JPH0771437A - コンロッド用軽合金製ロッド部材およびその製造方法 - Google Patents
コンロッド用軽合金製ロッド部材およびその製造方法Info
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- JPH0771437A JPH0771437A JP21636393A JP21636393A JPH0771437A JP H0771437 A JPH0771437 A JP H0771437A JP 21636393 A JP21636393 A JP 21636393A JP 21636393 A JP21636393 A JP 21636393A JP H0771437 A JPH0771437 A JP H0771437A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Shafts, Cranks, Connecting Bars, And Related Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 軽量で、且つ高強度なコンロッド用ロッド部
材を提供する。 【構成】 コンロッド用ロッド部材3は、一端に小端部
1を、また他端に大端部用半環状部2をそれぞれ有す
る。その半環状部2には、それ2と協働して大端部4を
構成する半環状キャップ7がボルト51 およびナット6
により締結される。ロッド部材3はAl合金よりなる鍛
造品であって、その鍛造過程でボルト51 が、その雄ね
じ部8側をキャップ7との合せ面9から突出させて、半
環状部2に植設されている。
材を提供する。 【構成】 コンロッド用ロッド部材3は、一端に小端部
1を、また他端に大端部用半環状部2をそれぞれ有す
る。その半環状部2には、それ2と協働して大端部4を
構成する半環状キャップ7がボルト51 およびナット6
により締結される。ロッド部材3はAl合金よりなる鍛
造品であって、その鍛造過程でボルト51 が、その雄ね
じ部8側をキャップ7との合せ面9から突出させて、半
環状部2に植設されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関におけるコンロ
ッド用軽合金製ロッド部材、特に、一端に小端部を、ま
た他端に大端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状
部には、それと協働して大端部を構成する半環状キャッ
プがボルトおよびナットにより締結されるロッド部材お
よびそのロッド部材の製造方法に関する。
ッド用軽合金製ロッド部材、特に、一端に小端部を、ま
た他端に大端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状
部には、それと協働して大端部を構成する半環状キャッ
プがボルトおよびナットにより締結されるロッド部材お
よびそのロッド部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来一般に、内燃機関用コンロッドは機
械構造用炭素鋼より構成されている(例えば、1978
年朝倉書店発行、「自動車の事典」参照)。
械構造用炭素鋼より構成されている(例えば、1978
年朝倉書店発行、「自動車の事典」参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年環境問題に対する
一対応策として、自動車用内燃機関における低燃費化が
要請されており、それに応じるためには構成部品、とり
わけ運動部品の軽量化が有効である。この場合、運動部
品の中でもコンロッド、特にロッド部材の軽量化による
低燃費化効果は大きく、したがって従来の鋼製ロッド部
材に代えて軽量で、且つ安価なロッド部材の開発が望ま
れている。
一対応策として、自動車用内燃機関における低燃費化が
要請されており、それに応じるためには構成部品、とり
わけ運動部品の軽量化が有効である。この場合、運動部
品の中でもコンロッド、特にロッド部材の軽量化による
低燃費化効果は大きく、したがって従来の鋼製ロッド部
材に代えて軽量で、且つ安価なロッド部材の開発が望ま
れている。
【0004】一方、キャップをロッド部材の半環状部に
締結する場合、その半環状部に雌ねじ孔を形成し、その
雌ねじ孔にキャップ側からボルトを螺着する、といった
キャップ締結方式を採用すると、ボルトおよびナットに
よるキャップ締結方式に比べて、ボルト頭座面を設ける
ことによるロッド部材の強度低下を抑制し、また大端部
からのボルト頭およびナットの両者が共に出っ張ること
を防止してコンロッドの占有スペースを減少させること
が可能である。
締結する場合、その半環状部に雌ねじ孔を形成し、その
雌ねじ孔にキャップ側からボルトを螺着する、といった
キャップ締結方式を採用すると、ボルトおよびナットに
よるキャップ締結方式に比べて、ボルト頭座面を設ける
ことによるロッド部材の強度低下を抑制し、また大端部
からのボルト頭およびナットの両者が共に出っ張ること
を防止してコンロッドの占有スペースを減少させること
が可能である。
【0005】そこで、前記軽量化および低コスト化の要
請から、ロッド部材を軽合金であるAl合金より構成
し、また雌ねじ孔およびボルトによるキャップ締結方式
を採用することが考えられる。
請から、ロッド部材を軽合金であるAl合金より構成
し、また雌ねじ孔およびボルトによるキャップ締結方式
を採用することが考えられる。
【0006】一般に、ロッド部材には、150〜200
℃において優れた疲れ強さを発揮すること、といった機
械的特性を持つことが要求されるが、Al合金の場合、
その疲れ強さを向上させると、靱性が低下する傾向にあ
るため前記Al合金製ロッド部材においては、雌ねじ孔
周りの低靱性化に伴いその雌ねじ孔の谷部を起点とした
破壊を生じ易い、といった問題がある。
℃において優れた疲れ強さを発揮すること、といった機
械的特性を持つことが要求されるが、Al合金の場合、
その疲れ強さを向上させると、靱性が低下する傾向にあ
るため前記Al合金製ロッド部材においては、雌ねじ孔
周りの低靱性化に伴いその雌ねじ孔の谷部を起点とした
破壊を生じ易い、といった問題がある。
【0007】本発明は前記に鑑み、構成材料を軽合金と
し、またボルトおよびナットによるキャップ締結方式を
採用し、しかもそのキャップ締結方式の採用に伴う問題
点を解決し得るようにした前記軽合金製ロッド部材を提
供することを目的とする。
し、またボルトおよびナットによるキャップ締結方式を
採用し、しかもそのキャップ締結方式の採用に伴う問題
点を解決し得るようにした前記軽合金製ロッド部材を提
供することを目的とする。
【0008】また本発明は前記ロッド部材を安価に、且
つ能率良く製造することのできる前記製造方法を提供す
ることを目的とする。
つ能率良く製造することのできる前記製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一端に小端部
を、また他端に大端部用半環状部をそれぞれ有し、その
半環状部には、それと協働して大端部を構成する半環状
キャップがボルトおよびナットにより締結されるコンロ
ッド用ロッド部材において、軽合金よりなる鍛造品であ
って、その鍛造過程で前記ボルトが、その雄ねじ部側を
前記キャップとの合せ面から突出させて、前記半環状部
に植設されていることを特徴とする。
を、また他端に大端部用半環状部をそれぞれ有し、その
半環状部には、それと協働して大端部を構成する半環状
キャップがボルトおよびナットにより締結されるコンロ
ッド用ロッド部材において、軽合金よりなる鍛造品であ
って、その鍛造過程で前記ボルトが、その雄ねじ部側を
前記キャップとの合せ面から突出させて、前記半環状部
に植設されていることを特徴とする。
【0010】本発明は、一端に小端部を、また他端に大
端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状部には、そ
れと協働して大端部を構成する半環状キャップを締結す
るためのボルトが、その雄ねじ部側を前記キャップとの
合せ面から突出させて植設されているコンロッド用軽合
金製ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末を用い
て、前記ボルトを、その雄ねじ部側が前記合せ面に対応
する面から突出するように、前記半環状部に対応する部
分に保持させた粉末プリフォームを成形する工程と、前
記粉末プリフォームを加熱する工程と、前記粉末プリフ
ォームに鍛造加工を施す工程とを順次行うことを特徴と
する。
端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状部には、そ
れと協働して大端部を構成する半環状キャップを締結す
るためのボルトが、その雄ねじ部側を前記キャップとの
合せ面から突出させて植設されているコンロッド用軽合
金製ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末を用い
て、前記ボルトを、その雄ねじ部側が前記合せ面に対応
する面から突出するように、前記半環状部に対応する部
分に保持させた粉末プリフォームを成形する工程と、前
記粉末プリフォームを加熱する工程と、前記粉末プリフ
ォームに鍛造加工を施す工程とを順次行うことを特徴と
する。
【0011】本発明は、一端に小端部を、また他端に大
端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状部には、そ
れと協働して大端部を構成する半環状キャップを締結す
るためのボルトが、その雄ねじ部側を前記キャップとの
合せ面から突出させて植設されているコンロッド用軽合
金ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末を用いて、
前記ボルトを、その雄ねじ部側が前記合せ面に対応する
面から突出するように保持すべく、前記半環状部に対応
する部分にボルト保持部を備えた粉末プリフォームを成
形する工程と、前記ボルト保持部に前記ボルトを保持さ
せて、前記粉末プリフォームを加熱する工程と、前記ボ
ルトを保持した前記粉末プリフォームに鍛造加工を施す
工程とを順次行うことを特徴とする。
端部用半環状部をそれぞれ有し、その半環状部には、そ
れと協働して大端部を構成する半環状キャップを締結す
るためのボルトが、その雄ねじ部側を前記キャップとの
合せ面から突出させて植設されているコンロッド用軽合
金ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末を用いて、
前記ボルトを、その雄ねじ部側が前記合せ面に対応する
面から突出するように保持すべく、前記半環状部に対応
する部分にボルト保持部を備えた粉末プリフォームを成
形する工程と、前記ボルト保持部に前記ボルトを保持さ
せて、前記粉末プリフォームを加熱する工程と、前記ボ
ルトを保持した前記粉末プリフォームに鍛造加工を施す
工程とを順次行うことを特徴とする。
【0012】
【作用】前記ロッド部材は軽合金よりなる鍛造品である
から軽量で、且つ高強度である。またボルトはロッド部
材の鍛造過程で、その半環状部に植設されているので、
ロッド部材において、雌ねじ孔に起因した破壊を回避す
ることができ、またボルト頭座面を設けることによる強
度低下も回避することができる。さらにボルトは、半環
状部に対して鍛接により接合されているので、その接合
強度が高い。
から軽量で、且つ高強度である。またボルトはロッド部
材の鍛造過程で、その半環状部に植設されているので、
ロッド部材において、雌ねじ孔に起因した破壊を回避す
ることができ、またボルト頭座面を設けることによる強
度低下も回避することができる。さらにボルトは、半環
状部に対して鍛接により接合されているので、その接合
強度が高い。
【0013】その上、ロッド部材におけるボルト頭の出
っ張りを無くしてコンロッドの占有スペースを減少させ
ることが可能である。
っ張りを無くしてコンロッドの占有スペースを減少させ
ることが可能である。
【0014】前記両製造方法によれば、ボルト付ロッド
部材を少ない工程数で、安価に、且つ能率良く製造する
ことができる。
部材を少ない工程数で、安価に、且つ能率良く製造する
ことができる。
【0015】
【実施例】図1において、内燃機関用コンロッドCは軽
合金であるAl合金より構成され、一端に小端部1を、
また他端に大端部用半環状部2をそれぞれ有するAl合
金製ロッド部材3と、その半環状部2に、それと協働し
て大端部4を構成すべく、2組の鋼製ボルト51 および
鋼製ナット6により締結されるAl合金製半環状キャッ
プ7とを有する。
合金であるAl合金より構成され、一端に小端部1を、
また他端に大端部用半環状部2をそれぞれ有するAl合
金製ロッド部材3と、その半環状部2に、それと協働し
て大端部4を構成すべく、2組の鋼製ボルト51 および
鋼製ナット6により締結されるAl合金製半環状キャッ
プ7とを有する。
【0016】ロッド部材3は粉末鍛造品であって、その
粉末鍛造過程で各ボルト51 が、その雄ねじ部8側をキ
ャップ7との合せ面9から突出させて、半環状部2に植
設される。半環状部2内に植込まれた各ボルト51 の基
端部には複数の環状凸部10が形成され、これら凸部1
0により、半環状部2と各ボルト5との接合強度が高め
られる。
粉末鍛造過程で各ボルト51 が、その雄ねじ部8側をキ
ャップ7との合せ面9から突出させて、半環状部2に植
設される。半環状部2内に植込まれた各ボルト51 の基
端部には複数の環状凸部10が形成され、これら凸部1
0により、半環状部2と各ボルト5との接合強度が高め
られる。
【0017】半環状部3の各合せ面9にボルト51 の雄
ねじ部8側を囲繞する凹環状逃げ11が形成される。こ
れらの逃げ11は、各合せ面9に仕上げ加工を行う際
に、雄ねじ部8近傍までの加工を不要にして、工具によ
る雄ねじ部8の損傷を防止する機能を有する。
ねじ部8側を囲繞する凹環状逃げ11が形成される。こ
れらの逃げ11は、各合せ面9に仕上げ加工を行う際
に、雄ねじ部8近傍までの加工を不要にして、工具によ
る雄ねじ部8の損傷を防止する機能を有する。
【0018】キャップ7も同様に粉末鍛造品であって、
各ボルト51 に対応して2個の挿通孔12を有し、各挿
通孔12に雄ねじ部8が挿通され、その突出部分にワッ
シャ13を介してナット6が螺着される。また小端部1
にピストンピン孔14が、大端部4にクランクピン孔1
5がそれぞれ形成される。前記逃げ11はキャップ7に
設けられることもある。
各ボルト51 に対応して2個の挿通孔12を有し、各挿
通孔12に雄ねじ部8が挿通され、その突出部分にワッ
シャ13を介してナット6が螺着される。また小端部1
にピストンピン孔14が、大端部4にクランクピン孔1
5がそれぞれ形成される。前記逃げ11はキャップ7に
設けられることもある。
【0019】前記のようにロッド部材3は軽合金よりな
る鍛造品であるから軽量で、且つ高強度である。また各
ボルト51 はロッド部材3の粉末鍛造過程で、その半環
状部2に植設されているので、ロッド部材3において、
雌ねじ孔に起因した破壊を回避することができ、またボ
ルト頭座面を設けることによる強度低下も回避すること
ができる。さらにボルト51 は、半環状部2に対して鍛
接により接合されているので、その接合強度が高い。そ
の上、ロッド部材3におけるボルト頭の出っ張りを無く
してコンロッドCの占有スペースを減少させることが可
能である。
る鍛造品であるから軽量で、且つ高強度である。また各
ボルト51 はロッド部材3の粉末鍛造過程で、その半環
状部2に植設されているので、ロッド部材3において、
雌ねじ孔に起因した破壊を回避することができ、またボ
ルト頭座面を設けることによる強度低下も回避すること
ができる。さらにボルト51 は、半環状部2に対して鍛
接により接合されているので、その接合強度が高い。そ
の上、ロッド部材3におけるボルト頭の出っ張りを無く
してコンロッドCの占有スペースを減少させることが可
能である。
【0020】次に、ロッド部材3の製造方法について説
明する。
明する。
【0021】〔第1製造例〕先ず、Al合金粉末を用い
て、図2に示すように、ロッド部材3の形状に近似した
形状を有するボルト付粉末プリフォームP1 を冷間にて
圧縮成形する。
て、図2に示すように、ロッド部材3の形状に近似した
形状を有するボルト付粉末プリフォームP1 を冷間にて
圧縮成形する。
【0022】このボルト付粉末プリフォームP1 は、各
ボルト51 をその雄ねじ部8側が各合せ面9に対応する
面16から突出するように、半環状部2に対応する部分
17に保持している。また小端部1に対応する部分18
にはピストンピン孔14は形成されていない。
ボルト51 をその雄ねじ部8側が各合せ面9に対応する
面16から突出するように、半環状部2に対応する部分
17に保持している。また小端部1に対応する部分18
にはピストンピン孔14は形成されていない。
【0023】このような粉末プリフォームP1 は、図
3,図4に示す金型19を用い冷間にて圧縮成形され
る。これらの図面には、便宜上、下型20のみが示され
ている。その下型20は、ロッド部材3に近似した形状
のキャビティ21を有する主型22と、その主型22に
接触して各合せ面9に対応する面16を成形する副型2
3とを有する。その副型23の各成形面24にボルト5
1 の雄ねじ部8側を保持するための保持孔25が開口す
る。
3,図4に示す金型19を用い冷間にて圧縮成形され
る。これらの図面には、便宜上、下型20のみが示され
ている。その下型20は、ロッド部材3に近似した形状
のキャビティ21を有する主型22と、その主型22に
接触して各合せ面9に対応する面16を成形する副型2
3とを有する。その副型23の各成形面24にボルト5
1 の雄ねじ部8側を保持するための保持孔25が開口す
る。
【0024】粉末プリフォームP1 の圧縮成形工程では
副型23を主型22よりも上昇させ、各保持孔25にボ
ルト51 の雄ねじ部8を挿入して保持させる。次いで副
型23を下降させて各ボルト51 を主型22のキャビテ
ィ21内に位置決めし、その後キャビティ21へのAl
合金粉末の注入、圧縮成形、離型および副型23の上
昇、といった各作業を行う。
副型23を主型22よりも上昇させ、各保持孔25にボ
ルト51 の雄ねじ部8を挿入して保持させる。次いで副
型23を下降させて各ボルト51 を主型22のキャビテ
ィ21内に位置決めし、その後キャビティ21へのAl
合金粉末の注入、圧縮成形、離型および副型23の上
昇、といった各作業を行う。
【0025】粉末プリフォームP1 を加熱する工程では
高周波加熱、抵抗加熱または赤外線加熱が用いられる。
高周波加熱、抵抗加熱または赤外線加熱が用いられる。
【0026】粉末プリフォームP1 に対する鍛造工程で
は図5,図6に示す金型26が用いられる。これらの図
面には、便宜上、下型27のみが示されている。その下
型27は、ロッド部材3形状のキャビティ28を有する
主型29と、その主型29に接触して各合せ面9を成形
する副型30とを有する。その副型30の各成形面31
にボルト51 の雄ねじ部8側を挿入するための挿入孔3
2が開口する。各挿入孔32の開口部は、各成形面31
から突出して凹環状逃げ11を成形する凸環状成形部3
3によって囲繞されている。
は図5,図6に示す金型26が用いられる。これらの図
面には、便宜上、下型27のみが示されている。その下
型27は、ロッド部材3形状のキャビティ28を有する
主型29と、その主型29に接触して各合せ面9を成形
する副型30とを有する。その副型30の各成形面31
にボルト51 の雄ねじ部8側を挿入するための挿入孔3
2が開口する。各挿入孔32の開口部は、各成形面31
から突出して凹環状逃げ11を成形する凸環状成形部3
3によって囲繞されている。
【0027】鍛造過程では副型30を主型29よりも上
昇させて、各挿入孔32に、粉末プリフォームP1 に保
持されたボルト51 の雄ねじ部8を挿入し、次いで副型
30を下降させて粉末プリフォームP1 を主型29のキ
ャビティ28内に位置決めし、その後鍛造、離型および
副型30の上昇、といった各作業を行う。
昇させて、各挿入孔32に、粉末プリフォームP1 に保
持されたボルト51 の雄ねじ部8を挿入し、次いで副型
30を下降させて粉末プリフォームP1 を主型29のキ
ャビティ28内に位置決めし、その後鍛造、離型および
副型30の上昇、といった各作業を行う。
【0028】このようにして得られたボルト51 付ロッ
ド部材3には、機械加工による合せ面9の仕上げ、ピス
トンピン孔14の形成、キャップ7締結後におけるクラ
ンクピン孔15の仕上げ等が施され、これによりコンロ
ッドCが得られる。
ド部材3には、機械加工による合せ面9の仕上げ、ピス
トンピン孔14の形成、キャップ7締結後におけるクラ
ンクピン孔15の仕上げ等が施され、これによりコンロ
ッドCが得られる。
【0029】〔第2製造例〕この製造例では、先ず、図
7,図8に示すように、Al合金粉末を用いてロッド部
材3の形状に近似した形状を有するボルト無し粉末プリ
フォームP2 を冷間にて圧縮成形する。
7,図8に示すように、Al合金粉末を用いてロッド部
材3の形状に近似した形状を有するボルト無し粉末プリ
フォームP2 を冷間にて圧縮成形する。
【0030】この粉末プリフォームP2 は、ボルト5
を、その雄ねじ部8側が合せ面9に対応する面16から
突出するように保持すべく、半環状部2に対応する部分
17にボルト保持部、図示例では保持溝34を有する。
また小端部1に対応する部分18にはピストンピン孔1
4は形成されていない。
を、その雄ねじ部8側が合せ面9に対応する面16から
突出するように保持すべく、半環状部2に対応する部分
17にボルト保持部、図示例では保持溝34を有する。
また小端部1に対応する部分18にはピストンピン孔1
4は形成されていない。
【0031】粉末プリフォームP2 を加熱する工程で
は、各保持溝34にボルト51 の基端部を嵌入保持させ
て第1製造例同様に高周波加熱、抵抗加熱または赤外線
加熱を行う。
は、各保持溝34にボルト51 の基端部を嵌入保持させ
て第1製造例同様に高周波加熱、抵抗加熱または赤外線
加熱を行う。
【0032】粉末プリフォームP2 に対する鍛造工程で
は、第1製造例で述べた図5,図6の金型26を用いて
同様の作業が行われる。
は、第1製造例で述べた図5,図6の金型26を用いて
同様の作業が行われる。
【0033】鍛造後のボルト51 付ロッド部材3には、
第1製造例と同様に機械加工が施される。
第1製造例と同様に機械加工が施される。
【0034】図9は、Al合金より構成されたコンロッ
ドCの他例を示し、このコンロッドCは、前記同様に、
一端に小端部1を、また他端に大端部用半環状部2をそ
れぞれ有するAl合金製ロッド部材3と、その半環状部
2に、それと協働して大端部4を構成すべく、鋼製ボル
ト52 および鋼製ナット6により締結されるAl合金製
半環状キャップ7とを有する。
ドCの他例を示し、このコンロッドCは、前記同様に、
一端に小端部1を、また他端に大端部用半環状部2をそ
れぞれ有するAl合金製ロッド部材3と、その半環状部
2に、それと協働して大端部4を構成すべく、鋼製ボル
ト52 および鋼製ナット6により締結されるAl合金製
半環状キャップ7とを有する。
【0035】ボルト52 はU字形部35と、そのU字形
部35の両端に連設された雄ねじ部8とを有し、そのU
字形部35は前記半環状部2にその円弧に沿って埋設さ
れている。図9において、図1のコンロッドCと同一構
成部分には同一符号を付す。
部35の両端に連設された雄ねじ部8とを有し、そのU
字形部35は前記半環状部2にその円弧に沿って埋設さ
れている。図9において、図1のコンロッドCと同一構
成部分には同一符号を付す。
【0036】このように構成すると、ボルト52 に作用
する荷重を広い面で受けることが可能となるため、ボル
ト52 のクリープ強さを向上させることができ、また半
環状部2はU字形部35により複合強化されるので、そ
の高剛性化を達成することができる。この場合、U字形
部35は、長径がクランクピン孔中心線と略平行するよ
うな楕円形断面を持つことが好ましい。
する荷重を広い面で受けることが可能となるため、ボル
ト52 のクリープ強さを向上させることができ、また半
環状部2はU字形部35により複合強化されるので、そ
の高剛性化を達成することができる。この場合、U字形
部35は、長径がクランクピン孔中心線と略平行するよ
うな楕円形断面を持つことが好ましい。
【0037】このようなボルト52 付ロッド部材3は、
第1または第2製造例を適用して製造される。
第1または第2製造例を適用して製造される。
【0038】以下、具体例について説明する。
【0039】Al92.5Fe4.5 Ti1 Si2 (数値は原
子%)といったAl合金組成の溶湯を調製し、次いでそ
の溶湯を用いてエアアトマイジング法を行うことにより
Al合金粉末を製造した。その後Al合金粉末に分級処
理を施して粒径149μm以下のAl合金粉末を得た。
子%)といったAl合金組成の溶湯を調製し、次いでそ
の溶湯を用いてエアアトマイジング法を行うことにより
Al合金粉末を製造した。その後Al合金粉末に分級処
理を施して粒径149μm以下のAl合金粉末を得た。
【0040】〔実施例1〕前記Al合金粉末を用い、前
記第1製造例に則って、ボルト51 付ロッド部材3を製
造した。
記第1製造例に則って、ボルト51 付ロッド部材3を製
造した。
【0041】粉末プリフォームP1 の圧縮成形におい
て、その圧縮圧は5t/cm2 に設定され、また粉末プリ
フォームP1 の相対密度は約80%であった。加熱工程
では、赤外線加熱を用い、約4分間で粉末プリフォーム
P1 を853Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持
して脱ガスを行った。鍛造工程では、金型26の温度は
473Kに、また加圧力は8t/cm2 にそれぞれ設定さ
れ、この工程は、加熱後の粉末プリフォームP1 に直ち
に施された。ボルト51 付ロッド部材3の相対密度は9
9.8%以上であった。
て、その圧縮圧は5t/cm2 に設定され、また粉末プリ
フォームP1 の相対密度は約80%であった。加熱工程
では、赤外線加熱を用い、約4分間で粉末プリフォーム
P1 を853Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持
して脱ガスを行った。鍛造工程では、金型26の温度は
473Kに、また加圧力は8t/cm2 にそれぞれ設定さ
れ、この工程は、加熱後の粉末プリフォームP1 に直ち
に施された。ボルト51 付ロッド部材3の相対密度は9
9.8%以上であった。
【0042】また前記Al合金粉末を用いてキャップ7
を製造した。キャップ7の製造に当っては、圧縮圧 5
t/cm2 にて相対密度80%の粉末プリフォームを得る
工程と、粉末プリフォームを赤外線加熱により約4分間
で853Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持して
脱ガスを行う工程と、その工程後直ちに粉末プリフォー
ムを473Kに加熱された金型に設置し、加圧力 8t
/cm2 にて鍛造を行う工程とを順次行った。
を製造した。キャップ7の製造に当っては、圧縮圧 5
t/cm2 にて相対密度80%の粉末プリフォームを得る
工程と、粉末プリフォームを赤外線加熱により約4分間
で853Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持して
脱ガスを行う工程と、その工程後直ちに粉末プリフォー
ムを473Kに加熱された金型に設置し、加圧力 8t
/cm2 にて鍛造を行う工程とを順次行った。
【0043】ボルト51 付ロッド部材3およびキャップ
7に前記同様に機械加工を施して、図1構造のコンロッ
ドC1 を得た。このコンロッドC1 の重量は320gで
あった。
7に前記同様に機械加工を施して、図1構造のコンロッ
ドC1 を得た。このコンロッドC1 の重量は320gで
あった。
【0044】〔実施例2〕実施例1と同様のAl合金粉
末を用い、前記第2製造例に則って、ボルト51付ロッ
ド部材3を製造した。
末を用い、前記第2製造例に則って、ボルト51付ロッ
ド部材3を製造した。
【0045】保持溝34を有する粉末プリフォームP2
の圧縮成形において、その圧縮圧は5t/cm2 に設定さ
れ、また粉末プリフォームP2 の相対密度は約80%で
あった。加熱工程では、粉末プリフォームP2 の保持溝
34にボルト51 の基端部を嵌入保持させ、また赤外線
加熱を用い、約4分間で粉末プリフォームP2 を853
Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持して脱ガスを
行った。鍛造工程では、金型26の温度は473Kに、
また加圧力は 8t/cm2 にそれぞれ設定され、この工
程は、加熱後の、ボルト51 を保持した粉末プリフォー
ムP2 に直ちに施された。ボルト51 付ロッド部材3の
相対密度は99.8%以上であった。
の圧縮成形において、その圧縮圧は5t/cm2 に設定さ
れ、また粉末プリフォームP2 の相対密度は約80%で
あった。加熱工程では、粉末プリフォームP2 の保持溝
34にボルト51 の基端部を嵌入保持させ、また赤外線
加熱を用い、約4分間で粉末プリフォームP2 を853
Kまで昇温し、その温度に約10秒間保持して脱ガスを
行った。鍛造工程では、金型26の温度は473Kに、
また加圧力は 8t/cm2 にそれぞれ設定され、この工
程は、加熱後の、ボルト51 を保持した粉末プリフォー
ムP2 に直ちに施された。ボルト51 付ロッド部材3の
相対密度は99.8%以上であった。
【0046】また前記Al合金粉末を用いて実施例1と
同様の方法でキャップ7を製造した。
同様の方法でキャップ7を製造した。
【0047】ボルト51 付ロッド部材3およびキャップ
7に前記同様に機械加工を施して、図1構造のコンロッ
ドC2 を得た。このコンロッドC2 の重量は320gで
あった。
7に前記同様に機械加工を施して、図1構造のコンロッ
ドC2 を得た。このコンロッドC2 の重量は320gで
あった。
【0048】〔実施例3〕ボルトとして、図9に示すU
字形部35を有するボルト52 を用いた点を除き、その
外は実施例1と同様の方法で、図9構造のコンロッドC
3 を得た。このコンロッドC3 の重量は320gであっ
た。
字形部35を有するボルト52 を用いた点を除き、その
外は実施例1と同様の方法で、図9構造のコンロッドC
3 を得た。このコンロッドC3 の重量は320gであっ
た。
【0049】〔比較例1〕粉末プリフォームにボルトを
保持させない、という点を除き、その外は実施例1と同
様の方法で、ボルト無しのロッド部材を得た。次いでロ
ッド部材の半環状部に機械加工を施して2個の雌ねじ孔
を形成し、その半環状部に、実施例1と同様の方法で製
造されたキャップをボルトにより締結した。また必要な
機械加工を行ってコンロッドC4 を得た。このコンロッ
ドC4 の重量は320gであった。
保持させない、という点を除き、その外は実施例1と同
様の方法で、ボルト無しのロッド部材を得た。次いでロ
ッド部材の半環状部に機械加工を施して2個の雌ねじ孔
を形成し、その半環状部に、実施例1と同様の方法で製
造されたキャップをボルトにより締結した。また必要な
機械加工を行ってコンロッドC4 を得た。このコンロッ
ドC4 の重量は320gであった。
【0050】〔比較例2〕粉末プリフォームにボルトを
保持させず、また補強上、半環状部等の体積を増す、と
いう点を除き、その外は実施例1と同様の方法でボルト
無しのロッド部材を得た。次いで比較例1と同様に雌ね
じ孔形成作業等を行ってコンロッドC5 を得た。このコ
ンロッドC5 の重量は、前記補強構造を有することか
ら、420gであって、他のコンロッドC1 〜C4 に比
べて極端に重く、また雌ねじ孔長さならびに大端部およ
びその近傍の厚さは、比較例1によるコンロッドC4 に
比べて大であった。
保持させず、また補強上、半環状部等の体積を増す、と
いう点を除き、その外は実施例1と同様の方法でボルト
無しのロッド部材を得た。次いで比較例1と同様に雌ね
じ孔形成作業等を行ってコンロッドC5 を得た。このコ
ンロッドC5 の重量は、前記補強構造を有することか
ら、420gであって、他のコンロッドC1 〜C4 に比
べて極端に重く、また雌ねじ孔長さならびに大端部およ
びその近傍の厚さは、比較例1によるコンロッドC4 に
比べて大であった。
【0051】次に、実施例1〜3および比較例1,2で
製造されたコンロッドC1 〜C5 について、単体疲れ試
験を行った。この試験は、図10に示すように、例えば
コンロッドC1 のピストンピン孔14およびクランクピ
ン孔15にそれぞれロッド36,37を貫通させ、各ロ
ッド36,37の両端部を油圧式疲れ試験機に支持させ
て、コンロッドC1 にその温度423K、R=0.1に
て繰返し引張り荷重を加えることによって行われた。
製造されたコンロッドC1 〜C5 について、単体疲れ試
験を行った。この試験は、図10に示すように、例えば
コンロッドC1 のピストンピン孔14およびクランクピ
ン孔15にそれぞれロッド36,37を貫通させ、各ロ
ッド36,37の両端部を油圧式疲れ試験機に支持させ
て、コンロッドC1 にその温度423K、R=0.1に
て繰返し引張り荷重を加えることによって行われた。
【0052】図11は、各コンロッドC1 〜C5 に関す
る単体疲れ試験結果を示す。この種単体疲れ試験におい
て、実用コンロッドには、107 回耐久荷重が3500
kgであること、が要求される。
る単体疲れ試験結果を示す。この種単体疲れ試験におい
て、実用コンロッドには、107 回耐久荷重が3500
kgであること、が要求される。
【0053】図11から明らかなように、実施例1〜3
によるコンロッドC1 〜C3 および比較例2によるコン
ロッドC5 は前記要求を満たしている。
によるコンロッドC1 〜C3 および比較例2によるコン
ロッドC5 は前記要求を満たしている。
【0054】これに対し、比較例1によるコンロッドC
4 は、107 回耐久荷重が2900kgであって、前記要
求を満たすことができない。このコンロッドC4 におい
ては、その破壊が雌ねじ孔の谷部を起点として発生して
いた。コンロッドC5 はコンロッドC4 の欠点を補うも
のであるが、雌ねじ孔長さの延長はシリンダブロック側
の形状変更を必要とし、また大端部側の厚さ増はシリン
ダブロックのシリンダボアピッチを広げなければなら
ず、したがってコンロッドC5 は前記要求を満たしてい
ても実用性は皆無である。
4 は、107 回耐久荷重が2900kgであって、前記要
求を満たすことができない。このコンロッドC4 におい
ては、その破壊が雌ねじ孔の谷部を起点として発生して
いた。コンロッドC5 はコンロッドC4 の欠点を補うも
のであるが、雌ねじ孔長さの延長はシリンダブロック側
の形状変更を必要とし、また大端部側の厚さ増はシリン
ダブロックのシリンダボアピッチを広げなければなら
ず、したがってコンロッドC5 は前記要求を満たしてい
ても実用性は皆無である。
【0055】コンロッドC1 ,C2 は、それらの107
回耐久荷重が3650kgであって、略同一の疲れ特性を
有し、したがって粉末プリフォームP1 ,P2 における
ボルト保持構造はコンロッドの疲れ特性に殆ど影響を与
えないことが判る。
回耐久荷重が3650kgであって、略同一の疲れ特性を
有し、したがって粉末プリフォームP1 ,P2 における
ボルト保持構造はコンロッドの疲れ特性に殆ど影響を与
えないことが判る。
【0056】コンロッドC3 の107 回耐久荷重は38
00kgであって、コンロッドC1 ,C2 のそれよりもさ
らに高い。これは、コンロッドC3 においてはボルト5
2 のU字形部35によってその半環状部2が複合強化さ
れていて高剛性化していることに起因する。
00kgであって、コンロッドC1 ,C2 のそれよりもさ
らに高い。これは、コンロッドC3 においてはボルト5
2 のU字形部35によってその半環状部2が複合強化さ
れていて高剛性化していることに起因する。
【0057】コンロッドの重量について、コンロッドC
1 〜C3 の重量は320gであり、これらと同一体積の
鋼製コンロッドの重量は540gである。したがって、
コンロッドC1 〜C3 は鋼製コンロッドに比べて約40
%の軽量化を達成されており、この軽量化により、内燃
機関の最高回転数を約650rpm 向上させることが可能
である。
1 〜C3 の重量は320gであり、これらと同一体積の
鋼製コンロッドの重量は540gである。したがって、
コンロッドC1 〜C3 は鋼製コンロッドに比べて約40
%の軽量化を達成されており、この軽量化により、内燃
機関の最高回転数を約650rpm 向上させることが可能
である。
【0058】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、軽量化、
高強度化およびコンパクト化を達成すると共に半環状部
に対するボルトの接合強度を高め、また雌ねじ孔による
キャップ締結方式採用による問題を回避し、その上ボル
トおよびナットによるキャップ締結方式採用による問題
点を解決したコンロッド用軽合金製ロッド部材を提供す
ることができる。
高強度化およびコンパクト化を達成すると共に半環状部
に対するボルトの接合強度を高め、また雌ねじ孔による
キャップ締結方式採用による問題を回避し、その上ボル
トおよびナットによるキャップ締結方式採用による問題
点を解決したコンロッド用軽合金製ロッド部材を提供す
ることができる。
【0059】請求項5および7記載の発明によれば、前
記ロッド部材を安価に、且つ能率良く製造することがで
きる。
記ロッド部材を安価に、且つ能率良く製造することがで
きる。
【図1】コンロッドの一例を示す要部破断平面図であ
る。
る。
【図2】粉末プリフォームの一例を示す要部破断平面図
である。
である。
【図3】ボルトを保持した粉末プリフォーム成形用金型
の横断平面図である。
の横断平面図である。
【図4】図3の4−4線断面図である。
【図5】鍛造用金型に粉末プリフォームを設置した状態
を示す横断平面図である。
を示す横断平面図である。
【図6】図5の6−6線断面図である。
【図7】粉末プリフォームの他例を示す平面図である。
【図8】図7の8矢視図である。
【図9】コンロッドの他例を示す要部破断平面図であ
る。
る。
【図10】コンロッドに対する単体疲れ試験法を示す説
明図である。
明図である。
【図11】各種コンロッドに関する単体疲れ試験結果を
示すグラフである。
示すグラフである。
1 小端部 2 半環状部 3 ロッド部材 4 大端部 51 ,52 ボルト 6 ナット 7 キャップ 8 雄ねじ部 9 合せ面 11 逃げ 16 合せ面に対応する面 17 半環状部に対応する部分 34 保持溝(保持部) 35 U字形部 C コンロッド P1 ,P2 粉末プリフォーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 峰見 正彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 武田 義信 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 高ノ 由重 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 鍛治 俊彦 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内
Claims (9)
- 【請求項1】 一端に小端部(1)を、また他端に大端
部用半環状部(2)をそれぞれ有し、その半環状部
(2)には、それと協働して大端部(4)を構成する半
環状キャップ(7)がボルト(51 ,52 )およびナッ
ト(6)により締結されるコンロッド用ロッド部材にお
いて、軽合金よりなる鍛造品であって、その鍛造過程で
前記ボルト(51 ,52 )が、その雄ねじ部(8)側を
前記キャップ(7)との合せ面(9)から突出させて、
前記半環状部(2)に植設されていることを特徴とする
コンロッド用軽合金製ロッド部材。 - 【請求項2】 前記ボルト(52 )はU字形部(35)
と、そのU字形部(35)の両端に連設された雄ねじ部
(8)とを有し、前記U字形部(35)は前記半環状部
(2)にその円弧に沿って埋設されている、請求項1記
載のコンロッド用軽合金製ロッド部材。 - 【請求項3】 前記鍛造は粉末鍛造である、請求項1ま
たは2記載のコンロッド用軽合金製ロッド部材。 - 【請求項4】 前記軽合金はAl合金である、請求項
1,2または3記載のコンロッド用軽合金製ロッド部
材。 - 【請求項5】 一端に小端部(1)を、また他端に大端
部用半環状部(2)をそれぞれ有し、その半環状部
(2)には、それと協働して大端部(4)を構成する半
環状キャップ(7)を締結するためのボルト(51 ,5
2 )が、その雄ねじ部(8)側を前記キャップ(7)と
の合せ面(9)から突出させて植設されているコンロッ
ド用軽合金製ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末
を用いて、前記ボルト(51 ,52 )を、その雄ねじ部
(8)側が前記合せ面(9)に対応する面(16)から
突出するように、前記半環状部(2)に対応する部分
(17)に保持させた粉末プリフォーム(P1 )を成形
する工程と、前記粉末プリフォーム(P1 )を加熱する
工程と、前記粉末プリフォーム(P1 )に鍛造加工を施
す工程とを順次行うことを特徴とするコンロッド用軽合
金製ロッド部材の製造方法。 - 【請求項6】 前記鍛造工程で、前記合せ面(9)に、
前記ボルト(51 ,52 )の雄ねじ部(8)側を囲繞す
る凹環状の逃げ(11)を成形する、請求項5記載のコ
ンロッド用軽合金製ロッド部材の製造方法。 - 【請求項7】 一端に小端部(1)を、また他端に大端
部用半環状部(2)をそれぞれ有し、その半環状部
(2)には、それと協働して大端部(4)を構成する半
環状キャップ(7)を締結するためのボルト(51 ,5
2 )が、その雄ねじ部(8)側を前記キャップ(7)と
の合せ面(9)から突出させて植設されているコンロッ
ド用軽合金ロッド部材を製造するに当り、軽合金粉末を
用いて、前記ボルト(51 ,52 )を、その雄ねじ部
(8)側が前記合せ面(9)に対応する面(16)から
突出するように保持すべく、前記半環状部(2)に対応
する部分(17)にボルト保持部(34)を備えた粉末
プリフォーム(P2 )を成形する工程と、前記ボルト保
持部(34)に前記ボルト(51 ,52 )を保持させ
て、前記粉末プリフォーム(P2 )を加熱する工程と、
前記ボルト(51 ,52 )を保持した前記粉末プリフォ
ーム(P2 )に鍛造加工を施す工程とを順次行うことを
特徴とするコンロッド用軽合金製ロッド部材の製造方
法。 - 【請求項8】 前記鍛造工程で、前記合せ面(9)に、
前記ボルト(51 ,52 )の雄ねじ部(8)側を囲繞す
る凹環状の逃げ(11)を成形する、請求項7記載のコ
ンロッド用軽合金製ロッド部材の製造方法。 - 【請求項9】 前記軽合金はAl合金である、請求項
5,6,7または8記載のコンロッド用軽合金製ロッド
部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21636393A JPH0771437A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | コンロッド用軽合金製ロッド部材およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21636393A JPH0771437A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | コンロッド用軽合金製ロッド部材およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0771437A true JPH0771437A (ja) | 1995-03-17 |
Family
ID=16687400
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21636393A Pending JPH0771437A (ja) | 1993-08-31 | 1993-08-31 | コンロッド用軽合金製ロッド部材およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0771437A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001123880A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Honda Motor Co Ltd | エンジンブロック |
US6502480B1 (en) * | 1998-11-16 | 2003-01-07 | Bruce K. Walker | High performance forged aluminum connecting rod and method of making the same |
-
1993
- 1993-08-31 JP JP21636393A patent/JPH0771437A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6502480B1 (en) * | 1998-11-16 | 2003-01-07 | Bruce K. Walker | High performance forged aluminum connecting rod and method of making the same |
JP2001123880A (ja) * | 1999-10-26 | 2001-05-08 | Honda Motor Co Ltd | エンジンブロック |
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