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JPH074255B2 - 形質転換宿主細胞中にハイブリッド・ポリペプチドを発現させるdna発現ベクター - Google Patents

形質転換宿主細胞中にハイブリッド・ポリペプチドを発現させるdna発現ベクター

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JPH074255B2
JPH074255B2 JP60011741A JP1174185A JPH074255B2 JP H074255 B2 JPH074255 B2 JP H074255B2 JP 60011741 A JP60011741 A JP 60011741A JP 1174185 A JP1174185 A JP 1174185A JP H074255 B2 JPH074255 B2 JP H074255B2
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JP
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signal peptide
protein
amino acid
dna
plasmid
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JP60011741A
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ピー・ホツプ トーマス
エル・ベクテツシユ スーザン
ジエイ・コンロン、ザ サード ポール
ジエイ・マーチ カール
Original Assignee
イミユネツクス コ−ポレイシヨン
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Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=24293537&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JPH074255(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
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Publication of JPS60222429A publication Critical patent/JPS60222429A/ja
Publication of JPH074255B2 publication Critical patent/JPH074255B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、タンパク質分子と、高抗原性のN-末端部分及
び該タンパク質分子との間に介在する結合部分を有する
信号ペプチドとから成るハイブリッド・ポリペプチド
を、形質転換宿主細胞中に発現させることのできるDNA
発現ベクターに関する。
[従来の技術] 酵素、ホルモン、貯蔵タンパク質、結合タンパク質、輸
送タンパク質のようなタンパク質は、組換えDNA法によ
って製造することができる。例えば、任意のタンパク質
をコードするDNA断片をプロモーター及びリボソーム結
合部位に対応する適当なDNA配列と共にプラスミドベク
ターと結合させ、プラスミドを宿主の原核または真核細
胞内に挿入した上で、転換された宿主細胞を識別し、単
離し、培養することによってタンパク質分子を発現させ
ていた。
次いで、所要のタンパク質を倍地から分離し、個別にま
たは複合的に採用される種々の方法によって精製してい
たが、この精製には、分子サイズに基づいて所要のタン
パク質を単離する方法を含むことがあつた。この精製手
順には、透析、密度勾配遠心法及びゲル・カラムクロマ
トグラフィーが含まれる。但し、この場合、透析及び密
度勾配遠心法だけで高度に精製されたタンパク質を得ら
れるものではなく、ゲル・カラムクロマトグラフィーを
利用することによって、より高度の精製が達成される
が、このような方法では精製過程中に所要のタンパク質
分子の多くが失われ、収率が低下してしまう。
可溶度差に基づく方法によっても混合物からタンパク質
分子を分離することはできるが、例えば、等電沈澱法で
は、タンパク質可溶度変化をpHの関数として利用し、溶
剤分別法では、タンパク質の可溶度が媒質の誘電率に応
じて変化するという事実を利用していた。硫酸アンモニ
ウムのような中性塩を利用することにより、塩の高イオ
ン強度に基づくタンパク質可溶度低下の結果としてタン
パク質を沈澱させる塩沈殿法も行なわれてきた。上記溶
剤分別法の重大な欠点としては、溶剤がタンパク質を変
質させるおそれがあるという事である。上記の等電沈澱
法も塩沈澱法もタンパク質を中程度以上には精製できな
かった。但し、塩沈澱法の利点の1つは多くの場合100
%近い収率を可能にするということであったので、この
方法は他の手順との併用において、初期の段階として採
用されることも多かった。
タンパク質はまた、例えば種々の電気泳動またはイオン
交換クロマトグラフィーにより、イオン性に基づいて単
離することができる。電気泳動法の多くは分析手段とし
て利用されるものの、量産には不向きである。イオン交
換クロマトグラフィーは、高度に精製されたタンパク質
を提供するが、収率レベルは多くの場合極めて低く、タ
ンパク質分子の多くが溶出液と共に失われるか、または
カラム・マトリクスに結合したままとなってしまう。
イオン交換クロマトグラフィー及びゲル・カラムクロマ
トグラフィーを含む上記精製手段の欠点を回避するた
め、親和力クロマトグラフィーを採用することが少なく
ない。この親和力クロマトグラフィーは、タンパク質が
特定的に且つ非共有的に配位子と結合できる能力に基づ
くので単独に利用すればタンパク質を極めて複雑な混合
物から単離でき、イオン交換及びゲル・カラムクロマト
グラフィーを順次行なう場合よりも高度の精製が可能と
なるだけでなく、活性が著しく失われることもないとい
う点で有利である。この点については、Rosenberry et
al.,“Purification of Acetylcholinesterase by Af
finity Chromatography and Determination of Active
Site Stoichiometry,"247 Journal of Biological Ch
emistry,1555-1565(1972) を参照されたい。親和力クロマトグラフィーは高度のタ
ンパク質精製を可能にするが、この方法は単離すべきタ
ンパク質分子に対応する多量の配位子(例えば、抗原に
対する抗体または酵素の基質)が必要となる。従って、
マウスなどの動物に問題のタンパク質分子を精製された
形で接種し、次いでこのタンパク質分子に対応する特定
配位子を識別するという時間と労力のかかる作業を行な
う必要があり、次いで、例えばハイブリドーマ法によっ
て配位子を増殖させ、親和力カラムマトリクスに対する
共有結合分離のため精製しなければならない。
ある種のタンパク質分子では、特定配位子の単離が極め
て困難であることが明らかである。また、あらゆるタイ
プのタンパク質分子、例えば、ある種の酵素には特定の
配位子が存在しないので、あらゆるタンパク質分子につ
いて、汎用の単離及び精製技術として親和力クロマトグ
ラフィーは利用されないできた。
[発明が解決しようとする課題] そこで本発明では、上述した従来の技術の欠点を解消す
る為に所要のタンパク質を経済的に製造し、タンパク質
を効率的に精製し単離するために、組換えDNA法を利用
しようとするものである。
本発明のDNA発現ベクターを使用して、形質転換された
宿主細胞中に発現する殆んど総てのタンパク質分子の分
離及び精製を単一の配位子を利用することで達成でき優
れた親和力精製効果を挙げることに関連をもつものであ
る。
本発明の他の具体的な目的であり、而も期待できる効果
としては、組換えDNA法によって製造される殆んど総て
のタンパク質分子の精製に小規模な研究レベルであろう
と、商業的な量産規模であっても利用できる標準的な、
効率の高い方法を提供することにある。
本発明によって齎らされる更に他の具体的な目的は、組
換えDNA法により製造される殆んど総てのタンパク質分
子を単一の親和力クロマトグラフィー段階で、但し高収
率を犠牲にすることなく、高レベルに精製できる方法を
提供することである。
[発明の概要] 本発明は、形質転換宿主細胞中に異種構造のハイブリッ
ド・ポリペプチドを発現させることのできるDNA発現ベ
クターであって、任意のタンパク質分子及びこれと結合
した特徴ある信号ペプチドから成るハイブリッド・ポリ
ペプチドを、形質転換宿主細胞中に発現させることので
きるDNA発現ベクターに関するものである。
本発明では、任意構成成分としてのタンパク質分子と信
号ペプチド(identification peptide)とが結合して成
るハイブリッド分子を、組換えDNA法によって製造す
る。上述の信号ペプチドは2つの主要部分、即ち、親水
性があり且つ高抗原性のあるN-末端部分と、信号ペプチ
ドをタンパク質分子と結合する結合部分とを含むもので
ある。本発明のDNA発現ベクターにおける信号ペプチド
の上記結合部分は、配列特異性のタンパク質分解剤によ
りタンパク質分子の近傍の特定アミノ酸残基において分
裂させることができるのが特徴である。この分裂作用を
実態に即した表現として、この明細書では以下開裂と云
う。信号ペプチドのこの特殊な構造により、形質転換宿
主細胞から発現したハイブリッド信号ペプチド/タンパ
ク質分子を親和力クロマトグラフィー法で単離させるこ
とができるという効果が得られる。このためには、信号
ペプチドの抗原性部分に固有の固定配位子で親和力カラ
ムを構成し、この固定配位子に本発明のDNA発現ベクタ
ーによって発現したハイブリッド・ポリペプチドである
ハイブリッド信号ペプチド/タンパク質分子を結合させ
ればよい。結合させた上述のハイブリッド信号ペプチド
/タンパク質分子をカラムから解放し、適当なタンパク
質分解剤でタンパク質分子から信号ペプチドを開裂させ
ることで、所要の高純度タンパク質分子を遊離させる効
果が得られる。
本発明の他の特徴として、本発明のDNA発現ベクターに
より発現したハイブリッド・ポリペプチドに於ける信号
ペプチドの親水性N-末端抗原性部分は、単数または複数
の親水性アミノ酸及び芳香族アミノ酸、例えば、芳香族
側鎖を有するアミノ酸から成る。これらのタイプのアミ
ノ酸は高い抗原性を有する。上述の信号ペプチドの結合
部分は、タンパク質分子の近傍の場所で、該結合部分を
開裂させる配列特異性のタンパク質分解剤によって検知
されるアミノ酸から成る。結合部分のアミノ酸配列が特
殊であり、タンパク質分解剤がタンパク質分子を開裂さ
せる可能性が極めて少ないことが望ましい。本発明で
は、タンパク質分子は形質転換した宿主細胞から発現で
きるいかなるタンパク質であってもよい。
本発明は、上述の信号ペプチドをコードする化学合成DN
A断片から成る組換えクローンベクターにも係わる。ベ
クターはまた所要のタンパク質分子をコードするDNA断
片をも含む。このDNA断片は、適当な制限エンドヌクレ
アーゼ及びリガーゼを使用することによって、プラスミ
ドのようなクローンベクターに挿入する。形質転換され
た宿主細胞を識別し、単離するためには、プラスミドが
表現型マーカー遺伝子を有することが好ましい。また、
プラスミドとしては、宿主細胞中にハイブリッド・ポリ
ペプチドであるハイブリッド信号ペプチド/タンパク質
分子の高レベル発現を得る上では、天然または合成プロ
モーターを含むものを選択することが好ましい。プラス
ミドの複製及びハイブリッド信号ペプチド/タンパク質
分子の発現のため、組換えプラスミドを利用して適合す
る原核または真核宿主細胞を形質転換する。
任意のタンパク質分子を親和力カラムクロマトグラフィ
ーにより精製するためには、信号ペプチドの抗原性部分
に対する配位子(抗体)が関係する。本発明のDNA発現
ベクターにおける信号ペプチドの構成部分の中で、特に
親水性のN-末端抗原性部分については、前述の如く配位
子との親和力カラムクロマトグラフィーによるタンパク
質分子の精製と関係するので、本発明は配位子(抗体)
自体と直接の関係はないが、関連する点を簡単に触れて
おく。この配位子は、公知の方法で化学合成された信号
ペプチドでマウス、ラビットなどを免疫処置することに
よって発生される。抗体の製造を容易にするためには、
合成された信号ペプチドをキーホール・リムペット・ヘ
モシアニン、ウシまたはヒツジの血清アルブミン、ヒツ
ジの赤血球などのようなタンパク担体と化学結合させれ
ばよい。担体の分子または細胞が大きければ接種動物の
免疫系による異種信号ペプチドを見分け易い。抗原性部
分に対する抗体を発生させるためには、動物の免疫系に
対するペプチド抗原性部分の提供を促進する分子及び/
または細胞から成る第3部分をも含む信号ペプチドを使
用するとよい。抗体製造を容易にする別の方法として
は、脂肪酸誘導アミノ酸を信号ペプチドの抗原性部分と
対向する結合部分に結合させるか、またはペプチドの抗
原性部分に直接結合させればよい。脂肪酸の作用によっ
て、信号ペプチドが凝集してミセルを形成し、脂肪酸は
ミセルの中心を構成し、この中心からペプチドの抗原性
部分が外方に広がり、接種動物の免疫系に対して理想的
な形となる。こうして形成した抗体細胞を適当な骨髄腫
細胞と結合させることによってモノクローナル抗体を発
生させる細胞ハイブリッドを形成することができる。
本発明のDNA発現ベクターによって発現したハイブリッ
ド・ポリペプチドの一部を構成する信号ペプチド、特に
そのN-末端抗原性部分が齎らす効果である抗体との親和
力を利用する精製では、上記手順によって得た抗体を親
和力クロマトグラフィー・カラムに結合させて、ハイブ
リッド・ポリペプチドであるハイブリッド信号ペプチド
/タンパク質分子に対応する固定化配位子を形成する。
上述のハイブリッド分子を倍地、細胞残渣、その他のタ
ンパク質等と共にカラムを通過させる。抗体と結合する
ハイブリッド分子は化学的手段または遊離の、即ち、脂
肪酸誘導アミノ酸が結合していない信号ペプチドからの
競合によりカラムから溶出させる。次いで信号ペプチド
のN-末端部分とタンパク質分子との間に介在する結合部
分のアミノ酸配列に固有のタンパク質分解剤によってタ
ンパク質分子から信号ペプチドを開裂させ、更に信号ペ
プチド及びタンパク質分解剤からタンパク質分子を分離
することにより高純度のタンパク質分子が得られる。
単一の抗体によって、組換えDNA法で製造された総ての
タンパク質分子を精製することができる。更に、親和力
クロマトグラフィー法に不適なものも含めて、組換えDN
A法によって製造された総てのタンパク質分子を高度に
精製することができる。
ある種のタンパク質生成物は、信号ペプチドが結合した
ままの状態でも所要の酵素活性または生物学的活性を具
える。このようなハイブリッド・ポリペプチドであるハ
イブリッド信号ペプチド/タンパク質分子はそのままの
状態で使用できるから、タンパク質分裂過程またはそれ
以後の過程を必要とせずに、抗体カラムからの溶出後に
精製が完了させることができる。
[詳細な説明] 本発明は、信号ペプチド及び所要のタンパク質分子から
成るハイブリッド・ポリペプチドを、組換えDNA法で生
成させるDNA発現ベクターに関するものである。このた
め、本発明では、信号ペプチド及び所要の機能性タンパ
ク質をコードするDNA断片を含むDNA発現ベクターを形成
する。信号ペプチドは、親水性であり、且つ高抗原性の
N-末端部と、信号ペプチドをタンパク質分子のN-末端に
連結して結合させるC-末端部とから成る。信号ペプチド
のN-末端部分とタンパク質分子との間に介在する結合部
分は、配列特異性のタンパク質分解酵素または化学的タ
ンパク質分解剤を使用することによって、所要のタンパ
ク質分子に近い位置の特定アミノ酸残基において開裂さ
せることができる。クローンベクターが複製され、ベク
ターによって形質転換された原核または真核細胞中で、
前記のハイブリッド・ポリペプチドが発現される。形質
転換した細胞は単離された後、例えば培養または発酵プ
ロセスで増殖される。
次いで、親和力クロマトグラフィーによって上述のハイ
ブリッド・ポリペプチドを精製する。信号ペプチドの抗
原性部分に固有の配位子を生成させて連球カラムまたは
その他のマトリクスに結合させる。培養または発酵から
得た宿主細胞の抽出物をカラムに加え、カラムと結合す
るポリペプチドを溶出させる。次いで適当なタンパク質
分解酵素または化学的タンパク質分解剤でタンパク質分
子から信号ペプチドを開裂させることにより、高純度、
高活性状態の所期の成熟したタンパク質分子が得られ
る。
本発明のDNA発現ベクターがコードするハイブリッド・
ポリペプチドの一部を構成する信号ペプチドについて、
以下に詳述する。
信号ペプチド 本発明が関連をもつ信号ペプチドは所望のタンパク質の
N-末端に結合した線形配列アミノ酸の形態をとる。この
線形配列は、親水性で抗原性のN-末端または“ヘッド”
部分と、信号ペプチドを任意のタンパク質分子と連結さ
せる結合部分または“テール”部分との2つの基本部分
から成る。既に上述し、詳しくは後述するように、信号
ペプチドの抗原性部分は、本発明のDNA発現ベクターを
使用して形質転換された宿主細胞によって発現され生産
されるハイブリッド・ポリペプチドの単離と精製を容易
にする効果を有する。抗原性部分は、クロマトグラフィ
ー・カラムまたはその他のマトリクスに固定化された特
定配位子(抗体)と結合する。
親和力クロマトグラフィー・カラムに使用するために、
信号ペプチドの抗原性部分に対する抗体の分離を容易に
するのには、信号ペプチドのN-末端が親水性でかつ高抗
原性でなければならない。このことは、単数または複数
の親水性アミノ酸で抗原性部分の一部を構成することで
達成できる。このようなアミノ酸としては、Arg,Asp,Gl
u,Lysなどがある。
親水性アミノ酸と芳香族アミノ酸とを用いるが、この場
合、芳香族アミノ酸として、芳香族側鎖を有するアミノ
酸も使用できる。この側鎖を有するアミノ酸も抗原性の
高いものである。このアミノ酸としては、Tyr,Phe,His,
Trpなどが挙げられる。本発明者らの所見によれば、信
号ペプチドの親水性N-末端部分の抗原性を高い優れた状
態にするためには、親水性アミノ酸及び芳香族アミノ酸
の両方から選ばれたアミノ酸を使用することが必要であ
る。但し、N-末端の親水性抗原性部分を構成するアミノ
酸配列におけるアミノ酸の数は6個を超えないことが必
要である。
更に、信号ペプチドの親水性N-末端部分の配列の特徴と
して実施例でも示されているように本発明の信号ペプチ
ドの親水性で高い抗原性のN-末端部分を構成する配列の
中に配列Asp-Tyr-Lysを含むことが重要である。
本発明では、信号ペプチドの前記結合部分が信号ペプチ
ドを該当タンパク質分子に連結する役割を果たす。但
し、信号ペプチド及び所望のタンパク質から成るハイブ
リッド・ポリペプチドを倍地抽出物から精製した後、信
号ペプチドはタンパク質から分離される。即ち、信号ペ
プチドのタンパク質との結合部分は、特定アミノ酸残
基、好ましくはタンパク質分子のN-末端に近い残基にお
いて開裂可能でなければならない。このように、上述の
結合部分は、配列特異性のタンパク質分解酵素または化
学的タンパク質分解剤により所期の残基において開裂可
能な好ましくは4〜6個のアミノ酸から成る。しかし、
上記結合部分を構成する残基数が理想の個数と異なって
も本発明の範囲から逸脱するものではない。
上記結合部分は、他のアミノ酸配列に続く、Lys,Arg,Me
tまたはAsnで終るアミノ酸配列で構成することができ
る。この配列を数式で表わすと、 X1〜n−R ……(A) (但し、Rは、Lys,Arg,MetまたはAsnであって、X
1〜nは、これらのRを除く他のアミノ酸配列を意味す
る) この結合部分のC-末端アミノ酸として、ArgまたはLysを
使用した場合は、ArgまたはLys残基の後で開裂するタン
パク質分解酵素を利用してタンパク質分子から信号ペプ
チドを除くことができる。C-末端アミノ酸としてMetま
たはAsnを使用すれば、このアミノ酸の後で開裂する適
当な化学的タンパク質分解剤を利用してタンパク質分子
から信号ペプチドを切り離すことができる。例えば、Me
t残基後の開裂に臭化シアンを利用することもできる。
Lys,Arg,MetまたはAsnは、上記結合部分の‐C末端アミ
ノ酸として使用できるが、もしタンパク質分子も同じア
ミノ酸を含有すると、タンパク質分子の開裂もこれらの
残基において起こるから、好ましくない。この問題を解
消する1つの方法として、広く天然の形で現われないア
ミノ酸配列から結合部分を構成する。例えばAsp-Asp-As
p-Asp-Lysから成る配列がその1つである。このような
アミノ酸配列が天然に現われるのは、ウシのエンテロキ
ナーゼの天然基質であるタンパク質トリプシノゲンの場
合に限られる。この独特の配列を利用して信号ペプチド
の結合部分を形成すれば、ウシのエンテロキナーゼを使
用することによって信号ペプチドからタンパク質分子を
解放することができ、この酵素がタンパク質自体の一部
を開裂させる可能性は殆んどない。
所与の組成を有する信号ペプチドについては、この信号
ペプチドのアミノ酸をコードするDNAオリゴマーを、当
業者には公知の市販の自動DNA合成装置によって合成す
ることができる。DNAを合成する方法及び装置は公知で
あるから、ここでは言及しない。後述のように、合成DN
Aオリゴマーを、所要タンパク質をコードするDNA配列に
結合してから、この結合DNA断片を適当な発現ベクター
と結合すれば、適当な宿主細胞に形質転換するためのク
ローンベクターを形成することができる。
本発明のDNA発現ベクターがコードする信号ペプチドの
構成については、既に述べたが、参考までに該信号ペプ
チドの合成について述べる。
信号ペプチドの合成 信号ペプチドは種々の形態で化学合成され、その1つは
ペプチドに対する抗体を発生させる際に利用するための
形態であり、もつ1つは親和力カラムからハイブリッド
・ポリペプチドを解放する競合因子として使用するため
の形態である。何れの形態においても、合成信号ペプチ
ドは同ペプチドの結合部分を形成する近接のアミノ酸残
基と結合する抗原性N-末端部分を形成するアミノ酸残基
を含む。信号ポリペプチドのこの2つの部分に使用され
る特定のアミノ酸残基は既に詳細に述べた。
抗体を形成するのに使用される信号ペプチドの形態にお
いては、脂肪酸で誘導される追加アミノ酸を、ペプチド
の抗原性N-末端部分とは反対側の結合部端に付加するこ
とにより、信号ペプチドが水溶液中にミセルを形成する
ようにする。疎水性脂肪酸分子がミセルの中心を構成
し、信号ペプチドの抗原性N-末端部分が球形ミセルの中
心から放射状に延びる。本発明者らの所見によれば、こ
のミセル形成は、動物の免疫系に対して信号ペプチドを
提供する理想的な方法である。
本発明の好ましい実施態様では、信号ペプチドの結合部
分と脂肪酸誘導アミノ酸との間に多数のスペーサ・アミ
ノ酸を介在させることにより、信号ペプチドの抗原性部
分がミセル中心から放射状に広がることが可能となる。
スペーサ・アミノ酸は中性で、親水性でも疎水性でもな
いことが好ましい。本発明の脂肪酸誘導信号ペプチド
は、下記式で表わすことができる。
但し、R1=親水性アミノ酸(Arg,Asp,Glu,Lys)及び芳
香族側鎖を有するアミノ酸(Tyr,Phe,His,Trp)の両方
から選ばれる6個を超えないアミノ酸により構成される
配列。
R2=配列特異性のタンパク質分解酵素または化学的タン
パク質分解剤により特定残基において開裂させることの
できる4〜6個の結合アミノ酸。
R3=Gly,Pro,またはSerから選択された1〜6個のスペ
ーサ・アミノ酸。
R4=Lysまたはオルニチンから選択された1〜3個のジ
アミノ酸。
FA=脂肪酸。
R1及びR2のアミノ酸の組成は既に述べた。スペーサ・ア
ミノ酸であるR3は1〜6個の非荷電アミノ酸Gly,Proま
たはSerから成ることが好ましい。然し、この個数が異
なっても本発明の趣旨または範囲から逸脱するものでは
ない。中性であるということにより、スペーサ・アミノ
酸は、R1及びR2のアミノ酸残基と誘導アミノ酸残基の間
に非荷電性リンクを形成し、個々のペプチド間の吸引作
用や反発作用を回避して、互いに干渉せずにミセル中心
から半径方向に略線形に延びることを可能にする。
R4のアミノ酸残基は、Lysのような1〜3個のジアミノ
酸、またはオルニチンのような非タンパク質アミノ酸か
ら成ることが好ましい。その他のジアミノ酸を使用して
もよい。また、利用する残基数がこの好ましい数より多
くても本発明の範囲から逸脱することはない。
水の存在下にミセルを形成するなら、殆んどどのような
脂肪酸でも利用できる。本発明者らの所見によれば、パ
ルミチン酸、オレイン酸またはステアリン酸がこのよう
な特性を具える。
誘導された信号ペプチドは公知の方法で化学構成すれば
よい。手操作で、または市販の自動合成装置により、カ
ルボキシル末端アミノ酸からアミノ末端アミノ酸まで残
基ごとにペプチドを形成することのできる、R,B,Merrif
ieldによって開発された固相法が好ましい。
この合成法は、濾過によって液相から分離できる程度の
サイズを有する市販の固体樹脂粒子、例えばビーズを利
用する。この粒子は、既にGlyのようなアミノ酸が初め
から結合している状態で市販されている。また、初めか
ら結合されているアミノ酸は、多くの場合、その端部及
び側部の鎖が保護されているN-α‐ブチロキシカルボニ
ル(N-α‐BOC)として提供されている。この保護され
たアミノ酸は、残基を希酸で処理してN-α‐BOC基を除
くことによって、R4ジアミノ酸と結合できる状態とな
る。保護解除は、樹脂の小サンプルで標準ニンヒドリン
試験を行なうことによって確認される。樹脂が保護解除
されていないなら、上記手順を繰返すが、樹脂が保護解
除されたら、アミノ酸を障害塩基(hindered base)で
中和して、最初のジアミノ酸と反応できる状態にする。
使用するジアミノ酸R4を、例えばN-α‐tert-ブチロキ
シカルボニル‐ε‐フルオレニルメチロキシカルボニル
(N-α‐BOC-FMOC)誘導体の形で分画保護する。この特
定誘導体により、ジアミノ酸を脂肪酸またはその他の親
油性ミセル形成物質と結合できるように、ε‐アミノ基
の保護を解くことができる。次いで、通常の酸処理によ
ってα‐BOC基を除き次のアミノ酸残基を加える。ジア
ミノ酸を残基と結合させるため、カルボジイミド縮合剤
で活性化し、樹脂と混合する。続いて、ニンヒドリン試
験を実施して結合が行なわれたかどうかを確かめる。結
合が完了すれば、ジアミノ酸残基はその側鎖に脂肪酸を
付加できる状態にある。結合が起こらなければ、上記手
順を繰返す。樹脂はジアミノ酸に脂肪酸を付加できる状
態となる。
略上述したのと同じ手順を繰返すことにより、ジアミノ
酸R4を脂肪酸FAで誘導し、樹脂マトリクスと共有結合し
ている初めのアミノ酸にジアミノ酸を結合させる。ε‐
アミノ基の保護を解くにはピペリジンのような塩基を利
用する。
先行残基のN-末端にジアミノ酸を結合し、ジアミノ酸の
ε‐アミノ基に脂肪酸を結合させるための上記手順を、
所要数の誘導アミノ酸が残基鎖と結合するまで繰返す。
次いで、スペーサ残基R3、結合残基R2及び抗原性残基R1
を構成する残りのアミノ酸残基を、上記手順を利用して
樹脂に添加する。ジアミノ酸R4の代りに適当なアミノ酸
を使用することは云うまでもない。
ペプチド抗原性部分の最後の残基を樹脂と結合させた
ら、そのN-末端を希酸で保護解除する。次いで残基のサ
イドブロック基を保護解除し、標準的な酸処理によって
樹脂からペプチドを分裂させる。最後に樹脂からペプチ
ドを単離する。
上記信号ペプチドは結合残基なしでも構成できる。即
ち、上記方法によって調製された抗原性残基を、ペプチ
ドで免疫処置された動物中に抗体を発生させるペプチド
の能力に対し、悪影響を与えずにスペーサ残基と直接結
合させることができる。このような形態の信号ペプチド
は、下記数式で表わすことができる。
但し、R1,R3,R4及びFAは上記式(B)式に関連して述べ
た通りである。
これに代わる構成として、信号ペプチド自体のR1部分
を、またはこれをR2残基と共に、公知の方法により遥か
に大きいキャリア・タンパク質分子または細胞と化学的
に結合させることも可能である。キャリア分子/細胞
は、免疫処置された動物の免疫系による信号ペプチドの
検出を容易にする。このようなタンパク質分子の例とし
ては、キーホール・リンペット・ヘモシアニン、ヒツジ
の赤血球、ウシまたはヒツジの血清アルブミンが挙げら
れる。
第2形態の合成信号ペプチドは、親和力クロマトグラフ
ィーにおける競合分子として利用される。これにより、
詳しくは後述するように、抗体親和力カラムからハイブ
リッド・ポリペプチドが開放される。このようにペプチ
ドは、フリーな形で、即ち、誘導ジアミノ酸R4またはス
ペーサ残基R3を伴なわずに、或いはR4,R3またはR2残基
を伴なわずに合成される。この相違点を除けば、このフ
リーな形態の信号ペプチドは、誘導された信号ペプチド
の調製に採用されるのと同じ手順で調製される。
以上固相樹脂で化学合成される場合について信号ペプチ
ドを説明したが、樹脂の存在しない溶液中で合成を行な
うこともできる。この場合、反応及び最終生成物は上記
のものと本質的に同じである。
本発明のDNA発現ベクターは、信号ペプチドと共にこれ
と結合させてハイブリッド・ポリペプチドを形成するた
めのタンパク質分子をコードするものであるので、以下
にこのタンパク質分子について詳述する。
タンパク質分子 本発明は、DNA発現ベクターによって形質転換宿主細胞
中に発現させることのできる殆んど如何なる原核性また
は真核性の、単純または複合タンパク質の生産にも有効
に利用することができる。これらのタンパク質として
は、オキシドレダクターゼ、トランスフェラーゼ、ヒド
ロラーゼ、リアーゼ、イソメラーゼ、リガーゼなどの酵
素を挙げることができる。
本発明のDNA発現ベクターを活用することによって、フ
ェリチンまたはオバルブミンのような貯蔵タンパク質
や、ヘモグロビン、血清アルブミン、セルロプラスミン
のような輸送タンパク質の生産をも可能にする。更に、
例えばアクチンやミオシンのように収縮及び運動系にお
いて機能するようなタンパク質もこれに含まれる。
本発明を活用することによって、また、血液タンパク・
トロンビンやフィブリノゲンのような保護または防衛機
能を有するタンパク質の生産をも可能にする。その他の
保護タンパク質としては、抗原と結合してこれを無力化
する抗体や免疫グロブリンのような結合タンパク質も含
まれる。
本発明のDNA発現ベクターを活用することによって生産
されるタンパク質は、各種のホルモン、例えばヒト成長
ホルモン、ソマトスタチン、プロラクチン、エストロー
ネ、プロゲステロン、メラニン形成細胞、甲状腺刺戟ホ
ルモン、カルシトニン、性線刺戟ホルモン、インシュリ
ンをも含む。同様のホルモンとしては、他に、免疫系に
関連すると認められているホルモン、例えばインターロ
イキン1、インターロイキン2、コロニー刺戟因子、マ
クロファージ活性化因子、インターフェロンなども含ま
れる。
本発明を活用することにより、ヒマの種子から得られる
リシンや亜麻の種子から得られるグロッシーピンのよう
な毒性タンパク質の生産にも応用できる。
構造素子として作用するタンパク質も本発明を活用する
ことによって生産でき、このようなタンパク質としては
繊維性タンパク質であるコラーゲン、エラスチン及びα
‐ケラチンがある。その他の構造性タンパク質として糖
タンパク、ウィールス・タンパク及びムコ・タンパクが
ある。
上記天然タンパクの他に、本発明は天然には生成しな
い、一般的にはアミノ酸配列として定義される合成タン
パク質の生産にも応用できる。
上記した各種タンパク質分子をコードする遺伝子は、動
植物の細胞やバクテリア細胞のような各種の原核性また
は真核性細胞から得られる。これらの遺伝子は、標準的
な公知技術を駆使することにより、上記細胞の染色体物
質から、または原核細胞のプラスミドから単離すること
ができる。多くの異なるタンパク質分子をコードする遺
伝子を有する多様な天然及び合成プラスミドが、種々の
供給元から市販されている。所要のDNAも逆転写酵素に
よりmRNAから製造することができる。この酵素はRNA鋳
型からのDNA合成を可能にする。
DNA発現ベクターの調製 本発明では、所期のタンパク質分子をコードする遺伝子
が単離、合成またはその他の形で得られたら、これを信
号ペプチドをコードする合成DNA断片と接合する。既に
述べたように、信号ペプチド遺伝子は、公知の方法によ
って合成することができる。この公知の方法については
ここで更めて説明しない。タンパク質分子遺伝子及び信
号ペプチド遺伝子の他に、必要ならば、ハイブリッドDN
A断片は、宿主細胞における高レベルのタンパク質翻訳
のためのリボソーム結合部位、翻訳開始コドン(ATG)
及びプロモーターを含むことができる。
タンパク質分子及び信号ペプチドを夫々コードする遺伝
子を適当な制限酵素で処理するか、または他の方法で操
作することにより、相互に、且つプラスミドまたはその
他のクローンベクターと結合し易い付着末端を形成す
る。クローンベクターに、好ましくは、異種遺伝子との
結合前に、異種遺伝子に相補的付着末端を形成させるた
めの処理に使用される同じ制限エンドヌクレアーゼを作
用させる。こうして得たクローンベクターを利用して宿
主細胞を形質転換する。形質転換体を単離し、異種遺伝
子の存在及びベクター内での遺伝子の正しい配位に関し
て分析する。次いで形質転換体を倍地中で増倍させるこ
とにより、ベクターを複製すると共に求めるハイブリッ
ド・ペプチドを高レベルで発現させる。更に、クローン
ベクターを利用することにより、ハイブリッド異種構造
ポリペプチドを量産できるように、選んだ宿主またはそ
の他の宿主の他の株を形質転換することができる。組換
えベクターの調製、ベクターによる宿主細胞の形質転
換、ベクターの複製、及びポリペプチドとタンパク質の
発現に必要な種々の手順と材料は、 Old and Primrose,Principals of Gene Manipulatio
n,(2d Ed,1981)に記載されている。
本発明を実施するには、種々のクローンベクターを利用
することができる。プラスミドが好ましいが、ベクター
として、バクテリオファージまたはコスミドを使用して
もよい。クローニングが、哺乳類または植物細胞内で行
なわれるなら、ベクターとしてウィールスを使用でき
る。プラスミドを使用するなら、天然でも人工合成でも
よい。特定のプラスミドを選ぶとすれば、大腸菌(E.Co
li)、酵母のようなバクテリアであろうと、その他の単
細胞微生物であろうと、宿主としての特定細胞と適合す
るものでなければならない。プラスミドは、選択した特
定の宿主細胞に対応する適正な複製(レプリコン)起源
を持つものでなければならない。また、プラスミドの大
きさは、関連するタンパク質分子及び信号ペプチドをコ
ードするハイブリッド遺伝子を収納できる大きさでなけ
ればならないが、その分子量はできるだけ低くなければ
ならない。分子量の低いプラスミドは、剪断による損傷
に対する耐性に優れ、宿主細胞から単離し易い。天然の
ものであれば、多重コピーとして存在するのが普通であ
り、従って単離が容易である。低分子量プラスミドが制
限エンドヌクレアーゼのための多重基質部位をもつ可能
性は少ない。
プラスミド・クローンベクターの他の条件は、挿入され
る異種遺伝子の末端と相補的な適当な結合末端を提供す
る一方で、レプリコンを不活性化することなく、異種遺
伝子と結合するために、プラスミドを分裂させる制限酵
素が存在することである。このためには、プラスミドが
多数の制限エンドヌクレアーゼのための単一基質部位を
もつことが好ましい。
更に、プラスミドは、形質転換宿主細胞を容易に識別
し、形質転換していない細胞から分離することを可能に
する表現型でなければならない。このような表現型選択
遺伝子は、例えば、抗生物質のような成長抑制物質に対
する耐性を提供する遺伝子を含むことができる。プラス
ミドはテトラサイクリン、ストレプトマイシン、サルフ
ァ剤、ペニシリン、アンピシリンなどのような、種々の
抗生物質に対して耐性を有する遺伝子を含むものが広く
開発されている。これらの抗生物質の1つを含有する培
地で宿主細胞を培養すると、適当な耐抗生物質遺伝子を
有する形質転換体だけが生き残る。
形質転換宿主細胞を他と区別するために成長抑制物質に
対して耐性を有する遺伝子を利用するのではなく、表現
型選択遺伝子として成長因子を提供する遺伝子を利用し
てもよく、この成長因子の作用下に形質転換細胞は、そ
の成長に必要な因子を欠く培地中でも増殖することがで
きる。例えば、酵母の生長栄養素では、このような成長
因子としてトリプトファンやロイシンが含まれる。
宿主細胞として、E.Coliを使用する場合、本発明を実施
するのに好ましいプラスミドは、pYEJ 001(PL Bioch
emicals)である。このプラスミドは、アンピシリンに
対しても、テトラサイクリンに対しても耐性を有する遺
伝子コードを有する。このプラスミドはE.Coli中で増殖
する複製起源をも含み、E.Coli中で異種遺伝子を高レベ
ルで発現させるためのラクトースオペロン及び合成プロ
モーター部位を有する。このプラスミドの部分制限エン
ドヌクレアーゼ分裂の状態が第1図の中に示されてい
る。
E.Coli中での高レベル発現に好適な他のプラスミドとし
ては、pBR 322がある。このプラスミドは、Bolivar e
t al.,2 Gene 95−113(1977) に記載されており、Sutcliffe、43Cold Spring Harb.S
ymp.Quant.Biol.,(1)77−90(1979) によって、その特徴などが詳しく解明されている。
形質転換体として酵母細胞を使用する場合、用いられる
プラスミドとしてはp219が好ましい。このプラスミドの
サンプルは、受託番号第39550号でAmerican Tyre Cultu
re Collection(ATCC)、12361Parklawn Drive,Rockvi
lle,Maryland 20852に保管されている。第2図に示すよ
うに、このプラスミドは、酵母中でもE.Coli中でもプラ
スミドが増殖できるように、酵母プロモーター配列を有
する。更に、E.Coli中でプラスミドを選択するための選
択マーカーであるアンピシリン耐性遺伝子と、酵母trp-
栄養素要求株中で選択するための酵母trp1遺伝子をも含
む。
プラスミドの代りにバクテリオファージを使用する場
合、このファージは、プラスミド選択に利用される上記
特性と略同じ特性を具えねばならない。このファージ
は、表現型マーカー遺伝子と、信号ペプチド及び関連タ
ンパク質分子をコードする異種ハイブリッド遺伝子に結
合する結合末端とを含む。
結合用のプラスミドを調整するには、制限エンドヌクレ
アーゼを作用させることにより、2個のDNA紐が互いに
接近した部位において分離して5′‐リン酸塩及び3′
‐水酸基を帯びる付着末端(粘着端)を形成し、異種遺
伝子との結合を容易にする線形断片を生成させることが
好ましい。上記プラスミドに体して、制限エンドヌクレ
アーゼHind III及びEco RIがこのような結果を生む。
第1図及び第2図のマップから明らかなように、その他
の制限エンドヌクレアーゼを利用して他の目標部位にお
いてプラスミドを分裂させてもよい。また、プラスミド
を2つの異なる制限エンドヌクレアーゼで順次処理する
ことにより、互いに異なる末端構造を形成して、異種DN
A断片の正しい配位での結合を容易にすることができ
る。
或る種の制限酵素(Pvull、Bal I)は、角張った端部を
形成する。プラスミドの角張った端部は、適当なリガー
ゼで異種遺伝子に接合することができる。5′及び/ま
たは3′端部に核酸を添加することにより、例えばリン
カー分子を利用して付着末端を形成してもよい。更に
は、適当な酵素でフラッシュ端から塩基を除去すること
によって付着末端を形成することも可能である。その方
法及び材料は公知である。上記Old and Primroseを参
照されたい。
好ましくは、線形化されたプラスミドベクターをアルカ
リ性ホスファターゼで処理することにより5′−末端リ
ン酸塩基を除く。これによってプラスミドの再環化が防
止され、異種DNAの各端に、プラスミドから分離したま
まの切れ目が1つずつ残る。但し、宿種細胞の形質転換
後、細胞修復機構が切れ目を修復する。
選択されたプラスミドに制限エンドヌクレアーゼを作用
させると、2個以上の線形DNA断片が形成される。クロ
ーンベクターの形成に使用する断片、即ち、表現型信号
遺伝子、レプリコン及びその他の必要成分を有する断片
は、例えばゲル電気泳動のような公知技術によって識別
することができる。
選択したクローンベクターと接合する前に、信号ペプチ
ド及び当該タンパク質分子をコードする異種遺伝子を先
ず互いに接合しなければならない。好ましくは、タンパ
ク質分子をコードする遺伝子を、遺伝子の該当末端がプ
ラスミドの対応末端と適合するように、プラスミドベク
ターの分裂に利用するのと同じ制限エンドヌクレアーゼ
で処理する。この遺伝子を第2の別種制限エンドヌクレ
アーゼで処理することにより、信号ペプチド遺伝子と結
合する反対末端を形成することも可能である。
信号ペプチドをコードする遺伝子は化学合成によって形
成されるから、タンパク質分子遺伝子及びこれと対応す
るプラスミド末端との結合を容易にする適当な末端構造
で構成することができる。リボソーム結合部位をコード
するオリゴマー及び翻訳開始コドン(ATG)も合成する
ことができる。信号ペプチド、リボソーム結合部位及び
翻訳コドンに対応する合成DNAオリゴマーを公知の方法
により、適当なDNAリガーゼを介して生体外(in vitr
o)でタンパク質分子遺伝子と接合する。
結合反応において、アデノシン三リン酸(ATP)、ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)、または
その他の適当な共役因子をDNAリガーゼと併用する。ま
た、還元剤として、ジチオトレイトールを、DNA安定剤
として、スペルミジンを夫々使用することができる。ウ
シの血清アルブミン(BSA)のようなタンパク質源を利
用すれば変質を防止することができる。好ましくは、タ
ンパク質分子をコードする遺伝子と合成オリゴマーとの
モル比を約1〜5:5〜1とする。結合後、例えば、ゲル
電気泳動によりDNA紐を分析して、タンパク質分子をコ
ードするDNA断片から成るDNA紐が合成オリゴマーと正し
く一体化しているかどうかを確認する。
次に、一体化した遺伝子をリガーゼ緩衝液及び適当なDN
Aリガーゼを含有する溶液中で線形プラスミド断片に結
合させる。好ましくは、プラスミドと一体化遺伝子との
モル比を約1〜5:5〜1に設定する。先に述べたタンパ
ク質分子遺伝子と信号ペプチド遺伝子との結合の場合と
同様に、この結合もATPまたはNAD+のような補酵素を必
要とし、好ましくは、タンパク質源、還元剤及びDNA安
定剤を利用する。培養後、一体化遺伝子の移動度を有す
る再環化プラスミドを、例えばゲル電気泳動のような標
準的な方法によって確認する。
組換えDNAプラスミドの形質転換 上述のように調製された組換えDNAプラスミドを利用し
て宿主細胞を形質転換する。宿主細胞は、適当な原核ま
たは真核細胞であればよいが、例えばE.Coliや酵母のよ
うな実体の明確なバクテリアであることが好ましい。こ
のような宿主は何れも形質転換され易く、発酵培地中で
急速に増殖できる。E.Coliの代りに、他の単細胞微生
物、例えば真菌や藻類を使用してもよい。他に、サルモ
ネラや肺炎球菌のようなバクテリアをE.Coliの代りに利
用することもできる。どのような宿主を選ぶにしても、
組換えプラスミドを分裂させるような制限酵素を含有せ
ず、表現型発現に必要な生化学的経路及びハイブリッド
・ポリペプチドを正しく発現させるために必要なその他
の機能を有する宿主でなければならない。
E.Coliを選ぶ場合、好ましい菌株としてRR1及びHB101が
あり、何れも広く市販されている。酵母中での形質転換
には、DB 746及びDBK 747が菌株として好ましい。これ
らの菌株もまた入手可能である(例えばATCCから夫々菌
株第44 773号及び第44 774号として入手できる)。
E.Coli中での組換えプラスミドの形質転換法は公知であ
る。その代表的な方法は米国特許第4,332,900号に開示
されている。組換えプラスミドによる酵母細胞の形質転
換手順も公知である。Beggs,275Nature 104〜109(197
8)を参照されたい。
形質転換の際には、細胞によるプラスミド取込みに限度
があるから、宿主細胞の極く一部だけが実際に形質転換
される。そこで、形質転換体を単離する前に、形質転換
に利用する宿主細胞を適当な培地中で増殖させる。実際
に形質転換された細胞は、例えば、抗生物質のような表
現型マーカーを含有する適当な培養媒体を含む寒天プレ
ートに最初の培地を置くことによって識別することがで
きる。適切な耐性遺伝子を有する細胞だけが生き残るか
ら、生き残りコロニーからの細胞を溶解させ、溶解産物
からプラスミドを単離すればよい。こうして単離したプ
ラスミドの特に重要な特徴は、制限エンドヌクレアーゼ
を作用させてからゲル電気泳動試験を行なう等の標準的
な方法により、一体化遺伝子が正しい配位で結合してい
るかどうかを識別する手がかりとなることである。
形質転換した細胞を識別したら、これらの細胞を発酵な
どの公知方法によって増殖させる。また、回収されたク
ローン組換えプラスミドは、ハイブリッド・ポリペプチ
ドが高レベルで複製され、発現するように他のバクテリ
ア菌株またはその他の宿主細胞を形質転換するのに利用
することができる。
本発明のDNA発現ベクターによって発現させたハイブリ
ッド・ポリペプチドを構成する信号ペプチドの、親水性
があり、且つ性をもつN-末端部分は、配位子(抗体)と
の親和力が強いので、これを利用してハイブリッド・ポ
リペプチドを精製するのに優れた効果を発揮できる。
以下本発明のDNA発現ベクターを使用することによって
得られる効果の一つとして、参考までにこの精製につい
て言及しておく。
ハイブリッド・ポリペプチドの精製 形質転換された宿主細胞によって発現されられたハイブ
リッド・ポリペプチド分子を、培地、その他の細胞物質
等から、好ましくは、親和力クロマトグラフィー法によ
って分離する。このため、ハイブリッド・ポリペプチド
の信号ペプチド部分に対する抗体を、カラム・マトリク
スに使用する目的で作らなければならない。このような
抗体を生産するため、信号ペプチドを先ず合成してか
ら、これを利用して適当な動物に免疫処理を施すことに
よって、信号ペプチドに対する抗体を生産する。この抗
体は、酵素結合免疫吸収体分析(ELISA)またはその他
の適当な分析によって識別することができる。次いで、
ハイブリドーマ法によってモノクローン抗体を生産する
ことができる。精製後、この抗体をカラム・マトリクス
と結合させ、次いで形質転換宿主細胞からの抽出物をハ
イブリッド・ポリペプチドを単離するために、このカラ
ムに通す。ハイブリッド・ポリペプチドは、例えば遊離
の信号ペプチドからの競合によってカラムから溶出され
る。信号ペプチドをタンパク質分子から分裂させてか
ら、タンパク質分子を信号ペプチドから分離して精製タ
ンパク質を得る。
実施例1 E.Coli宿主細胞形質転換のための組換えプラスミドの調
製 表1に示す4種のDNAオリゴマーを、例えば、 (1) Letsinger et al.,97 Journal of American C
hemical Society,3278(1975)、 (2) Matteucci et al.,21 Tetrahedron Lett.,71
9(1980)、及び (3) Matteucci et al.,103 Journal of American
Chemical Society,3185(1981)に記載されているよう
に化学合成する。
これら4種のオリゴマーが組合わされて、翻訳開始コド
ン(ATG)、アミノ酸配列から成るリボソーム結合部位
をコードする塩基、及びアミノ酸配列(Asp-Tyr-Lys-As
p-Asp-Asp-Asp-Lys)によって表わされる信号ペプチド
のコドンを構成する。信号ペプチドにおいて、配列Asp-
Tyr-Lysは同ペプチドの抗原性部分を構成し、配列Asp-A
sp-Asp-Asp-Lysは信号ペプチドのプロテアーゼ分裂結合
部分を構成する。表1から明らかなように、4種のオリ
ゴマーを組合わせると、Hind III制限エンドヌクレアー
ゼ分裂部位と適合する末端を規定する。合成断片の他の
末端は、Hae III制限エンドヌクレアーゼ分裂部位に対
応する。
形質転換宿主細胞中に発現させるため、人の免疫系の調
整ホルモンであるタンパク質、インターロイキン2(IL
-2)をコードするDNAを、 Taniguchi et al.,“Structure and Expression of a
Cloned cDNA for human Interleukin 2,"302 Nature
305(March 24,1983) に開示されている方法で調製する。IL-2DNA断片の始端
をリンカー分子で処理するなどして角張った端部を形成
する。DNA断片の反対端を適当に処理して、Hind III分
裂部位と適合させる、IL-2をコードするDNAは公知の化
学合成法で製造できる。
4個の合成DNAオリゴマーをIL-2DNAと結合して、4個の
合成DNAオリゴマーを1μずつ(それぞれ20ng)とIL-
2DNA断片5μ(200ng)から成る20μの反応容積中
に約730塩基対(bp)の一体化断片を形成する。更に2
μのT4-DNAリガーゼ及び2μの10×リガーゼ緩衝液
(0.66Mトリス緩衝液[pH7.5]、50mM塩化マグネシウ
ム)を添加する。更に、2μの15mMスペルミジン、2
μの50mMジチオトレイトル、2μの1mg/mlBSA及び
1μの20mMアデノシン三リン酸(ATP)を添加する。
一晩、4℃で培養することにより反応させる。
室温、100Vで1.2%アガロース・ゲルにおいて、リガー
ゼ混合物を電気泳動させる。730bpDNA断片を含有するゲ
ル領域を刺戟してゲルから電気溶出させる。DNAをフェ
ノール、クロロホルム、イソアミルアルコール(25:25:
1容積比)で一度抽出する。水相に2.5容の100%エタノ
ールを添加してDNAを沈澱させる。この溶液を一晩の
間、−20℃で保管した後、室温において10,000×gで5
分間遠心処理し、所要のDNA生成物のペレットを得る。
この730bp断片は、クローニングベクタープラスミドに
おいてHind III部位と結合する相補端を有する。
第1図に示す(P.L.Biochemicalsから得られる)プラス
ミドpYEJ 001を調製し、DNA1μgにつき1ユニット
(U)のHind III制限エンドヌクレアーゼを使用して、
プラスミドにHind III制限エンドヌクレアーゼを作用さ
せることにより、上記730bp断片と結合させる。この反
応には450μの1×Hind III緩衝液(70mMトリス緩衝
液[pH7.4]、70mM塩化マグネシウム、0.6M NaCl)が
関与する。この混合物を1時間に亘り37℃で培養する。
次いで45μの10×CIP緩衝液(0.5Mトリス緩衝液[pH
9.0]、10mM塩化マグネシウム、1mM塩化亜鉛、10mMスペ
ルミジン)及び1μの子ウシの腸ホスファターゼ(30
U)で線形化DNAをホスファーゼ処理することにより、自
己結合を防止する。混合物を37℃で30分間培養してから
上記フェノール、クロロホルム、イソアミルアルコール
(25:25:1容積比)で一度抽出する。水相に、(水相に
対して)2.5容の100%エタノールを添加し、この混合物
を一晩、−20℃で保管する。次いで混合物を22℃で5分
間、10,000×gで遠心処理してペレットを得る。ペレッ
ト状DNAを22℃で2時間、0.7%アガロース・ゲルで100V
の電圧下に電気泳動させる。
プラスミドpYEJ 001に制限エンドヌクレアーゼを作用
させることにより、2つのDNA断片が形成され、その1
つは3,273bp、もう1つは787bpである。第1図に示すよ
うに、テトラサイクリン及びアンピシリン表現型マーカ
ーをコードする配列、ラクトースオペロン及び合成プロ
モーターを含有する比較的大きい断片を電気溶出によっ
て単離し、フェノール、クロロホルム、イソアミルアル
コール(25:25:1容積比)で一度抽出する。水相に2.5容
の100%エタノールを添加してから、溶液を一晩、−20
℃で保管する。次いで混合物を22℃で5分間、10,000×
gで遠心処理し、所期生成物をペレット状にする。
既に結合している信号ペプチドオリゴマー/IL-2断片
は、2μのpYEJ 001の3273bp断片(100ng)を、2μ
の10×リガーゼ緩衝液(0.66Mトリス緩衝液[pH7.
5]、50mM塩化マグネシウム)、2μの50mMジチオト
レイトール、2μの50mMスペルミジン、2μの1mg/
ml BSA、1μの20mMアデノシン三リン酸、3μのH2
O及び1μのT4-DNAリガーゼと共に、上記した既に結
合している信号ペプチド/IL-2断片(660bp)500μ(1
00ng)と組合わせることにより、上記pYEJ 001プラス
ミドの単離3,273bp断片と結合する。この混合物を一
晩、15℃で培養する。
こうして得られた組換えプラスミドpImcf 001によっ
て、Maniatis et al.,Molecular Cloning:A Laborato
ry Manual,Cold Spring HaborLaboratory(1932)に開
示されているような標準的な形質転換法を利用し、E.Co
li菌株RR1を形質転換する。宿主細胞を培地中で増殖さ
せてから溶解させる。形質転換した宿主細胞からのプラ
スミドについて、プラスミド内の異種遺伝子(一体化信
号ペプチドオリゴマー/IL-2断片)の配位が正しいかど
うかをチェックする。
実施例2 酵母宿主細胞形質転換用プラスミドの調製 実施例1で述べたようにして、IL-2をコードするDNA断
片(660bp)を調製する。表2に示すような34及び30個
の塩基を有する2種類の合成DNAオリゴマーを、標準的
な方法を利用して化学合成する。表2に示すように、合
成DNAオリゴマーの1つの末端は、酵母プラスミドと次
に結合するEcoR I分裂部位に対応し、二重化オリゴマー
の反対端は、次にIL-2DNA断片と結合するHae III分裂部
位と一致する。表2に示すように、合成オリゴマーは二
重化された時にプロモーター部位やリボソーム結合部位
を欠いてはいるが、実施例1に示されたものと同じ信号
ペプチドを表わす。
本発明における酵母宿主細胞を形質転換するプラスミド
(DNA発現ベクター)の調製に関連してその構造転換の
構成と体系の概要図を第2図に示した。50μのプラス
ミド(50μg)を450μの1×Hind III緩衝液及び10
μのEcoR I制限エンドヌクレアーゼと混合することに
より、クローンベクターであるプラスミドp 219を、制
限エンドヌクレアーゼEcoR Iで完全に処理する。この混
合物を37℃で2時間培養してから、10分間に亘り65℃に
熱してEcoR I酵素を不活性化する。次いで、酵素制限条
件下にプラスミドにHind IIIを作用させる。このため、
上記混合物に2μのHind III制限エンドヌクレアーゼ
(10U/μ)を添加し、これを37℃で20分間培養する。
次いで混合物を10分間65℃に加熱する。p219プラスミド
を制限エンドヌクレアーゼで2度処理することにより得
られる所期の7.4kb断片を、実施例1で述べたアガロー
ス・ゲルからの電気泳動によって単離する。
第2図に示すように、夫々1単位の2種類の合成DNAオ
リゴマー(夫々20ng)と、1μのIL-2断片(660bp)
(200ng)と、1μ(40ng)の7.4kbのp 219プラスミ
ドとから成る反応混合物中で、1μのT4-DNAリガーゼ
及び2μの10×リガーゼ緩衝液(0.66Mトリス緩衝液
[pH7.5]、50mM塩化マグネシウム)の存在において、
合成DNAオリゴマー、IL-2DNA断片及び所要の線形下p219
断片を結合させる。結合を容易にするため、2μの15
mMスペルミジン、2μの50mMジチオトレイトール、2
μの1mg/ml BSA、1μの20mM ATP及び6μのH2O
を添加して反応容積を20μとする。14℃で一晩培養す
ることによって反応させる。
このように構成された混合物をそのまま利用して、E.Co
li RR1を形質転換する。形質転換プロセス後、組換えDN
A、即ち、p I myf 100をE.Coli宿主から単離し、数種類
の制限エンドヌクレアーゼを別々に作用させるととも
に、正しいプラスミドが構成されたことを確認する。
組換えDNAプラスミドであるp I myf 100を利用して、酵
母のサッカロミセス・セレビシェー(Saccharomyces Ce
revisiae)DB 746菌株を形質転換する。形質転換に先立
って、DB 746菌株を、YP-グルコース(200ml)培地で2
×107細胞×mlに培養されるまで増殖させる。細胞を22
℃で5分間1,000×gで遠心分離処理することによって
採取する。ペレットを殺菌蒸留水で洗浄する。
次いで、20mlのSED(1Mソルビトール、25mM EDTA[pH
8.0]及び50mMジチオトレイトール)中に再分散させて
酵母細胞を濃縮し、30℃で10分間培養する。続いて、細
胞緩衝混合液を300×gで5分間遠心処理する。20mlの1
Mソルビトールでペレットを1回洗浄し、再び細胞を20m
lのSCE(1Mソルビトール、0.1Mクエン酸ナトリウム[pH
5.8]、0.01MのEDTA)に懸濁させる。細胞壁を破壊する
ため、0.2mlのグルスラーゼを溶液に添加し、静かに攪
拌して30分間、30℃で培養する。
10mlの酵母細胞を顕微鏡スライド上の5%(重量/容
積)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)の1滴中に希釈
し、400×位相コントラストにおける“ゴースト”を観
察することによって、スフェロプラストの存在を検出す
る。
次いで、細胞混合物を3分間、300×gで遠心処理す
る。得られたペレットを20mlの1Mソルビトールで2回洗
浄してからSTC(1Mソルビトール、10mM CaCl2、10mMト
リス塩酸緩衝液[pH7.5])で1回洗浄する。
ここで、酵母スフェロプラストを上記Beggsの方法で調
製したプラスミドベクターにより形質転換する。ペレッ
ト状プロトプラストを1.0mlのSTC中に懸濁させ、10ml使
い捨て試験管(Falcon #2059)に収納された100μ部
分サンプルに分割する。次いで各部分サンプル(0.5〜
5μg)に1〜10μlのDNAプラスミドを添加する。混
合物を室温で10分間放置してから、各部分サンプルに1m
lのPEG(20%PEG4000、10mM CaCl2、10mMトリス塩酸緩
衝液[pH7.4])を添加してDNA取込みを促進する。室温
で10分間放置した後、混合物を5分間350×gで遠心処
理する。得られたペレットを、150μのSOS(10mlの2M
ソルビトール、6.7mlのYEP(1%wt/vol酵母抽出物、20
%wt/volペプトン、2%wt/volグルコース)、0.13mlの
1M CaCl2、27μの1%リシン、及び3.7mlの水)中に
再懸濁させる。この混合物を30℃で20分間培養する。次
いで細胞をプレート培養するか、または数日間に亘って
4℃に維持する。
プロトパラスト/DNA混合物のプレート培養に先立ち、プ
レートを予め37℃で培養してからTOP寒天を添加し、プ
レートを45℃に維持する。TOP寒天は18.2mlのソルビト
ール、2gの寒天、0.6gのDifco酵母窒素ベース(アミノ
酸を含まず)、2gのグルコース、0.1mlの1%アデニ
ン、0.4mlの1%ウラシル及び必要に応じてアミノ酸か
ら成る。次に各部分サンプルに6mlのTOP寒天を添加し、
試験管の内容物をプレート培養寒天に注ぐ。プレートを
2〜4日間30℃で培養する。Trpマイナス媒体中に発生
するコロニーは、Trp1遺伝子を有するプラスミド、即
ち、形質転換されたプラスミドを含む。
実施例3 ジパルミチル誘導信号ペプチドの生化学合成 固相化学合成法を利用して下記組成を有するジパルミチ
ル誘導信号ペプチドを調製する。
信号ペプチドの合成は、カルボキシ末端(COOH)残基か
ら始まる。この合成プロセスにおいて、0.5gのN-α‐ブ
チロキシカルボニル(α‐BOC)Gly樹脂(Peninsula La
bs)を10mlの溶剤塩化メチレン(CH2Cl2,Baker Labora
tories)で2回洗浄する。次いで10mlの30%(V/V)ト
リフルオロ酢酸(TFA,Pierce Biochemicals)のCH2Cl2
溶液で樹脂を1回洗浄する。
樹脂を10mlの30%(V/V)TFAのCH2Cl2溶液と反応させる
ことによって、Glyからα‐BOC基を除去する。次いで、
10mlのCH2Cl2により、樹脂を3回洗浄する。
樹脂の保護解除は、少量の樹脂サンプルに対するニンヒ
ドリン(色)テストによって確認する。1mgの樹脂を10
×75mmガラス試験管に注入し、これをエタノール希釈80
%(V/V)フェノール3滴、ピリジン3滴、及びエタノ
ール希釈5%(W/V)ニンヒドリン3滴を添加する。混
合物を5分間煮沸する。樹脂は、濃青色になれば“保護
解除”されたことを意味し、もし濃青色にならなければ
上記手順を繰返す。
次に、CH2Cl2に希釈した5%(V/V)ジイソプロピルエ
チルアミン(再蒸留DIEA、Aldrich Chemicals)から成
る10mlの干渉塩基(hindered base)を添加することに
よって樹脂を中和し、室温で5分間シェーキングする。
液をデカントし、この工程を繰返す。更めて10mlのCH2C
l2中で3回樹脂を洗浄する。
誘導体α‐ブチロキシカルボニル‐ε‐フルオルエチル
メチロキシカルボニル(α‐BOC-ε‐FMOC)の形態をと
るジアミノ酸Lysを、次にブロッキングを解かれたGly樹
脂と結合させるため、2mMのLys誘導体を10ml CH2Cl2
溶かした1mMのカルボジイミド縮合剤ジシクロヘキシル
カルボジイミド(DCC、Sigma)と混合することによって
活性化する。この混合物を10分間に亘り氷上で反応させ
てから濾過する。活性化α‐BOC-ε‐FMOC-Lysから成る
濾液を樹脂に添加し、室温で2分間シェーキングする。
次いで樹脂を10mlのCH2Cl2中で2回洗浄する。
ここで上記ニンヒドリン・テストを繰返して結合が起こ
ったかどうか、即ち、樹脂が黄色のままであるかどうか
をチェックする。もし樹脂が紫変して反応が不完全であ
ることを示す場合には、DIEAによる樹脂の中和から始ま
る上記結合プロセスを変更形式で繰返す。即ち、CH2Cl2
に溶かした10mlの5%(V/V)DIEAを樹脂に添加し、混
合物を室温で5分間シェーキングする。樹脂を10mlのCH
2Cl2で3回洗浄する。次に1.26mMのDCC、2mMのヒドロキ
シベンゾトリアゾール(HOBT、Aldrich)(上記DCCの使
用に代わるものとして)、及び1.27mMα‐BOC-ε‐FMOC
-Lysを10mlのジメチルホルムアミド(DMF、Pierce)(C
H2Cl2に代わる溶剤として)に溶かし、0℃において10
分間反応させる。活性アミノ酸HOBTエステルを含有する
この混合物を保護解除された樹脂に添加し、室温で4時
間シェーキングすることにより結合反応を完結させる。
樹脂を10mlのDMFで2回洗浄し、更に10mlのCH2Cl2で2
回洗浄する。ニンヒドリン・テストを繰返す。樹脂が黄
色のまま(陰性)なら、パルミチン酸と結合できる状態
にある。
Gly結合樹脂と結合しているLys残基にパルミチン酸を添
加するため、上記手順を変更した形で操作を繰返す。即
ち、CH2Cl2による最初の樹脂洗浄に続いて、(TFAの代
わりに)CH2Cl2に溶かした50%(V/V)ピペリジン10ml
で洗浄する。次に、(CH2Cl2で希釈した)10mlの50%ピ
ペリジンを添加することによって、FMOC-Lysのε‐アミ
ノ基を保護解除し、室温で30分間シェーキングする。次
いでこの混合物を10ml CH2Cl2で3回洗浄する。
α‐BOC-ε‐FMOC-Lysの結合に利用したのと同じ方法で
10mMのパルミチン酸をε‐アミノ基と反応させる。この
方法により、先行アミノ酸(樹脂と結合しているGly)
と結合したパルミチル誘導アミノ酸を生成させて、免疫
処置のためのミセル形成を容易にする。
信号ペプチド合成の次の段階として、上記手順を繰返す
ことによって第2パルミチル誘導アミノ酸残基(Lys)
を添加する。然る後、誘導ペプチドを構成する残りのア
ミノ酸残基を、上記Lys残基を適当なアミノ酸で置換す
ることにより添加し、必要な長さの信号ペプチドを得
る。最終Asp残基の結合後、この残基のN末端を、CH2Cl
2で樹脂を2回、更に10mlの30%TFA(CH2Cl2中V/V)で
1回洗浄することによって保護解除する。更に10mlの30
%TFA(CH2Cl2中V/V)を樹脂に添加し、この混合物を室
温で30分間シェーキングする。次いで樹脂をCH2Cl2中で
3回洗浄する。
上記結合手順完了後、パルミチル誘導ペプチド分子全体
を樹脂から分裂させ、弗化水素(HF)を利用して残基の
側方ブロッキング基を保護解除することによって、2個
のパルミチル酸誘導リシン残基を有するアミノ酸配列を
生成させる。側方基の保護解除及び分裂は、乾式攪拌棒
付きの反応フラスコにペプチド分子を入れて行なう。Ty
r残基を保護するためフラスコに1.0mlのアニソール(Al
drich)を添加し、ドライアイス/メタノール上でフラ
スコを10分間冷却する。吸気装置により混合物を数分間
に亘って340mmHgの減圧下に置く。次いで、弗化水素(H
F)源をフラスコに接続することにより、樹脂ビーズか
ら前記完成されたペプチドを分裂させると同時に、ペプ
チドから側鎖保護基を除去する。HFは反応フラスコ内へ
10mlマークまで圧入される。
フラスコ中の混合物を、標準メリフィールド樹脂なら30
分間、ベンツヒドリルアミン樹脂なら60分間、感応性ア
ミノ酸が存在するなら45分間、夫々氷水浴中で攪拌す
る。氷水浴中で攪拌を続けながら、フラスコをゆっくり
減圧状態にする。樹脂が完全に乾燥するまでフラスコを
減圧下に維持する。
10mlの石油エーテルで樹脂を2回洗浄する。10mlの氷酢
酸(HAc)を添加して攪拌し、10分間放置する。次いで
樹脂を55℃で2分間加熱する。次に50mlフィルターフラ
スコ上に配置した15mlの粗フリット製ブッフナー漏斗に
樹脂/HAcを注入する。樹脂を10ml HAcで洗浄する。HAc
濾液を50mlポリプロピレン遠心管に移し、一晩に亘って
凍結乾燥する。得られる生成物は、ジパルミチル誘導信
号ペプチドであり、ペプチド抗原性部分に対する抗体を
生成するのに利用できる。このような利用に先立って、
分子量カットオフが6000〜8000ダルトンとなるように、
水またはPBSに対して信号ペプチドを透析する。
使用効果A−1 ハイブリッド信号ペプチド/タンパク質分子の親和力ク
ロマトグラフィー精製(本発明のベクター使用効果−
A) 信号ペプチドに対する親和力が特に低いポリクローナル
またはモノクローナル抗体を選び、これを利用してハイ
ブリッド・ペプチドであるハイブリッド信号ペプチド/
タンパク質分子を精製する。これらの抗体は、ELISA分
析(Engvall et al.,“Enzyme-linked immunosorbentas
say(ELISA):quantitative assay for lmmunoglobuli
n,″8Immunochemistry 871−874(1971)) において、信号ペプチドを塗布したマイクロタイタープ
レートの凹部に抗体が結合するのを抑制する遊離状態の
信号ペプチド、または適当濃度の塩(例えば1MのNaCl)
の能力によって、若しくは、適当濃度の塩による信号ペ
プチド親和力カラムからの溶出によって識別される。カ
ラム溶出には、信号ペプチドに対する親和力の低い抗体
が有用である。何故なら、ペプチドを損なう惧れのある
強力な溶出剤を使用しなくても信号ペプチドを解放でき
るからである。
上記のように識別され、且つ精製された低親和力抗信号
ペプチド抗体をカラム・ゲルと結合させる。この際、グ
リシンエチルエステルのようなブロッキング剤を使用し
て、ゲルの未反応部位をブロッキングする。ホウ酸塩緩
衝食塩水(BBS)またはリン酸塩緩衝食塩水(PBS)のよ
うな緩衝液で抗体結合ゲルを充分に洗浄する。次に、ハ
イブリッド信号ペプチド/タンパク質分子をカラムに加
え、再び緩衝液でカラムを洗浄する。高モル濃度遊離状
態信号ペプチド、または適当濃度の塩、例えば1MのNaCl
との競合によって、カラムからハイブリット信号ペプチ
ド/タンパク質分子を特定的に溶離させる。遊離の信号
ペプチドは、ハイブリッド信号ペプチド/タンパク質分
子と競合して抗体をゲルに結合させ、1MのNaClは抗体と
信号ペプチド/タンパク質分子との間の相互イオン作用
を断つ。その結果、高い収率で高純度のハイブリッド信
号ペプチド/タンパク質分子が得られる。
使用効果A−2 ハイブリット信号ペプチド/タンパク質分子の親和力ク
ロマトグラフィー精製 ELISA分析において、信号ペプチドを塗布されているマ
イクロタイタープレートの凹部に、抗体が付着するのを
抑制する遊離信号ペプチドの能力を利用する親和力精製
に使用するため、(上述のように製造された)モノクロ
ーナル抗信号ペプチド抗体を選択した。信号ペプチドと
の親和力が低い抗体を親和力マトリクス・カラム用に選
んだ。
親和力クロマトグラフィー法においては、精製抗体を10
00容のBBS(50mMホウ酸塩、150mM NaCl[pH8.5])に
対して透析してから、Affi Gelの指示書に従って4℃で
一晩培養することにより、Affi Gel 10(Biorad Labor
atories)と結合した。次いでAffi Gelの未反応部位を1
0〜100mMグリシンエチルエステルを添加することによっ
てブロッキングする。ゲルに対して約2mg/mlの抗体を含
有する抗体結合ゲルを、1N PBSで充分に洗浄した。
次いで、ゲル・カラムに4℃において、1.0ml/minの速
度でハイブリッド信号ペプチド/タンパク質分子を加え
た。カラムをPBSで洗浄した。続いて、カラムへの流れ
を反転させ、0.5Mの合成遊離信号ペプチドを含有する1N
PBS溶液を送入してハイブリッド分子をカラムから追
出すことによって、ハイブリット信号ペプチド/タンパ
ク質分子を特定的に溶出させる。
使用効果B−1 高純度ハイブリット信号ペプチド/タンパク質分子から
の成熟タンパク質の分離 上記親和力クロマトグラフィー法によって精製したハイ
ブリッド分子は、成熟タンパク質分子から信号ペプチド
を開裂できる状態にある。この開裂を達成するため、先
ずハイブリッド信号ペプチド/タンパク質分子を緩衝液
に分散させ、次いで、信号ペプチドが持つタンパク質分
子との結合部分を構成しているアミノ酸残基に対して特
異的な分解活性を示すタンパク質分解酵素またはその他
の化学的タンパク質分解剤を懸濁液中に添加する。酵素
をゲル・マトリクスと結合させることにより、生成物溶
液が酵素で汚染されるのを防ぐことができる。上述した
ように、タンパク質分解酵素、または化学的タンパク質
分解剤は、ハイブリッド・ポリペプチドを信号ペプチド
結合部分の隣接アミノ酸残基と、タンパク質分子との間
で開裂させる。同じく上述したように、1つの実施態様
例として、結合アミノ酸をAsp-Asp-Asp-Asp-Lys配列で
構成してもよい。この特定アミノ酸配列は、ウシ粘膜エ
ンテロキナーゼの基質であるタンパク質トリプシノゲン
中に天然に見られるものである。従って、この特定アミ
ノ酸配列を使用すれば、ハイブリット信号ペプチド/タ
ンパク質分子の酵素分裂がタンパク質分子そのものの開
裂をも誘発する惧れは極めて少ない。
培養後、所期タンパク質を次のように精製する。タンパ
ク質分解剤がゲル・マトリクスに組込まれた酵素である
場合、懸濁液を遠心処理し、酵素・ゲル結合体を含むペ
レットを捨てる。上澄みは緩衝塩の他に、タンパク質生
成物、開裂した信号ペプチド及び少量の未開裂ペプチド
/タンパク質分子だけを含んでいる。化学的タンパク質
分解剤の場合には、ゲル遠心分離の工程はなく、溶液は
タンパク質生成物、信号ペプチド及び少量の未開裂ペプ
チド/タンパク質分子の他に、化学的タンパク質分解剤
の残留分及びその副生成物を含む。
上記不純物質の多くは、タンパク質生成物よりも少な
く、ゲルの濾過または透析など簡単な手段で有効に除去
できる。このような工程を経た後でも、未開裂(分裂)
信号ペプチド/タンパク質分子だけは、タンパク質生成
物に混入したままである。タンパク質生成物からペプチ
ド/タンパク質分子を除去するため、混合物を第2親和
力カラムに通す。この第2カラムには、最初の生産媒体
からペプチド/タンパク質分子を除去するのに使用した
のと同じ信号ペプチドに、特異的な抗体が組込まれてい
る。この抗体が不要のペプチド/タンパク質分子と結合
し、カラムからの溶出物は不純物質を全く含まない所要
のタンパク質生成物だけを含む。
タンパク質分解に可溶性酵素を使用する場合には、タン
パク質生成物が少量の酵素を含有することもあるが、酵
素に対する固定化基質を含有する親和力カラムに溶液を
通すことにより、この酵素を除去することができる。即
ち、酵素がカラムと結合し、所期のタンパク質分子だけ
が通過する。
上述のように、信号ペプチドが結合したままでも必要な
酵素作用を行なうことのできるタンパク質生成物があ
る。従って、この場合には、信号ペプチドをタンパク質
分子から開裂させる必要はなく、上記開裂工程及びこれ
に続く精製工程が不要となる。
信号ペプチドがタンパク質分子と結合したままとなる状
況では、信号ペプチドの結合部分は不要であり、抗原性
残基だけで構成できる。この場合、上述したDNA発現ベ
クターの構成及びその製法は適当に変更することができ
る。
使用効果B−2 配列特異性のタンパク質分解酵素を利用した精製信号ペ
プチド/タンパク質ハイブリッドの開裂 親和力クロマトグラフィー精製したハイブリッド信号ペ
プチド/タンパク質分子をタンパク質濃度が0.1〜5mg/m
lになるように、1〜100mlのトリス緩衝液[pH8.0]中
に懸濁させる。ウシ粘膜エンテロキナーゼを懸濁液に添
加することにより、最終濃度100〜50,000U/mlのプロテ
アーゼ活性度を得る(この単位はLiepnicks and Ligh
t、254 GeneralBiochemistry 1677(1979)によって定
義されている)。次いで懸濁液を室温で8〜72時間培養
する。
培養後、懸濁液を、pHを8.0に維持したまま1〜100mlの
0.5M NaClを添加してイオン強度を高める処理によっ
て、純粋なタンパク質生成物を得る。この調整に続い
て、ウシ粘膜エンテロキナーゼの天然基質である固定化
された膵臓トリプシノゲンを含有する親和力カラムに懸
濁液を通す。その結果、エンテロキナーゼがカラムと結
合し、所要のタンパク質生成物がカラムを通過する。
カラムを通過した流れを、固定化された抗信号ペプチド
抗体を含有する親和力カラムに通す。開裂した信号ペプ
チドが未開裂のままのハイブリッド信号ペプチド/タン
パク質と共にカラムに結合する。カラムからの溶出物は
純粋な成熟タンパク質生成物だけを含有する。
本発明に関連する当業者には明らかなように、本発明は
本発明の趣旨または重要な特徴から逸脱することなく、
以上に開示した具体例とは異なる態様で実施することが
できる。従って、上に述べた具体的実施例は、あくまで
も説明のための例であり、本発明を制約するものではな
い。本発明の範囲は、以上に挙げた例に制限されず、頭
書の特許請求の範囲で限定される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、プラスミドp I mcf 001を調製する際の構造
転換の構成及び体系を示す概略図である。 第2図は、プラスミドp I myf 100を調製する際の構造
転換の構成及び体系を示す概略図を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 21/02 C12R 1:865) (72)発明者 ポール ジエイ・コンロン、ザ サード アメリカ合衆国、98115ワシントン州、シ アトル、ノースイースト セブンテイーフ イフス4021 (72)発明者 カール ジエイ・マーチ アメリカ合衆国、98106ワシントン州、シ アトル、エイス サウスウエスト8133 (56)参考文献 特開 昭56−166200(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハイブリッド・ポリペプチドが、任意のタ
    ンパク質分子及びこれに結合した信号ペプチドから成
    り、 前記信号ペプチドが、 a.親水性アミノ酸及び芳香族アミノ酸の両方から選ばれ
    る6個を超えないアミノ酸により構成される配列から成
    り、而も該配列がAsp-Tyr-Lysの配列を含み、抗体と特
    異的に結合できる親水性の抗原性N-末端部分と、 b.前記親水性の抗原性N-末端部分と前記任意のタンパク
    質分子との間に介在し、酸素又は化学剤により特定のア
    ミノ酸残基で開裂させ得る結合部分と を有することを特徴とする形質転換宿主細胞中に前記ハ
    イブリッド・ポリペプチドを発現させるDNA発現ベクタ
    ー。
  2. 【請求項2】前記芳香族アミノ酸が、芳香族側鎖を有す
    るアミノ酸である特許請求の範囲第(1)項に記載のDN
    A発現ベクター。
  3. 【請求項3】開裂可能な結合部分が、アミノ酸配列 X1〜n−R (但し、Rは、Lys,Arg,MetまたはAsnであって、X
    1〜nは、これらのRを除く他のアミノ酸配列を意味す
    る)から成る特許請求の範囲第(1)項に記載のDNA発
    現ベクター。
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