JPH0735449B2 - 含油樹脂およびその組成物 - Google Patents
含油樹脂およびその組成物Info
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- JPH0735449B2 JPH0735449B2 JP62110979A JP11097987A JPH0735449B2 JP H0735449 B2 JPH0735449 B2 JP H0735449B2 JP 62110979 A JP62110979 A JP 62110979A JP 11097987 A JP11097987 A JP 11097987A JP H0735449 B2 JPH0735449 B2 JP H0735449B2
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- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/0008—Organic ingredients according to more than one of the "one dot" groups of C08K5/01 - C08K5/59
- C08K5/0016—Plasticisers
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L25/00—Compositions of, homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L25/02—Homopolymers or copolymers of hydrocarbons
- C08L25/04—Homopolymers or copolymers of styrene
- C08L25/08—Copolymers of styrene
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
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- Y10T428/29—Coated or structually defined flake, particle, cell, strand, strand portion, rod, filament, macroscopic fiber or mass thereof
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、含油樹脂およびその組成物に関する。更に詳
しくは、摺動特性を改善せしめた成形品を与え得る、含
油樹脂およびその組成物に関する。
しくは、摺動特性を改善せしめた成形品を与え得る、含
油樹脂およびその組成物に関する。
〔従来技術〕および〔発明が解決しようとする問題点〕 摺動材料として用いられる熱可塑性樹脂の摺動特性を改
善させるために、四フッ化エチレン樹脂粉末によって代
表される固体潤滑剤を添加する方法が広く用いられてい
る。また、熱可塑性樹脂に液状油を添加した含油樹脂
も、一方では用いられている。
善させるために、四フッ化エチレン樹脂粉末によって代
表される固体潤滑剤を添加する方法が広く用いられてい
る。また、熱可塑性樹脂に液状油を添加した含油樹脂
も、一方では用いられている。
後者の含油樹脂の場合、マトリックス樹脂と液状油との
混合物をスクリュー押出機などを用いて混練しようとす
ると、マトリックス樹脂に付着した油のため、押出機の
ホッパー口で空滑りして押出機中に喰い込まれないとい
う不具合がみられ、実質的に含油樹脂が得られないので
ある。
混合物をスクリュー押出機などを用いて混練しようとす
ると、マトリックス樹脂に付着した油のため、押出機の
ホッパー口で空滑りして押出機中に喰い込まれないとい
う不具合がみられ、実質的に含油樹脂が得られないので
ある。
その他、操作性、成形性、成形品物性などに種々の問題
がみられることが特開昭51−6243号公報に指摘されてお
り、かかる課題の解決が強く望まれているのが現状であ
る。
がみられることが特開昭51−6243号公報に指摘されてお
り、かかる課題の解決が強く望まれているのが現状であ
る。
また、具体的な含油樹脂の例として、平均分子量50万以
上の超高分子量ポリエチレンを焼結して製造した多孔質
体に潤滑油を含浸したものが知られており、この含油樹
脂は各種の熱可塑性樹脂と混合して潤滑材料として用い
られている(特公昭47−29374号公報)。
上の超高分子量ポリエチレンを焼結して製造した多孔質
体に潤滑油を含浸したものが知られており、この含油樹
脂は各種の熱可塑性樹脂と混合して潤滑材料として用い
られている(特公昭47−29374号公報)。
しかしながら、この超高分子量ポリエチレンを用いた潤
滑材料の場合には、次のような欠点がみられる。
滑材料の場合には、次のような欠点がみられる。
(1)超高分子量ポリエチレンの融点は135〜6℃であ
り、従ってこの温度をこえる温度条件下では用いること
ができない。
り、従ってこの温度をこえる温度条件下では用いること
ができない。
(2)超高分子量ポリエチレンの熱的挙動をみるに、19
0℃前後で粒状物が溶融し、粒状物同士がくっついて焼
結状態となり、250℃以上では急激な熱分解を起すの
で、含油焼結体ポリエチレン粉末をスクリュー押出機を
用いて成形材料マトリックスに練り込む場合、その操作
を190℃以上の温度で行なうと焼結体が溶融して変形し
易くなり、その結果変形した焼結体からその中に吸着さ
れていた油が直接成形材料マトリックス中に分散する事
態となる。
0℃前後で粒状物が溶融し、粒状物同士がくっついて焼
結状態となり、250℃以上では急激な熱分解を起すの
で、含油焼結体ポリエチレン粉末をスクリュー押出機を
用いて成形材料マトリックスに練り込む場合、その操作
を190℃以上の温度で行なうと焼結体が溶融して変形し
易くなり、その結果変形した焼結体からその中に吸着さ
れていた油が直接成形材料マトリックス中に分散する事
態となる。
しかるに、同特許公報にも記載される如く、ポリアミ
ド、ポリアセタールなどは油との親和性を有していない
ため、含油ポリエチレン焼結体をポリアミド、ポリアセ
タールなどに190℃以上の温度で練り込むと、焼結体か
ら分離した油が油と親和性を有しないポリアミド、ポリ
アセタール中に分散し、所望の潤滑材料が得られなくな
る。
ド、ポリアセタールなどは油との親和性を有していない
ため、含油ポリエチレン焼結体をポリアミド、ポリアセ
タールなどに190℃以上の温度で練り込むと、焼結体か
ら分離した油が油と親和性を有しないポリアミド、ポリ
アセタール中に分散し、所望の潤滑材料が得られなくな
る。
(3)含油樹脂に摺動特性を付与する大きな要素は、摺
動面に滲出する油量と滲出の持続性の点にある。超高分
子量ポリエチレン微粒子の形状が略々球形で、それを理
想的に焼結させたときの細孔容積は高々約40容積%(=
0.4ml/g)であり、実際に同特許公報の各実施例ではい
ずれも30容積%以下の値が示されている。従って、そこ
に含浸保持される油量、換言すれば滲出する油量に限界
がみられる。
動面に滲出する油量と滲出の持続性の点にある。超高分
子量ポリエチレン微粒子の形状が略々球形で、それを理
想的に焼結させたときの細孔容積は高々約40容積%(=
0.4ml/g)であり、実際に同特許公報の各実施例ではい
ずれも30容積%以下の値が示されている。従って、そこ
に含浸保持される油量、換言すれば滲出する油量に限界
がみられる。
本発明者らは、操作性、成形性などを損なうことなく、
また超高分子量ポリエチレンの含油焼結体にみられる上
記のような欠点をもたらすことなく、熱可塑性樹脂の摺
動特性を改善させる方法について検討した結果、液状油
を多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に吸着せ
しめた含油樹脂が、それが添加された熱可塑性樹脂の摺
動特性を大幅に改善せしめるものであることを見出し
た。
また超高分子量ポリエチレンの含油焼結体にみられる上
記のような欠点をもたらすことなく、熱可塑性樹脂の摺
動特性を改善させる方法について検討した結果、液状油
を多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に吸着せ
しめた含油樹脂が、それが添加された熱可塑性樹脂の摺
動特性を大幅に改善せしめるものであることを見出し
た。
従って、本発明は含油樹脂に係り、この含油樹脂は、多
孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に液状油を吸
着せしめてなり、45゜以下の安息角で示される流動性を
有している。本発明はまた、かかる含油樹脂および熱可
塑性樹脂よりなる組成物を提供する。
孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体に液状油を吸
着せしめてなり、45゜以下の安息角で示される流動性を
有している。本発明はまた、かかる含油樹脂および熱可
塑性樹脂よりなる組成物を提供する。
液状油を吸着させる多孔質スチレン−ジビニルベンゼン
共重合体は、ジビニルベンゼン部分がスチレン基体の架
橋点として作用する樹脂であり、見掛上細孔を有するも
のと有しないものとがある。
共重合体は、ジビニルベンゼン部分がスチレン基体の架
橋点として作用する樹脂であり、見掛上細孔を有するも
のと有しないものとがある。
これらの樹脂は、三菱化成工業製品タイヤイオンとして
市販されているが、見掛上の細孔を有するもの(ダイヤ
イオンHPシリーズ)16〜8000Åの孔径および0.1ml/g以
上の細孔容積の細孔を有しており、吸着性は強いものの
細孔容積が大きいので、完全に細孔に水が入った状態で
販売されている製品を水切りすると、細孔中に空気が入
り被処理液と接触しなくなるとされている。
市販されているが、見掛上の細孔を有するもの(ダイヤ
イオンHPシリーズ)16〜8000Åの孔径および0.1ml/g以
上の細孔容積の細孔を有しており、吸着性は強いものの
細孔容積が大きいので、完全に細孔に水が入った状態で
販売されている製品を水切りすると、細孔中に空気が入
り被処理液と接触しなくなるとされている。
本発明においては、マイクロポーラス型イオン交換樹脂
の前駆体として、水溶液中の不純物を吸着除去するなど
の作用をするかかる含水合成吸着剤の粉体または粒体
を、約80〜150℃の温度に約3〜15時間加熱して完全に
乾燥させた後、そこの細孔部分に粘度約5〜70000セン
チストークス(40℃)の液状油を吸着させることが行わ
れる。
の前駆体として、水溶液中の不純物を吸着除去するなど
の作用をするかかる含水合成吸着剤の粉体または粒体
を、約80〜150℃の温度に約3〜15時間加熱して完全に
乾燥させた後、そこの細孔部分に粘度約5〜70000セン
チストークス(40℃)の液状油を吸着させることが行わ
れる。
その吸着を完全ならしめるために、液状油を有機溶剤溶
液としてかず含浸させると、その溶液は乾燥合成吸着剤
たる多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粉体ま
たは粒体の細孔内の空気を追い出しながら浸透して行
く。
液としてかず含浸させると、その溶液は乾燥合成吸着剤
たる多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体粉体ま
たは粒体の細孔内の空気を追い出しながら浸透して行
く。
また、見掛上細孔を有しない共重合体樹脂でも、トルエ
ンなど後記するような有機溶剤に浸漬すると膨潤し、そ
の状態を電子顕微鏡で観察すると、細孔が開くことが判
明した。従って、かかる共重合体樹脂もまた、多孔質体
の一種といえる。
ンなど後記するような有機溶剤に浸漬すると膨潤し、そ
の状態を電子顕微鏡で観察すると、細孔が開くことが判
明した。従って、かかる共重合体樹脂もまた、多孔質体
の一種といえる。
このような細孔を利用して、共重合体樹脂に液状油を含
浸させることもできるが、そのままでは含浸速度が遅い
ため、上記の如く有機溶剤を利用し、膨潤により開いた
微細孔中に液状油を有機溶剤溶液として含浸せしめる方
法が好んで用いられる。
浸させることもできるが、そのままでは含浸速度が遅い
ため、上記の如く有機溶剤を利用し、膨潤により開いた
微細孔中に液状油を有機溶剤溶液として含浸せしめる方
法が好んで用いられる。
液状油の有機溶剤溶液としては、例えばベンゼン、トル
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類に溶解させた鉱
物油またはシリコーン油、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類に溶解させたエステル油、メタノー
ル、エタノールなどのアルコール類またはアセトンなど
のケトン類に溶解させたポリグリコール油、トリクロル
トリフルオロエタンまたはそれと塩化メチレンとの混合
溶剤、テトラクロルジフルオロエタンなどのハロゲン化
炭化水素類に溶解させたフッ素油などが、一般に約20重
量%以上の濃度の溶液として用いられる。
エン、キシレンなどの芳香族炭化水素類に溶解させた鉱
物油またはシリコーン油、アセトン、メチルエチルケト
ンなどのケトン類に溶解させたエステル油、メタノー
ル、エタノールなどのアルコール類またはアセトンなど
のケトン類に溶解させたポリグリコール油、トリクロル
トリフルオロエタンまたはそれと塩化メチレンとの混合
溶剤、テトラクロルジフルオロエタンなどのハロゲン化
炭化水素類に溶解させたフッ素油などが、一般に約20重
量%以上の濃度の溶液として用いられる。
これらの、有機溶剤溶液中で多孔質共重合体粉体または
粉体を撹拌することにより含浸を行なった後、有機溶剤
を約50〜150℃に加熱および/または減圧することによ
り蒸発除去させ、多孔質体のもつ細孔容積以下の油を共
重合体中に吸着させ、含油樹脂を得る。
粉体を撹拌することにより含浸を行なった後、有機溶剤
を約50〜150℃に加熱および/または減圧することによ
り蒸発除去させ、多孔質体のもつ細孔容積以下の油を共
重合体中に吸着させ、含油樹脂を得る。
このようにして得られた含油樹脂は、例えば約1.1〜1.2
ml/gという大きな含油量を示していながらお互いに付着
し合わず、さらさらした状態を示しており、また安息角
で示される流動性試験方法(細川ミクロン製パウダーテ
スター使用)で45゜以下の安息角を示す、流動性の良好
な樹脂である。即ち、安息角45゜以下では、多孔質体の
細孔容積以下の油が吸着されており、この状態では以下
の各種熱可塑性樹脂の粉体または粉体との混合、分散が
容易となる。
ml/gという大きな含油量を示していながらお互いに付着
し合わず、さらさらした状態を示しており、また安息角
で示される流動性試験方法(細川ミクロン製パウダーテ
スター使用)で45゜以下の安息角を示す、流動性の良好
な樹脂である。即ち、安息角45゜以下では、多孔質体の
細孔容積以下の油が吸着されており、この状態では以下
の各種熱可塑性樹脂の粉体または粉体との混合、分散が
容易となる。
この含油樹脂を、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
スチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、エチレ
ン−テトラフルオロエチエレン共重合体、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネートなどの各種熱可塑性樹脂の粉体または粒体とリ
ボン型ミキサー、V型混合機などの混合機で撹拌混合
し、更にスクリュー押出機で混練してペレット化したも
のは、それの操作性、成形性などを損なうことなく、射
出成形機、熱圧縮成形機などで成形することができる。
スチレン、ABS樹脂、ポリアセタール、6−ナイロン、
6,6−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、エチレ
ン−テトラフルオロエチエレン共重合体、ポリフッ化ビ
ニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチレンテ
レフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネートなどの各種熱可塑性樹脂の粉体または粒体とリ
ボン型ミキサー、V型混合機などの混合機で撹拌混合
し、更にスクリュー押出機で混練してペレット化したも
のは、それの操作性、成形性などを損なうことなく、射
出成形機、熱圧縮成形機などで成形することができる。
特にポリアセタール(アセタール樹脂)は、最も剛い樹
脂であり、疲労寿命が長く、レジリエンスが良く、感湿
性が小さく、耐溶剤性および耐薬品性が良く、電気絶縁
性の点でもすぐれているという特性を有しているため、
ブッシュ、ボールシート、ギャなどの用途に有効に使用
されているが、本発明に従って含油樹脂と混合して用い
ることにより、操作性、成形性などを損うことなく、成
形品の摺動特性の改善を図ることができる。
脂であり、疲労寿命が長く、レジリエンスが良く、感湿
性が小さく、耐溶剤性および耐薬品性が良く、電気絶縁
性の点でもすぐれているという特性を有しているため、
ブッシュ、ボールシート、ギャなどの用途に有効に使用
されているが、本発明に従って含油樹脂と混合して用い
ることにより、操作性、成形性などを損うことなく、成
形品の摺動特性の改善を図ることができる。
この熱可塑性樹脂との組成物の調製に際しては、組成物
中油量が約3〜30重量%を占めるように、含油樹脂が約
5〜50重量%の割合で用いられる。この範囲外では、例
えば熱可塑性樹脂がポリアセタールの場合、所望の耐摩
擦摩耗性の改善効果が発揮されず、特に耐摩耗性が損わ
れるようになる。
中油量が約3〜30重量%を占めるように、含油樹脂が約
5〜50重量%の割合で用いられる。この範囲外では、例
えば熱可塑性樹脂がポリアセタールの場合、所望の耐摩
擦摩耗性の改善効果が発揮されず、特に耐摩耗性が損わ
れるようになる。
この際、含油樹脂としては、それぞれ異なる種類の液状
油を吸着させた含油樹脂を2種類以上混合して用いるこ
とができ、例えば鉱物油を吸着させたものとシリコーン
油を吸着させたものとの混合物、エステルを吸着させた
ものとフッ素油を吸着させたものとの混合物を用いるこ
とができ、あるいは互いに異なる粘度の液状油を吸着さ
せた含油樹脂を2種類以上混合して用いることができ、
例えば鉱物油で30センチストークスのものを吸着させた
多孔質共重合体と480センチストークスのものを吸着さ
せた多孔質共重合体との混合物として用いることもでき
る。
油を吸着させた含油樹脂を2種類以上混合して用いるこ
とができ、例えば鉱物油を吸着させたものとシリコーン
油を吸着させたものとの混合物、エステルを吸着させた
ものとフッ素油を吸着させたものとの混合物を用いるこ
とができ、あるいは互いに異なる粘度の液状油を吸着さ
せた含油樹脂を2種類以上混合して用いることができ、
例えば鉱物油で30センチストークスのものを吸着させた
多孔質共重合体と480センチストークスのものを吸着さ
せた多孔質共重合体との混合物として用いることもでき
る。
含油樹脂はまた、そこに液状油を更に添加した状態で、
熱可塑性樹脂と混合して用いることができる。添加され
る液状油は、予め多孔質共重合体に吸着させた液状油と
同一であることが好ましいが、異なる種々の液状油を用
いることもできる。添加される液状油は、含油樹脂100
重量部当り約50重量部以下、好ましくは約3〜30重量部
の割合で用いられ、そこにペースト状の含油樹脂混合物
を形成させる。このペースト状含油樹脂混合物は、元の
含油樹脂が安息角として45゜以下の流動性を示すのに対
し、65゜以下の安息角を示している。
熱可塑性樹脂と混合して用いることができる。添加され
る液状油は、予め多孔質共重合体に吸着させた液状油と
同一であることが好ましいが、異なる種々の液状油を用
いることもできる。添加される液状油は、含油樹脂100
重量部当り約50重量部以下、好ましくは約3〜30重量部
の割合で用いられ、そこにペースト状の含油樹脂混合物
を形成させる。このペースト状含油樹脂混合物は、元の
含油樹脂が安息角として45゜以下の流動性を示すのに対
し、65゜以下の安息角を示している。
ペースト状含油樹脂混合物は、組成物中油量が約3〜30
重量%になるように含油樹脂として約25〜50重量%の割
合で、熱可塑性樹脂と混合して用いることができる。後
記実施例14の表5の結果に示されるように、用いられた
液状油の合計量が約3〜30重量%の範囲内にあっても、
多孔質共重合体中に吸着された液状油の割合が少なく、
後で添加された液状油の割合が多いと熱可塑性樹脂と混
合されたとき油が分離するようになるので、ペースト状
含油樹脂混合物の形成に用いられた含油樹脂として、約
25〜50重量%の割合で混合して用いられる。
重量%になるように含油樹脂として約25〜50重量%の割
合で、熱可塑性樹脂と混合して用いることができる。後
記実施例14の表5の結果に示されるように、用いられた
液状油の合計量が約3〜30重量%の範囲内にあっても、
多孔質共重合体中に吸着された液状油の割合が少なく、
後で添加された液状油の割合が多いと熱可塑性樹脂と混
合されたとき油が分離するようになるので、ペースト状
含油樹脂混合物の形成に用いられた含油樹脂として、約
25〜50重量%の割合で混合して用いられる。
このペースト状含油樹脂混合物は、熱可塑性樹脂との混
合に際し、グラファイト、タルク、ブロンズ、銅、二硫
化モリブデンなどの無機質充填材、四フッ化エチレン樹
脂、ポリイミド、ポリオキシベンジン、フェノール樹脂
などの有機質充填材または炭素繊維、ガラス繊維、ケブ
ラー繊維、チタン酸カリウスカなどの繊維質充填材であ
って、粒径約500μm以下の各種充填材を適当量添加し
て用いることができる。
合に際し、グラファイト、タルク、ブロンズ、銅、二硫
化モリブデンなどの無機質充填材、四フッ化エチレン樹
脂、ポリイミド、ポリオキシベンジン、フェノール樹脂
などの有機質充填材または炭素繊維、ガラス繊維、ケブ
ラー繊維、チタン酸カリウスカなどの繊維質充填材であ
って、粒径約500μm以下の各種充填材を適当量添加し
て用いることができる。
本発明に係る含油樹脂は、吸油量が多く反面油による膨
潤が少なく、かつ含油状態でも油による表面のベト付き
が少なく、従ってスクリュー押出機やスクリュー射出成
形機に熱可塑性樹脂と共に供給した場合でも喰い込みが
良いという結果が得られる。かかる効果はスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体系マイクロポーラスビーズの場
合に得られる特有の効果であり、同じマイクロポーラス
ビーズを用いても、後記比較例6の結果に示されるよう
に、SiO2系のものの場合にはこのような効果が得られな
い。
潤が少なく、かつ含油状態でも油による表面のベト付き
が少なく、従ってスクリュー押出機やスクリュー射出成
形機に熱可塑性樹脂と共に供給した場合でも喰い込みが
良いという結果が得られる。かかる効果はスチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体系マイクロポーラスビーズの場
合に得られる特有の効果であり、同じマイクロポーラス
ビーズを用いても、後記比較例6の結果に示されるよう
に、SiO2系のものの場合にはこのような効果が得られな
い。
また、熱可塑性樹脂と混合する場合、含油樹脂の含油量
が大きいのでその混合割合を少なくすることができるた
め、成形性は何ら損なわれることなく、熱可塑性樹脂の
摺動特性(摩擦摩耗特性)を顕著に改善させるという効
果を奏する。特に、ポリアセタールと混合して用いた場
合には、広いPV域での耐摩擦摩耗性の顕著な改善が達成
される。
が大きいのでその混合割合を少なくすることができるた
め、成形性は何ら損なわれることなく、熱可塑性樹脂の
摺動特性(摩擦摩耗特性)を顕著に改善させるという効
果を奏する。特に、ポリアセタールと混合して用いた場
合には、広いPV域での耐摩擦摩耗性の顕著な改善が達成
される。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1、比較例1 多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合体(三菱化成
製品ダイヤイオンHP−20)5.0(3290g)を、50×50×
10cmのステンレス製パレットに拡げて電気乾燥炉に入
れ、乾燥恒量値が1400gになる迄、105℃で15時間加熱乾
燥した。
製品ダイヤイオンHP−20)5.0(3290g)を、50×50×
10cmのステンレス製パレットに拡げて電気乾燥炉に入
れ、乾燥恒量値が1400gになる迄、105℃で15時間加熱乾
燥した。
この乾燥多孔質共重合体1000gを容量5のステンレス
製容器にとり、そこに鉱物油〔NOKクリューバ製品NKL−
30;粘度30センチストークス(0℃)〕1640gをトルエン
400gに溶解させた溶液中に加えて撹拌して含浸させた
後、前記ステンレス製パレットに拡げて防爆型電気乾燥
炉に入れ、120℃に6時間加熱し、トルエンを蒸気除去
することにより、鉱物油を多孔質共重合体に吸着させ
た。34゜の安息角を示すこの吸着物の重量は、2640gで
あった。
製容器にとり、そこに鉱物油〔NOKクリューバ製品NKL−
30;粘度30センチストークス(0℃)〕1640gをトルエン
400gに溶解させた溶液中に加えて撹拌して含浸させた
後、前記ステンレス製パレットに拡げて防爆型電気乾燥
炉に入れ、120℃に6時間加熱し、トルエンを蒸気除去
することにより、鉱物油を多孔質共重合体に吸着させ
た。34゜の安息角を示すこの吸着物の重量は、2640gで
あった。
この鉱物油吸着多孔質共重合体492g(24.6重量%、油量
として15.3重量%)および6,6−ナイロン(トーレ製品
アミランCM3006)1508g(75.4重量%)を混合し、射出
成形機(東芝機械製IS45−P)を用い、引張試験片(AS
TM D−638タイプI)および平板(30×60×2mm)をそれ
ぞれ成形した(実施例1)。同様に、6,6−ナイロンの
みの引張試験片および平板を成形した(比較例1)。射
出成形条件は、いずれも次の如くである。
として15.3重量%)および6,6−ナイロン(トーレ製品
アミランCM3006)1508g(75.4重量%)を混合し、射出
成形機(東芝機械製IS45−P)を用い、引張試験片(AS
TM D−638タイプI)および平板(30×60×2mm)をそれ
ぞれ成形した(実施例1)。同様に、6,6−ナイロンの
みの引張試験片および平板を成形した(比較例1)。射
出成形条件は、いずれも次の如くである。
シリンダ−温度 ホッパー側 240℃ 中 央 250℃ ノズル側 260℃ ノズル 270℃ 金型温度 80℃ 射出圧 一次圧 60kg/cm2 型締圧 150kg/cm2 スクリュー回転数 100rpm 射出時間 8秒 冷却時間 10秒 クッション 10mm 射出速度 3秒 これらの各試料について、比重、引張強さおよび摩擦摩
耗特性〔荷重2kg/cm2(条件1)または10kg/cm2(条件
2)、周速0.5m/秒、相手材鋼 S45C、相手粗さ1.5S〕を
それぞれ測定した。得られた結果は、次の表1に示され
る。
耗特性〔荷重2kg/cm2(条件1)または10kg/cm2(条件
2)、周速0.5m/秒、相手材鋼 S45C、相手粗さ1.5S〕を
それぞれ測定した。得られた結果は、次の表1に示され
る。
実施例2〜5 実施例1において、鉱物油吸着多孔質共重合体と6,6−
ナイロンとの混合割合を種々に変更し、その成形性を調
べた。その結果は、次の表2に示される。
ナイロンとの混合割合を種々に変更し、その成形性を調
べた。その結果は、次の表2に示される。
実施例6〜10 実施例1で用いられた乾燥多孔質共重合体500gを、各種
の油500g(実施例6)または250g(実施例7〜10)を各
種の有機溶剤200g(実施例6)または250g(実施例7〜
10)に溶解させた溶液中に加えて撹拌して含浸させた
後、実施例1と同様にして鉱物油を多孔質共重合体に吸
着させた。
の油500g(実施例6)または250g(実施例7〜10)を各
種の有機溶剤200g(実施例6)または250g(実施例7〜
10)に溶解させた溶液中に加えて撹拌して含浸させた
後、実施例1と同様にして鉱物油を多孔質共重合体に吸
着させた。
(各実施例で用いられた油の有機溶剤溶液) 実施例6:フッ素油(NOKクリューバ製品フッ素油400;粘
度400センチストークス)のトリクロルトリフルオロエ
タン溶液 実施例7:エステル油(同社製品エステル油400;粘度400
センチストークス)のアセトン溶液 実施例8:ポリグリコール油(同社製品ポリグリコール60
0;粘度600センチストークス)のメタノール溶液 実施例9:ポリグリコール油(同社製品ポリグリコール90
0;粘度900センチストークス)のメタノール溶液 実施例10:シリコーン油(トーレシリコン製品SH200;粘
度100センチストークス)のトルエン溶液 以上の各実施例で得られた鉱物油吸着多孔質共重合体
は、いずれも乾燥後において相互の付着性がなく、また
安息角は30゜以下であった。
度400センチストークス)のトリクロルトリフルオロエ
タン溶液 実施例7:エステル油(同社製品エステル油400;粘度400
センチストークス)のアセトン溶液 実施例8:ポリグリコール油(同社製品ポリグリコール60
0;粘度600センチストークス)のメタノール溶液 実施例9:ポリグリコール油(同社製品ポリグリコール90
0;粘度900センチストークス)のメタノール溶液 実施例10:シリコーン油(トーレシリコン製品SH200;粘
度100センチストークス)のトルエン溶液 以上の各実施例で得られた鉱物油吸着多孔質共重合体
は、いずれも乾燥後において相互の付着性がなく、また
安息角は30゜以下であった。
これらの各鉱物油吸着多孔質共重合体を、実施例1と同
様にして、6,6−ナイロン2000gと混合し、成形したが、
成形性はいずれも良好であった。
様にして、6,6−ナイロン2000gと混合し、成形したが、
成形性はいずれも良好であった。
実施例11、比較例2 実施例1で用いられた鉱物油吸着多孔質共重合体1310g
およびアセタール樹脂(ポリプラスチックス製品ジュラ
コンM90−02)3690gを混合し、実施例1と同様に成形し
た(実施例11)。
およびアセタール樹脂(ポリプラスチックス製品ジュラ
コンM90−02)3690gを混合し、実施例1と同様に成形し
た(実施例11)。
また、アセタール樹脂のみの成形も行なった(比較例
2)。成形射出条件は、いずれも次の如くである。
2)。成形射出条件は、いずれも次の如くである。
シリンダ−温度 ホッパー側 165℃ 中 央 170℃ ノズル側 180℃ ノズル 190℃ 金型温度 80℃ 射出圧 一次圧 6kg/cm2 型締圧 150kg/cm2 スクリュー回転数 100rpm 射出時間 8秒 冷却時間 10秒 クッション 10mm 射出速度 3秒 実施例1と同様に行われた測定の結果は、次の表3に示
される。
される。
実施例12 トルエンと鉱油(NOKクリューバ製品、粘度(40℃)30
センチストークス)との等重量混合液に、鉱油1.25重量
部に対して1重量部となる量のスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体粉末(三菱化成工業製品ダイヤイオンMP−
A)を添加し、約5〜10分間撹拌した。その後、液中か
ら分離した共重合体粉末を60℃で24時間乾燥してトルエ
ンを除去し、鉱油の全量を共重合体粉末に含浸させた。
センチストークス)との等重量混合液に、鉱油1.25重量
部に対して1重量部となる量のスチレン−ジビニルベン
ゼン共重合体粉末(三菱化成工業製品ダイヤイオンMP−
A)を添加し、約5〜10分間撹拌した。その後、液中か
ら分離した共重合体粉末を60℃で24時間乾燥してトルエ
ンを除去し、鉱油の全量を共重合体粉末に含浸させた。
得られた鉱油含浸スチレン−ジビニルベンゼン共重合体
粉末(安息角45゜以下)15重量部とアセタール樹脂(ジ
ュラコンM90−02)85重量部とを、ヘンシェルミキサで
混合した後押出機でペレタイズし、射出成形機(IS45−
P)を用い、平板(25×100×2mm)を成形した。射出成
形条件は、次の如くである。
粉末(安息角45゜以下)15重量部とアセタール樹脂(ジ
ュラコンM90−02)85重量部とを、ヘンシェルミキサで
混合した後押出機でペレタイズし、射出成形機(IS45−
P)を用い、平板(25×100×2mm)を成形した。射出成
形条件は、次の如くである。
シリンダ−温度 ホッパー側 150℃ 中 央 180℃ ノズル側 200℃ ノズル 190℃ 金型温度 80℃ 射出圧 一次圧 750kg/cm2 型締圧 150kg/cm2 スクリュー回転数 100rpm 射出時間 8秒 冷却時間 13秒 クッション 10mm 射出速度 5秒 実施例13 実施例12において、鉱油含浸スチレン−ジビニルベンゼ
ン共重合体粉末20重量部に対してアセタール樹脂が80重
量部用いられた。
ン共重合体粉末20重量部に対してアセタール樹脂が80重
量部用いられた。
比較例3 アセタール樹脂のみから、測定試料が射出成形された。
比較例4 四フッ化エチレン樹脂20重量部およびアセタール樹脂80
重量部から、測定試料が射出成形された。
重量部から、測定試料が射出成形された。
比較例5 市販含油アセタール樹脂(オイレス工業製品オレイス#
80)製丸棒素材から、切削加工して測定試料を得た。
80)製丸棒素材から、切削加工して測定試料を得た。
以上の実施例12〜13および比較例3〜5で得られた測定
試料について、次の試験条件下で鈴木式摩擦摩耗試験を
行なった。
試料について、次の試験条件下で鈴木式摩擦摩耗試験を
行なった。
環境:室温、無潤滑 面圧P:5kgf/cm2 周速V:0.2m/秒 相手材:S45C 相手材粗さ:1.5S 時間:24hrs この条件下での摩擦係数μ(単位なし)および摩擦係数
(×10-6cm・cm2・sec/kgf・m・hr)の値は、次の表4
に示される。
(×10-6cm・cm2・sec/kgf・m・hr)の値は、次の表4
に示される。
表4 例 摩擦係数 摩耗係数 実施例12 0.15 50 〃 13 0.12 30 比較例3 0.40 290 〃 4 0.30 93 〃 5 0.26 120 また、各PV値での特性および限界PV値を比較するため、
蒸気測定条件において、周速Vを種々に変更し、時間を
摩擦係数が定常値になる迄の時間(約30〜90分間)とし
てPV値に対する摩擦係数(実線)または摺動温度(点
線)の変化を実施例13および比較例4〜5について測定
し、その結果を第1図のグラフに示した。なお、摺動温
度の測定は、相手材に熱電対を埋め込み、摺動部近傍の
温度を読みとることにより行われた。
蒸気測定条件において、周速Vを種々に変更し、時間を
摩擦係数が定常値になる迄の時間(約30〜90分間)とし
てPV値に対する摩擦係数(実線)または摺動温度(点
線)の変化を実施例13および比較例4〜5について測定
し、その結果を第1図のグラフに示した。なお、摺動温
度の測定は、相手材に熱電対を埋め込み、摺動部近傍の
温度を読みとることにより行われた。
この結果から、次のようなことがいえる。比較例4〜5
のものは、実施例13に比べて各PV値において摩擦係数が
高く、また限界PV値も、実施例13のものはPV=9である
のに対し比較例4ではPV=2、比較例5ではPV=5とな
っている。また、比較例4〜5は、PV値毎の摩擦係数の
変動が大きく、PV=0.2〜0.5または0.2〜3の範囲内で
はPV値と共に摩擦係数が高くなって行くのに対し、実施
例13ではPV=0.2〜5の範囲内ではその変動値が小さ
い。即ち、実施例13のものは、どのPV域においても低い
摩擦係数を維持して安定しており、かつ限界PV値が高い
ので広いPV域で使用することができる。
のものは、実施例13に比べて各PV値において摩擦係数が
高く、また限界PV値も、実施例13のものはPV=9である
のに対し比較例4ではPV=2、比較例5ではPV=5とな
っている。また、比較例4〜5は、PV値毎の摩擦係数の
変動が大きく、PV=0.2〜0.5または0.2〜3の範囲内で
はPV値と共に摩擦係数が高くなって行くのに対し、実施
例13ではPV=0.2〜5の範囲内ではその変動値が小さ
い。即ち、実施例13のものは、どのPV域においても低い
摩擦係数を維持して安定しており、かつ限界PV値が高い
ので広いPV域で使用することができる。
実施例14 実施例1の鉱物油吸着多孔質共重合体(含油樹脂)に吸
着させた油と同一の鉱物油の所定量(鉱物油の合計量が
27.4重量%となる量)を添加してペースト状含油樹脂の
混合物を調製し、このペースト状含油樹脂混合物を6,6
−ナイロン(アミランCM3006)と混合押出機を用いてペ
レット化した。
着させた油と同一の鉱物油の所定量(鉱物油の合計量が
27.4重量%となる量)を添加してペースト状含油樹脂の
混合物を調製し、このペースト状含油樹脂混合物を6,6
−ナイロン(アミランCM3006)と混合押出機を用いてペ
レット化した。
(ペースト状含油樹脂混合物の状態) No.1は55゜の安息角を示し、No.2〜4のチキソトロピッ
ク状であり、またNo.5はダイラタンシー状を示してい
る。
ク状であり、またNo.5はダイラタンシー状を示してい
る。
(ペレット化) No.1〜3はホッパーへのべとつきやスクリューでの空廻
りがなく、良好な成形性でペレット化することができ、
No.4は成形性は良好であるが幾分油の分離がみられ、ま
た、No.5は分離が著しかった。
りがなく、良好な成形性でペレット化することができ、
No.4は成形性は良好であるが幾分油の分離がみられ、ま
た、No.5は分離が著しかった。
比較例6 多孔質SiO2系マイクロポーラスビーズ(富士デヴィソン
化学製品サイロイド800;細孔容積1.6ml/g、細孔径約100
〜200Å、平均粒径4μm)1000gを、50×50×10cmのス
テンレス製パレットに拡げ、それに鉱物油(NKL−30)1
500gを加えてヘラでかきまぜた後、内容積20のヘンシ
ェルミキサー(羽根回転数800rpm)で撹拌し、鉱物油吸
着マイクロポーラスビーズAを調製した。
化学製品サイロイド800;細孔容積1.6ml/g、細孔径約100
〜200Å、平均粒径4μm)1000gを、50×50×10cmのス
テンレス製パレットに拡げ、それに鉱物油(NKL−30)1
500gを加えてヘラでかきまぜた後、内容積20のヘンシ
ェルミキサー(羽根回転数800rpm)で撹拌し、鉱物油吸
着マイクロポーラスビーズAを調製した。
また、鉱物油の代りにシリコーン油(SH−200)1600gを
用い、シリコーン油吸着マイクロポーラスビーズBを調
製した。
用い、シリコーン油吸着マイクロポーラスビーズBを調
製した。
これらの油吸着マイクロポーラスビーズA,Bまたは油未
吸着マイクロポーラスビーズC(サイロイド800)をポ
リアセタール(M90−02)を下記表6に示された割合で
混合し、単軸スクリュータイプ押出機(田辺プラスチッ
ク製、シリンダー口径45mm)を用いて、次の射出成形条
件下で、練り込みによる射出成形用ペレットの調製を試
みた。
吸着マイクロポーラスビーズC(サイロイド800)をポ
リアセタール(M90−02)を下記表6に示された割合で
混合し、単軸スクリュータイプ押出機(田辺プラスチッ
ク製、シリンダー口径45mm)を用いて、次の射出成形条
件下で、練り込みによる射出成形用ペレットの調製を試
みた。
シリンダー温度 ホッパー側 170℃ 中 央 175℃ ダ イ 側 175℃ ダイ温度 180℃ スクリュー回転数 25rpm しかしながら、No.1〜5のいずれの場合にも、押出機の
ホッパー口から混合物が喰い込まず、従ってシリンダー
の中に入っていかず、強制的に混合物を押し込むときし
み音が発生し、ノズル先端より目にしみる刺戟性ガスと
粉末が出てくるだけで、ペレット化ができなかった。
ホッパー口から混合物が喰い込まず、従ってシリンダー
の中に入っていかず、強制的に混合物を押し込むときし
み音が発生し、ノズル先端より目にしみる刺戟性ガスと
粉末が出てくるだけで、ペレット化ができなかった。
第1図は、実施例13および比較例4〜5におけるPV値と
摩擦係数または摺動温度との関係を示すグラフである。
摩擦係数または摺動温度との関係を示すグラフである。
Claims (12)
- 【請求項1】多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体に液状油を吸着せしめた、45゜以下の安息角で示され
る流動性を有する含油樹脂。 - 【請求項2】液状油が鉱物油、シリコーン油、エステル
油、ポリグリコール油またはフッ素油である特許請求の
範囲第1項記載の含油樹脂。 - 【請求項3】液状油を有機溶剤溶液として乾燥多孔質共
重合体に含浸させた後、有機溶剤を蒸発除去して液状油
を吸着させた特許請求の範囲第1項記載の含油樹脂。 - 【請求項4】多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体に液状油を吸着せしめた、45゜以下の安息角で示され
る流動性を有する含油樹脂に液状油を更に添加してなる
ペースト状含油樹脂混合物。 - 【請求項5】含油樹脂100重量部当り約50重量部以下の
液状油が添加された特許請求の範囲第4項記載のペース
ト状含油樹脂混合物。 - 【請求項6】予め吸着させた液状油と後から添加した液
状油とが同一液状油である特許請求の範囲第4項記載の
ペースト状含油樹脂混合物。 - 【請求項7】60゜以下の安息角で示される流動性を有す
る特許請求の範囲第4項記載のペースト含油樹脂混合
物。 - 【請求項8】多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体に液状油を吸着せしめた、45゜以下の安息角で示され
る流動性を有する含油樹脂および熱可塑性樹脂よりなる
組成物。 - 【請求項9】組成物中、油量が約3〜30重量%になるよ
うに含油樹脂を約5〜50重量%混合した特許請求の範囲
第8項記載の組成物。 - 【請求項10】多孔質スチレン−ジビニルベンゼン共重
合体に液状油を吸着せしめた、45゜以下の安息角で示さ
れる流動性を有する含油樹脂に液状油を更に添加したペ
ースト状含油樹脂混合物および熱可塑性樹脂よりなる組
成物。 - 【請求項11】組成物中、油量が約3〜30重量%になる
ようにペースト状含油樹脂混合物を含油樹脂として約25
〜50重量%混合した特許請求の範囲第10項記載の組成
物。 - 【請求項12】粒径約500μm以下の無機質充填材、有
機質充填材または繊維質充填材が添加されたペースト状
含油樹脂混合物が用いられた特許請求の範囲第10項記載
の組成物。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62110979A JPH0735449B2 (ja) | 1986-06-18 | 1987-05-07 | 含油樹脂およびその組成物 |
US07/059,926 US4829093A (en) | 1986-06-18 | 1987-06-09 | Oil-containing resin and its composition |
DE3720135A DE3720135C2 (de) | 1986-06-18 | 1987-06-16 | Öl enthaltende Spritzgußmasse |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14230086 | 1986-06-18 | ||
JP3009687 | 1987-02-10 | ||
JP61-142300 | 1987-02-10 | ||
JP62-30096 | 1987-02-10 | ||
JP62110979A JPH0735449B2 (ja) | 1986-06-18 | 1987-05-07 | 含油樹脂およびその組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS649246A JPS649246A (en) | 1989-01-12 |
JPH0735449B2 true JPH0735449B2 (ja) | 1995-04-19 |
Family
ID=27286834
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62110979A Expired - Lifetime JPH0735449B2 (ja) | 1986-06-18 | 1987-05-07 | 含油樹脂およびその組成物 |
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Country | Link |
---|---|
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JP (1) | JPH0735449B2 (ja) |
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US20010005699A1 (en) | 1999-02-03 | 2001-06-28 | Morgan William E. | Multi-layer golf ball |
US20050227786A1 (en) * | 2002-07-15 | 2005-10-13 | Sullivan Michael J | Golf ball with velocity reduced layer |
US7547746B2 (en) * | 2005-06-09 | 2009-06-16 | Acushnet Company | Golf ball containing centipede polymers |
DE10128438B4 (de) | 2001-05-03 | 2006-09-28 | Wobben, Aloys, Dipl.-Ing. | Windenergieanlage |
US6821931B2 (en) * | 2002-03-05 | 2004-11-23 | Alpine Mud Products Corporation | Water-based drilling fluid additive containing talc and carrier |
DE20217918U1 (de) | 2002-11-19 | 2003-02-20 | Brose Fahrzeugteile GmbH & Co. Kommanditgesellschaft, Coburg, 96450 Coburg | Verstelleinrichtung eines Kraftfahrzeugs |
US7659230B2 (en) * | 2004-11-24 | 2010-02-09 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Thermoplastic resin composition containing mesoporous powders absorbed with lubricating oils |
US8741158B2 (en) | 2010-10-08 | 2014-06-03 | Ut-Battelle, Llc | Superhydrophobic transparent glass (STG) thin film articles |
US11292919B2 (en) | 2010-10-08 | 2022-04-05 | Ut-Battelle, Llc | Anti-fingerprint coatings |
US8497021B2 (en) * | 2010-10-08 | 2013-07-30 | Ut-Battelle, Llc | Superoleophilic particles and coatings and methods of making the same |
US9221076B2 (en) | 2010-11-02 | 2015-12-29 | Ut-Battelle, Llc | Composition for forming an optically transparent, superhydrophobic coating |
US20150239773A1 (en) | 2014-02-21 | 2015-08-27 | Ut-Battelle, Llc | Transparent omniphobic thin film articles |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3966489A (en) * | 1970-04-06 | 1976-06-29 | Rohm And Haas Company | Method of decolorizing sugar solutions with hybrid ion exchange resins |
US3991017A (en) * | 1973-12-20 | 1976-11-09 | Rohm And Haas Company | Ion exchange resins derived from hybrid copolymers |
US4152496A (en) * | 1971-08-05 | 1979-05-01 | Rohm And Haas Company | Hybrid copolymers |
JPS516243A (ja) * | 1974-07-06 | 1976-01-19 | Asahi Chemical Ind | |
US4263407A (en) * | 1978-07-24 | 1981-04-21 | Rohm And Haas Company | Polymeric adsorbents from macroreticular polymer beads |
US4690825A (en) * | 1985-10-04 | 1987-09-01 | Advanced Polymer Systems, Inc. | Method for delivering an active ingredient by controlled time release utilizing a novel delivery vehicle which can be prepared by a process utilizing the active ingredient as a porogen |
-
1987
- 1987-05-07 JP JP62110979A patent/JPH0735449B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1987-06-09 US US07/059,926 patent/US4829093A/en not_active Expired - Lifetime
- 1987-06-16 DE DE3720135A patent/DE3720135C2/de not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US4829093A (en) | 1989-05-09 |
DE3720135C2 (de) | 1997-12-11 |
JPS649246A (en) | 1989-01-12 |
DE3720135A1 (de) | 1987-12-23 |
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