JPH07316022A

JPH07316022A - 育毛剤

Info

Publication number: JPH07316022A
Application number: JP10937194A
Authority: JP
Inventors: Shunichi Kamiya; 俊一神谷; Junichi Ikeda; 淳一池田; Shinichiro Mori; 慎一郎毛利; Tatsuya Tamaoki; 達也玉沖; Shigeto Kitamura; 重人北村
Original assignee: Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
Current assignee: KH Neochem Co Ltd
Priority date: 1994-05-24
Filing date: 1994-05-24
Publication date: 1995-12-05

Abstract

(57)【要約】【目的】発毛、育毛等の効果に優れた育毛剤を提供す
る。【構成】一般式（Ｉ）（式中、Ｒ¹およびＲ²は同一または異なって水素また
は低級アルキルを表し、ＸはＮ、ＣＨまたはＣ（ＯＨ）
を表し、Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵は同一または異なって水
素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフ
ルオロメチルまたはニトロを表し、ｎは１〜４の整数を
表す）で表される３−メチレンイソインドリン−１−オ
ン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分と
して含有する育毛剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は３−メチレンイソインド
リン−１−オン誘導体を有効成分として含有する育毛剤
に関する。

【０００２】

【従来の技術】脱毛症は血行の不全、毛母細胞活性の低
下や性ホルモンのアンバランス等様々な要因が複雑に絡
みあって生じていると考えられている。また、毛髪の育
毛機構については、最近の細胞培養技術の進歩に伴い、
毛包組織の各種構成細胞ないし組織培養が可能となり、
次第に解明されているが、未だに不明な点が多いのが現
状である。そのため、各種の薬剤を配合した養毛料が予
防や治療に用いられてきているが、脱毛を抑制して発
毛、養毛を促すに充分な薬剤は未だ見出されていない。

【０００３】後述する一般式（Ｉ）で表される化合物を
包含する３−メチレンイソインドリン−１−オン誘導体
が虚血性脳障害保護作用を有することが開示されている
（ＷＯ９２／１７４４８）。しかし、該化合物が発毛、
育毛作用を有することは知られていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発
毛、育毛等の効果に優れた育毛剤を提供することにあ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、一般式（Ｉ）

【０００６】

【化２】

【０００７】（式中、Ｒ¹およびＲ²は同一または異な
って水素または低級アルキルを表し、ＸはＮ、ＣＨまた
はＣ（ＯＨ）を表し、Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵は同一また
は異なって水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロ
ゲン、トリフルオロメチルまたはニトロを表し、ｎは１
〜４の整数を表す）で表される３−メチレンイソインド
リン−１−オン誘導体またはその薬理的に許容される塩
を有効成分として含有する育毛剤に関する。

【０００８】以下、式（Ｉ）で表される化合物を化合物
（Ｉ）という。式（Ｉ）の各基の定義において、低級ア
ルキルおよび低級アルコキシにおけるアルキル部分は、
直鎖または分岐状の炭素数１〜６の、例えばメチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ネオペンチル、
ヘキシル等を表す。ハロゲンはフッ素、塩素、臭素また
はヨウ素を表す。

【０００９】化合物（Ｉ）の薬理的に許容される塩とし
ては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、酢酸
塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩
等の有機酸塩があげられる。本発明に用いられる化合物
は、例えばＷＯ９２／１７４４８に示されている方法に
よって製造できる。本発明に用いられる化合物（Ｉ）の
具体例の構造を第１表に、化合物名を第２表に、および
物性値を第３表に示す。表中、ＭｅおよびＥｔは、それ
ぞれメチル、エチルを意味する。

【００１０】

【表１】

【００１１】

【表２】

【００１２】

【表３】

【００１３】

【表４】

【００１４】

【表５】

【００１５】

【表６】

【００１６】

【表７】

【００１７】

【表８】

【００１８】化合物（Ｉ）の薬理作用について試験例で
説明する。

【００１９】試験例１（マウスの発毛に対する効果）試験化合物の養毛効果を調べる目的でマウスによる発毛
効果の試験を行った。毛周期の休止期にある９週令のＣ
３Ｈ／ＨｅＳｌｃ系雄性マウスの背部毛を電気バリカン
で除毛し、溶媒〔エタノール：プロピレングリコール：
水（６４：２０：１６）〕に溶解した試験化合物（濃度
１％）を１日１回、除毛部に均一に塗布した。また対照
群は溶媒だけを塗布した。

【００２０】発毛効果は、薬剤塗布部の発毛部位の面積
比を写真上で計測して判定した。その結果、試験化合物
投与群では、１０日目には毛包の形成を示す皮内の黒色
化が観察され、ついで急速に発毛が進み、１５日目には
塗布部のほぼ全域に渡って顕著な発毛が認められた。一
方、対照群では１５日目においても皮内の黒色化が塗布
部の一部に認められるのみであり、発毛にまで至った領
域はわずかであった。１５日目の各群の発毛面積を第４
表に示す。

【００２１】

【表９】

【００２２】以上の結果より、明らかな育毛促進作用が
あることがわかった。また、試験化合物投与群では約２
０日目でほぼ完全な毛再生を認めたが、その薬剤塗布部
に炎症等の異常を示す所見は認められなかった。

【００２３】試験例２（急性毒性試験）体重２０〜２５ｇのｄｄ系雄マウスを１群３匹用い、試
験化合物を経口で投与した。投与後７日後の死亡状況を
観察した。この試験において化合物１および化合物２７
の最小致死量（ＭＬＤ値）は、＞３００ｍｇ／ｋｇであ
った。試験例１および試験例２によれば、化合物１およ
び化合物２７は優れた育毛作用と安全性を示した。

【００２４】化合物（Ｉ）またはその薬理的に許容され
る塩は、そのままあるいは各種の製薬形態で使用するこ
とができる。本発明の製薬組成物は、活性成分として有
効な量の化合物（Ｉ）またはその薬理的に許容される塩
を薬理的に許容される担体と均一に混合して製造でき
る。これらの製薬組成物は、各種方法による投与が可能
であるが、頭皮等への経皮投与が望ましい。

【００２５】経皮投与するときの剤型としては、外用剤
型であればよく、例えば、ローション、リニメント、乳
液、軟膏、ペースト、ゲル、ムース、スプレー等を用い
ることができる。外用剤型の組成物としては、外用剤と
して有用な薬理的に許容される担体および添加剤が使用
できる。これらの薬理的に許容される担体および添加剤
としては、例えば、フェノール、ベンザルコニウムクロ
リド等の抗菌剤、メントール等の清涼化剤、イソプロピ
ルミリステート、２−エチルヘキシルパルミテート等の
エステル油、グリセリン、ソルビトール等の多価アルコ
ール、ムコ多糖類等の湿潤剤、エタノール等の低級アル
コール、水、ビタミン類、ホルモン類、アミノ酸類、界
面活性剤、可溶化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香
料、色素等を挙げることができ、これらを１種または２
種以上混合して使用する。また、エアロゾルに関して
は、本化合物を適当な薬理的に許容される溶媒、例えば
エチルアルコールまたはこれを混合した溶媒の組合せ等
に溶解し、薬理的に許容される噴射基剤と混合して調製
する。

【００２６】外用剤の場合、化合物（Ｉ）の含有量は0.
01% 〜10% 、好ましくは0.05% 〜5%である。化合物
（Ｉ）の経皮投与量は１日当り、0.01〜1000mg、好まし
くは0.1〜100mg であり、この量を１日に１〜４回に分
けて投与することができるが、患者の症状、体重、年
令、性別等を考慮して増減することができる。次に本発
明の態様を実施例により示す。

【００２７】

【実施例】

【００２８】実施例１（ヘヤーリキッド）（重量％）化合物１１．０エタノール４０．０グリセリン１．０香料適量精製水５８．０上記成分を常法により混合し１％液とする。

【００２９】実施例２（ヘヤーリキッド）（重量％）化合物２７１．５ビタミンＥアセテート０．１パントテニルアルコール０．５エタノール４０．０１，３−ブチレングリコール１．０香料適量精製水５６．９上記成分を常法により混合し１．５％液とする。

【００３０】実施例３（頭髪用トニック）（重量％）化合物１３．０変性アルコール５８．０１−メントール０．１１，３−ブチレングリコール１．０ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油１．０（６０Ｅ．Ｑ．）香料適量精製水３６．９上記成分を常法により混合し３％液とする。

【００３１】実施例４（頭髪用軟膏）（重量％）化合物１３．０流動パラフィン１０．０セタノール２０．０白色ワセリン６６．４エチルパラペン０．１ l-メントール０．５上記成分を常法により混合し３％軟膏とする。

【００３２】実施例５（頭髪用エアゾール）（重量％）化合物１０．１香料０．１エチルアルコール３９．８噴射剤 F12/11, 80/20 ６０．０上記成分を常法により混合し０．１％エアゾールとす
る。

【００３３】

【発明の効果】本発明により、発毛、育毛等の効果に優
れた育毛剤が提供される。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一般式（Ｉ）【化１】（式中、Ｒ¹およびＲ²は同一または異なって水素また
は低級アルキルを表し、ＸはＮ、ＣＨまたはＣ（ＯＨ）
を表し、Ｒ³、Ｒ⁴およびＲ⁵は同一または異なって水
素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲン、トリフ
ルオロメチルまたはニトロを表し、ｎは１〜４の整数を
表す）で表される３−メチレンイソインドリン−１−オ
ン誘導体またはその薬理的に許容される塩を有効成分と
して含有する育毛剤。