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JPH0731051B2 - レーザを利用した離隔測定装置と離隔測定方法 - Google Patents

レーザを利用した離隔測定装置と離隔測定方法

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Publication number
JPH0731051B2
JPH0731051B2 JP3326320A JP32632091A JPH0731051B2 JP H0731051 B2 JPH0731051 B2 JP H0731051B2 JP 3326320 A JP3326320 A JP 3326320A JP 32632091 A JP32632091 A JP 32632091A JP H0731051 B2 JPH0731051 B2 JP H0731051B2
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JP
Japan
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light
line
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distance
laser
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Application number
JP3326320A
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JPH05133723A (ja
Inventor
浩行 安尾
隆嗣 野間
順一 浅野
敏雄 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kansai Electric Power Co Inc
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Kansai Denryoku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd, Kansai Denryoku KK filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP3326320A priority Critical patent/JPH0731051B2/ja
Publication of JPH05133723A publication Critical patent/JPH05133723A/ja
Publication of JPH0731051B2 publication Critical patent/JPH0731051B2/ja
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)
  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は架空送電線と、電線直下
近辺の物体までの最短距離(離隔という)を測定するた
めの装置と、最短距離を算出する方法に関する。架空送
電線に樹木や建造物などが接触しては危険である。そこ
で架空線と電線下にある物体との距離を正確、迅速、容
易に測定する装置が要求される。
【0002】
【従来の技術】架空送電線Kと線下物体Fとの距離を測
定する方法として次のようなものが知られている。
【0003】トランシットで電線と物体までの距離を
求める。トランシットを用いると、その基点と基準とし
て水平方向角φ、垂直方向角θ、距離Lを求める。φ、
θはトランシットの望遠鏡の方向で分かる。距離Lは光
学的に焦点を調整することによって求められるが、しか
し精度は悪い。対象となる点の座標がこうして求まるの
で、複数の点について座標を求めてその距離Qを計算す
る。しかしこれは肉眼による観察であるから時間がかか
り、精度も悪い。特に距離Lについて精度が悪いから正
確に離隔Rmを求める事が難しい。
【0004】危険と思われる樹木など線下物体Fの下
まで歩いて行き、測定メジャ−で樹木の高さを測定す
る。架空線の高さが分かっているので、その差からだい
たいの離隔Rmを求める。これは常に可能でないし、不
正確である。
【0005】架空線(送電中止して)に宙乗りして近
辺の樹木先端に近づき、メジャ−などで直接に距離を測
定する。これは直接的な方法であるが、危険な方法であ
って常に実行できるとは限らないし、時間もかかる。宙
乗りすることによる架空線の変形という問題もあり不正
確である。
【0006】ある地区を2方向から航空写真を撮り、
2枚一組みの写真を3次元立体作図機に入力し、3次元
の立体像を復元し、架空線と線下物体の最短距離を求め
る。これは撮影時の飛行機の高度が十分に低くないと精
度が悪い。低高度で写真を撮れる範囲が狭いので、多数
枚の撮影を行い、これらから適当なものを選別するとい
うことになる。すると費用が高くなる。
【0007】超音波発射器と、反射超音波を観測する
装置とを備えた自走器により、超音波の反射によって樹
木までの距離を測定する。これは超音波を反射するため
の反射体を対象物体に取り付ける必要があったりする
し、必ずしも精度が良くない。
【0008】架空送電線と電線直下の物体までの最短距
離を正確に且つ迅速にしかも簡易に求める事のできる離
隔測定方法と装置とを提供する事が本発明の目的であ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のレ−ザを利用し
た離隔測定装置は、架空線Kと線下物体Fとの最短距離
Rm を求めるために、架空線と線下物体が見通せる位置
Dから、架空線K又は線下物体Fの対象点Tに向けてパ
ルスレ−ザ光を発射し、発射方向から対象点の水平角度
φ、垂直角度θを求め、対象点Tからのレ−ザ反射光の
往復時間から対象点Tまでの距離Lを求める装置であっ
て、レ−ザ光を対象点Tに当てるためのコリメ−タレン
ズの表面反射光を出射パルス光とすることで、対象点T
を照準する望遠鏡とレ−ザ光の光軸に視差がなくかつ同
一の受光素子で出射パルス光と反射パルス光を検出する
構成と出射パルス光と反射パルス光の信号を微分する微
分回路を持った構成を特徴とする。
【0010】
【作用】本発明はレ−ザ光を対象物に当てて、反射光が
戻ってくるまでの時間を測定し、これに光速cを乗じ2
で割って対象物までの距離Lを求める。パルスレ−ザの
光であるから測定器を出た瞬間の時刻と、戻ってきた瞬
間の時刻とが正確に分かる。しかし受光素子を2つ使う
のであれば、受光素子の応答特性のバラツキのため、正
確な往復時間τが分かりにくい。
【0011】本発明では、コリメ−タレンズでの反射光
を出射タイミングを与える信号として採用するので、こ
のレンズ反射光と、対象物体に当たって反射してきた光
の経路が同一になる。このため受光素子はひとつで済
む。従って受光素子の応答特性のバラツキの問題は解決
される。これらレンズ反射光と、物体反射光とはその強
度を問題にするのではなく、受光素子に入ったタイミン
グが問題なのである。レンズ反射光は出射のタイミング
を与える。レンズ反射光が受光素子に入った時刻をTb
とする。物体反射光が復帰し受光素子に入った時刻をT
a とする。(Ta −Tb )が光の往復に要する時間差τ
である。とはいうものの受光素子の信号がどうなった時
に出射時刻Tb とするのか、又どんな時に光が復帰した
時刻Ta とするのかが問題である。
【0012】もしもある一定閾値より受光素子の出力が
大きくなった時を、これらの時刻Tb 、Ta だと見なす
と、不正確である。物体反射光の方が弱いのでTa の値
が実際よりも遅く(大きく)なりがちである。ところが
本発明では、受光素子出力を微分するので、いずれの信
号についてもピ−クの最大をとる時の時刻を知る事がで
きる。
【0013】こうして、対象物体までの距離Lを知る事
ができる。垂直方向角θ、水平方向角φなどは、レ−ザ
光の出射方向から分かる。するとこの測定器を中心とす
る極座標系での物体の位置が分かる。極座標から3次元
直交座標への座標変換を行う。このような測定と座標変
換を、架空線については3点又はそれ以上行い、架空線
下の物体の頂点について行う。つまり4点又は4点以上
の位置測定を行うのである。
【0014】架空線上の点C1 、C2 、C3 は架空線に
あるのであるから、ある鉛直面内に含まれる筈である。
そこで原点を動かし、この鉛直面内に移動させ、しかも
この鉛直面がxz面になるようにする。架空線は線密度
が一定であるとすれば懸垂線z=a0 cosh(x/a
0 +a1 )+a2 になる筈である。このままの形で用い
るか、或は2次曲線z=a0 +a1 x+a22 の形で
近似する。3点の座標C1 、C2 、C3 が分かっている
からこれらの曲線が決まる。
【0015】一方架空線下の物体Fは、すでにその座標
が分かっている。点Fと先程の2次曲線又は懸垂線の最
短距離を求める問題に帰着される。これは、点Fからx
z面に垂線を下し、この足をHとし、Hとxz面上の曲
線の最短距離の問題になる。これは容易に求まる。例え
ば2次曲線z=a0 +a1 x+a22 で架空線が表現
される(a2>0)とすると、xz面上の点H(p,
q)との最短距離Sは、次の量Gの G2 =(x−p)2 +(z−q)2 (1) z=a0 +a1 x+a22 (2) 最小値を求める事によって求まるのである。
【0016】
【実施例】図1によって本発明で用いる測定系の概略構
成を説明する。パルスレ−ザ1はパルス光を発生するレ
−ザである。本発明では、出射パルスと入射パルスの時
間の差を求めることによって対象物までの距離を測定す
るので、光はパルス状に発生するものでなければならな
い。
【0017】このパルスレ−ザの光をレンズ2でビ−ム
径を大きくし、ミラ−13で反射し、コリメ−タレンズ
3を通して外部へ出射する。出射する光の他に、一部の
光は、コリメ−タレンズ3の内面で反射される光があ
る。これが穴あきミラ−4で反射され、さらにミラ−5
で反射される。穴あきミラ−4は中心に穴があって、パ
ルスレ−ザ1からの光がコリメ−タレンズ3へ入射する
ための経路になっている。コリメ−タレンズ3での反射
光はこの穴よりも拡がっているので、かなりの部分が穴
あきミラ−4の穴でない部分に当たって反射される。ミ
ラ−4、5で反射された光は受光素子15に入射する。
受光素子15には微分回路7、時間間隔測定回路8がつ
ながれている。
【0018】図2に受光素子15で受けた光信号と微分
信号などを示す。コリメ−タレンズ内面で反射されたパ
ルス光(出射光という)の信号は図2の(a)の波形ア
イウのようになる。パルス光は矩形波であって、このよ
うにひとつのピ−クのある波形となる。図2の(b)は
微分波形を示しているが、ピ−クを持つ波形を微分して
いるので、上頂点ア、零点イ、下頂点ウを持つ波形とな
る。
【0019】さてコリメ−タレンズ3を出射した光は、
平行光として対象物体12に当たる。これの一部が反射
されて同じ経路を逆戻りする。逆戻りした光はコリメ−
タレンズ3を反対向きに通って穴あきミラ−4、ミラ−
5で反射され受光素子15に入る。受光素子15は光信
号を電気信号に変換するので、ピ−クをひとつ持つパル
ス信号が得られる。図2(a)に於いてエオカで示す波
形である。これは対象物体からの反射光であるので、単
に反射パルス光と呼ぶ。反射パスス光エオカはコリメ−
タレンズで反射された出射パルス光アイウとは、当然強
さが異なる。出射パルス光の強さは一定であるとして
も、物体からの反射光は、物体の反射率によって異なる
から、強い場合も弱い場合もある。
【0020】しかし本発明では、パルス光のピ−クの時
刻を求めるために微分をするのでそのような信号の強弱
が計時に影響することはない。図2(b)で微分信号を
取ると、反射パルス光は上頂点エ、零点オ、下頂点カを
有する波形となる。微分波形アイウ、エオカのそれぞれ
の零点がイ、オであるが、この零点イオの時間差τを求
める。もとの図2(a)に戻るとイ、オはピークの頂点
であるから、イオの時間差というのはパルス光の中心の
時間差に等しいということになる。
【0021】時間間隔測定回路8は、微分出力の零点イ
からオまでの時間に等しい矩形パルス信号イ〜オを生成
する。この時間差は何に由来するかと考えると、レーザ
1からコリメータレンズ3に至る経路は同一で、コリメ
ータレンズ3から受光素子に至る経路も同一であり、電
気回路も同じであるから、コリメータレンズ3から対象
物体まで光が往復した時間の差だけに依るのである。受
光素子が共通であり、増幅回路も同一であるという事は
重要である。光速は約3×108 m/secであるの
で、例えば102 m隔てた物体まで光が到達し反射して
戻ってくるまでの時間はμsのオーダである。これを正
確に測定するには、nsのオーダの精度が要求される。
受光素子や電気回路が、出射光(送信光)と反射光(受
信光)について異なるものとすれば、受光素子や電気回
路のバラつきのために、このような短い時間計測は困難
である。ところが本発明では同じ受光素子と同じ電気回
路によって出射光と反射光の受光素子に到達したタイミ
ングを正確に測定できるのである。
【0022】次に方向角であるが、これはこの光学系2
0のある座標系に対する垂直方向の傾き角θと、水平方
向の傾き角φとによって完全に記述される。これは光学
系20の中に収容された望遠鏡6によって、対象物12
に光学系20が向いているときの方向角θ、φを求める
事によって求められる。望遠鏡6はコリメータレンズ1
7、対物レンズ18、接眼レンズ19よりなる。穴あき
ミラー4、ミラー5と、受光素子15の間に約45度だ
け回転できる回転ミラー14がある。これが破線の位置
にある時、望遠鏡6によって対象物体12を見ることが
できる。この時、対象物体からの光がコリメータレンズ
3を通じて光学系20に入り穴あきミラー4、ミラー
5、回転ミラー14、ミラー16で反射されてコリメー
タレンズ17を通って望遠鏡6に入る。
【0023】望遠鏡6の中心に対象物体12が見える時
に、光学系20のコリメータレンズ3の軸線上に対象物
体12が存在するように軸合わせする。コリメータレン
ズ3はこの場合集光レンズとしても機能する、反射光が
穴あきミラー4、ミラー5で反射されて受光素子15に
入り、物体からの光がレンズ3を通り穴あきミラー4、
ミラー5で反射されて回転ミラー14で反射され、ミラ
ー16でさらに反射されて望遠鏡6に入る。結局、回転
ミラー14の回転角によって、両者の光学経路の中心を
合わせるという事になる。この軸合わせは、傾斜角θ、
水平回転角φを正確に決めるため精密に行わなくてはな
らない。しかし、これは光学系の軸合わせの問題である
ので精密に行うことができ、一度軸合わせをしてしまえ
ば以後は再調整の必要がない。
【0024】図3によって微分回路7の例について説明
する。受光素子の信号は50Ωの抵抗で入力が結合され
ている高速AMP21によって増幅される。この回路の
入力信号から出力信号までを図4の(a)〜(i)に示
す。高速AMP21の入力信号は図4の(a)生波形に
示す。最初のピーク波形が出射光(コリメータレンズ内
面での反射光)による信号で、2番目のピーク波形が物
体反射光による信号である。図2の(a)と同じである
から、ア〜カの符号を付した。高速AMP21の出力は
正出力と負出力とを持ち、図4(b)に正出力、(c)
に負出力を示している。電気回路による遅延時間がある
ので、生波形(a)より少し遅れたものになる。この遅
れは(b)の正生波形でも(c)の負生波形でも同じで
あり、これらは波形を反転したものになる。ただし負出
力は完全に反転したものではない。通常の反転出力とい
うものは、信号をVとし、電源電圧をVccとすると、
(Vcc−V)を出力するものである。しかしここでは
Vccより小さい電圧V1 の電源(抵抗を介して)25
によって反転出力を吊り上げているので、反転出力(V
1−V)を出力するものである。従ってV1 −V<0と
なる場合がある。高速アンプ21の正出力bと負出力c
とをコンパレータ22で比較する。この比較入力が
(d)であり実線が正入力、破線が負入力である。実線
より破線が高い部分ではコンパレータ22の出力が0で
ある。実線の方が破線より高い部分はコンパレータ22
の出力がVccになる。この出力を図4(e)に示す。
ゲート信号としてある。
【0025】ゲート信号が発生するのは、図4(b)、
(c)のパルス波形が存在するときである。またゲート
信号の幅は一定せず、パルス波高が高いほど幅が太くな
る。しかしいずれにしても、正生波形から負生波形を差
し引いて作ったものであるから、ピークの位置がパルス
の中心に一致するのである。
【0026】以上は微分をしない生波形の処理に関する
ものであるが、次に微分波形を作る回路について説明す
る。それがコンパレータ23である。高速AMP21の
正負の出力がコンデンサ26、27を介してコンパレー
タ23の正負の入力に接続されている。コンデンサ26
は抵抗28と電源29を介して接地されているので、正
生波形bはコンデンサ26と抵抗28の作用で微分され
る。電源29の作用でレベルが一定電圧分だけ引き上げ
られる。これが正微分波形fである。これは図4(f)
に示す通りであり、正のパルスに対応して上向きピーク
と下向きピークの連続した微分波形を生じている。コン
デンサ27は抵抗30を介して接地されているので、こ
れは負生波形cを微分する作用がある。平均値はグラン
ドレベルである。下向きピークと上向きピークの連続し
た微分波形になる。図4(g)にこれを示す。
【0027】コンパレータはオフセット付の正微分波形
fと負微分波形gの差を演算し出力hを与える。これが
図4(h)の波形である。アンドゲート24はコンパレ
ータ22、23の出力d、hのアンド演算をする。これ
は信号hにほぼ等しい出力を生じる。図4(i)に示す
ような波形になる。パルスの中心(イ)、(オ)よりも
ちろん時間的に遅れるが、この遅延時間は出射パルスア
イウ、反射パルスエオアについて波形の高さが異なるに
もかかわらず同一である。これが重要なところである。
【0028】どうしてこのような同一性が保証されるか
という事は図4(h)の信号の生成を見れば分かるであ
ろう。これは正微分波形fで負微分波形gを差し引くの
であるが、元の図4(a)の波形に戻って考えればこれ
は、パルス波形の立ち下がりが最も急な部分で発生する
わけである。パルス波形の大きさが大きいと、当然幅も
長くなり、パルスが小さいと、幅も短くなるが、大きい
パルスの場合、最大の負微分係数を持つ部分がピークの
近傍へ偏るから結局、パルス(h)の生ずる時間遅れが
同一だということになるのである。そして、出射光パル
スと、反射光パルスの時間の差τが求められる。当然物
体までの距離LはL=cτ/2で簡単に求められる。
【0029】これで距離Lが分かったことになる。次に
絶対座標空間に於ける方位を求める。これは既に述べた
ように望遠鏡6によって対象物体を見ているのであるか
ら、このときの水平角度φと、垂直角度θは望遠鏡6の
向きから直ちに分かる。3次元極座標系での物体の位置
がこれによって分かることになる。垂直角度の取り方
は、地平からの立ち上がり角としてもよいし、天頂から
の立ち下がりとしてもよい。これを3次元直交座標に直
すのは簡単である。θは地平からの立ち上がり角とす
る。 x=Lcosθcosφ (3) y=Lcosθsinφ (4) z=Lsinθ (5) となる。こうして物体の位置を定める。物体が2つあれ
ば、それぞれの位置を個別に測定し、これらの距離を計
算することができる。ここでは樹木と電線(架空線)と
の最短距離(離隔という)を求める場合について説明す
る。この場合架空線のうちのどの点が最短距離を与える
のか予め分からない。樹木の頂点の位置Wは一義的に予
め決まるが、架空線の方はどの点が樹木頂点に対して最
近接位置にあるのか分からない。すると架空線について
多くの点の位置測定を繰り返し、距離をそれぞれに求め
てその内の最小のものを捜さなければならないように思
える。
【0030】ところがその必要がない。架空線は両端を
鉄塔によって懸架され線密度が一定なのであるから、こ
れは懸垂線になるはずでcosh函数になる。このまま
の函数で扱ったところで、最小でも3点の位置が分かれ
ば曲線の型が決まる。cosh函数は少し扱いにくいの
でこれを二次函数(放物線)で近似してもよい。これ
は、樹木と架空線とが接近するのは架空線の最低高さの
近傍であるはずであり、この場合、cosh函数は二次
函数によって近似しても誤差が少ないからである。
【0031】図5によってこれを説明する。測定装置の
ある点が原点である。樹木W、架空線上の3点C1 、C
2 、C3 を考える。これら4つの点について本発明の装
置によって位置測定する。それぞれの測定データが W(LW 、θW 、φW ) (6) C1 (L1 、θ1 、φ1 ) (7) C2 (L2 、θ2 、φ2 ) (8) C3 (L3 、θ3 、φ3 ) (9) であるとする。これは(3) 〜(5) の式に代入して、3次
元直交座標系での値にすることができる。 W(Xw 、Yw 、Zw ) (10) Ci (Xi 、Yi 、Zi )(i=1,2,3) (11) 架空線上の点C1 、C2 、C3 はある鉛直面に含まれる
はずである。つまりi=1,2,3に対して kXi +hYi +m=0 (12) が成り立つようなk、h、m(この値だけが決まる)が
存在する。例えば k(Y2 −Y3-1=h(X3 −X2-1=m(X23 −Y23-1 (1 3) となる。またXi 、Yi 、1を行要素とする3×3の行
列式の値は0である。 det|Xi ,Yi ,1|=0 (14) これがC1 、C2 、C3 がある鉛直面に含まれるという
必要十分条件を表現しているのである。この鉛直面をQ
とすると、元の原点O(測定系の中心として設定されて
いる)との距離Sは当然のことであるが S=m(k2 +h2 +m2-1/2 (15) となる。そこで座標系をx方向にΔx、y方向にΔy Δx=kS(k2 +h2-1/2 (16) Δy=hS(k2 +h2-1/2 (17) だけ平行移動すると、鉛直面Qに原点O′を持つ座標系
に変換される。つまり新しい座標を(x′i,y′i
z′i)とダッシュ付きの小文字によって表現する と、 x′i = Xi −Δx (18) y′i = Yi −Δy (19) z′i = Zi (20) ということになる。この鉛直面Qは新しい座標系のx′
y′面に対してなお傾いている。そこで鉛直面Qがx軸
を含むように座標変換を行う。これは簡単なことでΘ=
tan-1(k/h)だけz軸まわりに座標を回転すれば
よいのである。新しい座標を(xi,yi,zi)で表
現すると、 xi = X′icosΘ+Y′i+sinΘ (21) yi = X′isinΘ+Y′i+cosΘ (22) zi = Z′i (23) となる。この座標系まで鉛直面Qはxz面に重なる。従
って架空線の点はy座標が0であって、C1 (x1
0,z1 )、C2 (x2 ,0,z2 )、C3 (x3
0,z3 )と表現することができる。これは懸垂線なの
であるから、カテナリー近似 Z(x)=a0 cosh{(x/a0 )+a1 }+a2 (24) 又は二次函数近似 Z(x)=a0 +a1 x+a22 (25) によって近似することができる。パラメータa0 、a
1 、a2 は3つあるが、3点の座標が求まっているので
あるから、これは完全に決まるのである。
【0032】a0 、a1 、a2 が決定されると、(2
4)又は(25)の函数形が求まる。樹木Wの頂上の座
標が同じ座標で(xW ,yW ,zW )であるとすれば、
これと曲線k(架空線の式)との距離Rは、 R2 =(x−xW2 +yW 2 +(z−zW2 (26) によって求まる。最小値を求めるにはこれをxによって
微分してその値が0になるようにすればよい。 x−xW +z(x)′{z(x)−xW }=0 (27) である。z(x)を(25)によって近似すればこれは
3次方程式になる。2つは虚根、1つは実根になる。こ
の実根が解である。この3次方程式は容易に解くことが
できる。そこで求めたx、zの値をx4 、z4 とする
と、最小値つまり離隔Rm は RW ={(x4 −xW2 +yW 2 +(z4 −zW21/2 (28) によって計算できる。
【0033】本発明は出射光と反射光とを同一の受光素
子によって受光しこれを微分して受光素子へ入射したタ
イミングを正確に求めるようにしている。微分を用いな
いで、ある一定の閾値Vh を決めておき、信号VとVh
とを比較してV>Vhになった時に出射光、反射光の入
射タイミングを与えるという方法も可能である。このよ
うな一定閾値によるものと、微分による時間間隔測定法
とを比較しなければならない。
【0034】そこで、対象物体と測定装置の距離を約4
0mとして、対象物体の反射率を変えて出射光、反射光
について時間間隔測定を行った。測定対象点に反射率の
異なる反射板を置くことによって実際の反射光のレベル
を変えている。つまり図4の(a)に於いて、出射(送
信)光のパルス(アイウ)は不変であるが、反射(受
信)光のパルス(エオア)は高さが変わる。そこで、両
者の比をパラメータとして時間間隔測定を、本発明法
(微分)と一定閾値法によって行った。図6はこの結果
を示している。横軸は出射光(アイウ)で、反射光(エ
オア)のピークを割ったものである。反射板の反射率を
高くすると、この値を大きくすることができる。
【0035】縦軸は時間差τから求めた距離L=cτ/
2である。白丸が本発明の微分法によるものである。こ
れはほぼ水平の線に乗り、L=41.2mの値を示して
いる。反射光の強度つまり反射率に殆ど依存せず安定し
ている。ところが一定閾値と比較するものは、×で示す
ように右下りの直線に乗る。距離Lは変わっていないに
も拘らず、反射率が違うために時間間隔τの測定値が異
なってくるのである。ピークの値が大きいと、一定閾値
h に達する時刻が速くなるのでτが少な目に現れるの
である。このように両者を比較することによって、微分
回路による時間間隔測定がいかに安定しているかという
ことが良く分かる。
【0036】図7は樹木と架空線の離隔を実際に即して
測定した例である。ただし樹木では正確な実測をしにく
いので代わりにポールを立てている。架空線については
3点の測定点を取った。3の例について示す。最上欄は
測定装置の方から見た正面図で、2欄は平面図である。
例1、2は、樹木(ポール)が架空線よりもレーザによ
り近くにある場合で、例3はポールがより遠い場合であ
る。4欄は平面図上でレ−ザ光軸を架空線上3点より求
めた直線まで延長した時に、この2つの直線のなす角度
を示している。つまりこの角度は前出のΘ=tan
-1(k/h)に一致する。5欄が離隔の実測値である。
6欄が本発明の方法による計測、計算による結果を示
す。7欄は誤差を示す。この結果から約100m離れた
遠方での2〜5m程度の離隔を0.1m以下の誤差で測
定することができるのである。
【0037】
【発明の効果】本発明の方法はレーザ光の反射を利用し
遠方から架空線と樹木などの離隔を求めるようにしてい
るので次のような効果がある。 架空線に宙乗りしたり樹木の高さを直接に測定したり
しないので手数がかからず安定である。 自走式の測定機を使う必要などはなく、ある定点Oか
らの測定のみで足るので測定装置が単純化され、操作も
単純である。 光学的な手段を使う他の測定方法に比較すると、受光
素子が1つで、これによってコリメータレンズからの反
射光(出射光)と、物体からの反射光とを測定するので
受光素子や増幅回路の応答時間のバラつきの問題がな
い。 出射光(送信)のパルスと反射光(受信)のパルス信
号のピークの時刻を微分によって求めているから、両者
の時間差を精度よく求めることができる。対象物体の反
射率や距離によって反射光のレベルが変動するのである
が、このような変動の影響を受けることがない。従って
測距精度が著しく向上する。 レーザ光が平行光であるという特徴を生かしているた
め(反射光が強いので)遠方から精度良く測定すること
ができる。 単なる対象物体までの距離ではなく離隔を求めるので
ある。現場へ行き架空線に宙吊りして近くで離隔を求め
ようとしても、架空線のうちどの点が最短距離を与える
のか分からないので、実際には測りにくい値である。そ
れがコンピュータによる計算で瞬時に求められる。これ
は3次元座標系で架空線や樹木の位置を表現しているか
ら可能になるのである。
【0038】このように優れた特長があるので、本発明
は、 (ア)線下物体接近距離の管理 (イ)樹木接近危険箇所の判定 (ウ)樹木接近位置の同定 (エ)樹木伐採量(長さ)の決定 (オ)架空線支持条件(鉄塔高さ、位置、張力及び弛
度)の決定 などに広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の離隔測定装置の概略構成図。
【図2】本発明の微分回路の動作を説明するための波形
図。
【図3】本発明で用いる微分回路の構成例図。
【図4】図3の微分回路に於ける各素子の出力波形を示
す図。
【図5】本発明に於ける離隔計算のアルゴリズムを示す
ための図。
【図6】出射光パルスと反射光パルスとの時間間隔を、
パルスを微分して求める本発明の手法と、パルスの大き
さをある一定の閾値と比較することによってタイミング
を定め間隔を求める手法とを比較するため、反射率の異
なる板を対象点に置いて時間間隔を測定した結果を示す
グラフ。
【図7】樹木と架空線の離隔の測定例を示す図。
【符号の説明】
1 パルスレーザ 2 レンズ 3 コリメータレンズ及び集光レンズ 4 穴あきミラー 5 ミラー 6 望遠鏡 7 微分回路 8 時間間隔測定回路 9 水平角度測定器 10 垂直角度測定器 11 コンピュータ 12 対象物体 13 ミラー 14 回転ミラー 15 受光素子 16 ミラー 17 コリメータレンズ 18 対物レンズ 19 接眼レンズ
フロントページの続き (72)発明者 浅野 順一 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号関 西電力株式会社内 (72)発明者 永井 敏雄 大阪府大阪市北区中之島3丁目3番22号関 西電力株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架空線Kと線下物体Fとの最短距離Rm
    を求めるために、架空線と線下物体が見通せる位置Dか
    ら、架空線K又は線下物体Fの対象点Tに向けてパルス
    レ−ザ光を発射し、発射方向から対象点の水平角度φ、
    垂直角度θを求め、対象点Tからのレ−ザ反射光の往復
    時間から対象点Tまでの距離Lを求める装置であって、
    レ−ザ光を対象点Tに当てるためのコリメ−タレンズの
    表面反射光を出射パルス光とすることで、対象点Tを照
    準する望遠鏡とレ−ザ光の光軸に視差がなくかつ同一の
    受光素子で出射パルス光と反射パルス光を検出する構成
    と出射パルス光と反射パルス光の信号を微分する微分回
    路を持った構成を特徴とするレ−ザを利用した離隔測定
    装置。
  2. 【請求項2】 架空線Kと線下物体Fとの最短距離Rm
    を求めるために、架空線と線下物体が見通せる位置Dか
    ら、架空線K又は線下物体Fの対象点Tに向けてパルス
    レ−ザ光を発射し、発射方向から対象点の水平角度φ、
    垂直角度θを求め、対象点Tからのレ−ザ反射光の往復
    時間から対象点Tまでの距離Lを求め、位置Dに固定し
    た極座標系に対する対象点Tの座標(L,θ,φ)を決
    定し、架空線Kの各測定点座標から、架空線を近似する
    関数を求め、その近似関数と線下物体Fの座標との最小
    距離を求めてこれを最短距離Rm とする事を特徴とする
    レ−ザを利用した離隔測定方法。
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