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JPH07313874A - 含水活性炭の乾燥方法 - Google Patents

含水活性炭の乾燥方法

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JPH07313874A
JPH07313874A JP13371494A JP13371494A JPH07313874A JP H07313874 A JPH07313874 A JP H07313874A JP 13371494 A JP13371494 A JP 13371494A JP 13371494 A JP13371494 A JP 13371494A JP H07313874 A JPH07313874 A JP H07313874A
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activated carbon
water
solvent
adsorption
toluene
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JP13371494A
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Susumu Abe
進 阿部
Moritaka Fujiwara
盛隆 藤原
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Kuraray Chemical Co Ltd
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Kuraray Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】含水活性炭を、炭化水素、エステル、ケトン及
びアルコールよりなる群より選ばれた1種または2種以
上の有機溶剤に浸漬・液切後、過熱スチームにより活性
炭中に含まれる有機溶剤及び水分を脱着することを特徴
とする含水活性炭の乾燥方法である。 【効果】本発明は含水活性炭を乾燥する際、活性炭を特
定の有機溶剤に浸漬して活性炭中の水分を溶剤と置換し
た後、過熱スチームにより乾燥する方法で、容易に活性
炭中の水分を除去することが出来る。更に、溶剤回収装
置等に適用する場合には、乾燥剤として回収対象の有機
溶剤と同一の溶剤を選択することにより、活性炭の乾燥
後残存した溶剤が回収溶剤中に混入してもそのまま利用
でき、また、溶剤回収装置の運転開始直後からほぼ定常
状態の回収率、排気濃度に到達させ得る利点がある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は活性炭の乾燥方法に関す
るものである。更に詳しく述べると溶剤回収装置等の吸
着塔に活性炭を充填する場合、活性炭に水を加えてスラ
リー状にして充填した時或いは一時停止のため活性炭塔
に水を注入した場合、溶剤回収装置等の運転開始の際に
適用する活性炭に含まれている水分を除去する方法、す
なわち活性炭の乾燥方法である。
【0002】
【従来の技術】活性炭は高い吸着性を有するため水を含
有する活性炭を乾燥するためには多量の熱量と長時間を
要する。溶剤回収装置等において吸着槽に活性炭を充填
する場合、通常活性炭を充填する便宜上活性炭に水を加
えてスラリー状として充填した後、活性炭中の水分を除
去すなわち乾燥して使用される。この際活性炭を乾燥す
るため過熱スチームを数時間〜2日間も通す必要がある
ことが多い。しかし、この様な強力な乾燥方法を適用し
ても活性炭中の水分を充分に除去することが出来ず、溶
剤回収装置等系内に水分が存在すると性能が低下する装
置では、活性炭が正常な吸着能力を発揮する迄には運転
開始後1〜2日、長い場合は数日間を要する場合もあ
る。
【0003】従って、その間回収能率が低下するのみな
らず大気中に放出された溶剤による大気汚染も問題にな
っている。その他種々の乾燥剤を使用する含水活性炭の
乾燥方法も開示されているが、乾燥剤の再生或いは回収
のため更に別の装置を必要とする等問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】溶剤回収装置等におい
て吸着剤として活性炭を使用する場合、水分を含有した
活性炭を乾燥する必要がある。水分は活性炭のミクロポ
アーに吸着されており、且つ水の蒸発潜熱が大きいた
め、直接過熱スチームを吹き込んで乾燥する方法は熱効
率が低く且つ充分に乾燥することが出来ない。このため
含水活性炭の乾燥方法を改良して、熱効率も高く短時間
でほぼ完全に乾燥出来る方法を開発しようとするもので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はグラフアイ
ト等炭素質の表面は或る程度の疎水性を有するが、炭化
水素、エステル、ケトン及びアルコール類は水より炭素
質への親和性が高い点に着目した。このため水を吸着し
ている活性炭をこれらの有機溶剤に浸漬すると活性炭中
に含まれている水分と溶剤が置換され、水分を排出する
性質が以外に大きいことを見出した。これに基づいて更
にこれらの有機溶剤の蒸発潜熱は水の蒸発潜熱に較べて
著しく小さいことを考慮して、これらの有機溶剤と置換
後の含水活性炭の乾燥方法についも検討し、本発明に到
達した。
【0006】すなわち、含水活性炭を、炭化水素、エス
テル、ケトン及びアルコールよりなる群より選ばれた1
種または2種以上の有機溶剤に浸漬・液切後、過熱スチ
ームにより活性炭中に含まれる有機溶剤及び水分を脱着
することを特徴とする含水活性炭の乾燥方法である。
【0007】以下本発明について詳細に説明する。
【0008】本発明の乾燥方法は水を含有する活性炭に
適用されるものである。ここで使用する基材の活性炭
は、通常1gあたり数100 m2或いはそれ以上の大きな表面
積を有し、高い吸着性を示す炭素材料であれば広範囲に
使用できる。活性炭の原料は通常ヤシ殻または木材等の
炭化物或いは石炭が使用されるが何れでもよい。また賦
活法も水蒸気或いは二酸化炭素により高温でまたは塩化
亜鉛、リン酸、濃硫酸処理等いづれの方法により得られ
たものでもよい。
【0009】また形状は破砕炭、造粒炭或いは顆粒炭の
何れでも効果は認められるが、圧損失及び入替等取扱い
上造粒炭または活性炭を添着したシート状吸着層が便利
である。造粒炭は常法に従って炭素材料100 部に30〜60
部の石油ピッチ或いはコールタール等をバインダーとし
て加え混和成型後賦活して調整される。
【0010】活性炭は無極性吸着剤として極めて優れた
吸着性を有する特異な物質で、殆どすべてのガス状或い
は液状物質に対して高い吸着性を示すことが知られてい
る。また、その他種々の特異な性質をもっているため多
くの用途に使用される。
【0011】活性炭はしばしば気相中に含まれる有機溶
剤ガスの吸着・回収に使用されるが、特に気相中の有機
溶剤ガスの含有量が低い場合でも高い回収率を示す点に
特徴があるため、この分野では広く使用されている。
【0012】本発明に使用される活性炭の含水量は限定
しないが、本発明の乾燥方法は含水量が高い場合に特に
有効である。本発明において活性炭中に含まれた水の置
換剤として使用される有機溶剤は、炭化水素、エステ
ル、ケトン及びアルコールよりなる群より選ばれた1種
または2種以上の有機溶剤を使用する必要がある。これ
らの有機溶剤は水より活性炭との親和性が高く、また長
期間活性炭の細孔中に吸着された状態で保持されても化
学反応を起こすおそれがないためである。
【0013】炭化水素は飽和炭化水素の他不飽和炭化水
素も使用可能であるが、鎖状不飽和炭化水素は他の有機
溶剤等と反応するおそれがあり、また長期間使用すると
一部分解・変質することもあるため、飽和炭化水素がよ
り好ましく、側鎖があってもよい。また、脂環炭化水素
も本発明の炭化水素に含まれる。尚、芳香族炭化水素は
安定性が高いため鎖状の飽和炭化水素と同様に好まし
い。
【0014】エステルも特に限定しないが、炭化水素と
同様な理由で飽和脂肪酸及び飽和アルコールから得られ
たエステル類が好ましい。
【0015】ケトン及びアルコールは低級な化合物は水
溶性または一部水溶性であり、分子量が高くなると相互
の溶解度が低下し、不溶性になるが、いずれのケトン及
びアルコールも使用可能である。分子量が高いケトン及
びアルコールの沸点は水の沸点より高くなるが、水に不
溶性となり水と共沸する性質を有するため本発明に使用
することが出来る。
【0016】これらの有機溶剤としは例えば、n-ヘキサ
ン、イソペンタン、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、
酢酸イソプロピル或いはアセトン等である。これらの有
機溶剤は1種類のみでなく2種類以上を混合使用するこ
とも可能である。
【0017】また、有機溶剤回収装置に使用るす場合、
その回収対象の有機溶剤と同一の溶剤を活性炭の乾燥の
際の浸漬剤として使用することが好ましい。活性炭の乾
燥後残存した浸漬剤が回収溶剤に混入しても不純物にな
らず、そのまま使用出来る利点があるからである。ま
た、水に可溶性の有機溶剤を使用する場合は、水を含ん
だ溶剤をそのまま浸漬剤として使用することも可能であ
り、ケトン及びアルコールの水溶液を使用する場合も本
発明に含まれている。尚、この場合溶剤濃度が高い程好
ましいことは当然であるが、溶剤濃度がほぼ30%程度以
上であればかなり大きな水分との置換効果が認められ
る。
【0018】含水活性炭に有機溶剤を加えて活性炭中に
含まれている水分と置換させる場合、有機溶剤の添加量
は活性炭が浸る程度で充分である。また活性炭を有機溶
剤に浸漬・接触させる時間は10分間以上が好ましい。
【0019】含水活性炭を有機溶剤に浸漬した後、液切
りして活性炭の外部に排出された水分及び活性炭の周囲
に残存している有機溶剤を分離する必要がある。液切は
例えば活性炭充填槽の場合、槽の底部のバルブを開けて
浸漬液を自然流下させることによりなされる。
【0020】分離された浸漬液には有機溶剤及び水が含
まれているため、その相互溶解度によりデカンターまた
は蒸留により分離され、溶剤は回収され再使用される。
【0021】浸漬後の液切された活性炭中には尚有機溶
剤と水分が含まれている。残存有機溶剤及び水分は過熱
スチームにより脱着させる必要がある。過熱スチームを
使用するのは、活性炭の内部に残存している有機溶剤及
び水分の蒸発熱を供給することにより、残存成分を充分
に脱着させると共に活性炭の細孔内部を乾燥させるため
である。脱着に使用する過熱スチーム量は通常活性炭の
量に対して30〜50重量%でもかなりの効果があるが、2
倍量以上が好ましい。またスチームを過熱する度合は所
要熱量を考慮して適宜に設定される。脱着ガスは冷却・
凝縮される。
【0022】凝縮された脱着液には有機溶剤及び水が含
まれているため、その相互溶解度によりデカンターまた
は蒸留により分離され、溶剤は回収され再使用される。
【0023】
【作用】含水活性炭を乾燥するため直接スチームを吹き
込んでも、多量の熱量と時間を要し尚活性炭の細孔中の
水分を充分に除去することが困難である。炭化水素、エ
ステル、ケトン或いはアルコールは活性炭に対して水分
よりもかなり高い親和性を持っている。この性質を利用
して含水活性炭を一旦これらの有機溶剤に浸漬すること
により、親和性の差異を利用して活性炭中に含有されて
いる水分を有機溶剤と置換し、更に液切した後、過剰な
熱量を持った過熱スチームを吹き込むことにより、容易
に活性炭に含まれていた水分を蒸発・除去することが出
来る。
【0024】更に、本発明方法を溶剤回収装置等に適用
する場合には、回収対象の有機溶剤と同一の溶剤をこれ
らの特定な有機溶剤から選択することによって、活性炭
の乾燥後残存した溶剤が回収溶剤中に混入しても不純物
にならず、そのまま利用できる。更に、溶剤回収装置の
運転開始直後からほぼ定常状態の回収率、排気濃度とな
る利点があり、溶剤のロス及び環境への悪影響を防止出
来る。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0026】(実施例1、比較例1)図1に以下本発明
の実施例及び比較例で使用した溶剤回収用試験装置を示
す。吸着槽1の底部には目皿10が設けられ、その上部に
予め乾燥した溶剤回収用活性炭11〔クラレケミカル
(株)製、活性炭「クラレコール 4GS」〕 400g を充填
した。吸着槽1は熱ロスを防止するため断熱剤9で被覆
されている。バルブ2、3及び5を閉じ、バルブ4を開
いて吸着槽1に水を注入し、活性炭11が完全に浸漬され
た状態で1時間放置して充分吸水させた。
【0027】放置後バルブ4及び5を開いて吸着槽内の
水を抜き、吸着槽を秤量した。吸着槽1の重量は予め秤
量してあるからこれによって活性炭の含水率が算出され
る。活性炭の含水率すなわち、吸水量は活性炭の乾燥重
量に対して常に 103〜107 重量% (以下WT%という) で
ほぼ一定である。
【0028】次に、バルブ4を開いて吸着槽1に予め計
量したトルエン(試薬1級)を注入し、活性炭が完全に
浸漬された状態にして1時間放置した。この際、浸漬時
間は10分程度でも充分効果があるが、余裕をみて1時間
浸漬した。この間にトルエンは活性炭に含まれている水
分と置換される。
【0029】浸漬後バルブ4及び5を開き吸着槽内の液
を取り出した。取り出したは上層液のトルエンと下層液
の水に分離しているから分液ロートで分離して、上層液
のトルエンの容量を計量した。次に、バルブ4及び5を
閉めてバルブ1及び3を開き、120 ℃過熱スチームをバ
ルブ4から吸着槽に入れて下向流で槽内を通し40分間活
性炭に吸着されているトルエンを脱着させた (初回スチ
ーム脱着という) 。脱着ガスはバルブ5から取り出され
冷却器6に導いてトルエンを捕集した。この捕集液も上
層液のトルエンと下層液の水に分離しているから分液ロ
ートで分離して、上層液のトルエンの計量を測定した。
【0030】脱着後、吸着槽を取り外して前記と同様に
秤量し、予め秤量してある水注入前の乾燥した活性炭の
みを充填した状態における吸着槽の重量との差から、活
性炭中に残存している液の重量を算出した。更に、トル
エン浸漬時吸着層に注入したトルエン量と、トルエン浸
漬後吸着層から取り出した液中に含まれていたトルエン
量及び初回スチーム脱着時脱着ガスを冷却器に導いて捕
集した捕集液中に含まれていたトルエン量の和との差か
ら、活性炭中の残存液に含まれているトルエン含有率
(活性炭乾燥重量に対するWT%で示す) を算出した。
尚、トルエンの代わりに水溶性有機溶剤を使用した場合
は、溶剤浸漬後の吸着槽からの取出液及び初回スチーム
脱着時の冷却器捕集液は溶剤と水に分離しないため、溶
剤含有量はガスクロマトグラフで定量した。
【0031】次にバルブ4及び5を閉めバルブ1及び3
を開き、バルブ2よりトルエン含有率4500ppm のガスを
流速20cm/secで吸着槽を通して、トルエンを活性炭に吸
着させた。活性炭槽を通過したガスはバルブ3を通り排
気放出口7から外部に放出される。その際放出ガス中の
トルエン濃度は分析計8で測定される。トルエン吸着量
が活性炭の乾燥重量に対して10 WT %に達した時点でガ
スを停止した (初回吸着という) 。
【0032】トルエン吸着後、バルブ2及び3を閉めバ
ルブ4及び5を開き、120 ℃過熱スチームをバルブ4か
ら吸着槽に入れて下向流で20分間槽内を通し、活性炭に
吸着されていたトルエンを脱着させた。脱着ガスはバル
ブ5から取り出され冷却器6に導いてトルエンを回収し
た。以後この吸着・脱着サイクルを繰り返し、前後のサ
イクルの吸着時の放出ガス濃度が等しくなる、定常状態
到達迄に繰り返した吸着・脱着サイクル数を求めた(実
施例1)。
【0033】比較のため吸着槽内に充填した活性炭を水
に浸漬・液切した後、トルエンに浸漬する工程を除外し
た他は実施例1と同一の条件で処理して、初回スチーム
脱着後、活性炭中に残存している液量、更にトルエン含
有ガス吸着時の放出ガスのトルエン濃度分析を行い、前
後のサイクルの吸着時の放出ガス濃度が等しくなる定常
状態到達迄に繰り返した吸着・脱着サイクル数を求めた
(比較例1)。これらの試験条件を表1に、初回吸着時
の放出ガス中のトルエン濃度及び定常状態到達迄のサイ
クル数を測定し表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】この結果より含水活性炭を乾燥する場合、
一旦トルエンに浸漬することにより、顕著な活性炭内部
の水分とトルエンとの置換効果が認められ、過熱スチー
ムで脱着することによって、活性炭の乾燥が大幅に促進
されることが分かる。更にトルエン回収工程におけるト
ルエンの吸着効果が著しく高められることが認められ
る。
【0037】(実施例2、3、比較例2、3)実施例1
及び比較例1において、トルエンの代わりにn-ヘキサン
を使用した他は同一の条件で処理した場合 (実施例2、
比較例2) 、及びトルエンの代わりに酢酸エチルを使用
した他は同一の条件で処理した (実施例3、比較例3)
。その場合の試験条件を表1に示す。また初回スチー
ム脱着後、活性炭中に残存している液量及び液中のn-ヘ
キサンまたは酢酸エチル含有率及び、吸着時の放出ガス
濃度分析を行い、前後の吸着・脱着サイクルの放出ガス
濃度が等しくなる定常状態到達迄の吸着・脱着サイクル
数を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0038】この結果より、トルエンの代わりにn-ヘキ
サン或いは酢酸エチルを使用した場合にも、トルエンと
同様なこれらの有機溶剤の置換効果と、含水活性炭の乾
燥促進効果を有することが認められる。
【0039】(実施例4、比較例4)実施例1及び比較
例1において、浸漬溶剤としてトルエンの代わりにアセ
トンを使用し、また吸着槽へ供給するガス中のアセトン
濃度を18000ppmとし、更に2回目以降の過熱スチーム脱
着時間を10分間とした他は、同一の条件で処理した。そ
の場合の試験条件を表1に示す。また初回スチーム脱着
後、活性炭中に残存している液量及び液中のアセトン含
有率及び、吸着時の放出ガス濃度の分析を行い、前後の
吸着・脱着サイクルの放出ガス濃度が等しくなる定常状
態到達迄の吸着・脱着サイクル数を測定した。これらの
結果を表2に示す。
【0040】(実施例5〜7)実施例4において、浸漬
溶剤としてアセトンの代わりにそれぞれ60 WT %アセト
ン水溶液 (実施例5)、40 WT %アセトン水溶液 (実施
例6)、30 WT %アセトン水溶液 (実施例7)を使用し
た他は同一の条件で処理した。これらの試験条件を表1
に示す。また初回スチーム脱着後、活性炭中に残存して
いる液量及び液中のアセトン含有率及び、吸着時の放出
ガス濃度の分析を行い、前後の吸着・脱着サイクルの放
出ガス濃度が等しくなる定常状態到達迄の吸着・脱着サ
イクル数を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0041】この結果を実施例4及び比較例4と比較す
ると、アセトン水溶液に含水活性炭を浸漬した場合は、
水を含まないアセトンのみに浸漬した場合に較べて効果
は減少するが、浸漬工程を除外した場合に較べるとかな
り大きな効果が認められ、本発明においてアセトンの代
わりにアセトン水溶液を使用することが可能であること
が分かる。
【0042】(実施例8〜10)実施例4において、初回
スチーム脱着時間をそれぞれ80分 (実施例8)、20分
(実施例9)及び10分 (実施例10)とした他は同一の条
件で処理した。これらの試験条件を表1に示す。また初
回スチーム脱着後、活性炭中に残存している液量及び液
中のアセトン含有率及び、吸着時の放出ガス濃度の分析
を行い、前後の吸着・脱着サイクルの放出ガス濃度が等
しくなる定常状態到達迄の吸着・脱着サイクル数を測定
した。これらの結果を表2に示す。
【0043】初回のスチーム脱着時間を短縮した場合
は、活性炭の初回吸着時の吸着性能が低下する傾向が認
められる。
【0044】(比較例5、6)比較例4において、初回
スチーム脱着時間をそれぞれ600 分 (比較例5)及び14
40分 (比較例6)とした他は同一の条件で処理した。こ
れらの場合の試験条件を表1に示す。また初回スチーム
脱着後、活性炭中に残存している液量及び、吸着時の放
出ガス濃度の分析を行い、前後の吸着・脱着サイクルの
放出ガス濃度が等しくなる定常状態到達迄の吸着・脱着
サイクル数を測定した。これらの結果を表2に示す。
【0045】この結果を比較例1に較べると、初回スチ
ーム脱着時間を大幅に延長したにも拘らず、活性炭内部
の残存水分低下の度合が少なくまた初回の吸着性能も不
良であることが分かる。
【0046】
【発明の効果】本発明は含水活性炭を乾燥する際、活性
炭を特定の有機溶剤に浸漬して活性炭中の水分を溶剤と
置換した後、過熱スチームにより乾燥する方法で、容易
に活性炭中の水分を除去することが出来る。更に、溶剤
回収装置等に適用する場合には、乾燥剤として回収対象
の有機溶剤と同一の溶剤を選択することにより、活性炭
の乾燥後残存した溶剤が回収溶剤中に混入してもそのま
ま利用でき、また、溶剤回収装置の運転開始直後からほ
ぼ定常状態の回収率、排気濃度に到達させ得る利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する溶剤回収用試験装置のフロー
シートを示す。
【符号の説明】
1 吸着槽 2、3、4、5 バルブ 6 冷却器 7 排気放出口 8 分析計 9 断熱材 10 目皿 11 活性炭

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水活性炭を、炭化水素、エステル、ケ
    トン及びアルコールよりなる群より選ばれた1種または
    2種以上の有機溶剤に浸漬・液切後、過熱スチームによ
    り活性炭中に含まれる有機溶剤及び水分を脱着すること
    を特徴とする含水活性炭の乾燥方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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