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JPH0764131B2 - 感熱孔版印刷原紙用フィルム - Google Patents

感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JPH0764131B2
JPH0764131B2 JP1084950A JP8495089A JPH0764131B2 JP H0764131 B2 JPH0764131 B2 JP H0764131B2 JP 1084950 A JP1084950 A JP 1084950A JP 8495089 A JP8495089 A JP 8495089A JP H0764131 B2 JPH0764131 B2 JP H0764131B2
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嘉記 佐藤
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ダイアホイルヘキスト株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに関
する。更に詳しくは、本発明は、穿孔性及び印刷時の解
像度、並びに耐刷性の優れた感熱孔版印刷原紙用フィル
ムに関するものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
従来、感熱孔版印刷用原紙としては、熱可塑性樹脂フィ
ルムに多孔性薄葉紙をラミネートしたものが知られてい
る。
上記の熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエステル、
ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン等の各種樹脂のフィル
ムが用いられているが、感熱孔版印刷用原紙としての特
性は、これらのフィルムの物性によって著しく影響を受
けるため、その要求特性に従って各種のフィルムが用い
られ、改良が試みられている。
かかる用途に用いられるフィルムには、以下のような特
性が要求される。
(1) 熱穿孔性が良い。即ち少量の熱量で溶融し、且
つ印刷時の画像が鮮明になるような適度な大きさの穿孔
が得られるような十分な熱吸収率を有する。
(2) 多孔性薄葉紙とのラミネート及び印刷時の作業
に十分耐え得る強度、弾性率を持つ。従来、原紙に用い
るフィルムは良好は熱穿孔特性を得るため非常に薄手の
フィルム(通常1.5〜10μm)が使用されており、原紙
作製時、及び印刷時の作業性、耐久性を持つためには、
フィルムに十分な強度、弾性率が必要とされる。
(3) 印刷インキに使用されるトルエン、キシレン等
の有機溶剤に長時間耐えられる。
また、これらの要件に加え、フィルム製造時の生産性に
も優れていることが必要である。すなわち、フィルムの
延伸性が良好で、破断等のトラブルを起こさず、また巻
取性、スリット性が良好で、巻取時にシワが入ったり、
巻きずれを起こしたりしないことが必要である。
さらに、かかるフィルムを用いて原紙を作成する際の取
扱い作業性に優れていなければならない。
従来、かかる用途に用いるフィルムとして、熱可塑性樹
脂を対象とした二軸延伸フィルムであって、その熱的特
性を既定することにより印刷特性を改善したフィルム
(時開昭62−149596号公報)等が提案されているが、上
記した要件をすべて満足するものではなかった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、特定
の無機粒子を含有し、表面状態が特定の条件を満足する
二軸配向ポリエステルフィルムが、感熱孔版印刷原紙用
フィルムとして好適であることを見出し、本発明を完成
するに至った。
すなわち本発明の要旨は、平均粒径が0.1〜2.0μmであ
り、且つd25/d75が1.0〜1.5である球状シリカを0.01〜
3重量%含有する二軸配向ポリエステルフィルムであっ
て、該フィルムの厚さが0.5〜6μm、表面のRaが0.03
〜0.2μm、Rtが0.2〜2.0μmであることを特徴とする
感熱孔版印刷原紙用ポリエステルフィルムに存する。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を
主たる酸成分とし、アルキレングリコールを主たるグリ
コール成分とするポリエステルを指す。芳香族ジカルボ
ン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、等が挙げられる。また、アルキ
レングリコールとしては、エチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられる。
かかるポリエステルは、1種の芳香族ジカルボン酸と、
1種のアルキレングリコールとを出発原料とするポリエ
ステルでもよいが、2種以上の成分を含む共重合体であ
ることがさらに好ましい。共重合する成分としては、上
記の他に、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリ
コール、あるいはアジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジ
カルボン酸、p−ヒドロキシ安息香酸等のオキシカルボ
ン酸等が挙げられる。
本発明のフィルムの厚みは、0.5〜6μmの範囲である
ことが必要であり、好ましくは0.5〜3μmの範囲であ
る。フィルムの厚みが薄くなれば熱伝達距離が短縮さ
れ、穿孔時に必要な熱エネルギーも減少するため穿孔性
が向上し印刷時の解像度や印字品位性が向上するが、厚
み0.5μm未満では印字が不鮮明で濃淡ムラが生じ易
く、フィルムの製造においても生産性、巻上げ作業性が
悪化する。厚みが6μmを越えるフィルムでは、穿孔性
が悪化するため、印刷時にムラが生ずるようになり好ま
しくない。
本発明のフィルムは、特定の無機粒子を含有し、表面の
形状が特定の条件を満たすことが必要である。フィルム
の巻上げ、コーティング、貼合せ工程及び印刷時の作業
性を向上させるためフィルムに適度な滑り性を与えるこ
とが必要である。そのために表面に微細な突起を形成さ
せる方法を採用するが、かかる突起の大きさや数が不適
当であると、熱伝達にムラが生じ、穿孔が不均一にな
り、解像度が劣ったり、印字品位性を損なうことにな
る。
従って、本発明のフィルムは、平均粒径が0.1〜2.0μ
m、d25/d75が1.0〜1.5の球状シリカを0.01〜3重量%
含有することが必要である。球状シリカは、表面にシラ
ノール基を有し、ポリエステルとの親和性に優れ、分散
性も良く、また適度な硬度を有しているため滑り性への
寄与も大きく、本発明のフィルムに配合する粒子として
特に適している。かかる球状シリカにあっても平均粒径
が0.1μm未満ではフィルムに充分な滑り性を与えるこ
とができず、平均粒径が2.0μmを越えると、滑り性に
関しては改善が見られるものの、フィルム製造時に破断
が頻発して生産性が著しく低下したり、感熱孔版印刷原
紙として用いた際に印刷の解像度が低下する等の問題が
生ずるようになり、好ましくない。
また、d25/d75は粒子の粒径分布を表わす数値であり、
これが1.5を越えると、粒径分布がブロードになるた
め、粗大粒子が増加し、これによるフィルム表面の粗大
突起が印刷時の解像度を低下させるようになり、好まし
くない。この値は更に好ましくは1.0〜1.3である。
かかる粒子の含有量は0.01〜3重量%、好ましくは0.03
〜2重量%である。含有量は粒子の平均粒型によって最
適範囲は異なるが、いずれの粒型においてもその含有量
が3重量%を越えるとフィルムの生産性が悪化したり、
印刷時の解像度を低下させるため好ましくない。また、
0.01重量%未満では、フィルムに充分な滑り性を与える
ことができず、好ましくない。
含有させる球状シリカは、1種類でもよいが、平均粒径
等の異なる2種以上を同時に含有させてもよい。2種以
上含有させる場合でもその各々の粒子において、平均粒
径、d25/d75の値は、本発明の条件を満足し、含有量に
関しては、その合計量が条件を満足することが必要であ
る。
本発明においては、かかる球状シリカ以外にも無機ある
いは有機の微粒子の1種以上を含有させてもよい。かか
る微粒子の例としては、カオリン、タルク、炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウ
ム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタ
ン、カーボンブラック、等を挙げることができる。かか
る微粒子の平均粒径は、通常、0.005〜1.0μm、好まし
くは0.01〜0.7μmの範囲であり、且つd25/d75が2.0以
下であることが好ましい。平均粒径が1.0μmを越えた
り、d25/d75が2.0を越えると、粗大突起が増加して、感
熱孔版原紙として、解像度の低下等の品質悪化をもたら
すようになり、本発明の目的が達成されない。
以上の方法で製造した本発明のフィルムにおいては、さ
らにフィルムの表面形状が特定の条件を満足することが
必要である。すなわち本発明のフィルムは、表面形状に
関し、中心線平均粗さ(Ra)が0.03〜0.2μm、好まし
くは0.05〜0.15μm、且つ、最大突起高さ(Rt)が0.2
〜2.0μm、好ましくは0.3〜1.5μmの範囲であること
が必要である。
Raが0.03μm未満であると、フィルムの滑り性が不足す
るためフィルム製造時、孔版印刷原紙製造時の取扱い性
が不良になるばかりか、原紙として使用する際も穿孔
時、サーマルヘッドとの滑り性が悪化するため好ましく
ない。また、Raが0.2μmを越えると、印刷時の解像度
が悪化するため好ましくない。
一方、Rtが2.0μmを越えると印刷時の解像度の悪化を
もたらすようになるために好ましくなく、Rtが0.2未満
では、フィルムの巻き取り工程において、空気を巻き込
むことに起因するシワが発生し好ましくない。
本発明のフィルムの表面形状に関しては、上記した要件
に加え、後述する三次元表面粗さ計を用いて測定した、
突起高さ0.1μm以上の突起数が1000〜15000個/mm2、好
ましくは2000〜12000個/mm2の範囲であり、突起高さ0.4
μm以上の突起数が通常20〜2000個/mm2、好ましくは50
〜1000個/mm2の範囲である。Ra及びRtに加えてかかる要
件が同時に満足されたとき、作業性や印刷時の解像度、
印字品位性が更に高度に満足される。
本発明においては、孔版印刷原紙として使用する際の高
度な熱穿孔性を有し、印刷時の解像度を向上させるた
め、フィルムの150℃3分間の収縮率の縦方向、横方向
の和が通常5〜45%、好ましくは10〜40%の範囲であ
る。かかる熱収縮率の和が5%未満では充分な熱穿孔性
が得られず、印刷時の解像度が劣るようになる。また、
かかる和が45%を越えると原紙とした後にフィルムの収
縮に起因するカールが生ずるようになったり、印刷性が
悪化するようになるため好ましくない。
本発明のフィルムは、極めて薄いフィルムとして製造す
るので、強度が低くなくと、取扱い作業性が悪くなるた
め好ましくない。本発明においてはフィルムの長手方向
と幅方向の引張弾性率が共に200kg/mm2以上、好ましく
は300kg/mm2以上である場合、取扱い作業性や耐刷性が
より良好となり好ましい。
本発明で用いるポリエステルは、重合度が低過ぎると機
械的特性が低下するので極限粘度は0.40以上、好ましく
は0.45〜0.90のものが好ましい。
次に本発明のポリエステルフィルムの製造方法について
説明する。本発明においてはポリマーをエクストルーダ
ーに代表される周知の溶融押出装置に供給し、該ポリマ
ーの融点以上の温度に加熱し溶融する。次いで溶融した
ポリマーをスリット状のダイから押し出し、回転冷却ド
ラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固
化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場
合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷
却ドラムとの密着性を高める必要があり、本発明におい
ては静電印加密着法及び/又は液体塗布密着法が好まし
く採用される。
静電印加密着法とは、通常シートの上面側にシートの流
れと直交する方向に線状電極を張り、該電極に約5〜10
kVの直流電圧を印加することによりシートに静電荷を与
え、ドラムとの密着性を向上させる方法である。また、
液体塗布密着法とは回転冷却ドラム表面の全体または一
部(例えばシート両端部と接触する部分のみ)に液体を
均一に塗布することにより、ドラムとシートとの密着性
を向上させる方法である。本発明においては必要に応じ
両者を併用してもよい。
本発明においてはこのようにして得られたシートを2軸
方向に延伸してフィルム化する。
延伸条件については具体的に述べると、前記未延伸シー
トを好ましくは50〜120℃、更に好ましくは60〜110℃の
温度範囲で一方向にロールもしくはテンター方式の延伸
機により2.5〜7倍に延伸する。次に一段目と直交する
方向に好ましくは55〜125℃、更に好ましくは65〜115℃
の温度範囲で2.5〜7倍に延伸を行ない、2軸に配向し
たフィルムを得る。なお一方向の延伸を2段階以上で行
なう方法も用いることができるが、その場合も最終的な
延伸倍率が上記した範囲に入ることが望ましい。また、
前記未延伸シートを面積倍率が6〜30倍になるように同
時二軸延伸することも可能である。
かくして得られたフィルムは、熱処理を行なうことが好
ましいが、必要に応じ、熱処理を行なう前又は後に再度
縦及び/又は横方向に延伸してもよい。
本発明においては150℃3分間の縦方向と横方向の熱収
縮率の和が5〜45%であることが好ましいが、かかる熱
収縮率とするために、上記熱処理温度は100℃〜200℃、
好ましくは120℃〜180℃の範囲が望ましく、熱処理時間
は通常1秒〜10分間である。かかる熱処理はフィルム20
%以内の制限収縮もしくは伸長、または定長下で行な
い、また2段階以上で行なってもよい。
なお、本発明においては、製膜に供するポリエステル全
量に対し、10重量%程度以下の他のポリマー(例えばポ
リエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド、ポリ
イミド等)を含有させることができる。また、必要に応
じ酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等の添加
剤を配合してもよい。
かくして本発明のポリエテルフィルムは、常法に従って
所定の多孔性薄葉紙を公知の接着剤を用いてラミネート
することにより、熱穿孔性、原紙作製時及び印刷時の作
業性、耐久性、印刷の解像度及び印字品位性に優れた感
熱孔版印刷用原紙とすることができる。
〔実施例〕
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、本発明のフィルムの物性測定
法を以下に示す。
(1) 粒子の平均粒径(d50)、及びd25/d75電子顕微
鏡による写真法で球径を測定した。すなわち、約1000個
の粒子の粒径を測定し、大粒子側から体積を積算し、総
体積に対し50%時の粒径を平均粒径(d50)とした。ま
た、同様に総体積に対し25%時の粒径をd25、75%時の
粒径をd75としてその比(d25/d75)の値を算出した。d
25/d75の値は粒度分布のシャープさを示し、1.0に近い
ほど分布がシャープである。
(2) 中心線平均粗さ(Ra)及び最大高さ(Rt)Ra,R
tの値は、(株)小坂研究所社製表面粗さ測定機(SE−3
F)を用いて次のようにして求めた。即ち、フィルム断
面曲線から、その中心線の方向に基準長さL(2.5mm)
の部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、
縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わ
したとき、次の式で与えられた値を〔μm〕で表わし
た。
また、この時得られた断面曲線の抜き取り部分の平均線
に平行な2直線で該抜き取り部分を挟んだとき、この2
直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してその値
を最大高さ(Rt)とし、〔μm〕で表わした。
Ra,Rtは試料フィルム表面から10本の断面曲線を求め、
これらの断面曲線から求めたRa,Rtの平均値で表わし
た。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、
カットオフ値は0.08mmとした。
(3) 突起高さ0.1μm以上、及び0.4μm以上の突起
数 (株)小坂研究所社製三次元表面粗さ計(SE−3AK)を
用い、触針の先端半径5μm、針圧30mg、測定長0.5m
m、サンプリングピッチ1.0μm、カットオフ0.25mm、縦
倍率50000倍又は20000倍、横倍率200倍、走査本数500本
の条件で突起高さと突起数を測定した。ここで言う突起
高さ(X,μm)は、突起数が最大となる点の高さを0レ
ベルとし、このレベルからの高さをもって突起高さとし
て、各突起高さにおける突起数(Y,個/mm2)との関係を
図式化し分布曲線として表わした。
突起高さ0.1μm以上、及び0.4μm以上の突起数は、上
記方法による突起高さが0.1μm及び0.4μmを越えた突
起に対応する突起数のそれぞれの総数をもって表わす。
測定はフィルムの長手方向に3点、それと直角方向に3
点、計6点行ない、その平均値を測定値とした。
(4) 熱収縮率 試料を無張力状態で150℃の温度に保ったオーブン中、
3分間熱処理し、その前後の試料の長さを測定して次式
にて算出した。
フィルム縦方向と横方向に5点ずつ測定し、それぞれの
平均値を測定値とした。
(5) 謄写印刷特性 得られたフィルムにポリエステル製多孔性薄葉紙を貼り
合わせて原紙を作製した。得られた原紙を使用し、製版
機として理想化学工業(株)製リソグラフFX7200、印刷
機として同AP7200を用いて印刷された文字、画像につい
て目視判定し、下記特性を評価した。
i) 印字品位性 ○…濃淡のむら、にじみがなく、鮮明に印字でき、良
好。
△…わずかに濃淡のむら、にじみが認められ、やや鮮明
さに欠ける。
×…濃淡のむら、あるいはにじみがはっきり出ている。
ii) 耐刷性 ○…2000枚以上の連続印刷が可能。
×…数百枚程度しか連続印刷ができない。
(6) 取扱い作業性 フィルム製造時巻取り作業や原紙作製作業等におけるフ
ィルムの取扱い作業性に関し、次の三ランクに分けた。
○…取扱い性は良好で、スムースに作業ができる。
△…取扱い性は概ね良好だが、ややスムースさに欠け
る。
×…フィルム同志がブロッキングしたり、シワが入った
りし易く取扱い性が不良である。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100部、エチレングリコール64
部、及び酢酸カルシウム−水塩0.11部を反応器にとり、
エステル交換反応を行なった。この時、反応開始温度を
180℃とし、メタノールの留去と共に徐々に反応温度を
上昇させ、4時間後、230℃まで昇温し、実質的にエス
テル交換反応を終了させた。
次いでトリエチルホスフェート0.07部を添加した後、平
均粒径0.75μm、d25/d75値1.2の球状シリカ粒子0.5部
及び三酸化アンチモン0.04部を添加し、常法により重縮
合反応を行なった。この反応は、温度を徐々に高めると
共に圧力を常圧より徐々に減じ、2時間後、温度を285
℃、圧力を0.3mmHgとして行なった。反応開始後5時間
を経た時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出
させた。得られたポリエチレンテレフタートの極限粘度
は0.66であった。
また、これと同様にして、出発原料をテレフタート酸ジ
メチル86部、イソフタル酸ジメチル14部、エチレングリ
コール64部として、平均粒径0.3μm、d25/d751.2の球
状シリカ粒子0.5部添加した共重合ポリエステルを製造
した。極限粘度は0.70であった。
次に得られたポリエチレンテレフタレート50部と、共重
合ポリエステル50部とを混合した。これを285℃で押出
機よりシート状に押出し、表面温度を40℃に設定した回
転冷却ドラムで静電印加冷却法を利用して急冷固化さ
せ、厚み26μmの実質的に非晶質のシートを得た。
次いで得られたシートを縦方向に80℃で3.7倍、横方向
に95℃で4.0倍に延伸し、更に140℃で7秒間熱処理を行
ない、厚み1.8μmの二軸配向フィルムを得た。
実施例2 実施例1と同様にして、イソフタル酸含有量が10モル%
であって、平均粒径0.95μm、d25/d751.1の球状シリカ
を0.3重量%および平均粒径0.30μm、d25/d751.5の二
酸化チタンを0.3重量%含有する共重合ポリエステル
(極限粘度0.68)を製造した。
得られた共重合ポリエステルを用いて、熱処理温度を15
0℃とした以外は実施例1と同様の条件で製膜し、厚み
1.7μmの二軸配向フィルムを得た。
実施例3 実施例1と同様にして製造した、平均粒径0.95μm、d
25/d751.1の球状シリカを0.7重量%含有するポリエチレ
ンテレフタレート(極限粘度0.67)95部と、常法にて製
造したポリブチレンテレフタレート5部とを混合し、製
膜条件は実施例1と同様にして厚み1.9μmの2軸配向
フィルムを製造した。
比較例1 実施例1と同様にして、平均粒径1.6μm、d25/d752.5
のシリカ粒子を1.0重量%含有するポリエチレンテレフ
タレートを製造した。極限粘度は0.66であった。得られ
たポリマー50部と、実施例1で用いた、イソフタル酸共
重合ポリエステル50部とを混合し、実施例1と同条件で
製膜して厚み1.8μmの2軸配向フィルムを得た。
比較例2 イソフタル酸の含有量が5モル%であって、平均粒径0.
3μm、d25/d751.2の球状シリカ粒子を0.1重量%含有す
る共重合ポリエステル(極限粘度0.68)を用いて実施例
1と同様にして厚み1.8μmの2軸配向フィルムを得
た。
比較例3 平均粒径1.3μm、d25/d751.9の炭酸カルシウム粒子を
2.6重量%含有するポリエチレンテレフタレート(極限
粘度0.65)を製造した。得られたポリマー50部と実施例
1で使用したイソフタル酸共重合ポリエステル50部とを
混合し、実施例1と同条件で製膜して厚み2.1μmの2
軸配向フィルムを得た。しかしながら、フィルム製造
時、横延伸あるいは熱固定の工程においてフィルムの破
断が発生することがあり、やや生産性に劣るものであ
る。
比較例4 実施例1の原料を用い、製膜条件も同様とし、押出機の
ポリマー押出量のみを変化させて、厚み8μmの2軸配
向ポリエステルフィルムを製造した。
以上、得られたフィルムを常法に従い、多孔性薄葉紙に
貼り合わせて感熱孔版印刷原紙を作成し、謄写印刷を行
なった。
フィルムの物性及び謄写印刷特性を表1にまとめて示
す。
実施例1〜3のフィルムは、フィルム製造時、原紙作成
時の取扱い性に優れ、しかも謄写印刷特性にも優れたフ
ィルムであった。
これらに対し、比較例1はd25/d75が大きい粒子、すな
わち、粒径分布がシャープでないため、大粒子の含有量
が多い粒子を用いた場合の例であるが、大突起の数が増
加してRtが大きくなるため、印刷の解像度が低下し、印
字品位性の劣るものとなってしまう。比較例2は、Raが
低過ぎる場合の例であり、フィルムの取扱い性が著しく
悪化した。比較例3は球状シリカと共に他の無機粒子を
添加した例であるが、該無機粒子の粒径が大きいためR
a,Rt共に大きくなり、印字品位性が悪化した。比較例4
は厚みが厚過ぎる場合の例であるが、穿孔性の悪化によ
り印字品位性は著しく悪化した。
〔発明の効果〕 本発明のポリエステルフィルムは、フィルム製造、原紙
作成における取扱い性に優れ、印字品位性、耐刷性に優
れた感熱孔版印刷原紙用フィルムとして好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径が0.1〜2.0μmであり、且つd25/
    d75が1.0〜1.5である球状シリカを0.01〜3重量%含有
    する二軸配向ポリエステルフィルムであって、該フィル
    ムの厚さが0.5〜6μm、表面のRaが0.03〜0.2μm、Rt
    が0.2〜2.0μmであることを特徴とする感熱孔版印刷原
    紙用ポリエステルフィルム。
JP1084950A 1989-04-04 1989-04-04 感熱孔版印刷原紙用フィルム Expired - Fee Related JPH0764131B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1084950A JPH0764131B2 (ja) 1989-04-04 1989-04-04 感熱孔版印刷原紙用フィルム

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JP1084950A JPH0764131B2 (ja) 1989-04-04 1989-04-04 感熱孔版印刷原紙用フィルム

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