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JPH0738921B2 - 分別固化法およびそれに使用する装置 - Google Patents

分別固化法およびそれに使用する装置

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Publication number
JPH0738921B2
JPH0738921B2 JP60500600A JP50060085A JPH0738921B2 JP H0738921 B2 JPH0738921 B2 JP H0738921B2 JP 60500600 A JP60500600 A JP 60500600A JP 50060085 A JP50060085 A JP 50060085A JP H0738921 B2 JPH0738921 B2 JP H0738921B2
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JP
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liquid
type
crystal
washing
section
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JP60500600A
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JPS61501079A (ja
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チエング,シング−ワング
チエング,チエン‐エン
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Individual
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Publication date
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Publication of JPS61501079A publication Critical patent/JPS61501079A/ja
Publication of JPH0738921B2 publication Critical patent/JPH0738921B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D9/00Crystallisation
    • B01D9/004Fractional crystallisation; Fractionating or rectifying columns

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Extraction Or Liquid Replacement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 1.技術分野 本発明は独特の方法と器具を使用して、結晶と母液との
混合物を洗滌する事により高純度の化学品を生産する方
法と装置に関するものである。本発明の結晶洗滌法とあ
る結晶操作とある結晶熔解操作とを組合せると効率の高
い部分固化法を得る事が出来る。また本発明の結晶洗溶
器とある冷凍器とある融解器とを組合せると効率の高い
結晶精製系を得る事が出来る。なおそれに使用される結
晶操作は直接または間接伝熱の方式をとる事が出来る。
2.背景技術 化学工業において、分別固化法によつて得られる結晶
は、2種類の分離法:(a)結晶の逆洗浄、および(b)母液
の遠心分離によつて精製されている。これら2種の結晶
精製法はこの分野において見られる。
2−A.結晶の逆洗浄 近年、かなりの数の分別結晶法が開発されている。これ
らの方法は、1967年ニユーヨーク市のマーセル・デツカ
ー・インコーポレイテツドによつて刊行され、エム・ツ
イーフおよびダブリユー・アール・ウイルコツクスによ
つて編集された「フラクシヨナル・ソリデイフイケーシ
ヨン」の表題の本に詳細に記載されている。それには母
液から結晶を分離する工程および分別固化法で結晶を洗
浄する工程があり、生成物純度はこの工程がいかに有効
に行なわれたかによつて決る。
カラム結晶化がピー・エム・アーノルドによつて考えら
れ、米国特許第2540977号(1951年)に記載されてい
る。この方法は凍結区域、精製区域および溶融区域から
なる装置で行なわれる。結晶および接着液体は凍結区域
から精製区域を通つて溶融区域へ運ばれ、ここで溶融液
体が形成される。溶融液体の画分は高融点生成物として
除去される。残存画分は結晶と微分向流接触させるため
の自由液体として精製区域に戻される。接着液体および
滞留液体の形での結晶中の不純物は、自由液体に移さ
れ、低融点生成物の構成成分としてカラムから除去され
る。従つてカラム結晶化は充填塔における蒸溜と類似し
ている。向流カラム分別結晶化の工業的に成功した応用
の最良の例の一つは、デイー・エル・マツクケイによつ
て、刊行物「フラクシヨナル・ソリデイフイケーシヨ
ン」の第16章に記載されているフイリツプス法である。
この方法はピー・エム・アーノルド〔米国特許第254099
9号(1951年)、第2540083号(1951年)、および再発行
特許第24038号(1955年)〕、ジエイ・シユミツト〔米
国特許第2617274号(1952年)および再発行特許第23810
号(1954年)〕ジエイ・エー・ウイードマン〔米国特許
第2854494号(1958年)〕によつてなされた発明に基づ
いている。この方法においてはスクレープドサーフエイ
ス冷却器からの冷却されたスラリー原料が精製カラムの
頂部で入る。結晶はピストンで強制降下させ、不純液体
は壁フイルターを通つて除去される。カラムの底で精製
された結晶を溶融することによつて作られた洗浄液は結
晶に対し向流で上方に運ばれる。洗浄液は上方にパルス
してもよい。刊行物「フラクシヨナル・ソリデイフイケ
ーシヨン」の第11章に記載されたシルドクネヒト・カラ
ム晶出器は二つの同心管によつて規制されたカラム中に
置いたスパイラルを使用しており、結晶を所望方向に運
ぶため回転されている。
コルト・インダストリーズによつて海水脱塩のため使用
されている逆洗浄器は、垂直壁に設けられたスクリーン
および垂直カラムを有している。氷‐ブラインスラリー
が垂直カラムの底に入る。氷結晶はブラインの流れによ
つて上方に運ばれる。更に氷結晶は多孔性プラグ中に圧
入し、プラグはプラグを横切って保たれた圧力差によつ
て連続的に上方に移動する。過剰のブラインは、カラム
の頂部と底のほぼ中間に位置したスクリーンによつて排
液する。洗浄水はカラムの頂部で導入される。氷プラグ
の上昇速度に対するそのカラムを降下する速度は、新し
い水‐ブライン界面の分散を補うため零より非常に大に
する。精製された氷はカラムの頂部でとり出される。詳
細な説明は1969年10月に発行されたユナイテツド・オフ
イス・オブ・セイライン・ウオーター・アール・アンド
・デイ・レポートNo.491に与えられている。
ジエイ・ダブリユ・ムラーは、カークおよびオトマー編
集、ウイリー・カンパニイ発行、「エンサイクロピーデ
イア・オブ・ケミカル・テクノロジー」第7巻第250頁
にTNO法を発表している。この方法においては、垂直カ
ラム中を結晶が移動する間に結晶に衝撃を与えることに
よつて容易にされた反復結晶化と組合せた向流洗浄によ
つて分離を行なつている。衝撃付与は垂直カラム中の篩
板にバウンドする球によつて達成される。
1974年以来工業的操作でブロデイー精製器が使用されて
おり、米国ミズリー州、カンサスシテイのノフシンガー
・コーポレイシヨンより入手できる。ブロデイー精製器
は、幾つかの回転らせん状リボン管状晶出器を使用して
おり、回収区域、リフアイニング区域と、精製(purify
ing)区域と結晶溶融区域を有する。原料は回収区域と
リフアイニング区域の間に位置する原料入口点でプラン
トに入る。内部流は、それが回収区域の管中を流れるに
従つて制御された条件の下に連続的に冷却される。生成
物成分の少なくなつた原料の部分(そして大部分の不純
物を含有する)は残渣としてプラントを出る。生成物材
料の結晶が生成し、それ自体の母液中で沈降する。これ
らの結晶は低速らせんリボンによつて内部液体流に対し
て向流でリフアイニング区域に向つて機械的に運ばれ
る。結晶がそれを多く含む母液中を運ばれるに従つて、
それらは大きさの生長を続け、また純度を増大する。リ
フアイニング区域を通過した後、結晶は精製区域で重力
により沈降する。ここで加熱器が精製された結晶を溶融
する;溶融物の一部は生成物として抽出され、一部は還
流され精製区域中の結晶床に向流上昇する。冷却は処理
液に向流で流れる密閉冷却剤系によつて達成される。小
さい熱入力が、制御されない結晶化を防ぐためジヤケツ
ト無しでスクレーパーなしになされる。
2-B.結晶からの母液の遠心分離 市販の遠心機は大きく二つの型、即ち遠心フイルターお
よび沈降遠心機に分けることができる、その各々は更に
分離された固体および液体相を進めそして放出するため
設けた手段によつて分けることができる。遠心機の費用
はそれが働く遠心力によつて決る。例は衣服を洗浄する
のに使用される洗濯機である。大なる遠心力を有する遠
心機は非常に高価であることができる。結晶精製のため
化学工業で使用する遠心機は重力のそれの2000〜100000
倍である遠心力を出し、かなり高価である。固体‐液体
混合物を分離するのに使用される遠心機の詳細は、1979
年マツクグロー・ヒル・カンパニイによつて発行され、
ピー・エイ・シユワイツアーによつて編集された「ハン
ドブツク・オブ・セパレイシヨン・テクニークス・フオ
ア・ケミカル・エンジニアース」の第4,5区分にチヤー
ルス・エム・アンブラーによつて提供されており、また
ジヨン・ウイリー・アンド・サンズ・カンパニイで発行
されたカークおよびオトマー編集「エンサイクロピーデ
イア・オブ・ケミカル・テクノロジー」第5巻にエイー
・シー・ラバンチー等によつても提供されている。
2-B-a.遠心フイルター 遠心フイルターは、遠心力の作用の下液体相を自由に通
過させる多孔性隔壁上に粒状固体相を支持する。重要な
パラメーターは、付与された遠心力の下フイルターケー
キの透過性にある。非常に特殊な応用を除けば、それら
は一般に比較的自由排液性固体の脱水にのみ用いられ
る。遠心フイルター性能においては原料スラリー濃度お
よび粒度分布が重要な要因である。遠心過操作の性能
は排液されたケーキ上に保有される母液の量によつて測
定され、固体1容量について保有される母液の容量とし
て定義されるS値によつて表わされる。一定時間での遠
心でS値は、遠心力が増大すると小さくなる。従つて通
常の遠心フイルターにおいては、小S値を得るため高遠
心力を付与し、これによつて排液されたケーキ中に保有
された母液の量が減少する。かかる遠心機は高価であ
る。遠心フイルター上の結晶は洗浄液で洗うことができ
る。遠心フイルター上での洗浄の効率は通常かなり悪
い、何故ならば洗浄液の滞留時間が短く、フイルター上
のケーキは適切に撹拌されないからである。
2-B-b.沈降遠心機 沈降型の遠心機は、市販の大きさで2〜5倍の大きさの
フアクターで重力を増大する。重力の分野における如
く、そこには分散粒子の密度と液体相の密度の間に差が
なければならず、液体相は、差が正であるとき回転軸か
ら離れるよう粒子を移動させ、差が負のときは回転軸に
向つて移動させる。沈降型遠心機において、排液された
ケーキ中に含有される母液の量は滞溜時間および付与さ
れた遠心力の逆関数であり、漸進的である。10μm〜50
00μmの範囲の粒子を有する固体‐液体混合物を処理で
きる。
ペンソルト・ケミカル・コーポレイシヨン(シヤープレ
ス)およびバード・コーポレイシヨンによつて作られた
連続固体ボウル遠心機はこのカテゴリーに属する。固体
ボウル遠心機の二つの主要素子は、沈降容器である回転
ボウルと沈降した固体を放出するコンベヤーである。ボ
ウルは清澄にされた流出物の放出のためその大きな端に
調整可能なオーバーフローせきを有し、反対端に脱水さ
れた固体を放出するための固体放出口を有する。
3.発明の開示 現在実施されている部分固体化法で化学品を精製するの
に色々な原因から相平衡(phase equilibria)に表示さ
れる様な理論上の成品純度に到達する事が出来ない。母
液は往々にして不完全な結晶内と結晶群塊のおとしあな
にとらわれて高い不純度の原因となる。その上に結晶体
は大量の母液に囲われ、表面張力と毛細管現象によつて
汚染される。雑質(不純物)はまた結晶表面に吸着され
る。結晶内の雑質のもう一つの原因は固体の溶解度であ
る。
本文中、“自由液体”(Free liquid)とは固体床から
排泄しうるかあるいは流水にする事の出来る液体を表し
“滞留液体”(Retained liquid)は固体床から直ぐ排
泄しえないか通過出来ない液体を表す。“結晶間空間”
(Intercrystalline space)とは結晶にて占領されてい
ない空間を表す。“結晶間自由空間”(Intercrystalli
nefree space)とは結晶間空間で滞留液にて占領されて
いない部分を表す。それで結晶間自由空間は自由液体
か、気相で全部占領されるかあるいは自由液体と気相と
で充填される可能性がある。簡略して言えば“固体相”
(solid phase)は一緒に輸送される固体‐液体の混合
体で“K-流体”(K-Stream)と略称す。固体相は固体内
に含れる液体の量によつて決まる軟泥(slush)か、湿
餅(Wet cake)、あるいは涸渇餅(drained cake)であ
る事もある。
本特許願は一群の発明に関連する。この一群の発明はお
互いに連結し合つて単一の発明概念を形成す。それ故
に、多数の本発明を実施する方式がある。本発明におい
て結晶洗浄の有効的操作は幾つかの基本条件を要す。こ
れらの条件を満足する有効な方法がある、この幾つかの
方法を組合せて本発明を実施する各方式になる。
承知の通り、洗滌をする結晶床は結晶間自由空間が液体
にて完全に充填されているかいないかによつて二種類に
分ける。前者は浸漬床(submerged bed)と称し、後者
は涸渇床(drained bed)と称する。本発明のある方式
は浸漬床の処理に専用され、ある方式は涸渇床の処理に
専用されまたある方式は浸漬と涸渇両床に共用出来る。
本発明の浄化作用は前端と後端とを有する浄化区で完成
される。固体相は前端から後端に輸送され、自由液体は
後端から前端に固体相の輸送方向と逆方向に輸送され
る。浄化区は幾つかの分区からなる事もあり、一つの連
続区であつても良い。浄化区における雑質(不純物)の
濃度を図に描くと雑質の濃度は前端から後端の方向にし
たがつて逓減する。ある位置において滞留液体内の雑質
濃度は自由液体内のそれより高い。滞留液体区内の雑質
はまづ先に自由液体区内に移行し、それからこの区内か
ら逆洗法かまたは排泄操作で除く、通常、浄化後の固体
を融解してその一部分を最初洗滌液として使う。勿論、
他の液体を使つても良い。
本発明を構想する時に、有効なる洗滌効果を得る為には
次に述べる基本条件を同時に満足する必要がある事を認
識した。基本条件の一部だけ満足したのでは経済的に高
純度の結晶を得る事は難しい。これらの基本条件を次に
列挙する。
(a)第一条件 滞留液体は結晶床からたやすく取替えたり、または排泄
したりする事の出来ない液体である。ある位置におい
て、滞留液体内の雑質濃度は滞留液体の近くにある自由
液体内のそれより高い。滞留液体内の雑質は自然に自由
液体に拡散するが、その速度は低い。それで滞留液体の
雑質の自由液体への移送速度を早める必要がある。その
上に、これは他の基本条件に干渉しない適当な方法で達
成する必要がある。この条件を満足する方法を“滞留液
体から自由液体に雑質を移送する方法”と称し、また
“雑質移送法”あるいは“A型操作”と略称す。A型操
作を後で詳細に解説する。
A型操作を実施する区域をA−n分区と称する第一条件
と次に述べる第二条件を同時に満足させる操作があり得
る。それをAB型操作と称す。AB型操作はA型操作を実施
する所にも使われる。それ故に“雑質移送法”はA型操
作とAB型操作との両者を含む。
(b)第二条件 これは結晶間自由空間内の雑質量を減少する条件であ
る。この条件を満足させる手段を“結晶間自由空間の雑
質減少法”と称し、あるいは単に“雑質減少法”とか、
B型操作と略称する。B型操作は“取替え操作”(disp
lacement operation)か、排泄操作(draining operati
on)か、もしくは圧し詰め操作(compaction operatio
n)であることもある。B型操作を実施する区域をB−
n分区と称す。前記のAB型操作はB型操作を実施する所
にも使われる。それ故に、“結晶間自由空間の雑質減少
法”はB型操作とAB型操作を含む。
(c)第三条件 取替える操作(displacement operation)で結晶床の自
由液体から雑質の量を減少する時、結晶床を適当に固め
る事によつて短路度(Level of channelling)を極めて
低い程度におさえる事が重要である。浄化塔内にA−分
区とB−分区を交互に設置する場合、B−分区の短路度
を低くおさえる事は重要であるが、A−分区の短路度を
おさえる事はそれ程重要でない。浄化塔内にAB分区を設
置し、A型とB型の両操作を同時に実施する時にはその
短路度を低くする事が必要である。
(d)第四条件 浄化区内で固体相は前端から後端への一般方向で輸送さ
れる。固体相が逆方向に輸送されると洗滌効果が低減す
る。それ故に、A型操作は固体相の一般輸送方向と横切
の方向でわりに狭い区域に局限される。
(e)第五条件 浄化区内では雑質の濃度は前端よりより後端に向けて順
次に減少しており、それで結晶洗滌操作として自由液体
は後端より前端に向けて押し進められる。それ故液体を
逆方向、即ち前端より後端に向けるに移行させる事は結
晶の洗滌効果を低下させる事になる。固体相は前端より
後端に向けて移行されるので、固体相内にある滞留液体
は不良の方向に輸送される事になる。これによる損害を
減少するには(1)輸送される固体相内の母液量を低くす
る事と、(2)固体相を輸送中において逆洗することと、
(3)前記二項の方法を同時に並用する事が出来る。
(f)第六条件 結晶逆洗器内の雑質濃度と温度とは結晶床内の位置と関
係があり、それらの関係を図で表すことが出来る。雑質
濃度はそれぞれ前端から後端に向けて逓減し、温度は同
方向に向けて昇する。これは溶液の結晶生成温度がその
雑質濃度が逓減されるにつれ昇高する事による。それ故
に、固体相は輸送されるにつれて順次により温かい、精
純な自由液体に出合う。それで固体相内の結晶は加熱さ
れ、その熱は自由液体から得られる。この熱の除去によ
つて、結晶周囲の液体からある量の結晶が出来る。この
現象を洗境界固体化(Wash−front solidification)と
称する。結晶床の最初の可透性(Permeability)が巳に
低いと、この余分の固体の生成は大いに結晶床の可透性
を減少する事になり逆洗を困難にする。こういう場合、
結晶床を一度破壊するか、またはだんだんと高い濃度の
洗滌液で多段式で洗滌操作をする必要がある。
前記の通り、A型操作とB型操作はそれぞれ第一条件と
第二条件を満足する。AB型操作は外の基本条件をあまり
侵害せずに同時に第一条件と第二条件を満足する方法で
ある。これら三種類の操作を次の通り解説する。
(a)A型輸送操作 A型操作は雑質を滞留液体から自由液体に移行させる速
度を早くする方法である。ただし、二相混合体の縦方向
の撹拌を出来るだけ避ける。A型操作はB型操作と合併
して実施される。局部的かつ横向の撹拌(A型操作)を
固めた結晶床の逆洗操作とか、または圧し詰め操作(B
型操作)と合せて実施する時は、撹拌床内の固体に対す
る母液の量比、M/S比で表す、M/S比は低い程良い。出来
ればM/S比は2.0:1より低いかまたは更に1.5:1より低く
する。M/S比を2:1より高くする必要はない。結晶床を軽
く撹拌する場合にはM/S比を、例えば1:1より低い状態で
操作するとよい。此の方法は本発明を実施する第一方式
に使用される。局部的撹拌は一つ活動腕か活動軸とか支
持壁等の固形物に連結される撹拌翼によつて達成され
る。浸漬とか撹拌作業(A型操作)が排泄操作と合せて
実施されて涸渇餅(B型操作)を形成する時、それに使
れるM/S比はそんなに重要でなく、高いM/S比も使われ
る。此の操作法は本発明を実施する第二方式に使用さ
れ、後で解説する。
(b)B型輸送操作 B型輸送操作は結晶間自由空間から雑質量を低減する操
作である。B型輸送操作は逆洗操作排泄操作、圧し詰め
操作、または上記のいずれかの組合せ操作で達成され
る。
A型操作とB型操作を組合せて共軛組を作り、この二段
操作を一度だけかまたは重複する。此の処理法は多段あ
りかつ各段にA-分区とB-分区がある浄化区にて実施され
る。A型操作とB型操作はそれぞれA-分区とB-分区にて
実施される。A-分区とB-分区が別の区にあり、しかもB-
分区内に緻密床を形成させると前記の其の他の基本条件
にも同時に満足される。
(c)AB型操作 AB型操作は第一条件と第二条件を同時に満足し、また其
の他の基本条件にも余り妨害しない操作である。本文で
は“A型操作”の項目内にも“AB型操作”を含むし、
“B型操作”の項目内にも“AB型操作”を含む。AB型操
作は局部的な撹拌をし、そして液体の流動に過度の短路
(channelling)が出来ない様にした逆洗操作を合せた
ものである。AB型操作の実例として次に挙る: (i)逆洗を伴う超音波震動; (ii)逆洗を伴う細糸あるいは薄片での撹拌; (iii)逆洗を伴う静態混合(static mixing)。
本発明を実施する第一方式では浄化区内において、洗滌
液で局部的撹拌による結晶洗滌操作(agitated crystal
washing)と定位結晶洗滌操作を(stationary crystal
washing)交互に実施し、固体相と自由液体をお互い反
対方向に移動させ、原料の結晶−母液混合体の精製をす
る。撹拌結晶洗滌操作はA型操作であり、定位結晶洗滌
操作はB型輸送操作である。浄化区は一組の定位洗滌分
区と一組の撹拌洗滌分区を含む。それ等にはそれぞれ前
端と後端がある。この両端はそれぞれ固体相の正常移動
の方向に対しての上流端と下流端を指す。二組の分区は
浄化区の縦方向に沿うて前端から後端へと交互に設置す
る。それ故、撹拌分区は二組の定位分区の間に介在す
る。それ故に浄化区は多数の処理段を包含する。ある処
理段を第n段とすると、その撹拌洗滌分区はA-n分区と
称し、定位洗滌分区はB-n分区と称する。二つの分区は
共軛分区組を形成する。普通は浄化後の結晶を融解して
その一部を初洗滌液として使用する。
各撹拌分区においては結晶と液体を軽く反復して撹拌
し、結晶団塊を分散転折する事によつて雑質を滞留液体
から自由液体に放出する。撹拌は廻伝軸に連接する活動
翼片によつて達成される。M/S比とは液体量と結晶量と
の比である。撹拌洗滌分区内における二相混合体のM/S
比は低い値、即ち2:1より低い程度もしくはいつそう1.
5:1より低い値を使う。撹拌分区内の二相混合物がM/Sの
比の低い濃密な混合体であるのと軽く横切に撹拌される
のとで広範囲にわたる縦方向の撹拌を抑制する事が出来
る。その上、A-型分区より取り出される固体相内の母液
量を低い値に保つ事が出来る。
定位分区に於いては結晶群は圧し詰められ、自然的に形
成した結晶床の達し得る緻密度より大部緻密度の高い結
晶床を作る。適度に定位分区内の結晶内の緻密度を高め
る事は逆洗滌操作によつてその自由液体から雑質を有効
に減少する事と、その分区から移送される固体相内の母
液の量を減少するのに非常に重要である。固体相と自由
液体は大体相対方向に輸送されるので自由液体と滞留液
体内の雑質濃度は結晶床の位置によつて順次に変化す
る。即ち雑質の濃度は前端から後端へと順次に減少す
る。それ故、この方向に不純液を輸送すると結晶洗滌操
作の効果は落る。固体相はこの方向に輸送されるので、
結晶と一緒に輸送される液体量を減少するか、分区間に
輸送される固体相を輸送中に逆洗する事が重要である。
本発明はこれらの効果を達成する諸方法と、それらに使
用される器具に関するものである。交互に定位と撹拌洗
滌操作を適当に実施するのと分区間で固相と自由液体を
適当に輸送するのとで分区間に輸送される固体相内に滞
留する液体の雑質の量はある限定値に近づかないで、む
しろ幾何級数に近い調子で増々と減少する。そして、浄
化区の後端で非常に高い純度の結晶が得られる。また浄
化区内の温度も順次変化し、前端から後端へ向つて上昇
する。
今述べた本発明を実施する第一方法と現行の筒型結晶器
(column crystallijer)を比較するのが面白い。承知
の通り現行の筒型結晶器は相当深い静態洗滌層を有し、
その浄化区内の滞留液と自由液体内の雑質量は結晶床の
厚さの函数で図に表すと、其の曲線はある暫近値にて近
似的に表示される。それ故、普通の結晶塔で得れる結晶
の純度には限度がある。なお結晶塔内の結晶床の厚さを
増しても余り大してよい効果がない。結晶床は撹拌され
ないで単に塔内に下るだけである。それ故、滞留液内の
雑質はすぐには自由液体へ釈放されない。結晶床内に流
体の短路が出来、短路がそのまま保留されて存在する傾
向がある。それに対し本発明の方法では結晶床は交互に
撹拌を受け次に再形成され、滞留液から雑質を釈放する
事が強化され、各段の逆洗が効果的に達成される。また
各定位洗滌分区の高さは小ではあるが有効的な洗滌がな
される。
本発明を実施する第二方法においては幾つかの結晶洗滌
と結晶涸渇操作を適度にかつ交互に実施し、かつ固体相
と自由液体と殆ど逆流に近い方式で輸送する事によつて
浄化作業が行れる。結晶撹拌洗滌操作はA型輸送操作
で、結晶涸渇作業はB型輸送操作である。この系統には
初歩結晶涸渇区多数処理段を含む主要浄化区と結晶融解
区を含む。例えば第n処理段にはA-n分区と称する撹拌
洗滌分区とB-n分区と称する涸渇分区があり、二つの分
区は一つの共軛組の分区となる。それ故、浄化区は一組
の結晶洗滌分区と一組の結晶涸渇分区を含み、この両組
の分区を順次にまた交互に直線または曲線に沿つて配列
配置する。固体相と自由液体とは反対方向に、交互に両
組の分区を通過して輸送される。
第n処理段はA-n分区と称する撹拌結晶洗滌分区とB-n分
区と称する結晶涸渇分区からなる。一つの処理段内にあ
る二つの分区は共軛分区となる。A-n分区と言う洗滌分
区から出て来た湿つた固相(KA)nはその共軛分区(B-n分
区)で涸渇され母液(IB)nと涸渇固体相(KB)nに分離され
る。涸渇固体相は後端に向いた方向で次の後続する洗滌
分区、A-(n+1)分区に輸送される。涸渇固体相(KB)
nはある量の結晶(SB)nとある量の滞留液(MB)nを含む。
母液(IB)nは第一部(JB)nと第二部(LB)nに分けられ、そ
れぞれ段内廻流液と段間輸送液となる。前者は元来の洗
滌分区に廻流し、後者は前端への方向に向けてその前の
洗滌分区、A-(n-1)分区へ輸送される。涸渇固体相の
滞留液量に対する段間輸送液量の比、即ち(MB)nの量に
対する(LB)nの量の比は結晶浄化作業の効果を決定する
のに大事な因子である。洗滌効果はこの比例、(LB)n/(M
B)n、が増大するにつれてよくなる。この比は洗滌比Rn
とも表す。洗滌比は(LB)nを増大するか、(MB)nを減少す
るか、あるいは両者を併用する事によつて増加する事が
出来る。高い(LB)n値を得るには大量に結晶の融解物を
回流する事を必要とし熱量の消費が高くなる。それ故、
(MB)nを減少する事によつて希望する洗滌比を得るのが
望まれる。しかし実際上には得られる涸渇度に限度があ
る。高度の涸渇度をうるには高価な遠心分離器による操
作を必要とする。低度の涸渇度では洗滌比が小になり、
結晶の純化の程度が低くなる。
結晶涸渇操作により、大部分の自由液体は結晶自由空間
から排泄され、気相が大部分の自由空間を占めてしま
う。それ故、大部分の雑質は結晶間自由空間から除れ
る。涸渇固体相内に少しの滞留液体が留まる。洗滌液を
涸渇固体相に加えると、洗滌液は自由液体となり、滞留
液内の雑質は自由液体に輸送される。この操作は単なる
浸漬操作、あるいは浸漬と軽度の撹拌で達成される。そ
れ故、涸渇操作をB型輸送操作に使われる場合、単に浸
漬操作とか軽度の撹拌を伴う浸漬操作をA型輸送操作に
使われる。それ故、第二方式操作中の撹拌結晶洗滌操作
を浸漬操作で取替える事が出来る。
第二方式の操作には多段にて交互に洗滌と涸渇操作があ
る。それでも注意しなければならないのはこれらの操作
ではある適宜で軽度の洗滌とある適度の涸渇作業をする
だけで総体的に高度の純化が得れる。この様な多段法は
主として定位結晶洗滌のみによつて純化を求める現行の
筒型結晶器による純化法に勝る。またこの様な多段法は
主として母液の排泄のみによつて純化作業を達成する遠
心分離精製法にも勝る。言い替れば、優秀な方法が結晶
洗滌と結晶涸渇作業を適度に繰り返して行う事によつて
得れる。前節に説明した修正された第二方式の操作につ
いても同じ事が言える。
本発明の方法は連続式でもあるいは回分式でも共に適用
出来る。回分式による純化法は一つあるいは一つ以上の
結晶洗滌器にて回分的に逆洗滌作業によつて純化作用を
達成する。ある分量の混合物原料は一つの容器に導入さ
れそれを最初床(KB)oとする。それは浸漬床かまたは涸
渇床である。その結晶床はそれから交互的にA型とB型
操作で洗滌される。回分操作においては第n次のA型操
作とB型操作を夫々A-n操作とB-n操作と称する。それで
A型操作は順次にA-1,A-2,-----、A-n、‐‐‐‐、A-M
操作;B型操作は順次にB-1,B-2、‐‐‐‐‐、B-n、‐‐
‐‐‐、B-N操作と表示する。A-n操作後の結晶床を(KA)
nと表示し、B-n操作後の結晶床を(KB)nと表示する。連
続方法で使つた術語をそのまま使つてこれらの結晶床を
“分区間に輸送される固体相(Inter sub−Zone transf
er solid phase)”または単に“固体相(solid phas
e)”と称する。多数の結晶洗滌器がある系列において
は、浄化区の前端と後端はそれぞれ原料混合物が導入さ
れる位置と初洗液の導入する位置を示す。それ故前端と
後端と称される位置は時間によつて移動する。この様な
系列では、結晶洗滌器は順次にA-1,B-1,A-2,B-2,----
-、A-n,B-n,-----、A-NとB-N分区となり、ある結晶洗滌
器内の結晶床は順次に(KA)1、(KB)1、(KA)2、(KB)2、‐
‐‐‐‐、(KA)n、(KB)n、‐‐‐‐‐、(KA)Nと(KB)N
なる。連続法に使つた術語に従い、これらの操作と実施
した後に結晶洗滌器内に存在する結晶床を同じく“分区
間に輸送される固体相”と称する。
本発明を実施する第三方式は多数の結晶洗滌器を使つて
回分的に結晶を逆洗する方法である。ある量の結晶‐母
液混合物を原料混合物として一つの結晶洗滌器に入れ、
液体を排泄して初涸渇床(KB)0と母液(LB)0を作る。母液
(LB)0は系列から残渣液として排泄される。初涸渇床
(KB)0はそれから順次に洗滌液(LB)1、(LB)2、‐‐‐‐
‐、(LB)Nと(LB)N+1で洗滌し続いて、それぞれ母液(LB)
1、(LB)2、‐‐‐‐‐、(LB)N-1と(LB)Nを釈放して、涸
渇床(KB)1、(KB)2、‐‐‐‐‐、(KB)N-1と(KB)Nとな
る、という様な一系列の浸漬と涸渇作業を繰り返して洗
滌される。n回の浸漬と涸渇作業を行つた後の涸渇固体
相は浄化された固体相である。この浄化固体相は融解さ
れて熔融液となる。一部の熔融液は浄化製品とし、また
残りの部分は初洗液(LB)N+1にする。初母液(LB)1は残渣
液とし系統外に排出する。そこで注目される事は、涸渇
された結晶床、結晶床(KB)0、(KB)1、‐‐‐‐‐、(KB)
N-1と(KB)Nとの結晶間空間は殆ど気相で占められて居
る。それ故、これらの各涸渇床の固相量に対する母液量
の比は小である。第三方式の操作は別のA型操作で取替
える事が出来る。例えば、浸漬作業をする所で局部的撹
拌洗滌作業をする。あるいは別のB型操作で取替えるこ
とが出来る。例えば涸渇作業をする所で逆洗作業する。
操作手順は前にも述べたのとほぼ同じだが固体床
(KB)1、(KB)2、‐‐‐‐‐、(KB)Nは浸漬床である事だ
けが違う。
本発明を実施する第四方式は一組の撹拌結晶洗滌分区と
一組の固体相輸送分区とを交互に、順次に第一位置から
第二位置へと設置する浄化区で浄化精製を完成する。撹
拌結晶洗滌操作はA型操作で、固体輸送操作はB型操作
である。そしてその上に次の様な特徴がある: (a)固体相は順次に両組の分区を第一位置から第二位置
へと両方共通通過して輸送される。
(b)一部の自由液体は両組の分区を通過し殆ど固体相の
輸送方向と逆方向に両組の各分区を通じて輸送される。
(c)残りの自由液体は浄化区を通過し、固体相輸送分区
をバイパスして、殆ど固体相の主なる輸送方向と逆方向
に輸送される。
この方式での操作は洗滌効果が増進される上に系内の圧
力降下が小さい等の優点があり、しかも割に細かい結晶
を含む混合体をも処理が出来る。
本発明を実施する第五方式は一組の撹拌をしない洗滌分
区と一組の固体相輸送分区を交互に設置する浄化区で浄
化精製を完成する。固体相は撹拌をしない洗滌分区と固
体相輸送分区を両方共に通過する。大部分の自由液体
は、固体相輸送分区をバイパスし、ただ撹拌をしない洗
滌分区のみを通過する。この方式の操作は、A型操作と
B型操作を固体相輸送分区で同時に実施し、B型操作は
撹拌をしない洗滌分区で実施する。
ある方式の操作では、A型輸送操作とB型輸送操作の効
果が同時に実現される。使用例としては、横向方向に超
音震動で撹拌する逆洗洗滌塔、廻転する垂直細糸あるい
は薄片が附いている逆洗洗滌塔、静態撹拌器(スタチツ
クミキサー)の附いた逆洗塔等がある。これらの撹拌方
式を次に説明する。
(a)超音波震動で撹拌する逆洗器 結晶‐液体層を超音波震動で撹拌すると、滞留液体より
自由液体への雑質の輸送速度が増大し、流体が短路しな
い状態で結晶床を洗滌出来、第一と第二の基本条件を同
時に同じ処理圧内で満足する事が出来る。
(b)薄片あるいは細糸で撹拌をする逆洗器 適当な断面のあるブレードで結晶床層を押し通すと、ブ
レードの前方にある固体と液体は外に押し出され、固体
と液体はブレードの後面へ移動する。固体と液体がブレ
ードの裏側に移り込む時、液体は割に早く移り込むので
短絡路(Channelling Passes)を形成する。形成する短
絡路の大小はブレードの断面と廻転数が増加するにつれ
て増加する。それ故、運動方向に垂直方向の断面が小さ
いブレードを使用し、適度の廻転速度で撹拌すると、余
り液体の短絡路(Channelling Path)を作らずに第一と
第二条件を同時に満足する事が出来る。
(c)静態混合器の附いた逆洗器 (Couhter Washer with a static Mixer) 静態撹拌器(static mixer)または管内不動混合器(in
−line motionless mixer)はケニクス社(Kenics Corp
oration)とコツクエンヂニアリング社(Koch Engineer
ing Corporation)で製作販売されている。ケニクス混
合器は外管内面に一系列の螺旋形葉片を特定の位置に固
定する。その特別な管型設計で流体は分割され特有の形
状で流れ、同時に半径方向で混合(radisl mixing)さ
れる。
(i)流体の分流(Flow Division) 静態混合器の中においては、処理される流体は層流体
(laminar flow)で流れ一葉片の前端で二流に分割さ
れ、葉片の形状に従つて流れる。そして後部にある諸葉
片にて、更に分割され、指数函数的に多層を形成する。
nを葉片の数とすれば形成される層の数は2nである。こ
の操作で滞留液より自由液への雑質の拡散速度が増加さ
れる。
(ii)半径方向の混合(Radial Mixing) 層流(laminar flow)でも乱流(turbulent flow)にお
いても、静態混合器内にて処理される流体はその各自の
流動中心(hydraulic center)の周囲で廻転循環をし、
そのために流体は半径方向にて混合(radial mixing)
される。全部の処理される物は連続的にまた完全にお互
いに混合しあう。その結果として半径方向の温度、速度
と処理される物の組成分の各因素は殆ど消滅される。多
数の葉片による流体の分割による多数層の生成と廻転循
環による半径方向の混合により静態混合器は雑質を滞留
液体区から自由液体区へ輸送することを増進する。静態
混合器は短絡路の形成も押える事が出来る。それ故、静
態混合器内で逆洗すれば第一条件と第二条件を同時に満
足させることが出来る。固体床を静態混合を通過して輸
送すると相当な摩擦力損失が生ずるので大きな推し通す
力が必要である。それ故、摩擦力損失と雑質輸送の増進
の程度の平衡を考慮する必要がある。多数の葉片が附い
た静態混合器を使つて結晶を浄化する事が出来る。
固化法は二種類ある。第一種は溶剤の結晶化法(または
融解物からの結晶化)で、第二種は溶質の結晶化法であ
る。前者の例としては90%のパラ‐キシレンと10%のメ
タ‐キシレンを含む原料混合物を部分固化させる(frac
tional solidification)方法である。この例ではパラ
‐キシレンは溶剤でもあり、結晶化するのもパラ‐キシ
レンである。結晶の主成分を第一成分と申す。この例で
は固体‐液体の原料混合物の浄化において、殆ど純粋な
パラ‐キシレン(第一成分)を初洗液に使う。後者の例
としては第一溶質の結晶化をする。例えば塩化カリ(第
一溶質)と塩化ナリトウム(第二溶質)を含む水溶液か
ら結晶化をすると、結晶の主成分は塩化カリでこれが第
一成分である。この場合原料混合物の浄化は水あるいは
塩化カリの水溶液を初洗液に使う。使つた初洗液は第一
成分の融解物ではない。
図面の簡単な説明 第1図は未だに緻密化(consolidate)されて居ない結
晶床を示す。それには結晶団塊(agglomerates of erys
tals)が団塊間の自由液体によつて分けられて居る所が
見られる。また各団塊内には結晶滞留液体と団塊内の自
由液体(intra agglomerata free liquid)がある。第
2図は緻密化された結晶床の構造を示して居る。
第3図Aは第一基本条件として説明した滞留液体(reta
ined liquid)から雑質を自由液体(free liquid)に輸
送する情況を示す。第3図Bは第二基本条件として説明
した結晶間自由空間(intercrystalline free space)
から雑質の量を減らす情況を示す。第4図A乃至第4図
Cは撹拌による結晶洗滌と逆洗作業を示す。第5図A乃
至第5図Cは結晶浸漬操作(crystal soaking operatio
n)と母液排泄操作(mother liquor draining operatio
n)を示す。
第6図は本発明を実施する第一方式(first mode)の浄
化区(purification zone)を示す。浄化区は一組の定
位洗滌分区(stationary washing sub−zones)(図に
は5分区ある)と一組の撹拌洗滌分区(agitated Washi
ng sub−zones)(図には同じく5分区ある)を交互に
排置し、撹拌分区は上下両組の定位分区に連接する。そ
こで旋廻ブレード(rotating blades)は撹拌エレメン
ト(agitation elements)であり、廻転軸(rotating s
haft)に連結している。第7図は普通の筒型結晶器(co
nventional columncrystallizer)と第6図に示した結
晶浄化塔で結晶洗滌操作を実施した場合の成績を比較し
た図である。第一本線と第二本線はそれぞれ普通の筒型
結晶器における滞留液体と自由液体中に含まれる雑質の
濃度分布を浄化段の深度の間にある函数関係を示して居
る。液体中の雑質濃度はある限界値に接近するのが見ら
れる。それ故、収穫する結晶の純度もその限界値に接近
するだけである。第三本線と第四本線はそれぞれ第6図
に示した精製塔における同じ様な濃度分布を区数の函数
として示したものである、分区中の相対点における雑質
濃度は持続的に幾何級数に近い関係で減少しているのが
見られる。それ故、この精製塔で高純度の結晶が収穫出
来る。
第8図は一つの主要処理区(main processing zone)と
一つの結晶融解区(crystal melting zone)から組合せ
た結晶浄化系統を示す。主要処理区には多数の処理段
(Processing stages)を含む。図上には1段乃至5段
の5ケの処理段を示している。主要処理区内にある一つ
の処理段、例えば第n段とすると、それには一つのA-n
分区と称する洗滌分区と一つのB-n分区と称する結晶涸
渇分区を含む。この二つの分区は一つの共軛分区組(co
njugated set of sub−zone)を形成する。涸渇された
原料混合物(KB)0を主要処理区に導入する。固相は継続
的に主要処理段を通過し、各段の洗滌分区とそれから涸
渇分区を経過して輸送される。これらの固体相物を夫々
(KA)1、(KB)1、(KA)2、(KB)2、(KA)3、(KB)3、(KA)4
(KB)4、(KA)5と(KB)5とす。浄化され、涸渇された固体
相(KB)5は最終段から出て来る、それを結晶融解器で融
解し、晶融液(crystal melt)となる。晶融液の一部を
浄化製品Dとし、その残りを洗滌液(LB)6として主要処
理区にもどす。結晶涸渇分区には簡単な過装置が表示
されている。この浄化系統では撹拌洗滌はA型輸送操作
で、涸渇作業はB型輸送操作である。B-n分区を離れる
固体相は涸渇餅(draind cake)である。第9図は第8
図中の浄化系統の操作成績を表示する。最終段を離れる
雑質濃度(ZB)Nと原料混合物中の三滞留液の雑質濃度
(ZB)0にどういう関係があるか、洗滌比と段数の関係も
表示される。この図も高度の浄化が比較的小い洗滌比を
使つて実用に向く程度の段数を有する操作で達成される
ことがわかる。
第10図に示した処理区中では多数の軸を廻転させ、それ
に連結する多数の小さい撹拌ブレードの運動によつて区
内の二相混合物に横切方向の撹拌作業を給える。この図
は第6図に示した撹拌分区と非撹拌分区を大幅に縮小し
た型のものである。それは撹拌結晶洗滌と逆洗が同時に
実施される系統でもある。第11図は撹拌洗滌と逆洗が各
分区内で同時に実施される処理区を示す。それは単一連
続式浄化区あるいは幾多の浄化分区であつてもよい。固
体と自由液体は相対方向に輸送される、二相は横切る方
向に撹拌され、二相の局部化混合を引き起すことも示
す。横切向撹拌区域における液体量と結晶量の比は低い
値に維持するがよい、2:1より小であるかあるいはもつ
と減して1.5:1より小でも良いが充填床(packed bed)
のその比例値よりは高いことである。そうすると二相混
合物の粘性(consistency)が高くなる。第12図に示し
た浄化区では区内の二相混合物の横切向撹拌が超音波震
動(ultrasonic vibrations)によつて達成されて居
る。第13図に示される浄化区では二相の局部的撹拌と逆
洗作業が同時に実施されることを示す。局部的撹拌は多
数の細糸を廻転するかあるいは薄片を回転させ、流体の
短絡路(channelling paths)の形成を抑制する。
第14図は原料送入区、結晶浄化区と結晶融解区とがある
結晶浄化系(crystal purification unit)を示す。浄
化区は一組の静態洗滌分区(図中には5個ある)と一組
の撹拌洗滌分区(図中には4個ある)を含むそれらは交
互に配置される。そうすると一つの撹拌分区は上下二つ
の静態分区に連接される。第14図aは静態分区における
横断面を示す。そこには調節板が分区に設置され、緻密
床(compacted bed)の維持を助けると同時に隣接の撹
拌分区の撹拌器により撹拌される事を妨げる。第14図b
は撹拌分区内の固体と液体の局部撹拌を促進する撹拌器
を示す。第14図cは静態分区内で結晶床を緻密化する傾
斜翼のついた廻転器を示す。第14図dは削刀のついた廻
転多孔板を示す。それは静態分区中の床を支持すると共
に分区から固体相を輸送もする。
第15図は一つの結晶浄化系(crystal purification uni
t)を示す。この系には削刀がついて居る廻転多孔皿で
静態分区と次に隣接する撹拌分区から分隔する。静態分
区の結晶床は廻転多孔皿で支持され、また廻転翼で緻密
化される。分区間の固体相輸送は廻転皿に附着する削刀
の削切によつて達成される。第16図は非常に簡単な結晶
浄化系を示す。これには分区を分隔する多孔皿もなけれ
ば、静態分区の床を緻密にする廻転翼もない、その上分
区間の固体相輸送に使う廻転削刀もない。ただ一つある
のは塔の頂上から緻密化する方法(compacting means)
のみである。この系統において撹拌分区を含む全部の分
区内の結晶が連続に結晶による架橋(continuous bridg
ed structure)を形成し、それによつて力が下部に伝送
される。それ故、浄化区の頂部にて結晶床を緻密化する
為に加えた下向きの力とある水平面以上の固体床の全重
量は架橋を伝つてその水平面へかかり、結晶床の緻密化
をする。
第17図は涸渇床洗滌塔を示す。それにはA-1乃至A-5分区
で表示される一組の撹拌分区とB-1乃至B-5分区で表示さ
れる様な一組の非撹拌分区よりなる。それら二組の分区
は交互に上向きに配置される。結晶‐母液原料混合物は
底部から送入する。固体相は撹拌分区内にあるブレード
で上に推し上げる。洗滌液は頂部から加え、下向きに床
層を通過し排泄する。第17図aは撹拌分区の横断面を示
す。第17図bは非撹拌分区の横断面を示す。第17図cは
塔の展開図を示す。撹拌分区内の回転葉片で分区内の二
相混合体を撹拌し、涸渇床を上向きに推し上げる。大型
の涸渇床結晶洗滌器では、その撹拌洗滌分区内に幾つか
の洗滌輪(washing rings)をつけるとよい。図に示し
た塔は浸漬床洗滌器(submerged bed washer)として使
うこともある。この場合、結晶‐母液の原料混合は塔の
頂分かあるいは底部かのどちらから送入してもよい。
第18図は遠心分離結品浄化系(centrifugal crystal pu
rification unit)を示す。それには第一回転体と第二
回転体がある。第一回転体は回転筒体とそれに附着する
回転網(あるいは回転碗)を含む。第二回転体は回転
軸、回転腕とブレードを含む。浄化区は初涸渇区(Bo
区)を含み、主要処理区は多数の処理段1,2----,N-1,N
を含む(図中のNは4である)。第n段は一つのA-n結
晶洗滌分区とB-n結晶涸渇分区から組成される。そこの
回転網あるいは回転碗は各涸渇分区中の結晶から母液を
排出するのである。各結晶洗滌分区内にブレードのつい
た回転腕があり、それは結晶を撹拌し、尚その結晶を各
自の共軛涸渇分区に輸送する。第一回転体は第一転速
(first rpm)で回転する。その回転速度涸渇分区にお
いて、母液を適度に結晶群から排泄する転速である。第
二回転体は第2転速(second rpm)で回転する。それ
は、やや第1転速より高いか、もしくはやや低いか、ど
つちでもよい。洗滌分区において回転腕が結晶液体の混
合体を撹拌し、結晶を各自の共軛涸渇分区に輸送するの
である。固体相は左から右へ輸送され、段間輸送液は右
から左へ輸送される。
第19図は板型結晶洗滌塔(plate−type crystal washin
g column)を示す。それは見かけ上板型蒸溜塔(plate-
type distillation column)によく似ている。その中に
は第一組の板、第二組の板と一組の輸送段がある。各輸
送段は固体相輸送管と液体輸送管を含む。固体相の輸送
は第一組の板上では放射状に外向きに輸送されるが第二
組の板上では逆に放射状で内向きに輸送され、固体相輸
送管内では下向きに通過する。自由液体の輸送は第一組
の板上で放射状で内向きに輸送され、第二組の板上では
放射状で外向きに輸送され、液体輸送管内では上向きに
流れる。
5.本発明の実施形態 5−I序言 第1図は未緻密化の結晶床(unconsolidated bed of cr
ystals)を示し、第2図は緻密化された結晶床(consol
idated bed of crystals)を示す。未緻密化床には結晶
団(agglomerates of crystals)1があり結晶団間の自
由液(inter agglomerate free liquid)2によつて分
隔される。結晶団内には結晶3とある量の液体がある。
結晶団から容易に排泄できるかあるいはそこを通過でき
る部分の液体を結晶団内自由液(intra−agglomerate f
ree liquid)4と称す。結晶に保持された残りの液体を
滞留液(retained liquid)5と称す。未緻密化床を逆
洗するのは効率が低い何故ならば、置換液(displacing
liquid)は選択的に結晶団間自由液の占有する道すじ
を選んで通過するからである。この現象を短絡化(chan
nelling)と称する。未緻密化床を圧し詰めると第2図
の様な緻密化した結晶床が得れる。ある圧し詰め法によ
つて結晶団が推し寄せられると短絡路(channelling pa
sses)の数と大きさが大いに減小される。緻密床には結
晶3、自由液4、滞留液5がある。
結晶洗滌作業を有効的に実施するには適度な圧し詰めの
度数範囲がある。ある程度以上の圧し詰めは短絡化の抑
制に必要であり、結晶床に適当な可透性(permeabilit
y)がある事は実用的な置換速度(rate of displacemen
t)を得るのに必要である。
第3図Aは第一基本条件である滞留液から不純物を自由
液に輸送する操作を示す。図中、結晶団内の結晶を皆集
めて円盤区域5で示し、滞留液を輪6で示す。結晶団間
と結晶団内の自由液は滞留液の輪外の区域7で示す。第
一条件の操作は不純物を滞留液区域6から自由液区域7
に輸送することである。第3図Bは第二基本条件である
結晶間自由空間から不純物の量を減小する操作を示す。
図中、結晶は区域5、滞留液は区域6、自由液は区域7
で示す。
第4図A、BとCはある結晶床を順次に軽く局部的に撹
拌し(A型操作)、更に逆洗(B型操作)した効果を示
す。本発明の方法ではこの二段階の操作を繰り返し実施
する。第4図AはA型操作を実施する前の床の状態を示
し、第4図BはA型操作を実施した後の結晶床の状態を
示す。それはまたB型操作を実施する前の床の状態でも
ある。第4図cはB型操作を実施した後の結晶床の状態
を示す。第4図Aと第4図BとでA型操作により滞留液
内の不純物濃度が(CR)1から(CR)2までに減小したことを
示し、同時に自由液内の不純物濃度が(CB)1から(CB)2
でに増加したことを示して居る。第4図BとCとでB型
操作により自由液内の不純物の濃度はB型操作によつて
(CB)2から(CB)3に減小し滞留液中の不純物の濃度は少し
ばかり変化し(CR)2から(CR)3に変ることを示して居る。
第5図A、BとCは涸渇された(drained)結晶床に浸
漬操作(soaking operation)によるA型操作と排泄操
作(Draining operation)によるB型操作を順次に適用
した場合の効果を示して居る。一つの結晶床にこれらの
二操作を反復実施される。第5図AとBはそれぞれ浸漬
操作前後の結晶床の状態を示し、第5図BとCはそれぞ
れ排泄操作前後の結晶床の状態を示す。第5図Aは涸渇
床において結晶間自由空間(intercrystalline free sp
ace)7は気相にて充填されていることを示す。第5図
Bは浸漬作業後結晶間自由空間は液相で占められている
ことを示す。この操作により滞留液内の不純物濃度は(C
R)1から(CR)2に減小していることを示す。第5図Cは排
泄作業後の結晶間自由空間は再度気相で占められて居る
事を示す。自由空間内の自由液の量が減小したため、自
由空間内の不純物量も減小している。
本発明の浄化塔における静態分区で結晶床を形成する状
態を説明する為には懸濁状態から結晶床が形成される機
構を検討することが重要なことである。便宜上、次の術
語を定義する:“自然形成床”(naturally formed be
d)、“強化緻密床”(bed with enhanced compactio
n)と“未強化緻密床”(bed without enhanced compac
tion)。
懸濁物がある槽内で回分的に(batch−wise)沈澱する
時一定時間内に大小各異の粒子の沈降する距離は各異で
ある。一つの粒子は他粒子の架橋によつて支持されるま
で沈降を続ける。粗大な粒子は小粒子より先に沈降を停
止する。小粒子は大粒子の上に暫くとどまることもある
が、また大粒子の隙間にも入つて行く。この運動をコン
ソリデーシヨントリクリング(consolidation tricklin
g)と称し、小粒子の沈澱過程の特徴である。そのかわ
り、大粒子は架橋支持され更に沈降する事が出来ない。
コンソリデーシヨン(consolidation)過程中の小粒子
の沈澱は懸濁状態の時のそれよりはずつとのろい、しか
し、その結果形成される結晶床の緊密程度(degree of
compaction)が大部高くなる。最終的には、全数の粒子
が大小をとわず全部沈降する。そして粒子自己支持の架
橋が出来る。形成された結晶床の緊密度は結晶床の多孔
性(porosity)で測定される。床の多孔性が低い程緊密
度は高い。自然に形成された結晶床に対して静圧力を加
えても実際上緊密度には大した影響がない。それは、加
えた力は粒子表面の各部位に伝るのでお互いに消去しあ
つてしまうからである。而し自己支持の構造に伝る力は
構造を崩潰し、結晶床をもつと強固の構造にする。それ
故に緊密度が増加する事になる。粒子に重力以外の外力
を加えないで懸濁体から沈澱を形成させた床を“自然形
成床”(naturally formed bed)あるいは“未強化緻密
床”(bed without enhanced compaction)と称する。
自然に形成た深い床では底部の緊密度はその上部の緊密
度より高い。それは床の重量は床の構造を伝て底部の床
を緊密にするからである。したがつて自然形成床の平均
緊密度は床の深度の函数である。
本発明の浄化塔においては一組の静態洗滌分区と一組の
撹拌洗滌分区が交互に配置されている。各静態分区にお
ける緊密度は結晶洗滌効果と分区間の固体相の輸送の
際、液体の持越し量に対して重要な因子である。静態洗
滌分区における結晶床の特徴を正確につかむ為、便宜上
参考床を引用する。実用床の緊密度を参考床の緊密度と
比較する。本書に使用した参考床は“定状自然形成床”
(steady state naturally formed bed)である。この
参考床を次の節で規定をする。
静態の洗滌分区の前端は多孔板をもつて前の撹拌分区に
連接し、後端は別の多孔板で後の撹拌分区と連接する。
固体相は分区の前端から導入して後端から出していく。
自由液は分区の後端から導入して前端から出していく、
そうすると分区において安定な状態が保たれる。この分
区に形成された床を“定状自然形成床”(steady state
naturally formed bed)と称し、あるいは“自然形成
床”(naturally formed bed)と称する。この分区に形
成した床は結晶の自己支持構造でそれには流動液体の摩
擦力と、床にかかる重力以外、全然他の外力がこの構造
に作用をあたえないことである。
静態の洗滌分区に形成した床の緊密度を増進あるいは強
化して自然緊密度を著しく超過するには二つの方法があ
る。前にも述べた通り、床内の固体粒子からなる自己支
持構造に力を伝導させる事によつて床を緊密にすること
ができる。一つの方法として、機械的方法で床の構造に
力をかけることである。機械的方法とはピストン、螺旋
運送器(screw conreyon)及傾斜ブレードのついた回転
機などで結晶床を緊密にすることができる。別の一つの
方法はある分区より高い所にある諸静態床と諸撹拌床を
含めた床の総重量が床の構造に力を伝え、その分区の床
を緊密にする事である。高い分区の重要をこの分区の床
の構造に伝わせる為にはその分区とその前の撹拌分区間
に分隔する多孔板を使わないことである。自然に形成さ
れる結晶床の緊密度よりずい分緊密度の高い結晶床を強
化緻密床と称する。
5−II本発明を実施する第一方式および第二方式の操作
成績 本発明を実施する第一方式と第二方式の操作成績をこの
節で解説する。
5−IIa第一方式による操作の成績 大6図は第一方式操作が実施できる一般系統を示す。第
7図は本方法と現行の塔結晶器(column crystallize
r)操作成績の比較図である。この系内には浄化塔8が
あり、上端9と下端10があり、それぞれA-1よりA-5分区
と称される第一組の撹拌洗滌分区11aより11eとそれぞれ
B-1よりB-5分区と称される一組の静態洗滌分区12aより1
2eがある。各静態分区において、輻射状に垂直の分隔板
13が分区を幾つかの小室に分ける。各撹拌分区内には撹
拌翼片14が軸15に連続され、それと共に回転する。撹拌
翼片をねじって結晶床の緊密化をはかる事も出来る。そ
れで翼片は撹拌分区で床の撹拌をする作用があり、静態
分区では床を緊密する作用がある。尚前に記述した静態
混合器もこの静態混合区に設置して不純物の輸送を促進
することができる。
結晶‐母液の原料混合物16は塔の上端から導入し初洗滌
液17は底部から導入する。ある量の浄化された固体相18
は底部から排出され、不純液19は上端から取出される。
固体相は静態分区と撹拌分区を通過して続々と降下す
る。自由液は上向きに分区を流通する。固体相はA-1乃
至A-5の撹拌分区に移され、それぞれ(KB)0より(KB)4
体と称す。撹拌分区A-1乃至A-5からでて来る固体相をそ
れぞれ(KA)1乃至(KA)5流体と称する。撹拌分区A-5乃至A
-1に入る自由液をそれぞれ(LB)5より(LB)1流体と称す
る。撹拌分区A-5ないしA-1をはなれる自由液をそれぞれ
(LA)5乃至(LA)1流体と称す。浄化された固相18は融解さ
れ、一部の融液は浄化製品とし、残りは洗滌液(LA)6
する。
ある静態分区で有効的な結晶洗滌作業をするには、その
分区内の結晶床が自然緊密度より随分高い緊密度になる
様に押し詰める必要がある。この系統の床の緊密度を強
化するには前に述べた二つの方法がある。不純物の濃度
が下向き方向に従つて逓減するので不純液をこの方向に
輸送すると、この浄化塔の操業効果を減低する。但しさ
けられないのは、この分区間で輸送されている固体相に
滞留する液体は丁度この不利な方向で移動している事で
ある。この滞留液の移動による不利な影響は次の方法の
一つか又は両方を使つて減小することが出来る。
(i)分区間に輸送する固相内の滞留液の量を減小する。
(ii)両分区間で輸送中の固相を逆洗する。
両方法とも上記の浄化塔に使れる。
フイリプツ法(phillips process)は逆流式塔部分結晶
法を商業的に並用して成功した一例である。使われた塔
には一つの結晶形成区(crystal forning zone)、一つ
深い非撹拌(a deep non−aggitated)結晶浄化区と結
晶融解区(crystal melting zone)を含む。浄化区の結
晶床は撹拌されない。固体相と自由液を相対方向に輸送
するので浄化区内に不純物の濃度分布が出来る。第7図
において曲線I、20-21-22は滞留液内の不純物濃度と塔
の深度の関係を示す。曲線II、23-24-25は自由液中の不
純物濃度と塔の深度の関係を示す。図中、この両曲線は
ある限界値に接近するのが見られる。塔の底部から排出
される固体相は融解され、浄化製品となるのと固体相が
滞留液を含むので、滞留液に含む不純物は浄化製品の不
純物になる。それ故、現行の塔型結晶器で達成できる純
度には実際上の限度がある。塔型結晶器の長さを加えて
もそれで得られる効果は段々小くなる。その主な理由は
塔内に形成された結晶床は撹拌されていないし、ただ塔
中で沈降するのみでは結晶団中に滞留する不純物は速か
に自由液に放出されないのと、形成した短絡路はそのま
ま短絡路として残る為である。
図中、曲線III20-26-27-28と曲線IV23-29-30-31、はそ
れぞれ本発明の浄化塔内の滞留液と自由液中の不純物濃
度の分布を示す。塔内には8個の撹拌洗滌分区(A-1、A
-2、‐‐‐‐‐、A-7とA-8分区と称す)と8個の静態分
区(B-1、B-2、‐‐‐‐‐、B-7とB-8分区と称す)を含
む。(ZB)0と(XA)9はそれぞれ原料固体−液体混合物中の
滞留液と洗滌液内の不純物濃度を代表する。(ZA)iと
(ZB)iはそれぞれA-iとB-i分区の低い一端で輸送される
固体相の滞留液に含む不純物濃度を代表する。(XA)iと
(XB)iはそれぞれA-iとB-i分区の上端で輸送される自由
液中の不純物の濃度を表す。図示の通り、これら分区内
の相当する位置の液体中に含れる不純物の濃度で作られ
た数列はほぼ幾何数列に近い。そこで〔(ZB)0、(ZB)1
‐‐‐、(ZB)8〕、〔(ZA)1、(ZA)2‐‐‐‐、(ZA)8〕、
〔(XB)1、(XB)2‐‐‐‐、(ZB)8〕、〔(XA)1、(XA)2
‐‐‐、(XA)8、(XA)9〕は4組の数列が作られる。各組
中液体に含む不純物の濃度は順次に低減していく。しか
もある極限に接近しないことが注目されるべきである。
それ故適当な数の分区があれば不純物の濃度は非常に低
い程度に減す事ができる、例えば百万分の一かあるいは
もつと低い水準まで低下できる。
後に示すが各分区の深さは浅いのである。静態分区の深
さは数インチ乃し1または2フイート程度で、撹拌分区
の深さは更に小である。それ故、一つの超純度の化学品
を生産する事の出来る、効果の良い塔は比較的短小な塔
である。それからまた撹拌分区では比較的に温和な撹拌
で局部的撹拌を促進するだけで充分である。要約する
と、本発明の浄化塔は静態洗滌と撹拌洗滌を交互に操作
するのと分区間の固体相と自由液の輸送を適宜に実施す
ることによつて、結晶床が塔内を移り通る時自分で新し
くなり、塔の操作効果を上げる事ができる。
5−IIb第二方式による操作の成績 第8図は第二方式過程が実施できる一般系統を示し、第
9図はこの系統の操作成績を示す。
第二方式の操作は次に説明する発見による。洗滌操作を
交互に重複多段処理するのと固体相と自由液体を大体反
対方向に輸送する事によつて各段階における洗滌作用の
程度と涸渇作用の程度が随分に低い程度で高い洗滌効果
が得られる事が分つた。これに必要な洗滌作用の程度と
涸渇作用の程度は夫々洗滌作用のみによる場合(例えば
塔結晶器とか遠心沈澱法の如き)と涸渇作用のみによる
場合(例えば重力過や遠心過の如き)に随分に低い
程度で充分である。その故、本発明の結晶浄化法は普通
の結晶の浄化法と比べて全体的に改良され、経済的であ
る。本文中“相当程度に減小した洗滌”(substantiall
y reduced degree of washing)と“適度の洗滌”(mod
erate degree of washing)は本法の各段階においてそ
の洗滌目的を達成するに充分な洗滌度を示し、同様に
“相当に減小した涸渇度”(substantially reduced de
gree of draining)と“適度の涸渇度”(moderate deg
ree of draining)は本法の各段階においてその洗滌目
的を達成するのに充分な涸渇度を示す。
沈澱式遠心機(sedimentation centrifuges)と遠心式
過器(centrifugal filters)の性能は“Handbook of
separation technique for Chemical Engineers"の4,5
節に紹介がある。これらの性能は参考性能とする。
第8図は第二方式過程の結晶の浄化系統を示す。この系
統は一つの主要処理区31と一つの結晶融解区32から成つ
ている。主要処理区は号数の処理段を含む。図には段1
より段5がある。主要処理区内の一つの処理段(第n段
とする)に洗滌分区(A-n分区で示す)及結晶涸渇分区
(B-n分区で示す)がある。二つの分区は一つの共軛組
の分区を形成する。それ故、段1ないし5、33aより33e
に五つの結晶洗滌分区34aより34e、と五つの涸渇分区35
aより35eがある。これらの洗滌分区を夫々A-1よりA-5で
表示し、これらの涸渇分区を夫々B-1よりB-5で表示す
る。主要処理区は点線で示した限界内に包まれ、頂部の
第一端及底部の第二端がある。各洗滌分区内の結晶洗滌
は撹拌洗滌かまたは逆洗操作である。各涸渇分区内の結
晶涸渇は単純な重力過作業かあるいは遠心過操作で
ある。図中の涸渇分区内には単に重力過を示してあ
る。固体‐液体の混合原料(KA)0は図には示していない
が初涸渇区B-0内で涸渇され、過物(LB)0を形成する。
それを系統から排出される。涸渇固相(KB)0は主要処理
区の第一端から其の中に導入される。結晶融解器で出来
た一部の融解液(LB)6は主要処理区の第二端から其の中
に導入される。B-1からB-5までの分区より放出される涸
渇された固体相を夫々(KB)1より(KB)5で表示しA-1からA
-5までの分区より放出される固液混合物を夫々(KA)1よ
り(KA)5で表示する。B-1からB-5までの分区より出る液
体を夫々(IB)1より(IB)5で表示する。(IB)1の一部は段
内回流(JB)1となる、それをA-1分区に回流させる。残り
(LB)1は系統から排出される。同様に(IB)2、(IB)3
(IB)4と(IB)5流液の一部は夫々段内回流液(JB)2
(JB)3、(JB)4と(JB)5となりそれらを夫々A-2、A-3、A-4
とA-5分区に回流させる。残留物は段間輸送液(LB)2、(L
B)3、(LB)4と(LB)5となつて夫々A-1、A-2、A-3とA-4分
区に輸送される。最終段からの涸渇固体相(KB)5は結晶
融解器32で融解される。一部の融解物は浄化製品Dとな
る。残りは洗滌液(LM)6となりA-5分区に導入される。概
して、第n処理段で実施される操作は次の如し: (a)第n−1段から来た涸渇固体相、第n+1段から来
た段間輸送液(LB)n+1と段間回流液(JB)nはA-n分区に持
ちこまれ、その結果の混合物は固相(KA)nとして排出さ
れる。
(b)(KA)n固体相B-n分区で涸渇され、涸渇固体相(KB)nと
母液(IB)nとなる。
(c)一部分の母液は段内回流液(JB)nとなり、それをA-n
分区に回流させる。残留部分は段間輸送液(LB)nとなりA
-(n-)分区に導入される。
B-0とB-1分区から得られる液流(LB)0と(LB)1は残渣とな
る。それには原料混合物中の不純物の殆ど全部が入つて
いる。
段間輸送液量と涸渇固体相内の滞留液量の比、即ち(LB)
nの量対(MB)nの量の比値は結晶浄化操作効率を決定する
のに一つの重要な因子である: (LB)n/(MB)nの比値が増加するにつれて効率も増加す
る。この比値は洗滌比(wash ratio)Rnで表す。洗滌比
は(LB)nを増加するか、(MB)nを減少するか、あるいは両
方共にするかによつて増加することができる。高い(LB)
n値は大量の結晶融液の回流を要する。したがつてエネ
ルギーの消費の増大を要す。それゆえ、必要の希望洗滌
比を(MB)nの減小によつて達成する。即ち、B-n分区内の
涸渇度を増大することである。実用上には適当な涸渇度
がある:高い涸渇度を得るには余分の遠心力作業を要
し、低度の涸渇度を使えば洗滌比が小になり結晶浄化の
効果が悪くなる。
製品中の不純物濃度XDは最終段の滞留母液の不純物の濃
度(ZB)Nと関係がある。最終段を離れる不純物濃度(ZB)N
は固液原料混合物(feed)中の滞留液の不純物濃度(ZB)
0、洗滌比R1、R2、‐‐‐‐、RN及段の数Nと関係があ
る。第9図は(ZB)NとRn及N間の関係を示す。尚、図中
の値は(ZB)0=0.1と仮定し、洗滌比は全部同値であると
仮定して得られた。
曲線36aないし36iは夫々(ZB)0=0.1及Rnが夫々1、1.
5、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、8.0と10.0の時、ZNと夫
々の段数Nの関係を示す。図示の通り、適当に低い洗滌
比と適当な段数をもつて、高度の浄化が得れる。例え
ば、(ZB)N=0.1、Rn=2.0、である時(ZB)Nを百万分の一
(1ppm)までに減小するに要する段数は18である。同様
の結果はRn=3.0の時Nは11位で、Rn=4の時Nは8位
である。(MB)N/(KB)N=0.1である時Rn=2.0を得るには2
0%の結晶融液を洗滌液(LM)Nとして回流することによつ
て達成される。同様にRn=3.0を得るには30%の結晶融
液を回流することによつて得れる。−−−等等。本発明
の系統において一段の設備費と一段についての運転費は
相当に低いので多段系統を運転する総費用が低い。それ
でこの系統は結晶の高度浄化が達成される。毎段の運転
費用を低くするには各涸渇分区での涸渇度を適宜に維持
することである。
既に述べた通り、本発明を実施する第三方式は多数の結
晶洗滌器で回分式(botchwise)に逆洗作業によつて浄
化操作が達成される。最初の涸渇床(KB)0に一系列の浸
漬と液の排泄操作をかける。第三方式操作の成績も第二
方式操作のそれと同様である。
5−III本発明を実施する其の他の方式 第10図に示される処理区37においては二相混合物の横切
方向の撹拌は多数の軸39で駆動されて旋回する多数の小
撹拌翼片38によつて達成される。輸送方向で両相が長程
混合(Long range mixing)されるのを抑制する。これ
は区内二相物のM/S比を低い値を保ち且つ小い翼片で局
部的撹拌をする事により達成される。
第11図は既述のAB型操作が実施される一般系統を示す。
この系統において、固体相は第一端40から第二端41に向
けて輸送され、自由液は第二端から第一端に向けて輸送
される。横切方向の撹拌と逆洗はAB-1ないしAB-10分区
にて同時に実施される。これらの分区は個別的に分離さ
れた分区かあるいは連続した一区を形成することもあ
る。
第12図は第11図の一種で所要の横切方向の撹拌は超音波
震動によつて達成される。幾多の変換器(transducer)
40を管壁41に連接する。第13図は第11図の別の一系統で
所要の局部化撹拌は回転腕43に連結した細線42あるいは
薄い翼片を回転させて達成される。
第14図に示す結晶浄化系統にはA-1区として表示される
原料給入区44a、第6図に示したのと類似な主要結晶浄
化区45とM-6分区として表示される結晶融解区がある。
浄化区にはA-1ないしA-5分区として表示される一組の撹
拌分区44a−44eとB-1ないしB-5分区として表示される一
組の静態分区47a−47eがある。各静態分区においては輻
射方向でまた垂直の調節板48で分区を分隔して小室にす
る。そこには中央軸49があり、結晶給入器50、第一組の
固体相輸送器51、一組の撹拌器52、第二組の固体相輸送
器53、一つの固体相排出器54及もう一つの結晶を撹動し
て融解器に入れる撹拌器55がある。図示の通り、給入
器、撹拌、輸送器は全部中央軸に附着し、それに従つて
回転される。結晶融解区には加熱管(heating coil)56
が設けられ、それには熱媒の入口57とその出口58があ
る。
静態分区において結晶洗滌作業を有効にするには分区内
の結晶床を自然緊圧度より相当に高い緊密度に圧し詰め
る必要がある。これは給入器50及固体相輸送器を作用さ
せることによつて達成される。それ故これら固体輸送器
も結晶床の緊圧手段に使える。
第14図aは静態分区の横断面を示す。そこには垂直で輻
射方向の壁48が分区を分隔して小室59a−59fを形成す
る。結晶床はこれらの小室を経て降下する。この壁は結
晶床の緊密度を維持を助成するのと隣接の分区の撹拌器
により結晶床が撹拌されるのを防止する。
第14図bとcは一種の撹拌器を示す。それは撹拌分区で
結晶‐液体群の局部的混合を促進し、その結晶団を壊す
のに使れる。かくして不純物を結晶群から釈放し自由液
に移し、結晶の再結晶を助成する。結晶群と自由液の局
部撹拌はこの操作において重要なことである。図示の撹
拌器44には放射腕60と翼片61があり、翼はその運行方向
に対して傾斜せしめられている。撹拌器の回転はその運
動が大体同面である様にする。第一と第三腕についてい
る翼片は一つの方向に傾斜し、第二と第四腕についてい
る翼片は反対方向に傾斜する。結晶床から降下して撹拌
分区を通過する時これらの結晶は交互に内向きと外向き
に移動し、上向きに移動する自由液と密接に混合するこ
とができる。注意すべきことは降下床に従つて下向きに
移動する成分もあるが分区中の結晶群の運動は大体同面
的である。
第14図cは第14図中の固体相輸送器51,53の構造を示
す。翼片62は下向き方向に傾斜する。静態分区の底部に
ある第一輸送器51はこの分区の結晶床より結晶群を削切
し、それを次の撹拌分区へ輸送する。撹拌分区の底部に
ある第二輸送器53はこの分区から結晶‐液体混合体を取
入れて、それを圧し詰め大部分の液体を放出し、緊圧し
た結晶群を次の静態分区に輸送する。第二輸送器はまた
次の静態分区の結晶床を翼圧する。
第14図dは多孔64で削刀65がついている回転盤63を示
す。この様な回転多孔盤は静態分区内の床を支持すると
同時に固体相をこの分区から取り出す。それ故それは第
14図中の第一固体輸送手段の替りに使える。第14図中、
回転多孔盤54は固体輸送手段として最終静態分区から結
晶を融解区へ輸送する。
第15図に改造型の結晶浄化ユニットを示す。このユニッ
トは第14図に示したのと類似するが次の様に改造されて
いる:第14図dに示したのと類似の削刀63を有する回転
多孔盤66によつて一静態分区を次の撹拌分区から分隔す
る。静態分区中の結晶床は回転多孔盤66に支持され、第
14図c中に示した回転翼片で圧し詰められる。撹拌分区
にある結晶‐液体混合体は撹拌器68で撹拌される。
第16図は別の改造型結晶浄化ユニットを示す。この単元
もまた第14図中に示したのと類似で次の様な特徴があ
る:(1)そこには静態分区をその隣接の撹拌分区から分
隔する回転あるいは非回転の多孔盤がない。(2)静態分
区の床の圧し詰めに使う回転翼片がない。及(3)分区間
に固体相を輸送に使う回転削刀がない。
撹拌器68は撹拌分区の撹拌に使れる。第16図の例では只
一つの床緊密器69が塔の頂端にあるだけである。この系
において、撹拌分区を含む総べての分区中の結晶は連続
的に架橋構造を形成し、それを通して床を圧し詰める力
が伝わる。それゆえ、浄化区の頂端で圧し詰め器で付与
した下向きの力及その水平面以上の固体床の総重量はそ
の水平面にある床へ与えられ、架橋した構造を通してそ
この結晶床を圧し詰める。尚傾斜翼片をつけた撹拌器を
使つて一層結晶床を押し詰める事も出来る。
第17図は一つの涸渇床洗滌塔を示す。それにはA-1よりA
-5分区を表示される一組の撹拌分区とB-1よりB-5分区と
表示される一組の静態分区がある。この両組の分区は上
向きに交互に配置される。結晶‐母液の原料混合は底部
から給入する、固体相は撹拌分区内の翼片によつて上向
きに押し上げられる。洗滌液は上端から加えられ下向き
に結晶床を通過し、最後には排泄させる。第17図aは撹
拌分区の横断面を示し、第17図bは非撹拌分区の横断面
を示す。第17図cは塔の展開図を示す。撹拌分区におい
て回転翼片70は分区中の両相混合物を撹拌し、涸渇床を
上向きに推し上げる。静態分区においては調節板71はこ
の分区中の結晶床回転を防止する。前記の直列静態混合
器(In−line motionless mixer)あるいは静態混合器
を静態分区に設置することが出来る。尚この浄化塔を浸
漬床洗滌器として使うことも出来る。但し、この際には
結晶‐母液の原料混合物を上端から導入し、初洗滌液を
底部から導入してもよい。
第18図は本発明の遠心式結晶浄化系を示す。それは第一
回転数(rpm)1にて回転される第一回転体72と第二回転数
(rpm)2にて回転される第二回転体73がある。その上B-0
分区と称する最初涸渇区と主要処理区が第一回転体内に
ある。第一回転体は調節板75a,75bにて分区に分られて
居る。図中には4つの処理段が示されている洗滌分区76
a,76b,76c,76dを夫々A-1ないしA-4分区で表示し、涸渇
分区77a,77b,77c,77dをそれぞれB-1ないしB-4分区で表
示する。遠心過器79が最初涸渇区と全部の涸渇分区内
に設けられてある。これらの過器は第一回転体の一部
で、一緒に第一回転数(rpm)1で回転されて居る。結晶の
粒子が小い場合、遠心過の代りに沈澱遠心器(sedime
ntary centrifuges)を使つてよい。回転腕80、撹拌器8
1と結晶輸送器82が洗滌分区に含まれてある。これは第
二回転体の部品で、第二回転数(rpm)2で回転される。第
一回転数は適度であり涸渇分区に導入された固体相も適
当の程度にしか涸渇されない。遠心機に使用する遠心力
も適当な程度でよい。第二回転数は第一回転数よりやや
高いかまたはやや低い。それで洗滌分区内に含まれてい
る物体は適当な撹拌器81で撹拌されると共に固体相(KA)
nは輸送器82で相当する涸渇分区に輸送される。
操作において、固体‐液体の原料混合物(KA)0はB-0区に
導入され、涸渇され、(KB)0と(LB)0となる。(LB)0は不
純液で系統から排出される。固相(KB)0は処理区に導入
される、涸渇固体相は最終段(KB)4から結晶融解器78へ
持つていかれてその中で融解される。一部の融解液は浄
化製品Dとなり、残留部(LB)5はA-4分区へ輸送される。
第n段で実施される操作は前に第8図の系統で解説した
のとほぼ類似であり、例として次に簡単に第二段に関し
て説明する: (1)(KB)1を(LB)3と(JB)2とA-2分区で混合する。それを
撹拌器81で撹拌して固体‐液体混合体(KA)2となる。
(2)A-2分区から固体‐液体混合体(KA)2を削り取り、輸
送器82でB-2分区に輸送する。
(3)(KA)2は遠心過器79によつてB-2分区内で涸渇さ
れ、涸渇固体相(KB)2と母液(IB)2となる。
(4)(IB)2の一部分は段内の回流液(JB)2となり、調節板7
5b上の開口81aを通してA-2分区に戻される。
(5)残留の母液は段間輸送液(LB)2となり、A-1分区に輸
送される。
其の他の段の操作も類似である。注目すべきは第二回転
体の回転速度を第一回転体の回転速度より高めにするか
あるいは低めにして回転を続けることによつて洗滌分区
の撹拌と段間の(KA)nの輸送ができる。また注目すべき
点は、第一回転体を適当なrpmで回転すると固体‐液体
の混合体(KA)nも適度に涸渇され、固体相(KB)nになる。
第一回転体のrpmは第7図を作るのに用いた計算にもと
ずく簡単な最適化の研究で選定する。高いrpmを使用せ
ば、高い程度の液排泄度(即ち低い(MB)n/(SB)n比)と
高い洗滌比が得られる。然し、高い回転数はまた高い設
備費用と高い運転費用が必要となる。
多段操作であるので、適度な液排泄度でもかなり高度の
結晶の浄化が達成できる。使われる遠心力も同じ程度の
浄化を達成する普通の遠心機に比べるとはるかに低い。
最終段(KB)4からできる涸渇固体相は固定室83に収集さ
れ、結晶融解器78に送られる。一部分の融解液は浄化製
品となり、残留部(LB)4はポンプ84でA-4分区に輸送され
る。(LB)0と(LB)1は固定環85に収集され、そこから排出
される。
第19図は板塔結晶洗滌系統を示す。そこにはA-1ないしA
-5分区と称する一組の撹拌結晶洗滌分区86,B-1ないしB-
4分区と称す一組の輸送分区87及M-6分区と称する結晶融
解器88がある。A-2分区にはA-2aとA-2bと称する二つの
構成分区がある。同様にA-3とA-4分区も夫々A-3aとA-3b
分区及A-4a,A-4b分区と称する各二つの構成分区があ
る。B-1,B-2,B-3及B-4と称する輸送分区にはB-1a,B-2a,
B-3aとB-4aと称する固体輸送分区89とB-1b,B-2b,B-3bと
B-4bと称する液体輸送分区90がある。B-1cないしB-4cと
称する輸送分区の残る部分91は空にしたまま使用しな
い。固体相は順次にA-1b,B-1a,A-2a,A-2b,B-2a,A-3a,A-
3b,B-3a,A-4a,A-4b,B-4aとA-5a分区を通過して輸送さ
れ、融解器M-6に入れる。自由液はB-4aないしB-1a分区
をバイパスして順次A-5a,B-4b,A-4b,A-4a,B-3b,A-3b,A-
3a,B-2b,A-2b,A-2a,B-1bとA-1b分区を通過して輸送され
る。固体相はA-1b,A-2b,A-3bとA-4b内の板上で内向きに
移動され、A-2a,A-3aとA-4a分区内の板上では外向きに
移動される。小量の自由液流(LA)2a,(LA)3a,(LA)4aと(L
A)5aは両相混合体からA-2a,A-3a,A-4aとA-5a分区に設置
してある過器によつて分離され、夫々B-1a,B-2a,B-3a
とB-4aの分区をバイパスして、A-1b,A-2b,A-3bとA-4b分
区に導入される。B-1a分区に入る両相混合体は緊迫さ
れ、その為一部液体(LB)1aは分区を離れ、B-1b分区を通
過してA-1a分区に入る。類似の操作もB-2a及B-3a分区で
行れる。この系統内の圧力降下は小い、何故ならば大部
分の液相はB-1,B-2,B-3とB-4分区内の緊迫床をバイパス
している。同じ様な理由で、この系統は小粒子結晶を含
む固体‐母液の混合体を浄化する事ができる。
6.産業上の利用可能性 本発明の方法はエネルギー節約出来る方法で、化学品中
の結晶成分を高度に精製(Super purification)する事
が出来る。それゆえ、本方法は高純度の単体を製造して
重合物工業(Polymer industries)に貢献出来ると共
に、高純度の化学品を製造して電子工業、医薬品工業、
農薬工業と其の他諸工業にも大なる貢献する事が出来
る。尚本方法は共沸混合物(Ajeotropic mixtures)の
分離精製にも使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 チエング,チエン‐エン 米国,ニユーメキシコ 87111,アルバカ ーキー,ノースイースト,ラ プラヤ ス トリート 9605 (56)参考文献 特開 昭58−199002(JP,A) 米国特許3681932(US,A)

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一つの浄化区内において洗滌液で母液を含
    む不純結晶を洗滌して第一成分の純化結晶と一種または
    多種の溶質を含む残留物を得る浄化方法であって、この
    方法に使用される浄化区はA型分区とB型分区の二組の
    分区よりなり、第一組を構成する分区は順次にA−1,A
    −2,−−−−−,A−M分区であり、第二組を構成する分
    区は順次にB−1,B−2−−−−−,B−N分区であり、
    この浄化区と各分区とには前端と後端があり、A型分区
    とB型分区とを前端から後端への方向に一つおきに浄化
    区内に設置し、かくして或るA型分区の前端と後端はそ
    れぞれ前のB型分区の後端と後継のB型分区の前端に接
    続され、一つのA型分区と後接のB型分区との組合せで
    一つの処理段(Processing Stage)を形成し、原料混合
    物と初洗滌液をそれぞれ浄化区の前端と後端に導入し、
    結晶と液体が各分区内に存在し、各分区内には二相混合
    物(Two phase mixture)と結晶間空間(Intercrystall
    ine space)とが存在して各分区内の液体の一部は自由
    液体(Free liquid)となり、残りは滞留液体(Retaine
    d liquid)となっている浄化方法において、 (a)A型分区で、撹拌翼付きの固型撹拌器をやや狭い範
    囲内で浄化区の前端から後端に向う方向に対して横切る
    方向にて局部的に撹拌し、各分区内の不純物を滞留液体
    から自由液体に移動する事を増進する第一段階、 (b)B型分区で、逆洗操作(Counterwashing)かまたは
    緻密化操作(Compaction)または両操作の兼用により、
    結晶間の自由空間より不純物の量を減少する第二段階、 (c)固体相を浄化区の前端から後端に向けて移動する第
    三段階、 (d)分区を通過して大部分の自由液体を浄化区の後端か
    ら前端へ連続輸送する第四段階 を含み、尚更に (i)各B型分区の入口の前端より後端に輸送される母液
    の量は共に輸送される結晶の量の二倍より少なく、且つ (ii)大部分のA型及びB型分区内の結晶間の空間は殆ど
    完全に液体で充填され、浸湿床(Sub−merged bed)を
    形成する ことを特徴とする浄化方法。
  2. 【請求項2】第三段階において固体相を多数の分区を通
    過させて前端より後端に輸送する様にした請求の範囲第
    1項の方法。
  3. 【請求項3】第三段階を供給混合物と初洗滌液の導入点
    を変更する事によって達成する請求の範囲第1項の方
    法。
  4. 【請求項4】第一成分がその混合物の溶剤であり且つ使
    用される初洗滌液は相当に純なる第一成分である請求の
    範囲第2項の方法。
  5. 【請求項5】B型分区内の二相混合物は緻密な床とな
    り、その緻密度は自然形成床の緻密度より高く、B型操
    作は逆洗操作によって達成される請求の範囲第2項の方
    法。
  6. 【請求項6】各A型分区の母液と結晶との量比は2:1よ
    り小である請求の範囲第2項の方法。
  7. 【請求項7】各B型分区内の母液と結晶との量比は2:1
    より小である請求の範囲第2項の方法。
  8. 【請求項8】B型分区を仕切板で区切り、隣接するA型
    分区内の撹拌作用がB型分区内の結晶床をあまり撹拌し
    ない様にした請求の範囲第2項の方法。
  9. 【請求項9】B型分区とA型分区を直接に接続させ、B
    型分区内の結晶床は浄化区の前端にかけられる力とこの
    分区より上の諸区から来る重力作用との力を受ける様に
    し、それで緻密度が自然形成緻密度よりかなり高い様に
    した請求の範囲第2項〜第8項のいずれか一の方法。
  10. 【請求項10】B型分区とA型分区は一つの可動多孔板
    で隔てられ、B型分区内の静態床は可動加圧器にて圧し
    詰められる様にした請求の範囲第2項〜第8項のいずれ
    か一の方法。
  11. 【請求項11】可動加圧器と多孔板とを一体化させた請
    求の範囲第10項の方法。
  12. 【請求項12】B型分区とA型分区を固定板によって連
    接し、B型分区内の結晶床は可動加圧器によって圧し詰
    められる様にした請求の範囲第2項〜第8項のいずれか
    一の方法。
  13. 【請求項13】A型分区は殆ど同面に近い運行方式をと
    る撹拌器にて撹拌される様にした請求の範囲第2項〜第
    8項のいずれか一の方法。
  14. 【請求項14】撹拌器は回転器に繋がれ、それ故撹拌器
    は回転運動をする様にした請求項第13項の方法。
  15. 【請求項15】固体相の輸送は可動的葉翼によってけづ
    り落すか、剃る方法によって実施する請求の範囲第2項
    〜第8項のいずれか一の方法。
  16. 【請求項16】B型分区は更に固体輸送分区と液体輸送
    分区からなり、大部分の自由液体は浄化区の後端から前
    端の方向に固定相輸送分区をバイパスして輸送される様
    にした請求の範囲第2項〜第8項のいずれか一の方法。
  17. 【請求項17】A型分区は更に固体相輸送分区と液相輸
    送道からなり、大部分の自由液体は固体相輸送分区をバ
    イパスして後端から液相輸送道を経由して前端へ輸送さ
    れる様にした請求の範囲第2項〜第8項のいずれか一の
    方法。
  18. 【請求項18】一つの容器内に二つかそれ以上の処理段
    を含む様にした請求の範囲第2項〜第8項のいずれか一
    の方法。
  19. 【請求項19】浄化区は一つまたは多数の板(plates)
    を有する板塔(plates column)であり、一つのA型分
    区は塔内の一つまたは多数の板の上にある様にした請求
    の範囲第2項〜第8項のいずれか一の方法。
  20. 【請求項20】A型分区は水平分区で固体相と液相は大
    体水平面上にて相対方向に輸送される様にした請求の範
    囲第19項の方法。
  21. 【請求項21】A型分区は円形で固体相と液相は大体半
    径方向に内向きと外向きで相対方向に輸送される様にし
    た請求の範囲第20項の方法。
  22. 【請求項22】A型操作とB型操作は一つの分区内で同
    時に実施され、A型操作は横断方向に作用する超音波振
    動(ultrasonic vibration)で達成される様にした請求
    の範囲第2項〜第8項のいずれか一の方法。
  23. 【請求項23】A型操作とB型操作は一つの分区内で同
    時に実施され、A型操作は、例えば細い線または薄い刃
    物の様に運行方向と垂直方向の断面積が小さい撹拌器に
    よって撹拌される様にした請求の範囲第2項〜第8項の
    いずれか一の方法。
  24. 【請求項24】A型操作とB型操作は一つの分区内で同
    時に実施され、A型操作は二相混合物を静態混合器(St
    atic mixer、スタチックミキサー)を通過せる事により
    達成させる請求の範囲第2項〜第8項のいずれか一の方
    法。
  25. 【請求項25】一つの浄化区内にて洗滌液で母液を含む
    不純結晶を洗滌し、純化結晶と不純溶質を含む残渣物を
    得る方法であって、結晶は精純に近い第一成分であり、
    その母液は第一成分と一種または一種以上の溶質を含
    み、その浄化区はA型分区とB型分区の二組の分区から
    構成され、第一組の分区は順次にA−1,A−2,−−−−
    −,A−M分区であり、第二組の分区は順次にB−1,B−
    2,−−−−−,B−N分区であり、浄化区及び各分区には
    それぞれ前端と後端があり、A型分区とB型分区を前端
    から後端へ向って順次一つおきに浄化区内に設置し、か
    くして或るA型分区の前端と後端はそれぞれ先のB型分
    区の後端と後継のB型分区の前端に連接され、一つのA
    型分区と後接のB型分区との組合せで一つの処理段(Pr
    ocess stage)を形成し、固体と液体の混合物原料と初
    洗滌液をそれぞれ浄化区の前端と後端に導入し、ある量
    の結晶とある量の液体が各分区内に存在し、各区内には
    二相混合体と結晶間空間とが存在して、一部分の液体は
    自由液体となり、残りは滞留液となっている方法におい
    て、 (a)各B型分区(B−n分区)内の二相混合体から大部
    分の結晶間自由液(intercrystalline free liquid)を
    排泄する事によって結晶間自由空間内の不純物量を減少
    しそしてB−n分区より結晶間自由空間に気相と母液を
    含む涸渇塊(drained calse)(KB)nを排出する第一段、 (b)各A型分区の涸渇塊を洗滌液に漬けて滞留液中の不
    純物を自由液に移送させる第二段、 (c)固体相を順次に各分区を通過させ、浄化区の前端か
    ら後端に輸送させる第三段、 (d)自由液を順次に各分区を通過させ、浄化区の後端か
    ら前端に輸送させる第四段 を含むことを特徴とする浄化方法。
  26. 【請求項26】A−n分区から排出した固体相(KA)n
    B−n分区内において涸渇し、固体相(KB)nと母液(IB)n
    になり、母液の一部は段間の輸送液(LB)nとなり、残り
    の部分(JB)nは段中(Intrastage)の回流液となり、A
    −n分区に回流させる請求の範囲第25項の方法。
  27. 【請求項27】第一成分は前記の液体混合体の溶剤であ
    り、また使われる最初の洗滌液も相当純粋な第一成分で
    ある請求項第25項の方法。
  28. 【請求項28】浄化段階は回分的(batch−wise)操作
    であり浸漬操作を運用するA型操作と涸渇操作を運用す
    るB型操作を含む請求の範囲第27項の方法。
  29. 【請求項29】結晶涸渇操作は適度の遠心分離によって
    達成される請求の範囲第25項〜第28項のいずれか一の方
    法。
  30. 【請求項30】結晶涸渇操作は適当な高さを有する結晶
    充填床(Packed bed)を使用する事により達成される請
    求の範囲第25項〜第27項のいずれか一の方法。
  31. 【請求項31】処理段が適当な初速(rpm)1で回転される
    回転円筒内にある様にした請求の範囲第29項の方法。
  32. 【請求項32】少なくとも一部分の固体相の輸送は第二
    回転数(rpm)2で回転される輸送器(transfer means)で
    達成され、その回転数は第一回転数より稍高いか、稍低
    い様にされた請求の範囲第29項の方法。
  33. 【請求項33】A−n分区内の固体相と液相は第二回転
    数(rpm)2で回転する撹拌手段で撹拌され、そしてその回
    転数は第一回転数より稍高いか稍低い様にされた請求の
    範囲第29項の方法。
  34. 【請求項34】更に (a)処理区は直立区であり、 (b)混合供給料は浄化区の下端から導入し、 (c)二相混合体は大部分のA型とB型分区内で涸渇床(d
    rained beds)を形成し、 (d)固体相は活動葉翼(moving blades)によって押し上
    げられ、 (e)大部分のB型分区は固体壁で間どりし其の中の二相
    混合体が其の隣接のA型分区内の撹拌手段によって過度
    に撹拌されるのを防止する、 特徴を有する請求の範囲第25項〜第27項いずれか一の方
    法。
  35. 【請求項35】少なくとも一つの結晶洗滌区を含む浄化
    区内にて回分法(batch Process)により混合供給料を
    ある量の初洗滌液で洗滌して純化結晶と不純物を含む残
    留物を得る方法であって、その混合供給料は第一成分の
    結晶と、第一成分と不純物とを含む液体混合物を含んで
    いる方法において、 (a)ある量の混合供給料を各洗滌区に導入して、初床
    (KB)oを形成し、 (b)洗滌区内に形成する初床に多段洗滌操作を実施し、
    例えば第n段においては、固体相(KB)n-1を置き、洗滌
    液Ln+1を使って不純物を滞留液から自由液に移行させる
    事を強調するA−型操作と結晶間自由空間の不純物量を
    減少させるB−型操作とによって結晶洗滌をして固体相
    (KB)nと液相Lnを形成し、固体相(KB)nは次の(n+1)
    次洗滌段階にかけられ、液相Lnは(n−1)次の洗滌操
    作に使われる 段階を含むことを特徴とする方法。
  36. 【請求項36】B型操作は涸渇操作(Draining operati
    on)であって、それで固体相(KB)nは涸渇固体相(Drain
    ed Solid Phase)であり、そしてA型操作は浸漬操作よ
    りなる請求の範囲第35項の方法。
  37. 【請求項37】B型操作は逆洗操作であって、固体相(K
    B)nは浸漬固体相(Submerged Solid Phase)である請求
    の範囲第35項の方法。
  38. 【請求項38】混合供給料は第一成分の結晶と水溶液を
    含み、その初洗滌液は水溶液である請求の範囲第36項の
    方法。
  39. 【請求項39】前端と後端を有し、初洗滌液にて結晶と
    液体との混合物より結晶を浄化する結晶洗滌法におい
    て、 (a)A−1,A−2,−−−−−,A−M分区からなる一組の撹
    拌洗滌分区(agitated washing subzones)があり、各
    分区内にはそれぞれ多数の撹拌翼片があり固体物上に保
    持させてあり; (b)B−1,B−2,−−−−−,B−n分区からなる一組の非
    撹拌洗滌分区があり、各分区内には仕切板を設置して含
    まれる固体−液体の混合体が過度に撹拌される事を防止
    し; (c)上記両組の分区は前端から後端の方向に順次に且つ
    一つおきに設置し; (d)固体相は前端から後端に向け、液相は逆に後端から
    前端に向けて輸送される; 特徴を有する結晶洗滌法。
  40. 【請求項40】第一成分の結晶と第一成分と一種または
    多種の不純物を含む液体との混合物をある量の初洗滌液
    にて洗滌し、純化された結晶と不純物を含む残留物を形
    成させる装置において、 (a)装置中にA−1,A−2,−−−−−,A−M分区からなる
    第一組と、B−1,B−2,−−−−−,B−N分区からなる
    第二組の分区を含む浄化区域があり、そして浄化区域と
    各分区とも前端と後端があり、A型分区とB型分区を前
    端から後端への方向に一つおきに浄化区内に設置し、そ
    してA型分区の前端と後端はそれぞれ前のB分区の後端
    と後継のB型分区の前端に接続させ、一つのA型分区と
    後接のB型分区の組合せで一つの処理段を形成し、 (b)前記処理段を内蔵し、適当な第一速度(rpm)1で回転
    される回転筒を備え、結晶と液体の混合体供給料および
    最初の洗滌液をそれぞれ浄化区の前端と後端に導入し、
    それである量の結晶とある量の液体が各分区内に存在
    し、各分区内にはその二相混合体と結晶間空間が存在
    し、一部の液体は自由液体となり、残りは滞留液体とな
    り、そして少なくとも一部分の固体相を輸送するために
    第一回転数より少しばかり早いかまたは少しばかり遅い
    第二回転数(rpm)2で回転する部材を備えた ことを特徴とする装置。
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