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JPH0733799A - 高比活性トロンビンおよびその製造方法 - Google Patents

高比活性トロンビンおよびその製造方法

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Publication number
JPH0733799A
JPH0733799A JP5179436A JP17943693A JPH0733799A JP H0733799 A JPH0733799 A JP H0733799A JP 5179436 A JP5179436 A JP 5179436A JP 17943693 A JP17943693 A JP 17943693A JP H0733799 A JPH0733799 A JP H0733799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thrombin
prothrombin
specific activity
producing
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5179436A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Hanada
晋一 花田
Yoshio Itagaki
好雄 板垣
Keishin Honda
佳信 本田
Yasuaki Morisada
康明 森定
Takehiko Matsumoto
勇彦 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Tanabe Pharma Corp
GC Biopharma Corp
Original Assignee
Green Cross Corp Japan
Green Cross Corp Korea
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Green Cross Corp Japan, Green Cross Corp Korea filed Critical Green Cross Corp Japan
Priority to JP5179436A priority Critical patent/JPH0733799A/ja
Publication of JPH0733799A publication Critical patent/JPH0733799A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 比活性が1000単位/A280 以上であるト
ロンビン。プロトロンビン複合体の状態にて、プロトロ
ンビンをトロンビンへの変換処理に付すことによるトロ
ンビンの製造方法、特に前記処理後、陽イオン交換体で
処理することによるトロンビンの製造方法。 【効果】 当該方法によって製造されたトロンビンは、
1000単位/A280 もの高い比活性を有し、トロンビ
ン製剤として極めて有用である。また、当該トロンビン
は、溶液状態においても冷所で長期間安定である。従っ
て本発明の方法はトロンビンの製造方法として極めて実
用的なものであり、しかも得られる精製トロンビンは有
用な医薬品として臨床に用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高比活性を有するトロ
ンビンおよびその製造方法に関する。詳細には、高い比
活性を有しかつ安定なトロンビンであり、およびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】トロンビンは分子量約34000、等電
点約7.1のセリンプロテアーゼであり、血液凝固過程
の最終段階に働く蛋白分解酵素である。すなわち、フィ
ブリノゲンに作用してフィブリンを生成することにより
血液凝固作用を生じる。このため、トロンビンは臨床的
には外科領域における局所止血剤として、また内科領域
における上部消化管出血などの止血剤として用いられて
いる。
【0003】トロンビンは、生体内においては前駆物質
であるプロトロンビンの形で存在しており、活性化X因
子などによって限定分解を受けて生成される。従来、ト
ロンビンの製造は、ヒトなどの血漿を原料として、まず
プロトロンビンを抽出、精製し、得られた精製プロトロ
ンビンにトロンボプラスチンなどを作用させて行われて
いる。すなわち、トロンビンへの変換は精製されたプロ
トロンビンを対象にして行われているのである。このよ
うに、トロンビンの製造は、まず上記の如く(1) プロト
ロンビンの精製からはじまり、(2) プロトロンビンから
トロンビンへの変換、(3) トロンビンの精製などの各種
の数工程を経て製造されているのが現状である。
【0004】また、この方法を基本として各種の改良方
法が報告されている。例えば、クエン酸処理した血漿を
陰イオン交換体に接触させ、吸着したプロトロンビンを
当該交換体上でトロンビンに変換した後に溶出・回収す
る方法(米国特許第51438389号)、血漿を低温
エタノール処理後、陰イオン交換体処理することにより
精製したプロトロンビンをトロンビンに変換し、更に陽
イオン交換体処理により精製する方法(特開平3−12
8398号)などが知られている。
【0005】しかし、これらの方法で取得されたトロン
ビンは、比活性が低くかつ極めて不安定であるという問
題があった。特に安定性に関しては、製剤化のためには
欠かせない条件であるため、従来よりトロンビンの安定
性を確保するための方法が様々講じられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、比活
性の高いトロンビンを提供することである。また、本発
明のもう一つの目的は、比活性が高くかつ安定性の高い
トロンビンの製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、トロンビンに変換
する出発原料としてプロトロンビン複合体を用いること
により、比活性の高いトロンビンが簡便に製造できるこ
とを見出した。さらに本発明者らは、かかる方法で得ら
れたトロンビンが溶液状態においても冷所で長時間安定
であることを見出した。本発明者らは、本発明方法で得
られたトロンビンが、従来のトロンビンに比し極めて比
活性の高いものであることを確認して本発明を完成し
た。
【0008】すなわち、本発明は1000単位/A280
以上もの高い比活性を有するトロンビンである。さら
に、本発明はプロトロンビン複合体の状態にて、プロト
ロンビンをトロンビンに変換する処理に付することを特
徴とするトロンビンの製造方法である。
【0009】本発明の方法において、プロトロンビンを
トロンビンに変換する処理に付す対象物は、プロトロン
ビン複合体である。ここで用いられるプロトロンビン複
合体は、血液凝固因子の1つであるプロトロンビン(血
液凝固第II因子)と共にその他の血液凝固に関係する因
子を含んだものである。プロトロンビンと共に含まれる
成分としては、例えば血液凝固第VII因子、第IX因子、
第X因子などが挙げられる。またこれは、高純度精製品
である必要はなく粗製品であってもよい。
【0010】また、プロトロンビン複合体の由来および
その取得方法は特に制限されない。本発明方法は、プロ
トロンビン複合体自体またはプロトロンビン複合体を含
有するもの全てを変換処理の出発原料とすることができ
る。プロトロンビン複合体を含有するものとして、好ま
しくは血漿蛋白含有物が例示される。この場合、例えば
血漿そのもの、好ましくは血漿を当該複合体が含まれる
程度に適当な精製処理を施したものを、変換処理の原料
として使用することができる。血漿の由来も特に問わ
ず、例えばウシ由来のもの,ヒト由来のもの等が挙げら
れるが、好ましくはヒト由来のものである。
【0011】血漿を精製処理して変換処理の原料である
プロトロンビン複合体とする場合において、血漿の精製
処理方法としては、公知の手段が用いられる。例えば、
特開昭62−10019号公報および特開平3−128
398号公報に記載の方法が使用できる。具体的には、
血漿を陰イオン交換体で処理してプロトロンビン複合体
を調製する方法,血漿からクリオプレシピテートを除い
た脱クリオ血漿を用いてプロトロンビン複合体を調製す
る方法等が挙げられる。陰イオン交換体としては、DE
AE系(例えばDEAE−アガロース,DEAE−デキ
ストラン,DEAE−セルロースなど)、QAE系(例
えば、QAE−アガロース,QAE−デキストランな
ど)等が挙げられる。
【0012】上記の手段で得られたプロトロンビン複合
体は、その複合体の状態でトロンビンへの変換処理に付
すことができる。変換処理として、プロトロンビンをト
ロンビンに変換する公知の方法を用いることができる。
例えば、プロトロンビンにCa+2の存在下にトロンボプ
ラスチン,ヘビ毒などを作用させる方法、高濃度クエン
酸塩による自然転化法等を用いることができる。
【0013】本発明においては、特に当該変換処理の際
にベンズアミジン類(ベンズアミジン,p−アミノベン
ズアミジンなど)を共存させておくことが好ましい。ベ
ンズアミジン類を共存させておくことにより、プロトロ
ンビンからトロンビンへの変換を安定な状態で実施で
き、収率よくトロンビンが取得できる。ベンズアミジン
類の添加量としては0.0001〜0.1M程度、好ま
しくは0.0001〜0.01M程度が例示される。
【0014】上記変換処理により得られた処理物は、次
にトロンビンの精製工程に付される。かかる精製方法と
しては、複合体の状態で変換したトロンビンを当該複合
体から単離しうる方法であるならいかなる方法をも使用
することができ、例えば陽イオン交換体による処理、硫
安分画処理、アフィニティクロマトグラフィー処理(リ
ガンドとして、例えばアルギニルメチルエステルあるい
はヘパリンナトリウムなどを用いることが好ましい。)
方法などが使用できる。好ましくは、陽イオン交換体処
理(例えば、Biochem.,10(13),p25
01,1971年に記載の方法など)である。使用され
る陽イオン交換体としては、例えば、スルホエチル型
(スルホエチル−デキストラン,スルホエチル−アガロ
ース等),スルホプロピル型(スルホプロピル−デキス
トラン,スルホプロピル−アガロース等),カルボキシ
メチル型(カルボキシメチル−デキストラン,カルボキ
シメチル−アガロース等),アンバーライトIRC50
等が挙げられる。
【0015】陽イオン交換体処理は、トロンビンが他の
夾雑物から精製物として単離される条件のもとで行われ
る。具体的には、陽イオン交換体への吸着および洗浄
は、好ましくは0.01〜0.1Mの塩化ナトリウムを
含有する0.01〜0.05Mのクエン酸緩衝液(pH
6〜8程度)、あるいは0.01〜0.1Mの塩化ナト
リウムを含有する0.01〜0.2Mのリン酸緩衝液
(pH6〜8程度)を用いることによって行われる。ま
た、溶出には0.05〜0.3M、pH6〜8程度のク
エン酸緩衝液を用いることが好ましい。
【0016】なお、透析、限外濾過、ゲル濾過などの公
知の手段により、さらに精製を行うこともできる。
【0017】本発明においては、上記陽イオン交換体処
理の前に予め、プロトロンビン複合体変換処理物を炭素
原子数1〜10個、特に2〜10個のアルキル基を有す
るジアルキルホスフェートまたはトリアルキルホスフェ
ートと、特に好ましくは更に界面活性剤との共存下に接
触してウイルスを不活化(以下、SD処理という。)し
ておくほうがより好ましい。SD処理は公知の方法(特
開昭60−51116号公報、特開平3−218322
号公報)に準じて行うことができる。また、特に好まし
くはSD処理時に安定化剤として、ベンズアミジン類
(ベンズアミジン、p−アミノベンズアミジン等)、塩
基性アミノ酸(アルギニン、リジン等)あるいはε−ア
ミノカプロン酸(EACA)を添加し、共存状態で行う
方法である。添加量としては、ベンズアミジン類で0.
0001〜0.1M程度、塩基性アミノ酸で0.1〜1
M程度、EACAで1〜10%(w/v)程度(いずれ
も最終濃度)が例示される。
【0018】上記SD処理時に用いられる界面活性剤と
して、好ましくは非イオン性界面活性剤であり、ポリオ
ール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル(Sp
an系)、ポリオキシエチレン・ソルビタン脂肪酸エス
テル(Tween系)、ポリオキシエチレン・アルキル
フェノールエーテル(Triton系)、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルキ
ルエーテル等が挙げられる。具体的にはTween80
(別名ポリソルベート80)、トリトンX100、スル
ホベタイン等が例示される。
【0019】上記の処理により、夾雑する各種蛋白(例
えば、フィブリノゲン、フィブリン、α1 グロブリン、
α2 グロブリン、βグロブリン、γグロブリン、プロテ
アーゼなど)から単離された精製トロンビンを得ること
ができる。かかるトロンビンの比活性は、少なくとも1
000単位/A280 程度であることが好ましい。ここで
1単位/A280 は1単位/mg蛋白に相当する。なお、
トロンビンの比活性は通常の測定方法により求めること
ができる。好ましくはヒト血漿をフィブリノーゲン源と
して、BBLフィブロメーターなどにより凝固時間を測
定することにより求める方法である。具体的には、生理
食塩液にて様々な割合で希釈された検体0.1mlを3
7℃に2分間保ち、次いで37℃に保たれていた血漿
0.2mlを加え、凝固時間を測定することによって求
めることができる。
【0020】当該トロンビンは自体公知の手法により製
剤化することにより高比活性を有するトロンビン製剤と
することができる。この際、必要に応じて、医薬上許容
される担体,添加剤などの添加および加熱,滅菌,除菌
濾過処理,分注小分け,凍結乾燥処理などが通常の方法
に準じて行われる。
【0021】
【発明の効果】本発明により調製されたトロンビンは、
少なくとも1000単位/A280 もの高い比活性を有す
る。従来品および市販品のトロンビン製剤の比活性が5
00〜600単位/A280 程度であることから、本発明
のトロンビンはトロンビン製剤として極めて有用であ
る。加えて、本発明により調製されたトロンビンは、溶
液状態においても冷所で長時間安定である。従って、本
発明の方法は、トロンビンの製造方法として極めて実用
的なものであり、しかも、調製された精製トロンビンは
有用な医薬品として臨床に提供することができる。
【0022】
【実施例】本発明をより詳細に説明するために実施例を
挙げるが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0023】実施例1 プロトロンビン、トロンビンの
調製 ヒト血漿を凍結融解して得た脱クリオ血漿2リットル
を、0.075M塩化ナトリウムおよび0.01Mクエ
ン酸ナトリウムからなる緩衝液(pH7)で平衡化した
DEAE−デキストラン(商品名DEAE−セファデッ
クス、A−50、ファルマシア社製)に接触させて、プ
ロトロンビン複合体を吸着させた後に、1M塩化ナトリ
ウムおよび0.01Mクエン酸ナトリウムからなる緩衝
液(pH7)で溶出した。溶出液を透析後にトロンボプ
ラスチン、2.5%塩化カルシウムおよび0.082M
ベンズアミジンを各々1/10量ずつ添加して25℃で
3時間加温した。pHを7に調整し、トリ−N−ブチル
ホスフェート(TNBP)、Tween80およびEA
CAを各々、最終濃度で0.3%(w/v)、1%(w
/v)および4%(w/v)となるように添加し、30
℃で6時間加温した。次に、上記反応液をpHを6.7
に調整し、0.02Mクエン酸ナトリウム(pH6.
7)で平衡化したスルホプロピル−デキストラン(商品
名SP−セファデックス C−50、ファルマシア社
製)に接触させて、トロンビンのみを吸着させた。かか
るカラムを0.02Mクエン酸ナトリウム溶液(pH
6.7)、0.1Mリン酸塩緩衝液(pH6.5)、次
いで0.045Mクエン酸ナトリウム(pH7)溶液で
洗浄後、吸着させたトロンビンを0.1Mクエン酸ナト
リウム溶液(pH7)で溶出・単離した。溶出液をペリ
コン(分画分子量1万:ミリポア社製)にて濃縮し、除
菌濾過して精製トロンビンを調製した。各精製工程にお
いて、得られるプロトロンビン、トロンビンの精製度
(比活性、回収率)を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 プロトロンビン、トロンビン
の調製 ヒト血漿を凍結融解して得た脱クリオ血漿を、0.07
5M塩化ナトリウムおよび0.01Mクエン酸ナトリウ
ムからなる緩衝液(pH7)で平衡化したDEAE−セ
ファデックス A−50に接触させ、0.15M塩化ナ
トリウムおよび0.01Mクエン酸ナトリウムからなる
緩衝液(pH7)で洗浄後、1M塩化ナトリウムおよび
0.01Mクエン酸ナトリウムからなる緩衝液(pH
7)で溶出した。溶出液に2.5%塩化カルシウムおよ
びトロンボプラスチンを各々1/10量ずつ添加して1
5℃で3時間加温した。pHを7に調整し、トリ−N−
ブチルホスフェート(TNBP)、Tween80およ
びEACAを各々、最終濃度で0.3%(w/v)、1
%(w/v)および4%(w/v)となるように添加
し、30℃で6時間加温した。次に、上記反応液をpH
を6.7に調整し、0.02Mクエン酸ナトリウム(p
H6.7)で平衡化したスルホプロピル−デキストラン
(商品名SP−セファデックス C−50、ファルマシ
ア社製)に接触させて、トロンビンのみを吸着させた。
かかるカラムを0.02Mクエン酸ナトリウム溶液(p
H6.7)、0.1Mリン酸塩緩衝液(pH6.5)、
次いで0.045Mクエン酸ナトリウム(pH7)溶液
で洗浄後、吸着させたトロンビンを0.1Mクエン酸ナ
トリウム溶液(pH7)で溶出・単離した。溶出液をペ
リコン(分画分子量1万:ミリポア社製)にて濃縮し、
除菌濾過して精製トロンビンを調製した。
【0026】比較例1 プトロンビン単体からのトロ
ンビンの調製 コーンの第II+III 抽出画分から0.1M塩化ナトリウ
ム溶液でプロトロンビンを単体の形で抽出した。得られ
た抽出液をpH6.7に調整した後、1%塩化カルシウ
ム(1/10量)、トロンボプラスチン(1/10量)
および血漿(1/40量)を添加して20℃で3時間加
温した。この反応液を0.1Mリン酸緩衝液(pH6.
5)で平衡化させておいた陰イオン交換体(SP−セフ
ァデックスC−50,ファルマシア製)に接触させ、
0.1Mクエン酸緩衝液(pH6.7)にて吸着させた
トロンビンを溶出させた。溶出液に、0.3%(w/
v)TNBP、1%(w/v)Tween80および4
%(w/v)EACAを添加し、30℃で6時間加温し
た(SD処理)。得られた反応液を0.02Mクエン酸
緩衝液(pH7.0)で平衡化させておいたアフィニテ
ィカラム(カラム:ヘパリントーヨーパール,トーソー
社製)に付し、0.3Mクエン酸緩衝液(pH6.0)
でトロンビンを溶出した。この溶出液を限外濾過膜(分
画分子量1万)にて濃縮し、除菌濾過して精製トロンビ
ンを調製した。
【0027】実験例1 実施例1で取得された本発明のトロンビンの各性状を、
比較例1で得られたコーンの第II+III 抽出画分から調
製したトロンビン精製品および市販のトロンビン製剤
(化血研製)と比較した。 (1)比活性 トロンビン力価および280nmでの吸光度を測定し、
その比活性を比較した。その結果、本発明のトロンビン
は1000単位/A280 であるのに対して、第II+III
抽出画分由来のものは555単位/A280 、市販品は5
82単位/A28 0 であった。 (2)分布 セルロースアセテート電気泳動の結果、本発明のトロン
ビンはβ画分が100%であるのに対して、第II+III
抽出画分由来のものは55%、市販品は92%であっ
た。 (3)分子量測定 SDS−PAGE電気泳動(ファストシステム、ファ
ルマシア社製)の結果、本発明のトロンビンは非還元下
で、分子量3万4千の単一バンドとして確認されたが、
第II+III 抽出画分由来のものおよび市販品では分子量
3万4千のバンド以外に高分子側、低分子側にバンドが
認められた。 高速液体クロマトグラフィーによるゲル濾過分析(カ
ラム:TSKgelG3000SWXL(トーソー
製),移動相:0.2M NaCl含有0.1Mリン酸
緩衝液 (pH 6.8), 流速:0.8ml/min,検出波
長:280nm)を行った結果、本発明のトロンビンは
保持時間13.2分付近に単一のピークとして得られた
のに対して、第II+III 抽出画分由来および市販品では
保持時間13.2分付近のピークの他に夾雑ピークが出
現した。 (4)安定性 実施例1のトロンビンを500単位/mlおよび170
0単位/mlの溶液状態で25℃で7日間保存した場
合、トロンビン力価の低下は見られず安定であった。一
方、市販品を1000単位/mlの溶液状態で同様に保
存したところ、20%程度力価が低下した。
【0028】
【表2】
【0029】実験例2 実施例2のトロンビンの安定性 実施例2で得られたトロンビンを用いて、6000単位
/ml,pH6、1000単位/ml,pH5.5およ
びpH6の検体溶液を調製し、10℃および25℃で8
週間保存した後のトロンビン力価の残存率を調べた。そ
の結果、本発明方法で調製されたトロンビンは、溶液状
態、通常の冷蔵保存(10℃)において、少なくとも8
週間は安定であることがわかった。
【0030】
【表3】
【0031】参考例1 トロンビンへの変換反応の条
件の検討 トロンビンへの変換反応開始1時間後に各種安定化剤
を添加し、添加後4時間経過後のトロンビン活性の残存
率から、安定化剤のトロンビンに対する安定化効果を調
べた
【0032】
【表4】
【0033】安定化剤を最初から添加した状態でトロ
ンビンへの変換反応(25℃,3時間)を行った。表4
に各種安定化剤のトロンビンに対する安定化効果を示
す。
【0034】
【表5】
【0035】上記およびの結果、一番効果のあっ
たベンズアミジンの濃度をかえた場合の安定化効果につ
いて検討した。
【0036】
【表6】
【0037】参考例2 各種添加剤を共存させてSD処理時の安定化条件を検討
した。使用した添加剤およびその濃度を表7に記載す
る。これらの添加剤の共存下に30℃で6時間処理し
た。結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】安定化剤であるアルギニン(表8)およ
びEACA(表9)の添加濃度と安定化効果の関係を確
認した。
【0040】
【表8】
【0041】
【表9】
【0042】アルギニンを添加する場合は最終濃度0.
4M以上で安定化効果が認められた。また、EACAの
場合は1%w/v以上の添加であれば安定化効果がある
ことが判明した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森定 康明 大阪市都島区都島中通3−5−44 株式会 社ミドリ十字都島工場内 (72)発明者 松本 勇彦 大阪市都島区都島中通3−5−44 株式会 社ミドリ十字都島工場内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比活性が1000単位/A280 以上であ
    るトロンビン。
  2. 【請求項2】 プロトロンビン複合体をトロンビンへの
    変換処理に付することを特徴とするトロンビンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 プロトロンビン複合体をトロンビンへの
    変換処理に付し、得られた処理物を陽イオン交換体で処
    理することによりトロンビンを回収することを特徴とす
    るトロンビンの製造方法。
JP5179436A 1993-07-20 1993-07-20 高比活性トロンビンおよびその製造方法 Pending JPH0733799A (ja)

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JPH0733799A true JPH0733799A (ja) 1995-02-03

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US5811279A (en) * 1996-08-09 1998-09-22 Juridical Foundation The Chemo-Sero-Therapeutic Research Institute Method for activating prothrombin with polyethylene glycol
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