JPH07324338A - 固定型露出柱脚構造 - Google Patents
固定型露出柱脚構造Info
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- JPH07324338A JPH07324338A JP13949994A JP13949994A JPH07324338A JP H07324338 A JPH07324338 A JP H07324338A JP 13949994 A JP13949994 A JP 13949994A JP 13949994 A JP13949994 A JP 13949994A JP H07324338 A JPH07324338 A JP H07324338A
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- concrete
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 露出柱脚の剛性および耐力を高め、構築を容
易にする。 【構成】 基礎梁7の上面に配置された上部柱脚金物2
およびその上に固定された柱1と、基礎梁7のコンクリ
ート3の内部に埋設された下部柱脚金物6と、コンクリ
ート3の内部に上部を残して埋設されたアンカーボルト
4とを備える。アンカーボルト4は、その上部が上部柱
脚金物2に、その下部が下部柱脚金物6に各々固定され
ている。アンカーボルト4によって連結された上部柱脚
金物2と下部柱脚金物6とによって基礎梁7のコンクリ
ート3が挟まれ固定されている。アンカーボルト4には
当該アンカーボルトの降伏強度の60〜100%以下の
プレストレスが付与されている。
易にする。 【構成】 基礎梁7の上面に配置された上部柱脚金物2
およびその上に固定された柱1と、基礎梁7のコンクリ
ート3の内部に埋設された下部柱脚金物6と、コンクリ
ート3の内部に上部を残して埋設されたアンカーボルト
4とを備える。アンカーボルト4は、その上部が上部柱
脚金物2に、その下部が下部柱脚金物6に各々固定され
ている。アンカーボルト4によって連結された上部柱脚
金物2と下部柱脚金物6とによって基礎梁7のコンクリ
ート3が挟まれ固定されている。アンカーボルト4には
当該アンカーボルトの降伏強度の60〜100%以下の
プレストレスが付与されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、土木および建築分野
において使用される鉄骨構造における、固定型露出柱脚
の構造に関するものである。
において使用される鉄骨構造における、固定型露出柱脚
の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】固定型の鉄骨構造の柱脚部の構築方法の
中で、露出型柱脚の構築方法として、特開平5−258
32号公報が開示されている(以下、「先行技術1」と
いう)。先行技術1の露出型柱脚は、図4に示すよう
に、コンクリート3および鉄筋5からなる基礎梁7と、
その上面に配置された柱脚金物2と、柱脚金物2の上面
に固定された柱1と、コンクリート3の内部に埋設され
た、柱脚金物2を固定するためのアンカーボルト4およ
びその下端部に固定された定着板(金物41)とを備え
た構造となっている。アンカーボルト4は塩化ビニール
管(以下、「塩ビ管」という)からなるシース管43内
に挿入されている。このように、先行技術1は、塩ビ管
をシース管43として用いてアンカーボルト4とコンク
リート3との付着を切り、アンカーボルト4の定着力を
確保するようになっている。露出型柱脚においては、従
来このような構造が一般的であった。
中で、露出型柱脚の構築方法として、特開平5−258
32号公報が開示されている(以下、「先行技術1」と
いう)。先行技術1の露出型柱脚は、図4に示すよう
に、コンクリート3および鉄筋5からなる基礎梁7と、
その上面に配置された柱脚金物2と、柱脚金物2の上面
に固定された柱1と、コンクリート3の内部に埋設され
た、柱脚金物2を固定するためのアンカーボルト4およ
びその下端部に固定された定着板(金物41)とを備え
た構造となっている。アンカーボルト4は塩化ビニール
管(以下、「塩ビ管」という)からなるシース管43内
に挿入されている。このように、先行技術1は、塩ビ管
をシース管43として用いてアンカーボルト4とコンク
リート3との付着を切り、アンカーボルト4の定着力を
確保するようになっている。露出型柱脚においては、従
来このような構造が一般的であった。
【0003】また、特願平5−114990号公報に
は、図5に示すような、露出型柱脚が提案されている
(以下、「先行技術2」という)。先行技術2は、図5
に示すように、金物41を用いず、シース管11として
鋼管を用い、このシース管11の内部にグラウト材8を
充填した構造となっている、このため、先行技術1とは
異なり、アンカーボルト4の側面と基礎のコンクリート
3との縁が切れておらず、そのためアンカーボルト4に
大きな引抜き力が働いてもある程度耐えることができ
る。即ち、先行技術2の柱脚固定部の固定度は、先行技
術1に比べ大きい。
は、図5に示すような、露出型柱脚が提案されている
(以下、「先行技術2」という)。先行技術2は、図5
に示すように、金物41を用いず、シース管11として
鋼管を用い、このシース管11の内部にグラウト材8を
充填した構造となっている、このため、先行技術1とは
異なり、アンカーボルト4の側面と基礎のコンクリート
3との縁が切れておらず、そのためアンカーボルト4に
大きな引抜き力が働いてもある程度耐えることができ
る。即ち、先行技術2の柱脚固定部の固定度は、先行技
術1に比べ大きい。
【0004】角型鋼管柱を基礎梁部に埋め込んだ柱脚構
造の従来例として、図6に示すような埋め込み型柱脚も
既に知られている(以下、「先行技術3」という)。先
行技術3は、柱1がコンクリート3内に埋め込まれてい
る埋込み柱脚であり、先行技術2よりも更に固定度が大
きいという特徴を有している。
造の従来例として、図6に示すような埋め込み型柱脚も
既に知られている(以下、「先行技術3」という)。先
行技術3は、柱1がコンクリート3内に埋め込まれてい
る埋込み柱脚であり、先行技術2よりも更に固定度が大
きいという特徴を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】先行技術1、2につい
ては、いずれも柱脚固定部の剛性が低い(固定度が低
い)という問題点がある。それを以下個々に説明する。
ては、いずれも柱脚固定部の剛性が低い(固定度が低
い)という問題点がある。それを以下個々に説明する。
【0006】先行技術1において、アンカーボルト4は
直接コンクリート3に埋め込まれているわけではなく、
コンクリート3内に塩ビ管であるシース管43が埋め込
まれ、シース管(塩ビ管)43の内部にアンカーボルト
4が挿入された状態となっており、シース管(塩ビ管)
43の内部にクラウト材は充填されていない。いわば、
アンカーボルト4の側面とコンクリート3との間は縁が
切れており、アンカーボルト4に働く引抜き力は、図4
の41の金物で保持できるだけである。そのため柱脚固
定部の固定度が低くなってしまう。
直接コンクリート3に埋め込まれているわけではなく、
コンクリート3内に塩ビ管であるシース管43が埋め込
まれ、シース管(塩ビ管)43の内部にアンカーボルト
4が挿入された状態となっており、シース管(塩ビ管)
43の内部にクラウト材は充填されていない。いわば、
アンカーボルト4の側面とコンクリート3との間は縁が
切れており、アンカーボルト4に働く引抜き力は、図4
の41の金物で保持できるだけである。そのため柱脚固
定部の固定度が低くなってしまう。
【0007】先行技術2には、グラウト材8の2度打ち
が必要になるという問題はあるが、上記のように先行技
術1よりも固定度が大きい利点がある。しかしながら、
先行技術3の埋込み型柱脚と比較すると、まだ固定度は
低く、改善の余地が残されている。
が必要になるという問題はあるが、上記のように先行技
術1よりも固定度が大きい利点がある。しかしながら、
先行技術3の埋込み型柱脚と比較すると、まだ固定度は
低く、改善の余地が残されている。
【0008】一方、先行技術3は、上記のように、埋込
み柱脚であり、固定度は大きい。しかしながら、基礎部
のコンクリートを打設する前に柱の建て込みをする必要
があるのに柱建て込みのための足場が確保されてないた
め、施工上容易なものとはいえなかった。即ち、先行技
術3は先行技術1、2に比べ構築に困難性が伴う問題が
あった。
み柱脚であり、固定度は大きい。しかしながら、基礎部
のコンクリートを打設する前に柱の建て込みをする必要
があるのに柱建て込みのための足場が確保されてないた
め、施工上容易なものとはいえなかった。即ち、先行技
術3は先行技術1、2に比べ構築に困難性が伴う問題が
あった。
【0009】また、アンカーボルトにプレストレスを与
えることにより、柱脚固定度を上げる方法が従来より考
察されている。しかしながら、この方法を先行技術1に
適用すると、上記において説明(図4の41の金物)し
たように、加え得るプレストレスの大きさに限界があ
る。即ち、アンカーボルトに過大なプレストレスを付与
すると、金物41の回りのコンクリートが破壊してしま
うという問題があった。一方、先行技術2、3において
は、その構造上プレストレスを与えることは不可能であ
る。
えることにより、柱脚固定度を上げる方法が従来より考
察されている。しかしながら、この方法を先行技術1に
適用すると、上記において説明(図4の41の金物)し
たように、加え得るプレストレスの大きさに限界があ
る。即ち、アンカーボルトに過大なプレストレスを付与
すると、金物41の回りのコンクリートが破壊してしま
うという問題があった。一方、先行技術2、3において
は、その構造上プレストレスを与えることは不可能であ
る。
【0010】従って、この発明の目的は、上述の問題を
解決し、剛性および耐力が高く、しかも、構築が容易な
固定型露出柱脚構造を提供することにある。
解決し、剛性および耐力が高く、しかも、構築が容易な
固定型露出柱脚構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の固定型露出柱
脚構造は、鉄筋およびコンクリートからなる基礎梁と、
前記基礎梁の上面に配置された上部柱脚金物と、前記上
部柱脚金物の上面に固定された柱と、前記基礎梁のコン
クリート内部に埋設された下部柱脚金物と、前記基礎梁
のコンクリート内部に上部を残して埋設されたアンカー
ボルトとを備え、前記アンカーボルトの上部は前記上部
柱脚金物に、下部は前記下部柱脚金物に、各々固定さ
れ、前記アンカーボルトによって連結された前記上部柱
脚金物と前記下部柱脚金物とによって前記基礎梁のコン
クリートが挟まれ固定されていることに特徴を有するも
のである。
脚構造は、鉄筋およびコンクリートからなる基礎梁と、
前記基礎梁の上面に配置された上部柱脚金物と、前記上
部柱脚金物の上面に固定された柱と、前記基礎梁のコン
クリート内部に埋設された下部柱脚金物と、前記基礎梁
のコンクリート内部に上部を残して埋設されたアンカー
ボルトとを備え、前記アンカーボルトの上部は前記上部
柱脚金物に、下部は前記下部柱脚金物に、各々固定さ
れ、前記アンカーボルトによって連結された前記上部柱
脚金物と前記下部柱脚金物とによって前記基礎梁のコン
クリートが挟まれ固定されていることに特徴を有するも
のである。
【0012】また、上記の固定型露出柱脚構造におい
て、前記アンカーボルトに当該アンカーボルトの降伏強
度の60〜100%以下のプレストレスが付与されてい
ることに特徴を有するものである。
て、前記アンカーボルトに当該アンカーボルトの降伏強
度の60〜100%以下のプレストレスが付与されてい
ることに特徴を有するものである。
【0013】
【作用】この発明による下部柱脚金物は、上部柱脚金物
と同程度の大きさおよび剛性を持ち、且つ、上部柱脚金
物と下部柱脚金物とがアンカーボルトを介して連結され
ているので、上部柱脚金物と下部柱脚金物とに挟まれた
鉄筋コンクリート部分{柱脚基礎部、(図1、図2に示
すA)}は、上下から支圧を受けることになる。よっ
て、柱に大きな曲げモーメントが作用した場合にも、柱
脚基礎部Aの鉄筋コンクリート部分は、剛体として回転
するような変形をし、埋込み型柱脚(先行技術3・図
6)と同程度の剛性が期待できる(図3)。図3は図1
において基礎梁が剛体変形する部分を示す概念図であ
る。図3に示す網掛け部分Bが鉄筋コンクリートが剛体
変形する部分である。
と同程度の大きさおよび剛性を持ち、且つ、上部柱脚金
物と下部柱脚金物とがアンカーボルトを介して連結され
ているので、上部柱脚金物と下部柱脚金物とに挟まれた
鉄筋コンクリート部分{柱脚基礎部、(図1、図2に示
すA)}は、上下から支圧を受けることになる。よっ
て、柱に大きな曲げモーメントが作用した場合にも、柱
脚基礎部Aの鉄筋コンクリート部分は、剛体として回転
するような変形をし、埋込み型柱脚(先行技術3・図
6)と同程度の剛性が期待できる(図3)。図3は図1
において基礎梁が剛体変形する部分を示す概念図であ
る。図3に示す網掛け部分Bが鉄筋コンクリートが剛体
変形する部分である。
【0014】更に、下部柱脚金物の柱軸に垂直な面の面
積は充分に大きいため、アンカーボルトに大きなプレス
トレスを与えても下部柱脚金物の回りのコンクリートが
破壊することはない。
積は充分に大きいため、アンカーボルトに大きなプレス
トレスを与えても下部柱脚金物の回りのコンクリートが
破壊することはない。
【0015】例えば、先行技術1(図4)のアンカーボ
ルトに上向きに引張力を付与して行くと、金物41の周
囲のコンクリートが破壊するのは、金物の投影面積とコ
ンクリートの圧縮破壊強度とを掛けた値の10倍の力
“10×σc×S”であることが知られている。ここ
で、S:金物の投影面積(金物41の柱軸に垂直な面
積)、σc:コンクリートの圧縮破壊強度。本発明の場
合、先行技術1に比べS(下部柱脚金物6の投影面積)
がはるかに大きいため(本発明はSが∝に近づく)、先
行技術1に比べはるかに大きなプレストレスを与えるこ
とができる。但し、アンカーボルトに付与したプレスト
レスが当該アンカーボルトの降伏強度の100%を超え
るとアンカーボルトの強度上の問題が発生する。また、
プレストレスが60%未満では柱脚固定度向上作用に所
望の効果が得られない。従って、アンカーボルトに付与
するプレストレスは、当該アンカーボルトの降伏強度の
60〜100%以下の範囲内が好ましい。
ルトに上向きに引張力を付与して行くと、金物41の周
囲のコンクリートが破壊するのは、金物の投影面積とコ
ンクリートの圧縮破壊強度とを掛けた値の10倍の力
“10×σc×S”であることが知られている。ここ
で、S:金物の投影面積(金物41の柱軸に垂直な面
積)、σc:コンクリートの圧縮破壊強度。本発明の場
合、先行技術1に比べS(下部柱脚金物6の投影面積)
がはるかに大きいため(本発明はSが∝に近づく)、先
行技術1に比べはるかに大きなプレストレスを与えるこ
とができる。但し、アンカーボルトに付与したプレスト
レスが当該アンカーボルトの降伏強度の100%を超え
るとアンカーボルトの強度上の問題が発生する。また、
プレストレスが60%未満では柱脚固定度向上作用に所
望の効果が得られない。従って、アンカーボルトに付与
するプレストレスは、当該アンカーボルトの降伏強度の
60〜100%以下の範囲内が好ましい。
【0016】
【実施例】次に、この発明を図面を参照しながら説明す
る。
る。
【0017】〔実施例1〕図1はこの発明の露出柱脚構
造の実施例1を示す断面図である。図1に示ように、コ
ンクリート3と鉄筋5とからなる基礎梁7の上面には、
円板形の上部柱脚金物2が配置され、上部柱脚金物2の
上面には円形鋼管からなる柱1が固定され立設されてい
る。基礎梁7を構成するコンクリート3の内部には円板
形の下部柱脚金物6が埋設されている。下部柱脚金物6
はアンカー筋9を備えている。更に、コンクリート3の
内部には、アンカーボルト4が、上部を残して鉛直方向
に埋設されている。アンカーボルト4の軸部は、異形鉄
筋の様に突起がある形状、または、スタッド状になって
いる。アンカーボルト4は、その上部が上部柱脚金物2
に、その下部が下部柱脚金物6に、各々ナット14によ
り固定されている。アンカーボルト4によって連結され
た上部柱脚金物2と下部柱脚金物6とによって、基礎梁
7を構成するコンクリート3が挟まれ、上部柱脚金物2
が基礎梁7の上面に固定され、かくして、柱1が基礎梁
7上に固定されている。
造の実施例1を示す断面図である。図1に示ように、コ
ンクリート3と鉄筋5とからなる基礎梁7の上面には、
円板形の上部柱脚金物2が配置され、上部柱脚金物2の
上面には円形鋼管からなる柱1が固定され立設されてい
る。基礎梁7を構成するコンクリート3の内部には円板
形の下部柱脚金物6が埋設されている。下部柱脚金物6
はアンカー筋9を備えている。更に、コンクリート3の
内部には、アンカーボルト4が、上部を残して鉛直方向
に埋設されている。アンカーボルト4の軸部は、異形鉄
筋の様に突起がある形状、または、スタッド状になって
いる。アンカーボルト4は、その上部が上部柱脚金物2
に、その下部が下部柱脚金物6に、各々ナット14によ
り固定されている。アンカーボルト4によって連結され
た上部柱脚金物2と下部柱脚金物6とによって、基礎梁
7を構成するコンクリート3が挟まれ、上部柱脚金物2
が基礎梁7の上面に固定され、かくして、柱1が基礎梁
7上に固定されている。
【0018】本実施例における構成要素の寸法は、以下
の通りである。柱1は直径(外径)150mm×管厚9
mmの円形鋼管からなっている。上部柱脚金物2の直径
は280mmであり、アンカーボルト取り付け部2aの
厚みは34mmである。アンカーボルト4の直径は28
mmである。下部柱脚金物6の直径は280mm、厚み
は34mmである。
の通りである。柱1は直径(外径)150mm×管厚9
mmの円形鋼管からなっている。上部柱脚金物2の直径
は280mmであり、アンカーボルト取り付け部2aの
厚みは34mmである。アンカーボルト4の直径は28
mmである。下部柱脚金物6の直径は280mm、厚み
は34mmである。
【0019】図1は施工後の状態である。本実施例の施
工工程は、下記の通りである。 (1)下部柱脚金物6にアンカーボルト4の下部をナッ
ト14で固定し、基礎梁所定位置に配置する。 (2)鉄筋5を配筋した後コンクリート3を打設し基礎
梁を構築する。なお、コンクリート打設とは、鉄筋の周
囲に所定の囲いを設け、その中にコンクリートを充填、
固化した後、囲いを除去する作業である。 (3)レベルモルタル10、グラウト材(グラウトモル
タル)8を介して、柱1および上部柱脚金物2(上部柱
脚金物2は予め柱1の下端に固定されている)を建て込
み、上部柱脚金物2にアンカーボルト4の上部をナット
14で固定する。
工工程は、下記の通りである。 (1)下部柱脚金物6にアンカーボルト4の下部をナッ
ト14で固定し、基礎梁所定位置に配置する。 (2)鉄筋5を配筋した後コンクリート3を打設し基礎
梁を構築する。なお、コンクリート打設とは、鉄筋の周
囲に所定の囲いを設け、その中にコンクリートを充填、
固化した後、囲いを除去する作業である。 (3)レベルモルタル10、グラウト材(グラウトモル
タル)8を介して、柱1および上部柱脚金物2(上部柱
脚金物2は予め柱1の下端に固定されている)を建て込
み、上部柱脚金物2にアンカーボルト4の上部をナット
14で固定する。
【0020】本実施例では、図1に示すように、下部柱
脚金物6を取り付けたことにより、剛性の高い柱脚構造
となっている。アンカーボルトにプレストレスを付与し
ない状態で、柱1に曲げモーメントが加わった場合の柱
の固定度(柱の曲がり角度の逆数で定義)は、本実施例
の場合、先行技術1(図4)の場合の1.3倍、先行技
術2(図5)の場合の1.1倍と非常に大きく、本発明
の柱脚構造の固定度が大きいことが確認できた。
脚金物6を取り付けたことにより、剛性の高い柱脚構造
となっている。アンカーボルトにプレストレスを付与し
ない状態で、柱1に曲げモーメントが加わった場合の柱
の固定度(柱の曲がり角度の逆数で定義)は、本実施例
の場合、先行技術1(図4)の場合の1.3倍、先行技
術2(図5)の場合の1.1倍と非常に大きく、本発明
の柱脚構造の固定度が大きいことが確認できた。
【0021】次に、図1に示す構造の柱脚について、ア
ンカーボルトに当該アンカーボルトの降伏強度の80%
のプレストレスを付与した。その結果、コンクリート1
0に何ら損傷は生ぜず、且つ、固定度も向上した。上記
作用は、プレストレスがアンカーボルトの降伏強度の6
0〜100%の範囲内で所望の効果が得られた。
ンカーボルトに当該アンカーボルトの降伏強度の80%
のプレストレスを付与した。その結果、コンクリート1
0に何ら損傷は生ぜず、且つ、固定度も向上した。上記
作用は、プレストレスがアンカーボルトの降伏強度の6
0〜100%の範囲内で所望の効果が得られた。
【0022】一方、先行技術1の図4の例(アンカーボ
ルトの寸法は同じ(直径28mm)で、金物41の面積
=750mm2 )を本実施例と比較した結果、プレスト
レスはアンカーボルトの降伏強度の60%が限界であっ
た。
ルトの寸法は同じ(直径28mm)で、金物41の面積
=750mm2 )を本実施例と比較した結果、プレスト
レスはアンカーボルトの降伏強度の60%が限界であっ
た。
【0023】〔実施例2〕図2はこの発明の実施例2を
示す断面図である。図2に示すように、実施例2はアン
カーボルト4がシース管11内に挿入されている点が実
施例1と異なっている。即ち、アンカーボルト4は、コ
ンクリート3の内部に鉛直方向に埋設配置されている内
外面に突起を有する鋼管(以下、「シース管」という)
11内に挿入されている。アンカーボルト4とシース管
11間の隙間にはグラウト材8が充填されている。シー
ス管11の下端部は下部柱脚金物6に溶接により固定さ
れている。アンカーボルト4は、その上部がナット14
および大ワッシャー16によって上部柱脚金物2に、そ
の下部がナット14によって下部柱脚金物6に、各々固
定されている。
示す断面図である。図2に示すように、実施例2はアン
カーボルト4がシース管11内に挿入されている点が実
施例1と異なっている。即ち、アンカーボルト4は、コ
ンクリート3の内部に鉛直方向に埋設配置されている内
外面に突起を有する鋼管(以下、「シース管」という)
11内に挿入されている。アンカーボルト4とシース管
11間の隙間にはグラウト材8が充填されている。シー
ス管11の下端部は下部柱脚金物6に溶接により固定さ
れている。アンカーボルト4は、その上部がナット14
および大ワッシャー16によって上部柱脚金物2に、そ
の下部がナット14によって下部柱脚金物6に、各々固
定されている。
【0024】本実施例においてシース管11は外径50
mm×管厚6mmの鋼管からなっている。柱1、上部柱
脚金物2、アンカーボルト4、下部柱脚金物6の寸法
は、実施例1と同様である。
mm×管厚6mmの鋼管からなっている。柱1、上部柱
脚金物2、アンカーボルト4、下部柱脚金物6の寸法
は、実施例1と同様である。
【0025】図2は施工後の状態である。本実施例の施
工工程は、下記の通りである。 (1)下部柱脚金物6に、アンカーボルト4の下部をナ
ット14で固定し、および、シース管11の下部を溶接
により固定し、基礎梁所定位置に配置する。 (2)鉄筋5を配筋した後コンクリート3を打設し基礎
梁を構築する。 (3)レベルモルタル10を介して、柱1および上部柱
脚金物2(上部柱脚金物2は予め柱1の下端に固定され
ている)を建て込み、上部柱脚金物2にアンカーボルト
4の上部をナット14および大ワッシャー16で固定
し、同時に、上部柱脚金物2とコンクリート3間、およ
び、アンカーボルト4とシース管11間の隙間にグラウ
ト材8を充填する。なお、グラウト材8はシース管11
の下端からコンクリート3を貫通した孔を通して注入さ
れる。ここでシース管内の空気抜き17から外気へ排出
される。
工工程は、下記の通りである。 (1)下部柱脚金物6に、アンカーボルト4の下部をナ
ット14で固定し、および、シース管11の下部を溶接
により固定し、基礎梁所定位置に配置する。 (2)鉄筋5を配筋した後コンクリート3を打設し基礎
梁を構築する。 (3)レベルモルタル10を介して、柱1および上部柱
脚金物2(上部柱脚金物2は予め柱1の下端に固定され
ている)を建て込み、上部柱脚金物2にアンカーボルト
4の上部をナット14および大ワッシャー16で固定
し、同時に、上部柱脚金物2とコンクリート3間、およ
び、アンカーボルト4とシース管11間の隙間にグラウ
ト材8を充填する。なお、グラウト材8はシース管11
の下端からコンクリート3を貫通した孔を通して注入さ
れる。ここでシース管内の空気抜き17から外気へ排出
される。
【0026】上記(2)において、コンクリート打設の
際、コンクリートの圧力で下部柱脚金物6に固定された
アンカーボルト4およびシース管11が曲がることも考
えられる。しかしながら、本実施例においては、シース
管11は曲がってもアンカーボルト4は力を受けないた
め曲がらず、柱1の建て込みに支障が生じないという利
点がある。何れにせよ、本実施例においてもアンカーボ
ルト4は、下部柱脚金物6に取り付けられており、従っ
て、上部柱脚金物2と下部柱脚金物6とによってコンク
リート3をサンドイッチしている点は実施例1(図1)
と同じである。従って、図2に示す本実施例は図1に示
す実施例1の場合と同じ作用効果をもたらす。
際、コンクリートの圧力で下部柱脚金物6に固定された
アンカーボルト4およびシース管11が曲がることも考
えられる。しかしながら、本実施例においては、シース
管11は曲がってもアンカーボルト4は力を受けないた
め曲がらず、柱1の建て込みに支障が生じないという利
点がある。何れにせよ、本実施例においてもアンカーボ
ルト4は、下部柱脚金物6に取り付けられており、従っ
て、上部柱脚金物2と下部柱脚金物6とによってコンク
リート3をサンドイッチしている点は実施例1(図1)
と同じである。従って、図2に示す本実施例は図1に示
す実施例1の場合と同じ作用効果をもたらす。
【0027】なお、実施例1および2は、柱が円形断面
の鋼管の例であるが、本発明は円形断面の鋼管に限定さ
れるものではなく、角型鋼管、H型鋼管等であっても、
本発明の効果は変わらない。
の鋼管の例であるが、本発明は円形断面の鋼管に限定さ
れるものではなく、角型鋼管、H型鋼管等であっても、
本発明の効果は変わらない。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、アンカーボルトによって連結された上部柱脚金物と
下部柱脚金物とによって基礎梁のコンクリートを挟むた
め、剛性および耐力が従来よりも高い柱脚を構築するこ
とができ、また、アンカーボルトに従来よりも大きなプ
レストレスを付与することができるためアンカーボルト
の施工精度が疎なもので済み、即ち、柱脚金物のアンカ
ーボルト用貫通孔とアンカーボルトとの寸法精度を緻密
に設計する必要がないため施工が容易となり、かくし
て、工業上有用な効果がもたらされる。
ば、アンカーボルトによって連結された上部柱脚金物と
下部柱脚金物とによって基礎梁のコンクリートを挟むた
め、剛性および耐力が従来よりも高い柱脚を構築するこ
とができ、また、アンカーボルトに従来よりも大きなプ
レストレスを付与することができるためアンカーボルト
の施工精度が疎なもので済み、即ち、柱脚金物のアンカ
ーボルト用貫通孔とアンカーボルトとの寸法精度を緻密
に設計する必要がないため施工が容易となり、かくし
て、工業上有用な効果がもたらされる。
【図1】この発明の露出柱脚構造の実施例1を示す断面
図である。
図である。
【図2】この発明の露出柱脚構造の実施例2を示す断面
図である。
図である。
【図3】この発明の露出柱脚構造において基礎梁が剛体
変形する部分を示す概念図である。
変形する部分を示す概念図である。
【図4】先行技術1の露出柱脚構造を示す断面図であ
る。
る。
【図5】先行技術2の露出柱脚構造を示す断面図であ
る。
る。
【図6】先行技術3の埋込み型柱脚構造を示す断面図で
ある。
ある。
1 柱 2 上部柱脚金物 2a アンカーボルト取り付け部 3 コンクリート 4 アンカーボルト 5 鉄筋 5a 基礎梁上端鉄筋 5b 基礎梁下端鉄筋 6 下部柱脚金物 7 基礎梁 8 グラウト材 9 アンカー筋 10 レベルモルタル 11 シース管 12 シアーコネクター 13 定着スタッド 14 ナット 15 レベルナット 16 大ワッシャー 17 空気抜き 41 金物 43 シース管 A 柱脚基礎部 B 鉄筋コンクリートが剛体変形する部分
Claims (2)
- 【請求項1】 鉄筋およびコンクリートからなる基礎梁
と、前記基礎梁の上面に配置された上部柱脚金物と、前
記上部柱脚金物の上面に固定された柱と、前記基礎梁の
コンクリート内部に埋設された下部柱脚金物と、前記基
礎梁のコンクリート内部に上部を残して埋設されたアン
カーボルトとを備え、前記アンカーボルトの上部は前記
上部柱脚金物に、下部は前記下部柱脚金物に、各々固定
され、前記アンカーボルトによって連結された前記上部
柱脚金物と前記下部柱脚金物とによって前記基礎梁のコ
ンクリートが挟まれ固定されていることを特徴とする固
定型露出柱脚構造。 - 【請求項2】 前記アンカーボルトに当該アンカーボル
トの降伏強度の60〜100%以下のプレストレスが付
与されている請求項1記載の固定型露出柱脚構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13949994A JPH07324338A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 固定型露出柱脚構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13949994A JPH07324338A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 固定型露出柱脚構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07324338A true JPH07324338A (ja) | 1995-12-12 |
Family
ID=15246705
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13949994A Pending JPH07324338A (ja) | 1994-05-30 | 1994-05-30 | 固定型露出柱脚構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07324338A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000154592A (ja) * | 1998-11-19 | 2000-06-06 | Hitachi Metals Ltd | 露出型柱脚構造 |
CN104563150A (zh) * | 2015-01-09 | 2015-04-29 | 山东省交通规划设计院 | 一种用于混凝土底座法兰盘的安装固定装置及其使用方法 |
CN110952721A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-04-03 | 北京工业大学 | 一种用于地下结构的端部铰接粘弹性自复位摇摆柱 |
CN112113069A (zh) * | 2019-06-21 | 2020-12-22 | 航天长征化学工程股份有限公司 | 一种钢梁支座及其制备方法 |
-
1994
- 1994-05-30 JP JP13949994A patent/JPH07324338A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000154592A (ja) * | 1998-11-19 | 2000-06-06 | Hitachi Metals Ltd | 露出型柱脚構造 |
CN104563150A (zh) * | 2015-01-09 | 2015-04-29 | 山东省交通规划设计院 | 一种用于混凝土底座法兰盘的安装固定装置及其使用方法 |
CN112113069A (zh) * | 2019-06-21 | 2020-12-22 | 航天长征化学工程股份有限公司 | 一种钢梁支座及其制备方法 |
CN110952721A (zh) * | 2019-12-18 | 2020-04-03 | 北京工业大学 | 一种用于地下结构的端部铰接粘弹性自复位摇摆柱 |
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