JPH0750058B2 - 酵素固定化電極およびその製造方法 - Google Patents
酵素固定化電極およびその製造方法Info
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- JPH0750058B2 JPH0750058B2 JP1164797A JP16479789A JPH0750058B2 JP H0750058 B2 JPH0750058 B2 JP H0750058B2 JP 1164797 A JP1164797 A JP 1164797A JP 16479789 A JP16479789 A JP 16479789A JP H0750058 B2 JPH0750058 B2 JP H0750058B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、グルコース等の基質検出用の電極などとし
て用いられる酵素固定化電極(「酵素電極」とも言う)
およびその製造方法に関する。
て用いられる酵素固定化電極(「酵素電極」とも言う)
およびその製造方法に関する。
酵素を白金等の電極本体(または電極素材。以下同様)
表面上に固定化した酵素固定化電極として、ゼラチンお
よび架橋剤としてのグルタルアルデヒドを含む希薄な酵
素溶液を白金電極に塗布し、電極本体表面上で製膜を行
うとともに、酵素を共有結合的に固定化して電極本体表
面上に酵素固定化膜を形成したものがある。ここで、ゼ
ラチンは、酵素固定化膜のマトリックス成分となるもの
であって、希薄な酵素溶液と架橋剤としてのグルタルア
ルデヒドだけでは架橋反応により得られる酵素固定化膜
の強度が弱いので、膜強度を高めるために使用される。
たとえば、グルコースオキシダーゼの固定化膜では、酵
素に対して5〜10倍程度のゼラチンを加えてグルタルア
ルデヒドで架橋させて製膜するようにしている。
表面上に固定化した酵素固定化電極として、ゼラチンお
よび架橋剤としてのグルタルアルデヒドを含む希薄な酵
素溶液を白金電極に塗布し、電極本体表面上で製膜を行
うとともに、酵素を共有結合的に固定化して電極本体表
面上に酵素固定化膜を形成したものがある。ここで、ゼ
ラチンは、酵素固定化膜のマトリックス成分となるもの
であって、希薄な酵素溶液と架橋剤としてのグルタルア
ルデヒドだけでは架橋反応により得られる酵素固定化膜
の強度が弱いので、膜強度を高めるために使用される。
たとえば、グルコースオキシダーゼの固定化膜では、酵
素に対して5〜10倍程度のゼラチンを加えてグルタルア
ルデヒドで架橋させて製膜するようにしている。
このような酵素固定化電極を用いるに際しては、試料溶
液中における被測定物質以外の多種多様の成分の妨害か
ら酵素固定化電極を保護する必要がある。そのため、電
極本体表面と酵素固定化膜の間などに妨害物質を除去す
る妨害物質除去膜(以下「妨害除去膜」と言う)を形成
した妨害不感型酵素固定化電極が提案されている。
液中における被測定物質以外の多種多様の成分の妨害か
ら酵素固定化電極を保護する必要がある。そのため、電
極本体表面と酵素固定化膜の間などに妨害物質を除去す
る妨害物質除去膜(以下「妨害除去膜」と言う)を形成
した妨害不感型酵素固定化電極が提案されている。
たとえば、特開昭62−88953号公報では、電極本体表面
にグルコースオキシダーゼの固定化膜を設けたものを、
ピロールおよびNaClを含む電解重合液中に浸して電解重
合処理を行い、前記固定化膜の上に電解重合膜を備えた
酵素固定化電極が記載されている。同電解重合膜が妨害
除去膜である。また、特開昭63−304150号公報では、電
極本体表面に内側膜、中間膜および外側膜をこの順に設
けた酵素固定化電極が記載されている。中間膜は、グル
コースオキシダーゼの固定膜である。外側膜は、ポリカ
ーボネートフィルムであり、未希釈の血液または血清中
のグルコース分子に比べて高分子物質の除去を行う。内
側膜は、酢酸セルロースからなる膜であり、ポリカーボ
ネートフィルムで除去されなかった妨害物質(たとえ
ば、アスコルビン酸および尿酸)を除去する。
にグルコースオキシダーゼの固定化膜を設けたものを、
ピロールおよびNaClを含む電解重合液中に浸して電解重
合処理を行い、前記固定化膜の上に電解重合膜を備えた
酵素固定化電極が記載されている。同電解重合膜が妨害
除去膜である。また、特開昭63−304150号公報では、電
極本体表面に内側膜、中間膜および外側膜をこの順に設
けた酵素固定化電極が記載されている。中間膜は、グル
コースオキシダーゼの固定膜である。外側膜は、ポリカ
ーボネートフィルムであり、未希釈の血液または血清中
のグルコース分子に比べて高分子物質の除去を行う。内
側膜は、酢酸セルロースからなる膜であり、ポリカーボ
ネートフィルムで除去されなかった妨害物質(たとえ
ば、アスコルビン酸および尿酸)を除去する。
電極本体表面上で製膜された妨害除去膜を備えた妨害不
感型酵素固定化電極では、妨害除去膜が乾燥に弱いた
め、湿度の変化により膜の収縮が生じ、水溶液中での測
定および乾燥を繰り返せば、電極本体表面から妨害除去
膜および酵素固定化膜が剥離し、検出感度が低下するな
どして使用できなくなるという欠点がある。
感型酵素固定化電極では、妨害除去膜が乾燥に弱いた
め、湿度の変化により膜の収縮が生じ、水溶液中での測
定および乾燥を繰り返せば、電極本体表面から妨害除去
膜および酵素固定化膜が剥離し、検出感度が低下するな
どして使用できなくなるという欠点がある。
また、第3図(a)にみるように、酵素を固定化していな
い妨害除去膜5は、湿度が低すぎると、電極本体1より
剥離するため、酵素の固定化作業をたとえば湿度80%以
上の調湿器内で行わなければならない。
い妨害除去膜5は、湿度が低すぎると、電極本体1より
剥離するため、酵素の固定化作業をたとえば湿度80%以
上の調湿器内で行わなければならない。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、電極本体からの妨害除去膜の剥離が生じにくく、
出力感度の初期変動の小さい酵素固定化電極を提供する
ことを第1の課題とする。さらに、この発明は、妨害除
去膜の上に酵素固定化膜を形成する場合に、雰囲気の調
湿を行わなくてもよい酵素固定化電極の製造方法を提供
することを第2の課題とする。
って、電極本体からの妨害除去膜の剥離が生じにくく、
出力感度の初期変動の小さい酵素固定化電極を提供する
ことを第1の課題とする。さらに、この発明は、妨害除
去膜の上に酵素固定化膜を形成する場合に、雰囲気の調
湿を行わなくてもよい酵素固定化電極の製造方法を提供
することを第2の課題とする。
発明者らは、妨害除去膜の電極本体からの剥離を防いだ
り、雰囲気の調湿を行わずに妨害除去膜の上に酵素固定
化膜を形成したりするための手段を検討した。その結
果、妨害除去膜自体に保湿性を持たせればよいことを見
出し、この発明を完成させた。
り、雰囲気の調湿を行わずに妨害除去膜の上に酵素固定
化膜を形成したりするための手段を検討した。その結
果、妨害除去膜自体に保湿性を持たせればよいことを見
出し、この発明を完成させた。
したがって、上記第1の課題を解決するために、この発
明にかかる酵素固定化電極は、導電性材料からなる電極
本体に酵素固定化膜および妨害除去膜が設けられている
ものにおいて、前記妨害除去膜がコラーゲンを含んでい
ることを特徴とする。
明にかかる酵素固定化電極は、導電性材料からなる電極
本体に酵素固定化膜および妨害除去膜が設けられている
ものにおいて、前記妨害除去膜がコラーゲンを含んでい
ることを特徴とする。
上記第2の課題を解決するために、この発明にかかる酵
素固定化電極の製造方法は、導電性材料からなる電極本
体表面上に形成された妨害除去膜の上に酵素固定化膜を
形成するにあたり、前記妨害除去膜にコラーゲンを含め
ておくことを特徴とする。
素固定化電極の製造方法は、導電性材料からなる電極本
体表面上に形成された妨害除去膜の上に酵素固定化膜を
形成するにあたり、前記妨害除去膜にコラーゲンを含め
ておくことを特徴とする。
この発明の酵素固定化電極は、電極本体表面上に少なく
とも妨害除去膜および酵素固定化膜を備えている。好ま
しくは、電極本体表面上に下地膜、妨害除去膜および酵
素固定化膜の3層を少なくとも備えている。
とも妨害除去膜および酵素固定化膜を備えている。好ま
しくは、電極本体表面上に下地膜、妨害除去膜および酵
素固定化膜の3層を少なくとも備えている。
ここで、下地膜は、妨害除去膜の電極本体への密着性を
良くするために必要に応じて用いられる。下地膜は、た
とえば、ゼラチン水溶液などの生体高分子水溶液に架橋
剤を添加したものを電極本体表面に塗布し、架橋反応を
行って形成された膜である。下地膜のマトリックス成分
はゼラチンに限定されない。架橋剤としては、たとえば
グルタルアルデヒド等のジアルデヒドが用いられる。
良くするために必要に応じて用いられる。下地膜は、た
とえば、ゼラチン水溶液などの生体高分子水溶液に架橋
剤を添加したものを電極本体表面に塗布し、架橋反応を
行って形成された膜である。下地膜のマトリックス成分
はゼラチンに限定されない。架橋剤としては、たとえば
グルタルアルデヒド等のジアルデヒドが用いられる。
妨害除去膜は、マトリックス成分の少なくとも一部が保
湿剤であり、たとえば、アルブミン等のタンパク、ポリ
アリルアミン等の水溶性高分子、保湿剤および架橋剤を
含む溶液を電極本体または前記下地膜または酵素固定化
膜上に所定量を塗布し、架橋反応を行わせて、電極表面
上で製膜を行う。保湿剤としては、妨害除去膜の水分を
保ったりあるいは高めたりするものであれば特に限定は
ないが、コラーゲン、界面活性剤、ポリビニルピロリド
ンなどの水溶性高分子があるが、妨害除去膜の保湿性を
保ち、かつ、妨害除去効果の低下が少ないという点から
は、コラーゲンを保湿剤として用いる。コラーゲンとし
ては、酸処理コラーゲン、アルカリ処理コラーゲン、酵
素可溶性コラーゲンなどのいずれも使用可能であり、コ
ラーゲンのタイプも特に限定はない。妨害除去膜を作製
するための溶液(以下「妨害除去膜作製液」と言う)で
は、コラーゲンの濃度は、特に限定されないが、0.01〜
0.1重量%の範囲が好ましい。0.1重量%を越えると、膜
の透過性が悪くなり、応答速度が悪くなる。この発明に
かかる酵素固定化電極の応答性は、たとえば20〜30秒で
ある。また、妨害除去膜の架橋の程度によって除去され
うる物質の種類を適宜変えることも可能である。妨害除
去膜のマトリックス成分としては、コラーゲンを含むの
であれば、上記のものに限定されない。架橋剤として
は、たとえばグルタルアルデヒド等のジアルデヒドが用
いられる。
湿剤であり、たとえば、アルブミン等のタンパク、ポリ
アリルアミン等の水溶性高分子、保湿剤および架橋剤を
含む溶液を電極本体または前記下地膜または酵素固定化
膜上に所定量を塗布し、架橋反応を行わせて、電極表面
上で製膜を行う。保湿剤としては、妨害除去膜の水分を
保ったりあるいは高めたりするものであれば特に限定は
ないが、コラーゲン、界面活性剤、ポリビニルピロリド
ンなどの水溶性高分子があるが、妨害除去膜の保湿性を
保ち、かつ、妨害除去効果の低下が少ないという点から
は、コラーゲンを保湿剤として用いる。コラーゲンとし
ては、酸処理コラーゲン、アルカリ処理コラーゲン、酵
素可溶性コラーゲンなどのいずれも使用可能であり、コ
ラーゲンのタイプも特に限定はない。妨害除去膜を作製
するための溶液(以下「妨害除去膜作製液」と言う)で
は、コラーゲンの濃度は、特に限定されないが、0.01〜
0.1重量%の範囲が好ましい。0.1重量%を越えると、膜
の透過性が悪くなり、応答速度が悪くなる。この発明に
かかる酵素固定化電極の応答性は、たとえば20〜30秒で
ある。また、妨害除去膜の架橋の程度によって除去され
うる物質の種類を適宜変えることも可能である。妨害除
去膜のマトリックス成分としては、コラーゲンを含むの
であれば、上記のものに限定されない。架橋剤として
は、たとえばグルタルアルデヒド等のジアルデヒドが用
いられる。
酵素固定化膜は、グルコースオキシダーゼおよびコレス
テロールオキシダーゼ等の酵素、ゼラチン等の生体高分
子、および、架橋剤を含む溶液(たとえば、水溶液)を
電極本体上または妨害除去膜上に所定量塗布し、架橋反
応を行わせて製膜を行うとともに固定化して作られる。
酵素は、1種類のみを用いるようにしてもよいし、失活
などの悪影響が生じないのであれば、2種類以上を用い
るようにしてもよい。酵素固定化膜のマトリックス成分
としては、酵素の働きを損なわないのであれば、上記の
ものに限定されない。架橋剤としては、たとえばグルタ
ルアルデヒド等のジアルデヒドが用いられる。
テロールオキシダーゼ等の酵素、ゼラチン等の生体高分
子、および、架橋剤を含む溶液(たとえば、水溶液)を
電極本体上または妨害除去膜上に所定量塗布し、架橋反
応を行わせて製膜を行うとともに固定化して作られる。
酵素は、1種類のみを用いるようにしてもよいし、失活
などの悪影響が生じないのであれば、2種類以上を用い
るようにしてもよい。酵素固定化膜のマトリックス成分
としては、酵素の働きを損なわないのであれば、上記の
ものに限定されない。架橋剤としては、たとえばグルタ
ルアルデヒド等のジアルデヒドが用いられる。
このようにして得られるこの発明にかかる酵素固定化電
極は、コラーゲンによって妨害除去膜の水分が保たれる
ため、保湿性を保つことができ、乾燥による妨害除去膜
の電極本体からの剥離を防ぐことができる。また、測定
溶液中での膨潤率、乾燥させたときの収縮率が小さくな
り、酵素固定化電極として使用したときの感度のバラツ
キがなく、安定した測定を行うことができる。
極は、コラーゲンによって妨害除去膜の水分が保たれる
ため、保湿性を保つことができ、乾燥による妨害除去膜
の電極本体からの剥離を防ぐことができる。また、測定
溶液中での膨潤率、乾燥させたときの収縮率が小さくな
り、酵素固定化電極として使用したときの感度のバラツ
キがなく、安定した測定を行うことができる。
また、妨害除去膜作製用の水溶液の塗布性も良くなり、
電極表面上に膜厚が均一になるように製膜することがで
きる。
電極表面上に膜厚が均一になるように製膜することがで
きる。
コラーゲンを含まない従来の妨害除去膜では、電極本体
に妨害除去膜作製液を塗布後、調湿器の外、たとえば、
湿度40〜60%程度の雰囲気下に5〜10分間放置すると、
第3図(a)にみるように、妨害除去膜5が電極本体1か
ら剥離してしまう。このため、調湿器内で湿度80%の雰
囲気下に保って第3図(b)にみるように妨害除去膜4を
作製する必要があった。これに対し、この発明にかかる
酵素固定化電極の製造方法では、妨害除去膜の上に酵素
固定化膜を形成するにあたり、あらかじめ前記妨害除去
膜にコラーゲンを含ませておくので、調湿器の外、たと
えば、湿度40〜60%程度の雰囲気下に5〜10分間放置し
ても、第3図(b)にみるように妨害除去膜4が形成さ
れ、剥離が生じにくい。第1〜3図中、3は、セラミッ
ク、合成樹脂等からなる絶縁性基板である。電極本体1
は、たとえば、この基板3の上に形成されているが、こ
のようなものに限定されない。
に妨害除去膜作製液を塗布後、調湿器の外、たとえば、
湿度40〜60%程度の雰囲気下に5〜10分間放置すると、
第3図(a)にみるように、妨害除去膜5が電極本体1か
ら剥離してしまう。このため、調湿器内で湿度80%の雰
囲気下に保って第3図(b)にみるように妨害除去膜4を
作製する必要があった。これに対し、この発明にかかる
酵素固定化電極の製造方法では、妨害除去膜の上に酵素
固定化膜を形成するにあたり、あらかじめ前記妨害除去
膜にコラーゲンを含ませておくので、調湿器の外、たと
えば、湿度40〜60%程度の雰囲気下に5〜10分間放置し
ても、第3図(b)にみるように妨害除去膜4が形成さ
れ、剥離が生じにくい。第1〜3図中、3は、セラミッ
ク、合成樹脂等からなる絶縁性基板である。電極本体1
は、たとえば、この基板3の上に形成されているが、こ
のようなものに限定されない。
なお、この発明にかかる酵素固定化電極は、1000回以上
の連続測定も可能である。
の連続測定も可能である。
妨害除去膜がコラーゲンを含んでいることにより、乾燥
・湿潤による収縮・膨潤の変化が小さくなり、剥離しに
くくなる。
・湿潤による収縮・膨潤の変化が小さくなり、剥離しに
くくなる。
また、妨害除去膜がコラーゲンを含んでいることによ
り、同妨害除去膜の上に酵素固定化膜を形成するときの
雰囲気の調湿を行わずにすみ、妨害除去膜が電極本体か
ら剥離するのが防がれるという利点も得られる。
り、同妨害除去膜の上に酵素固定化膜を形成するときの
雰囲気の調湿を行わずにすみ、妨害除去膜が電極本体か
ら剥離するのが防がれるという利点も得られる。
以下に、この発明の具体的な実施例および比較例を示す
が、この発明は下記実施例に限定されない。
が、この発明は下記実施例に限定されない。
−実施例1〜5および比較例− 第1表にみるような組成の下地膜作製溶液、妨害除去膜
作製液および酵素固定化溶液を用いた。妨害除去膜のマ
トリックス成分としてポリアリルアミンおよびアルブミ
ンを、架橋剤としてグルタルアルデヒドを、保湿剤とし
てコラーゲンをそれぞれ用いた。酵素固定化膜のマトリ
ックス成分は、ゼラチン、ポリアリルアミン、アルブミ
ンであり、架橋剤はグルタルアルデヒドである。下地膜
作製液を第1図にみるように、リード部2を有し、基板
3上に設けられた電極本体(白金電極)1表面上に所定
量塗布したのち架橋反応を行わせて下地膜を製膜した。
この下地膜の表面に第1表に示す組成の妨害除去膜作製
液6を塗布して(第2図参照)架橋反応を行わせ、妨害
除去膜4を形成した(第3図(b)参照)。この妨害除去
膜4の表面に第1表に示す組成の酵素固定化溶液を塗布
して架橋反応を行わせ、酵素固定化膜を形成した。
作製液および酵素固定化溶液を用いた。妨害除去膜のマ
トリックス成分としてポリアリルアミンおよびアルブミ
ンを、架橋剤としてグルタルアルデヒドを、保湿剤とし
てコラーゲンをそれぞれ用いた。酵素固定化膜のマトリ
ックス成分は、ゼラチン、ポリアリルアミン、アルブミ
ンであり、架橋剤はグルタルアルデヒドである。下地膜
作製液を第1図にみるように、リード部2を有し、基板
3上に設けられた電極本体(白金電極)1表面上に所定
量塗布したのち架橋反応を行わせて下地膜を製膜した。
この下地膜の表面に第1表に示す組成の妨害除去膜作製
液6を塗布して(第2図参照)架橋反応を行わせ、妨害
除去膜4を形成した(第3図(b)参照)。この妨害除去
膜4の表面に第1表に示す組成の酵素固定化溶液を塗布
して架橋反応を行わせ、酵素固定化膜を形成した。
実施例および比較例において、電極面積は1×1mm2、
溶液塗布量は0.5μlとした。
溶液塗布量は0.5μlとした。
なお、比較例では、妨害除去膜作製液を第2図にみるよ
うに塗布してから湿度40〜60%の雰囲気下に5〜10分間
放置したところ、第3図(a)にみるように、妨害除去膜
5が電極本体1から剥離してしまった。このため、妨害
除去膜作製液を塗布して調湿器内に入れ、湿度80%以上
の雰囲気下で妨害除去膜の作製(第3図(b)参照)およ
び酵素固定化膜の作製を行った。
うに塗布してから湿度40〜60%の雰囲気下に5〜10分間
放置したところ、第3図(a)にみるように、妨害除去膜
5が電極本体1から剥離してしまった。このため、妨害
除去膜作製液を塗布して調湿器内に入れ、湿度80%以上
の雰囲気下で妨害除去膜の作製(第3図(b)参照)およ
び酵素固定化膜の作製を行った。
上記実施例および比較例で用いたポリアリルアミンは平
均分子量約60000であり、実施例で用いたコラーゲンは
(株)高研製の牛真皮・可溶性タイプIコラーゲン溶液
(pH3.0、濃度0.3%)のものであった。
均分子量約60000であり、実施例で用いたコラーゲンは
(株)高研製の牛真皮・可溶性タイプIコラーゲン溶液
(pH3.0、濃度0.3%)のものであった。
実施例1〜5および比較例の各酵素固定化電極について
検出感度(測定感度)、保湿性および感度変動を調べて
結果を第1表に示した。感度は、酵素固定化電極をポー
ラロアナライザ等の測定装置に接続し、電圧0.6V(対Ag
電極)、サンプル量を20μlとして測定した。サンプル
は、150mg/dlのグルコース溶液、100mg/dlのコレステロ
ール溶液、妨害物質として、アスコルビン酸(濃度20mg
/dl)、血液の凝固防止などに使用されるNaF(濃度50mg
/dl)を用いた。保湿性は、妨害除去膜作製液を塗布
後、湿度40〜60%の雰囲気下で5〜10分間程度のうちに
妨害除去膜が剥離しない場合を○、剥離した場合を×で
示した。感度変動は、得られた酵素固定化電極を用いて
標準液で20回測定したときの1回目の感度の測定値と20
回目の感度の測定値との変化を下式により求めて示し
た。
検出感度(測定感度)、保湿性および感度変動を調べて
結果を第1表に示した。感度は、酵素固定化電極をポー
ラロアナライザ等の測定装置に接続し、電圧0.6V(対Ag
電極)、サンプル量を20μlとして測定した。サンプル
は、150mg/dlのグルコース溶液、100mg/dlのコレステロ
ール溶液、妨害物質として、アスコルビン酸(濃度20mg
/dl)、血液の凝固防止などに使用されるNaF(濃度50mg
/dl)を用いた。保湿性は、妨害除去膜作製液を塗布
後、湿度40〜60%の雰囲気下で5〜10分間程度のうちに
妨害除去膜が剥離しない場合を○、剥離した場合を×で
示した。感度変動は、得られた酵素固定化電極を用いて
標準液で20回測定したときの1回目の感度の測定値と20
回目の感度の測定値との変化を下式により求めて示し
た。
第1表からわかるように、実施例1〜3の酵素固定化電
極は、いずれもグルコースを感度良く検出することがで
き、実施例4および5の酵素固定化電極は、いずれもコ
レステロールを感度良く検出することができた。また、
実施例1〜5では、妨害物質はほとんどまたは全く検出
されなかった。これに対し、比較例の酵素固定化電極で
は、感度変動が実施例のもの(±2%以内)よりも大き
かった(±4〜5%)。また、比較例のものは、湿度40
〜60%RHの雰囲気下では、第3図(a)にみるように、妨
害除去膜5が電極本体1から剥離したが、実施例のもの
では、同じ条件下で剥離しなかった。
極は、いずれもグルコースを感度良く検出することがで
き、実施例4および5の酵素固定化電極は、いずれもコ
レステロールを感度良く検出することができた。また、
実施例1〜5では、妨害物質はほとんどまたは全く検出
されなかった。これに対し、比較例の酵素固定化電極で
は、感度変動が実施例のもの(±2%以内)よりも大き
かった(±4〜5%)。また、比較例のものは、湿度40
〜60%RHの雰囲気下では、第3図(a)にみるように、妨
害除去膜5が電極本体1から剥離したが、実施例のもの
では、同じ条件下で剥離しなかった。
なお、上記実施例では、固定化する酵素として、グルコ
ースオキシダーゼおよびコレステロールオキシダーゼを
用いたが、この発明において使用できる酵素はこれらの
2者に限定されるものではない。また、測定用の液も血
液に限るものではない。
ースオキシダーゼおよびコレステロールオキシダーゼを
用いたが、この発明において使用できる酵素はこれらの
2者に限定されるものではない。また、測定用の液も血
液に限るものではない。
この発明にかかる酵素固定化電極は、導電性材料からな
る電極本体に酵素固定化膜および妨害除去膜が設けられ
ているものにおいて、前記妨害除去膜がコラーゲンを含
んでいることを特徴とするので、妨害除去膜の剥離がな
く、感度の良い、安定した測定を行うことができる。
る電極本体に酵素固定化膜および妨害除去膜が設けられ
ているものにおいて、前記妨害除去膜がコラーゲンを含
んでいることを特徴とするので、妨害除去膜の剥離がな
く、感度の良い、安定した測定を行うことができる。
この発明にかかる酵素固定化電極の製造方法は、導電性
材料からなる電極本体表面上に形成された妨害除去膜の
上に酵素固定化膜を形成するにあたり、前記妨害除去膜
にコラーゲンを含めておくことを特徴とするので、妨害
除去膜の上に酵素固定化膜を形成するときに、調湿する
必要がある。
材料からなる電極本体表面上に形成された妨害除去膜の
上に酵素固定化膜を形成するにあたり、前記妨害除去膜
にコラーゲンを含めておくことを特徴とするので、妨害
除去膜の上に酵素固定化膜を形成するときに、調湿する
必要がある。
第1図は、実施例および比較例に用いた白金電極の概略
を表す斜視図、第2図は、同白金電極に妨害除去膜作製
液を塗布した状態を表す概略断面図、第3図(a)は、比
較例の酵素固定化電極における妨害除去膜形成後で酵素
固定化膜形成前の状態を表す概略断面図、第3図(b)
は、実施例の酵素固定化電極における妨害除去膜形成後
で酵素固定化膜形成前の状態を表す概略断面図である。 1……電極本体、4……妨害除去膜
を表す斜視図、第2図は、同白金電極に妨害除去膜作製
液を塗布した状態を表す概略断面図、第3図(a)は、比
較例の酵素固定化電極における妨害除去膜形成後で酵素
固定化膜形成前の状態を表す概略断面図、第3図(b)
は、実施例の酵素固定化電極における妨害除去膜形成後
で酵素固定化膜形成前の状態を表す概略断面図である。 1……電極本体、4……妨害除去膜
Claims (2)
- 【請求項1】導電性材料からなる電極本体に酵素固定化
膜および妨害物質除去膜が設けられている酵素固定化電
極において、前記妨害物質除去膜がコラーゲンを含んで
いることを特徴とする酵素固定化電極。 - 【請求項2】導電性材料からなる電極本体表面上に形成
された妨害物質除去膜の上に酵素固定化膜を形成する酵
素固定化電極の製造方法において、前記妨害物質除去膜
にコラーゲンを含めておくことを特徴とする酵素固定化
電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164797A JPH0750058B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 酵素固定化電極およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1164797A JPH0750058B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 酵素固定化電極およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0328752A JPH0328752A (ja) | 1991-02-06 |
JPH0750058B2 true JPH0750058B2 (ja) | 1995-05-31 |
Family
ID=15800119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1164797A Expired - Lifetime JPH0750058B2 (ja) | 1989-06-27 | 1989-06-27 | 酵素固定化電極およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH0750058B2 (ja) |
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-
1989
- 1989-06-27 JP JP1164797A patent/JPH0750058B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0328752A (ja) | 1991-02-06 |
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