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JPH07326286A - 電界放出型マイクロカソードの製造方法 - Google Patents

電界放出型マイクロカソードの製造方法

Info

Publication number
JPH07326286A
JPH07326286A JP11658894A JP11658894A JPH07326286A JP H07326286 A JPH07326286 A JP H07326286A JP 11658894 A JP11658894 A JP 11658894A JP 11658894 A JP11658894 A JP 11658894A JP H07326286 A JPH07326286 A JP H07326286A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
film
microcathode
buffer layer
cathode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11658894A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Tatsumi
哲也 辰巳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11658894A priority Critical patent/JPH07326286A/ja
Publication of JPH07326286A publication Critical patent/JPH07326286A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な形状および高さのマイクロカソードを
形成することができるマイクロカソードの製造方法を提
供すること。 【構成】 基板30の表面に、絶縁層32、次いで導電
層35を少なくとも成膜する工程と、導電層35の上
に、緩衝層37を形成する工程と、この緩衝層37の上
にレジスト膜38を形成する工程と、カソード孔44が
形成される予定の所定パターンでレジスト膜38をパタ
ーン加工する工程と、レジスト膜38をマスクとしてパ
ターン加工を行い、緩衝層37、導電層35および絶縁
層32にカソード孔44を形成する工程と、緩衝層37
を除去する工程と、絶縁層32に形成されたカソード孔
44内に、マイクロカソード50を形成する工程とを有
するマイクロカソードの製法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば平面表示装置
または撮像素子などとして用いることができる電界放出
型マイクロカソードの製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】平面ディスプレイは、小型コンピュータ
あるいはワードプロセッサの表示装置、あるいは壁掛け
テレビなどとして、ブラウン管に代わる技術として近年
注目を集めている。中でも、電界放出型ディスプレイ
(FED)は、高輝度かつ高速応答性を実現することが
できるため、現在主流の液晶ディスプレイよりも優れた
特性を有する。
【0003】FEDにおける製造プロセスのキーテクノ
ロジーは、電界放出型マイクロカソードの形成工程であ
る。電界放出型マイクロカソードは、円錐状の鋭角なカ
ソードであるが、図3に示すように、従来例に係る半導
体装置の製造プロセス技術を応用して作製される。
【0004】従来例に係る電界放出型マイクロカソード
の製造方法の概略を図3に基づき説明する。図3(A)
に示すように、シリコン基板2の上に、タングステンシ
リサイド膜3、酸化シリコン膜4、ポリシリコン膜6お
よびタングステンシリサイド膜8を順次成膜する。その
上に、レジスト膜10を形成し、フォトリソグラフィー
法により、カソード孔に対応するパターンでレジスト膜
10をパターン加工し、開口部12を形成する。
【0005】次に、同図(B)に示すように、開口部1
2が形成されたレジスト膜10をマスクとして、まずタ
ングステンシリサイド膜8およびポリシリコン膜6をR
IEなどでエッチング加工する。次に、同じレジスト膜
10をマスクとして、同図(C)に示すように、酸化シ
リコン膜4をエッチング加工し、カソード孔16を形成
する。
【0006】次に、同図(D)に示すように、レジスト
膜10を除去し、同図(E)に示すように、タングステ
ンシリサイド膜8の上に、剥離層であるアルミニウム層
18を成膜する。その後、同図(F)に示すように、シ
リコン基板2の全表面に、モリブデン(Mo)層22を
スパッタリング法または蒸着法により成膜する。その際
に、酸化シリコン膜4に形成されたカソード孔16内の
タングステンシリサイド膜3上には、Moで構成される
先端鋭角円錐状のマイクロカソード20が形成される。
【0007】その後、同図(G)に示すように、剥離層
であるアルミニウム層18をウェットエッチングにより
除去すれば、アルミニウム層18の上に堆積したMo層
22も除去され、カソード孔16内にマイクロカソード
20が残る。その後、シリコン基板2の上に、蛍光体膜
が形成された透明基板または透明導電膜が形成された透
明基板などが真空状態で張り合わされ、FEDまたは撮
像素子が形成される。
【0008】タングステンシリサイド膜8などで構成さ
れるグリッド電極を走査することなどにより、マイクロ
カソード20からは、張り合わされる透明基板側に向け
て、電子が放出され、FEDまたは撮像素子として機能
する。したがって、マイクロカソード20の形状、特に
高さは、均一であることが必要であり、これらが不均一
に形成されると、画素欠陥となるおそれがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来例に係
るマイクロカソードの製造方法では、これらマイクロカ
ソードを均一な形状および高さで形成することが困難で
あった。その理由を次に説明する。
【0010】マイクロカソードの形状を大きく左右する
のは、Mo層22をスパッタリング法などで形成する際
のカバレッジである。このカバレッジは、Mo層22の
下地となるタングステンシリサイド膜8の形状変化に非
常に敏感である。タングステンシリサイド膜8の形状変
化は、図3(B),(C)に示す酸化シリコン膜4のエ
ッチング加工工程に基づくレジスト膜10の開口部12
のテーパ状削れなどが原因となっている。
【0011】すなわち、このエッチング加工により、レ
ジスト膜10もエッチングされ、その開口部12の形状
が変化し、タングステンシリサイド膜の開口部に肩落ち
部またはテーパ部が生じ、それが原因で、マイクロカソ
ードの高さまたは形状が変化すると言う課題を有してい
る。たとえば、タングステンシリサイド膜8の開口部が
テーパ状になると、図3(F)に示すように、Mo層2
2のカバレッジが変化し、Mo層22の開口部が閉じる
までの時間が長くなり、開口部が閉じない部分に対応す
るカソード孔16内に形成されるマイクロカソード20
の高さが他の部分に比較して高くなる。
【0012】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、均一な形状および高さのマイクロカソードを形成す
ることができるマイクロカソードの製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るマイクロカソードの製造方法は、基板
の表面に、絶縁層、次いで導電層を少なくとも成膜する
工程と、上記導電層の上に、緩衝層を形成する工程と、
この緩衝層の上にレジスト膜を形成する工程と、カソー
ド孔が形成される予定の所定パターンで上記レジスト膜
をパターン加工する工程と、上記レジスト膜をマスクと
してパターン加工を行い、上記緩衝層、導電層および絶
縁層にカソード孔を形成する工程と、上記緩衝層を除去
する工程と、上記絶縁層に形成されたカソード孔内に、
マイクロカソードを形成する工程とを有する。
【0014】上記導電層としては、特に限定されず、タ
ングステンシリサイド(WSi)、ポリシリコン膜、あ
るいはWSix 、MoSix 、TaSix などの高融点
金属シリサイド、あるいは高融点金属、あるいはこれら
の積層構造などを例示することができる。
【0015】上記緩衝層の層厚が、50〜300nmで
あることが好ましい。この緩衝層の層厚が余りに厚い
と、カソード孔を形成するためのアスペクト比が増大す
ることから好ましくない。上記緩衝層は、ポリシリコン
層、非晶質シリコン層およびアルミニウム層のうちのい
ずれかで構成することができる。このような材質の緩衝
層を用いる場合には、緩衝層の除去は、HBrまたはH
Iを含むガス系のエッチング処理により行われる。
【0016】また、この緩衝層は、酸化シリコン層、窒
化シリコン層および酸窒化シリコン層のうちのいずれか
で構成することもできる。このような材質の緩衝層を用
いる場合には、緩衝層の除去は、HFなどを用いたウェ
ットエッチング処理により行われる。緩衝層が、このよ
うな絶縁層で構成される場合には、緩衝層をエッチング
により除去する際に、カソード孔の内壁に相当する上記
絶縁層を同時に後退させることもできる。
【0017】
【作用】緩衝層の上にレジスト膜を形成し、このレジス
ト膜をマスクとして、緩衝層の下部に位置する導電層お
よび絶縁層をエッチング加工する。その際に、レジスト
膜もエッチング加工され、その下部に位置する緩衝層の
開口部側壁も削られるが、その緩衝層は、緩衝層の下部
に位置する導電層の開口部側壁が削られることを保護す
る。その結果、導電層に形成される開口部の側壁形状が
均一になり、その後の工程で、マイクロカソードを均一
な形状および高さで形成することができる。
【0018】緩衝層をエッチングにより除去する際に、
カソード孔の内壁に相当する絶縁層を同時に後退させる
場合には、カソード材成膜時の短絡を防止することがで
きるので都合がよい。
【0019】
【実施例】以下、本発明に係るマイクロカソードの製造
方法を、図面に示す実施例に基づき、詳細に説明する。
図1(A)〜(G)は本発明の第1実施例に係るマイク
ロカソードの製造方法を示す要部断面図、図2(A)〜
(G)は本発明の第2実施例に係るマイクロカソードの
製造方法を示す要部断面図である。
【0020】第1実施例 本実施例に係るマイクロカソードの製造方法では、ま
ず、図1(A)に示すように、半導体基板30の上に、
下部導電層31、絶縁層32および上部導電層35を順
次成膜する。半導体基板30としては、たとえば単結晶
シリコン基板が用いられる。下部導電層31としては、
たとえばタングステンシリサイド膜が用いられるが、こ
れに限らず、その他の高融点金属シリサイド、ポリシリ
コン膜、非晶質シリコン膜、あるいは半導体基板30上
に形成した不純物拡散層であっても良い。タングステン
シリサイド膜で構成される下部電極31は、たとえば以
下の条件でCVDにより成膜される。CVD原料ガスと
して、WF6 とSiH4 とHeとを用い、WF6 /Si
4 /Heの流量比が、3/300/500SCCM、雰囲
気圧力が70Pa、基板温度が360°Cの条件であ
る。
【0021】絶縁層32としては、CVDあるいは熱酸
化法により成膜される酸化シリコンが用いられる。酸化
シリコン膜で構成される絶縁層32は、たとえば以下の
条件でCVDにより成膜される。CVD原料ガスとし
て、TEOS(TetraethyloxysilaneまたはTetraethylo
rthosilicate,Si(OC254 )とO2 とを用
い、TEOS/O2 の流量比が、500/1000SCC
M、雰囲気圧力が5Pa、基板温度が400°Cの条件
である。絶縁層32の層厚は、たとえば1.0μm であ
る。
【0022】上部導電層35は、特に限定されないが、
本実施例では、n+ の導電型のポリシリコン膜34とタ
ングステンシリサイド膜36との積層膜であるポリサイ
ド膜が用いられる。この上部導電層35は、たとえばマ
イクロカソードのグリッドとして機能する。
【0023】ポリシリコン膜34の膜厚は、たとえば5
0nmである。タングステンシリサイド膜36の膜厚
は、たとえば150nmである。ポリシリコン膜34お
よびタングステンシリサイド膜36は、たとえばCVD
により成膜される。ポリシリコン膜34は、たとえば以
下の条件で成膜される。CVD原料ガスとして、SiH
4 とPH3 とを用い、SiH4 /PH3 の流量比が、5
00/0.3SCCM、雰囲気圧力が100Pa、基板温度
が500°Cの条件である。タングステンシリサイド膜
36は、たとえば以下の条件で成膜される。CVD原料
ガスとして、WF 6 とSiH4 とHeとを用い、WF6
/SiH4 /Heの流量比が、3/300/500SCC
M、雰囲気圧力が70Pa、基板温度が360°Cの条
件である。
【0024】本実施例では、この上部導電層35の上
に、緩衝層37を成膜する。この緩衝層37は、従来例
に係る製造プロセスにはない層であり、本実施例では、
ポリシリコン膜で構成される。ポリシリコン膜で構成さ
れる緩衝層37は、たとえば以下の条件でCVDにより
成膜される。CVD原料ガスとして、SiH4 とPH3
とを用い、SiH4 /PH3 の流量比が、500/0.
3SCCM、雰囲気圧力が100Pa、基板温度が500°
Cの条件である。
【0025】次に、この緩衝層37の上にレジスト膜3
8を成膜し、このレジスト膜38に、フォトリソグラフ
ィー法により、カソード孔に対応する所定のパターン
で、開口部40を形成する。この開口部40の内径は、
カソード孔の内径に相当し、たとえば0.8μm 程度で
ある。
【0026】次に、このレジスト膜38が形成された半
導体基板30を、プラズマエッチング装置内に設置し、
レジスト膜38をマスクとして、エッチング加工を行
う。プラズマエッチング装置としては、特に限定されな
いが、たとえばマイクロ波電子サイクロトロン共鳴プラ
ズマ(ECR)エッチング装置、誘導コイル型プラズマ
(ICP)エッチング装置、ヘリコン波利用プラズマエ
ッチング装置、トランス結合プラズマ(TCP)エッチ
ング装置などを例示することができる。
【0027】まず、たとえばECRエッチング装置を用
い、下記の条件で、緩衝層37、タングステンシリサイ
ド膜36およびポリシリコン膜34を連続エッチングす
る。エッチングガスとしては、Cl2 とO2 との混合ガ
スを用い、Cl2 /O2 の流量比を70/10SCCMとす
る。雰囲気圧力は、0.4Paである。また、マイクロ
波パワーは、850Wであり、高周波(RF)パワーは
40Wであり、基板温度は、10°Cである。
【0028】続いて、図1(B)に示すように、たとえ
ば以下に示す条件で絶縁層32をエッチング加工する。
エッチングガスとしては、CHF3 とCH22 との混
合ガスを用い、CHF 3 /CH22 の流量比を50/
10SCCMとする。雰囲気圧力は、0.3Paである。ま
た、マイクロ波パワーは、850Wであり、高周波(R
F)パワーは300W(800kHz)であり、基板温
度は、−50°Cである。
【0029】この多層膜の連続エッチングにおいて、高
エネルギー条件の過剰なるオーバーエッチングにより、
レジスト膜38が後退し、その開口部40の側壁も削ら
れ、その下層に位置する緩衝層37も一部エッチングさ
れて、テーパ形状が形成される。これは、上部導電層3
5および絶縁層32を同一のレジスト膜38でエッチン
グ加工するために、レジスト膜38がプラズマエッチン
グに曝される時間が、従来のコンタクトホール形成用エ
ッチング技術に比較して長くなったためと考えられる。
しかしながら、本実施例では、緩衝層37があるため、
上部導電層35の開口部側壁までもオーバエッチングさ
れることはない。
【0030】次に、図1(C)に示すように、レジスト
膜38をレジストアッシングにより除去し、続いて、図
1(D)に示すように、緩衝層37を除去する。レジス
トアッシングは、500SCCMのO2 を用い、雰囲気圧力
3.0Pa、基板温度200°C、高周波(RF)パワ
ー300Wの条件で行う。ポリシリコン膜で構成される
緩衝層37の除去は、120SCCMのHBrを用い、雰囲
気圧力0.4Pa、基板温度−10°C、高周波(R
F)パワー300Wの条件で行う。この条件では、ポリ
シリコン膜である緩衝層37のみが選択的にエッチング
除去され、その下の上部導電層35のタングステンシリ
サイド膜36は除去されない。なぜなら、タングステン
シリサイドWSiは、Wの臭化物の蒸気圧が低いため削
れない。したがって、この時点で、テーパもしくは肩落
ちのない上部導電層35が得られる。結果として、良好
な垂直異方性のエッチングが可能となる。
【0031】次に、図1(E)に示すように、電子ビー
ム蒸着法などを用いて、タングステンシリサイド膜36
の上に、剥離層46を形成する。剥離層46は、たとえ
ばアルミニウム金属層などで構成される。その剥離層4
6の層厚は、特に限定されないが、たとえば50nm程
度である。電子ビーム蒸着時の基板角度は、約20度程
度が好ましい。雰囲気圧力は、たとえば1.0Paであ
る。
【0032】次に、図1(F)に示すように、たとえば
電子ビーム蒸着法を用いて、剥離層46の上にカソード
形成層48を堆積させる。カソード形成層48として
は、好適にはモリブデン(Mo)を用いるが、その他の
高融点金属、あるいはその他の金属、化合物などを使用
することもできる。電子ビーム蒸着時の基板の角度は、
約90度が好ましい。カソード形成層48を約1.0μ
m の層厚で形成することで、カソード孔44の底部に位
置する基板30の表面には、鋭角円錐状のカソード50
が均一な形状および高さで形成される。各カソード50
の形状、特に高さは、カソード形成層48の各開口部4
8aが閉じるまでの時間などに依存する。本実施例で
は、タングステンシリサイド膜36の開口部40の側壁
に、テーパや肩落ちがないことから、その各開口部48
aが閉じるまでの時間も一定であり、各カソード50の
形状、特に高さを均一にすることができる。
【0033】次に、図1(G)に示すように、水:フッ
酸が約5:1の割合のフッ酸でウエットエッチング(約
30秒)を行い、アルミニウムなどで構成される剥離層
46をエッチング除去し、その上に位置するカソード形
成層48をリフトオフ除去する。カソード孔44内に
は、均一形状および高さのマイクロカソード20が残
る。
【0034】その後は、基板30の上に、蛍光体膜が形
成された透明基板または透明導電膜が形成された透明基
板などを真空状態で張り合せて、FEDまたは撮像素子
が形成される。第2実施例 本実施例では、緩衝膜として酸化シリコン膜を用いる。
【0035】以下、詳細に説明する。まず、図2(A)
に示すように、半導体基板30の上に、下部導電層3
1、絶縁層32および上部導電層35を順次成膜する。
半導体基板30としては、たとえば単結晶シリコン基板
が用いられる。下部導電層31としては、たとえばタン
グステンシリサイド膜が用いられるが、これに限らず、
その他の高融点金属シリサイド、ポリシリコン膜、非晶
質シリコン膜、あるいは半導体基板30上に形成した不
純物拡散層であっても良い。タングステンシリサイド膜
で構成される下部電極31は、たとえば以下の条件でC
VDにより成膜される。CVD原料ガスとして、WF6
とSiH4 とHeとを用い、WF6 /SiH4 /Heの
流量比が、3/300/500SCCM、雰囲気圧力が70
Pa、基板温度が360°Cの条件である。
【0036】絶縁層32としては、CVDあるいは熱酸
化法により成膜される酸化シリコンが用いられる。酸化
シリコン膜で構成される絶縁層32は、たとえば以下の
条件でCVDにより成膜される。CVD原料ガスとし
て、TEOSとO2 とを用い、TEOS/O2 の流量比
が、500/1000SCCM、雰囲気圧力が5Pa、基板
温度が400°Cの条件である。絶縁層32の層厚は、
たとえば1.0μm である。
【0037】上部導電層35は、特に限定されないが、
本実施例では、n+ の導電型のポリシリコン膜34とタ
ングステンシリサイド膜36との積層膜であるポリサイ
ド膜が用いられる。この上部導電層35は、たとえばマ
イクロカソードのグリッドとして機能する。
【0038】ポリシリコン膜34の膜厚は、たとえば5
0nmである。タングステンシリサイド膜36の膜厚
は、たとえば150nmである。ポリシリコン膜34お
よびタングステンシリサイド膜36は、たとえばCVD
により成膜される。ポリシリコン膜34は、たとえば以
下の条件で成膜される。CVD原料ガスとして、SiH
4 とPH3 とを用い、SiH4 /PH3 の流量比が、5
00/0.3SCCM、雰囲気圧力が100Pa、基板温度
が500°Cの条件である。タングステンシリサイド膜
36は、たとえば以下の条件で成膜される。CVD原料
ガスとして、WF 6 とSiH4 とHeとを用い、WF6
/SiH4 /Heの流量比が、3/300/500SCC
M、雰囲気圧力が70Pa、基板温度が360°Cの条
件である。
【0039】本実施例では、この上部導電層35の上
に、緩衝層37aを成膜する。この緩衝層37aは、従
来例に係る製造プロセスにはない層であり、本実施例で
は、酸化シリコン膜(SiO2 )で構成される。酸化シ
リコン膜で構成される緩衝層37aは、たとえば以下の
条件でCVDにより成膜される。CVD原料ガスとし
て、TEOSとO2 とを用い、TEOS/O2 の流量比
が、500/1000SCCM、雰囲気圧力が5Pa、基板
温度が400°Cの条件である。
【0040】次に、この緩衝層37aの上にレジスト膜
38を成膜し、このレジスト膜38に、フォトリソグラ
フィー法により、カソード孔に対応する所定のパターン
で、開口部40を形成する。この開口部40の内径は、
カソード孔の内径に相当し、たとえば0.8μm 程度で
ある。
【0041】次に、このレジスト膜38が形成された半
導体基板30を、プラズマエッチング装置内に設置し、
レジスト膜38をマスクとして、エッチング加工を行
う。プラズマエッチング装置としては、特に限定されな
いが、たとえばマイクロ波電子サイクロトロン共鳴プラ
ズマ(ECR)エッチング装置、誘導コイル型プラズマ
(ICP)エッチング装置、ヘリコン波利用プラズマエ
ッチング装置、トランス結合プラズマ(TCP)エッチ
ング装置などを例示することができる。
【0042】まず、たとえばECRエッチング装置を用
い、下記の条件で、酸化シリコンで構成される緩衝層3
7aをエッチング加工する。エッチングガスとしては、
CHF3 とCH22 との混合ガスを用い、CHF 3
CH22 の流量比を50/10SCCMとする。雰囲気圧
力は、0.3Paである。また、マイクロ波パワーは、
850Wであり、高周波(RF)パワーは200Wであ
り、基板温度は、−50°Cである。
【0043】続いて、タングステンシリサイド膜36お
よびポリシリコン膜34を連続エッチングする。エッチ
ングガスとしては、Cl2 とO2 との混合ガスを用い、
Cl 2 /O2 の流量比を70/10SCCMとする。雰囲気
圧力は、0.4Paである。また、マイクロ波パワー
は、850Wであり、高周波(RF)パワーは40Wで
あり、基板温度は、10°Cである。
【0044】続いて、図2(B)に示すように、たとえ
ば以下に示す条件で絶縁層32をエッチング加工する。
エッチングガスとしては、CHF3 とCH22 との混
合ガスを用い、CHF 3 /CH22 の流量比を50/
10SCCMとする。雰囲気圧力は、0.3Paである。ま
た、マイクロ波パワーは、850Wであり、高周波(R
F)パワーは300W(800kHz)であり、基板温
度は、−50°Cである。
【0045】この多層膜の連続エッチングにおいて、高
エネルギー条件の過剰なるオーバーエッチングにより、
レジスト膜38が後退し、その開口部40の側壁も削ら
れ、その下層に位置する緩衝層37aも一部エッチング
されて、テーパ形状が形成される。これは、上部導電層
35および絶縁層32を同一のレジスト膜38でエッチ
ング加工するために、レジスト膜38がプラズマエッチ
ングに曝される時間が、従来のコンタクトホール形成用
エッチング技術に比較して長くなったためと考えられ
る。しかしながら、本実施例では、緩衝層37aがある
ため、上部導電層35の開口部側壁までもオーバエッチ
ングされることはない。
【0046】次に、図2(C)に示すように、レジスト
膜38をレジストアッシングにより除去し、続いて、図
2(D)に示すように、緩衝層37aを除去する。レジ
ストアッシングは、500SCCMのO2 を用い、雰囲気圧
力3.0Pa、基板温度200°C、高周波(RF)パ
ワー300Wの条件で行う。酸化シリコン膜で構成され
る緩衝層37aの除去は、水:フッ酸が約5:1の割合
のフッ酸によるウエットエッチングで行う。このウエッ
トエッチングおよび水洗により、酸化シリコン膜で構成
される緩衝層37aが除去される。同時に、酸化シリコ
ンなどで構成される絶縁層32のカソード孔44の側壁
にもサイドエッチングが作用し、図2(D)に示すよう
に、孔44の内径が大きくなるが、これは後工程でのカ
バレッジには影響がない。むしろ、上部電極と下部電極
との短絡防止に寄与する。
【0047】その結果、この時点で、テーパもしくは肩
落ちのない上部導電層35が得られる。結果として、良
好な垂直異方性のエッチングが可能となる。次に、図2
(E)に示すように、電子ビーム蒸着法などを用いて、
タングステンシリサイド膜36の上に、剥離層46を形
成する。剥離層46は、たとえばアルミニウム金属層な
どで構成される。その剥離層46の層厚は、特に限定さ
れないが、たとえば50nm程度である。電子ビーム蒸
着時の基板角度は、約20度程度が好ましい。雰囲気圧
力は、たとえば1.0Paである。
【0048】次に、図2(F)に示すように、たとえば
電子ビーム蒸着法を用いて、剥離層46の上にカソード
形成層48を堆積させる。カソード形成層48として
は、好適にはモリブデン(Mo)を用いるが、その他の
高融点金属、あるいはその他の金属、化合物などを使用
することもできる。電子ビーム蒸着時の基板の角度は、
約90度が好ましい。カソード形成層48を約1.0μ
m の層厚で形成することで、カソード孔44の底部に位
置する基板30の表面には、鋭角円錐状のカソード50
が均一な形状および高さで形成される。各カソード50
の形状、特に高さは、カソード形成層48の各開口部4
8aが閉じるまでの時間などに依存する。本実施例で
は、タングステンシリサイド膜36の開口部40の側壁
に、テーパや肩落ちがないことから、その各開口部48
aが閉じるまでの時間も一定であり、各カソード50の
形状、特に高さを均一にすることができる。
【0049】次に、図2(G)に示すように、水:フッ
酸が約5:1の割合のフッ酸でウエットエッチング(約
30秒)を行い、アルミニウムなどで構成される剥離層
46をエッチング除去し、その上に位置するカソード形
成層48をリフトオフ除去する。カソード孔44内に
は、均一形状および高さのマイクロカソード20が残
る。
【0050】その後は、基板30の上に、蛍光体膜が形
成された透明基板または透明導電膜が形成された透明基
板などを真空状態で張り合せて、FEDまたは撮像素子
が形成される。なお、本発明は、上述した実施例に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、タングステンシリサイド膜などで構成される導電層
の形状異常に起因する不良を発生することなく、均一な
形状および高さのマイクロカソードを安定して形成する
ことができる。このマイクロカソードを用いたデバイス
は、フラットディスプレイなどに使用するFED、ある
いは撮像素子などとして好適に利用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)〜(G)は本発明の第1実施例に係
るマイクロカソードの製造方法を示す要部断面図であ
る。
【図2】図2(A)〜(G)は本発明の第2実施例に係
るマイクロカソードの製造方法を示す要部断面図であ
る。
【図3】図3(A)〜(G)は従来例に係るマイクロカ
ソードの製造方法を示す要部断面図である。
【符号の説明】
30… 半導体基板 32… 絶縁層 34… ポリシリコン膜 35… 導電層 36… タングステンシリサイド膜 37,37a… 緩衝層 38… レジスト膜 40… 開口部 44… カソード孔 46… 剥離層 48… カソード形成層 50… マイクロカソード

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の表面に、絶縁層、次いで導電層を
    少なくとも成膜する工程と、 上記導電層の上に、緩衝層を形成する工程と、 この緩衝層の上にレジスト膜を形成する工程と、 カソード孔が形成される予定の所定パターンで上記レジ
    スト膜をパターン加工する工程と、 上記レジスト膜をマスクとしてパターン加工を行い、上
    記緩衝層、導電層および絶縁層にカソード孔を形成する
    工程と、 上記緩衝層を除去する工程と、 上記絶縁層に形成されたカソード孔内に、マイクロカソ
    ードを形成する工程とを有する電界放出型マイクロカソ
    ードの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記緩衝層の層厚が、50〜300nm
    である請求項1に記載の電界放出型マイクロカソードの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記緩衝層が、ポリシリコン層、非晶質
    シリコン層およびアルミニウム層のうちのいずれかであ
    る請求項1または2に記載のマイクロカソードの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 上記緩衝層が、酸化シリコン層、窒化シ
    リコン層および酸窒化シリコン層のうちのいずれかであ
    る請求項1または2に記載のマイクロカソードの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記緩衝層をエッチングにより除去する
    際に、カソード孔の内壁に相当する上記絶縁層を同時に
    後退させる請求項4に記載のマイクロカソードの製造方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011077042A (ja) * 2009-09-30 2011-04-14 Qinghua Univ 電界放出陰極素子及び電界放出表示装置

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