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JPH0766484B2 - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

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Publication number
JPH0766484B2
JPH0766484B2 JP61159332A JP15933286A JPH0766484B2 JP H0766484 B2 JPH0766484 B2 JP H0766484B2 JP 61159332 A JP61159332 A JP 61159332A JP 15933286 A JP15933286 A JP 15933286A JP H0766484 B2 JPH0766484 B2 JP H0766484B2
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JP
Japan
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layer
substrate
thin film
thickness
metal thin
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JP61159332A
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JPS6314320A (ja
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充 高井
康二 小林
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP61159332A priority Critical patent/JPH0766484B2/ja
Priority to US07/069,228 priority patent/US4770924A/en
Publication of JPS6314320A publication Critical patent/JPS6314320A/ja
Publication of JPH0766484B2 publication Critical patent/JPH0766484B2/ja
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 I発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体、特に金属薄膜型の磁気記録媒
体を用いる磁気記録方法に関する。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テー
プ化して巻回したときのコンパクト性から、金属薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発行われている。
このような金属薄膜型の媒体の磁性層としては、特性
上、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行う、いわ
ゆる斜め蒸着法によって形成したCo系、Co−Ni系等から
なる蒸着膜が好適である。
このような媒体では、小型化、長時間記録等のため、従
来より、例えば10μm以下のフィルムを用いた媒体の研
究が進められているが、走行性、耐久性、強磁性金属薄
膜の強度等の点で問題が生じる。
そこで、これらの不都合を解消するため、フィルム裏面
に金属薄膜補強層を設ける旨の提案(特開昭56−16939
号、同58−97131号、同57−78627号、同57−37737号)
あるいはフィルム表面に微粒子を配設してヘッドタッ
チ、走行面で改良をなす旨の提案(特開昭58−68227
号、同58−100221号)等がなされている。
また、耐久性や、電磁変換特性を向上させるために、強
磁性金属薄膜層を2層以上の多層構成とする旨の提案も
種々行なわれている(特開昭54−141608号、特公昭56−
26892号、特開昭57−130228号等)。とりわけ、5MHz程
度以上の高周波出力の低下は大きな問題である。
しかし、現状では、10μm以下のフィルムを用いた媒体
において、走行性、耐久性、強磁性金属薄膜強度が良好
で、かつ電磁変換特性の面でも不都合の生じない技術は
未だ実現していない。
II発明の目的 本発明の目的は、フィルム厚8μm以下のフィルム支持
体を用い媒体の走行性が良好で、走行による磁性層のク
ラックやケズレが少なく、さらにヘッド摩耗量およびド
ロップアウトが少なく、電磁変換特性の良好な金属薄膜
型の磁気記録媒体を用い、高周波出力を大巾に向上でき
る磁気記録方法を提供することにある。
IV発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は、厚さ8μm以下のプラスチックフ
ィルム基体上に、 Coを主成分とする強磁性金属薄膜層を有し、 この強磁性金属薄膜層が2層以上の層からなる多層構造
を有し、 強磁性金属薄膜層被着時の基体法線に対する被着物質の
最小入射角が、基体側の最下層設層時は50°以下、基体
と反対側の最上層設層時は20°〜90°であり、 最下層の基体側界面近傍の酸素濃度C2を最上層の基体と
反対側表面近傍の酸素濃度C1で除した値C2/C1が0.3以
下であり、最上層に隣接する層の最上層との界面近傍で
の酸素濃度C3を最上層の基体と反対側表面近傍での酸素
濃度C1で除した値C3/C1が0.2〜3.0であり、 最上層の厚さが、最下層の厚さよりも小さい磁気記録媒
体を用い、 5MHz以上の高周波領域の信号を主として前記上層が保持
し、0.75MHzないしその近傍の低周波領域の信号を主と
して前記下層が保持するように磁気記録を行い、 前記信号出力を向上させる磁気記録方法である。
V発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明における磁性層としての強磁性金属薄膜層は少な
くとも2層からなる多層構造を有するものである。そし
て、本発明に用いる強磁性金属薄膜層は、Coを主成分と
し、これにOを含み、さらに必要に応じNiおよび/また
はCrが含有される組成を有する。
すなわち、好ましい態様においては、Co単独からなって
もよく、CoとNiからなってもよい。Niが含まれる場合、
Co/Niの重量比は、1.5以上であることが好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜層中には、Crが含有されていて
もよい。
このような場合、Cr/CoあるいはCr/(Co+Ni)の重量比
は、0.1以下、特に0.001〜0.1、より好ましくは、0.005
〜0.05であることが好ましい。
さらに、本発明の強磁性金属薄膜中にはOが含有される
ものである。
強磁性金属薄膜中の層全体の平均酸素量は、原子比、特
にO/(CoまたはCo+Ni)の原子比で、最上層における平
均酸素量は0.1〜0.5程度、好ましくは0.1〜0.4程度であ
る。
平均酸素量が、0.1未満では耐食性、走行性、磁性層の
クラック、ケズレ等の点で不十分であり、0.5をこえる
と、表面酸化物層が増大しヘッドとのスペーシングによ
る出力の低下等の問題を生じる。
そして、最下層のプラスチックフィルムとの界面近傍の
酸素濃度C2、特にO/(CoまたはCo+Ni)原子比を、最上
層のプラスチックフィルムと反対側の表面近傍での酸素
濃度C1特に、O/(CoまたはCo+Ni)原子比で除した値は
0.3以下、より好ましくは0.15以下であることが好まし
い。
この場合、これら酸素濃度は、強磁性金属薄膜をAr等が
イオンミリングないしイオンエッチングしながら、オー
ジエ分光分析、SIMS(2次イオン質量分析)等を行い、
測定することができる。
すなわち、イオンエッチングを行ないながらO、Co、Ni
等をカウントし、その膜厚方向のプロファイルを比較す
る。
そして、プラスチックフィルムと反対側の強磁性金属薄
膜表面のO/(CoまたはCo+Ni)をC1とする。また、最下
層については、プラスチックフィルムまでエッチングが
行なわれ、Cがカウントされる直前のO/(CoまたはCo+
Ni)をC2とする。
イオンエッチングおよびオージエ分光分析ないしSIMSの
測定法は常法に従えばよい。
このように最上層表面の酸素濃度を相対的に高くするこ
とにより、保磁力Hcが高くなり、また、最下層の酸素濃
度を相対的に低くすることにより、最大残留磁束Φrお
よび角形比SQが高くなり、電磁変換特性がきわめて良好
な磁性層となる。
また、本発明の磁性層としての強磁性金属薄膜層では、
最上層と隣接する層の最上層との界面近傍の酸素濃度
C3、特にO/(CoまたはCo+Ni)原子比を最上層のプラス
チックフィルムと反対側の表面近傍での酸素濃度C1、特
にO/(CoまたはCo+Ni)原子比で除した値C3/C1は、0.
2〜3.0より好ましくは0.2〜2.0である。
この場合、プラスチックフィルムと反対側の強磁性金属
薄膜表面のO/(CoまたはCo+Ni)C1は前述と同様に測定
することができる。また、最上層に隣接する層の最上層
との界面近傍での酸素濃度C3については、最上層の膜厚
に対応するエッチング時のカウントからO/(CoまたはCo
+Ni)を算出し、これをC3とすればよい。ただ、各層に
おいては、通常の成膜条件下ではそのフィルム基体反対
面で酸素の濃度が最大となる。このため、通常は、イオ
ンエッチングを行ないながらOをカウントとしたとき、
膜内での極大値をC3とすればよい。
このように最上層表面の酸素濃度C1を相対的に高くする
ことにより、保磁力Hcが高くなり、また最上層の表面よ
り下の最上層に隣接する層との近傍までの部分の酸素濃
度を上記C1より相対的に低くすることにより、最大残留
磁束Φrおよび角形比SQが高くなり、電磁変換特性がき
わめて良好な磁性層となる。したがって、中心周波数5M
Hz程度の比較的磁界の浅い信号は、最上層で有効に保持
されるものとなる。
また、最上層に隣接する層の最上層との界面近傍での酸
素濃度C3を、上記C1との関係が前述のようにC3/C1が0.
1〜3.0となる範囲において、相対的に高くすることによ
り、この部分での保磁力Hcが高くなり、また、最上層に
隣接する層の最上層との界面近傍から下の部分の酸素濃
度を上記C3より相対的に低くすることにより、最大残留
磁束Φrおよび角形比SQが高くなり、電磁変換特性がき
わめて良好な磁性層となる。したがって、中心周波数0.
7MHz程度の比較的磁界の深い信号は、最上層の次の層以
下で有効に保持されるものとなる。
そして、上記C1とC3との関係が前述のようにC3/C1が0.
1〜3.0となるときに、磁性層の電磁変換特性、耐食性等
が最もバランスの良い優れた磁性層となる。
なお、表面近傍のO/(CoまたはCo+Ni)C1は、一般に0.
2〜0.7好ましくは0.3〜0.6である。
従って、フィルム界面近傍のO/(CoまたはCo+Ni)C2
0.06〜0.21、好ましくは0.09〜0.18である。
また、最上層に隣接する層の最上層近傍のO/(Coまたは
Co+Ni)C3は0.07〜0.6好ましくは0.1〜0.5である。
さらに、最上層の層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)C1 *
は0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4であることが好ま
しい。また、最下層の層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)
C2 *は、0.5以下、より好ましくは0.3以下であることが
好ましい。
また最上層に隣接する層の層全体でのO/(CoまたはCo+
Ni)は0.5以下、より好ましくは0.3以下であることが好
ましい。
このとき、電磁変換特性、耐食性、走行耐久性、磁性膜
強度等はきわめて良好となる。
この場合、3層以上の多層構造の場合、それらの各層の
層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)は、一般に、0.5以
下、好ましくは0.3以下とする。
なお、この場合、強磁性金属薄膜層の各層の表面では、
酸素が強磁性金属(Co、Ni)と酸化物を形成している。
すなわち、各層の表面から100〜2000Å、より好ましく
は500〜1000Åの厚さの範囲には、オージェ分光分析に
より、酸化物を示すピークが認められるものである。
本発明では、強磁性金属薄膜層表面とフィルム側界面と
の酸素濃度を規制するものであり、また、強磁性金属薄
膜層表面と最上層の隣接する層の最上層近傍との酸素濃
度を規制するものであり、そのとき本発明所定の効果が
実現するものである。
このため、強磁性金属薄膜の膜厚方向の酸素濃度プロフ
ァイルについては、通常、少なくとも最上層と最上層に
隣接する層との界面に酸素分布のピークが存在するもの
である。
なお、通常、強磁性金属薄膜は2層とすればよいが、必
要に応じ3層以上、特に3〜5層とすることもできる。
なお、このような強磁性金属薄膜中には、さらに他の微
量成分、特に遷移元素、例えばFe、Mn、V、Zr、Nb、T
a、Ti、Zn、Mo、W、Cu等が含まれていてもよい。
このような強磁性金属薄膜層は、好ましい態様におい
て、上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体から
なる。
この場合、強磁性金属薄膜層の厚さは、総計で0.05〜0.
5μm、好ましくは0.07〜0.3μmとされる。
そして、このような強磁性金属薄膜層の各層において、
最上層の厚さは、最下層の厚さよりも小さいものであ
る。
この場合、最上層の厚さと最下層の厚さとの比は0.2〜
0.9、より好ましくは0.4〜0.9の範囲であることが好ま
しい。
そして、3層以上の構成における中間に位置する層の厚
さは、通常、最上層の厚さと最下層の厚さの範囲内にあ
ればよい。
そして、柱状の結晶粒は各層の厚さ方向のほぼ全域に亘
る長さをもち、その長手方向は、基体の主面の法線に対
する最小角度が最上層では20〜90°、より好ましくは20
〜50°の範囲、最下層では50°以下、より好ましくは0
〜40°の範囲にて傾斜していることが好ましい。
この場合、3層以上の構成における中間に位置する各層
では、柱状結晶粒の基体主面法線に対する傾斜角度は、
通常、最上層と最下層における傾斜角度域内にあればよ
く、特に制限はない。
そして、この場合、相隣接する各磁性層の結晶粒の基体
主面法線に対する傾斜の向きは、媒体の長さ方向で同方
向であってよいが、好ましくは相対向する向きであるこ
とが好ましい。
このような、結晶粒の傾斜の向きを2層構成を例として
模式的に例示すると第1図および第2図のようになる。
第1図および第2図において、磁気記録媒体1は、基体
2上に強磁性金属薄膜下層部3および強磁性金属薄膜上
層部4とを有する。そして、強磁性金属薄膜下層部3内
の下層結晶粒5の傾斜の向き、強磁性金属薄膜上層部4
内の上層結晶粒6の傾斜の向きは、第1図では媒体の長
さ方向aで相対向する向きであり、第2図では媒体の長
さ方向aで同方向ある。
本発明では、第1図あるいは第2図のいずれの結晶粒傾
斜を有するものであってよいが、好ましくは、第1図に
示される結晶粒傾斜を有するものが好ましい。
なお、酸素は、表面部の柱状の結晶粒の表面に前記のと
おり化合物の形で存在するものである。
また、強磁性金属薄膜層の酸素の濃度勾配の如何には特
に制限はない。
また、結晶粒の短径は、50〜500Å程度の長さをもつこ
とが好ましい。
このように、強磁性金属薄膜層が多層構成をなすことに
より、柱状結晶粒の長さが小さいものとなるため強磁性
金属薄膜層の膜強度が向上する。
また、層厚が薄い最上層の柱状結晶粒が基体主面法線に
対し20〜90°の傾きを有し、特に50°以上の傾きを有す
るものがあるため、例えば比較的浅い磁界を有する中心
周波数5MHz程度の信号は最上層にて有効に保持され得る
ものとなる。
また、層厚が厚い最下層の柱状結晶粒が基体主面法線に
対し50°以下の傾きを有し、基体に対し立っている状態
を呈しているため、例えば比較的深い磁界を有する中心
周波数0.75MHz程度の信号は最下層等の最下層域にて有
効に保持され得るものとなる。
また、さらに、前述のように最上層の酸素濃度を高くす
ることにより、耐摩耗性に優れたCo、Ni、等の酸化物が
最上層に形成されるため、多層構造との相乗効果によ
り、強磁性金属薄膜層の膜強度がより高いものとなる。
本発明の磁気記録媒体に用いられる基体の材質として
は、非磁性プラスチックであれば特に制限はないが、通
常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6
−ナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、
全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド等を用い
る。
また、その厚さは8μm以下、特に5〜7μm程度であ
ることが好ましい。
この厚さが8μmをこえると媒体の小型化、長時間記録
等の目的は達成されない。また、この厚さがあまり薄く
なりすぎると、磁性層を上述のように多層構造として膜
強度を向上させた効果が相殺され、走行性、出力低下、
ヘッド摩耗等の問題が生じる。
そして、本発明の強磁性金属薄膜層の多層構造化による
電磁変換特性向上の効果は、基体の厚さを薄いものにし
た場合に、より顕著に現われるものである。
例えば、2層構造を例にとれば基体の厚さ10μmにおい
て、強磁性金属薄膜層を従来の単層構造から本発明の2
層構造にすることによる電磁変換特性の向上巾は、0.75
MHzの低周波領域の信号で+6(dB)程度、5MHzの高周
波領域の信号で+6(dB)程度であるが、基体の厚さを
7μmとした場合の向上巾は0.75MHzの低周波領域の信
号で+6(dB)程度で基体厚10μmの場合と同様である
が、5MHzの高周波領域の信号では+7.5(dB)程度まで
増大する。
このように、10μm厚の基体に比べ、7μm厚の基体に
おける電磁変換特性の向上が著しいのは、基体厚みを10
μmから7μmにすることにより、基体剛度不足による
ヘッドタッチが急激に悪化し5MHz等の高周波領域におい
て、この影響がより大きく、このような場合に本発明の
効果が発現されるものである。
このようなプラスチックフィルムの磁性層が設けられて
いない他方の面上には公知の種々の裏地層を設層するこ
とが好ましい。
裏地層の材質については特に制限はないが、特に顔料と
放射線硬化型樹脂とを含有するものが好ましい。裏地層
の膜厚は、0.05〜1.5μm、より好ましくは0.07〜1.0μ
mとされる。
本発明の磁気記録媒体の表面には、微細な突起が所定の
密度で設けられてもよい。
微細な突起は、30〜300Å、より好ましくは50〜250Åの
高さを有するものである。
すなわち、本発明の突起は、光学顕微鏡で観察でき、か
つ触針型表面粗さ計で測定できるものではなく、走査型
電子顕微鏡にて観察できる程度のものである。
突起高さが300Åをこえ、光学顕微鏡にて観察できるも
のとなると、電磁変換特性の劣化と、走行安定性の低下
をもたらす。
また、50Å未満となると、物性の向上の実効がない。
そして、その密度は1mm2あたり平均105個以上、より好
ましくは105〜109個、特に106〜108個である。
突起密度が密度が105個/mm2未満となると、ノイズが増
大し、スチル特性が低下する等物性の低下をきたし、実
用に耐えない。
また、109個/mm2をこえると、物性上の効果が少なくな
ってしまう。
なお、突起径は、一般に200〜1000Å程度とする。
このような突起を設けるには、通常、基体上に微粒子を
配設すればよい。微粒子径は、30〜1000Åすればよく、
これにより微粒子径に対応した微細突起が形成される。
用いる微粒子としては、通常、コロイド粒子として知ら
れているものであって、例えばSiO2(コロイダルシリ
カ)、Al2O3(アルミナゾル)、MgO、TiO2、ZnO、Fe
2O3、ジルコニア、CdO、NiO、CaWo4、CaCO3、BaCO3、Co
CO3、BaTiO3、Ti(チタンブラック)、Au、Ag、Cu、N
i、Fe、各種ヒドロゾルや樹脂粒子等が使用可能であ
る。この場合、特に無機物質を用いるものが好ましい。
このような微粒子は、各種溶媒を用いて塗布液とし、こ
れを基体上に塗布、乾燥してもよく、あるいは塗布液中
に各種水性エマルジョン等の樹脂分を添加したものを塗
布、乾燥してもよい。
また、樹脂分を用いる場合、これら微粒子にもとづく微
細突起に重畳してゆるやかな突起を設けることもどきる
が、通常はこのようにする必要はない。
もし必要であるならば、強磁性金属薄膜層の最上層と最
下層との間に非磁性金属薄膜層を介在させてもよい。
本発明において、磁性層の形成は、いわゆる斜め蒸着法
によって形成されることが好ましい。
この場合、基体法線に対する蒸着物質の最小入射角は最
下層設層時においては50°以下、最上層設層時において
は20〜90°、また3層以上の構造の場合における中間に
位置する層の設層時においては20〜50°とすることが好
ましい。
最小入射角がそれぞれ前記の入射角からはずれたものと
なると、電磁変換特性が低下する。
また、磁性層は一工程で2層以上を連続して設層しても
よいが、通常は、各層毎に蒸着工程にながして設層する
ことが好ましい。
このように磁性層の設層を各層毎に分けることにより、
前述のように基体法線に対する磁性柱状結晶粒の傾斜の
向きが相隣接する各層間で、媒体の長さ方向で相対向す
る向きとなる。
このように磁性層構成とすることにより、電磁変換特性
は極めて良好となる。
なお、蒸着雰囲気は、通常、アルゴン、ヘリウム、真空
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10-5
〜100Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基体搬送方
法、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条件と同様
にすればよい。
そして、酸素雰囲気での蒸着により、表面に金属酸化物
の被膜が形成される。なお、金属酸化物が形成される酸
素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
なお、表面に金属酸化物の被膜を形成するには、各種酸
化処理が可能である。
適用できる酸化処理としては下記のようなものがある。
1)乾式処理 a エネルギー粒子処理 特願昭58−76640号に記載したように、蒸着の後期に、
イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒子とし
て磁性層にさしむけるもの。
b.グロー処理 O2、H2O、O2+H2O等とAr、N2等の不活性ガスとを用い、
これをグロー放電してプラズマを生じさせ、このプラズ
マ中に磁性膜表面をさらすもの。
c.酸化性ガス オゾン、加熱水蒸気等の酸化性ガスを吹きつけるもの。
d.加熱処理 加熱によって酸化を行なうもの。加熱温度は60〜150℃
程度。
2)湿式処理 a.陽極酸化 b.アルカリ処理 c.酸処理 クロム酸塩処理、過マンガン酸塩処理、リン酸塩処理等
を用いる。
d.酸化剤処理 H2O2等を用いる。
さらに、本発明の媒体は、磁性層上に表面層を設層し
て、走行性をより一層向上することもできる。
表面層としては、公知の種々のものが適用でき、例え
ば、各種高分子物質被膜、ないしはこれに潤滑剤、酸化
防止剤、界面活性剤、無機微粒子等を含有させたもの
や、各種潤滑剤の塗膜ないし気相被着膜等がある。
表面層の厚さは、5〜300Å程度とする。
VI発明の具体的作用効果 本発明によれば、厚さ8μm以下の基体を用いるため、
媒体の小型化、長時間記録が可能となる。
また、磁性層が2層以上の層構成をなすことにより、磁
性柱状結晶粒の長さが小さいものとなるため磁性層の膜
強度が向上する。このため走行安定性がきわめて高く、
また、走行による磁性層のクラックや磁性面のケズレの
発生がきわめて少なく、ヘッド摩耗量もきわめて少ない
ものとなる。
また、最上層の柱状結晶粒が基体主面方線に対し20〜90
°の傾きを有し、特に50°以上の傾きを有するものがあ
り、同時に最下層の酸素濃度C2と最上層の酸素濃度C1
の比C2/C1が0.3以下であり、さらに、最上層に隣接す
る層の最上層界面近傍の酸素濃度C3と最上層の酸素濃度
C1との比が0.1〜0.3であることにより、最上層では保磁
力Hcが相対的に高くなり、比較的浅い磁界を有する中心
周波数が5MHz程度の信号有効に保持し、かつ分解能が良
好なものとなる。
さらに、最下層の柱状結晶粒が基体主面方線に対して50
°以下の傾きを有し、基体に対し立っている状態を呈し
ており、また、同時の最下層では最大残留磁束Φr、角
形比が高く、さらに、最上層に隣接する層の最上層界面
近傍では、保磁力Hcのピークが存在しているため、比較
的深い磁界を有する中心周波数0.75MHz程度の信号を有
効に保持するものである。
そして、上述の効果は、磁性層の最上層の厚さと最下層
の厚さとの比が0.2〜0.9となることにより、より顕著に
発現されるものである。
VII発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
実施例1 下記表1に示す厚さのポリエステル(PET)フィルムを
円筒状、冷却キャンの周面に沿わせて移動させ、O2+Ar
(容積比1:1)を毎分800ccの速さで流し真空度を1.0×1
0-4Torrとしたチャンバー内で、Co80、Ni20(重量比)
の合金を溶融し、入射角を表1に示す入射角として、斜
め蒸着により第1図に示されるCo−Ni−Oの2層薄膜を
形成した。
また、比較として、入射角30〜90°の部分のみ斜め蒸着
し膜厚0.15μmのCo−Ni−Oの単層薄膜を形成した。
酸素は下層と上層との界面およびベースと反対側の表面
に多く偏在していた。また、ベースと反対側の表面はほ
ぼ酸化物のみで覆われていた。
Hc=1000Oe。膜中の平均酸素量はCoとNiに対する原子比 で40%であった。
表1にはArにてイオンエッチングを行ないながら、オー
ジェ分光分析を行なって得たO/(CoまたはCo+Ni)原子
比のうち、C1(表面)、C1 *(上層平均)、C2(下層の
基体との界面)、C2 *(下層平均)、C3(下層の上層と
の界面近傍)が併記される。
なお、磁性層薄膜上のは、ミリスチン酸イソプロピルの
表面層を膜厚25Åにて設層し、また、基体裏面側には0.
5μm厚にてカーボン、シリカおよび放射線硬化樹脂を
含む裏地層を設層した。
このようにして形成した下記表1に示す各サンプルにつ
き、下記の測定を行なった。なお、媒体走行方向と下層
の基体法線に対する傾きの方向とを同一方向とした。
1)耐久性 温度20℃、湿度60%RHの条件下および温度40℃、湿度80
%RHの条件下でそれぞれ連続走行テストを行ない、出力
が2dB低下するまでのパス回数を求めた。
使用デッキ:SONY A−300 ヘッド :スパッタ センダスト 2)スチル耐久性 温度0℃の条件下で出力が6dB低下するまでの時間を求
めた。
使用デッキ:SONY A−300(スチル解除機構をはずして使
用した) ヘッド :スパッタセンダスト 3)電磁変換特性 中心周波数0.75MHzおよび5MHzの出力を測定しサンプルN
o.15の出力を0dBとした時の値を求めた。
使用デッキ:SONY A−300 ヘッド:スパッタセンダスト モード:SPモード なお、サンプルNo14(ベース厚7μm,磁性層構成:単
層)の出力に対するサンプルNo.1〜10(ベース厚7μm,
磁性層構成:2層)の出力の向上巾を表1の( )内に記
載した。
表1に示される結果より、本発明の効果は明かである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の磁気記録媒体の1実施例の媒体方向に
平行な断面の模式図である。 第2図は、本発明の磁気記録媒体の他の実施例の媒体方
向に平行な断面の模式図である。 符号の説明 1……磁気記録媒体 2……基体 3……強磁性金属薄膜下層部 4……強磁性金属薄膜上層部 5……下層結晶粒 6……上層結晶粒 矢印a……媒体長さ方向

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】厚さ8μm以下のプラスチックフィルム基
    体上に、 Coを主成分とする強磁性金属薄膜層を有し、 この強磁性金属薄膜層が2層以上の層からなる多層構造
    を有し、 強磁性金属薄膜層被着時の基体法線に対する被着物質の
    最小入射角が、基体側の最下層設層時は50°以下、基体
    と反対側の最上層設層時は20°〜90°であり、 最下層の基体側界面近傍の酸素濃度C2を最上層の基体と
    反対側表面近傍の酸素濃度C1で除した値C2/C1が0.3以
    下であり、最上層に隣接する層の最上層との界面近傍で
    の酸素濃度C3を最上層の基体と反対側表面近傍での酸素
    濃度C1で除した値C3/C1が0.2〜3.0であり、 最上層の厚さが、最下層の厚さよりも小さい磁気記録媒
    体を用い、 5MHz以上の高周波領域の信号を主として前記上層が保持
    し、0.75MHzないしその近傍の低周波領域の信号を主と
    して前記下層が保持するように磁気記録を行い、 前記信号出力を向上させる磁気記録方法。
  2. 【請求項2】強磁性金属薄膜層が2層構造を有する特許
    請求の範囲第1項に記載の磁気記録方法。
  3. 【請求項3】最上層の厚さが最下層の厚さの0.2〜0.9で
    ある特許請求の範囲第1項または第2項に記載の磁気記
    録方法。
  4. 【請求項4】前記高周波領域の信号の出力を向上させる
    特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかの磁気記録方
    法。
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