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JPH0760482B2 - 磁気記録方法 - Google Patents

磁気記録方法

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Publication number
JPH0760482B2
JPH0760482B2 JP61155593A JP15559386A JPH0760482B2 JP H0760482 B2 JPH0760482 B2 JP H0760482B2 JP 61155593 A JP61155593 A JP 61155593A JP 15559386 A JP15559386 A JP 15559386A JP H0760482 B2 JPH0760482 B2 JP H0760482B2
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JP
Japan
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layer
thin film
metal thin
ferromagnetic metal
magnetic
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JP61155593A
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充 高井
康二 小林
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TDK Corp
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TDK Corp
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Publication date
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Recording Or Reproducing By Magnetic Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体、特に金属薄膜型の磁気記媒体
を用いる磁気記録方法に関する。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テー
プ化して巻回したときのコンパクト性から、金属薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発に行なわれている。
このような金属薄膜型の媒体の磁性層としては、特性
上、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行なう、い
わゆる斜め蒸着法によって形成したCo系、Co−Ni系等か
らなる蒸着膜が好適である。
このような媒体では、小型化、長時間記録等のため、よ
り薄いフィルムを用いた媒体の研究が進められている
が、走行性、耐久性、強磁性金属薄膜の強度等の点で問
題が生じる。
そこで、これらの不都合を解消するため、フィルム裏面
に金属薄膜補強層を設ける旨の提案(特開昭56−16939
号、同58−97131号、同57−78627号、同57−37737号)
あるいはフィルム表面に微粒子を配設してヘッドタッ
チ、走行面で改良をなす旨の提案(特開昭58−68227
号、同58−100221号)等がなされている。
また、耐久性や電磁変換特性を向上させるために、強磁
性金属薄膜層を2層以上の多層構成とする旨の提案も種
々行なわれている(特開昭54−141608号、特公昭56−26
892号、特開昭57−130228号等)。
しかし、現状では、走行性、耐久性、強磁性薄膜強度が
良好で、かつ電磁変換特性の面でも不都合の生じない技
術は未だ実現していない。
II 発明の目的 本発明の目的は、媒体の走行性が良好で、走行による磁
性層のクラックやケズレが少なく、さらにヘッド摩耗量
およびドロップアウトが少なく、電磁変換特性の良好な
金属薄膜型の磁気記録媒体を用いる磁気記録方法を提供
することにある。
II 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明はプラスチックフィルム上にCoを主成
分とする厚さ0.05〜0.5μmの強磁性金属薄膜層を有
し、 この強磁性金属薄膜層が2以上の層からなる多層構造を
有し、 その最下層のプラスチックフィルム側界面近傍の酸素濃
度C2を最上層のプラスチックフィルムと反対側表面近傍
の酸素濃度C1で除した値C2/C1が0.3以下であり、 前記C1が0.2〜0.6であり、 最上層および全強磁性金属薄膜層の平均酸素濃度がそれ
ぞれ0.1〜0.5であり、 5MHz以上の高周波領域の信号を主として前記最上層が保
持し、0.75MHzないしその近傍の低周波領域の信号を主
として下層が保持するように磁気記録を行い、 前記高周波領域および低周波領域の信号の出力と走行耐
久性とを向上させる磁気記録方法である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明における磁性層としての強磁性金属薄膜層は少な
くとも2層からなる多層構造を有するものである。そし
て、本発明に用いる強磁性金属薄膜層は、Coを主成分と
し、これにOを含み、さらに必要に応じNiおよび/また
はCrが含有される組成を有する。
すなわち、好ましい態様においては、Co単独からなって
もよく、CoとNiからなってもよい。Niが含まれる場合、
Co/Niの重量比は1.5以上であることが好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜層中には、Crが含有されていて
もよい。
このような場合、Cr/CoあるいはCr/(Co+Ni)の重量比
は0.1以下、特に0.001〜0.1、より好ましくは0.005〜0.
05であることが好ましい。
さらに、本発明の強磁性金属薄膜中にはOが含有される
ものである。
強磁性金属薄膜中の層全体の平均酸素量は、原子比、特
にO/(CoまたはCo+Ni)の原子比で、最上層における平
均酸素量C1 は0.1〜0.5、好ましくは0.1〜0.4である。
平均酸素量がC1 が、0.1未満では耐食性、走行性、磁
性層のクラック、ケズレ等の点で不十分であり、0.5を
こえると、表面酸化物層が増大し、ヘッドとのスペーシ
ングによる出力の低下等の問題を生じる。
そして、最下層のプラスチックフィルムとの界面近傍で
の酸素濃度C2、特にO/(CoまたはCo+Ni)原子比を、最
上層のプラスチックフィルムと反対側の表面近傍での酸
素濃度C1、特にO/(CoまたはCo+Ni)原子比で除した値
C2/C1は0.3以下、より好ましくは0.15以下であることが
好ましい。
この場合、これら酸素濃度は、強磁性金属薄膜をAr等が
イオンミリングないしイオンエッチングしながら、オー
ジェ分光分析、SIMS(2次イオン質量分析)等を行な
い、測定することができる。
すなわち、イオンエッチングを行ないながらO,Co,Ni等
をカウントし、その膜厚方向のプロファイルを比較す
る。
そして、プラスチックフィルムと反対側の強磁性金属薄
膜表面のO/(CoまたはCo+Ni)をC1とする。また、最下
層については、プラスチックフィルムまでエッチングが
行なわれ、Cがカウントされる直前のO/(CoまたはCo+
Ni)をC2とする。
イオンエッチングおよびオージェ分光分析ないしSIMSの
測定法は常法に従えばよい。
このように最上層表面の酸素濃度を相対的に高くするこ
とにより、保磁力Hcが高くなり、また最下層の酸素濃度
を相対的に低くすることにより、最大残留磁束φrおよ
び角形比SQが高くなり、電磁変換特性がきわめて良好な
磁性層となる。
なお、表面近傍のO/(CoまたはCo+Ni)C1は、0.2〜0.
6、好ましくは0.3〜0.6である。
従って、フィルム界面近傍のO/(CoまたはCo+Ni)C2
0.06〜0.21、好ましくは0.09〜0.18である。
さらに、最上層の層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)C1
は0.1〜0.5、より好ましくは0.1〜0.4であることが好ま
しい。また、最下層の層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)
C2 は0.5以下、より好ましくは0.3以下であることが好
ましい。
このとき、電磁変換特性、耐食性、走行耐久性、磁性膜
強度等はきわめて良好となる。
この場合、3層以上の多層構造の場合、それらの各層の
層全体でのO/(CoまたはCo+Ni)は、一般に、0.5以
下、好ましくは0.3以下とする。
なお、この場合、強磁性金属薄膜層の各層の表面では、
酸素が強磁性金属(Co,Ni)と酸化物を形成している。
すなわち、各層の表面から100Å〜2000Å、より好まし
くは500〜1000Åの厚さの範囲には、オージェ分光分析
により、酸化物を示すピークが認められるものである。
本発明では、強磁性金属薄膜層表面とフィルム側界面と
の酸素濃度を規制するものであり、そのとき、本発明所
定の効果が実現するものである。
このため、強磁性金属薄膜の膜厚方向の酸素濃度プロフ
ァイルについては問わない。すなわち、膜厚方向にて酸
素が漸減してもよく、あるいは酸素分布が折線状をなし
たり、途中の分布、例えば多層膜界面にピークが存在し
てもよい。
なお、通常、強磁性金属薄膜は2層とすればよいが、必
要に応じ3層以上、特に3〜5層とすることもできる。
なお、このような強磁性金属薄膜中には、さらに他の微
量成分、特に遷移元素、例えばFe,Mn,V,Zr,Nb,Ta,Ti,Z
n,Mo,W,Cu等が含まれていてもよい。
このような強磁性金属薄膜層は、好ましい態様におい
て、上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体から
なる。
この場合、強磁性金属薄膜層の厚さは、総計で0.05〜0.
5μm、好ましくは0.07〜0.3μmとされる。
そして、このような強磁性金属薄膜層の各層の厚さの比
は特に制限はないが、例えば2層構成の場合、上層と下
層の厚さの比は好ましくは0.1〜10程度が好ましい。
そして、柱状の結晶粒は、各層の厚さ方向のほぼ全域に
亘る長さをもち、その長手方向が基体の主面の法線に対
して傾斜する角度は特に制限はない。そして、3層以上
の構成における中間に位置する各層では、柱状結晶粒の
基体主面法線に対する傾斜角度は、通常、最上層と最下
層における傾斜角度域内にあればよく、特に制限はな
い。
そして、この場合、相隣接する各磁性層の結晶粒の基体
主面法線に対する傾斜の向きは、媒体の長さ方向で同方
向であってよいが、好ましくは相対向する向きであるこ
とが好ましい。
このような、結晶粒の傾斜の向きを、2層構成を例とし
て模式的に例示すると第1図および第2図のようにな
る。
第1図および第2図において、磁気記録媒体1は、基体
2上に強磁性金属薄膜下層部3および強磁性金属薄膜上
層部4とを有する。そして、強磁性金属薄膜下層部3内
の下層結晶粒5の傾斜の向き、強磁性金属薄膜上層部4
内の上層結晶粒6の傾斜の向きは、第1図では媒体の長
さ方向aで相対向する向きであり、第2図では媒体の長
さ方向aで同方向である。
本発明では、第1図あるいは第2図のいずれの結晶粒傾
斜を有するものであってよいが、好ましくは、第1図に
示される結晶粒傾斜を有するものが好ましい。
このように、強磁性金属薄膜層が少なくとも2層以上の
層からなる多層構造を有することにより、柱状結晶粒の
長さが小さいものとなるため、強磁性金属薄膜層の膜強
度が向上する。
また、最上層の酸素濃度を、最下層の酸素濃度よりも、
前述のように相対的に高くすることにより、例えば比較
的浅い磁界を有し、中心周波数が5MHz程度の比較的高周
波数の信号は、最下層に比べ、相対的に保磁力Hcの高い
最上層側で有効に保持され、きわめて良好な分解能を有
するものとなる。
また、例えば比較的深い磁界を有する中心周波数0.75MH
z程度の信号は、最大残留磁束φr、角形比が最上層に
比べ相対的に高い最下層側で有効に保持され、きわめて
良好な電磁変換特性を有するものとなる。
また、さらに、最上層の酸素濃度を高くすることによ
り、耐摩耗に優れたCo,Ni等の酸化物が最上層に形成さ
れるため、多層構造との相乗効果により、強磁性金属薄
膜層の膜強度がより高いものとなる。
本発明の磁気記録媒体に用いられる基体の材質として
は、非磁性プラスチックであれば特に制限はないが、通
常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6
−ナフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリイ
ミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリサルフォン、
全芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、
ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド等を用い
る。また、その形状、寸法、厚さには制限はなく、用途
に応じたものとすればよい。
このようなプラスチックフィルムの磁性層が設けられて
いない他方の面上には公知の種々の裏地層を設層するこ
とが好ましい。
裏地層の材質については特に制限はないが、特に顔料と
放射線硬化型樹脂とを含有するものが好ましい。裏地層
の膜厚は、0.05〜1.5μm、より好ましくは0.07〜1.0μ
mとされる。
この膜厚が1.5μmをこえると、走行によって、磁性層
のクラックや磁性面ケズレが生じる。また、ヘッド摩耗
量が増大する。そして、ドロップアウトが増大する。ま
た膜厚が0.05μm未満となると、走行安定性が低下し、
ヘッドタッチ不良が生じ、出力低下やエンベロープ不良
が生じる。
本発明の磁気記録媒体の表面には、微細な突起が所定の
密度で設けられてもよい。
微細な突起は、30〜300Å、より好ましくは50〜250Åの
高さを有するものである。
すなわち、本発明の突起は、光学顕微鏡で観察でき、か
つ触針型表面粗さ計で測定できるものではなく、走査型
電子顕微鏡にて観察できる程度のものである。
突起高さが300Åをこえ、光学顕微鏡にて観察できるも
のとなると、電磁変換特性の劣化と、走行安定性の低下
をもたらす。
また、50Å未満となると、物性の向上の実効がない。
そして、その密度は1mm2あたり平均105個以上、より好
ましくは105〜109個、特に106〜108個である。
突起密度が105個/mm2未満となると、ノイズが増大し、
スチル特性が低下する等物性の低下をきたし、実用に耐
えない。
また、109個/mm2をこえると、物性上の効果が少なくな
ってしまう。
なお、突起径は、一般に200〜1000Å程度とする。
このような突起を設けるには、通常、基板上に微粒子を
配設すればよい。微粒子径は、30〜1000Åとすればよ
く、これにより微粒子径に対応した微細突起が形成され
る。
用いる微粒子としては、通常コロイド粒子として知られ
ているものであって、例えばSiO2(コロイダルシリ
カ)、Al2O3(アルミナゾル)、MgO、TiO2、ZnO、Fe
2O3、ジルコニア、CdO、NiO、CaWO4、CaCO3、BaCO3、Co
Co3、BaTiO3、Ti(チタンブラック)、Au、Ag、Cu、N
i、Fe、各種ヒドロゾルや、樹脂粒子等が使用可能であ
る。
この場合、特に無機物質を用いるのが好ましい。
このような微粒子は、各種溶媒を用いて塗布液とし、こ
れを基板上に塗布、乾燥してもよく、あるいは塗布液中
に各種水性エマルジョン等の樹脂分を添加したものを塗
布、乾燥してもよい。
なお、場合によっては、これら塗布液を基板上に配設す
るのではなく、磁性薄膜層上にトップコート層として配
設することもできる。
また、樹脂分を用いる場合、これら微粒子にもとづく微
細突起に重畳してゆるやかな突起を設けることもできる
が、通常はこのようにする必要はない。
もし必要であるならば、強磁性金属薄膜層の最上層と最
下層との間に非磁性金属薄膜層を介在させてもよい。
本発明において、磁性層の形成は、いわゆる斜め蒸着法
によって形成されることが好ましい。
この場合、基体法線に対する蒸着物質の最小入射角は、
特に制限はない。
また、磁性層は一工程で2層以上を連続して設層しても
よいが、通常は、各層毎に蒸着工程に流して設層するこ
とが好ましい。
このように、磁性層の設層を各層毎に分けることによ
り、前述のように、基体法線に対する磁性柱状結晶粒の
傾斜の向きが相隣接する各層間で、媒体の長さ方向で相
対向する向きとなる。
このような磁性層構成とすることにより、電磁変換特性
は極めて良好となる。
なお、蒸着雰囲気は、通常、アルゴン、ヘリウム、真空
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10-5
〜100Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基体搬送方
向、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条件と同様
にすればよい。
そして、酸素雰囲気での蒸着により、表面に金属酸化物
の被膜が形成される。なお、金属酸化物が形成される酸
素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
なお、表面に金属酸化物の被膜を形成するには、各種酸
化処理が可能である。
適用できる酸化処理としては下記のようなものがある。
1)乾式処理 a.エネルギー粒子処理 特願昭58−76640号に記載したように、蒸着の後期に、
イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒子とし
て磁性層にさしむけるもの。
b.グロー処理 O2,H2O,O2+H2O等とAr,N2等の不活性ガスとを用い、こ
れをグロー放電してプラズマを生じさせ、このプラズマ
中に磁性膜表面をさらすもの。
c.酸化性ガス オゾン、加熱水蒸気等の酸化性ガスを吹き付けるもの。
d.加熱処理 加熱によって酸化を行なうもの。加熱温度は60〜150℃
程度。
2)湿式処理 a.陽極酸化 b.アルカリ処理、 c.酸処理 クロム酸塩処理、過マンガン酸塩処理、リン酸塩処理等
を用いる。
d.酸化剤処理 H2O2等を用いる。
本発明の有機物のトップコート層は、放射線硬化型化合
物、すなわち放射線硬化型ポリマー、モノマー、オリゴ
マーの1種以上と、酸化防止剤と、さらに必要に応じ潤
滑剤とを含有し、かつ所定の密度と大きさの突起を有す
る強磁性金属薄膜上に設層されたものである。
さらに、本発明の媒体は、磁性層上に表面層を設層し
て、走行性をより一層向上することもできる。
表面層としては、公知の種々のものが適用でき、例え
ば、各種高分子物質被膜、ないしはこれに潤滑剤、酸化
防止剤、界面活性剤、無機微粒子等を含有させたもの
や、各種潤滑剤の塗膜ないし気相被着膜等がある。
表面層の厚さは、5〜300Å程度とする。
V 発明の具体的作用効果 本発明によれば、磁性層が2層以上の層構成をなすこと
により、磁性柱状結晶粒の長さが小さいものとなるため
磁性層の膜強度が向上する。このため、走行安定性がき
わめて高く、また、走行による磁性層のクラックや磁性
面のケズレの発生がきわめて少なく、ヘッド摩耗量もき
わめて少ないものとなる。
さらに、最下層の酸素濃度C2と最上層の酸素濃度C1との
比C2/C1が0.3以下C1が0.2〜0.6、全層平均の酸素濃度が
0.1〜0.5であることにより、最上層では保磁力Hcが相対
的に高くなり、比較的浅い磁界を有する中心周波数が5M
Hz程度以上の信号を有効に保持し、かつ分解能が良好な
ものとなる。また、最下層では、最大残留磁束φr、角
形比が高くなり、比較的深い磁界を有する中心周波数0.
75MHz程度の信号を有効に保持するものである。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
実施例1 下記表1に示す厚さのポリエステル(PET)フィルムを
円筒状、冷却キャンの周面に沿わせて移動させ、O2+Ar
(容積比1:1)を毎分800ccの早さで流し真空度を1.0×1
0-4Torrとしたチャンバー内で、Co80、Ni20(重量比)
の合金を溶融し入射角を表1に示す入射角として、斜め
蒸着により第1図に示されるCo−Ni−Oの2層薄膜を形
成した。
また、比較として、入射角30〜90゜の部分のみ斜め蒸着
し膜厚0.15μmのCo−Ni−Oの単層薄膜を形成した。
酸素は下層と上層との界面およびベースと反対側の表面
に多く偏在していた。また、ベースと反対側の表面はほ
ぼ酸化物のみで覆われていた。
Hc=1000 Oe。膜中の平均酸素量はCoとNiに対する原子
で40%であった。
表1にはArにてイオンエッチングを行ないながら、オー
ジェ分光分析を行なって得たO/(CoまたはCo+Ni)原子
比のうち、C1(表面)、C1 (上層平均)、C2(ベース
界面)、C2 (下層平均)C(全層平均)が併記され
る。
なお、磁性層薄膜上には、ミリスチン酸イソプロピルの
表面層を膜厚25Åにて設層し、また、基体裏面側には0.
5μm厚にてカーボン、シリカおよび放射線硬化樹脂を
含む裏地層を設層した。
このようにして形成した下記表1に示す各サンプルにつ
き、下記の測定を行なった。なお、媒体走行方向と、下
層の基体法線に対する傾きの方向とを同一方向とした。
1)耐久性 温度20℃、湿度60%RHの条件下、および温度40℃、湿度
80%RHの条件下で連続走行テストを行ない、出力が2dB
低下するまでのパス回数を求めた。
使用デッキ:SONY A−300 ヘッド:スパッタ センダスト 2)電磁変換特性 中心周波数0.75MHzおよび5MHzの出力を測定し、サンプ
ルNo.8の出力を0dBとした時の値を求めた。
使用デッキ:SONY A−300 ヘッド:スパッタ センダスト モード:SPモード 表1に示される結果より本発明の効果は明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の磁気記録媒体の1実施例の媒体方向
に平行な断面の模式図である。 第2図は、本発明の磁気記録媒体の他の実施例の媒体方
向に平行な断面の模式図である。 符号の説明 1……磁気記録媒体、 2……基体、 3……強磁性金属薄膜下層部、 4……強磁性金属薄膜上層部、 5……下層結晶粒、 6……上層結晶粒、 矢印a……媒体長さ方向

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックフィルム上にCoを主成分とす
    る厚さ0.05〜0.5μmの強磁性金属薄膜層を有し、 この強磁性金属薄膜層が2以上の層からなる多層構造を
    有し、 その最下層のプラスチックフィルム側界面近傍の酸素濃
    度C2を最上層のプラスチックフィルムと反対側表面近傍
    の酸素濃度C1で除した値C2/C1が0.3以下であり、 前記C1が0.2〜0.6であり、 最上層および全強磁性金属薄膜層の平均酸素濃度がそれ
    ぞれ0.1〜0.5であり、 5MHz以上の高周波領域の信号を主として前記最上層が保
    持し、0.75MHzないしその近傍の低周波領域の信号を主
    として下層が保持するように磁気記録を行い、 前記高周波領域および低周波領域の信号の出力と走行耐
    久性とを向上させる磁気記録方法。
JP61155593A 1986-07-02 1986-07-02 磁気記録方法 Expired - Fee Related JPH0760482B2 (ja)

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JPS6310315A (ja) 1988-01-16

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