JP2664467B2 - ビフェニルジカルボン酸の精製法 - Google Patents
ビフェニルジカルボン酸の精製法Info
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Description
の精製法に関する。
的性質、化学的性質にすぐれた樹脂等の原料として有用
な化合物である。BDCAは例えば、安息香酸のカップリン
グ反応やメチル基、エチル基、イソプロピル基等のアル
キル基、ホルミル基、アシル基が置換した置換ビフェニ
ル又はその酸化中間体を分子状酸素で酸化するなどの方
法によって製造される。例えば、ジアルキルビフェニル
を重金属および臭素化合物を含む酸化触媒の存在下に酸
化する方法によって得られた粗BDCAは、反応中間体、副
反応生成物、重金属等の多くの不純物を含み、樹脂原料
としては精製が必要である。
液とせしめ、ジアルカリ金属塩水溶液に炭酸ガスを作
用させてビフェニルモノアルカリ塩を析出させ、分離後
に不均化させる方法(特開昭58−85841)。ジメチル
スルホキシドを溶媒として再結晶する方法(特開昭57−
149244)等が知られている。
ばならない。の方法はジメチルスルホキシドに対する
BDCAの溶解度が低く多量のジメチルスルホキシドが必要
であり、また冷却するのにエネルギーを要する、更に冷
却し過ぎるとジメチルスルホキシドが結晶化し析出する
等の問題点があった。
く精製し、高純度のBDCAを得る方法を提供することにあ
る。
有機溶剤を添加し、水への溶解度を低下せしめてBDCAジ
アルカリ塩を析出せしめる一方、水に不溶なアルキルア
ルデヒド等の有機化合物、アルキルカルボン酸のアルカ
リ塩、カルボキシアルデヒドのアルカリ塩等の水に比較
的難溶な有機化合物を溶液中に溶解せしめることで、高
純度のBDCA−ジアルカリ塩を選択的に析出せしめること
に成功した。
えば、アルキル基としてメチル基、エチル基、イソプロ
ピル基等を有するジアルキルビフェニルをMn、Co等の重
金属化合物およびNaBr等の臭素化合物を含む酸化触媒の
存在下に酸化して得られる粗BDCAがある。この方法で得
られた粗BDCAは着色物質や触媒金属および反応中間体等
を含み樹脂原料としては精製が必要である。これらの不
純物の多くは、Mn、Co等の重金属化合物、アセチルカル
ボキシビフェニル、ホルミルカルボキシビフェニル等の
反応中間体あるいは副反応生成物である。
ウム塩等のジアルカリ塩とせしめた場合は水溶性とな
る。しかしながら、この水溶液を冷却、濃縮、塩析、酸
析等の方法によりBDCAジアルカリ塩を析出させて不純物
を除去し、高純度のBDCAジアルカリ塩を析出させること
は容易ではない。本発明の精製法によれば、粗BDCAは以
下のような工程により精製BDCAとすることができる。
ジアルカリ塩水溶液とせしめる工程、水溶性有機溶剤
を添加してBDCA−ジアルカリ塩を析出せしめ分離する工
程、BDCA−ジアルカリ塩からBDCAを遊離せしめる工
程。更に、必要に応じて(1)と(2)、(2)と
(3)の工程の間に固体吸着剤による脱色工程を加え
ることができる。
せしめる。アルカリとはNa、K、NH4の水酸化物、炭酸
塩やNa、Kの炭酸水素塩又はアンモニアである。該アル
カリとして良好なものは反応速度、溶解度、操作性、価
格面等からNaOH、KOHであり、最も良好なものはKOHであ
る。アルカリの添加量は粗BDCAに対して0.9〜1,5mol倍
でよい。また添加する水の量は飽和水溶液にせしめる量
の1.0〜5.0倍、好ましくは1.0〜2.5倍でよい。水の量が
多すぎると添加する有機溶剤量が多くなり処理量が多く
なるので好ましくない。溶解速度を増し操作性を増すた
めに90℃以下の温度に加熱してもよい。
分離する工程 ジアルカリ塩水溶液に水溶性有機溶剤を添加して、BD
CA−ジアルカリ塩を析出せしめる水溶性有機溶剤は例え
ば、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のア
ルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、N,N′−ジメチルホルムアミド、N,N′−ジメチルア
セトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、ピリ
ジン等の有機酸を除く広範な水溶性有機溶剤を用いるこ
とができる。すなわち、有機溶剤は水溶性であれば混合
物であってもよい。有機溶剤の溶解度は20℃において10
0g/100g−H2O以上であり、好ましくは任意な割合で溶解
するのがよい。なお、有機溶剤の回収の面からは水と沸
点差があることが好ましく、水より沸点の低いものがよ
り好ましい。
アルカリ塩の10%以上、好ましくは50%以上を析出せし
める量を加えればよい。ジアルカリ塩水溶液は工程で
得られた水溶液を用いてもよいし、あらかじめ濃縮して
もよい。有機溶剤の添加方法は撹拌下に少量づつ添加す
るのが好ましい。また、この際に濃縮、冷却等の操作を
組合せてもよい。
過等の適当な手段で分離する。分離した結晶は有機溶剤
等でリスラリー洗浄やリンス洗浄し、母液を除去するの
が好ましい。使用した有機溶剤は蒸留等の適当な手段で
回収し、再使用できる。
溶解せしめたのち、HCl等の鉱酸又は酢酸等の有機酸を
添加すればよい。結晶を水に溶解せしめるとき必要に応
じての脱色工程をいれてもよい。酸は液のpHが6〜3
に到達する量を添加する。析出せしめた結晶は遠心分
離、濾過等の適当な手段で分離する。この結晶を水でリ
スラリー洗浄やリンス洗浄し結晶中の酸等を除去したの
ち、乾燥せしめ高純度のBDCAを得る。
撹拌し、固体吸着剤を分離除去する工程である。固体吸
着剤は活性炭、活性アルミナ、活性マグネシア等があ
り、活性炭が好ましい。使用量は粗BDCAに対して0.5〜3
0wt%でよい。また、ジアルカリ塩水溶液を固体吸着剤
層に通過せしめてもよい。
量%」である。純度は液体クロマトグラフィーによる測
定値である。
物を含む酸化触媒の存在下に酸化し得られた生成物を濾
過、洗浄、乾燥して粗4,4′−BDCAを得た。該粗4,4′−
BDCAは不純物を含み黄色で純度は95.0%であった。該粗
4,4′−BDCA100部に5%−KOH水溶液1000部を加え、撹
拌しながら70℃に加熱し溶解せしめた後、得られた4,
4′−BDCA−ジカリウム塩水溶液を濃縮し全量を800部と
した。活性炭5部を加えて撹拌後濾別し、濾液にアセト
ン1500部を添加して4,4′−ジアルカリ塩の結晶を析出
せしめた。該スラリー液を吸引濾過し得られたジアルカ
リ塩の結晶をアセトンでリンス洗浄した。この結晶を水
に溶解せしめたのち、5%−HClを液のpHが3に到達す
るまで添加した。析出せしめた結晶を吸引濾過し水でリ
スラリー洗浄、リンス洗浄を行ったのち乾燥せしめ、純
白な4,4′−BDCAの結晶を83部得た。このときの純度は9
9.9%、収率は87%であった。
に精製することができる。このような高純度のBDCAはポ
リマー原料として有用である。
Claims (1)
- 【請求項1】ビフェニルジカルボン酸のジアルカリ塩の
水溶液に、20℃における水への溶解度が100g/100g−H2O
以上である有機溶剤を添加することにより、ビフェニル
ジカルボン酸のジアルカリ塩を析出せしめる工程を含む
ことを特徴とするビフェニルジカルボン酸の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1085795A JP2664467B2 (ja) | 1989-04-06 | 1989-04-06 | ビフェニルジカルボン酸の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1085795A JP2664467B2 (ja) | 1989-04-06 | 1989-04-06 | ビフェニルジカルボン酸の精製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02264742A JPH02264742A (ja) | 1990-10-29 |
JP2664467B2 true JP2664467B2 (ja) | 1997-10-15 |
Family
ID=13868822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1085795A Expired - Lifetime JP2664467B2 (ja) | 1989-04-06 | 1989-04-06 | ビフェニルジカルボン酸の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2664467B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4839501B2 (ja) * | 1999-05-26 | 2011-12-21 | 三菱瓦斯化学株式会社 | 高純度芳香族ポリカルボン酸の製造方法 |
CN109671848B (zh) * | 2018-12-12 | 2020-05-19 | 华中科技大学 | CuPbSbS3新型薄膜太阳能电池及其制备方法 |
-
1989
- 1989-04-06 JP JP1085795A patent/JP2664467B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02264742A (ja) | 1990-10-29 |
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