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JPH0776061A - 塩化ビニルマーキングシート - Google Patents

塩化ビニルマーキングシート

Info

Publication number
JPH0776061A
JPH0776061A JP22442093A JP22442093A JPH0776061A JP H0776061 A JPH0776061 A JP H0776061A JP 22442093 A JP22442093 A JP 22442093A JP 22442093 A JP22442093 A JP 22442093A JP H0776061 A JPH0776061 A JP H0776061A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
pattern
resin
adhesive
marking sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP22442093A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasukichi Ogasawara
安吉 小笠原
Taku Morikawa
卓 森川
Naoki Hasegawa
直樹 長谷川
Keizo Ogata
敬三 緒方
Yasunori Kimura
康典 木村
Motohiko Kashioka
元彦 柏岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink Mfg Co Ltd filed Critical Toyo Ink Mfg Co Ltd
Priority to JP22442093A priority Critical patent/JPH0776061A/ja
Publication of JPH0776061A publication Critical patent/JPH0776061A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【目的】意匠性、インキ密着性のよい文字・図柄を有す
る塩化ビニルマーキングシートを提供すること。 【構成】転写インキ層を支持体に設けてなる転写箔を用
い、熱接着性樹脂層を一方の面に設けた表面に所望の図
柄が転写されていることを特徴とする塩化ビニルマーキ
ングシート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種装飾・表示用に用
いる装飾表示材料用塩化ビニル粘着シートに関し、さら
に詳しくは転写箔を用いて図柄を施してなる意匠性に優
れた塩化ビニルマーキングートに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、強靱性と美粧性に富むポリエス
テル樹脂やウレタン樹脂、並びに施工時に要求される適
度な腰の強さ、すなわち降伏応力1〜6Kg/mm2 、フィ
ルム膜厚約30〜 150μmであるようなポリ塩化ビニル樹
脂よりなるマーキングシートは、耐候性、寸法安定性等
の優れた特性を具備していることから、自動車のアクセ
ントストライプや各種エンブレム、オートバイのタンク
ストライプや各種エンブレム、トラック・商業車等の車
両用マーキング、屋内・屋外広告等の標示用部材、各種
案内板、ウインドーディスプレイ等の装飾用標示材料と
して一般によく用いられている。このようなマーキング
シートは通常、図柄を施す手段としてカッティングマシ
ーン等により直接マーキングシートを切り抜いて文字・
図柄として用いるか、もしくは文字・図柄をマーキング
シート上にシルクスクリーン印刷等の印刷方法で設ける
ことで標示物を作成していた。これらの加工手段のう
ち、カッティングマシーンによる図柄の切り抜き加工
は、対象とする文字・図柄を構成する最小切り抜き面積
がカッティングマシーンの精度で制限されるため微細あ
るいは複雑な文字・図柄の作成に限界があること、複数
の色相からなる大きな文字・図柄を被施工面に固定する
のには色相と同数のアプリケーションフィルムを使用す
るため不経済で効率が悪いこと、さらにはアプリケーシ
ョンフィルムへの切り抜き文字・図柄の移し替え作業は
煩雑で時間が掛かること、意匠性の低いものしか得られ
ない、等の欠点があった。絵付け加工手段として用いら
れるシルクスクリーン印刷は、複雑な文字・図柄の作成
は可能であるが、版下作成、校正、印刷過程を経るため
に即時性が劣ると同時に、特に版下作成、校正の過程が
コストの大半を占めるため少量枚数み必要な場合でも安
価に生産することは出来なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、上記の図柄を施
す手段としてのカッティングとシルクスクリーン印刷に
おける問題点である、安価で多色表現が可能であり且つ
即時性と微細な文字・図柄を得るという要求への対応を
はかるためインキジェット記録方式によるマーキングシ
ートへの絵付け加工が施され実用に供されてきた。しか
しながら、インキジェット記録方式はドットにより画像
を形成することから中間調を有する図柄が得られ、安価
且つ即時性という点ではかなり改善された反面、現状で
は解像度が低く小さな図柄や微小な文字表現には不向き
であり、インキノズルが詰まりやすいなどで保守・点検
が煩雑である等の欠点があった。また、一般にはインキ
として染料が使用されるが、耐候性、耐熱性、耐水性が
悪く長期の屋外での使用には不向きであった。
【0004】他方、多色印刷を連続的に施す方法として
一般に、グラビア印刷が広く用いられているが、グラビ
ア印刷を施す場合、特にマーキングシートとして好まし
いポリ塩化ビニル系樹脂からなるマーキングシートにお
いてはグラビア印刷適性が低く、印刷面の泳ぎ、ピンホ
ール、レベリング不良等が生じ、精密印刷が困難であ
り、さらには残留溶剤によるブロッキング、印刷時のテ
ンションによる伸び等の問題があった。さらには、一般
に各種のプラスチック基材等への木目調、大理石調等の
絵付けには転写箔が用いられることがあるが、屋内・屋
外広告等の表示部材、各種案内板、ウインドーディスプ
レー等の装飾用表示部材として一般に用いられる塩化ビ
ニルマーキングシートへの転写箔による絵付けに熱転写
方法を用いて任意の図柄を施すことに関しては何ら示唆
するものはなく、また、上記に挙げたような従来の方法
では装飾性の高い銘板等に用いられる高級感のある非常
に繊細緻密な木目調、大理石調等の下地模様を含む図柄
を形成できなかった。
【0005】そこで本発明者らは、塩化ビニルシートへ
の文字・図柄を施すための加工方法として予め文字・図
柄を施した転写箔を準備しておくことで、必要に応じて
加工が可能となり、小ロット対応と即時生産性のあるこ
とを考慮し、転写箔を用いることを試みたが、高彩性の
模様の転写は可能であったものの塩化ビニルシート表面
への密着性が劣り、転写箔の接着層のみでは限界がある
ことを確認した。原因としては塩化ビニルマーキングシ
ートの熱溶融接着性が低いためと考えれる。
【0006】本発明者等は、上記現状に鑑み、鋭意検討
の結果、塩化ビニルシートに熱接着性樹脂層を設け所望
の図柄を印刷した転写箔を該熱接着性樹脂層表面に転写
することにより、意匠性、インキ密着性のよい文字・図
柄を簡便にかつ安価に即時性をもって施すことができる
ことを見出し、本発明を完成したものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、転写インキ層
を支持体に設けてなる転写箔を用い、熱接着性樹脂層を
一方の面に設けた表面に所望の図柄が転写されているこ
とを特徴とする塩化ビニルマーキングシートである。熱
接着性樹脂層を設けた塩化ビニルマーキングシートの該
熱接着性樹脂層面と転写インキ層を設けた転写箔の転写
インキ層面とを重ね合わせ、例えば熱ロールや熱プレー
ト等を用いた加熱、圧着手段で転写インキ層を溶融・転
写することにより得られる図柄が施された塩化ビニルマ
ーキングシートに関する。さらには該熱接着性樹脂層の
ガラス転移温度(以下、Tgという)が−30℃〜12
0℃、あるいは軟化点または融点が10℃〜200℃で
ある、転写インキの転写性、密着性を具備した塩化ビニ
ル系樹脂からなる図柄が施された塩化ビニルマーキング
シートに関する。すなわち、転写時に与えられる熱量で
容易に溶融し得る該熱接着性樹脂層を塩化ビニルマーキ
ングシート表面に設けることにより、転写インキと該塩
化ビニルマーキングシートの接触界面が転写時の熱と圧
力で容易に熱溶融接着し転写性と密着性に優れた図柄を
得ることができるものである。
【0008】本発明における熱接着性樹脂とは、Tgが
−30℃〜120℃、あるいは軟化点または融点が10
℃〜200℃にあり、好ましくはTgが−10℃〜80
℃、あるいは軟化点または融点が50℃〜150℃の樹
脂がよい。例えばポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビ
ニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
セタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/
アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸
系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合
体のエステル化物、ポリスチレン、ポリアクリル酸エス
テル、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケト
ン樹脂、石油樹脂、ロジンもしくはその誘導体、クマロ
ンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、ス
チレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニト
リルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等
の合成ゴム、ポリエステル樹脂、フッ素含有共重合樹脂
などを挙げることができるがこれらのみに限定されるも
のではなく、必要に応じて上記熱特性範囲に該当しない
その他の樹脂を塗工適性、コスト、耐候性、その他耐久
性を向上させる目的で併用することもできる。上記の熱
接着性樹脂は塩化ビニルマーキングシート基材のどちら
か一方の面に、0.1〜5.0μm、好ましくは0.3
〜2.0μm、さらに好ましくは、塩化ビニルマーキン
グシート施工時に要求される適度な柔軟性を保持しかつ
安定した塗布厚を得る為に0.5〜1.0μmの厚さで
熱接着性樹脂層を設けることが好ましい。熱接着性樹脂
が常温で粘着性を示す場合には、塩化ビニルマーキング
シートを重ねて保存したときにブロッキングを生じた
り、屋外曝露試験により大気中の煤煙を沈着し表面が汚
れ易い等の不具合を生じるため、好ましくは常温では固
体であり粘着性を持たない必要があり、さらに、これら
耐ブロッキング性、耐煤煙汚染性を向上させるために、
フッ素樹脂の幹鎖にアクリルの枝鎖を配したグラフトポ
リマーやポリフルオロ基含有ビニルモノマーと他のビニ
ルモノマーによる共重合樹脂等のフッ素含有共重合樹脂
や各種フッ素系界面活性剤、含フッ素ワックス等を併用
することが可能である。
【0009】上述の好ましい熱接着性樹脂の中でも種々
検討を重ねた結果、高い結晶性あるいは部分結晶性を有
する樹脂が特に好ましく、エポキシ樹脂、ショ糖エステ
ル、ポリカプロラクトン結晶性ポリエステル樹脂、良好
であり、中でも、ショ糖エステル類、および、下記一般
式 (1)で示されるポリカプロラクトン(融点約60
℃)が有効であることを見いだした。 −(CH2-CH2-CH2-CH2-CH2-COO)n − 一般式(1) 特に、ショ糖オクタ安息香酸エステル(融点78℃)お
よびショ糖オクタ酢酸エステル(融点72℃)は、先に
挙げた常温で硬質固体であり、粘着性を持たないという
条件を満たした上に、感熱転写で重要な特性である熱感
度を、シャープな融点とワックスに類似した低溶融粘度
により満足させ、さらにショ糖オクタ安息香酸エステル
においては耐候性の向上にも効果があり、非常に好適で
ある。ショ糖オクタ安息香酸エステルは熱接着樹脂層に
用いる場合、単独で用いると成膜強度がやや弱いため、
他の成膜強度の高い樹脂と併用することでより一層好適
に用いることができる。この場合のショ糖オクタ安息香
酸エステルの比率は10〜90重量%が好ましく、30
〜90重量%がより好ましい。熱接着性樹脂の軟化点ま
たは融点が10℃以上の場合にはシリカ等のフィラーを
入れることにより耐ブロッキング性を向上させることが
できる。しかし、軟化点または融点が10℃未満の場合
ではシリカ等のフィラーを入れても耐ブロッキング性の
著しい向上は少なく、さらに軟化点または融点が200
℃を越えた場合では転写後の塩ビマーキングシート基材
と転写箔インキ層との密着性が低下することが確認さ
れ、また、転写温度を上げ過ぎた場合には塩化ビニルマ
ーキングシート基材の寸法安定性を低下させたり、高解
像度の図柄が転写できない。さらに耐ブロッキング性、
耐煤煙汚染性を向上させるためには、上記熱接着性樹脂
に、フッ素含有化合物あるいはシリコン変性樹脂を併用
することが好ましい。フッ素含有化合物としては、フッ
素樹脂の主鎖にアクリルの側鎖を配したグラフトポリマ
ーやポリフルオロ基含有のビニルモノマーと他のビニル
モノマーとの共重合樹脂等のフッ素含有共重合樹脂や各
種フッ素系界面活性剤、含フッ素ワックス等が用いられ
る。シリコン変性樹脂としては、ベースポリマー主鎖中
あるいは側鎖にポリオルガノシロキサンを導入したもの
で、中でも主鎖にポリオルガノシロキサン鎖を有するシ
リコン変性ポリウレタン樹脂、または側鎖にポリオルガ
ノシロキサン鎖を有するシリコン変性アクリル樹脂が好
ましい。また、熱接着性樹脂には、塩化ビニルマーキン
グシートに含有される塩化ビニル樹脂や有機顔料、蛍光
色等の低褐色性顔料の紫外線劣化を低減するために紫外
線吸収剤や紫外線遮断剤を転写箔のインキ転写性や密着
性に悪影響を及ばさない範囲で添加してもよく、また、
さらに必要に応じてその他の樹脂を併用することもでき
る。
【0010】本発明の塩化ビニル系樹脂は、重合度が3
00〜2000、好ましくは600〜1500で、塩化
ビニル樹脂単体もしくは塩化ビニルの共重合成分とし
て、オレフィン系単量体、ジエン系単量体、ハロゲン化
ビニル系単量体、アクリル酸エステル系単量体、ビニル
エステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、スチレン
誘導体等を含む樹脂を挙げることができる。さらに具体
的には、塩化ビニル樹脂、エチレン−塩化ビニル樹脂、
酢酸ビニル−塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル−
塩化ビニル樹脂、ウレタン−塩化ビニル樹脂等の共重合
樹脂もしくはグラフト共重合樹脂等が挙げられる。該塩
化ビニル系共重合樹脂は単独で用いることができるが、
二種もしくはそれ以上複数併用することもでき、一般
に、強靱性と美粧性に富み、施工時に要求される適度な
腰の強さ、すなわち降伏応力1〜6Kg/mm2 、フィルム
膜厚約30〜 150μmであり、耐候性、寸法安定性等の優
れた特性を具備しているポリ塩化ビニル樹脂よりなる基
材が使用される。さらに本発明において、塩化ビニルマ
ーキングシート基材は有色、無色、色透明、色半透明の
いずれでもよく、必要に応じて着色することが可能であ
るが、通常有色の塩化ビニルマーキングシート基材が用
いられるが無色の場合は店舗等のショーウインド等に施
工されることにより美粧性が高められる。
【0011】本発明の塩化ビニルマーキングシートは、
さらに公知の各種の添加剤、例えば可塑剤、着色用色
材、帯電防止剤、滑剤等を併用することができる。
【0012】上記可塑剤の例としては、フタル酸、イソ
フタル酸、テトラヒドロフタル酸、アジピン酸、セバシ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、オレイ
ン酸、等の塩基性カルボン酸化合物と1価もしくは多価
のアルコール化合物との低分子量エステル系可塑剤、液
状ポリエステル系可塑剤、アルキッド型液状可塑剤、オ
キシラン酸素含有エポキシ系可塑剤等で、自由に選択す
ることができるが、耐候性、柔軟性保持性の点から、好
ましくは液状ポリエスル系可塑剤、アルキッド型液状可
塑剤、オキシラン酸素含有エポキシ系可塑剤がよい。上
記着色用色剤としては、従来印刷インキに用いられてき
た有色の有機顔料、無機顔料、さらには流動性改良、転
写インキの投錨効果等を付与させることを目的として無
色の体質顔料等を用いることができる。上記熱安定剤と
しては、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸鉛、亜硫酸鉛、亜リン酸鉛、ジブチル
スズマレート、ジブチルスズラウレート、ジブチルスズ
メルカプチド、ジオクチルスズマレート系安定剤、ジオ
クチルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメルカ
プチド系安定剤、スズ・ジオール誘導体、および、これ
らの複合体を挙げることができる。上記紫外線吸収剤と
しては、290〜400nm波長の光を吸収する化合物
として、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾー
ル系、サリチル酸フェニルエステル系、ヒンダードアミ
ン系、シアノアクリレート系、桂皮酸系、アミノブタジ
エン系化合物等を、ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に
対して、0.5〜40重量部、好ましくは、2〜20重
量部の範囲で、さらには紫外線遮断剤として、例えば、
酸化チタン、亜鉛華、タルク、カオリン、炭酸カルシウ
ム、酸化鉄等の微粒子を挙げることができ、ポリ塩化ビ
ニル樹脂100重量部に対して、1〜80重量部、好ま
しくは15〜40重量部の範囲で使用することで屋外用
途での塩化ビニルマーキングシートに含有される有機顔
料や蛍光色等の低褐色性顔料の紫外線劣化を低減するこ
とが可能となる。上記帯電防止剤としては、ポリオキシ
エチレンアルキルアミン、ポリオキシアルキルアミド、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グリセリン脂肪
酸エルテル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルスル
ホネート、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサ
ルフェートアルキルホスフェート、第四級アンモニウム
サルフェート等が挙げられ、特に、転写不良の原因とな
る静電気による集塵の防止に効果が認められる。また、
上記滑剤としては、公知の材料が利用でき例えば、ポリ
エチレンワックスなどの炭化水素系滑剤、ステアリン
酸、オキシ脂肪酸系等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸アミド系
滑剤、天然もしくは合成ワックス、アルコール系滑剤、
フッ素含有ワックス、フッ素樹脂パウダーなどを挙げる
ことができ、転写性に悪影響がない範囲で塩化ビニルマ
ーキングシート表面の耐磨耗性の向上、成膜加工性の向
上等の目的で使用される。
【0013】なお、本発明の塩化ビニルマーキングシー
トは、予め該熱接着性樹脂と前述各種添加剤とを有機溶
剤に溶解もしくは水に溶解または分散させた塗液を作成
し、塩化ビニルマーキングシート基材のどちらか一方の
面にグラビアコーター、ロールコーター等を用い、40
℃〜100℃、熱風乾燥することによって厚さ0.1μ
m〜5.0μm、好ましくは0.3μm〜2.0μmの
該熱接着性樹脂層が形成される。
【0014】本発明の塩化ビニルマーキングシートは転
写箔により図柄面、もしくは図柄と反対面に粘着剤、例
えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系
粘着剤等の粘着剤を10〜200μmの厚さで設け、さ
らに粘着剤離型基材を積層させることができる。被着体
の材質と表面状態に応じて、接着力が通常50〜500
0gr/25mm幅(JIS-Z0237 粘着テープ・粘着シート試
験方法)の粘着剤をを使用するが、使用済みとなった貼
り付け塩化ビニルマーキングシートを不要な粘着剤を被
着体表面に残留させることなく、かつ塩化ビニルマーキ
ングシートの破断強度を越えるような剥離力を必要とせ
ず容易に剥離可能な再剥離性を付与するには、特に接着
力を50〜1500gr/25mm幅にすることが好まし
く、より好ましくは500〜900gr/25mm幅にすれ
ばよい。また、1500gr/25mm幅以上の接着力では
永久接着タイプとして、被着体に対し強固な接着特性を
付与することが出来る。
【0015】本発明の転写箔は、基材シート上に、イン
キを用いて所望の図柄をグラビア印刷により設けたもの
である。基材シートとしては、紙、またはポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド等のプ
ラスチックフィルムや、アルミ等の金属箔が使用され、
好ましくは耐熱性、透明性、インキ密着性、コスト、塗
工性に優れるポリエステルがよく、塩化ビニル樹脂にグ
ラビア印刷を直接施した場合に見られる塗工温度、塗工
テンションのコントロールの困難さや印刷面の泳ぎ、ピ
ンホール、レベリング不良が少なく緻密で高彩性の図柄
が印刷できる。厚みとしては10μm〜250μmのも
のが好ましく使用される。これらの基材シートに、必要
に応じて予めアクリル系、シリコン系、ポリアミド系、
ポリエステル系等の合成樹脂をコートする等の剥離処理
を施したうえで、従来公知のフッ素系、ビニル系、ウレ
タン系、セルロース系、ポリエステル系樹脂等を単独、
あるいは混合したものをバインダーとし、顔料、染料等
の着色剤、その他必要な添加剤、溶剤等を加えて混練し
て調整した印刷インキをグラビア印刷して転写箔とす
る。また一般に転写箔のインキ中には熱可塑性樹脂が含
有されているが、塩化ビニルマーキングシート表面に設
けられた該熱接着性樹脂と同一の樹脂を含有、あるいは
転写箔印刷インキ層表面に積層することによりさらに熱
時相溶性がよくなり、転写性、密着性を著しく向上させ
ることができる。また、さらに紫外線吸収剤を含有ある
いは転写箔印刷インキ層表面に積層させることにより耐
候性を高めたり、隠蔽層を一層設けるなど、通常に行わ
れる構成は必要に応じてとることができる。
【0016】本発明の転写方法は、塩化ビニルマーキン
グシートの熱接着性樹脂層面に転写箔の図柄面を向かい
合わせにセッティングし、熱ロールや熱プレス等により
全面ベタ、あるいは図柄を転写させる方法が用いられる
が、熱接着性樹脂層を設ける際に必要とする乾燥の熱を
利用し転写させてもよく、その他熱と圧力を加えること
のできる方法を用いても構わない。
【0017】前述までの構成材料、加工方法により図柄
を施された塩化ビニルマーキングシートはその用途に応
じて通常行われる後加工を行ってもよい。例えば、耐候
性をさらに向上させる目的で、該塩化ビニルマーキング
シート最表層に紫外線吸収剤等の紫外線遮断効果のある
添加剤を含有してもよく、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、フッ素含有樹脂等の透明フィルムを
ラミネートすることや、フッ素含有樹脂塗料をコーティ
ングする等を行ってもよい。特にフッ素含有化合物をフ
ィルムや塗膜の形態で積層させることは耐候性のみなら
ず、防汚性、耐磨耗性が向上し好ましい。フッ素含有化
合物としては、フッ素樹脂の主鎖にアクリル系樹脂の側
鎖を配したグラフトポリマー(低分子オリゴマーでも構
わない)やポリフロオロ基含有ビニルモノマーと他のビ
ニルモノマーによる共重合ポリマー(低分子オリゴマー
でも構わない)等が好ましい。また、上述により得られ
た図柄付き塩化ビニルマーキングシートはさらに意匠性
を高める目的でカッティングやシルクスクリーン印刷、
また、必要に応じて機械エンボス等による表面への凹凸
加工により必要な形態に加工してもよい。さらに該図柄
付き塩化ビニルマーキングシート最表面にもう一層の熱
接着性樹脂層を設け、意匠性を高めるために感熱転写記
録方法等のパターニング手段により文字・図柄を施して
も差し支えない。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。実施例中の部とは重量部を表す。
【0019】実施例1 下記原材料からなる100μm厚の塩化ビニルシートを
作成し、一方の面に離型処理をした170μm厚の両面
ポリエチレンラミネート紙の離型面に膜厚が30μmと
なるように設けた、初期接着力が1500gr/25mm
幅(JIS−Z0237粘着テープ・粘着シート試験方
法)で65℃、80%RH、168時間後の経時接着力
が2000gr/25mm幅となる粘着剤層を先の塩化ビ
ニルシートにラミネートし、さらに粘着剤層と反対面に
下記原材料からなる熱接着性樹脂塗液を乾燥後の膜厚が
0.5μmとなるようにバーコーターにて塗布したのち
乾燥させることにより熱接着樹脂層を設けてマーキング
シートを得た。これに25μm厚のポリエチレンテレフ
タレートフィルム基材にアクリル系樹脂からなる剥離
層、酢酸ビニル系樹脂を主成分とする着色インキを用い
て大理石模様をグラビア印刷してなる図柄層、塩化ビニ
ル/酢酸ビニル共重合体樹脂からなる接着層を順に設け
た転写箔を用いて、加熱ロールにて150℃、4Kg圧の
条件で大理石模様を転写させ大理石模様付き塩化ビニル
マーキングシートを得た。 −塩化ビニルシート− 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製 ゼオン24 重合度1300)100部 酸化チタン(石原産業製 タイペークCR80) 50部 液状ポリエステル可塑剤(旭電化工業製 アデカサイザーPN260) 20部 液状フタル酸エステル可塑剤(チッソ製 DOP) 15部 熱安定剤(バリウム/亜鉛系) 3部 紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系) 2部 滑剤(ステアリン酸系) 0.5部 −粘着剤− 2液硬化型アクリル系粘着剤 100部 硬化剤 0.87部 −熱接着性樹脂層− 熱接着性樹脂(ジョンソンポリマー製 JONCRYL611 軟化点105 ℃ スチレン−アクリル樹脂) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0020】実施例2 実施例1の熱接着性樹脂層を下記に変更した以外は実施
例1と全く同様にして大理石模様付きマーキングシート
を得た。 −熱接着性樹脂層− 熱接着性樹脂(東洋紡績製 バイロン103 軟化点155℃ ポリエステル ロラクトン) 5部 熱接着性樹脂(第一工業製薬製 モノペットSB 融点78℃ ショ糖オクタ 安息香酸エステル) 5部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0021】実施例3 実施例1と同様に下記原材料からなる100μm厚の塩
化ビニルシートを作成し、その上に下記原料からなる熱
接着性樹脂層用塗液を用いて実施例1と同様に熱接着性
樹脂層を設け、次に実施例1と同様の転写箔を用いて、
加熱ロールにより透明塩化ビニルシート上の熱接着性樹
脂層面に大理石模様を転写させた。さらに、実施例1と
同様の離型基材付き粘着剤を用いて図柄面に粘着剤加工
を施し、大理石模様付き塩化ビニルマーキングシートを
得た。 −塩化ビニルシート− 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン製 ゼオン24 重合度1300)100部 液状ポリエステル可塑剤(旭電化工業製 アデカサイザーPN260) 20部 液状フタル酸エステル可塑剤(チッソ製 DOP) 5部 液状エポキシ系可塑剤 5部 熱安定剤(バリウム/亜鉛系) 3部 紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系) 3部 滑剤(ステアリン酸系) 0.5部 −熱接着性樹脂層− 熱接着性樹脂(ダイセル化学工業製 プラクセルH7融点60℃ ポリカプロ ラクトン) 10部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 90部
【0022】実施例4 実施例1と同様の原材料からなる100μm厚の塩化ビ
ニルシートを作成し、下記原材料からなる再剥離容易性
を有する、初期接着力が500gr/25mm幅(JIS
−Z0237粘着テープ・粘着シート試験方法)で65
℃、80%RH、168時間後の経時接着力が750gr
/25mm幅となる粘着剤を用いて実施例1と同様の粘
着剤加工を施した。次いで実施例2と同様の熱接着性樹
脂層を設け、25μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルム基材にアクリル系樹脂からなる剥離層、スチレ
ン−アクリル系樹脂を主成分とする着色インキを用いて
木目模様をグラビア印刷してなる図柄層、ポリエステル
系樹脂とショ糖オクタ安息香酸エステルを6/4の比率
で混合したものからなる接着層を順に設けた転写箔を用
いて加熱ロールにより木目模様を転写し、これに下記原
材料からなる図柄保護層用塗液を用いて乾燥後の膜厚が
0.5μmとなるよう、図柄形成面上にバーコーターに
て塗布したのち乾燥させることにより図柄保護層を設け
て木目模様付き塩化ビニルマーキングシートを得た。 −粘着剤− 2液硬化型再剥離容易性アクリル系粘着剤 100部 硬化剤 0.25部 −図柄保護層− フッ素系共重合樹脂(旭硝子製 FT−1030 軟化点95℃) 10部 紫外線吸収剤(ベンゾトリアゾール系) 5部 溶剤(トルエン/メチルエチルケトン=1/1) 85部
【0023】実施例の評価 上記マーキングシート実施例について、転写箔の図柄転
写性、転写後の耐擦過性、耐引掻性、密着性、マーキン
グシートの再剥離性について評価した。その結果を表1
に示す。
【0024】
【0025】
【発明の効果】本発明により複雑な加工処理工程を経る
ことなく、小ロット対応が可能で、安価で生産効率のよ
い精巧な図柄が施された塩化ビニルマーキングシートが
得られた。また、本発明により得られる塩化ビニルマー
キングシートはマーキング施工で必要とされる柔軟性、
寸法安定性、耐候性を保持した上に、文字・図柄の密着
性が優れているので、充分実用に耐えうるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緒方 敬三 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 木村 康典 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内 (72)発明者 柏岡 元彦 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写インキ層を支持体に設けてなる転写
    箔を用い、熱接着性樹脂層を一方の面に設けた表面に所
    望の図柄が転写されていることを特徴とする塩化ビニル
    マーキングシート。
  2. 【請求項2】 図柄面、もしくは図柄と反対面に粘着剤
    層と離型基材を設けることを特徴とする請求項1記載の
    塩化ビニルマーキングシート。
  3. 【請求項3】 熱接着性樹脂層に用いる熱接着性樹脂の
    一部または全部がショ糖エステル、またはポリカプロラ
    クトンであることを特徴とする請求項1ないし2記載の
    塩化ビニルマーキングシート。
  4. 【請求項4】 転写箔の転写インキ層が請求項1記載の
    熱接着性樹脂層と同一の熱接着性樹脂を含有することを
    特徴とする請求項1ないし3記載の塩化ビニルマーキン
    グシート。
  5. 【請求項5】 図柄が転写された最表面にフッ素樹脂層
    が設けてあることを特徴とする請求項1ないし4記載の
    塩化ビニルマーキングシート。
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