ミルクフレーバー”0.2部に
(±)−2−p−エチルフェノキシ酪酸ナトリウム0.01
部および(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオ
ン酸ナトリウム0.01部の混合物0.22重量部を加え捏和し
常法通り調製した子豚用飼料はボディー感のある甘いミ
ルク香を呈し、子豚の飼料摂取量が著しく増加した。本
発明品無添加区では、油っぽくロウのような重い匂で子
豚の飼料摂取量は増加しなかった。
【0041】実施例3 グルクロン酸0.8重量部、アスコルビン酸1重量部、リ
ン酸ボフラビン0.005重量部、ニコチン酸アミド0.01重
量部、パントテン酸カルシウム0.05重量部、カフェイン
0.08重量部、調合香料“ハニーフレーバー”0.1部に2
−メトキシフェノキシ酢酸0.001部および3−メチルフ
ェノキシ酢酸0.001部の混合物を0.102重量部、エチルア
ルコール0.5重量部および水97.5重量部を加えて常法通
り調製した内用液剤は、甘味のある芳香性の爽快な香気
を有し、飲みやすい内用液体であった。本発明品無添加
区では、濁った匂で薬味のような薬品臭のある重い匂で
あった。
【0042】実施例4 塩化カリウム10重量部、塩化ナトリウム50重量部、炭酸
ナトリウム15重量部、硫酸ナトリウム20重量部、酒石酸
水素カリウム5重量部、調合香料“ローズフレーバー”
0.3部と(±)−2−p−メトキシフェノキシプロピオ
ン酸ナトリウム0.003部との混合物を0.303重量部を混合
し、このもの100gを42℃の温湯180リットルに投入した
ところ、グリーンノートの芳香性のある花のような香気
を呈した。本発明品無添加区では、ロウのような樹脂臭
を伴った油っぽい匂であった。
【0043】実施例5 ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩15重量部、
トリエタノールアミン2重量部、プロピレングリコール
10重量部、調合油性香料“ジャスミン”0.5部と2−ヒ
ドロキシフェノキシ酢酸ナトリウム0.005部およびp−
メトキシフェノキシ酢酸ナトリウム0.005部の混合物0.5
1重量部および水73重量部を加えて常法通りシャンプー
を調製した。このものは、グリーンノートの効いた香気
の放出性がよい芳香性のフローラルな香気を呈した。本
発明品無添加では、濁った油っぽい重い匂であった。
【0044】実施例6 砂糖25重量部、水飴30重量部、ソルビット30重量部、水
5重量部を煮つめ77重量部に仕上げた。このものにゼラ
チン10部と水10部の混液を添加し、調合油性香料“バナ
ナフレーバー”0.2重量部、p−メトキシフェノキシ酢
酸0.002重量部を加えて常法通りゼラチンゼリーを調製
した。このものは、爽快な清涼感と共にボディー感のあ
る完熟した香気を呈した。本発明品無添加区では、酸っ
ぱい匂とエーテル臭を伴った薬味のような薬品臭であっ
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A24B 15/30 A61K 7/46 Z (72)発明者 福本 隆行 奈良市芝辻町42−1

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調合香料類に、一般式(I) 【化1】 (式中、Rは同一または異なって水素原子、ハロゲン原
    子、ヒドロキシ基、低級アルキル基、低級アルカノイル
    基または低級アルコキシ基であり、nは0〜4の整数で
    あり、Aは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖の低級アル
    キレン基である。)で示されるフェノキシアルカン酸ま
    たはその塩の香気放出調整量を添加して調合香料類の香
    気の放出性を調整することを特徴とする香気放出調整
    法。
  2. 【請求項2】 香気放出調整量が、調合香料類100重量
    部当たり0.0001〜500重量部である請求項1記載の香気
    放出調整法。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、nが1であり、
    Rがパラ位置に結合しており、Rがメチル基、メトキシ
    基、エチル基またはエトキシ基である請求項1または2
    に記載の香気放出調整法。
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