JPH07315967A - カーボン部品に対するSiC成膜方法 - Google Patents
カーボン部品に対するSiC成膜方法Info
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- JPH07315967A JPH07315967A JP13364794A JP13364794A JPH07315967A JP H07315967 A JPH07315967 A JP H07315967A JP 13364794 A JP13364794 A JP 13364794A JP 13364794 A JP13364794 A JP 13364794A JP H07315967 A JPH07315967 A JP H07315967A
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- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/009—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
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- C04B41/00—After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/50—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
- C04B41/5053—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
- C04B41/5057—Carbides
- C04B41/5059—Silicon carbide
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- C04B41/45—Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
- C04B41/52—Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 単結晶製造装置の黒鉛るつぼやヒータ、エピ
タキシャル成長装置のサセプタなど、表面をSiCで被
覆するカーボン部品に対して、剥離しにくく、カーボン
部品中の不純物蒸発を遮断する能力に優れたSiC層を
形成する。 【構成】 カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の
溶液を塗布し、前記部品を加熱してフェノール系樹脂を
硬化させる。その上に高純度シリコンの微粒子を添加し
たフェノール系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱し
て前記シリコン微粒子を含むフェノール系樹脂を硬化さ
せる。更に、前記部品に高温熱処理を施すことにより、
前記フェノール系樹脂の塗膜2はガラス状カーボン層
2′となり、ガラス状カーボン層2′の上にSiC層3
が形成される。カーボン部品1とSiC層3との間にガ
ラス状カーボン層2′が介在するため、SiC層の剥離
はほとんど起こらず、カーボン部品から発生する重金属
蒸気などは表層に出にくい。
タキシャル成長装置のサセプタなど、表面をSiCで被
覆するカーボン部品に対して、剥離しにくく、カーボン
部品中の不純物蒸発を遮断する能力に優れたSiC層を
形成する。 【構成】 カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の
溶液を塗布し、前記部品を加熱してフェノール系樹脂を
硬化させる。その上に高純度シリコンの微粒子を添加し
たフェノール系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱し
て前記シリコン微粒子を含むフェノール系樹脂を硬化さ
せる。更に、前記部品に高温熱処理を施すことにより、
前記フェノール系樹脂の塗膜2はガラス状カーボン層
2′となり、ガラス状カーボン層2′の上にSiC層3
が形成される。カーボン部品1とSiC層3との間にガ
ラス状カーボン層2′が介在するため、SiC層の剥離
はほとんど起こらず、カーボン部品から発生する重金属
蒸気などは表層に出にくい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CZ法による単結晶製
造装置に用いられる黒鉛るつぼ、黒鉛ヒータや、エピタ
キシャル成長装置に用いられるサセプタなど、表面にS
iCのコーティングを必要とするカーボン製部品に係
り、特に前記部品に高品質のSiC層を形成することが
できるようなSiC成膜方法に関する。
造装置に用いられる黒鉛るつぼ、黒鉛ヒータや、エピタ
キシャル成長装置に用いられるサセプタなど、表面にS
iCのコーティングを必要とするカーボン製部品に係
り、特に前記部品に高品質のSiC層を形成することが
できるようなSiC成膜方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子の基板には主として高純度の
単結晶シリコンが用いられているが、この単結晶シリコ
ンの製造方法の一つにチョクラルスキー法(以下CZ法
という)がある。CZ法においては、半導体単結晶製造
装置のチャンバ内に設置したるつぼ軸の上端にるつぼ受
けを介して黒鉛るつぼを載置し、前記黒鉛るつぼ内に収
容した石英るつぼに多結晶シリコンを充填した上、前記
黒鉛るつぼの周囲に設けた黒鉛ヒータによって多結晶シ
リコンを加熱溶解して融液とする。そして、シードチャ
ックに取り付けた種子結晶を前記融液に浸漬し、シード
チャックおよび黒鉛るつぼを同方向または逆方向に回転
しつつシードチャックを引き上げて単結晶シリコンを成
長させる。また、エピタキシャル成長装置においては、
単結晶シリコンからなる半導体ウェーハをサセプタに搭
載して加熱するが、前記サセプタの実用的な材質として
カーボンが用いられている。
単結晶シリコンが用いられているが、この単結晶シリコ
ンの製造方法の一つにチョクラルスキー法(以下CZ法
という)がある。CZ法においては、半導体単結晶製造
装置のチャンバ内に設置したるつぼ軸の上端にるつぼ受
けを介して黒鉛るつぼを載置し、前記黒鉛るつぼ内に収
容した石英るつぼに多結晶シリコンを充填した上、前記
黒鉛るつぼの周囲に設けた黒鉛ヒータによって多結晶シ
リコンを加熱溶解して融液とする。そして、シードチャ
ックに取り付けた種子結晶を前記融液に浸漬し、シード
チャックおよび黒鉛るつぼを同方向または逆方向に回転
しつつシードチャックを引き上げて単結晶シリコンを成
長させる。また、エピタキシャル成長装置においては、
単結晶シリコンからなる半導体ウェーハをサセプタに搭
載して加熱するが、前記サセプタの実用的な材質として
カーボンが用いられている。
【0003】上記半導体単結晶製造装置に用いる黒鉛る
つぼや黒鉛ヒータ、エピタキシャル成長装置に用いるサ
セプタなどのカーボン部品から発生する重金属などの不
純物による半導体単結晶の汚染を防止するため、カーボ
ン部品の表面にはSiCがコーティングされている。前
記SiCをコーティングする場合、従来から主としてC
VD装置による気相成長法が用いられている。
つぼや黒鉛ヒータ、エピタキシャル成長装置に用いるサ
セプタなどのカーボン部品から発生する重金属などの不
純物による半導体単結晶の汚染を防止するため、カーボ
ン部品の表面にはSiCがコーティングされている。前
記SiCをコーティングする場合、従来から主としてC
VD装置による気相成長法が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CVD
装置による気相成長法では、カーボン部品の表面に単に
SiCを被覆するだけであるため、SiCとカーボンと
の熱膨張率の違いにより、使用中にSiC層に割れを生
じたり、カーボン部品からSiC層が剥がれてしまうこ
とがある。前記SiC層の割れや剥離は、カーボン部品
に含まれている不純物蒸気による半導体単結晶の汚染を
招く。また、黒鉛るつほや黒鉛ヒータは体積が大きいた
め、SiCの成膜に際してこれらの部品を収容しうる大
きなCVD装置を必要とする。
装置による気相成長法では、カーボン部品の表面に単に
SiCを被覆するだけであるため、SiCとカーボンと
の熱膨張率の違いにより、使用中にSiC層に割れを生
じたり、カーボン部品からSiC層が剥がれてしまうこ
とがある。前記SiC層の割れや剥離は、カーボン部品
に含まれている不純物蒸気による半導体単結晶の汚染を
招く。また、黒鉛るつほや黒鉛ヒータは体積が大きいた
め、SiCの成膜に際してこれらの部品を収容しうる大
きなCVD装置を必要とする。
【0005】本発明は上記従来の問題点に着目してなさ
れたもので、CZ法による半導体単結晶製造装置に用い
られる黒鉛るつぼや黒鉛ヒータ、エピタキシャル成長装
置に用いられるサセプタなど、表面にSiCのコーティ
ングを必要とするカーボン部品に対して、剥離しにく
く、かつ、カーボン部品に含まれる不純物の蒸発を遮断
する能力に優れたSiC層を形成することができるよう
な、カーボン部品に対するSiC成膜方法を提供するこ
とを目的としている。
れたもので、CZ法による半導体単結晶製造装置に用い
られる黒鉛るつぼや黒鉛ヒータ、エピタキシャル成長装
置に用いられるサセプタなど、表面にSiCのコーティ
ングを必要とするカーボン部品に対して、剥離しにく
く、かつ、カーボン部品に含まれる不純物の蒸発を遮断
する能力に優れたSiC層を形成することができるよう
な、カーボン部品に対するSiC成膜方法を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】ガラス状カーボンは、カ
ーボン部品に熱硬化性樹脂を塗布して加熱、硬化させ、
炭化させることによって形成することができ、気体およ
び液体の透過性が極めて低い。そこで、本発明に係るカ
ーボン部品に対するSiC成膜方法は、カーボン部品の
表面にガラス状カーボン層を形成し、前記ガラス状カー
ボン層の上にSiC層を積層形成することを特徴として
いる。具体的には、カーボン部品の表面にフェノール系
樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノー
ル系樹脂を硬化させた後、高純度シリコンの微粒子を加
えたフェノール系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱
して前記高純度シリコンの微粒子を含むフェノール系樹
脂を硬化させ、更に前記部品に高温熱処理を施して前記
フェノール系樹脂の塗膜をガラス状カーボン層とすると
ともに、ガラス状カーボン層の上にSiC層を形成する
構成とし、あるいは、カーボン部品の表面にフェノール
系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノ
ール系樹脂を硬化させた後、フェノール系樹脂の溶液に
添加する高純度シリコン微粒子の量を順次増加しつつ、
前記溶液の塗布と加熱硬化とを複数回繰り返した上、前
記部品に高温熱処理を施して前記フェノール系樹脂の塗
膜をガラス状カーボン層とするとともに、ガラス状カー
ボン層の上にSiC層を形成する構成としてもよい。
ーボン部品に熱硬化性樹脂を塗布して加熱、硬化させ、
炭化させることによって形成することができ、気体およ
び液体の透過性が極めて低い。そこで、本発明に係るカ
ーボン部品に対するSiC成膜方法は、カーボン部品の
表面にガラス状カーボン層を形成し、前記ガラス状カー
ボン層の上にSiC層を積層形成することを特徴として
いる。具体的には、カーボン部品の表面にフェノール系
樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノー
ル系樹脂を硬化させた後、高純度シリコンの微粒子を加
えたフェノール系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱
して前記高純度シリコンの微粒子を含むフェノール系樹
脂を硬化させ、更に前記部品に高温熱処理を施して前記
フェノール系樹脂の塗膜をガラス状カーボン層とすると
ともに、ガラス状カーボン層の上にSiC層を形成する
構成とし、あるいは、カーボン部品の表面にフェノール
系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノ
ール系樹脂を硬化させた後、フェノール系樹脂の溶液に
添加する高純度シリコン微粒子の量を順次増加しつつ、
前記溶液の塗布と加熱硬化とを複数回繰り返した上、前
記部品に高温熱処理を施して前記フェノール系樹脂の塗
膜をガラス状カーボン層とするとともに、ガラス状カー
ボン層の上にSiC層を形成する構成としてもよい。
【0007】
【作用】上記構成によれば、カーボン部品の表面にガラ
ス状カーボン層を形成し、前記ガラス状カーボン層の上
にSiC層を積層形成することとしたので、CVD装置
による気相成長法を用いてカーボン部品の表面に直接形
成したSiC層と異なり、極めて剥離しにくい。また、
SiC層の下にガラス状カーボン層が介在するため、カ
ーボン部品から発生する重金属などの不純物蒸気は前記
ガラス状カーボン層によって遮られる。従って、半導体
単結晶などの前記不純物による汚染が抑止される。
ス状カーボン層を形成し、前記ガラス状カーボン層の上
にSiC層を積層形成することとしたので、CVD装置
による気相成長法を用いてカーボン部品の表面に直接形
成したSiC層と異なり、極めて剥離しにくい。また、
SiC層の下にガラス状カーボン層が介在するため、カ
ーボン部品から発生する重金属などの不純物蒸気は前記
ガラス状カーボン層によって遮られる。従って、半導体
単結晶などの前記不純物による汚染が抑止される。
【0008】
【実施例】以下に、本発明に係るカーボン部品に対する
SiC成膜方法の実施例について、図面を参照して説明
する。図1は、請求項2に基づくSiC成膜方法によっ
て形成された皮膜の断面説明図で、この皮膜は次の手順
で形成する。 (1)カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の溶液
を塗布する。塗膜の厚さは、たとえば約100μmとす
る。 (2)上記カーボン部品1を200°C前後の温度で3
〜4時間加熱し、フェノール系樹脂の塗膜2を硬化させ
る。 (3)上記塗膜2の上に、所定量の高純度シリコン微粒
子を添加したフェノール系樹脂の溶液を塗布する。前記
高純度シリコンの粒径は10〜100μm、塗膜の厚さ
は一例として約100μmである。 (4)上記カーボン部品1を200°C前後の温度で3
〜4時間加熱し、塗膜を硬化させる。 (5)上記カーボン部品1に、1300〜2000°C
の温度で5時間以上の熱処理を施す。この高温熱処理に
より、カーボン部品1の表面にガラス状カーボン層2′
が形成され、更にその上に高純度シリコンの微粒子とカ
ーボンとの反応によって生成したSiC層3が形成され
る。
SiC成膜方法の実施例について、図面を参照して説明
する。図1は、請求項2に基づくSiC成膜方法によっ
て形成された皮膜の断面説明図で、この皮膜は次の手順
で形成する。 (1)カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の溶液
を塗布する。塗膜の厚さは、たとえば約100μmとす
る。 (2)上記カーボン部品1を200°C前後の温度で3
〜4時間加熱し、フェノール系樹脂の塗膜2を硬化させ
る。 (3)上記塗膜2の上に、所定量の高純度シリコン微粒
子を添加したフェノール系樹脂の溶液を塗布する。前記
高純度シリコンの粒径は10〜100μm、塗膜の厚さ
は一例として約100μmである。 (4)上記カーボン部品1を200°C前後の温度で3
〜4時間加熱し、塗膜を硬化させる。 (5)上記カーボン部品1に、1300〜2000°C
の温度で5時間以上の熱処理を施す。この高温熱処理に
より、カーボン部品1の表面にガラス状カーボン層2′
が形成され、更にその上に高純度シリコンの微粒子とカ
ーボンとの反応によって生成したSiC層3が形成され
る。
【0009】カーボン部品の表面にガラス状カーボン層
を形成する手段として、本実施例ではフェノール系樹脂
を使用したが、これに限るものではなく、他の熱硬化性
樹脂を用いてもよい。また、カーボン部品を前記樹脂で
被覆する場合、樹脂溶液をはけ塗りする以外に、スプレ
ー、浸漬などによることも可能である。
を形成する手段として、本実施例ではフェノール系樹脂
を使用したが、これに限るものではなく、他の熱硬化性
樹脂を用いてもよい。また、カーボン部品を前記樹脂で
被覆する場合、樹脂溶液をはけ塗りする以外に、スプレ
ー、浸漬などによることも可能である。
【0010】図2は、請求項3に基づくSiC成膜方法
によって形成された皮膜の断面説明図である。この皮膜
は次の手順で形成する。 (1)カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の溶液
を塗布した後、200°C前後の温度で3〜4時間加熱
し、前記フェノール系樹脂の塗膜2を硬化させる。 (2)高純度シリコンの微粒子(粒径10〜100μ
m)を添加したフェノール系樹脂の溶液を前記塗膜2の
上に塗布し、200°C前後の温度で3〜4時間加熱す
る。この手順を複数回繰り返す。この場合、前記フェノ
ール系樹脂の溶液に添加する高純度シリコン微粒子の量
を次第に増やして行く。 (3)上記カーボン部品1に、1300〜2000°C
の温度で5時間以上の熱処理を施す。この高温熱処理に
より、カーボン部品1の表面にガラス状カーボン層2′
が形成され、更にその上に高純度シリコンの微粒子とカ
ーボンとの反応によって生成したSiC層が形成され
る。この成膜方法では、ガラス状カーボン層2′の上に
ガラス状カーボンとSiCとの混合層4が形成され、皮
膜の表面に近づくに従って順次SiCの比率が高くな
り、最表層で完全なSiC層3が形成される。
によって形成された皮膜の断面説明図である。この皮膜
は次の手順で形成する。 (1)カーボン部品1の表面にフェノール系樹脂の溶液
を塗布した後、200°C前後の温度で3〜4時間加熱
し、前記フェノール系樹脂の塗膜2を硬化させる。 (2)高純度シリコンの微粒子(粒径10〜100μ
m)を添加したフェノール系樹脂の溶液を前記塗膜2の
上に塗布し、200°C前後の温度で3〜4時間加熱す
る。この手順を複数回繰り返す。この場合、前記フェノ
ール系樹脂の溶液に添加する高純度シリコン微粒子の量
を次第に増やして行く。 (3)上記カーボン部品1に、1300〜2000°C
の温度で5時間以上の熱処理を施す。この高温熱処理に
より、カーボン部品1の表面にガラス状カーボン層2′
が形成され、更にその上に高純度シリコンの微粒子とカ
ーボンとの反応によって生成したSiC層が形成され
る。この成膜方法では、ガラス状カーボン層2′の上に
ガラス状カーボンとSiCとの混合層4が形成され、皮
膜の表面に近づくに従って順次SiCの比率が高くな
り、最表層で完全なSiC層3が形成される。
【0011】本発明による成膜方法とCVD装置を用い
る従来の成膜方法のそれぞれについて、SiC層のはが
れにくさを比較した。テストピースとして、縦100m
m、横100mm、厚さ5mmのカーボン板を用い、こ
のテストピースに本発明の請求項2に基づく成膜方法お
よびCVD装置による気相成長法を用いて、それぞれ厚
さ10μmのSiC皮膜を形成した。次に、前記カーボ
ン板をアルゴンガス雰囲気中で図3に示すように、20
0°C〜1200°Cの昇温、降温のサイクルを繰り返
して2300分の熱処理を行った。その結果、表1に示
すように、CVD装置による成膜方法に比べて本発明に
よる成膜方法の方がSiC層のひび割れ、剥離ともに格
段に少ないことが確認された。本発明による成膜方法で
はひび割れ発生率が9%、剥離発生率が2%に過ぎない
のに対し、従来の成膜方法では約半数にひび割れが発生
し、そのほとんどは剥離に至っている。
る従来の成膜方法のそれぞれについて、SiC層のはが
れにくさを比較した。テストピースとして、縦100m
m、横100mm、厚さ5mmのカーボン板を用い、こ
のテストピースに本発明の請求項2に基づく成膜方法お
よびCVD装置による気相成長法を用いて、それぞれ厚
さ10μmのSiC皮膜を形成した。次に、前記カーボ
ン板をアルゴンガス雰囲気中で図3に示すように、20
0°C〜1200°Cの昇温、降温のサイクルを繰り返
して2300分の熱処理を行った。その結果、表1に示
すように、CVD装置による成膜方法に比べて本発明に
よる成膜方法の方がSiC層のひび割れ、剥離ともに格
段に少ないことが確認された。本発明による成膜方法で
はひび割れ発生率が9%、剥離発生率が2%に過ぎない
のに対し、従来の成膜方法では約半数にひび割れが発生
し、そのほとんどは剥離に至っている。
【0012】
【表1】
【0013】次に、カーボン部品に含まれている不純物
の蒸発を遮断する能力について調査するため、縦100
mm、横100mm、厚さ5mmのカーボン板に下記の
処理を施してテストピースとした。 (1)テストピースA:本発明の請求項2に基づく方法
で前記カーボン板に厚さ10μmのガラス状カーボン層
を形成し、その上に高純度シリコンの微粒子を添加した
フェノール系樹脂の溶液を塗布して加熱硬化させ、厚さ
30μmのSiC層を形成した。 (2)テストピースB:上記テストピースAと比較する
ため、カーボン板にガラス状カーボン層を形成せず、高
純度シリコンの微粒子を混入したフェノール系樹脂の溶
液を前記カーボン板に直接塗布して加熱硬化させ、厚さ
30μmのSiC層を形成した。 (3)テストピースC:上記テストピースAと比較する
ため、CVD装置による気相成長法を用いてカーボン板
に厚さ30μmのSiC層を形成した。これらの3種類
のテストピースをアルゴンガス雰囲気中で1200°C
に加熱し、SiC層表面におけるFe濃度の経時変化を
測定した。その結果は図4に示す通りで、上記テストピ
ースB,Cに比べてテストピースAのFe濃度は極めて
低い。これは、テストピースAでは不純物蒸気の大部分
がガラス状カーボン層に遮られ、皮膜に生じた僅かな亀
裂から不純物蒸気の一部がSiC層表面に到達すること
による。これに対し、テストピースB,CではSiC層
の亀裂または剥離が大きいため、表層における不純物濃
度が高くなる。従って、カーボン部品から発生する不純
物蒸気による半導体単結晶の汚染は、カーボン部品とS
iC層との間にガラス状カーボン層を介在させることに
よって著しく低減される。
の蒸発を遮断する能力について調査するため、縦100
mm、横100mm、厚さ5mmのカーボン板に下記の
処理を施してテストピースとした。 (1)テストピースA:本発明の請求項2に基づく方法
で前記カーボン板に厚さ10μmのガラス状カーボン層
を形成し、その上に高純度シリコンの微粒子を添加した
フェノール系樹脂の溶液を塗布して加熱硬化させ、厚さ
30μmのSiC層を形成した。 (2)テストピースB:上記テストピースAと比較する
ため、カーボン板にガラス状カーボン層を形成せず、高
純度シリコンの微粒子を混入したフェノール系樹脂の溶
液を前記カーボン板に直接塗布して加熱硬化させ、厚さ
30μmのSiC層を形成した。 (3)テストピースC:上記テストピースAと比較する
ため、CVD装置による気相成長法を用いてカーボン板
に厚さ30μmのSiC層を形成した。これらの3種類
のテストピースをアルゴンガス雰囲気中で1200°C
に加熱し、SiC層表面におけるFe濃度の経時変化を
測定した。その結果は図4に示す通りで、上記テストピ
ースB,Cに比べてテストピースAのFe濃度は極めて
低い。これは、テストピースAでは不純物蒸気の大部分
がガラス状カーボン層に遮られ、皮膜に生じた僅かな亀
裂から不純物蒸気の一部がSiC層表面に到達すること
による。これに対し、テストピースB,CではSiC層
の亀裂または剥離が大きいため、表層における不純物濃
度が高くなる。従って、カーボン部品から発生する不純
物蒸気による半導体単結晶の汚染は、カーボン部品とS
iC層との間にガラス状カーボン層を介在させることに
よって著しく低減される。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、カ
ーボン部品の表面にガラス状カーボン層を介してSiC
層を形成することにしたので、前記カーボン部品を反復
使用した場合でも皮膜の割れ、剥離の発生が極めて少な
くなる。また、カーボン部品から発生する重金属などの
不純物蒸気は、SiC層の下に介在するガラス状カーボ
ン層によって遮られ、半導体単結晶などの前記不純物に
よる汚染が抑止される。従って、本発明によるSiC成
膜方法を適用することにより、CVD装置を用いてSi
C層を形成した従来のカーボン部品よりも高品質で、耐
久性に優れたSiC層を有するカーボン部品を提供する
ことができる。これにより、CZ法による半導体単結晶
製造装置の黒鉛るつぼや黒鉛ヒータ、あるいはエピタキ
シャル成長装置のサセプタなどのカーボン部品に起因す
る半導体単結晶の汚染が飛躍的に低減し、高品質の半導
体製品の製造が容易となる。なお、本発明によるSiC
成膜方法は、従来のCVD装置による成膜に比べて短時
間かつ低コストで処理することができる。
ーボン部品の表面にガラス状カーボン層を介してSiC
層を形成することにしたので、前記カーボン部品を反復
使用した場合でも皮膜の割れ、剥離の発生が極めて少な
くなる。また、カーボン部品から発生する重金属などの
不純物蒸気は、SiC層の下に介在するガラス状カーボ
ン層によって遮られ、半導体単結晶などの前記不純物に
よる汚染が抑止される。従って、本発明によるSiC成
膜方法を適用することにより、CVD装置を用いてSi
C層を形成した従来のカーボン部品よりも高品質で、耐
久性に優れたSiC層を有するカーボン部品を提供する
ことができる。これにより、CZ法による半導体単結晶
製造装置の黒鉛るつぼや黒鉛ヒータ、あるいはエピタキ
シャル成長装置のサセプタなどのカーボン部品に起因す
る半導体単結晶の汚染が飛躍的に低減し、高品質の半導
体製品の製造が容易となる。なお、本発明によるSiC
成膜方法は、従来のCVD装置による成膜に比べて短時
間かつ低コストで処理することができる。
【図1】請求項2の成膜方法によってカーボン部品に形
成された皮膜の断面説明図である。
成された皮膜の断面説明図である。
【図2】請求項3の成膜方法によってカーボン部品に形
成された皮膜の断面説明図である。
成された皮膜の断面説明図である。
【図3】テストピースによるSiC皮膜の剥離試験にお
ける熱処理温度サイクルを説明する図である。
ける熱処理温度サイクルを説明する図である。
【図4】テストピースのSiC層表面におけるFe濃度
の経時変化を示す図である。
の経時変化を示す図である。
1 カーボン部品 2 塗膜 2′ガラス状カーボン層 3 SiC層
Claims (3)
- 【請求項1】 カーボン部品の表面にガラス状カーボン
層を形成し、前記ガラス状カーボン層の上にSiC層を
積層形成することを特徴とするカーボン部品に対するS
iC成膜方法。 - 【請求項2】 カーボン部品の表面にフェノール系樹脂
の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノール系
樹脂を硬化させた後、高純度シリコンの微粒子を加えた
フェノール系樹脂の溶液を塗布し、前記部品を加熱して
前記高純度シリコンの微粒子を含むフェノール系樹脂を
硬化させ、更に前記部品に高温熱処理を施して前記フェ
ノール系樹脂の塗膜をガラス状カーボン層とするととも
に、ガラス状カーボン層の上にSiC層を形成すること
を特徴とする請求項1のカーボン部品に対するSiC成
膜方法。 - 【請求項3】 カーボン部品の表面にフェノール系樹脂
の溶液を塗布し、前記部品を加熱して前記フェノール系
樹脂を硬化させた後、フェノール系樹脂の溶液に添加す
る高純度シリコン微粒子の量を順次増加しつつ、前記溶
液の塗布と加熱硬化とを複数回繰り返した上、前記部品
に高温熱処理を施して前記フェノール系樹脂の塗膜をガ
ラス状カーボン層とするとともに、ガラス状カーボン層
の上にSiC層を形成することを特徴とする請求項1の
カーボン部品に対するSiC成膜方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13364794A JPH07315967A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | カーボン部品に対するSiC成膜方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13364794A JPH07315967A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | カーボン部品に対するSiC成膜方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07315967A true JPH07315967A (ja) | 1995-12-05 |
Family
ID=15109698
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13364794A Pending JPH07315967A (ja) | 1994-05-23 | 1994-05-23 | カーボン部品に対するSiC成膜方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07315967A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140003017A (ko) * | 2012-06-28 | 2014-01-09 | 엘지이노텍 주식회사 | 탄화규소 에피 웨이퍼 및 이의 제조 방법 |
JP2016113345A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | 信越化学工業株式会社 | 黒鉛−炭化珪素複合体及びその製造方法 |
-
1994
- 1994-05-23 JP JP13364794A patent/JPH07315967A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20140003017A (ko) * | 2012-06-28 | 2014-01-09 | 엘지이노텍 주식회사 | 탄화규소 에피 웨이퍼 및 이의 제조 방법 |
JP2016113345A (ja) * | 2014-12-17 | 2016-06-23 | 信越化学工業株式会社 | 黒鉛−炭化珪素複合体及びその製造方法 |
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