[go: up one dir, main page]

JPH0733705A - 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法 - Google Patents

2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法

Info

Publication number
JPH0733705A
JPH0733705A JP17781593A JP17781593A JPH0733705A JP H0733705 A JPH0733705 A JP H0733705A JP 17781593 A JP17781593 A JP 17781593A JP 17781593 A JP17781593 A JP 17781593A JP H0733705 A JPH0733705 A JP H0733705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ndca
salt
aqueous solution
added
crude
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP17781593A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Iwane
寛 岩根
Katsufumi Kujira
勝文 鯨
Naoki Suzuki
直樹 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP17781593A priority Critical patent/JPH0733705A/ja
Publication of JPH0733705A publication Critical patent/JPH0733705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高純度で色相の良好な2,6−ナフタレンジ
カルボン酸を得るための、簡便で、安価で且つ効率的な
精製法の提供。 【構成】 2,6−ジアルキルナフタレンを酸化して得
られた粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を、中和当量
以上のアルカリ水溶液に加えて、対応するジアルカリ塩
の溶液を形成させ、これにアセトンを加えることによ
り、該溶液から2,6−ナフタレンジカルボン酸をジア
ルカリ塩として析出させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2,6−ジアルキルナ
フタレンまたはその酸化中間体を分子状酸素で酸化する
ことにより得られる2,6−ナフタレンジカルボン酸
(以下NDCAと略記する)の精製方法に関するもので
ある。NDCAは、耐熱性、機械的強度、寸法安定性に
優れたフィルムや繊維製品を与えることから、ポリエチ
レンナフタレート、ポリアミド等の原料として有用なも
のである。
【0002】
【従来の技術】NDCAは、2,6−ジアルキルナフタ
レンを酢酸溶媒中でコバルト、マンガン及び臭素化合物
触媒の存在下、空気酸化することにより製造されること
が知られている。しかしながら、該酸化反応により得ら
れる粗NDCA中には、微量の重金属、構造不明な着色
物質、臭素誘導体や反応中間体などが混入しているの
で、該粗NDCAをそのまま原料として使用すると、得
られるポリマーの性能低下や着色といった弊害が現れ
る。そこで、従来から、下記するように、数々のNDC
A精製法が提案されている。 (1)粗NDCAをアルカリ水溶液に溶解し、100〜
250℃で1〜5時間撹拌して加熱処理を行い、次いで
固体吸着剤により脱色処理した後、炭酸ガス又は亜硫酸
ガス等の酸性ガスを圧入処理してpHを下げ、NDCA
をモノアルカリ塩として析出させる方法(特公昭52−
20993号公報) (2)粗NDCAのアルカリ水溶液を過マンガン酸アル
カリ等の酸化剤で処理した後、炭酸ガス又は亜硫酸ガス
を吹き込んでNDCAをモノアルカリ塩として分離する
方法(特開昭48−68554号公報) (3)粗NDCAのアルカリ水溶液を220℃以下の温
度でパラジウム、白金、ニッケル、ルテニウム等の金属
触媒の存在下、接触水素化処理した後、炭酸ガス又は亜
硫酸ガスを吹き込んでNDCAをモノアルカリ塩として
分離する方法(特開昭50−160248号公報) (4)粗NDCAを酢酸ナトリウム水溶液に溶解した
後、濃縮晶析してNDCAのモノアルカリ塩を分離する
方法(特開昭50−105639号公報) (5)粗NDCAのアルカリ水溶液に同じ陽イオンの水
溶性塩等を加える、いわゆる塩析によりNDCAジアル
カリ塩を単離する方法(特開昭62−212341号公
報) (6)粗NDCAをジメチルスルホキシド等の溶媒で再
結晶させる方法(特開昭62−230747号公報)
【0003】上記(1)〜(4)の方法は、粗NDCA
を溶解したアルカリ水溶液のpHまたは温度の調節を厳
密に行なはないと、析出されるNDCAのモノアルカリ
塩の量や組成が一定にならないという問題があった。上
記(5)の方法は、塩析のために使用される塩と、アル
カリ塩の酸析により生成する塩とがあり、これら塩の総
量は非常に多量であるため、工業的規模の精製法として
は実用性を欠くものであった。上記(6)の方法は、再
結晶に高価な溶媒を多量使用するため、その回収ロスに
よるコストアップ、得られるNDCAの純度が十分に高
くない等の問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来法には種
々の技術上の問題があり、一方蒸留のよる精製はNDC
Aの融点が300℃以上であるために不可能であり、ま
たNDCAはメタノール、アセトン、ベンゼン等の汎用
有機溶媒には溶解しないので、溶媒洗浄による精製法も
採用することができない。そこで、本発明は、これらの
問題点を解決し、簡便で、安価で且つ効率的なNDCA
の精製法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決に鋭意努力した結果、アセトンを用いる晶析法の
採用がNDCAの効率的な精製に有効であることを見い
だし、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
2,6−ジアルキルナフタレンを酸化して得られた粗
2,6−ナフタレンジカルボン酸を、中和当量以上のア
ルカリ水溶液に加えて、対応するジアルカリ塩の溶液を
形成させ、これにアセトンを加えることにより、該溶液
から2,6−ナフタレンジカルボン酸をジアルカリ塩と
して析出させることを特徴とする2,6−ナフタレンジ
カルボン酸の精製方法である。
【0006】[発明の具体的説明] 1.酸化反応 本発明で用いられる粗NDCAは、2,6−ジアルキル
ナフタレンを分子状酸素により酸化して得られるもので
ある。2,6−ジアルキルナフタレンとしては、2,6
−ジメチルナフタレン、2,6−ジイソプロピルナフタ
レン等を挙げることができ、またそれらの酸化中間体を
使用することもできる。酸化反応の条件は、特に制限さ
れないが、例えば次のような反応条件でNDCAを得る
ことができる。原料のジアルキルナフタレン1モルに対
して、触媒としてコバルトおよびマンガンが0.5〜5
0モル%程度使用される。コバルトとマンガンの比率は
1:99〜99:1の範囲である。臭素化合物は、コバ
ルト1モルに対して、1〜10モルが適当である。溶媒
としては、酢酸またはプロピオン酸が用いられ、その量
は原料に対して2〜50重量倍である。反応温度は80
〜250℃、好ましくは100〜200℃であり、反応
時間は通常1〜10時間の範囲である。反応圧力は反応
速度を考慮すると、気相中の酸素分圧が絶えず絶対圧で
0.2〜40kg/cm2となるような圧力であることが好ま
しい。分子状酸素としては、純酸素の他、酸素を窒素、
ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで任意の濃度に希
釈したものも使用することができる。反応は回分式、半
連続式どちらでも構わないが、一般的には触媒当たりの
収量が多い半連続式が有利である。反応終了後、生成し
た粗NDCAは溶媒スラリー状であるため、濾別、回収
し、水または酸で洗浄後、水洗、乾燥される。
【0007】2.ジアルカリ塩の形成 粗NDCAを、中和当量以上のアルカリを溶解した水溶
液に加え、加熱しまたは室温で撹拌下に溶解させて、粗
NDCAのジアルカリ塩の溶液を形成させる。その際使
用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはアンモ
ニア等を挙げることができる。アルカリの使用量は、N
DCAに対して1〜2当量の範囲であるが、通常はアル
カリが小過剰となるように、1.01〜1.50当量程
度使用することが好ましい。アルカリは水溶液として使
用され、その濃度は通常0.2〜10重量%であるが、
ナトリウム塩またはカリウム塩よりもアンモニウム塩の
場合は、より低濃度にすることが好ましい。アルカリ濃
度が高すぎると、NDCAジアルカリ塩が溶解せずに精
製効率が低下し、反対に濃度が低すぎると、ジアルカリ
塩の析出に用いられるアセトンの使用量が増加したり、
NDCAの回収率が低下する。ジアルカリ塩の形成は、
空気中でも構わないが、好ましくは窒素等の不活性ガス
中で実施される。ジアルカリ塩を生成させる際の温度
は、室温でも構わないが、一般には加熱下に、例えば4
0〜100℃の温度で行うことが好ましい。それはジア
ルカリ塩の溶解度が向上し反応容器効率が高くなるこ
と、粗NDCA中に微量含有されるコバルト、マンガン
の回収率が向上すること等の理由によるものである。こ
の加熱は通常0.5〜5時間行われ、得られたジアルカ
リ塩の水溶液は、不溶物があるときには濾過によりそれ
を除去した後、晶析操作に付される。
【0008】3.ジアルカリ塩の晶析 上記のようにして得られたNDCAジアルカリ塩の水溶
液にアセトンを加えることにより、該ジアルカリ塩の晶
析が行われる。アセトンの添加は、該水溶液を加熱下ま
たは冷却下に行うこともできる。撹拌下に該水溶液にア
セトンを少量づつ間欠的に、または連続的に添加してい
くと、白色のNDCAジアルカリ塩の結晶が析出する。
アセトンの使用量は、ジアルカリ塩の水溶液濃度により
異なり一概に言えないが、その濃度が低い場合はより多
く、濃度が高い場合は少ない量でよい。一般的にいっ
て、アセトンは該水溶液に存在する水の量に対して0.
5〜5重量倍程度の範囲で使用される。NDCAの回収
率を高くしたい場合は、アセトンの添加後水溶液を5℃
程度まで冷却することが好ましい。析出したNDCAジ
アルカリ塩は濾別し、飽和食塩水及び/又はアセトンで
洗浄し、乾燥される。アセトンは濾液から蒸留により容
易に回収され、再使用することができ、また濾液中の微
量の未回収NDCAジアルカリ塩は酸を加えてNDCA
として回収し、精製用原料として使用される。
【0009】4.活性炭処理 上記で得られたジアルカリ塩は、そのまま後記する酸析
操作に付すことができるが、より高純度のNDCAを得
るには、活性炭処理を行うことが好ましい。活性炭処理
は、ジアルカリ塩を水に溶解させ流通式または回分式で
行えば良い。例えば、流通式の場合には、粒状の活性炭
をカラムに充填し、アップフローまたはダウンフローで
NDCAジアルカリ塩水溶液を流通させる。その際の温
度は、室温〜60℃程度であり、液流速度は0.1〜1
0.0が適当である。一方、回分式の場合には、ジアル
カリ塩に対して1〜10重量%程度の粉末活性炭を加
え、1〜5時間撹拌下に処理される。使用される活性炭
は特に制限はなく、どのような種類のものでも使用する
ことができる。
【0010】5.酸析操作 上記の晶析操作または活性炭処理により得られたNDC
Aジアルカリ塩は、その水溶液に酸を添加し、pHを2
近辺に調整してNDCAに変換される。その際ジアルカ
リ塩の濃度は、0.5〜30重量%の範囲に維持するこ
とが好ましい。濃度がこの範囲を越えると、析出したN
DCAにより高粘度スラリーとなるため撹拌等の操作が
困難となり、一方濃度が低すぎると操作効率が悪くな
る。しかし、NDCAは水には不溶であるためNDCA
の回収には影響はない。酸析に使用される酸としては、
通常硫酸、塩酸等であり、これらを水に希釈したものが
使用される。また、炭酸ガス等の酸性ガスも使用するこ
とができる。生成したNDCAは濾別した後、十分洗浄
し、乾燥される。
【0011】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明する。なお、NDCAの純度は高速液体クロ
マトグラフィーにより、色相は40%メチルアミン水溶
液10mlに試料1gを溶解し10mmの石英セルを用
いて400nm、500nmの波長の吸光度(以下OD
と略記する)を測定する方法により分析した。また、色
相の改善を分かり易く示すために、下記式にて色相改善
率を求めた。臭素元素の定量は、蛍光X線、コバルトお
よびマンガンの定量は原子吸光により行った。
【0012】
【数1】
【0013】精製原料としては、通常の液相酸化反応に
より得られた粗NDCAを使用した。この粗NDCA
は、純度99.5%であり、ODは0.3563(40
0nm)および0.0473(500nm)であり、N
DCA中のコバルト含有量は3ppm、マンガン含有量は
27ppm、臭素元素含有量は200ppmであった。
【0014】実施例1 還流冷却器、滴下ロート、撹拌機、温度計を備えた20
0cc四つ口フラスコに粗NDCA10g(46mmol)
を入れ、これに水酸化ナトリウム4.07g(102mm
ol)を水65gに溶解させた水溶液を加え、加熱還流下
に1時間反応させた。このときの溶液は薄茶色の均一溶
液であった。その後冷却し、撹拌下に滴下ロートよりア
セトン80gをゆっくり約15分間かけて添加した。ア
セトンの添加により白色の結晶が析出した。アセトンの
添加終了後、反応混合物を約5℃まで冷却し、析出物を
濾別回収した。得られた白色結晶をアセトン40gで洗
浄し、乾燥し、11.74gのNDCAジナトリウム塩
を得た。一方、濾液は希塩酸によりpHを2に調整する
ことにより0.18gのNDCAが回収された。アセト
ンは蒸留により濾液からほぼ定量的に回収された。
【0015】上記で得られたジナトリウム塩5gを15
0mlの水に溶解し、極微量存在する不溶物を濾別した
後、10重量%硫酸水溶液を加え、pHを約2に調整し
た。生成したNDCAを濾別回収し、水洗、乾燥して、
白色のNDCA4.08g(粗NDCAよりの回収率9
5.8%)が得られた。このNDCAの純度は100%
であり、ODは400nmが0.0833(色相改善率
76.6%)、500nmが0.0069(色相改善率
85.4%)であり、コバルトおよびマンガン含有率は
共に1ppm以下、臭素元素含有率は60ppmであった。
【0016】実施例2 実施例1で合成、単離されたNDCAジナトリウム塩5
g約150mlの水に溶解し、極微量存在する不溶物を
濾別した。直径10mmのカラムに粒状活性炭(武田薬
品工業社製「白鷺KL」)を1.5g(約8cc)充填
し、水を流通させ洗浄した。前記ジナトリウム塩水溶液
を室温でLHSV=4にて該カラムに流通させた。得ら
れた処理液に10重量%硫酸水溶液を加えてpHを2に
調整した。生成したNDCAを濾別回収し、水洗、乾燥
して、白色のNDCA4.01g(粗NDCAよりの回
収率94.2%)が得られた。このNDCAの純度は1
00%であり、ODは400nmが0.0269(色相
改善率92.5%)、500nmが0.0059(色相
改善率87.5%)であり、コバルトおよびマンガン含
有率は共に1ppm以下、臭素元素含有率は51ppmであっ
た。
【0017】実施例3 還流冷却器、滴下ロート、撹拌機、温度計を備えた20
0ml四つ口フラスコに粗NDCA5g(23mmol)を
入れ、これに1.8重量%アンモニア水100g(NH
3:51mmol)を加え、加熱還流下に1時間反応させ
た。その後冷却し、撹拌下に滴下ロートよりアセトン6
0gをゆっくり約15分間かけて添加した。アセトンの
添加により白色の結晶が析出した。アセトンの添加終了
後、反応混合物を約5℃まで冷却し、析出物を濾別回収
した。得られた白色結晶をアセトン20gで洗浄し、乾
燥し、5.63gの白色NDCAジアンモニウム塩を得
た。得られたジアンモニウム塩5gを約200mlの水
に溶解し、極微量存在する不溶物を濾別した。直径10
mmのカラムに粒状活性炭(武田薬品工業社製「白鷺K
L」)を1.5g(約8cc)充填し、水を流通させ洗
浄した。前記ジアンモニウム塩水溶液を室温でLHSV
=4にて該カラムに流通させた。得られた処理液に10
重量%硫酸水溶液を加えてpHを2に調整した。生成し
たNDCAを濾別回収し、水洗、乾燥して、白色のND
CA4.16g(粗NDCAよりの回収率94.2%)
が得られた。このNDCAの純度は100%であり、O
Dは400nmが0.0194(色相改善率94.6
%)、500nmが0.0001以下(色相改善率10
0%)であり、コバルトおよびマンガン含有率は共に1
ppm以下、臭素元素含有率は40ppmであった。
【0018】比較例1 粗NDCA5g(23mmol)を5.9重量%水酸化ナト
リウム水溶液34.5g(NaOH:51mmol)を加え
溶解した。実施例2と同様の活性炭を充填したカラム
に、前記ジナトリウム塩水溶液を室温でLHSV=4に
て流通させた。得られた処理液に10重量%硫酸水溶液
を加えてpHを2に調整した。生成したNDCAを濾別
回収し、水洗、乾燥して、白色のNDCA4.77g
(粗NDCAよりの回収率95.3%)が得られた。こ
のNDCAの純度は100%であり、ODは400nm
が0.1425(色相改善率60.0%)、500nm
が0.0184(色相改善率61.1%)であり、コバ
ルトおよびマンガン含有率は共に1ppm以下、臭素元素
含有率は120ppmであった。
【0019】比較例2 実施例1と同じ反応器に粗NDCA5g(23mmol)を
仕込み、水酸化ナトリウム2.04g(51mmol)を水
32gに溶解させた水溶液を加え、加熱還流下に1時間
反応させた。その後冷却し、撹拌下に滴下ロートよりメ
タノール約150gをゆっくり添加したが、添加時に反
応液が白濁するのみでNDCAジナトリウム塩の結晶は
析出しなかった。
【0020】比較例3 比較例1と同様の原料を同量、実施例1と同じ反応器に
仕込み、水酸化ナトリウム2.04g(51ml)を水
23gに溶解させた水溶液を加え、加熱還流下に1時間
反応させた。その後冷却し、撹拌下に滴下ロートよりメ
チルエチルケトン70gを添加したが、反応液が二層に
分離するだけで結晶の析出は認められなかった。その後
反応液を約5℃まで氷冷すると、白色の結晶が析出し
た。これを濾過、洗浄、乾燥して、2.25gのNDC
Aジナトリウム塩を得た。このジナトリウム塩2.25
gを水60gに溶解し、10重量%硫酸水溶液を添加し
てpHを約2に調整した。生成したNDCAを濾別回
収、水洗、乾燥してNDCA1.82g(粗NDCAよ
りの回収率36.4%)が得られた。このNDCAの純
度は100%であり、ODは400nmが0.1079
(色相改善率69.7%)、500nmが0.0166
(色相改善率64.9%)であり、コバルトおよびマン
ガン含有率は共に1ppm以下、臭素元素含有率は120p
pmであった。
【0021】比較例4 比較例1と同様の原料を同量、実施例1と同じ反応器に
仕込み、水酸化ナトリウム2.04g(51ml)を水
23gに溶解させた水溶液を加え、加熱還流下に1時間
反応させた。得られた反応液に塩化ナトリウム4.2g
を少量づつ加え、NDCAジナトリウム塩を析出させ
た。析出した固形物を濾過し、19重量%塩化ナトリウ
ム水溶液30gで洗浄し、乾燥して、5.92gの固形
物を回収した。該固形物5.92gを水80ccに溶解
し、10重量%硫酸水溶液を添加してpHを約2に調整
した。生成したNDCAを濾別回収、水洗、乾燥してN
DCA4.00g(粗NDCAよりの回収率80.0
%)が得られた。このNDCAの純度は100%であ
り、ODは400nmが0.1246(色相改善率6
5.0%)、500nmが0.0321(色相改善率3
2.1%)であり、コバルトおよびマンガン含有率は共
に1ppm以下、臭素元素含有率は100ppmであった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、アセトンを使用してN
DCAジアルカリ塩を晶析することにより、高い回収率
で、高純度且つ色相の良好なNDCAを得ることができ
る。このような本発明の優れた効果は、アセトン以外の
溶媒、例えばメタノール、メチルエチルケトン等の使
用、塩析による方法等では達成することはできない。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,6−ジアルキルナフタレンを酸化し
    て得られた粗2,6−ナフタレンジカルボン酸を、中和
    当量以上のアルカリ水溶液に加えて、対応するジアルカ
    リ塩の溶液を形成させ、これにアセトンを加えることに
    より、該溶液から2,6−ナフタレンジカルボン酸をジ
    アルカリ塩として析出させることを特徴とする2,6−
    ナフタレンジカルボン酸の精製方法。
  2. 【請求項2】 前記アルカリ水溶液が、水酸化ナトリウ
    ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムお
    よびアンモニアから選ばれたアルカリ水溶液である請求
    項1記載の方法
  3. 【請求項3】 前記2,6−ナフタレンジカルボン酸の
    ジアルカリ塩を水に溶解した後、活性炭により吸着処理
    を行う請求項1記載の方法。
JP17781593A 1993-07-19 1993-07-19 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法 Pending JPH0733705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17781593A JPH0733705A (ja) 1993-07-19 1993-07-19 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17781593A JPH0733705A (ja) 1993-07-19 1993-07-19 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0733705A true JPH0733705A (ja) 1995-02-03

Family

ID=16037584

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17781593A Pending JPH0733705A (ja) 1993-07-19 1993-07-19 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0733705A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001039921A (ja) * 1999-05-26 2001-02-13 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高純度芳香族ポリカルボン酸の製造方法
US7882660B2 (en) 2005-03-10 2011-02-08 Yugenkaisha Japan Tsusyo Knockdown structure and methods of assembling same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001039921A (ja) * 1999-05-26 2001-02-13 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 高純度芳香族ポリカルボン酸の製造方法
US7882660B2 (en) 2005-03-10 2011-02-08 Yugenkaisha Japan Tsusyo Knockdown structure and methods of assembling same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07118201A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法
CZ18597A3 (en) Process for preparing 5-amino-2,4,6-triiodine-1,3-benzenedicarboxylic acid
JP2874223B2 (ja) 高純度2,6‐ナフタリンジカルボン酸の製造法
JPH0733705A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法
JPH054381B2 (ja)
JPH07118200A (ja) ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JP2940155B2 (ja) 4,4’―ビフェニルジカルボン酸の精製法
JPS62230747A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製法
JPH0531535B2 (ja)
JP5652008B2 (ja) o−トリジンスルホンの製造方法
SU576937A3 (ru) Способ получени моно- - оксиэтил-7-рутина
JP2664467B2 (ja) ビフェニルジカルボン酸の精製法
JP2917462B2 (ja) 4,4’―ジフェニルジカルボン酸の精製方法
JPH0737417B2 (ja) 4,4’‐ビフェニルジカルボン酸の精製法
US4317924A (en) Process for producing purified terephthalic acid
JPH06345684A (ja) 3,5−ジメチル安息香酸の精製法
JP2002069031A (ja) 高純度ピロメリット酸および高純度無水ピロメリット酸の製造方法
JPH0530818B2 (ja)
JP2718179B2 (ja) 2,2,6,6‐テトラアルキル‐4‐ピペリジノンの精製方法
JP4384748B2 (ja) 光学活性2−ピペラジンカルボン酸の製造法
JPH06256256A (ja) 高純度2,6−ナフタレンジカルボン酸の製造方法
JPH05320093A (ja) ビフェニルジカルボン酸ジクロリドの製造方法
JPH02235843A (ja) 4,4’―ジフェニルジカルボン酸の精製方法
JPS62212341A (ja) 2,6−ナフタレンジカルボン酸の精製方法
JPS62294637A (ja) 粗イブプロフエンの精製方法