JPH0767457B2 - 外科用縫合器具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、手術時に内視鏡を用いて縫合するさいに用い
る外科用縫合器具に関するものである。

この主の器具の意味と目的は、手術時に必要となる患者
の身体の損傷を必要最低限に抑え、加えて、外科医の施
術の負担を軽減することにある。この技術は最小限の外
科的侵襲処置（minimal invasive Chimrgie）（MIC）と
いう概念で表される。

EP 0174843A2により公知の縫合・綴じ合わせ器は、器
具通路を介して患者の体内へ導入され、外部から操作可
能である。この器械の縫合ヘッドは横方向に開かれてい
る。その個所のところで、組織を吸引する吸引管が終っ
ており、その結果、組織のひだが生ぜしめられる。縫合
糸を通した針は、その場合、器械軸線と平行に運動し、
組織に突き通される。一緒に案内される糸は、捕捉装置
を介してループを形成しながら保持される。結ぶ作業は
別個に行う。

US4935027により開示された外科用の器具及び方法の場
合は、遠隔位置から、もしくは内視鏡を用いて縫合がで
きる。器具の鉗子は中空で、閉じた状態では目穴を形成
し、この目穴に縫合糸が通されたり、目穴を介して縫合
糸を運ぶことができる。鉗子端部は、穴があるにも拘わ
らず被縫合組織に突き刺すことができる。各縫合ステッ
プ後に結び目は、たとえば外部から造り始め、そのあと
で引き締めて結節される。いずれにしても、それには付
加的な器具が必要とされる。

US4836205に記載された掴み・縫合器具は、特に関節鏡
を用いた膝関節の外科処置用に構想されたものである。
この目的のため、器具の遠位端部には、ちぎれた組織を
掴む掴み器具が備えられている。この掴み器具は、可動
のくわえ部分と不動の湾曲したくわえ部分とから成り、
閉じた状態で軸方向に自由空隙ができるようになってお
り、この空隙から縫合針を、掴んだ組織に突き刺したり
引き抜いたりすることができる。くわえ部分と針とは、
握り取手により管駆動機構を介して操作される。

更に、US4236470には手動操作式の外科用縫合器具が開
示されている。この器具は、ピンセット形式に構成さ
れ、脚部の双方の自由端部に各１つの保持機構を有して
いる。両端が尖っていて、この尖端との間の部分の中央
に針穴を有している外科用針は、一方の保持器具から他
方の保持機構へ移すことができる。保持機構は、この目
的のためにロックしたり弛めたりすることができる。そ
のための機構は縫合器具の脚部に内蔵され、手動操作さ
れる。

この種の縫合器具は外科医が受け入れるかどうかは、と
りわけ、この器具に短時間で慣れる度合によって決定さ
れ、かつまた出来るだけ容易に、問題なしに操作できる
か否かで決定される。

本発明の根底をなす課題は、器具通路を介して導入可能
かつ操作可能な縫合器具、それも組織又は血管の外科的
縫合と結び目形成とを付加的器具なしに行い得る器具を
提供することにある。この課題は、請求の範囲第１項記
載の特徴を有する手段により解決された。

この目的のため、本発明による縫合器具は、不動のくわ
え部分と可動のくわえ部分とから成るくわえ区域を遠位
端部に有しており、このくわえ区域が、縫合針をくわえ
込んでいない場合には、掴み器具として用いるように構
成されている。

双方のくわえ部分の自由端部には、保持機構ないしクラ
ンプ機構が組み込まれており、これらのクランプ機構内
へ縫合針を形状接続形式および確実な摩擦接続形式で挟
み付け、ないし締付けることができる。縫合針は、他の
保持具を用いることなしに、一方のクランプ機構から他
方のクランプ機構へ移すことができる。縫合針は、ま
た、同時に双方のクランプ機構の間に挟み込むこともで
きる。

可動のくわえ部分の運動は、外科医が、握りレバーの可
動握り部分を介して片手で行うことができ、これによっ
て縫合針の、クランプ機構へのそう入とクランプ機構か
らの引出しも行われる。

これに対し、縫合針の、クランプ機構内での締付又は解
放は、外科医が足でペダルスイッチを操作することによ
り空気式に行われる。この目的のため、空気導管がペダ
ルスイッチに接続されている。ペダルスイッチからは、
更に空気導管が握りレバーのところのミニアチュア空気
シリンダの接続管に通じている。この空気シリンダは、
内部の圧力状態に応じて、レバー変向機構と器具通路を
貫通する駆動管とを介してクランプ機構の半部を形状接
続式に、かつまた確実に摩擦接続式に押圧させたり、遠
ざけたりする。

縫合される組織又は血管部分へ突き刺し過程及び針の移
し替え過程は、これにより明確に分離される。外科医
は、したがって、他方の手を、手術時に場合により必要
となる縫合器具のリセットのために、常に空けておくこ
とができる。

請求の範囲第２項以下には、縫合器具及び握りレバーの
有利な構成が示されている。

くわえ部分に組込まれている双方クランプ機構は、有利
には縫合針端部形状に対応する雌型形状を有している。
縫合針端部は尖端、隆起部、胴体、すなわちタイユ部分
を有している。隆起部からタイユへの移行部は、針の尖
端形状に応じて円錐台形又は角錐台形である。このた
め、可動くわえ部分のクランプ機構での針尖端の着脱
は、針の損傷なしに、かつまた一定の制限された力で行
うことができる。同じことは、不動のくわえ部分のクラ
ンプ機構での針の尖端の締付けにも妥当する。なぜな
ら、空気シリンダ内の圧力は制限して維持することがで
き、ればー変向機構の構成により、クランプ機構の不動
の半部に対する可動の半部の押圧力は調節可能だからで
ある。

縫合個所での結び目形成のさいには、握りレバーの可動
握り部分がレリース可能の係止機構によりロックされ、
圧力点を超えると再びレリースされるようにするのが有
利である。

実施される手術及びそのさいに行われる縫合過程に応じ
て、異なる構成の２つのくわえ区域の実施形式を利用す
るのが、同じく有利である。その一方の形式の場合、く
わえ区域は、縫合器具軸線に対して、同じく直角に位置
する２つのくわえ部分から成っており、可動の部分は握
りレバーを介して軸方向に不動のくわえ部分を接近した
り離れたりすることができる。この結果、一端又は両端
が挟み付けられた縫合針は器具軸線と平行に位置するこ
とになる。この形式の縫合器具とともに用いられる針
は、組織部分又は血管部分を針により付き刺すだけで引
き裂くことがないように直線的であるのが有利である。

不動のくわえ部分のクランプ機構は、一方の不動半部と
他方の可動半部とから成っている。この可動の半部は、
この目的のために、所定角度だけ旋回可能に支承された
レバーに組付けられており、このレバーがペダルスイッ
チを介して操作される。

縫合器具の他方の構成の実施形式は、器具軸線方向に整
列されたくわえ区域から成っている。この場合、可動く
わえ部分は、器具軸線と直角の軸線を中心に旋回可能に
支承され、かつ所定角度まで不動くわえ部分から上方へ
旋回したり、ないしは不動くわえ部分と閉じ合わせられ
たりする。クランプ機構は、先述の実施形式のものと変
わりはない。ただ異なる点は、不動くわえ部分のクラン
プ機構の可動半部が他方の不動半部に対し旋回して開閉
するのではなく、不動半部に対しスライドして接近又は
離間する点である。このための駆動は、先述のようにペ
ダルスイッチを介して行われる。

この縫合器具の構造は、特に掴み器具としても適してい
る。したがって、くわえ部分の自由端部には鋸歯面が設
けられている。

この縫合器具を用いる場合、縫合時の組織又は血管の裂
傷を防止するため、使用する縫合針は、その軸線が可動
くわえ部分のクランプ機構の旋回軌道と合致するように
湾曲している。

各クランプ機構の双方の半部は交換可能であり、使用す
る針の成形形式に応じて相応に使用することができる。
１つの縫合器具を色々な種類の針と一緒に使用できる点
は、経済的な利点である。

異なるクランプ機構を組付け、組外しできるこの利点は
次のような形に拡張できる。すなわち、縫合器具を縫合
に用いる代わりに、血管又は組織部分をクリップ接合す
るためにも使用するのである。但し、その場合には、ク
ランプ機構をクリップ保持機構及び所属ダイス機構と取
替えておく。

以下で本発明を図示の複数実施例について詳説する。

図面 図１は横に取付けられたくわえ部分を有する縫合器具を
示した図、 図２は前方に向いたくわえ区域を有する縫合器具を示し
た図、 図３は縫合器具を操作する握りレバーを示した図、 図４は、図２の縫合器具の、リングギヤとラックとを介
して駆動されるくわえ部分を示した図、 図５は図１の縫合器具用の縫合針、 図６は縫合針の縦断面図、 図７はクランプ機構に挟み付けられた縫合針の図であ
る。

図１には外科用縫合器具の縫合ヘッド１の側面図が示さ
れている。縫合ヘッドは、縫合器具の軸線20に対して直
角方向に２個のくわえ部分2,3から成っている。

くわえ部分３の自由端部には、クランプ機構6,7の矢じ
り形状のそう入部が設けられている。このクランプ機構
6,7の軸線25は縫合器具軸線20と平行位置にある。クラ
ンプ機構6,7は自由端部側からくわえ部分３に取付け、
取外しが可能である。また、クランプ機構は２個の半部
6,7から成っている。一方の半部６は不動である。半部
６には、所定ばね定数を有するばね26により、可動の他
方の半部７が押付けられ、両半部の相互押圧により縫合
針尖端５の雌型が形成される。これにより縫合針が形状
接続式かつ摩擦接続式にくわえ込まれる。くわえ込まれ
た針尖端には、その全周にわたって軸方向及び半径方向
の力が作用する。針は一定の軸方向力を費すことにより
クランプ機構から抜き取ることができる。くわえ部分３
は、器具軸線と同軸の管27と固定結合され、軸方向に往
復動可能である。この往復動は、握りレバー10の可動部
分（図３）を操作することで行われる。

不動のくわえ部分２には不動の他方のクランプ機構8,9
が備えられている。このクランプ機構8,9は、旋回可能
に支承されたレバー21を介して開閉可能である。レバー
21は、その場合、旋回軸22を中心として旋回する。これ
により、クランプ機構8,9の可動半部９が不動の半部８
に押圧又は離間せしめられる。レバー21は管16を介して
操作される。管16は、また、握り10のところの駆動機構
13,14,15によって動かされる。

このような構成によって、縫合針４は、一方のクランプ
機構6,7から他方のクランプ機構8,9へ簡単に移し替える
ことができる。あるいは又、針の両尖端５を同時にクラ
ンプすることもできる。双方のクランプ機構6,7;8,9内
での形状接続及び一定の摩擦力による接続により、縫合
針は、どんな場合でも所定姿勢で保持される。

図２の縫合ヘッド１は別様に構成されている。くわえ部
分2,3の開口が、器具軸線方向で前方に向いている。不
動のくわえ部分２は平行に位置している。言いかえる
と、器具軸線20と並列位置に配置されている。他方の可
動くわえ部３は、上下方向に旋回可能で、リンク軸22の
ところに支承されている。くわえ部分３は、構造的に所
定の角度αだけ旋回可能である。この目的のため、器具
管28内を同軸の管16が往復動可能にされている。器具管
28は、端部のところでボルト29を介してくわえ部分３と
連結されている。クランプ機構6,7;8,9に針４が保持さ
れていない場合、可動くわえ部分３は、鋸歯を有する双
方の面30が互いに噛合うように閉じることができる。こ
のため、縫合器具の縫合ヘッド１は掴み機構としても使
用できる。くわえ部分３の破線で示された位置は、この
閉じ位置を示したものである。

双方のくわえ部分2,3の先端、すなわち鋸歯面30の直ぐ
後方には、いつでも別々に取外し可能な各１つのクラン
プ機構6,7;8,9が組付けられている。双方のクランプ機
構6,7;8,9は、縫合針５の尖端の雌型に相応する凹所を
有している。この凹所は円形、３角形、多角形のいずれ
かの横断面を有している。３角形、多角形の横断面の場
合は、特にくわえ込まれた針の旋回が防止される。

不動くわえ部分２のクランプ機構8,9は、図１の場合同
様、２つの半部8,9から成っている。一方の半部８は、
くわえ部分２と結合されている。他方の半部９は、スラ
イド機構31を介して管16のヘッドに取付けられ、管16と
一緒に往復動を行い、その結果、このクランプ機構8,9
の開閉が可能となる。また、それによって、縫合針４を
形状接続式かつ摩擦接続式に挟み付けることができる。
この操作は、図１のところで説明した通り、握りレバー
10を介して行う。

可動半部９と駆動管27の端部との間のスライド機構は、
双方のくわえ部分2,3の間の空隙に対し薄板32で遮蔽す
るのが有利である。

可動くわえ部分３のクランプ機構6,7は、図１の対応く
わえ部分と等しい構成を有しているので、その機能及び
作用も等しい。

破線で示した縫合針４は、この構成の場合、直線状であ
る。最大開角αが小さい場合は、直線状であっても、外
科的観点から言って問題はない。双方のくわえ部分がな
す最大開角αが大きい場合は、組織又は血管の裂傷を防
止するため、湾曲した縫合針４を用いるのが有利であ
る。（図４の説明参照）。

図１及び図２の縫合ヘッドは握りレバー10を介して操作
できる。握りレバー10から発する駆動運動は、トロカー
ルを貫通する駆動管を介して縫合ヘッド１に伝えられ、
縫合運動及び針の移し替え運動に変換される。

外科医にとっては、縫合作業自体は片手で行うことがで
き、他方の手は、必要な場合に制御操作を行うよう、空
けておくことができるのが好都合である。そのために
は、針の移し替え過程が面倒なしに別個で行われる必要
がある。これは、握りレバー10の所に配置された、ペダ
ル操作される空気機械式駆動機構によって行われる。

この目的のため、握りレバー10の上方部分にミニアチュ
アの空気シリンダ13が付加組付けられている。そのピス
トンロッドは、シリンダ内へ導入される圧縮空気を介し
て器具軸線20と平行に後方へ動かされる。そのさい、ピ
ストンロッド14は、握りレバー上方部分に旋回可能に支
承されているレバー15を押圧する。レバー15は、その一
方のレバー部分によってピン29を介して管16を逆方向、
つまり前方へ押出す。図１の不動くわえ部分２のクラン
プ機構8,9はそれによって閉じられ、くわえられた針４
と形状接続かつ摩擦接続される。この状態は、シリンダ
13内のピストンに圧縮空気が作用し続ける間、維持する
ことができる。この状態は、事情によっては役に立つ。
すなわち、その場合、外科医は不動くわえ部分２にだけ
くわえられた針４に組織を載せて針を通すことができ
る。この状態を維持するため、圧縮空気管がペダルスイ
ッチ12に通じている。このペダルスイッチは、外科医又
は外科医のすぐ傍らに立つ助手が足で操作することがで
きる。圧縮空気管は、このペダルスイッチ12から、更に
握りレバー10の上方部分に取付けられた圧縮空気接続管
33に通じている。この接続管から更に空気シリンダ13へ
通じている。

ペダルスイッチ12はロック位置より更にいくらか踏み込
むと、戻って圧縮空気供給が遮断される。空気シリンダ
２内の圧縮空気は、その場合、逃げることができる。こ
れによって、握りレバー10の付近端部のところに、管16
の周囲に配置された戻しばね17を介して、管16は自動的
に引き戻され、不動のくわえ部分３にくわえられた針尖
端５が解放される。

ピストンロッド14の軸線と器具軸線20との間のレバー15
の旋回点、ないしはピストンロッドとレバー旋回点との
間の、またレバー旋回点とピン29との間のそれぞれてこ
比は調節可能である。それによって、管16への力を制限
でき、縫合器具への不必要な力の作用が防止される。

図４には、最大開角αが大きい場合の、図２の実施例の
変更態様が示されている。可動くわえ部分３の旋回可能
に支承された端部には、旋回軸22と同心的にギヤリムな
いしリングギヤ23が配置されている。このギヤリムには
往復動するラック24が噛合っており、ラックの運動方向
と移動距離とに応じて可動くわえ部分が最大開角αの範
囲内で開閉する。最大開角αは、構造的に極めて大きく
調節可能なので、この縫合器具の場合は、湾曲した縫合
針４を用いる必要がある。針４がクランプ機構6,7の軌
道の曲率と等しい曲率を有するようにすれば、針は組織
又は血管壁に刺さるだけで、裂傷等を与えることはな
い。

図５〜図７には、図１と図２とに破線で示された縫合針
４が平面図、縦断面図、尖端部分図で示されている。縫
合針４は、小舟の形状で、縦軸線25に関して対称的であ
る。両端には等しい尖端５を有している。尖端５は針の
ボディ36から矢じり状に続いている。針のボディ自体に
は、縦方向の凹所35と、その底部の横穴、すなわち針穴
26とが設けられている。針穴のエッジは、すべて丸くさ
れている。縫合糸は、この個所で終っており、この個所
で突出しないように結ばれている。更に、縫合糸は縫合
過程のさいには凹所35内に入るので、針を刺す場合、糸
により組織の損傷が防止される。

図７は、クランプ機構の両半部6,8;7,9により針の尖端
５が包囲されている状態を示したものである。隆起部18
から針のボディへの移行部を円錐台形とすることによ
り、この個所に作用する力が大きくなり過ぎないように
されている。このため、形状接続及び摩擦接続によっ
て、一方では針４の一定の整列が達せられ、他方では予
め設定可能の力の消費で針４の着脱が可能になる。くわ
えられた針４のタイユ19の周囲に作用する力の方向が、
互いに直角方向の矢印下Ｆで示されている。

以下で縫合過程及びそのさいの針の移し替え作業を説明
する： 先ず、糸の一端に結ばれた縫合針４が、双方の閉じられ
た、又はほぼ閉じられたくわえ部分2,3の間に縦に置か
れる。場合によっては、片方の尖端を双方の鋸歯面30の
間に挟み付けるようにする。次いで、縫合器具が器具管
を通して縫合個所へ案内される。その場合、縫合糸は管
16,27を通して一緒に送入される。縫合場所で可動くわ
え部分３が開けられ、縫合針４が、別の器具管を通して
導入された保持器具を用いてクランプ機構の一方、有利
には不動くわえ部分２のクランプ機構に差込まれる。こ
のクランプ機構は外部から開閉可能だからである。次い
で、被縫合組織への第１穿刺を行う。次に、可動くわえ
部分３を不動くわえ部分２のほうへ移動させ、自由尖端
５がクランプ機構6,7内に係止させる。針４は、ペダル
スイッチ12を操作することでクランプ機構8,9から解放
され、縫合糸と共に完全に穿刺個所に適される。こうし
て、縫合過程は穿刺と針の移し替えとにより相応に進め
られる。しかし、また、必要とあれば各穿刺と糸の貫通
の後で結び目を造ることもできる。その場合、結び目を
固く造るには、場合により付加的な器具を用いて行う。

以上説明した本発明の、完成した原型の縫合ヘッドの寸
法は、望み通り小さくすることができた。縫合ヘッドの
長さは17mm、旋回可能のくわえ部分３の長さは12mmであ
る。縫合ヘッドは、器具管内を通され、同軸の入れ子式
に可動の管16,27,28から成る駆動機構を介して操作され
た。器具管又はトロカールの内径は5mmであった。

握りレバーによる簡単な操作手順及び縫合過程と針の移
し替え過程との分離の予想効果は充填された。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 トラップ，ライナー ドイツ連邦共和国 Ｄ−7523 グラーベン −ノイドルフ ファルトールシュトラーセ ９ (72)発明者 ブレール，クラウス−ペーター ドイツ連邦共和国 Ｄ−7522 フィリップ スブルク ゲーテシュトラーセ ３

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】最小限の外科的侵襲処理（MIC）のための
   外科用縫合器具であって、トローカール内を案内され、
   同軸的に互いに入れ子状に可動の管（16,27,28）から成
   る駆動機構（16,27,28）の遠位端部に取付けられてお
   り、かつまた前記駆動機構の近位端部に設けられた、可
   動握り部分（11）を有する握りレバー（10）によって、
   レバー作用を介して操作されるようにされており、 縫合器具が可動くわえ部分（３）と不動のくわえ部分
   （２）とを有し、これらの部分（3,2）がそれぞれ１つ
   のクランプ機構（6,7;8,9）を有しており、しかも可動
   くわえ部分（３）のクランプ機構（6,7）が、ばね機構
   を介して自動的に閉状態に維持され、かつまた不動くわ
   え部分（２）のクランプ機構（8,9）が握りレバー（1
   0）を介して開閉されることができ、また、 クランプ機構（6,7;8,9）にくわえ込まれる針（４）
   が、隆起部（18）とタイユ（19）とを有する各１つの尖
   端（５）を両端に備え、この尖端の周囲をクランプ機構
   （6,7;8,9）が形状接続式かつ摩擦接続式に包囲して針
   （４）の一端又は両端を保持し、更に 針（４）が両尖端（５）の中間に縫合糸端を結ぶための
   針穴（36）を有する形式のものにおいて、 針（４）の両尖端を通る針縦軸線（25）が、可動くわえ
   部分（３）のクランプ機構が運動時に描く軌跡（25）の
   形状を有し、 クランプ機構（6,7;8,9）が、それぞれ不動の半部（6,
   8）と可動の半部（7,9）とから成り、これら半部（6,8;
   7,9）が、それぞれ針尖端（５）の雌型の半部を有して
   おり、 可動くわえ部分（３）の運動が、握りレバー（10）の可
   動握り部分（11）と、駆動機構（16,27,28）の駆動管
   （27）とを介して片手で操作され、 クランプ機構（8,9）の可動半部（９）の運動がペダル
   スイッチ（12）を介して行われ、このペダルスイッチ
   （12）は、その出力部が駆動機構（13,14,15）に接続さ
   れており、駆動機構（13,14,15）は握りレバー（10）に
   取付けられ、その力が調節されており、 握りレバー（10）の不動部分には、管（16）ないし縫合
   器具（１）の軸線と平行の軸線（14）を有するミニアチ
   ュアの空気シリンダ（13）が配置され、双方の軸線（1
   4,20）との間には変向レバー（15）が旋回可能に支承さ
   れていることによって、シリンダ（13）のピストンロッ
   ドの、変向レバー（15）に対する作用点と、管（16）の
   近位端部の、変向レバー（15）に対する作用点とに、所
   定の有効てこ比が与えられており、 ミニアチュアの空気シリンダ（13）内へ導入される所定
   圧力の空気が管（16）を前方へ押圧し、それによりクラ
   ンプ機構ないし針保持部（8,9）が閉じられたり、もし
   くは閉じられたまま維持され、シリンダ（13）から空気
   が導出されると、シリンダ（13）のピストンロッドが、
   組付けられたばねと管（16）とを介し、管（16）を取囲
   んで配置された戻しばね（17）により引込められ、クラ
   ンプ機構ないし針保持部（8,9）が開かれたり、もしく
   は開かれたまま維持されることを特徴とする、外科用の
   縫合器具。
2. 【請求項２】クランプ機構（6,7;8,9）に設けられた針
   尖端の雌型の隆起部（18）とタイユ（19）との角が丸く
   されており、短い円錐台形外とう面を経て滑らかに互い
   に移行するようにされており、それによって、針の引抜
   きと圧入とを、損傷なしに一定の力で行い得ることを特
   徴とする、請求項１記載の外科用縫合器具。
3. 【請求項３】可動くわえ部分（３）を移動させる握りレ
   バーの可動握り部分（11）がロック可能であり、それに
   より、くわえ部分（2,3）の固定位置を相互調整した
   り、再び解除することが可能であることを特徴とする、
   請求項１記載の外科用縫合器具。
4. 【請求項４】双方のくわえ部分（2,3）が器具軸線（2
   0）に対し直角方向に延びており、 くわえ込まれた直線状の針（４）の軸線（25）が器具軸
   線（20）と平行位置にあり、 不動くわえ部分（２）のクランプ機構（8,9）の可動半
   部（９）が、この半部のところに旋回可能に支承された
   レバー（21）を介して不動半部（８）に押圧されたり、
   不動半部（８）から離間されたりすることを特徴とする
   請求項１から３までのいずれか１項記載の外科用縫合器
   具。
5. 【請求項５】不動くわえ部分（２）が器具軸線（20）の
   延長上に位置し、可動くわえ部分（３）が器具軸線と直
   角の旋回軸（22）を中心として旋回可能に支承されてお
   り、この結果、可動くわえ部分（３）は、レバーを介し
   て不動くわえ部分（２）に対し、所定角度域内で開閉可
   能であることを特徴とする請求項１から３までのいずれ
   か１項記載の外科用縫合器具。
6. 【請求項６】不動くわえ部分（３）が、その旋回軸（2
   2）のところに、部分（３）と同心的にギャリム（23）
   を備えており、このギャリムに軸方向移動可能のラック
   （24）が噛合っていることを特徴とする、請求項５記載
   の外科用縫合器具。
7. 【請求項７】双方のクランプ機構（6,7;8,9）の代わり
   に、くわえ部分（２ないし３）のところにクリップ保持
   機構が、また他方のくわえ部分（３ないし２）のところ
   にはダイス機構が組付けられ、これにより組織又は血管
   の部分を外科的にクリップ接合できることを特徴とす
   る、請求項４から６までのいずれか１項記載の外科用縫
   合器具。
8. 【請求項８】くわえ部分（2,3）の自由端部が鋸歯面を
   有し、これにより縫合器具が針（４）をくわえていない
   場合には、掴み器具として用いられることを特徴とす
   る、請求項４から６までのいずれか１項記載の外科用縫
   合器具。