JPH07326316A - 試料表面の微細加工方法および情報の記録・再生方法 - Google Patents
試料表面の微細加工方法および情報の記録・再生方法Info
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- JPH07326316A JPH07326316A JP6120188A JP12018894A JPH07326316A JP H07326316 A JPH07326316 A JP H07326316A JP 6120188 A JP6120188 A JP 6120188A JP 12018894 A JP12018894 A JP 12018894A JP H07326316 A JPH07326316 A JP H07326316A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 走査トンネル顕微鏡による試料表面の微再加
工および情報の記録・再生を再現性良く行う。 【構成】 探針を試料表面の加工指定位置に移動させた
のち、フィードバック回路サンプル・ホールド信号1を
ONにして探針試料間距離の制御を中断し、探針・試料
間電圧2を瞬間的に変化させて加工を行なうが、1回の
距離制御中断中に複数回探針・試料間電圧を変化させる
ことによって加工の成功確率を向上させる。1回目の探
針・試料電圧変化で穴が形成された場合、探針の位置は
固定されたままであるため、2回目以降の探針・試料間
電圧によって穴の形状が変化しにくい。
工および情報の記録・再生を再現性良く行う。 【構成】 探針を試料表面の加工指定位置に移動させた
のち、フィードバック回路サンプル・ホールド信号1を
ONにして探針試料間距離の制御を中断し、探針・試料
間電圧2を瞬間的に変化させて加工を行なうが、1回の
距離制御中断中に複数回探針・試料間電圧を変化させる
ことによって加工の成功確率を向上させる。1回目の探
針・試料電圧変化で穴が形成された場合、探針の位置は
固定されたままであるため、2回目以降の探針・試料間
電圧によって穴の形状が変化しにくい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は走査探針顕微鏡を用いた
試料表面の微細加工方法、特にそれを用いた情報の記録
・再生方法に関する。
試料表面の微細加工方法、特にそれを用いた情報の記録
・再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より固体表面の構造をnmオーダーで
観察できる装置として、走査トンネル顕微鏡(以後ST
Mと呼ぶ)が提案されている。STMは観察のみなら
ず、探針と試料の相互作用を用いてnmオーダーの微細加
工にも用いられている。STMによる微細加工は高密度
記録への展開が期待されている。高密度・大容量の記録
媒体として実用化されている光ディスクのビット面積は
1μm2程度であるので、STMによって形成される直径
数nmの穴や隆起を1ビットに対応させるとすれば、記録
密度は数万倍に向上する。また電子のコヒーレント長以
下の微細な構造にすることによってあらわれる量子効果
素子の作成にもSTMによる微細加工が期待されてお
り、研究が進められている。
観察できる装置として、走査トンネル顕微鏡(以後ST
Mと呼ぶ)が提案されている。STMは観察のみなら
ず、探針と試料の相互作用を用いてnmオーダーの微細加
工にも用いられている。STMによる微細加工は高密度
記録への展開が期待されている。高密度・大容量の記録
媒体として実用化されている光ディスクのビット面積は
1μm2程度であるので、STMによって形成される直径
数nmの穴や隆起を1ビットに対応させるとすれば、記録
密度は数万倍に向上する。また電子のコヒーレント長以
下の微細な構造にすることによってあらわれる量子効果
素子の作成にもSTMによる微細加工が期待されてお
り、研究が進められている。
【0003】従来このような微細加工の方法にSTMの
探針を試料表面の指定の場所で固定し、探針と試料の間
に1ms以下のパルス電圧を印加して微小な穴を形成する
方法がとられてきた。「アプライド・フィジックス・レ
ター61」(13)(1992),1528頁から1530頁(Appl.Phys.Le
tt.61(13)(1992)1528-1530)によれば、通常STM観察
をするとき、探針・試料間距離を一定に保つようフィー
ドバック制御しているが、試料表面の指定の場所に探針
を移動させ、フィードバック制御を止め圧電体の感度か
ら計算される電圧を圧電体に印加して探針を試料に観察
時より0.5nm接近させて固定し、試料探針間にパルス電
圧を印加して直径1nm以下の穴が形成されている。
探針を試料表面の指定の場所で固定し、探針と試料の間
に1ms以下のパルス電圧を印加して微小な穴を形成する
方法がとられてきた。「アプライド・フィジックス・レ
ター61」(13)(1992),1528頁から1530頁(Appl.Phys.Le
tt.61(13)(1992)1528-1530)によれば、通常STM観察
をするとき、探針・試料間距離を一定に保つようフィー
ドバック制御しているが、試料表面の指定の場所に探針
を移動させ、フィードバック制御を止め圧電体の感度か
ら計算される電圧を圧電体に印加して探針を試料に観察
時より0.5nm接近させて固定し、試料探針間にパルス電
圧を印加して直径1nm以下の穴が形成されている。
【0004】微細加工の原理は定かではないが、試料表
面の探針直下に瞬間的に高電界が発生し、この電界によ
って試料表面の物質をはぎとるものとされている。この
現象は電界蒸発とよばれている。またパルス電圧の立ち
上がりにおける電界の時間変化が影響するという説もあ
る(「アプライド・フィジックス・レター60」(19)2338
頁〜2340頁(1992)(Appl.Phys.Lett.60(19)2338-2340(1
992)))。
面の探針直下に瞬間的に高電界が発生し、この電界によ
って試料表面の物質をはぎとるものとされている。この
現象は電界蒸発とよばれている。またパルス電圧の立ち
上がりにおける電界の時間変化が影響するという説もあ
る(「アプライド・フィジックス・レター60」(19)2338
頁〜2340頁(1992)(Appl.Phys.Lett.60(19)2338-2340(1
992)))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな微細加工の方法は再現性が悪いという欠点がある。
従って、この方法で情報を記録するときに、穴または隆
起を形成したつもりが、実際には形成されておらず、再
生するときに情報を誤ってしまう恐れがあった。また加
工時に探針を試料に接近させる方法については、従来例
では探針を加工点まで移動させた後に、接近距離に相当
する圧電体の電圧を感度から計算して加えるが、この場
合は探針試料間の距離の初期値が分からないため探針を
試料に接触させてしまう危険性があった。
うな微細加工の方法は再現性が悪いという欠点がある。
従って、この方法で情報を記録するときに、穴または隆
起を形成したつもりが、実際には形成されておらず、再
生するときに情報を誤ってしまう恐れがあった。また加
工時に探針を試料に接近させる方法については、従来例
では探針を加工点まで移動させた後に、接近距離に相当
する圧電体の電圧を感度から計算して加えるが、この場
合は探針試料間の距離の初期値が分からないため探針を
試料に接触させてしまう危険性があった。
【0006】本発明はかかる点に鑑み、走査トンネル顕
微鏡による微細加工の再現性およびそれを用いた情報の
記録・再生の信頼性を向上させることを目的とする。
微鏡による微細加工の再現性およびそれを用いた情報の
記録・再生の信頼性を向上させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、走査トンネル顕微鏡を用いて、探針と試料の
間の距離制御を中断し、探針と試料の間の電圧を一時的
に変化させて戻す工程による試料表面の微細加工方法
で、1回の距離制御中断中に前記探針と試料の間の電圧
を一時的に変化させて戻す工程を複数回繰り返す試料表
面の微細加工方法およびこれを用いた情報の記録・再生
方法である。
するため、走査トンネル顕微鏡を用いて、探針と試料の
間の距離制御を中断し、探針と試料の間の電圧を一時的
に変化させて戻す工程による試料表面の微細加工方法
で、1回の距離制御中断中に前記探針と試料の間の電圧
を一時的に変化させて戻す工程を複数回繰り返す試料表
面の微細加工方法およびこれを用いた情報の記録・再生
方法である。
【0008】また、トンネル電流を設定値に保つよう探
針試料間距離を制御しながら加工点へ探針を移動させる
第1の工程と、探針と試料の間の電圧を一時的に変化さ
せて戻すことによって試料表面の微細領域の構造または
性質を変化させ情報を記録する第2の工程と、前記第1
の工程における設定値よりも小さい設定値に前記トンネ
ル電流を保つよう前記探針・試料間距離を制御しながら
試料表面を探針で走査して情報を再生する第3の工程か
らなる情報の記録・再生方法である。
針試料間距離を制御しながら加工点へ探針を移動させる
第1の工程と、探針と試料の間の電圧を一時的に変化さ
せて戻すことによって試料表面の微細領域の構造または
性質を変化させ情報を記録する第2の工程と、前記第1
の工程における設定値よりも小さい設定値に前記トンネ
ル電流を保つよう前記探針・試料間距離を制御しながら
試料表面を探針で走査して情報を再生する第3の工程か
らなる情報の記録・再生方法である。
【0009】
【作用】従来のこのような走査探針顕微鏡の微細加工方
法では、1回の探針試料間の距離制御中断中に、探針・
試料間の電圧を変化させる工程が1回しかなかった。1
回の電圧の変化で試料表面の構造が変化する確率をpと
すれば、n回の物理量の変化ではこの確率がn×pに向
上する。本発明では1回の距離制御中断中に複数回探針
・試料間電圧を変化させるために再現性を向上すること
ができる。
法では、1回の探針試料間の距離制御中断中に、探針・
試料間の電圧を変化させる工程が1回しかなかった。1
回の電圧の変化で試料表面の構造が変化する確率をpと
すれば、n回の物理量の変化ではこの確率がn×pに向
上する。本発明では1回の距離制御中断中に複数回探針
・試料間電圧を変化させるために再現性を向上すること
ができる。
【0010】本発明では試料表面に高電界がかかる時間
と、電圧変化の立ち上がり時の電界の時間の両方を増加
させるため試料表面の構造が変化する確率が向上する。
と、電圧変化の立ち上がり時の電界の時間の両方を増加
させるため試料表面の構造が変化する確率が向上する。
【0011】STMによる微細な穴形成を例に、さらに
詳細に説明する。STMでは探針は3次元方向に微動す
る圧電体にとりつけられている。フィードバック回路は
トンネル電流を一定に保つよう圧電体に電圧を印加し
て、探針と試料の間の距離を制御する。探針・試料間の
電圧を増加させると、同時に電流が増加するので、距離
を制御している状態では、探針が試料表面から離れてし
まい、試料表面に電界が効果的にかからない。そこで距
離制御を中断し、探針の位置を三次元的に固定してから
探針・試料間電圧を変化させる。
詳細に説明する。STMでは探針は3次元方向に微動す
る圧電体にとりつけられている。フィードバック回路は
トンネル電流を一定に保つよう圧電体に電圧を印加し
て、探針と試料の間の距離を制御する。探針・試料間の
電圧を増加させると、同時に電流が増加するので、距離
を制御している状態では、探針が試料表面から離れてし
まい、試料表面に電界が効果的にかからない。そこで距
離制御を中断し、探針の位置を三次元的に固定してから
探針・試料間電圧を変化させる。
【0012】図2は従来の方法におけるサンプル・ホー
ルド信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図であ
る。サンプル・ホールド信号21はフィードバック回路
の出力を制御する信号で、ONにすると入力に関わらず
直前の出力を保持する。サンプル・ホールド信号21を
ONにしてから、探針・試料間電圧22をパルス的に1
度だけ変化させるのが従来の方法である。
ルド信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図であ
る。サンプル・ホールド信号21はフィードバック回路
の出力を制御する信号で、ONにすると入力に関わらず
直前の出力を保持する。サンプル・ホールド信号21を
ONにしてから、探針・試料間電圧22をパルス的に1
度だけ変化させるのが従来の方法である。
【0013】図1は本発明におけるサンプル・ホールド
信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図である。サ
ンプル・ホールド信号1がONになっている間に、探針
・試料間電圧2をパルス的に複数回変化させるのが本発
明の特徴である。
信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図である。サ
ンプル・ホールド信号1がONになっている間に、探針
・試料間電圧2をパルス的に複数回変化させるのが本発
明の特徴である。
【0014】再現性の向上のためには、従来の方法を複
数回繰り返すことも考えられる。しかし従来法の繰り返
しでは1回目のパルス的電圧変化時に穴が形成された場
合、2回目の以降のパルス的電圧変化で穴の大きさを大
きくしてしまう恐れがある。図3に従来例による(a)サ
ンプル・ホールド信号と探針試料間電圧の時間変化を、
(b)探針と試料の位置関係の時間変化を示す。時刻ta
にサンプル・ホールド信号31がONになり、この後探
針・試料間電圧32がパルス的に変化する。パルス的電
圧変化直後の時刻tbでは、まだサンプル・ホールド信
号31がONのために、探針33と試料34の距離は時
刻taのそれに比べ大きくなっている。しかし、この後
サンプル・ホールド信号31が一旦OFFになり探針3
1が試料34に近づくため、時刻tcにサンプル・ホー
ルド信号31を再びONにしたときには探針33と試料
34の距離は時刻taのそれと同じになる。この距離で
2回目のパルス的電圧変化がおこなわれるため、変化後
の時刻tdでは穴の大きさはさらに大きくなってしま
う。
数回繰り返すことも考えられる。しかし従来法の繰り返
しでは1回目のパルス的電圧変化時に穴が形成された場
合、2回目の以降のパルス的電圧変化で穴の大きさを大
きくしてしまう恐れがある。図3に従来例による(a)サ
ンプル・ホールド信号と探針試料間電圧の時間変化を、
(b)探針と試料の位置関係の時間変化を示す。時刻ta
にサンプル・ホールド信号31がONになり、この後探
針・試料間電圧32がパルス的に変化する。パルス的電
圧変化直後の時刻tbでは、まだサンプル・ホールド信
号31がONのために、探針33と試料34の距離は時
刻taのそれに比べ大きくなっている。しかし、この後
サンプル・ホールド信号31が一旦OFFになり探針3
1が試料34に近づくため、時刻tcにサンプル・ホー
ルド信号31を再びONにしたときには探針33と試料
34の距離は時刻taのそれと同じになる。この距離で
2回目のパルス的電圧変化がおこなわれるため、変化後
の時刻tdでは穴の大きさはさらに大きくなってしま
う。
【0015】ところが本発明では探針の位置を固定した
ままで複数回パルス的に電圧を変化させるので、穴の大
きさが大きくなる可能性は小さい。図4に本発明による
(a)サンプル・ホールド信号と探針試料間電圧の時間変
化を、(b)探針と試料の位置関係の時間変化を示す。時
刻teにサンプル・ホールド信号41がONになり、こ
の後探針・試料間電圧42がパルス的に変化する。パル
ス的電圧変化直後の時刻tfでは、まだサンプル・ホー
ルド信号41がONのために、探針43と試料44の距
離は時刻teのそれに比べ大きくなっている。2回目の
パルス的電圧変化がおこなわれる時刻tgにおいても、
まだサンプル・ホールド信号がONのため、探針43と
試料44の距離は時刻teのそれに比べ大きく、パルス
的電圧変化時の探針43と試料44の間に発生する電界
は時刻teに比べ小さい。従って2回目のパルス的電圧
変化で、穴の大きさが大きく変化しないという特徴があ
る。
ままで複数回パルス的に電圧を変化させるので、穴の大
きさが大きくなる可能性は小さい。図4に本発明による
(a)サンプル・ホールド信号と探針試料間電圧の時間変
化を、(b)探針と試料の位置関係の時間変化を示す。時
刻teにサンプル・ホールド信号41がONになり、こ
の後探針・試料間電圧42がパルス的に変化する。パル
ス的電圧変化直後の時刻tfでは、まだサンプル・ホー
ルド信号41がONのために、探針43と試料44の距
離は時刻teのそれに比べ大きくなっている。2回目の
パルス的電圧変化がおこなわれる時刻tgにおいても、
まだサンプル・ホールド信号がONのため、探針43と
試料44の距離は時刻teのそれに比べ大きく、パルス
的電圧変化時の探針43と試料44の間に発生する電界
は時刻teに比べ小さい。従って2回目のパルス的電圧
変化で、穴の大きさが大きく変化しないという特徴があ
る。
【0016】なお、前回のパルス的電圧変化で試料表面
に穴を形成できなかったときは、探針・試料間距離は変
わらないので、再度のパルス電圧印加により穴を形成す
ることが可能である。
に穴を形成できなかったときは、探針・試料間距離は変
わらないので、再度のパルス電圧印加により穴を形成す
ることが可能である。
【0017】また本発明では上記のように穴が形成でき
たときは、探針・試料間距離が大きくなるためトンネル
電流が小さくなる。したがって、トンネル電流の変化か
ら試料表面の構造の変化を検出することが可能である。
たときは、探針・試料間距離が大きくなるためトンネル
電流が小さくなる。したがって、トンネル電流の変化か
ら試料表面の構造の変化を検出することが可能である。
【0018】また加工時に探針を試料に接近させる方法
については、トンネル電流を監視しながら接近させてい
るので接触する危険性はない。またあらかじめ接近した
状態で探針を次の加工点に移動するので、加工点に移動
する度に接近しなおす必要がないので、工程を一つ少な
くすることができる。
については、トンネル電流を監視しながら接近させてい
るので接触する危険性はない。またあらかじめ接近した
状態で探針を次の加工点に移動するので、加工点に移動
する度に接近しなおす必要がないので、工程を一つ少な
くすることができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。まず、図5に本発明を実施するにあ
たり使用したSTMの構成図を示す。
しながら説明する。まず、図5に本発明を実施するにあ
たり使用したSTMの構成図を示す。
【0020】図5に示すように、STMは、圧電体から
なる探針微動機構52に探針51が固定されており、探
針51は試料58と対向している。制御コンピュータ5
6は走査信号をピエゾアンプ55を通して探針微動機構
52に印加して、探針51を試料表面に平行な方向に走
査する。探針51と試料52の間に流れる電流は電流電
圧変換器53によって電圧に変換され、フィードバック
回路54に入力する。フィードバック回路54は入力値
とあらかじめ設定した値の差に応じた電圧をピエゾアン
プ55に出力する。ピエゾアンプ55の出力電圧は探針
微動機構52に印加され、探針51と試料58の距離を
制御する。
なる探針微動機構52に探針51が固定されており、探
針51は試料58と対向している。制御コンピュータ5
6は走査信号をピエゾアンプ55を通して探針微動機構
52に印加して、探針51を試料表面に平行な方向に走
査する。探針51と試料52の間に流れる電流は電流電
圧変換器53によって電圧に変換され、フィードバック
回路54に入力する。フィードバック回路54は入力値
とあらかじめ設定した値の差に応じた電圧をピエゾアン
プ55に出力する。ピエゾアンプ55の出力電圧は探針
微動機構52に印加され、探針51と試料58の距離を
制御する。
【0021】フィードバック回路54の出力または入力
(トンネル電流)は制御コンピュータ56に送られ画像
化されるとともに、オシロスコープ57にも送られその
時間変化を見ることが出来る。探針51の電位は接地電
位に固定され、試料58はパルス電圧発生器59から発
生するオフセット電位に保たれる。制御コンピュータ5
6はフィードバック回路54にサンプルホールド信号を
送り、サンプルホールド信号がONのときにはフィード
バック回路54は入力にかかわらず出力を保持する。制
御コンピュータ56はパルス電圧発生器59にトリガ信
号を送り、試料58の電位を瞬間的に変化させることが
できる。
(トンネル電流)は制御コンピュータ56に送られ画像
化されるとともに、オシロスコープ57にも送られその
時間変化を見ることが出来る。探針51の電位は接地電
位に固定され、試料58はパルス電圧発生器59から発
生するオフセット電位に保たれる。制御コンピュータ5
6はフィードバック回路54にサンプルホールド信号を
送り、サンプルホールド信号がONのときにはフィード
バック回路54は入力にかかわらず出力を保持する。制
御コンピュータ56はパルス電圧発生器59にトリガ信
号を送り、試料58の電位を瞬間的に変化させることが
できる。
【0022】試料は二硫化モリブデンを直前にへき開し
たもので、探針は電解研磨により先鋭化した白金イリジ
ウム合金(Pt80at%Ir20%)の細線で、先端曲率半径100n
m以下のものを用いた。試料電位とトンネル電流の設定
値は加工時も観察時も、それぞれ1.0V,0.1nAとした。
たもので、探針は電解研磨により先鋭化した白金イリジ
ウム合金(Pt80at%Ir20%)の細線で、先端曲率半径100n
m以下のものを用いた。試料電位とトンネル電流の設定
値は加工時も観察時も、それぞれ1.0V,0.1nAとした。
【0023】(比較例)ここで比較のため、上記STM
を使用した従来の方法による加工例を示す。まず試料の
1μm×1μmの領域の表面粗さをSTM測定したとこ
ろ、0.5nm程度であった。次に制御コンピュータ56に
500点の加工位置を指定して、パルス電圧印加による
加工を行った。
を使用した従来の方法による加工例を示す。まず試料の
1μm×1μmの領域の表面粗さをSTM測定したとこ
ろ、0.5nm程度であった。次に制御コンピュータ56に
500点の加工位置を指定して、パルス電圧印加による
加工を行った。
【0024】制御コンピュータ56は探針51を指定し
た位置にまで移動させたのちサンプルホールド信号を5
μsecONにしたまま、パルス電圧発生器59にトリガ
信号を送った。
た位置にまで移動させたのちサンプルホールド信号を5
μsecONにしたまま、パルス電圧発生器59にトリガ
信号を送った。
【0025】図6は従来の方法におけるサンプル・ホー
ルド信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図であ
る。図6に示すように、パルス電圧発生器59はサンプ
ルホールド信号がONになった時刻から約1μsec遅れ
て、高さ5.4V、幅300nsecのシングルパルスを出力し
た。指定した全点でのパルス電圧印加を終えてから、再
びSTM観察を行ったところ、500点のうち495点で直径
10nm、深さ1〜2nmの穴が形成されていたが、残り5点で
は穴は形成されていなかった。上記の500点の加工を
20回繰り返したところ、指定点で穴が形成されなかっ
た確率は平均1%であった。
ルド信号と探針・試料間電圧の時間変化を示す図であ
る。図6に示すように、パルス電圧発生器59はサンプ
ルホールド信号がONになった時刻から約1μsec遅れ
て、高さ5.4V、幅300nsecのシングルパルスを出力し
た。指定した全点でのパルス電圧印加を終えてから、再
びSTM観察を行ったところ、500点のうち495点で直径
10nm、深さ1〜2nmの穴が形成されていたが、残り5点で
は穴は形成されていなかった。上記の500点の加工を
20回繰り返したところ、指定点で穴が形成されなかっ
た確率は平均1%であった。
【0026】(実施例1)次に本発明による加工例を示
す。使用したSTM装置、試料、探針は比較例のものと
同じである。試料電位とトンネル電流の設定値は加工時
も観察時も、それぞれ1.0V,0.1nAとした。比較例と同じ
ように、1μm×1μmの領域を観察して試料の表面粗
さが十分に小さいことを確認したのち、制御コンピュー
タ56に500点の加工位置を指定して、パルス電圧印
加による加工を行った。制御コンピュータ56は探針5
1を指定された位置まで移動させたのちサンプルホール
ド信号を5μsecONにしたまま、パルス電圧発生器59
にトリガ信号を送った。
す。使用したSTM装置、試料、探針は比較例のものと
同じである。試料電位とトンネル電流の設定値は加工時
も観察時も、それぞれ1.0V,0.1nAとした。比較例と同じ
ように、1μm×1μmの領域を観察して試料の表面粗
さが十分に小さいことを確認したのち、制御コンピュー
タ56に500点の加工位置を指定して、パルス電圧印
加による加工を行った。制御コンピュータ56は探針5
1を指定された位置まで移動させたのちサンプルホール
ド信号を5μsecONにしたまま、パルス電圧発生器59
にトリガ信号を送った。
【0027】図7は本発明の実施例におけるサンプル・
ホールド信号および探針・試料間電圧の時間変化を示す
図である。パルス電圧発生器59は、図7に示すよう
に、サンプルホールド信号がONになった時刻から約1
μsec遅れて、高さ5.4V、幅300nsecのパルスを1μsec
の間隔で2度出力した。指定した全点でのパルス電圧印
加を終えてから、再びSTM観察を行ったところ、500
点のうち498点で直径10nm、深さ1〜2nmの穴が形成され
ていたが、残り2点では穴は形成されていなかった。上
記の500点の加工を20回繰り返したところ、指定点
で穴が形成されなかった確率は平均0.4%で、比較例に
比べ約0.6%減少した。
ホールド信号および探針・試料間電圧の時間変化を示す
図である。パルス電圧発生器59は、図7に示すよう
に、サンプルホールド信号がONになった時刻から約1
μsec遅れて、高さ5.4V、幅300nsecのパルスを1μsec
の間隔で2度出力した。指定した全点でのパルス電圧印
加を終えてから、再びSTM観察を行ったところ、500
点のうち498点で直径10nm、深さ1〜2nmの穴が形成され
ていたが、残り2点では穴は形成されていなかった。上
記の500点の加工を20回繰り返したところ、指定点
で穴が形成されなかった確率は平均0.4%で、比較例に
比べ約0.6%減少した。
【0028】なお、本実施例ではパルスの印加回数を2
回にしているが、2回に限定するものではなく3回以上
でもよい。ただし、パルス的電圧変化回数を増やすと、
1点あたりの加工時間が長くなりスループットが悪くな
る。したがって、パルス的電圧変化をするたびにトンネ
ル電流の変化を制御コンピュータ56で検出し、トンネ
ル電流が減少する、すなわち穴が形成されて探針試料間
距離が大きくなった時点で、その位置でのパルス的電圧
変化を終了させることが望ましい。
回にしているが、2回に限定するものではなく3回以上
でもよい。ただし、パルス的電圧変化回数を増やすと、
1点あたりの加工時間が長くなりスループットが悪くな
る。したがって、パルス的電圧変化をするたびにトンネ
ル電流の変化を制御コンピュータ56で検出し、トンネ
ル電流が減少する、すなわち穴が形成されて探針試料間
距離が大きくなった時点で、その位置でのパルス的電圧
変化を終了させることが望ましい。
【0029】また、印加するパルス電圧の極性を逆にす
ると電界の方向が逆になり、探針先端の物質がとんで試
料表面の探針直下に付着して隆起を形成する。この場合
図8に示すように、穴が形成された場合と違って、隆起
が形成される前後で探針・試料間距離はほとんど変わら
ないので、2回目以降のパルス的電圧変化で隆起が必要
以上に大きくなってしまう恐れがある。したがって隆起
が形成される場合は、パルス的電圧変化の度にトンネル
電流の変化を制御コンピュータで検出し、隆起が形成さ
れた時点でパルス的電圧変化を終了することが望まし
い。
ると電界の方向が逆になり、探針先端の物質がとんで試
料表面の探針直下に付着して隆起を形成する。この場合
図8に示すように、穴が形成された場合と違って、隆起
が形成される前後で探針・試料間距離はほとんど変わら
ないので、2回目以降のパルス的電圧変化で隆起が必要
以上に大きくなってしまう恐れがある。したがって隆起
が形成される場合は、パルス的電圧変化の度にトンネル
電流の変化を制御コンピュータで検出し、隆起が形成さ
れた時点でパルス的電圧変化を終了することが望まし
い。
【0030】なお、二硫化モリブデンの他に二セレン化
タングステンなどのカルコゲナイドの層状物質や、高配
向性グラファイト、雲母基板の上に蒸着した金の薄膜な
どを試料にした場合も同様な結果が得られた。
タングステンなどのカルコゲナイドの層状物質や、高配
向性グラファイト、雲母基板の上に蒸着した金の薄膜な
どを試料にした場合も同様な結果が得られた。
【0031】(実施例2)本実施例は微細加工を行なう
前にトンネル電流の設定値を大きくし、探針を試料に近
づけた状態で微細加工および複数の加工点間の移動を行
い、その後トンネル電流の設定値を小さくして探針を試
料から離した状態で試料表面の観察を行なった例であ
る。穴の形成は実施例1による方法を用い、試料は二硫
化モリブデンを直前にへき開したもので、探針は電解研
磨により先鋭化した白金イリジウム合金(Pt80at%Ir20
%)の細線で、先端曲率半径100nm以下のものを用いた。
前にトンネル電流の設定値を大きくし、探針を試料に近
づけた状態で微細加工および複数の加工点間の移動を行
い、その後トンネル電流の設定値を小さくして探針を試
料から離した状態で試料表面の観察を行なった例であ
る。穴の形成は実施例1による方法を用い、試料は二硫
化モリブデンを直前にへき開したもので、探針は電解研
磨により先鋭化した白金イリジウム合金(Pt80at%Ir20
%)の細線で、先端曲率半径100nm以下のものを用いた。
【0032】試料電位は1.0Vに固定したまま、記録の工
程と再生の工程におけるトンネル電流の設定値を変化さ
せた。またパルス電圧の高さも変化させ、穴が形成され
る最小の電圧である穴形成しきい値電圧を求めた。(表
1)に記録の工程と再生の工程におけるトンネル電流の
設定値と再生時に観察された穴の大きさと穴形成しきい
値電圧を示す。
程と再生の工程におけるトンネル電流の設定値を変化さ
せた。またパルス電圧の高さも変化させ、穴が形成され
る最小の電圧である穴形成しきい値電圧を求めた。(表
1)に記録の工程と再生の工程におけるトンネル電流の
設定値と再生時に観察された穴の大きさと穴形成しきい
値電圧を示す。
【0033】
【表1】
【0034】再生時のトンネル電流の設定値を10nAとし
たときには、穴の端が長い尾をひくように観察され、全
体的にノイズが大きかった。10回程度観察を繰り返す
と穴の形状が大きくなるのが観察された。これは試料の
二硫化モリブデンの導電性が不十分で探針を走査したと
きに試料表面に接触しかかっている状態であるためと思
われる。トンネル電流の設定値が0.3nAのときには安定
な観察が行えた。
たときには、穴の端が長い尾をひくように観察され、全
体的にノイズが大きかった。10回程度観察を繰り返す
と穴の形状が大きくなるのが観察された。これは試料の
二硫化モリブデンの導電性が不十分で探針を走査したと
きに試料表面に接触しかかっている状態であるためと思
われる。トンネル電流の設定値が0.3nAのときには安定
な観察が行えた。
【0035】記録時のトンネル電流の設定値が10nAのと
きは0.3nAのときよりも穴形成しきい値電圧が小さく、
また穴の直径の大きさのばらつきが小さかった。一般に
探針が試料に0.1nm近づくとトンネル電流は10倍になる
といわれ、これから記録時のトンネル電流の設定値を0.
3nAから10nAにすることによって、探針は0.2nm程度試料
に近づいていると思われる。したがって試料表面の電界
蒸発をおこすための電界をより小さい電圧で発生できる
ためと思われる。以上から再生時はトンネル電流の設定
値を小さく、記録時にはトンネル電流の設定を大きくし
たほうが望ましいということが言える。
きは0.3nAのときよりも穴形成しきい値電圧が小さく、
また穴の直径の大きさのばらつきが小さかった。一般に
探針が試料に0.1nm近づくとトンネル電流は10倍になる
といわれ、これから記録時のトンネル電流の設定値を0.
3nAから10nAにすることによって、探針は0.2nm程度試料
に近づいていると思われる。したがって試料表面の電界
蒸発をおこすための電界をより小さい電圧で発生できる
ためと思われる。以上から再生時はトンネル電流の設定
値を小さく、記録時にはトンネル電流の設定を大きくし
たほうが望ましいということが言える。
【0036】(実施例3)本実施例はSTMを用いて、
ASCIIコードによって2進コード化した文字列を記
録・再生した実施例である。試料は二硫化モリブデンを
直前にへき開したもので、探針は電解研磨により先鋭化
した白金イリジウム合金(Pt80at%Ir20%)の細線で、先
端曲率半径100nm以下のものを用いた。使用したSTM
装置は実施例1で使用したものと同じである。なお、記
録・再生ともに試料電位は1.0Vにした。
ASCIIコードによって2進コード化した文字列を記
録・再生した実施例である。試料は二硫化モリブデンを
直前にへき開したもので、探針は電解研磨により先鋭化
した白金イリジウム合金(Pt80at%Ir20%)の細線で、先
端曲率半径100nm以下のものを用いた。使用したSTM
装置は実施例1で使用したものと同じである。なお、記
録・再生ともに試料電位は1.0Vにした。
【0037】トンネル電流を0.1nAに設定して試料表面
の5μm×5μm領域をSTMで観察し、試料表面が十
分に平坦であることを確認した後、トンネル電流を10nA
に設定し、試料表面の1点に直径30nmの隆起を形成して
始点とした。始点を含むSTMの走査線上の右側、50nm
間隔を記録点とし、2進コードのビット列を順に読み取
りビットが1のときは穴を形成して次の記録点に探針を
移動させ、0のときは微細加工を行なわずに次の記録点
に探針を移動させた。穴の形成には図7に示したような
サンプル・ホールド信号と探針試料電圧の変化を与え
た。このようにして記録したのちトンネル電流の設定値
を0.1nAに戻してSTM観察を行なった。STM画像か
ら隆起を含む走査線上の隆起から50nmおきの記録場所の
凹凸を調べ、記録場所の周囲に比べ凹んでいる場合を
1、周囲とほぼ同じ高さの場合を0としてビット列を再
生し、ビット列を解読した結果「123456789」
と記録したのと同じ文字列を得ることができた。この操
作を100回繰り返したが文字列を誤って記録・再生し
た確率は0.4%であった。
の5μm×5μm領域をSTMで観察し、試料表面が十
分に平坦であることを確認した後、トンネル電流を10nA
に設定し、試料表面の1点に直径30nmの隆起を形成して
始点とした。始点を含むSTMの走査線上の右側、50nm
間隔を記録点とし、2進コードのビット列を順に読み取
りビットが1のときは穴を形成して次の記録点に探針を
移動させ、0のときは微細加工を行なわずに次の記録点
に探針を移動させた。穴の形成には図7に示したような
サンプル・ホールド信号と探針試料電圧の変化を与え
た。このようにして記録したのちトンネル電流の設定値
を0.1nAに戻してSTM観察を行なった。STM画像か
ら隆起を含む走査線上の隆起から50nmおきの記録場所の
凹凸を調べ、記録場所の周囲に比べ凹んでいる場合を
1、周囲とほぼ同じ高さの場合を0としてビット列を再
生し、ビット列を解読した結果「123456789」
と記録したのと同じ文字列を得ることができた。この操
作を100回繰り返したが文字列を誤って記録・再生し
た確率は0.4%であった。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、走査トン
ネル顕微鏡による微細加工の再現性を向上し、また記録
・再生の信頼性を向上することができる。
ネル顕微鏡による微細加工の再現性を向上し、また記録
・再生の信頼性を向上することができる。
【図1】本発明のサンプル・ホールド信号と探針・試料
間電圧の時間変化を示す図
間電圧の時間変化を示す図
【図2】従来例のサンプル・ホールド信号と探針・試料
間電圧の時間変化を示す図
間電圧の時間変化を示す図
【図3】(a)は従来例のサンプル・ホールド信号と探
針試料間電圧の時間変化を示す図 (b)は同探針と試料の位置関係の時間変化を示す図
針試料間電圧の時間変化を示す図 (b)は同探針と試料の位置関係の時間変化を示す図
【図4】(a)は本発明のサンプル・ホールド信号と探
針試料間電圧の時間変化を示す図 (b)は同探針と試料の位置関係の時間変化を示す図
針試料間電圧の時間変化を示す図 (b)は同探針と試料の位置関係の時間変化を示す図
【図5】本発明および従来例で使用する走査トンネル顕
微鏡の構成を示す図
微鏡の構成を示す図
【図6】従来例のサンプル・ホールド信号と探針・試料
間電圧の時間変化を示す図
間電圧の時間変化を示す図
【図7】本発明の一実施例におけるサンプル・ホールド
信号および探針・試料間電圧の時間変化を示す図
信号および探針・試料間電圧の時間変化を示す図
1 フィードバック回路サンプル・ホールド信号 2 探針・試料間電圧 41 サンプル・ホールド信号 42 探針・試料間電圧 43 探針 44 試料 51 探針 52 探針微動機構 53 電流電圧変換器 54 フィードバック回路 55 ピエゾアンプ 56 制御コンピュータ 57 オシロスコープ 58 試料 59 パルス電圧発生器 71 サンプル・ホールド信号 72 探針試料間電圧
Claims (5)
- 【請求項1】走査トンネル顕微鏡を用いて、探針と試料
の間の距離制御を中断し、前記探針と前記試料の間の電
圧を一時的に変化させて戻す工程による試料表面の微細
加工方法であって、1回の距離制御中断中に前記探針と
前記試料の間の電圧を一時的に変化させて戻す工程を複
数回繰り返すことを特徴とする試料表面の微細加工方
法。 - 【請求項2】探針と試料との距離の変化を検出し前記距
離の変化に基づいて、前記探針と前記試料の間の電圧を
一時的に変化させて戻す工程の繰り返しを中断すること
を特徴とした請求項1記載の試料表面の微細加工方法。 - 【請求項3】請求項1または2記載の試料表面の微細加
工方法により情報を記録し、走査トンネル顕微鏡を用い
て試料表面の電子的な凹凸を観察することにより記録さ
れた情報を再生することを特徴とする情報の記録・再生
方法。 - 【請求項4】走査トンネル顕微鏡を用いた情報の記録・
再生方法で、トンネル電流を設定値に保つよう探針試料
間距離を制御しながら加工点へ探針を移動させる第1の
工程と、前記探針と前記試料の間の電圧を一時的に変化
させて戻すことによって前記試料表面の微細領域の構造
または性質を変化させ情報を記録する第2の工程と、前
記第1の工程における設定値よりも小さい設定値に前記
トンネル電流を保つよう前記探針・試料間距離を制御し
ながら試料表面を前記探針で走査して情報を再生する第
3の工程からなる情報の記録・再生方法。 - 【請求項5】第2の工程が請求項1または請求項2記載
の試料表面の微細加工方法であることを特徴とする請求
項4記載の情報の記録・再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6120188A JPH07326316A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 試料表面の微細加工方法および情報の記録・再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6120188A JPH07326316A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 試料表面の微細加工方法および情報の記録・再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07326316A true JPH07326316A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=14780094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6120188A Pending JPH07326316A (ja) | 1994-06-01 | 1994-06-01 | 試料表面の微細加工方法および情報の記録・再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07326316A (ja) |
-
1994
- 1994-06-01 JP JP6120188A patent/JPH07326316A/ja active Pending
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