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JP4487097B2 - 粒状緩効性窒素肥料 - Google Patents

粒状緩効性窒素肥料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、土壌中への肥料成分、とりわけ窒素成分の溶出速度が制御可能な粒状緩効性窒素肥料に関する。詳しくは、土壌中への肥料成分(窒素)の溶出が安定して行われ、被覆等を用いず、そして緩効性肥料の粒径が同等でも溶出速度の異なる粒状緩効性窒素肥料に存する。
【0002】
【従来の技術】
農作物の栽培には、その生長段階に応じた肥料が必要であり、その必要時期に合わせるために従来から元肥、追肥等、作物の収穫までに数回の施肥を行ってきた。近年、農業が近代化され、また農業人口の減少に伴い、より手間の掛からない、施肥回数が少なくて済む肥料の開発が求められ、肥料成分の溶出を作物の養分要求特性に適合させるように制御すべく様々な肥料が開発された。
【0003】
例えば速効性窒素肥料の施肥に際しては、作物に対する高窒素濃度障害の回避や窒素肥料の利用率向上の為に、必要量を数回に分けて施肥が行われている。
一方で、緩効性窒素肥料、例えば尿素―イソブチルアルデヒド縮合物(イソブチリデン2尿素。以下、「IBDU」と記すことがある。)に代表される尿素−アルデヒド類縮合物は、水への溶解度が低いために土壌中では徐々に分解することを利用したものであり、必要量を一度に施肥することが可能であり施肥作業が省力化でき、また溶脱・流亡が生じ難いので作物の利用効率が高いという利点がある。またこの様な緩効性肥料においては、その溶解速度が粒状緩効性肥料の表面積に比例するので、比表面積を調整すべく肥料の粒径を変え、施肥条件に見合う溶解速度を有する粒状緩効性肥料とすることがなされていた。
【0004】
近年では、窒素、燐酸、加里等の各種肥料成分を含有する肥料を施肥前にブレンドし用いる、いわゆるバルクブレンド肥料(以下「BB肥料」と記すことがある。)が普及してきている。このような肥料では、肥料成分の偏りの原因となる分級、つまり保存容器中や施肥機械中に於いて、大きい粒は上に、小さい粒は下に集まることを防止するため、各種肥料の粒径をそろえることが重要となっている。また、側条施肥機やブロードキャスター等の各種施肥機を用いた機械施肥方法も、省力化の要望に応え盛んになってきている。このような機械を用いた施肥の際には、一つの機械で扱える粒状肥料の粒子径が限られている。よってこの様な施肥方法に用いる場合には、窒素を主成分とする肥料に於いても、窒素成分以外の、燐酸成分や加里成分含有粒状肥料と粒子径をそろえる必要がある。
【0005】
しかし従来の粒状緩効性肥料、とりわけ粒状緩効性窒素肥料においては、粒子径を調整することによって溶出速度の異なる粒状緩効性窒素肥料としているので、その使用が限られてしまうという問題が生じてきた。更にBB肥料や機械施肥方法に用いる肥料においては、先述の通り、粒度分布が揃った、且つ粒硬度の比較的高い粒状肥料を用いる為に、従来からの緩効性窒素肥料、例えば尿素―アルデヒド類縮合物等であっても、粒子径が小さく、そして比較的大きな粒子径を有するものを製造することが困難である上に、硬度が低いので、BB肥料や機械施肥方法に供する窒素成分肥料としては問題があった。
【0006】
これに対し、尿素―アルデヒド類縮合物を造粒した硬度の高い緩効性窒素肥料の製造方法等が提案されている(特許文献1参照)。この方法によって平均粒径が2〜4mmの緩効性窒素肥料を得ることが出来、BB肥料や機械施肥に用いうるものが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平2−289479号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこのような緩効性窒素肥料を用いたBB肥料等に於いても、その平均粒径は一般的に2〜4mm程度であり、この限られた粒径の範囲内では、肥料成分(窒素)の溶出速度パターンが極めて限られており、多種多様な植物の栽培期間に適合する溶出パターンを有する肥料とはなりえないという問題があった。例えば重要な農産物である2発施肥体系(基肥と穂肥)での水稲栽培や秋冬作野菜栽培における窒素成分の施肥に際しては、2〜4mmの粒径では肥効期間が長すぎ、BB肥料への適応がなされていない等の問題があった。この様な状況下、緩効性窒素肥料、中でも溶出パターンが一般に「L型」と称される緩効性窒素肥料において、2〜4mmの粒径でかつ肥効期間が従来よりも短い緩効性窒素肥料が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、粒子径を調整せずに肥料成分の溶出速度を調整する方法、とりわけ窒素成分の溶出速度を調整する方法について鋭意検討した。本発明者らは、水への溶解度が低い緩効性窒素肥料において、その表面積と土壌中への窒素成分の溶出速度が密接な関係にあることに着目し、そして緩効性肥料粒子に於いて、その粒子内部を多孔質化して比表面積を調整することによって窒素成分の溶解速度を調整出来ることを見出した。
【0010】
またこの様な多孔質緩効性粒状肥料を連続相とし、そして分散相に易水溶性物質、具体的には溶解度(25℃の飽和水溶液100g中の溶質重量)が10g以上のものである易水溶性物質を用い、これらを特定の比率で含有させた粒状窒素肥料が、その粒径を変更せずとも窒素成分の溶出速度を極めて広い範囲で調整可能な粒状緩効性窒素肥料となることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち本発明は、尿素−アルデヒド類縮合物を含む連続相と易水溶性物質として尿素を含む分散相を有し、連続相と分散相の重量比が95:5〜50:50である粒状緩効性窒素肥料の製造方法であって、該粒状緩効性窒素肥料の核となる緩効性窒素肥料の小粒子に対して、緩効性窒素肥料粉体易水溶性物質粉体を予め混合してなる混合物を混合し、かつ造粒液としてメチロール尿素を混合して造粒し、篩い分けすることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料の製造方法に存する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の粒状緩効性肥料においては、尿素−アルデヒド類縮合物を連続相として用いる。この尿素−アルデヒド類縮合物は、尿素とアルデヒド類を脱水縮合反応させて得られたものであり、その製造方法は任意である。
【0013】
この脱水縮合反応に用いるアルデヒド類は任意のものを使用することが出来る。具体的には例えば、イソブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、アセトアルデヒド、ホルムアルデヒド等が挙げられる。またこの反応に用いる尿素としては、その形状は任意であり、固体、液体(溶融液)等のいずれでもよい。
本発明で用いる尿素−アルデヒド類縮合物としては例えば、尿素−イソブチルアルデヒド縮合物(IBDU)、尿素−ホルムアルデヒド縮合物(ウレアホルム。以下、「UF」と記すことがある。)、及び尿素−クロトンアルデヒド縮合物(クロトニリデン2尿素。以下「CDU」と記すことがある。)等が挙げられる。例えばUF等は、その縮合度を調整するという工業的に困難な手法を取らずとも、本発明によって簡便な方法で窒素成分の溶出速度を調整することが出来る。中でも本発明においては、尿素とアルデヒド類とを縮合して得られた尿素―アルデヒド類縮合物が、複数の縮合度を有するものからなる際に、同一縮合度の尿素―アルデヒド類縮合物を70重量%以上含有することが、緩効性窒素肥料としての溶出曲線が安定するので好ましく、中でも80重量%以上、特に90重量%以上含有するものであることが好ましい。具体的には、その製造過程で様々な縮合物を生じる為に同一縮合度を有する縮合物の含有量が50重量%程度のUFに比べて、IBDUやCDUを用いることによって、同一縮合度を有する縮合物を70重量%以上含有する縮合物が容易に得られるので好ましい。
【0014】
本発明においては、例えば尿素−アルデヒド類縮合物を粒状物として用い、この粒状の尿素−アルデヒド類縮合物と後述する易水溶性物質とを造粒等の方法によって本発明の粒状緩効性窒素肥料を製造することが出来る。この際に用いる尿素−アルデヒド類縮合物の粒径は、製造する本発明の粒状緩効性肥料の粒径以下であればよい。中でも、製造方法における造粒性や尿素−アルデヒド類縮合物が溶解した後の空洞構造に寄与する易水溶性物質の分散性等を考慮すると、本発明の粒状緩効性肥料の直径に対して1/4以下、中でも1/6以下、特に1/8以下であることが好ましい。
【0015】
本発明に用いる易水溶性物質としては、従来公知のものを使用することができるが、易水溶性肥料は粒状緩効性窒素肥料の肥料成分を高く出来る点で好ましく、中でも速効性窒素肥料は粒状緩効性肥料が窒素単肥となることからBB肥料原料への適用性が優れており、更に好ましい。
本発明における易水溶性物質とは水への溶解度が高いものであり、具体的には溶解度(25℃の飽和水溶液100g中の溶質重量)が10g以上のものである。具体的には例えば、尿素(54.8)、硫酸アンモニウム(43.3)、塩化アンモニウム(28.2)、硝酸アンモニウム(68.2)、硝酸ナトリウム(47.9)、リン酸二アンモニウム(41.0)、リン酸一アンモニウム(29.4)、リン酸水素二カリウム(62.0)、塩化カリウム(26.4)、硫酸カリウム(10.75)、塩化マグネシウム(35.5)、硫酸マグネシウム(26.7)、塩化カルシウム(45.3)等が挙げられる(かっこ内の数字は溶解度を示す)。前述の通り、これらの中でも粒状緩効性肥料が窒素単肥となりうることから、速効性窒素肥料が好ましく、更に化合物中における窒素成分が高く、入手が容易である等の理由から尿素が好ましい。
【0016】
本発明における易水溶性物質の含有量は任意である。一般的には先述の緩効性窒素肥料である尿素―アルデヒド類縮合物との重量比(尿素―アルデヒド類縮合物:易水溶性物質)が、95:5〜50:50、中でも90:10〜60:40、更には90:10〜70:30、特に90:10〜80:20であることが好ましい。この比が95:5を下回って易水溶性物質の含有量が少ないと、造粒物内部の空洞化作用が不十分となり従来の尿素−アルデヒド類縮合物のみを造粒した場合と肥効期間の差が認められず、逆に50:50を超えて速効性窒素肥料の含有量が多いと、土壌中への窒素成分の溶出速度が速くなるために緩効性肥料としての効果が不十分となる場合がある。
【0017】
本発明の粒状緩効性窒素肥料は、このような易水溶性物質が溶出した後の連続相、つまり緩効性窒素の比表面積が従来のものと比べて非常に大きいことを特徴とする。この連続相の比表面積は、施肥対象の植物等によって適宜調整すればよく、その調整方法は後述する本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造方法において、易水溶性物質との量比によって決定することが出来る。
【0018】
尚、本発明の粒状緩効性窒素肥料においては、その他の肥料成分を含む肥料粒とブレンドし、バルクブレンド肥料として使用してもよい。用いる肥料粒としては従来公知の任意ものを使用でき、例えば硫安、塩安、硝安、石灰窒素、過燐酸石灰、重過石、重焼燐、塩加、硫加等の単肥の他に、N、P25、K2O等の2成分以上からなる燐安、化成肥料、およびこれらを2種以上複合したバルクブレンド肥料が挙げられる。
【0019】
本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造方法は、例えば先述の緩効性窒素肥料である尿素―アルデヒド類縮合物と、易水溶性物質とを造粒して製造することができる。造粒に際しては造粒液等を用いてもよく、例えば水、易水溶性物質水溶液、メチロール尿素液、及び尿素―アルデヒド類縮合物を水に分散させたもの等が挙げられる。中でも、易水溶性物質水溶液は、造粒物内部の空洞化現象に寄与する易水溶性物質を均一に分散させるという理由から好ましい。一方、メチロール尿素液を用いた場合は、前記の(特許文献1)に示されたように、粒子硬度が非常に高くなり、BB肥料や機械施肥法に適した物性が得られる点で好ましい。
【0020】
本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造に用いる造粒装置としては、従来公知の粒状肥料製造技術のうち、任意のものを適宜選択して採用すればよい。例えば造粒容器自体が回転するタイプの皿型造粒機やドラム型造粒機、造粒容器内部の撹拌羽根が高速回転するタイプの撹拌(混合)型造粒装置等が挙げられる。本発明の主原料である尿素−アルデヒド縮合物は、一般の化成肥料に比べ比重が軽く、撥水性も高い故に造粒性が悪い。従って、上記装置の中でも、造粒能力が高い(粒にかかる圧縮応力が高い)という理由から、撹拌(混合)型の造粒装置を用いることが好ましい。
【0021】
本発明の粒状緩効性窒素肥料の製造方法においては、この様な造粒装置を用い、例えば造粒装置により粒状緩効性窒素肥料の核となる粒子を転動させ、これに造粒液と緩効性肥料及び易水溶性物質を交互或いは同時に添加することを続け、粒を必要な粒径まで成長(造粒)させればよい。粒径の調節は、造粒液の添加量、添加速度、造粒機の機械的条件、及び造粒時間等を適宜調節する等の従来公知の技術により行えばよい。
【0022】
緩効性肥料粉体と易水溶性物質粉体とを予め混合しておき、その粉体を造粒する方法や、造粒時にこの両方の粉体を別々に添加する方法等も可能である。その際、本発明の粒状緩効性窒素肥料内部の空洞化に寄与する易水溶性物質の分散性を考慮すると、両粉体を同時に添加することが好ましい。また、造粒液の添加方法も任意であるが、造粒物が十分に転動している部分になるべく均一に添加すれば、製品粒径の取得率が向上するので好ましい。また造粒操作終了後、所望の粒径に満たない小粒径品が生じた際には、これを次の造粒操作における粒状緩効性窒素肥料の核となる小粒子として用いることが好ましい。
【0023】
そして必要に応じて、造粒後に得られた粒状緩効性窒素肥料を乾燥してもよい。乾燥温度は、粒状緩効性窒素肥料中の尿素―アルデヒド類縮合物や、尿素などの易水溶性物質が分解しない範囲内で行うことが好ましく、具体的には室温〜120℃、中でも40〜120℃、特に60〜100℃の範囲内にて行うことが好ましい。例えば造粒液の一部としてメチロール尿素水溶液を用いて造粒した際には、このメチロール尿素が酸触媒の作用でメチレン化反応を起こし、尿素樹脂接着剤として物性維持に寄与するよう、60〜120℃、特に80〜100℃の温度範囲内で乾燥することが好ましい。
【0024】
本発明の粒状緩効性窒素肥料の粒子径は任意であり、使用場面に合わせて適宜調整すればよい。一般的には0.5〜15mm、中でも1〜10mm、更には2〜6mmが好ましく、特にBB肥料や機械施肥用の粒状緩効性窒素肥料とするに際しては2〜4mmであることが好ましい。また本発明の粒状緩効性窒素肥料の形状も任意であるが、真球性が高い程、例えばバルクブレンド肥料とした際や機械施肥用肥料とした際の取扱性が良好となるので好ましい。
【0025】
こうして得られた本発明の粒状緩効性窒素肥料は、尿素−アルデヒド類縮合物(連続相)の隙間に易水溶性物質(分散相)を配した構造となり、このような造粒物が土中に施肥されると、土壌中の水分により、まず易水溶性物質が速やかに土中へ溶出し、粒状緩効性窒素肥料内部が空洞化する。そして内部が空洞化すると、尿素−アルデヒド類縮合物の表面積が増大し、その溶出速度も同一粒径の尿素−アルデヒド類縮合物単独造粒物のそれに比べて増大する。即ち、造粒物本来の粒径から想定される以上の溶出速度が達成され、同一の粒径でありながら、異なる溶出速度を創出することが出来る。
【0026】
本発明の粒状緩効性窒素肥料の用途は特に限定されるものではなく、作物の養分要求特性に合わせて適宜選択される。例えば、従来の尿素−アルデヒド類縮合物単独造粒物(粒径2〜4mm)では肥効期間が長すぎて適用できなかった、2発施肥体系(基肥と穂肥)での水稲栽培や秋冬作野菜栽培における窒素成分の施肥に際して使用可能となり、緩効性窒素肥料の適用範囲が大きく広がった。
【0027】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1、2
粒状緩効性肥料の製造:
核となる小粒子にIBDU小粒品(粒径0.7〜2.5mm)を、まぶし粉としてIBDU粉体(粒径0.5mm以下)を表1の通り計量し準備した。易水溶性物質としては尿素を用い、粉砕品(粒径0.5mm以下)を上述のIBDU粉体と混合して使用した。
【0028】
脱塩水365.6gに尿素394.8g及びホウ砂9.9gを添加し、50℃に加温してこれにパラホルムアルデヒド(86%濃度)229.7gを添加し、60分間撹拌し、メチロール尿素水溶液を調整した。このメチロール尿素水溶液に、メチレン化触媒として50%クエン酸を造粒操作の使用直前に19.4g/1000gの割合で添加し、造粒液とした。
【0029】
撹拌型造粒機(大和加工機製、NG−350型)に核用のIBDU小粒品を780g入れ、撹拌羽根の回転数が300±50rpmとなるように撹拌しながら、表1に示す量の造粒液とIBDU粉体と尿素粉体の混合物を徐々に加えながら、約10分間造粒操作を行った。得られた造粒物を篩い分けし、2.36〜4mmのものを更に100℃で1時間乾燥し、以下の水中溶出試験に供試した。
水中溶出試験:
製造した粒状緩効性窒素肥料200mgと海砂(15〜20mesh)20gを混合し、不織布の袋に詰め、溶出用パックとした。200ml容のスチロール製容器に脱塩水200mlと溶出用パックを入れ、蓋をした後25℃の恒温器内に静置した。所定期間経過後、容器内を軽く撹拌し、溶出液の窒素含量を測定した。溶出液中の窒素含量と予め求めておいた仕込み窒素量から、溶出率を算出した。残りの溶出液は廃棄し、新たに脱塩水200mlを加え、再度25℃の恒温器内に静置した。以上の操作を積算溶出率が80%を越えるまで繰り返した。造粒物の特性値を表2に示す。また水中溶出試験の結果を図1〜3に示す。
【0030】
比較例1
尿素を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に、表1に記載の量にて肥料を造粒し、評価した。造粒物の特性値を表2に示す。また水中溶出試験の結果を図1に示す。
【0031】
比較例2
比較例1と粒状尿素を窒素比で90:10となるように混合(バルクブレンド)し、比較例2を得た。これを実施例1と同様に評価した。混合物の水中溶出試験の結果を図2に示す。
【0032】
比較例3
比較例1と粒状尿素を窒素比で70:30となるように混合(バルクブレンド)し、比較例3を得た。これを実施例1と同様に評価した。混合物の水中溶出試験の結果を図3に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004487097
【0034】
【表2】
Figure 0004487097
【0035】
図1の実施例1、2と比較例1との比較から明らかなように、易水溶性物質である尿素を緩効性窒素肥料IBDUと共に造粒した実施例1、2においては、IBDUのみを造粒した比較例1に比べて、同一粒径にも関わらず明らかに溶出速度が大きくなっていることが判る。
【0036】
更に、図2の実施例1と比較例2との比較及び図3の実施例2と比較例3との比較から明らかなように、易水溶性物質である尿素をIBDUと共に造粒した実施例1及び2は、比較例2及び3と同一粒径かつ同一尿素比率であるにも関わらず、明らかに溶出速度が大きくなっていることが判る。
以上の通り、緩効性窒素肥料中に易水溶性物質を分散させた場合は、それらを単に配合した場合よりも、明らかに大きな溶出速度を示した。このことは、水中投入後速やかに易水溶性物質が溶出し、緩効性窒素肥料内部が空洞化し(内部表面積が増大し)、同一粒径にもかかわらず緩効性窒素肥料の溶出速度が大きくなったことを示している。即ち、従来困難であった同一粒径での緩効性窒素肥料の溶出速度コントロールが可能となった。
【0037】
【発明の効果】
本発明の粒状緩効性窒素肥料によって、施肥後速やかに易水溶性物質が土中へ溶出することで施肥初期の土中への窒素溶出量増加させ、且つ易水溶性物質の溶出後に残った緩効性窒素肥料粒子は、従来の同一粒径の易水溶性物質を含まない粒状緩効性窒素肥料と比較すると、内部が空洞化して表面積が増大しているので、土中への窒素成分の溶出速度が向上し、今までにない溶出パターンの粒状緩効性窒素肥料を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例及び比較例における粒状肥料の溶出パターンを示した図である。
【図2】 実施例及び比較例における粒状肥料の溶出パターンを示した図である。
【図3】 実施例及び比較例における粒状肥料の溶出パターンを示した図である。

Claims (6)

  1. 尿素−アルデヒド類縮合物を含む連続相と易水溶性物質として尿素を含む分散相を有し、連続相と分散相の重量比が95:5〜50:50である粒状緩効性窒素肥料の製造方法であって、該粒状緩効性窒素肥料の核となる緩効性窒素肥料の小粒子に対して、緩効性窒素肥料粉体易水溶性物質粉体を予め混合してなる混合物を混合し、かつ造粒液としてメチロール尿素を混合して造粒し、篩い分けすることを特徴とする粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
  2. 尿素―アルデヒド類縮合物が、同一縮合度を有する縮合物を70重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
  3. 尿素―アルデヒド類縮合物が、尿素―イソブチルアルデヒド縮合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
  4. 粒状緩効性窒素肥料の粒径が2〜4mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
  5. 粒状緩効性窒素肥料の核となる小粒子の粒径が0.7〜2.5mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
  6. 緩効性窒素肥料粉体及び易水溶性物質粉体の粒径が0.5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の粒状緩効性窒素肥料の製造方法。
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