JPH0768601B2 - 高強度熱間圧延鋼板及びその製造法 - Google Patents
高強度熱間圧延鋼板及びその製造法Info
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- JPH0768601B2 JPH0768601B2 JP16539992A JP16539992A JPH0768601B2 JP H0768601 B2 JPH0768601 B2 JP H0768601B2 JP 16539992 A JP16539992 A JP 16539992A JP 16539992 A JP16539992 A JP 16539992A JP H0768601 B2 JPH0768601 B2 JP H0768601B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性の優れた高強度熱
間圧延鋼板とその製造法に関する。
間圧延鋼板とその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種構造物を軽量化するために、
特に引張強度を高めた高強度熱間圧延鋼板を使用するこ
とが要求されてきており、そのための研究開発が種々検
討されている。例えば、特開昭57−101649号公
報に示されているように、Nbを0.01〜0.08%
(以下、特記しない限り重量%を表わす)及びTiを
0.01〜0.08%含む鋼についてフェライト及びベ
イナイトの面積比率を適当に制御することにより、引張
強度が50kgf/mm2 以上、70kgf/mm2 未
満で加工性のよい高強度熱間圧延鋼板を得ることができ
るとされている。
特に引張強度を高めた高強度熱間圧延鋼板を使用するこ
とが要求されてきており、そのための研究開発が種々検
討されている。例えば、特開昭57−101649号公
報に示されているように、Nbを0.01〜0.08%
(以下、特記しない限り重量%を表わす)及びTiを
0.01〜0.08%含む鋼についてフェライト及びベ
イナイトの面積比率を適当に制御することにより、引張
強度が50kgf/mm2 以上、70kgf/mm2 未
満で加工性のよい高強度熱間圧延鋼板を得ることができ
るとされている。
【0003】しかし、最近になって、更に引張強度の高
い、すなわち70kgf/mm2 以上の引張強度をも
ち、しかも延性及びその他の加工性の良好な高強度熱間
圧延鋼板の開発が望まれるようになり、従来の高強度熱
間圧延鋼板では対応できなくなった。例えば、前述のN
b:0.01〜0.08%及びTi:0.01〜0.0
8%を含む鋼の場合、Nb、Tiがその範囲内ではベイ
ナイト面積率の制御が困難となるため、高強度化につれ
て延性その他の加工性が大きく劣化してしまうという欠
点がある。
い、すなわち70kgf/mm2 以上の引張強度をも
ち、しかも延性及びその他の加工性の良好な高強度熱間
圧延鋼板の開発が望まれるようになり、従来の高強度熱
間圧延鋼板では対応できなくなった。例えば、前述のN
b:0.01〜0.08%及びTi:0.01〜0.0
8%を含む鋼の場合、Nb、Tiがその範囲内ではベイ
ナイト面積率の制御が困難となるため、高強度化につれ
て延性その他の加工性が大きく劣化してしまうという欠
点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を解消し、優れた加工性を保持しながら70k
gf/mm2 以上の引張強度を有する熱間圧延鋼板を提
供し、またかかる熱間圧延鋼板を容易に製造し得る方法
を提供することを目的とするものである。
術の欠点を解消し、優れた加工性を保持しながら70k
gf/mm2 以上の引張強度を有する熱間圧延鋼板を提
供し、またかかる熱間圧延鋼板を容易に製造し得る方法
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明者らは、先に例示したNb、Ti含有鋼から
なる高強度熱間圧延鋼板の製造について高強度化に伴い
加工性の劣化をもたらす原因究明に努め、新たな方策に
ついて種々検討した結果、特にNb及びTiの添加量を
更に厳密に規制すると共に、得られる組織をポリゴナル
フェライト+ベイナイトの二相型とし、かつその両相の
面積比率を適切に制御することにより、加工性の優れた
引張強度70kgf/mm2 以上の高強度熱間圧延鋼板
を得ることができることを見い出し、またそのための適
切な製造条件を見い出した。
め、本発明者らは、先に例示したNb、Ti含有鋼から
なる高強度熱間圧延鋼板の製造について高強度化に伴い
加工性の劣化をもたらす原因究明に努め、新たな方策に
ついて種々検討した結果、特にNb及びTiの添加量を
更に厳密に規制すると共に、得られる組織をポリゴナル
フェライト+ベイナイトの二相型とし、かつその両相の
面積比率を適切に制御することにより、加工性の優れた
引張強度70kgf/mm2 以上の高強度熱間圧延鋼板
を得ることができることを見い出し、またそのための適
切な製造条件を見い出した。
【0006】すなわち、一般に上記のような鋼において
Nbを析出強化のために添加していくと延性が急激に劣
化するが、この挙動を詳細に調査したところ、図1に示
すように、Nb:0.02〜0.04%の範囲で最も良
好なT.S.×El.バランス(但し、T.S.:引張
強さ(kgf/mm2 )、El:伸び(%))を有する
ことを見い出した。これはNb<0.02%ではNbの
添加効果を十分引き出すことができないために強度が低
くなり、逆にNb>0.04%では、ベイナイト量を面
積率で60%以下に制御することが困難となったため、
延性が劣化したことによるものと考えられる。
Nbを析出強化のために添加していくと延性が急激に劣
化するが、この挙動を詳細に調査したところ、図1に示
すように、Nb:0.02〜0.04%の範囲で最も良
好なT.S.×El.バランス(但し、T.S.:引張
強さ(kgf/mm2 )、El:伸び(%))を有する
ことを見い出した。これはNb<0.02%ではNbの
添加効果を十分引き出すことができないために強度が低
くなり、逆にNb>0.04%では、ベイナイト量を面
積率で60%以下に制御することが困難となったため、
延性が劣化したことによるものと考えられる。
【0007】そこで、Nb添加量を0.02〜0.04
%の範囲で規制し、強度不足分を延性の劣化の少ないT
iで補償することにより、El.及び伸びフランジ性等
の加工性の優れた引張強さ70kgf/mm2 以上の高
強度熱間圧延鋼板を得る技術を確立したものであり、い
わば、本発明鋼はベイナイトによる組織強化とNb及び
Tiによる析出強化による複合強化鋼であって、特に、
NbおよびTiの添加量を適当に厳しく調整することに
よって優れた加工性を保持しながら70kgf/mm2
以上の高強度を得ることに成功したものである。勿論、
併せて、かかる高強度熱間圧延鋼板を得るうえで他の成
分及びその範囲並びに製造条件等についても詳細に検討
し、規制すべき要件を見い出した。
%の範囲で規制し、強度不足分を延性の劣化の少ないT
iで補償することにより、El.及び伸びフランジ性等
の加工性の優れた引張強さ70kgf/mm2 以上の高
強度熱間圧延鋼板を得る技術を確立したものであり、い
わば、本発明鋼はベイナイトによる組織強化とNb及び
Tiによる析出強化による複合強化鋼であって、特に、
NbおよびTiの添加量を適当に厳しく調整することに
よって優れた加工性を保持しながら70kgf/mm2
以上の高強度を得ることに成功したものである。勿論、
併せて、かかる高強度熱間圧延鋼板を得るうえで他の成
分及びその範囲並びに製造条件等についても詳細に検討
し、規制すべき要件を見い出した。
【0008】すなわち、本発明の要旨とすることろは、
C:0.05〜0.2%、Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.8〜1.8%、S:0.01%以下、P:
0.03%以下、Al:0.01〜0.08%、Nb:
0.02〜0.04%、Ti:0.1〜0.15%、
N:0.01%以下を含み、更にCa:0.0005〜
0.01%及びREM:0.005〜0.1%からなる
群から選ばれた少なくとも1種を含み、残部が鉄及び不
可避的不純物からなり、面積率で40〜95%のポリゴ
ナルフェライトと5〜60%のベイナイトとの混合組織
を有すると共に、引張強さ70kgf/mm2 以上、
(引張強さ)×(伸び)≧1700kgf/mm2 ・%
以上を示す加工性の優れた高強度熱間圧延鋼板である。
C:0.05〜0.2%、Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.8〜1.8%、S:0.01%以下、P:
0.03%以下、Al:0.01〜0.08%、Nb:
0.02〜0.04%、Ti:0.1〜0.15%、
N:0.01%以下を含み、更にCa:0.0005〜
0.01%及びREM:0.005〜0.1%からなる
群から選ばれた少なくとも1種を含み、残部が鉄及び不
可避的不純物からなり、面積率で40〜95%のポリゴ
ナルフェライトと5〜60%のベイナイトとの混合組織
を有すると共に、引張強さ70kgf/mm2 以上、
(引張強さ)×(伸び)≧1700kgf/mm2 ・%
以上を示す加工性の優れた高強度熱間圧延鋼板である。
【0009】また、その製造法は、上記化学成分を有す
る鋼を1200℃以上1300℃以下に加熱して熱間圧
延を行った後、575℃以下400℃超で巻き取るとこ
ろに要旨を有する。
る鋼を1200℃以上1300℃以下に加熱して熱間圧
延を行った後、575℃以下400℃超で巻き取るとこ
ろに要旨を有する。
【0010】なお、本発明にいうベイナイト組織とは、
いわゆるベイナイト相のほか、アシキュラーフェライト
と称せられる組織など、金属組織学的にベイナイトと明
確な区別がなく、ベイナイトと実質的に同じ組織とみな
し得る組織の総称である。以下に本発明を更に詳細に説
明する。
いわゆるベイナイト相のほか、アシキュラーフェライト
と称せられる組織など、金属組織学的にベイナイトと明
確な区別がなく、ベイナイトと実質的に同じ組織とみな
し得る組織の総称である。以下に本発明を更に詳細に説
明する。
【0011】
【作用】まず、本発明による鋼の化学成分の限定理由に
ついて以下に説明する。Cは、鋼の強化及び焼き入れ性
を高めるために添加され、この効果を有効に発揮させる
ために、少なくとも0.05%を添加することが必要で
ある。しかし、過多に添加すると延性及び伸びフランジ
性が劣化するので、添加量の上限を0.2%とする。
ついて以下に説明する。Cは、鋼の強化及び焼き入れ性
を高めるために添加され、この効果を有効に発揮させる
ために、少なくとも0.05%を添加することが必要で
ある。しかし、過多に添加すると延性及び伸びフランジ
性が劣化するので、添加量の上限を0.2%とする。
【0012】Siは、ポリゴナルフェライトの生成を促
し、本発明による混合組織を得るために有効な元素であ
り、更に、強度及び延性を高めるのに好適な元素であ
る。このため、0.01%以上の添加を必要とする。但
し、過多に添加すればスケール疵により表面性状を劣化
させるので、本発明においては、Siの添加量は0.0
1%以上、0.5%以下とする。
し、本発明による混合組織を得るために有効な元素であ
り、更に、強度及び延性を高めるのに好適な元素であ
る。このため、0.01%以上の添加を必要とする。但
し、過多に添加すればスケール疵により表面性状を劣化
させるので、本発明においては、Siの添加量は0.0
1%以上、0.5%以下とする。
【0013】Mnは、低C化による強度低下の補償、及
び鋼の焼き入れ性を高め未変態のオーステナイトをベイ
ナイトに変態させるのに必要であり、少なくとも0.8
%の添加を必要とする。しかし、1.8%を超えて多量
に添加することは、帯状組織を生成させ、圧延直角方向
の延性を劣化させる。したがって、本発明においては、
Mnは0.8〜1.8%の範囲で添加される。
び鋼の焼き入れ性を高め未変態のオーステナイトをベイ
ナイトに変態させるのに必要であり、少なくとも0.8
%の添加を必要とする。しかし、1.8%を超えて多量
に添加することは、帯状組織を生成させ、圧延直角方向
の延性を劣化させる。したがって、本発明においては、
Mnは0.8〜1.8%の範囲で添加される。
【0014】Pは、これを0.03%を超えて多量に含
有させると、絞り加工後の遷移温度を上昇させるので、
0.03%以下の範囲とする。Sは、これを0.01%
を超えて多量に含有させると伸びフランジ性を劣化させ
るので、0.01%以下の範囲とする。Alは、鋼の溶
製時の脱酸剤として添加され、その範囲は、0.01〜
0.08%である。
有させると、絞り加工後の遷移温度を上昇させるので、
0.03%以下の範囲とする。Sは、これを0.01%
を超えて多量に含有させると伸びフランジ性を劣化させ
るので、0.01%以下の範囲とする。Alは、鋼の溶
製時の脱酸剤として添加され、その範囲は、0.01〜
0.08%である。
【0015】Nbは、熱間圧延後の変態挙動に影響を与
え、ベイナイト組織を生成させるのに有効である。更
に、析出強化の作用も有し、鋼を高強度化するのに有効
である。このため、0.02%以上の添加を必要とす
る。しかし、過多に添加すると延性が急激に劣化するの
で、添加量の上限を0.04%とする。Nbをこの範囲
(0.02〜0.04%)に規制するとT.S.×E
l.バランスが最も良好となり、後述のTi添加効果を
十分に発揮させることができ、Nb及びTiの相乗効果
をもたらす。
え、ベイナイト組織を生成させるのに有効である。更
に、析出強化の作用も有し、鋼を高強度化するのに有効
である。このため、0.02%以上の添加を必要とす
る。しかし、過多に添加すると延性が急激に劣化するの
で、添加量の上限を0.04%とする。Nbをこの範囲
(0.02〜0.04%)に規制するとT.S.×E
l.バランスが最も良好となり、後述のTi添加効果を
十分に発揮させることができ、Nb及びTiの相乗効果
をもたらす。
【0016】Tiは、析出強化の作用を有し、鋼を高強
度化するのに有効であり、所要の強度を得るためには、
Nb0.02〜0.04%のもとで、0.1%以上の添
加が必要である。しかし、過多に添加すると、延性が劣
化すると共に上記効果が飽和して経済的にも不利である
ので、添加量の上限は0.15%とする。Nは、多量に
含有させると、加工性が劣化するため、0.01%以下
とする。
度化するのに有効であり、所要の強度を得るためには、
Nb0.02〜0.04%のもとで、0.1%以上の添
加が必要である。しかし、過多に添加すると、延性が劣
化すると共に上記効果が飽和して経済的にも不利である
ので、添加量の上限は0.15%とする。Nは、多量に
含有させると、加工性が劣化するため、0.01%以下
とする。
【0017】更に、本発明においては、Ca及びREM
(希土類元素)よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素を添加する。これらの元素は、硫化物の形態を制
御し、介在物を無害化して、成形性を高める効果があ
る。このような効果を有効に発揮させるには、Caにつ
いては少なくとも0.0005%、REMについては少
なくとも0.005%を添加することが必要である。添
加量の上限は、通常、Caについては0.01%、RE
Mについては0.1%である。
(希土類元素)よりなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素を添加する。これらの元素は、硫化物の形態を制
御し、介在物を無害化して、成形性を高める効果があ
る。このような効果を有効に発揮させるには、Caにつ
いては少なくとも0.0005%、REMについては少
なくとも0.005%を添加することが必要である。添
加量の上限は、通常、Caについては0.01%、RE
Mについては0.1%である。
【0018】次に、上記化学成分を有する鋼を製造する
に当っては、Nb及びTiの溶体化のために1200℃
以上の温度に加熱し、通常の方法に従って熱間圧延した
後、必要とするベイナイト面積率(5〜60%)を得る
ために575℃以下の温度まで冷却して巻き取る必要が
ある。
に当っては、Nb及びTiの溶体化のために1200℃
以上の温度に加熱し、通常の方法に従って熱間圧延した
後、必要とするベイナイト面積率(5〜60%)を得る
ために575℃以下の温度まで冷却して巻き取る必要が
ある。
【0019】なお、1300℃より高い温度に加熱する
と加熱炉における燃料コストが増大し、耐火物の負荷が
大きくなるほか、結晶粒が粗大化し強度が低下する問題
があるので好ましくない。また、巻取温度が400℃以
下では伸びが低下し特にT.S.×El.バランスが劣
るので好ましくない。
と加熱炉における燃料コストが増大し、耐火物の負荷が
大きくなるほか、結晶粒が粗大化し強度が低下する問題
があるので好ましくない。また、巻取温度が400℃以
下では伸びが低下し特にT.S.×El.バランスが劣
るので好ましくない。
【0020】また、本発明において、ポリゴナルフェラ
イト+ベイナイトの二相混合組織におけるベイナイト面
積率を5〜60%に規制するのは、T.S.×El.バ
ランスを最も良好な状態(T.S.×El.≧170
0)に保ち、所要の高強度(T.S.≧70kgf/m
m2 )と優れた加工性(延性、伸びフランジ性等々)を
確保するためである。次に本発明の実施例を示す。
イト+ベイナイトの二相混合組織におけるベイナイト面
積率を5〜60%に規制するのは、T.S.×El.バ
ランスを最も良好な状態(T.S.×El.≧170
0)に保ち、所要の高強度(T.S.≧70kgf/m
m2 )と優れた加工性(延性、伸びフランジ性等々)を
確保するためである。次に本発明の実施例を示す。
【0021】
【実施例】表1に示す化学成分を有する鋼を溶製し、表
2及び表3に示す熱延条件で熱間圧延して巻き取り、熱
間圧延鋼板を製造した。なお、表1において供試鋼No.
1、4及び7は本発明鋼であり、他の供試鋼はいずれも
本発明の化学成分範囲外のものであって、No. 2及び3
はNb量が、No. 5及び6はTi量がそれぞれ本発明範
囲外であるが、全供試鋼ともN量は0.01%以下であ
る。また、表2に示した熱延条件は本発明の範囲内の条
件であるが、表3に示した熱延条件は本発明範囲外の条
件である。
2及び表3に示す熱延条件で熱間圧延して巻き取り、熱
間圧延鋼板を製造した。なお、表1において供試鋼No.
1、4及び7は本発明鋼であり、他の供試鋼はいずれも
本発明の化学成分範囲外のものであって、No. 2及び3
はNb量が、No. 5及び6はTi量がそれぞれ本発明範
囲外であるが、全供試鋼ともN量は0.01%以下であ
る。また、表2に示した熱延条件は本発明の範囲内の条
件であるが、表3に示した熱延条件は本発明範囲外の条
件である。
【0022】得られた各熱間圧延鋼板について、ベイナ
イト面積率を調べると共に引張特性及び孔拡げ率λを求
め、また強度−伸びバランス(T.S.×El.)を求
めた。これらを表2及び表3に併記する。
イト面積率を調べると共に引張特性及び孔拡げ率λを求
め、また強度−伸びバランス(T.S.×El.)を求
めた。これらを表2及び表3に併記する。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】表2から明らかなように、本発明範囲内の
熱延条件で得られた本発明鋼(試験例No. 1、4、7)
は、本発明範囲内のベイナイト面積率を有し、かつ、強
度−伸びバランス(T.S.×El.)が1700以上
と優れているのに対して、比較鋼(試験例No. 2、3、
5、6)では本発明範囲内の熱延条件であっても、いず
れも強度−伸びバランス(T.S.×El.)が160
0前後以下の低いレベルにとどまっている。
熱延条件で得られた本発明鋼(試験例No. 1、4、7)
は、本発明範囲内のベイナイト面積率を有し、かつ、強
度−伸びバランス(T.S.×El.)が1700以上
と優れているのに対して、比較鋼(試験例No. 2、3、
5、6)では本発明範囲内の熱延条件であっても、いず
れも強度−伸びバランス(T.S.×El.)が160
0前後以下の低いレベルにとどまっている。
【0027】また、孔拡げ性についても、本発明鋼の方
が比較鋼に比べて優れている。このことは、単にベイナ
イトによってだけでは伸びフランジ性が改善されず、T
i、Nb量によって影響を受けることがわかる。供試鋼
No. 2、5は、Nb、Tiの適性範囲の下限をきってい
ることから引張強度T.S.が70kgf/mm2 以下
となっている。
が比較鋼に比べて優れている。このことは、単にベイナ
イトによってだけでは伸びフランジ性が改善されず、T
i、Nb量によって影響を受けることがわかる。供試鋼
No. 2、5は、Nb、Tiの適性範囲の下限をきってい
ることから引張強度T.S.が70kgf/mm2 以下
となっている。
【0028】また、表3から明らかなように、加熱温度
が本発明範囲の下限をきった低温加熱をすると、試験例
No. 11〜12からわかるように、本発明鋼であって
も、T.S.は70kgf/mm2 以下と低い。これ
は、Nb、Tiの溶体化が十分なされたかったものと考
えられる。
が本発明範囲の下限をきった低温加熱をすると、試験例
No. 11〜12からわかるように、本発明鋼であって
も、T.S.は70kgf/mm2 以下と低い。これ
は、Nb、Tiの溶体化が十分なされたかったものと考
えられる。
【0029】巻取温度が本発明範囲の上限を超えると、
試験例No. 13〜14からわかるように、ベイナイト率
が0%、すなわちフェライト+パーライト組織となるこ
とから、T.S.×El.バランスは良いが伸びフラン
ジ性が劣化している。
試験例No. 13〜14からわかるように、ベイナイト率
が0%、すなわちフェライト+パーライト組織となるこ
とから、T.S.×El.バランスは良いが伸びフラン
ジ性が劣化している。
【0030】一方、巻取温度が過度に低くかつ急冷した
ためベイナイト面積率が本発明範囲より大きくなると、
試験例No. 15〜16が示すように、より強度は上昇す
るが、T.S.×El.バランスが劣化し、かつ、伸び
フランジ性も低いレベルとなっている。
ためベイナイト面積率が本発明範囲より大きくなると、
試験例No. 15〜16が示すように、より強度は上昇す
るが、T.S.×El.バランスが劣化し、かつ、伸び
フランジ性も低いレベルとなっている。
【0031】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るNb、Tiを複合添加したポリゴナルフェライト
+ベイナイト二相鋼は、強度−延性バランスがT.S.
×El.≧1700と優れており、したがって、優れた
加工性を維持しながら70kgf/mm2 以上の引張強
度を有するので、通常の冷間加工のみならず高加工を伴
うプレス用途にも十分適用できる。また、低炭素当量で
あることから、スポット溶接、フラッシュパット溶接、
アーク溶接などの各種溶接性も優れており、工業的に優
れた鋼板である。更に、このように優れた特性を有する
高強度熱間圧延鋼板を容易に製造できるので、高強度で
加工性が良好な熱間圧延鋼板の要請に十分応えることが
できる。
に係るNb、Tiを複合添加したポリゴナルフェライト
+ベイナイト二相鋼は、強度−延性バランスがT.S.
×El.≧1700と優れており、したがって、優れた
加工性を維持しながら70kgf/mm2 以上の引張強
度を有するので、通常の冷間加工のみならず高加工を伴
うプレス用途にも十分適用できる。また、低炭素当量で
あることから、スポット溶接、フラッシュパット溶接、
アーク溶接などの各種溶接性も優れており、工業的に優
れた鋼板である。更に、このように優れた特性を有する
高強度熱間圧延鋼板を容易に製造できるので、高強度で
加工性が良好な熱間圧延鋼板の要請に十分応えることが
できる。
【図1】Nb添加量がT.S.×El.バランスに及ぼ
す影響を示したグラフである。
す影響を示したグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.2%、S
i:0.01〜0.5%、Mn:0.8〜1.8%、
S:0.01%以下、P:0.03%以下、Al:0.
01〜0.08%、Nb:0.02〜0.04%、T
i:0.1〜0.15%、N:0.01%以下を含み、
更にCa:0.0005〜0.01%及びREM:0.
005〜0.1%からなる群から選ばれた少なくとも1
種を含み、残部が鉄及び不可避的不純物からなり、面積
率で40〜95%のポリゴナルフェライトと5〜60%
のベイナイトとの混合組織を有すると共に、引張強さ7
0kgf/mm2 以上、(引張強さ)×(伸び)≧17
00kgf/mm2 ・%以上を示すものであることを特
徴とする加工性の優れた高強度熱間圧延鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.05〜0.2%、S
i:0.01〜0.5%、Mn:0.8〜1.8%、
S:0.01%以下、P:0.03%以下、Al:0.
01〜0.08%、Nb:0.02〜0.04%、T
i:0.1〜0.15%、N:0.01%以下を含み、
更にCa:0.0005〜0.01%及びREM:0.
005〜0.1%からなる群から選ばれた少なくとも1
種を含み、残部が鉄及び不可避的不純物からなる鋼を、
1200℃以上1300℃以下に加熱して熱間圧延を行
った後、575℃以下400℃超で巻き取ることによ
り、面積率で40〜95%のポリゴナルフェライトと5
〜60%のベイナイトとの混合組織を有すると共に、引
張強さ70kgf/mm2 以上、(引張強さ)×(伸
び)≧1700kgf/mm2 ・%以上を示す鋼板を製
造することを特徴とする加工性の優れた高強度熱間圧延
鋼板の製造法。
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---|---|---|---|
JP16539992A JPH0768601B2 (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 高強度熱間圧延鋼板及びその製造法 |
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---|---|---|---|
JP16539992A JPH0768601B2 (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 高強度熱間圧延鋼板及びその製造法 |
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---|---|---|---|
JP29854285A Division JPS62202048A (ja) | 1985-11-26 | 1985-12-29 | 高強度熱間圧延鋼板及びその製造法 |
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---|---|
JPH06172920A JPH06172920A (ja) | 1994-06-21 |
JPH0768601B2 true JPH0768601B2 (ja) | 1995-07-26 |
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ID=15811674
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JP16539992A Expired - Fee Related JPH0768601B2 (ja) | 1992-06-01 | 1992-06-01 | 高強度熱間圧延鋼板及びその製造法 |
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KR20020049920A (ko) * | 2000-12-20 | 2002-06-26 | 이구택 | 에지부 표면결함이 없는 열연강판의 제조방법 |
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-
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- 1992-06-01 JP JP16539992A patent/JPH0768601B2/ja not_active Expired - Fee Related
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