JPH07321358A - 光起電力装置およびその製造方法 - Google Patents
光起電力装置およびその製造方法Info
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- JPH07321358A JPH07321358A JP6115178A JP11517894A JPH07321358A JP H07321358 A JPH07321358 A JP H07321358A JP 6115178 A JP6115178 A JP 6115178A JP 11517894 A JP11517894 A JP 11517894A JP H07321358 A JPH07321358 A JP H07321358A
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
- Photovoltaic Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 特性低下を招くことなく入射光を有効に利用
することにより変換効率が向上された光起電力装置およ
びその製造方法を提供することである。 【構成】 透光性基板1上に、透明導電層2、第1の発
電層3、第2の発電層5、および裏面電極6が積層さ
れ、第1の発電層3と第2の発電層5との間に周期的構
造を有する回折格子4が形成される。回折格子4は、光
の干渉縞を利用した光プロセスにより形成される。透光
性基板1の側から入射した光のうち短波長の光は第1の
発電層3で吸収され、長波長の光は回折格子4により回
折され、第2の発電層5での光路長が増大する。それに
より、長波長の光が第2の導電層5において十分に吸収
される。
することにより変換効率が向上された光起電力装置およ
びその製造方法を提供することである。 【構成】 透光性基板1上に、透明導電層2、第1の発
電層3、第2の発電層5、および裏面電極6が積層さ
れ、第1の発電層3と第2の発電層5との間に周期的構
造を有する回折格子4が形成される。回折格子4は、光
の干渉縞を利用した光プロセスにより形成される。透光
性基板1の側から入射した光のうち短波長の光は第1の
発電層3で吸収され、長波長の光は回折格子4により回
折され、第2の発電層5での光路長が増大する。それに
より、長波長の光が第2の導電層5において十分に吸収
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層型光起電力装置およ
びその製造方法に関する。
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光起電力装置の変換効率を向上させるた
めには、発電層に入射した光を有効に利用することが重
要である。そこで、光入射側の透光性の基板上に凹凸を
形成してその凹凸で光を散乱させることにより発電層内
での光路長を長くし、光の吸収を増加させる手法が提案
されている。
めには、発電層に入射した光を有効に利用することが重
要である。そこで、光入射側の透光性の基板上に凹凸を
形成してその凹凸で光を散乱させることにより発電層内
での光路長を長くし、光の吸収を増加させる手法が提案
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Techni
cal Digest of International PVSEC-7, 1990, Kyoto,J
apan,pp.261-264において報告されているように、凹凸
基板上に形成された光起電力装置では、平坦な基板上に
形成された光起電力装置に比べて、開放電圧や曲線因子
(FF:fill factor )が低下するという傾向があっ
た。
cal Digest of International PVSEC-7, 1990, Kyoto,J
apan,pp.261-264において報告されているように、凹凸
基板上に形成された光起電力装置では、平坦な基板上に
形成された光起電力装置に比べて、開放電圧や曲線因子
(FF:fill factor )が低下するという傾向があっ
た。
【0004】特に、複数の発電層からなる積層型光起電
力装置においては、光入射側の発電層の膜厚が薄いの
で、大きな凹凸を有する基板上に薄い発電層を形成する
と短絡を起こしやすいという問題があった。
力装置においては、光入射側の発電層の膜厚が薄いの
で、大きな凹凸を有する基板上に薄い発電層を形成する
と短絡を起こしやすいという問題があった。
【0005】それゆえに、本発明の目的は、特性低下を
招くことなく入射光を有効に利用することにより変換効
率が向上された光起電力装置およびその製造方法を提供
することである。
招くことなく入射光を有効に利用することにより変換効
率が向上された光起電力装置およびその製造方法を提供
することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光起電力装
置は、複数の発電層が積層されてなる光起電力装置にお
いて、複数の発電層の少なくとも1つの層間に回折格子
が形成されたものである。
置は、複数の発電層が積層されてなる光起電力装置にお
いて、複数の発電層の少なくとも1つの層間に回折格子
が形成されたものである。
【0007】本発明に係る光起電力装置の製造方法は、
複数の発電層が積層されてなる光起電力装置の製造方法
において、複数の発電層の少なくとも1つの層間に光の
干渉縞を利用して回折格子を形成するものである。
複数の発電層が積層されてなる光起電力装置の製造方法
において、複数の発電層の少なくとも1つの層間に光の
干渉縞を利用して回折格子を形成するものである。
【0008】
【作用】本発明に係る光起電力装置においては、光入射
側の発電層に入射した光は層間に形成された回折格子に
よりその進行方向が曲げられて回折格子の後方の発電層
に進入する。ここで、回折格子の間隔をd、光の波長を
λ、媒質の屈折率をnとすると、図4に示すように、回
折格子30に垂直に入射した光31は次式で示される1
次の回折角βだけ曲げられて方向32に進む。
側の発電層に入射した光は層間に形成された回折格子に
よりその進行方向が曲げられて回折格子の後方の発電層
に進入する。ここで、回折格子の間隔をd、光の波長を
λ、媒質の屈折率をnとすると、図4に示すように、回
折格子30に垂直に入射した光31は次式で示される1
次の回折角βだけ曲げられて方向32に進む。
【0009】sinβ=λ/nd …(1) 式(1)から明らかなように、波長λが長い光ほど回折
角βが大きくなる。したがって、光入射側から見て回折
格子の後方にある発電層内での光路長が長くなるという
効果がある。
角βが大きくなる。したがって、光入射側から見て回折
格子の後方にある発電層内での光路長が長くなるという
効果がある。
【0010】一般に、波長が短いほど光の吸収係数は大
きいので、短波長の光の大部分は光入射側の発電層にお
いて吸収される。これに対して、長波長の光は光入射側
の発電層ではあまり吸収されないので、後方の発電層に
おいて十分に吸収される必要がある。本発明に係る光起
電力装置では、波長の長い光ほど、回折格子により大き
く曲げられるので、回折格子の後方の発電層において長
波長の光の光路長が長くなる。その結果、長波長の光が
後方の発電層内で十分に吸収される。
きいので、短波長の光の大部分は光入射側の発電層にお
いて吸収される。これに対して、長波長の光は光入射側
の発電層ではあまり吸収されないので、後方の発電層に
おいて十分に吸収される必要がある。本発明に係る光起
電力装置では、波長の長い光ほど、回折格子により大き
く曲げられるので、回折格子の後方の発電層において長
波長の光の光路長が長くなる。その結果、長波長の光が
後方の発電層内で十分に吸収される。
【0011】また、光の方向を曲げるための回折格子は
大きな膜厚を必要としないので、回折格子上に形成され
る発電層の膜質が劣化することはない。
大きな膜厚を必要としないので、回折格子上に形成され
る発電層の膜質が劣化することはない。
【0012】本発明に係る光起電力装置の製造方法で
は、光の干渉縞を利用して回折格子を形成しているの
で、干渉縞の間隔を調整することにより任意の間隔の回
折格子を容易に形成することができる。
は、光の干渉縞を利用して回折格子を形成しているの
で、干渉縞の間隔を調整することにより任意の間隔の回
折格子を容易に形成することができる。
【0013】
(1)実施例1 図1は本発明の実施例1における光起電力装置の断面図
である。
である。
【0014】図1において、ガラス等からなる透光性基
板1上に、平坦な表面を有するSnO2 等からなる透明
導電層2、非晶質Siを主成分とする第1の発電層3、
多結晶Siを主成分とする第2の発電層5、およびAg
等からなる裏面電極6が積層され、第1の発電層3と第
2の発電層5との間に周期的構造を有する回折格子4が
形成されている。
板1上に、平坦な表面を有するSnO2 等からなる透明
導電層2、非晶質Siを主成分とする第1の発電層3、
多結晶Siを主成分とする第2の発電層5、およびAg
等からなる裏面電極6が積層され、第1の発電層3と第
2の発電層5との間に周期的構造を有する回折格子4が
形成されている。
【0015】第1の発電層3は、膜厚100Åのp型層
3a、膜厚2000Åのi型層3bおよび膜厚300Å
のn型層3cからなる。また、第2の発電層5は、膜厚
70Åの非晶質Siからなるp型層5a、膜厚70Åの
非晶質Siからなるi型層5b、および膜厚10μmの
n型多結晶Si層5cからなり、HIT(Heterojuncti
on with Intrinsic Thin layer)構造を有する。
3a、膜厚2000Åのi型層3bおよび膜厚300Å
のn型層3cからなる。また、第2の発電層5は、膜厚
70Åの非晶質Siからなるp型層5a、膜厚70Åの
非晶質Siからなるi型層5b、および膜厚10μmの
n型多結晶Si層5cからなり、HIT(Heterojuncti
on with Intrinsic Thin layer)構造を有する。
【0016】次に、図1の光起電力装置の製造方法を説
明する。
明する。
【0017】第1の発電層3および第2の発電層5はプ
ラズマCVD法を用いて形成する。n型多結晶Si層5
cは、原料ガスとしてフランSiF4 および水素H2 を
用いて形成した。
ラズマCVD法を用いて形成する。n型多結晶Si層5
cは、原料ガスとしてフランSiF4 および水素H2 を
用いて形成した。
【0018】特に、本実施例1では、第1の発電層3に
よる吸収が少ない長波長0.7〜1.2μmの光を第2
の発電層5において十分に吸収させることが重要にな
る。ここで、回折格子4の格子間隔dを0.4μmに設
定すると、Siの屈折率nが3.5であるので、式
(1)より波長λ=0.7μmの光については回折角β
=30°となり、波長λ=1.2μmの光については回
折角β=59°となる。。このように、サブミクロンの
加工により周期構造を有する回折格子4を形成する必要
がある。
よる吸収が少ない長波長0.7〜1.2μmの光を第2
の発電層5において十分に吸収させることが重要にな
る。ここで、回折格子4の格子間隔dを0.4μmに設
定すると、Siの屈折率nが3.5であるので、式
(1)より波長λ=0.7μmの光については回折角β
=30°となり、波長λ=1.2μmの光については回
折角β=59°となる。。このように、サブミクロンの
加工により周期構造を有する回折格子4を形成する必要
がある。
【0019】本実施例1では、回折格子4を形成するた
めに、干渉縞による光の強弱を利用した光プロセスを用
いた。図2に干渉縞を利用した光プロセスの概念を示
す。
めに、干渉縞による光の強弱を利用した光プロセスを用
いた。図2に干渉縞を利用した光プロセスの概念を示
す。
【0020】光プロセスの光源として波長λ0 のレーザ
光10をハーフミラー11およびミラー12を用いて膜
の表面13に照射する。レーザ光10の半分はハーフミ
ラー11を透過し、透過光14aが膜の表面13に入射
する。レーザ光の残りの半分はハーフミラー11および
ミラー12で反射され、反射光14bが膜の表面13に
入射する。透過光14aと反射光14bのなす角度をθ
とすると、ハーフミラー11およびミラー12の位置お
よび角度を変化させることにより角度θを任意に調整す
ることができる。
光10をハーフミラー11およびミラー12を用いて膜
の表面13に照射する。レーザ光10の半分はハーフミ
ラー11を透過し、透過光14aが膜の表面13に入射
する。レーザ光の残りの半分はハーフミラー11および
ミラー12で反射され、反射光14bが膜の表面13に
入射する。透過光14aと反射光14bのなす角度をθ
とすると、ハーフミラー11およびミラー12の位置お
よび角度を変化させることにより角度θを任意に調整す
ることができる。
【0021】透過光14aと反射光14bとの干渉の結
果、膜の表面13上に間隔dの周期的な干渉縞が形成さ
れる。干渉縞の間隔d、透過光14aと反射光14bの
なす角度θおよびレーザ光の波長λ0 の間には次式の関
係が成立する。
果、膜の表面13上に間隔dの周期的な干渉縞が形成さ
れる。干渉縞の間隔d、透過光14aと反射光14bの
なす角度θおよびレーザ光の波長λ0 の間には次式の関
係が成立する。
【0022】 d=λ0 /(n0 ・sinθ) …(2) ここで、n0 はレーザ光10が通る媒質の屈折率であ
る。式(2)から明らかなように、波長λ0 および角度
θを変化させることにより干渉縞の間隔dを制御するこ
とができる。本実施例1では、レーザ光10としてAr
Fのエキシマレーザ光(λ0 =193nm)を用い、θ
=29°、n0 =1として、間隔dが約0.4μmの干
渉縞を第1の発電層3上に得た。
る。式(2)から明らかなように、波長λ0 および角度
θを変化させることにより干渉縞の間隔dを制御するこ
とができる。本実施例1では、レーザ光10としてAr
Fのエキシマレーザ光(λ0 =193nm)を用い、θ
=29°、n0 =1として、間隔dが約0.4μmの干
渉縞を第1の発電層3上に得た。
【0023】そして、トリメチルアルミAl(CH3 )
3 および水素H2 の混合ガスを用い、MOCVD法(有
機金属気相成長法)により、表1に示すような条件で第
1の発電層3上にAlの形成を行ったところ、光の強い
部分でのみAlの堆積が起こり、図1に示すような等間
隔(周期d=0.4μm)の回折格子4が形成された。
この回折格子4の膜厚は、200Åとした。
3 および水素H2 の混合ガスを用い、MOCVD法(有
機金属気相成長法)により、表1に示すような条件で第
1の発電層3上にAlの形成を行ったところ、光の強い
部分でのみAlの堆積が起こり、図1に示すような等間
隔(周期d=0.4μm)の回折格子4が形成された。
この回折格子4の膜厚は、200Åとした。
【0024】
【表1】
【0025】このようにして作製された実施例1の光起
電力装置の光電変換特性を比較例1とともに表2に示
す。
電力装置の光電変換特性を比較例1とともに表2に示
す。
【0026】比較例1の光起電力装置は、第1の発電層
3のn型層3c上に回折格子4を形成せずに第2の発電
層5のp型層5aを直接形成し、透明導電層2として約
1μmの凹凸形状を有するSnO2 層を用いたものであ
る。比較例1のその他の形成条件は実施例1と同様であ
る。
3のn型層3c上に回折格子4を形成せずに第2の発電
層5のp型層5aを直接形成し、透明導電層2として約
1μmの凹凸形状を有するSnO2 層を用いたものであ
る。比較例1のその他の形成条件は実施例1と同様であ
る。
【0027】
【表2】
【0028】表2から明らかなように、実施例1の光起
電力装置では、比較例1の光起電力装置と比較して、主
として開放電圧および曲線因子(FF)が改善され、約
2%の変換効率の向上が見られた。
電力装置では、比較例1の光起電力装置と比較して、主
として開放電圧および曲線因子(FF)が改善され、約
2%の変換効率の向上が見られた。
【0029】比較例1では、光入射側の透明導電層2で
波長1μm以上の長波長の光も散乱するように大きな凹
凸形状を用いているので、膜厚が薄い第1の発電層3で
開放電圧および曲線因子(FF)の低下が起こり、光起
電力装置全体の性能を低下させていると考えられる。
波長1μm以上の長波長の光も散乱するように大きな凹
凸形状を用いているので、膜厚が薄い第1の発電層3で
開放電圧および曲線因子(FF)の低下が起こり、光起
電力装置全体の性能を低下させていると考えられる。
【0030】本実施例1では、波長が長い光ほど曲がり
が大きいという性質を持つ回折格子4を第1の発電層3
と第2の発電層5との間に設けているので、第1の発電
層3において比較例1のような問題が生じない。また、
回折格子4の膜厚が200Åと薄いので、回折格子4の
上に形成する第2の発電層5への影響もない。 (2)実施例2 図3は本発明の実施例2における光起電力装置の断面図
である。
が大きいという性質を持つ回折格子4を第1の発電層3
と第2の発電層5との間に設けているので、第1の発電
層3において比較例1のような問題が生じない。また、
回折格子4の膜厚が200Åと薄いので、回折格子4の
上に形成する第2の発電層5への影響もない。 (2)実施例2 図3は本発明の実施例2における光起電力装置の断面図
である。
【0031】図3において、膜厚100μmのn型多結
晶Siからなるn型基板16の裏面にAlからなる裏面
電極17が形成され、n型基板16の表面にp型ドーピ
ング層18および絶縁層20からなる回折格子が形成さ
れている。回折格子の一部であるp型ドーピング層18
とn型基板16とが接合を形成し、第2の発電層とな
る。
晶Siからなるn型基板16の裏面にAlからなる裏面
電極17が形成され、n型基板16の表面にp型ドーピ
ング層18および絶縁層20からなる回折格子が形成さ
れている。回折格子の一部であるp型ドーピング層18
とn型基板16とが接合を形成し、第2の発電層とな
る。
【0032】回折格子上には、p型非晶質Si層19
a、i型非晶質Si層19bおよびn型微結晶Si層1
9cからなる第1の発電層19が形成されている。回折
格子の一部である絶縁層20はSiO2 等からなり、n
型微結晶Si層19cとn型基板16との間の絶縁を保
つ。
a、i型非晶質Si層19bおよびn型微結晶Si層1
9cからなる第1の発電層19が形成されている。回折
格子の一部である絶縁層20はSiO2 等からなり、n
型微結晶Si層19cとn型基板16との間の絶縁を保
つ。
【0033】第1の発電層19上にはITO等からなる
表面透明導電膜21が形成されており、光はこの表面透
明導電膜21の側から入射する。
表面透明導電膜21が形成されており、光はこの表面透
明導電膜21の側から入射する。
【0034】次に、図3の光起電力装置の製造方法を説
明する。
明する。
【0035】まず、n型多結晶Siからなる基板16の
裏面に例えばAlの蒸着により裏面電極17を形成し、
反対側の表面にCVD法により約100ÅのSiO2 膜
を堆積する。このSiO2 膜上にネガ型レジストを塗布
し、図2に示したように光を照射して現像を行うことに
より、光を照射した部分のみのレジストを除去する。本
実施例2では、光源として、実施例1と同様に、ArF
のエキシマレーザ光(λ0 =193nm)を用い、透過
光と反射光のなす角度θを23°とし、屈折率nを1と
して間隔dが約0.5μmの干渉縞を得た。
裏面に例えばAlの蒸着により裏面電極17を形成し、
反対側の表面にCVD法により約100ÅのSiO2 膜
を堆積する。このSiO2 膜上にネガ型レジストを塗布
し、図2に示したように光を照射して現像を行うことに
より、光を照射した部分のみのレジストを除去する。本
実施例2では、光源として、実施例1と同様に、ArF
のエキシマレーザ光(λ0 =193nm)を用い、透過
光と反射光のなす角度θを23°とし、屈折率nを1と
して間隔dが約0.5μmの干渉縞を得た。
【0036】この後、湿式エッチングによりレジストの
ない部分のSiO2 膜を除去し、さらにレジストを残し
た状態でp型ドーピング層18を堆積する。本実施例2
では、p型ドーピング層18としてプラズマCVD法に
より膜厚100Åのp型非晶質Si層を形成した。
ない部分のSiO2 膜を除去し、さらにレジストを残し
た状態でp型ドーピング層18を堆積する。本実施例2
では、p型ドーピング層18としてプラズマCVD法に
より膜厚100Åのp型非晶質Si層を形成した。
【0037】レジストを除去すると、n型基板16上に
p型非晶質Siからなるp型ドーピング層18とSiO
2 膜からなる絶縁層20とが周期dの繰り返しで並んだ
状態となる。
p型非晶質Siからなるp型ドーピング層18とSiO
2 膜からなる絶縁層20とが周期dの繰り返しで並んだ
状態となる。
【0038】このようにして形成された回折格子上に、
プラズマCVD法により、膜厚300Åのn型微結晶S
i層19c、膜厚4000Åのi型非晶質Si層19b
および膜厚100Åのp型非晶質Si層19aを連続成
長させ、第1の発電層19を形成する。最後に、第1の
発電層19上に、スパッタリング法によりITOからな
る表面透明導電膜21を表面電極として形成する。
プラズマCVD法により、膜厚300Åのn型微結晶S
i層19c、膜厚4000Åのi型非晶質Si層19b
および膜厚100Åのp型非晶質Si層19aを連続成
長させ、第1の発電層19を形成する。最後に、第1の
発電層19上に、スパッタリング法によりITOからな
る表面透明導電膜21を表面電極として形成する。
【0039】このようにして作製された実施例2の光起
電力装置の光電変換特性を比較例2とともに表3に示
す。
電力装置の光電変換特性を比較例2とともに表3に示
す。
【0040】比較例2の光起電力装置は、n型基板16
上に、p型ドーピング層18および絶縁層20からなる
回折格子の代わりにp型非晶質Si層を均一に形成した
ものである。その他の形成条件は実施例2と同様であ
る。
上に、p型ドーピング層18および絶縁層20からなる
回折格子の代わりにp型非晶質Si層を均一に形成した
ものである。その他の形成条件は実施例2と同様であ
る。
【0041】
【表3】
【0042】表3から明らかなように、実施例2の光起
電力装置では、平坦な基板上に形成された比較例2の光
起電力装置とほぼ同じ開放電圧および曲線因子(FF)
を保ちながら、短絡電流が約3mA/cm2 改善され、
変換効率が約3%改善された。
電力装置では、平坦な基板上に形成された比較例2の光
起電力装置とほぼ同じ開放電圧および曲線因子(FF)
を保ちながら、短絡電流が約3mA/cm2 改善され、
変換効率が約3%改善された。
【0043】実施例2の光起電力装置では、実施例1の
光起電力装置よりも間隔dが大きい回折格子を使用して
いるので、式(1)より、波長λ=0.7μmの光につ
いては回折角β=24°となり、波長λ=1.2μmの
光については回折角β=43°となり、光の曲がりがや
や緩やかになる。しかし、第2の発電層となるn型基板
16の膜厚が100μmとなっており、実施例1におけ
る第2の発電層5の膜厚約10μmと比較して大きいた
め、長波長の光が十分に吸収されているものと考えられ
る。 (3)他の適用例 実施例1および実施例2では、発電層として非晶質Si
および多結晶Siの組み合わせを用いたが、これに限る
ものではなく、他の非晶質半導体や、CIS(CuIn
Se2 )のような薄膜半導体を用いてもよい。
光起電力装置よりも間隔dが大きい回折格子を使用して
いるので、式(1)より、波長λ=0.7μmの光につ
いては回折角β=24°となり、波長λ=1.2μmの
光については回折角β=43°となり、光の曲がりがや
や緩やかになる。しかし、第2の発電層となるn型基板
16の膜厚が100μmとなっており、実施例1におけ
る第2の発電層5の膜厚約10μmと比較して大きいた
め、長波長の光が十分に吸収されているものと考えられ
る。 (3)他の適用例 実施例1および実施例2では、発電層として非晶質Si
および多結晶Siの組み合わせを用いたが、これに限る
ものではなく、他の非晶質半導体や、CIS(CuIn
Se2 )のような薄膜半導体を用いてもよい。
【0044】また、実施例1および実施例2の光起電力
装置はタンデム構造(2スタック構造)を有するが、本
発明は、それ以外の積層構造、例えば3スタック構造の
光起電力装置にも適用することができる。
装置はタンデム構造(2スタック構造)を有するが、本
発明は、それ以外の積層構造、例えば3スタック構造の
光起電力装置にも適用することができる。
【0045】実施例1では、回折格子4が光を回折する
働きだけを行っているが、回折格子を外部取り出し電極
として兼用させてもよい。それにより、いわゆる3端子
構造または4端子構造の光起電力装置が得られる。
働きだけを行っているが、回折格子を外部取り出し電極
として兼用させてもよい。それにより、いわゆる3端子
構造または4端子構造の光起電力装置が得られる。
【0046】回折格子の材料は、実施例1におけるAl
および実施例2におけるp型非晶質Siに限るものでは
なく、周囲の媒質の屈折率と異なる屈折率を有する材料
であれば、他の材料を用いても同様の効果が得られる。
および実施例2におけるp型非晶質Siに限るものでは
なく、周囲の媒質の屈折率と異なる屈折率を有する材料
であれば、他の材料を用いても同様の効果が得られる。
【0047】実施例2では、p型ドーピング層18が第
2の発電層を構成すると同時に回折格子を構成している
が、p型ドーピング層18の代わりに金属層を用いて、
n型基板16とショットキ接合を形成させてもよい。こ
の場合、第2の発電層はショット型発電層となる。
2の発電層を構成すると同時に回折格子を構成している
が、p型ドーピング層18の代わりに金属層を用いて、
n型基板16とショットキ接合を形成させてもよい。こ
の場合、第2の発電層はショット型発電層となる。
【0048】なお、光の波長をλとし、媒質の屈折率を
nとすると、媒質中を進む光が直径dの障害物で散乱す
る場合、直径dがλ/nと同程度であるとき、散乱が強
く生じる。したがって、屈折率nと周期dの積ndが
0.5〜5μmの範囲内にあれば効果的な光の閉じ込め
が可能になる。
nとすると、媒質中を進む光が直径dの障害物で散乱す
る場合、直径dがλ/nと同程度であるとき、散乱が強
く生じる。したがって、屈折率nと周期dの積ndが
0.5〜5μmの範囲内にあれば効果的な光の閉じ込め
が可能になる。
【0049】また、上記実施例1および2においては、
回折格子の周期dの設計において、光起電力装置の光入
射面に垂直に光が入射することを仮定していたが、屋外
での使用等斜め方向からの光の入射に対しても周期dを
最適化することにより入射光の有効利用を図ることがで
きる。
回折格子の周期dの設計において、光起電力装置の光入
射面に垂直に光が入射することを仮定していたが、屋外
での使用等斜め方向からの光の入射に対しても周期dを
最適化することにより入射光の有効利用を図ることがで
きる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、積層され
た複数の発電層の少なくとも1つの層間に回折格子を形
成することにより、光入射側の発電層で吸収されにくい
長波長の光が層間の回折格子により大きく曲げられるの
で、回折格子の後方の発電層内で実質的な光路長が長く
なり、光の吸収が増加する。したがって、光起電力装置
の特性に悪影響を及ぼしやすい凹凸形状の基板を用いる
ことなく、発電層に入射した光の有効利用が図られ、光
電変換特性が改善される。
た複数の発電層の少なくとも1つの層間に回折格子を形
成することにより、光入射側の発電層で吸収されにくい
長波長の光が層間の回折格子により大きく曲げられるの
で、回折格子の後方の発電層内で実質的な光路長が長く
なり、光の吸収が増加する。したがって、光起電力装置
の特性に悪影響を及ぼしやすい凹凸形状の基板を用いる
ことなく、発電層に入射した光の有効利用が図られ、光
電変換特性が改善される。
【0051】また、光の干渉縞を利用した光プロセスを
用いることにより、任意の間隔の回折格子を容易に形成
することが可能となる。
用いることにより、任意の間隔の回折格子を容易に形成
することが可能となる。
【図1】本発明の実施例1における光起電力装置の断面
図である。
図である。
【図2】光の干渉縞を利用した光プロセスによる回折格
子の形成方法を示す概念図である。
子の形成方法を示す概念図である。
【図3】本発明の実施例2における光起電力装置の断面
図である。
図である。
【図4】回折格子の概念図である。
1 透光性基板 2 透明導電層 3 第1の発電層 4 回折格子 5 第2の発電層 6 裏面電極 16 n型基板 17 裏面電極 18 p型ドーピング層 19 第1の発電層 20 絶縁層 21 表面透明導電膜
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の発電層が積層されてなる光起電力
装置において、前記複数の発電層の少なくとも1つの層
間に回折格子が形成されたことを特徴とする光起電力装
置。 - 【請求項2】 複数の発電層が積層されてなる光起電力
装置の製造方法において、前記複数の発電層の少なくと
も1つの層間に光の干渉縞を利用して回折格子を形成す
ることを特徴とする光起電力装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115178A JPH07321358A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 光起電力装置およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6115178A JPH07321358A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 光起電力装置およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07321358A true JPH07321358A (ja) | 1995-12-08 |
Family
ID=14656287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6115178A Pending JPH07321358A (ja) | 1994-05-27 | 1994-05-27 | 光起電力装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07321358A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015536522A (ja) * | 2012-10-12 | 2015-12-21 | フォトニ フランス | 吸収率を改善した半透明光電陰極 |
-
1994
- 1994-05-27 JP JP6115178A patent/JPH07321358A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015536522A (ja) * | 2012-10-12 | 2015-12-21 | フォトニ フランス | 吸収率を改善した半透明光電陰極 |
US9960004B2 (en) | 2012-10-12 | 2018-05-01 | Photonis France | Semi-transparent photocathode with improved absorption rate |
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