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JPH0764667B2 - 緩効化粒状有機肥料の製造方法 - Google Patents

緩効化粒状有機肥料の製造方法

Info

Publication number
JPH0764667B2
JPH0764667B2 JP4285122A JP28512292A JPH0764667B2 JP H0764667 B2 JPH0764667 B2 JP H0764667B2 JP 4285122 A JP4285122 A JP 4285122A JP 28512292 A JP28512292 A JP 28512292A JP H0764667 B2 JPH0764667 B2 JP H0764667B2
Authority
JP
Japan
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fertilizer
granulation
urea
organic fertilizer
formaldehyde
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP4285122A
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English (en)
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JPH06116075A (ja
Inventor
煦 芦田
隆夫 池田
浩行 大澤
智孝 浅野
善彦 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ASAHI INDUSTRIES CO., LTD.
Original Assignee
ASAHI INDUSTRIES CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ASAHI INDUSTRIES CO., LTD. filed Critical ASAHI INDUSTRIES CO., LTD.
Priority to JP4285122A priority Critical patent/JPH0764667B2/ja
Publication of JPH06116075A publication Critical patent/JPH06116075A/ja
Publication of JPH0764667B2 publication Critical patent/JPH0764667B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C05FERTILISERS; MANUFACTURE THEREOF
    • C05CNITROGENOUS FERTILISERS
    • C05C9/00Fertilisers containing urea or urea compounds
    • C05C9/02Fertilisers containing urea or urea compounds containing urea-formaldehyde condensates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Fertilizers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は有機肥料にスラリー状の
尿素、ホルムアルデヒド混合物を添加しながら造粒する
ことにより、微生物分解を抑制し、肥料効果を緩効化さ
せた有機物含有粒状肥料の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、農作物の安全性の向上、高品質化
への要求が高まっている。また、園芸作物栽培では、土
壌病害など、連作障害の防止が重要な問題となってい
る。このため、有機肥料が見直されるようになり、その
使用量も年々増加の傾向にある。また、有機肥料は無機
肥料に比較して緩効的であるため、無追肥栽培や、1回
の施肥で2連作が可能となる等、施肥作業の省力化の効
果があり、更に施肥効率の向上による肥料成分の流亡が
抑制され環境問題にも好影響を及ぼす。最近の機械施
肥、マルチ栽培の普及に伴い、播きむらを防止し、効率
良く施肥するために、粒状の有機物含有肥料が製造さ
れ、実用化に至っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、有機肥料にお
いては特に植物油かす肥料の場合、施肥直後の発芽障
害、活着不良などの生育障害が問題とされる。また、有
機肥料は微生物により分解されて無機化するが、無機化
は一般的に、初期にその40%程度におよび、その後、
緩やかな無機化を続ける。このように初期の分解性が高
いため、栽培期間が長くなると追肥が必要となる。初期
の生育障害は、有機肥料の急速な分解、無機化の際に発
生する有機酸など、阻害物質の発生が原因と考えられて
いる。さらに、有機肥料のみでは低成分のため、施肥量
が多量となり、施肥作業量が増大するという欠点も有す
る。
【0004】肥効を緩効化するために、硫黄、その他無
機物質粉末、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などで無機肥
料の表面を被覆して肥料成分の溶出を抑制する方法が開
発され、そのいくつかは実用化に至っている。しかし、
硫黄等の無機物質粉末で被覆された肥料は、被覆性能に
問題があり充分な溶出コントロールがなされていない。
また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂などを被覆材として
用いた肥料はコストが高く一般園芸作物での使用は採算
上難しい。また、初期に溶出が抑制されているため、初
期生育時の肥効が充分でなく、肥効を補うために施肥時
に無機肥料も同時に施用している例が見られる。さら
に、被覆樹脂は分解性がほとんどないため長期に渡って
樹脂の殻が土壌中に残存したり、製造時にテトラクロロ
エチレンのような有害な溶剤を使用するなど、環境に悪
影響を及ぼしかねない。又高品質園芸作物栽培では有機
質肥料の併用が必要となり、作業効率が悪い。
【0005】これらのことから、有機肥料が有している
安全性に加え、微生物分解性を改善、さらに緩効化され
た粒状有機肥料の出現が望まれていた。
【0006】有機肥料の品質向上の手段として、これま
でに有機肥料にスラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混
合物を添加する方法が、または緩効性窒素入り複合肥料
の製造方法として、尿素とホルムアルデヒドの混合時に
肥料原料を混合するいくつかの方法が提案されている。
(特公昭63−28878、特開平2−16068
5、特公平2−54315)。
【0007】しかし上記の方法においては高含水有機
物の腐敗防止を目的とするものであり、その結果ウレア
ホルム入り肥料が生成する。この発明においては尿素/
ホルムアルデヒドのモル比は1.33以上と特定されて
おり、このような大きなモル比では縮合時に反応系に含
まれない遊離尿素が多くなり、緩効性肥料としてのウレ
アホルムの品質が劣る。
【0008】また上記の方法においては、有機肥料施
用による作物の生育障害の防止を目的としているが、尿
素/ホルムアルデヒドのモル比は前記の方法とは逆に
1.32以下に抑えられている。このような小さいモル
比の尿素、ホルムアルデヒド混合物は反応条件をコント
ロールしないと急速に縮合反応を起こし、高度に樹脂化
するので、難分解性で肥効の発現しないウレアホルムが
生成する。また、スラリーとしての安定性も乏しく、ス
ラリー添加が困難であり、スラリーの貯蔵性及び肥料造
粒中の均一な分散にも問題があるが、このような課題の
解決法は示されていない。
【0009】更に上記の方法では、尿素とホルムアル
デヒドを混合しスラリー状で長期的に安定させることの
困難性を指摘しているが、その具体的な解決法は示され
ていない。また土地肥沃剤の具体例がすべて無機肥料で
あり、最適造粒水分は比較的低水分である。このため、
高水分のスラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混合物を
使用すると水分過剰となって造粒が困難となるため、そ
の使用割合は大きく限定される。
【0010】本発明者らは、このような現状に鑑み、特
に有機肥料の微生物分解、無機化を抑制して、有機肥料
にさらに緩効性を与えるため、鋭意研究を重ねた結果、
有機肥料に、特定のモル比条件で混合したスラリー状の
尿素、ホルムアルデヒド混合物を添加しながら厳密にコ
ントロールされた条件下で造粒および肥料粒子の乾燥中
に縮合反応させ、ウレアホルム化させることにより、肥
料粒子内が均一な緩効度の高いウレアホルムで充填さ
れ、微生物の進入がコントロールされ、肥効を適度に緩
効化することができ、これによって始めて、上記の課題
を解決できることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は尿素とホルムア
ルデヒドとを尿素/ホルムアルデヒドのモル比が1.0
〜1.4となるようにし、かつアルカリ性物質を添加し
てpH6.7〜7.3の条件下で混合して得られたスラ
リーを有機肥料に添加し、次いで造粒開始から少くとも
造粒終了直前までの造粒工程におけるpHを5〜6に保
ち、且つ造粒時40〜80℃、乾燥時80〜90℃の温
度で造粒及び乾燥を行うことを特徴とする緩効化粒状有
機肥料の製造方法であり、より好ましくは上記造粒工程
において造粒終了直前にpHを6.7〜7.3に上げ、
以後の造粒及び乾燥工程をこのpH範囲で行う方法であ
る。ここに造粒終了直前とは造粒終了時から起算して、
全造粒工程期間の10%前までの時点をいう。
【0012】本発明において用いられる有機肥料は、骨
粉、皮粉、なたね油かす、大豆油かす、乾燥菌体肥料、
魚かすなど、特に限定されるものではない。無機肥料、
例えば過りん酸石灰などは粘着性があり、スラリー状の
尿素、ホルムアルデヒド混合物により造粒した場合大粒
径の粒状物となってしまう。一方、有機肥料はそれ自体
では低比重、低凝集力のため造粒が困難とされていた
が、メチレン化反応後の縮合物の粘着性を利用して容易
に造粒することができる。また有機肥料の物理的緩衝作
用により造粒中の水分コントロールが容易となり、更に
メチレン化反応後の縮合物の粘着性を緩和させる効果が
あり、固結を防止し良好な粒状物が得られる。このよう
に本発明は有機肥料の存在下でスラリー状の尿素、ホル
ムアルデヒド混合物を添加しながら造粒することにより
格別の効果を奏するものであり、有機肥料の造粒に特に
適した方法である。しかしこのような有機肥料は適当量
の無機肥料と混合されたものでも良い。混合される無機
肥料としては、尿素、硫酸アンモニア、リン安、過りん
酸石灰、硫酸加里、塩化加里など特に限定されない。混
合肥料の場合、全肥料中の有機肥料の含有量は20重量
%〜100重量%が適当であるが、安定的な緩効化粒状
有機肥料を製造するには、全肥料中の有機肥料の含有量
は50重量%〜100重量%が好ましい。
【0013】本発明におけるスラリー状の尿素、ホルム
アルデヒド混合物は尿素とホルムアルデヒドのモル比が
1.0〜1.4好ましくは1.2〜1.3のものとす
る。水分含有量は35重量%〜45重量%とするのが好
ましい。
【0014】スラリー生成時のpHは6.7〜7.3の
範囲に調節する。これはスラリーの安定性、貯蔵性、配
管輸送時の流動性、他肥料原料と混合する時の分散性を
確保するのに必要である。尿素、ホルムアルデヒドを上
記のモル比で混合した状態では酸性が強く、直ちに縮合
反応が進行し、固化してスラリー状態が保持できない。
pHはアンモニア水、MgO,KOH等のようなアルカ
リ性物質を添加することにより所望の範囲に調整するこ
とができる。
【0015】スラリー生成時の温度は常温で行うことが
できる。通常は30℃以下で撹拌しながら貯蔵する。
【0016】このような条件で生成させたスラリー状尿
素、ホルムアルデヒド混合物スラリーを有機肥料に添加
し、造粒、乾燥することにより縮合反応により緩効度の
高いウレアホルムが生成し、粒状の有機肥料が得られ
る。造粒開始時の条件はpH5〜6、温度40〜80℃
で行う。pHの調整は硫酸水溶液、りん酸水溶液等で行
うことができる。本発明においては有機肥料のpH緩衝
作用により、混合物のpHを緩慢に調節し、メチレン化
をゆっくりと進行させることができる。
【0017】pHはそのまま造粒の終期まで、及びそれ
に続く乾燥工程まで5〜6に保ったままでも良いが、よ
り好ましい実施態様においては造粒工程の大部分をpH
5〜6に保って造粒を行った後、造粒終了直前にpH
6.7〜7.3に上げ、造粒の最終工程及び乾燥工程を
上記pH範囲で行う。このようにpHを段階的に調整す
ることにより、初期段階で樹脂化を促進させ、その後は
樹脂化を抑制することができるので、緩効化効果のすぐ
れた粒状肥料が得られ、より好ましい。
【0018】造粒及び乾燥温度は造粒時40〜80℃、
乾燥時80〜90℃とする。造粒時温度を40〜80℃
に保つことにより、縮合反応を促進させ、短時間での縮
合反応が可能となる。しかしこの範囲よりも高温で行う
と、樹脂化が進み過ぎ、高品質の緩効化肥料が得られな
い。
【0019】又乾燥工程では縮合を引続き進行させなが
ら水分を蒸発させ、縮合反応が終結する。乾燥温度が8
0℃以下では十分な乾燥がなされないが、90℃以上の
高温にすると、高度に樹脂化され、肥効のないウレアホ
ルムが生成するので好ましくない。
【0020】反応時間は造粒時、乾燥時とも20〜40
分の間で行うのが好ましい。縮合反応が進み過ぎないた
めに、比較的短時間で終結させる必要がある。
【0021】縮合反応には必要に応じて酸触媒として1
%りん酸水溶液、1%硫酸水溶液などを使用しても良い
が、特に触媒の使用を必須とするものではない。
【0022】有機肥料を造粒する際に添加するスラリー
状の尿素、ホルムアルデヒド混合物の量は有機肥料の割
合、種類および混合される有機肥料の割合、種類によっ
て異なるが、通常、肥料に対して10重量%〜60重量
%である。しかし安定的な緩効果粒状有機肥料を製造す
るには、スラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混合物の
使用量は肥料に対して40〜60重量%が好ましい。
【0023】造粒装置は、通常用いられている回転円筒
型造粒機、ペレット式造粒機、ブリケット式造粒機など
の中から任意に選択できる。また、乾燥装置は回転円筒
型乾燥機、流動層型乾燥機、バンド型乾燥機などの中か
ら適当な機種を選択すれば良い。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記特定の製造条件により、ス
ラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混合物を粉体肥料に
添加しながら造粒することにより、次のような効果を奏
する。
【0025】(1) 尿素/ホルムアルデヒドのモル比を比
較的低くしたことにより、遊離の尿素の割合が少なくな
る。
【0026】(2) しかし、上記モル比を低くしただけで
は、高度に縮合して肥効のないウレアホルムになる恐れ
があるが、本発明ではpH、温度のコントロールを厳密
に行い、スラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混合物に
安定性、貯蔵性を付与し、且つ短時間で反応を終結させ
ることにより、また有機肥料のpH緩衝作用によりpH
が緩慢に調整され、メチレン化が緩やかに進行すること
により、緩効性窒素部分の割合が高いウレアホルムを肥
料粒中に均一に分散させることが可能となる。
【0027】(3) 有機肥料の物理的緩衝作用により造粒
物の含有し得る水分の許容範囲が大きくなり、造粒中の
水分コントロールが容易となる。また造粒の際の有機肥
料の粘度低下効果によりメチレン化反応後の縮合物の粘
着性緩和による装置内付着、造粒物同士の付着も低減さ
れる。また乾燥に特別な装置を必要とせず、乾燥エネル
ギーの低減がはかられ、生産性の向上、生産コストの低
減に寄与する。
【0028】(4) また一般的に造粒しにくいとされてい
る有機肥料をメチレン化反応後の縮合物の粘着性を利用
することによって、造粒性が向上し低水分造粒が可能と
なり、乾燥エネルギーの低減になる。
【0029】(5) かくして粒状肥料中に均一にウレアホ
ルムが充填されることにより、粒状肥料中の有機肥料と
土壌中の微生物との接触が制限され、微生物分解が抑制
される。ウレアホルムは微生物により徐々に分解され、
有機肥料と土壌との接触面積も徐々に拡大するため、肥
効が発現する。以上、ウレアホルムの緩効化、有機肥料
と土壌との接触を制限することによる微生物分解の抑制
の二元的効果により、肥料が理想的な緩効性となる。
【0030】(6) 原料はすべて普通肥料原料であるの
で、樹脂被覆肥料のように樹脂の殻が土壌中に残存する
ことがない。
【0031】(7) これらの効果により、高品質作物の栽
培に適した緩効度の高い粒状有機肥料の製造が可能とな
る。
【0032】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。先ず実施例1および比較例1〜3により尿素、ホ
ルムアルデヒド縮合物の製造条件の縮合物物性に与える
影響を調べた。
【0033】[実施例1]尿素/ホルムアルデヒドのモ
ル比が1.25となるよう、尿素150gと濃度が37
重量%のホルムアルデヒド水溶液162gを混合、撹拌
しながら温度30℃の温湯に置いた。
【0034】酸化マグネシウムを添加してpHを7.2
に調整し、60分間30℃にて放置した。40重量%ク
エン酸水溶液を添加してpHを6.0に調整し、36分
間40℃にて放置した。酸化マグネシウムを添加してp
Hを7.2に調整し、4分間40℃で縮合反応させた後
90℃で乾燥し、製品を得た。
【0035】得られた製品の窒素全量、アンモニア態窒
素、尿素態窒素、冷水不溶性窒素(25±2℃の水に不
溶な窒素)、熱緩衝液不溶性窒素(pH7.5±0.2
の沸騰しているりん酸塩緩衝液に不溶の窒素)を測定
し、活性係数を下記の計算方法により算出した。 これらの結果を表1に示す。
【0036】[比較例1]尿素/ホルムアルデヒドのモ
ル比が2.0となるよう、尿素150gと濃度が37重
量%のホルムアルデヒド水溶液101gを混合、撹拌し
ながら温度30℃の温湯に置いた。以下の操作は実施例
1と同様にして縮合反応を行い製品を得た。得られた製
品について実施例1と同様の測定を行った。結果を表1
に併せて示す。
【0037】[比較例2]尿素と濃度37重量%のホル
ムアルデヒド水溶液とを、実施例1と同様の量、操作で
混合し、実施例1で行なったpH調節を行なうことな
く、そのまま撹拌しながら60分間30℃で放置、続い
て40分間40℃で放置したのち、90℃で乾燥し製品
を得た。縮合反応時のpHは4.2であった。得られた
製品について実施例1と同様にして窒素全量、冷水不溶
性窒素、熱緩衝液不溶性窒素を測定し、活性係数を算出
した。結果を表1に併せて示す。
【0038】[比較例3]縮合反応温度及び乾燥温度を
100℃とする以外は、実施例1と同様の操作を行い、
製品を得た。製品の窒素全量、冷水不溶性窒素、熱緩衝
液不溶性窒素を測定し、活性係数を算出した。結果を表
1に併せて示す。
【0039】
【表1】
【0040】表1に示すとおり、本発明の実施例1では
尿素/ホルムアルデヒドモル比を小さくしたことによ
り、得られた製品は比較例1で得られた製品に比較し
て、反応系に含まれない遊離の尿素の割合が少なく、熱
緩衝液に可溶する窒素の割合が多い。また、pHおよび
反応温度をコントロールしたことにより、比較例2〜3
で得られた製品に比較して、活性係数が高いことが確認
された。
【0041】[実施例2]なたね油かす1350g、脱
こう骨粉510g、蒸製毛粉450g、乾燥菌体肥料2
10gを混合しその混合物に尿素/ホルムアルデヒドの
モル比が1.25、酸化マグネシウムにてpHを7.2
に調整し60分間、30℃にて放置したスラリー状の尿
素、ホルムアルデヒド混合物1050gを添加し加水し
ながら皿型造粒機にて造粒操作を行った。その際、造粒
物のpHが6.0になるように70重量%硫酸水溶液を
添加しながら造粒操作を行った。
【0042】造粒操作を行った後の造粒物を80℃の恒
温箱型乾燥機に入れ、乾燥した。得られた乾燥造粒物を
2mmおよび4mmの篩で篩別し、2〜4mmの粒状物
を製品粒状肥料として、全乾燥粒状物に対する製品粒状
肥料の重量%を製品歩留まりとした。また、製品粒状肥
料の中から任意に20粒取り出し、木屋式硬度計で硬度
を測定し、平均粒子硬度を求めた。これらの結果を表2
に示す。また、上記と同配合比率の配合物200gに水
を随時添加しながら、山崎式回転トルクメーターにて回
転抵抗値の変化を測定した。結果を図1に示す。
【0043】[比較例4]実施例2で用いたなたね油か
す、脱こう骨粉、蒸製毛粉、乾燥菌体肥料の有機肥料混
合物のかわりに、りん酸2アンモニア804g、硫酸ア
ンモニア684g、塩化カリ750gを混合し、これと
実施例2で用いた尿素、ホルムアルデヒド混合物を添加
し、以下、水を添加しないこと、70重量%硫酸水溶液
のかわりに40重量%クエン酸水溶液を使用すること以
外は実施例2と同様の方法で製品粒状肥料を製造し、実
施例2と同様の測定を行った。結果を表2および図1に
併せて示す。
【0044】[比較例5]なたね油かす1350g、脱
こう骨粉510g、蒸製毛粉450g、乾燥菌体肥料2
10gを混合し、尿素、ホルムアルデヒド混合物を添加
せずに加水しながら、以後実施例2と同様の方法で製品
粒状肥料を製造し、同様の測定を行った。これらの結果
を表2および図1に併せて示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2に示すとおり、本発明の実施例2では
製品歩留り、乾燥後の製品硬度とも良好な粒状製品肥料
が得られたが比較例4では、全量4mm以上の大粒とな
ってしまい、製品粒状肥料は得られなかった。また、有
機肥料のみを造粒した比較例5の製品は実施例2に比較
して製品歩留り、製品硬度ともに劣っていた。
【0047】また図1から明らかなように、無機肥料を
用いた比較例4においては、原料を配合した時点で回転
抵抗値のピークを越える水分量となった。これにより、
無機肥料の物理的緩衝作用はスラリー状の尿素、ホルム
アルデヒド混合物を使用して粒状肥料を製造するには不
十分であることが確認された。
【0048】また実施例2で測定された回転抵抗値は、
有機肥料のみで造粒した比較例5で測定された回転抵抗
値に比べて低い水分率のときにピークが得られた。これ
により、スラリー状の尿素、ホルムアルデヒド混合物を
使用して有機肥料を造粒すると、これを使用しないで有
機肥料を造粒する場合に比べて低水分で造粒が可能であ
ることが確認された。
【0049】[実施例3]脱こう骨粉650g、蒸製皮
革粉450g、なたね油かす450g、ひまし油かす3
10gを混合しその混合物に尿素/ホルムアルデヒドの
モル比が1.25、酸化マグネシウムにてpHを7.2
に調整し60分間30℃で放置したスラリー状の尿素、
ホルムアルデヒド混合物384gを添加し、加水しなが
ら皿型造粒機にて造粒操作を40分間40℃で行った。
その際、造粒物のpHが6.0になるように造粒開始と
同時に70重量%硫酸水溶液を添加し、造粒終了4分前
に造粒物のpHを7.2にするために酸化マグネシウム
を添加した。
【0050】造粒操作を行った後の造粒物を80℃の恒
温箱型乾燥機に入れ、乾燥した。得られた乾燥造粒物を
2mmおよび4mmに篩で篩別し、2〜4mmの粒状物
を製品粒状肥料として無機化試験に供試した。無機化率
は下記の方法により測定した。これらの結果を表3に示
す。
【0051】無機化試験法 畑地土壌(神川沖積土)の風乾土壌を2mmのふるいで
ふるい分け、ふるい下を供試した。乾土50gに対し
(N50mg/100g乾土)相当量の上記粒状肥料を
混合し、200mlのポリビンに入れ、最大容水量の5
0%になるように水を加え、ふたをした後30℃に静置
する。所定期間後サンプルを含む土壌を全量1リットル
のポリビンに移し10%KCl水溶液500ml加え、
30分間震とうし、濾液50mlを水蒸気蒸留法でアン
モニア態窒素(AN)、硝酸態窒素(NN)を分析す
る。これより無機化率を次式により計算する。
【0052】[比較例6]尿素/ホルムアルデヒドのモ
ル比が1.25となるよう、尿素225gと濃度が37
重量%ホルムアルデヒド水溶液243gを混合、撹拌し
ながら温度30℃の温湯に置いた。酸化マグネシウムを
添加してpHを7.2に調整し、60分間30℃で放置
した。40重量%クエン酸水溶液を添加することにより
pHを6.0に調整し、36分間40℃で放置した。酸
化マグネシウムを添加してpH7.2に調整し、4分間
40℃で縮合反応させた後80℃で乾燥し、ウレアホル
ムを得た。
【0053】上記ウレアホルム228gと脱こう骨粉6
50g、蒸製皮革粉450g、なたね油かす450g、
ひまし油かす310gを混合し、加水しながら皿型造粒
機にて造粒操作を40分間40℃にて行った。造粒操作
を行った後の造粒物を80℃の恒温箱型乾燥機に入れ、
乾燥した。得られた乾燥造粒物を実施例3と同様にして
篩別し、2〜4mmの粒状物を製品粒状肥料として無機
化試験に供試した。結果を表3に併せて示す。
【0054】
【表3】
【0055】表3に示すとおり、有機肥料にスラリー状
の尿素、ホルムアルデヒド混合物を添加しながら造粒す
る本発明方法により得られた製品は、比較例6のウレア
ホルムを縮合反応させた後有機肥料と混合して得られた
製品に比較して無機化速度が遅く、肥効が緩効化してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法による有機肥料の造粒物および他の
方法による造粒物の水分率と回転抵抗値との関係を示す
図である。
【符号の説明】 本発明の有機肥料造粒物(実施例2) 無機肥料造粒物(比較例4) 尿素、ホルムアルデヒド混合物を使用せずに造粒し
た有機肥料造粒物(比較例5)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C05F 1:00 5:00 11:08) (72)発明者 浅野 智孝 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 朝日 工業株式会社内 (72)発明者 久保 善彦 東京都豊島区東池袋三丁目1番1号 朝日 工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−160685(JP,A) 特開 平2−54315(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 尿素とホルムアルデヒドとを尿素/ホル
    ムアルデヒドのモル比が1.0〜1.4となるように
    し、かつアルカリ性物質を添加してpH6.7〜7.3
    の条件下で混合して得られたスラリーを有機肥料に添加
    し、次いで造粒開始から少くとも造粒終了直前までの造
    粒工程におけるpHを5〜6に保ち、且つ造粒時40〜
    80℃、乾燥時80〜90℃の温度で造粒及び乾燥を行
    うことを特徴とする緩効化粒状有機肥料の製造方法。
  2. 【請求項2】 造粒終了直前までの造粒工程のpHを5
    〜6に保ち、それ以後の造粒及び乾燥工程におけるpH
    を6.7〜7.3に保つことを特徴とする請求項1記載
    の緩効化粒状有機肥料の製造方法。
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