JPH0772081A - Co2 濃度測定装置 - Google Patents
Co2 濃度測定装置Info
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- JPH0772081A JPH0772081A JP21760393A JP21760393A JPH0772081A JP H0772081 A JPH0772081 A JP H0772081A JP 21760393 A JP21760393 A JP 21760393A JP 21760393 A JP21760393 A JP 21760393A JP H0772081 A JPH0772081 A JP H0772081A
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- Japan
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- sensor
- optical waveguide
- slab optical
- concentration
- light
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- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 屋内施設等の空調機器、発酵装置、TOC計
等様々な装置に組み込んで利用することができ、また炭
酸飲料中の炭酸ガス濃度の測定にも利用できる小型で高
感度なCO2 センサを提供する。 【構成】 スライドガラスを熱イオン交換法で処理する
ことにより作製したスラブ光導波路の表面に相間移動触
媒にイオン対を形成させたメタクレゾールパープルを担
持させた高分子膜を形成することにより、CO2 センサ
1を構成する。光源3からの光線をこのCO2 センサ1
に入射させ、出射した光線の光強度を光検出器7で検出
することでCO2 濃度を測定する。
等様々な装置に組み込んで利用することができ、また炭
酸飲料中の炭酸ガス濃度の測定にも利用できる小型で高
感度なCO2 センサを提供する。 【構成】 スライドガラスを熱イオン交換法で処理する
ことにより作製したスラブ光導波路の表面に相間移動触
媒にイオン対を形成させたメタクレゾールパープルを担
持させた高分子膜を形成することにより、CO2 センサ
1を構成する。光源3からの光線をこのCO2 センサ1
に入射させ、出射した光線の光強度を光検出器7で検出
することでCO2 濃度を測定する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CO2 濃度測定装置に
関し、更に詳しくはスラブ光導波路を使用してCO2 濃
度を測定する装置に関する。
関し、更に詳しくはスラブ光導波路を使用してCO2 濃
度を測定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】CO2 濃度測定装置は、施設園芸、防災
用、工業用、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度の計測など、炭
酸ガス濃度を計測、制御する場所及び装置において利用
されている。従来、これらの用途に使用するCO2 濃度
測定装置としては、非分散赤外線吸収分析計や隔膜式ガ
ラス電極分析計が知られている。前者は、炭酸ガス分子
が赤外域において固有の波長の赤外線を吸収する現象を
利用するものであり、後者は、炭酸ガスが隔膜を透過し
て内部液に溶解するとき生じるpH変化を利用するもの
である。
用、工業用、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度の計測など、炭
酸ガス濃度を計測、制御する場所及び装置において利用
されている。従来、これらの用途に使用するCO2 濃度
測定装置としては、非分散赤外線吸収分析計や隔膜式ガ
ラス電極分析計が知られている。前者は、炭酸ガス分子
が赤外域において固有の波長の赤外線を吸収する現象を
利用するものであり、後者は、炭酸ガスが隔膜を透過し
て内部液に溶解するとき生じるpH変化を利用するもの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、空調や環境分野
を中心にCO2 センサに対するニーズが高まっており、
特に、選択性が高く、高感度測定を短時間で行うことが
できる、小型で低コストのCO2 センサが要求されてい
る。ところが、従来の非分散型赤外線吸収分析計は、高
価であると共に水蒸気や粉塵の影響を受けやすくフィル
タや除湿器等の前処理装置が必要であり、試料ガスを装
置内の試料室に吸引して測定する必要がある等、装置が
大がかりであって他の装置へ組み込むことが困難であ
る。また、雰囲気測定器として利用するには感度が低
く、装置の安定化に時間がかかるという問題がある。
を中心にCO2 センサに対するニーズが高まっており、
特に、選択性が高く、高感度測定を短時間で行うことが
できる、小型で低コストのCO2 センサが要求されてい
る。ところが、従来の非分散型赤外線吸収分析計は、高
価であると共に水蒸気や粉塵の影響を受けやすくフィル
タや除湿器等の前処理装置が必要であり、試料ガスを装
置内の試料室に吸引して測定する必要がある等、装置が
大がかりであって他の装置へ組み込むことが困難であ
る。また、雰囲気測定器として利用するには感度が低
く、装置の安定化に時間がかかるという問題がある。
【0004】また、隔膜式ガラス電極分析計は、測定に
時間がかかる、感度が低く雰囲気測定が困難であるとい
う問題がある。本発明の目的は、上記従来装置の欠点を
克服した小型で高感度なCO2 センサを提供することに
ある。
時間がかかる、感度が低く雰囲気測定が困難であるとい
う問題がある。本発明の目的は、上記従来装置の欠点を
克服した小型で高感度なCO2 センサを提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スラブ光
導波路を応用することにより前記要求を満たすCO2セ
ンサを開発することに成功した。本発明のCO2 センサ
は、スラブ光導波路の表面に、相間移動触媒にイオン対
を形成させたpH感応性色素を担持させたものである。
相間移動触媒にイオン対を形成させたpH感応性色素は
高分子膜に含有させて担持させることができる。
導波路を応用することにより前記要求を満たすCO2セ
ンサを開発することに成功した。本発明のCO2 センサ
は、スラブ光導波路の表面に、相間移動触媒にイオン対
を形成させたpH感応性色素を担持させたものである。
相間移動触媒にイオン対を形成させたpH感応性色素は
高分子膜に含有させて担持させることができる。
【0006】pH感応性色素としては、例えばメタクレ
ゾールパープルを用いることができ、相間移動触媒とし
ては第4アンモニウム塩を用いることができる。スラブ
光導波路は、例えばスライドガラスを熱イオン交換法で
処理することにより作製したカリウムイオンスラブ光導
波路とすることができる。センサの感度は高分子膜に含
有させるpH感応性色素の濃度により調整することがで
き、センサの応答性は高分子膜の膜厚を薄くすることに
より向上することができる。
ゾールパープルを用いることができ、相間移動触媒とし
ては第4アンモニウム塩を用いることができる。スラブ
光導波路は、例えばスライドガラスを熱イオン交換法で
処理することにより作製したカリウムイオンスラブ光導
波路とすることができる。センサの感度は高分子膜に含
有させるpH感応性色素の濃度により調整することがで
き、センサの応答性は高分子膜の膜厚を薄くすることに
より向上することができる。
【0007】本発明によるCO2 センサは小型で高感度
であるので、屋内施設等の空調機器、発酵装置、TOC
計等様々な装置に組み込んで利用することができる。ま
た、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度の測定や防災用等、炭酸
ガス濃度を制御、計測する種々の設備において幅広い利
用が可能である。また、本発明によるCO2 センサはス
ラブ光導波路により発生するエバネッセント波を利用し
ているため、光導波路上の高分子膜に不透明な膜を重畳
させても測定には影響がない。そのため、高分子膜上に
炭酸ガス透過膜を重畳させることが可能である。このこ
とにより、高分子膜が保護され、しかも選択的に炭酸ガ
スを検知することが可能になるため、例えば、SOx,
NOxの存在下での炭酸ガスの選択的測定や、湿気の多
いところはもちろんのこと、水中の炭酸ガス濃度の測定
も可能である。また、粉塵の影響も回避できる。
であるので、屋内施設等の空調機器、発酵装置、TOC
計等様々な装置に組み込んで利用することができる。ま
た、炭酸飲料中の炭酸ガス濃度の測定や防災用等、炭酸
ガス濃度を制御、計測する種々の設備において幅広い利
用が可能である。また、本発明によるCO2 センサはス
ラブ光導波路により発生するエバネッセント波を利用し
ているため、光導波路上の高分子膜に不透明な膜を重畳
させても測定には影響がない。そのため、高分子膜上に
炭酸ガス透過膜を重畳させることが可能である。このこ
とにより、高分子膜が保護され、しかも選択的に炭酸ガ
スを検知することが可能になるため、例えば、SOx,
NOxの存在下での炭酸ガスの選択的測定や、湿気の多
いところはもちろんのこと、水中の炭酸ガス濃度の測定
も可能である。また、粉塵の影響も回避できる。
【0008】
【作 用】スラブ光導波路は、ガラスなどの誘電体基板
の表面に基板よりもわずかに屈折率が高く、膜厚が光波
長オーダーの薄膜を形成することによって、光をこの高
屈折率膜内に閉じこめて導波させるものである。光は導
波路表面で全反射するが、このとき表面から波長の十分
の一程度にじみ出ながら進んでいく。この漏れ出る光、
すなわちエバネッセント波を利用して高分子膜中に含有
させたメタクレゾールパープルの変化を分光学的に検出
することによりCO2 濃度を測定することができる。こ
の方法によると、同様な原理に基づく赤外線利用のAT
R法(全反射吸収法)に比べて有効光路長を2〜3桁長
くすることができ、高感度な測定を行うことができる。
の表面に基板よりもわずかに屈折率が高く、膜厚が光波
長オーダーの薄膜を形成することによって、光をこの高
屈折率膜内に閉じこめて導波させるものである。光は導
波路表面で全反射するが、このとき表面から波長の十分
の一程度にじみ出ながら進んでいく。この漏れ出る光、
すなわちエバネッセント波を利用して高分子膜中に含有
させたメタクレゾールパープルの変化を分光学的に検出
することによりCO2 濃度を測定することができる。こ
の方法によると、同様な原理に基づく赤外線利用のAT
R法(全反射吸収法)に比べて有効光路長を2〜3桁長
くすることができ、高感度な測定を行うことができる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。 〔実施例1〕本発明によるCO2 センサの製造方法につ
いて説明する。まず、軟質ガラス性スライドに熱イオン
交換法によりK+ をドーピングして、スラブ光導波路を
作製する。すなわち、縦横約2×7cmで、厚さ約2m
mの軟質ガラスからなるスライドガラスを、溶融した硝
酸カリウム(99.9%)に浸し、そのまま400℃に
加熱した電気炉に入れる。30分放置後、電気炉から硝
酸カリウム液に浸ったスライドガラスを取り出し、10
分程度室温で風乾した後、イオン交換水で水洗する。こ
のようにして、スライドガラス中のNa+ イオンをK+
イオンに置換し、スライドガラスの表面付近にK+ が豊
富で高屈折率の層を厚さ約1〜5μm、好ましくは約1
〜2μm形成する。
いて説明する。まず、軟質ガラス性スライドに熱イオン
交換法によりK+ をドーピングして、スラブ光導波路を
作製する。すなわち、縦横約2×7cmで、厚さ約2m
mの軟質ガラスからなるスライドガラスを、溶融した硝
酸カリウム(99.9%)に浸し、そのまま400℃に
加熱した電気炉に入れる。30分放置後、電気炉から硝
酸カリウム液に浸ったスライドガラスを取り出し、10
分程度室温で風乾した後、イオン交換水で水洗する。こ
のようにして、スライドガラス中のNa+ イオンをK+
イオンに置換し、スライドガラスの表面付近にK+ が豊
富で高屈折率の層を厚さ約1〜5μm、好ましくは約1
〜2μm形成する。
【0010】次に、このようにして作製したスライドガ
ラス製スラブ光導波路表面へ、以下のようにして、相間
移動触媒にイオン対を形成させたpH応答性色素を含む
高分子膜を担持し、CO2 センサを作製する。ここで
は、pH応答性色素としてメタクレゾールパープルを使
用する例を説明する。すなわち、下記の溶液を1m
l、溶液を1ml、溶液を10gとリン酸トリブチ
ル1mlを混合し、この混合溶液を光導波路上に少量
(2〜3滴)たらし、もう1枚のスライドガラスとの間
に挟み込み、均一の膜としたあと、2〜3時間室温にて
放置し、溶媒を蒸発させた。スライドガラスにより挟み
込む強さを変えることにより、約1〜50μmの種々の
厚さの膜を作製した。膜厚はマイクロメーターで測定し
た。
ラス製スラブ光導波路表面へ、以下のようにして、相間
移動触媒にイオン対を形成させたpH応答性色素を含む
高分子膜を担持し、CO2 センサを作製する。ここで
は、pH応答性色素としてメタクレゾールパープルを使
用する例を説明する。すなわち、下記の溶液を1m
l、溶液を1ml、溶液を10gとリン酸トリブチ
ル1mlを混合し、この混合溶液を光導波路上に少量
(2〜3滴)たらし、もう1枚のスライドガラスとの間
に挟み込み、均一の膜としたあと、2〜3時間室温にて
放置し、溶媒を蒸発させた。スライドガラスにより挟み
込む強さを変えることにより、約1〜50μmの種々の
厚さの膜を作製した。膜厚はマイクロメーターで測定し
た。
【0011】溶液:0.5Mトリオクチルメチルアン
モニウムヒドロキシドメタノール溶液。 0.5Mトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(カ
プリコート)メタノール溶液10mlにwet酸化銀を
入れ陰イオン交換し、ろ過したろ液。
モニウムヒドロキシドメタノール溶液。 0.5Mトリオクチルメチルアンモニウムクロリド(カ
プリコート)メタノール溶液10mlにwet酸化銀を
入れ陰イオン交換し、ろ過したろ液。
【0012】溶液:メタクレゾールパープル溶液。 溶液1mlに0.012gのメタクレゾールパープル
(和光純薬製)を溶かし、更に2.5mlのメタノール
を加えたもの。 溶液:エチルセルロース溶液 エタノール20mlとトルエン80mlの混合溶液に1
0gのエチルセルロースを溶かしたもの。
(和光純薬製)を溶かし、更に2.5mlのメタノール
を加えたもの。 溶液:エチルセルロース溶液 エタノール20mlとトルエン80mlの混合溶液に1
0gのエチルセルロースを溶かしたもの。
【0013】相間移動触媒は、イオン等をポリマーや可
塑剤等の有機層へ移動させる際の触媒として使用される
ものである。本実施例の場合、イオン対を形成している
相間移動触媒であるトリオクチルメチルアンモニウムイ
オンQ+ と脱プロトン化されたメタクレゾールパープル
D-にCO2 を作用させると、下式に示されるように、
CO2 はHCO3 -としてトリオクチルメチルアンモニウ
ムイオンQ+ とイオン対を形成するようになる。その
際、脱プロトン化されたメタクレゾールパープルD- は
プロトン化され、青色から黄色へと色の変化が起こる。 [Q+D-・xH2O]+CO2 ←→[Q+HCO3 -・(x
−1)H2O・HD] 第4アンモニウム塩はアニオンを交換するのに優れた相
間移動触媒である。また、同じ第4アンモニウム塩であ
るゼフィラミンも相間移動触媒として同様に使用するこ
とができる。
塑剤等の有機層へ移動させる際の触媒として使用される
ものである。本実施例の場合、イオン対を形成している
相間移動触媒であるトリオクチルメチルアンモニウムイ
オンQ+ と脱プロトン化されたメタクレゾールパープル
D-にCO2 を作用させると、下式に示されるように、
CO2 はHCO3 -としてトリオクチルメチルアンモニウ
ムイオンQ+ とイオン対を形成するようになる。その
際、脱プロトン化されたメタクレゾールパープルD- は
プロトン化され、青色から黄色へと色の変化が起こる。 [Q+D-・xH2O]+CO2 ←→[Q+HCO3 -・(x
−1)H2O・HD] 第4アンモニウム塩はアニオンを交換するのに優れた相
間移動触媒である。また、同じ第4アンモニウム塩であ
るゼフィラミンも相間移動触媒として同様に使用するこ
とができる。
【0014】〔実施例2〕上記のようにして作製したC
O2 センサを組み込んだ本発明によるCO2 測定装置の
一実施例を図1に示す。本実施例においては、スライド
ガラスに形成されたスラブ光導波路を利用する上記CO
2 センサ1上に、FEP(フロロエチレンプロピレン)
製のスペーサを介してPTFE(ポリテトラフルオロエ
チレン)製のカバーをピンチコック又は止めネジにて圧
着させることによって光路長18mmのPTFE製フロ
ーセル2を作製した。光源3には、発振波長が632.
8nmのHe−Neレーザーを用いた。レーザー光は偏
光板4によって偏光された後、プリズム5によってスラ
ブ光導波路を利用したCO2 センサ1に導入され、試料
中のCO2 に応答したメタクレゾールパープルと相互作
用した後、プリズム6から出射してフォトダイオード7
により検出される。8は検流計である。
O2 センサを組み込んだ本発明によるCO2 測定装置の
一実施例を図1に示す。本実施例においては、スライド
ガラスに形成されたスラブ光導波路を利用する上記CO
2 センサ1上に、FEP(フロロエチレンプロピレン)
製のスペーサを介してPTFE(ポリテトラフルオロエ
チレン)製のカバーをピンチコック又は止めネジにて圧
着させることによって光路長18mmのPTFE製フロ
ーセル2を作製した。光源3には、発振波長が632.
8nmのHe−Neレーザーを用いた。レーザー光は偏
光板4によって偏光された後、プリズム5によってスラ
ブ光導波路を利用したCO2 センサ1に導入され、試料
中のCO2 に応答したメタクレゾールパープルと相互作
用した後、プリズム6から出射してフォトダイオード7
により検出される。8は検流計である。
【0015】本実施例では、高分子膜の膜厚を5μmと
した。図1のように装置を組み立てた後、試料を流通さ
せない状態で測光し、光導波路および高分子膜の均一性
を担保するため、フォトダイオード7のベース電流値が
100nA以上あるセンサを選択して使用する。高分子
膜中のメタクレゾールパープルは陰イオンとして存在
し、青色を示すが、前述のようにCO2 が存在すると黄
色となる。そのため、632.8nmの光は導波路中を
透過しやすくなり、吸光度が減少する。
した。図1のように装置を組み立てた後、試料を流通さ
せない状態で測光し、光導波路および高分子膜の均一性
を担保するため、フォトダイオード7のベース電流値が
100nA以上あるセンサを選択して使用する。高分子
膜中のメタクレゾールパープルは陰イオンとして存在
し、青色を示すが、前述のようにCO2 が存在すると黄
色となる。そのため、632.8nmの光は導波路中を
透過しやすくなり、吸光度が減少する。
【0016】前記した装置にてCO2 の測定を行った。
試料はCO2 標準ガス(ジーエルサイエンス製)を窒素
ガスによって種々の濃度に希釈したものを使用し、CO
2 注入器9と空気注入器10から試料と空気を交互に送
ったところ、図2に示すような吸光度の変化が見られ
た。また、このときの吸光度減少量はCO2 濃度により
図3のように変化しており、CO2 濃度が0〜2%の範
囲で応答が直線的であって感度が良好であることがわか
る。
試料はCO2 標準ガス(ジーエルサイエンス製)を窒素
ガスによって種々の濃度に希釈したものを使用し、CO
2 注入器9と空気注入器10から試料と空気を交互に送
ったところ、図2に示すような吸光度の変化が見られ
た。また、このときの吸光度減少量はCO2 濃度により
図3のように変化しており、CO2 濃度が0〜2%の範
囲で応答が直線的であって感度が良好であることがわか
る。
【0017】次に、メタクレゾールパープル濃度を10
倍にした高分子膜を用いてセンサを作製し、同様の測定
を行ったところ図4に示す結果が得られた。図中、白丸
は前記溶液を使用して高分子膜を作製したセンサの応
答を、黒丸は前記溶液に加えるメタクレゾールパープ
ルを0.12gとしたセンサの応答を示す。図4は、吸
光度の応答がメタクレゾールパープル濃度に比例するこ
とを示しており、メタクレゾールパープル濃度を変化さ
せることによりセンサの感度を調節することが可能であ
る。
倍にした高分子膜を用いてセンサを作製し、同様の測定
を行ったところ図4に示す結果が得られた。図中、白丸
は前記溶液を使用して高分子膜を作製したセンサの応
答を、黒丸は前記溶液に加えるメタクレゾールパープ
ルを0.12gとしたセンサの応答を示す。図4は、吸
光度の応答がメタクレゾールパープル濃度に比例するこ
とを示しており、メタクレゾールパープル濃度を変化さ
せることによりセンサの感度を調節することが可能であ
る。
【0018】さらに、上記方法に従い、膜厚が2μmと
45μmの2種類の高分子膜を作製し、吸光度の変化が
ピークの63.2%になるまでの反応時間の変化を調べ
た。図5に、その結果を示す。膜厚2μmのセンサの応
答時間は、膜厚45μmのセンサの応答時間に比べて1
0分の1以下であった。本発明は、エバネッセント波を
利用しているため高分子膜の膜厚は理論的には100n
m程度で十分であり、実際フィルムの厚さによる感度へ
の影響は見られなかった。従って、スラブ光導波路上に
形成する高分子膜を薄くすれば、応答性の良いセンサを
作ることができる。
45μmの2種類の高分子膜を作製し、吸光度の変化が
ピークの63.2%になるまでの反応時間の変化を調べ
た。図5に、その結果を示す。膜厚2μmのセンサの応
答時間は、膜厚45μmのセンサの応答時間に比べて1
0分の1以下であった。本発明は、エバネッセント波を
利用しているため高分子膜の膜厚は理論的には100n
m程度で十分であり、実際フィルムの厚さによる感度へ
の影響は見られなかった。従って、スラブ光導波路上に
形成する高分子膜を薄くすれば、応答性の良いセンサを
作ることができる。
【0019】また、pH応答色素として本発明で採用し
たメタクレゾールパープル以外にブロモチモールブルー
及びブロモチモゾールグリーンを用いて同様にCO2 セ
ンサを作製したところ、CO2 を注入すると、逆に吸光
度が上昇したり、応答がなかったりして測定不能であっ
た。本実施例では、スラブ光導波路をスライドガラス上
に形成し、スラブ光導波路と光線との結合をプリズムに
よって行ったが、スラブ光導波路を形成するガラス基体
は必ずしもスライドガラスである必要はない。また、ス
ラブ光導波路と光線の光結合部、すなわち入出射部はプ
リズムの他にも種々の手段が考えられる。その一例を図
6に示す。
たメタクレゾールパープル以外にブロモチモールブルー
及びブロモチモゾールグリーンを用いて同様にCO2 セ
ンサを作製したところ、CO2 を注入すると、逆に吸光
度が上昇したり、応答がなかったりして測定不能であっ
た。本実施例では、スラブ光導波路をスライドガラス上
に形成し、スラブ光導波路と光線との結合をプリズムに
よって行ったが、スラブ光導波路を形成するガラス基体
は必ずしもスライドガラスである必要はない。また、ス
ラブ光導波路と光線の光結合部、すなわち入出射部はプ
リズムの他にも種々の手段が考えられる。その一例を図
6に示す。
【0020】図6(a)は、スラブ光導波路11の端面
に直接光ファイバー12を接続した例である。この接続
は、接着剤によって行う。光ファイバーを用いた場合に
は、光源及び光検出器とCO2 センサの位置関係を自由
に設定することができる利点がある。図6(b)は、ス
ラブ光導波路とプリズムを一体化した例である。すなわ
ち、比較的厚いガラス基体14の一方の表面にスラブ光
導波路11を形成し、ガラスの両端を斜めにカットして
光入出射部とする例である。図6(c)は、スラブ光導
波路11の表面にホログラフィック干渉法(西原浩著
「光集積回路」オーム社、第215頁〜第220頁、昭
和62年6月20日発行)を利用してグレーティング1
6を形成し、それを光入出射部とするものである。グレ
ーティング16をガラス基体表面に上記の方法で形成
し、さらに光導波層を積層することによって、図6
(d)のように、ガラス基体とスラブ光導波路の界面に
形成することも可能である。この場合には、スラブ光導
波路11が形成されている面とは反対側の面からガラス
基体に光線を入射させる。
に直接光ファイバー12を接続した例である。この接続
は、接着剤によって行う。光ファイバーを用いた場合に
は、光源及び光検出器とCO2 センサの位置関係を自由
に設定することができる利点がある。図6(b)は、ス
ラブ光導波路とプリズムを一体化した例である。すなわ
ち、比較的厚いガラス基体14の一方の表面にスラブ光
導波路11を形成し、ガラスの両端を斜めにカットして
光入出射部とする例である。図6(c)は、スラブ光導
波路11の表面にホログラフィック干渉法(西原浩著
「光集積回路」オーム社、第215頁〜第220頁、昭
和62年6月20日発行)を利用してグレーティング1
6を形成し、それを光入出射部とするものである。グレ
ーティング16をガラス基体表面に上記の方法で形成
し、さらに光導波層を積層することによって、図6
(d)のように、ガラス基体とスラブ光導波路の界面に
形成することも可能である。この場合には、スラブ光導
波路11が形成されている面とは反対側の面からガラス
基体に光線を入射させる。
【0021】また、本発明のセンサは、基本的にはフロ
ーセルを使用しなくともCO2 の測定が可能である。例
えば、図6(a)に示したように、光ファイバーで接続
された本発明によるCO2 センサを炭酸ガス雰囲気内に
設置するだけで、高分子膜内のpH応答が行われ、雰囲
気内での炭酸ガスをモニタリングすることができる。さ
らに本発明によるCO2 センサを用いれば、化学情報の
取り込みから分光などの情報処理までを1チップ上で実
現する集積型センサの構築が可能である。
ーセルを使用しなくともCO2 の測定が可能である。例
えば、図6(a)に示したように、光ファイバーで接続
された本発明によるCO2 センサを炭酸ガス雰囲気内に
設置するだけで、高分子膜内のpH応答が行われ、雰囲
気内での炭酸ガスをモニタリングすることができる。さ
らに本発明によるCO2 センサを用いれば、化学情報の
取り込みから分光などの情報処理までを1チップ上で実
現する集積型センサの構築が可能である。
【0022】
【発明の効果】スラブ光導波路を利用した本発明のCO
2 センサは、非常にコンパクトであり低コストで製作可
能であるので他の装置へ組み込んで利用するのに適す
る。また、応答が速く、高感度であって、試料ガスの吸
引や注入を必要とせず雰囲気中のCO2 濃度を測定する
ことが可能である。さらに、センサ表面にCO2 透過膜
を設けることにより液体中のCO2 濃度を直接測定する
ことが可能となる。
2 センサは、非常にコンパクトであり低コストで製作可
能であるので他の装置へ組み込んで利用するのに適す
る。また、応答が速く、高感度であって、試料ガスの吸
引や注入を必要とせず雰囲気中のCO2 濃度を測定する
ことが可能である。さらに、センサ表面にCO2 透過膜
を設けることにより液体中のCO2 濃度を直接測定する
ことが可能となる。
【図1】本発明の一実施例によるCO2 濃度測定装置の
構成図。
構成図。
【図2】本発明によるスラブ光導波路センサのCO2 へ
の応答を示す図。
の応答を示す図。
【図3】CO2 濃度と吸光度減少量の関係を示す図。
【図4】高分子膜中の色素濃度と吸光度応答の関係を示
す図。
す図。
【図5】高分子膜の膜厚と応答時間の関係を示す図。
【図6】スラブ光導波路の光結合部の例を示す図。
1 スラブ光導波路が形成されたスライドガラス 2 フローセル 3 レーザー光源 4 偏光板 5,6 プリズム 7 フォトダイオード 8 検流計 9 CO2 注入器 10 空気注入器 11 スラブ光導波路 12 光ファイバー 14 ガラス基体 16 グレーティング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤野 裕文 愛知県半田市有脇町2−46−28 (72)発明者 川村 吉也 愛知県江南市古知野町古渡132
Claims (8)
- 【請求項1】 スラブ光導波路を使用してCO2 を測定
することを特徴とするCO2 センサ。 - 【請求項2】 スラブ光導波路の表面に、相間移動触媒
にイオン対を形成させたpH感応性色素を担持させたこ
とを特徴とするCO2 センサ。 - 【請求項3】 スラブ光導波路の表面に、相間移動触媒
にイオン対を形成させたメタクレゾールパープルを担持
させたことを特徴とするCO2 センサ。 - 【請求項4】 前記相間移動触媒が第4アンモニウム塩
であることを特徴とする請求項3記載のCO2 センサ。 - 【請求項5】 前記スラブ光導波路がカリウムイオンス
ラブ光導波路であることを特徴とする請求項1〜4のい
ずれか1項記載のCO2 センサ。 - 【請求項6】 光源と、請求項1〜5のいずれかに記載
されたCO2 センサと、光検出器とを含み、前記光源か
らの光線を前記CO2 センサに入射させ、前記CO2 セ
ンサから出射した光線の光強度を前記光検出器で検出す
ることを特徴とするCO2 濃度測定装置。 - 【請求項7】 前記光源と前記CO2 センサ及び前記C
O2 センサと前記光検出器の間を光ファイバーで接続し
たことを特徴とする請求項6記載のCO2 濃度測定装
置。 - 【請求項8】 前記CO2 センサは光入射部グレーティ
ング及び光出射部グレーティングを有し、前記光源から
の光線を前記光入射部グレーティングを介して前記CO
2 センサに入射させ、前記光出射部グレーティングから
出射した前記CO2 センサからの光線を前記光検出器で
検出することを特徴とする請求項6記載のCO2 濃度測
定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21760393A JPH0772081A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | Co2 濃度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21760393A JPH0772081A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | Co2 濃度測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0772081A true JPH0772081A (ja) | 1995-03-17 |
Family
ID=16706882
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21760393A Pending JPH0772081A (ja) | 1993-09-01 | 1993-09-01 | Co2 濃度測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0772081A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098284A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-04-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | メソポーラス金属酸化物複合光導波路センサー、その製造方法及びそれを用いたガスセンサー |
WO2008062582A1 (fr) * | 2006-11-22 | 2008-05-29 | Kabushiki Kaisha Atsumitec | Capteur d'hydrogène et détecteur de gaz d'hydrogène |
JP2008298771A (ja) * | 2007-05-02 | 2008-12-11 | Ritsumeikan | 蛍光顕微鏡用全反射バイオチップ及びその製法、並びに蛍光顕微鏡用全反射バイオチップアセンブリ |
CN102967551A (zh) * | 2012-09-09 | 2013-03-13 | 广州市高坚劳保用品有限公司 | 用于检测二氧化碳吸附的测试装置及检测方法 |
JP2017503203A (ja) * | 2013-12-23 | 2017-01-26 | セエスウエム サントル スイス デレクトロニクエ ドゥ ミクロテクニク ソシエテ アノニム−ルシェルシェ エ デブロップマン | 導波モード共鳴デバイス |
CN117309807A (zh) * | 2023-09-27 | 2023-12-29 | 成都信息工程大学 | 一种基于光波导的二氧化碳检测装置及方法 |
-
1993
- 1993-09-01 JP JP21760393A patent/JPH0772081A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
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US8025844B2 (en) | 2006-11-22 | 2011-09-27 | Kabushiki Kaisha Atsumitec | Hydrogen sensor and hydrogen gas detecting apparatus |
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