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JPH0730006B2 - トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸の製造法 - Google Patents

トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸の製造法

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Publication number
JPH0730006B2
JPH0730006B2 JP16482286A JP16482286A JPH0730006B2 JP H0730006 B2 JPH0730006 B2 JP H0730006B2 JP 16482286 A JP16482286 A JP 16482286A JP 16482286 A JP16482286 A JP 16482286A JP H0730006 B2 JPH0730006 B2 JP H0730006B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
trans
cyanocyclohexane
carboxylic acid
dicyanocyclohexane
acid
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP16482286A
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English (en)
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JPS6310752A (ja
Inventor
▲吉▼樹 谷
敬三 山本
Original Assignee
旭化成工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 旭化成工業株式会社 filed Critical 旭化成工業株式会社
Publication of JPS6310752A publication Critical patent/JPS6310752A/ja
Publication of JPH0730006B2 publication Critical patent/JPH0730006B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−
カルボン酸の新規な製造方法に関する。
本発明の目的は、止血剤等の医薬としてきわめて有効で
あるトランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−
カルボン酸、および抗潰瘍剤等として著効を示す塩酸セ
トラキサートの製造中間体であるトランス−4−シアノ
シクロヘキサン−1−カルボン酸を工業的に、かつ高収
率、高純度に製造することにある。
(従来の技術) トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸
の製造に関する従来の方法としては、(1)モノアルキ
ル・トランス−ヘキサヒドロテレフタレートをアンモニ
ア水と反応させてトランス−4−カルボキサミド−シク
ロヘキサン−1−カルボン酸となし、次いで、塩化チオ
ニルと加熱する方法(特公昭43−14210)、(2)1,4−
ジシアノシクロヘキサンを有機溶媒中で塩酸ガスと反応
させて部分イミデート化後、加水分解する方法(特開昭
55−15451)が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) 上記(1)の方法に関しては、使用原料が特異なもので
あり、使用試薬が高価で、かつ有毒で、収率がきわめて
低い欠点がある。上記(2)の方法に関しては、使用す
る塩酸ガスの腐食性がきわめて強く、有毒な溶剤を使用
しなければならず、さらに、収率が十分でなく、副生物
が生成するという欠点がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記の問題点を解決するため検討した結
果、一般式(I) (式中、RはHまたはCH3を表わす。) で示される化合物を原料とし、化合物(I)を1,4−ジ
シアノシクロヘキサンにした後、該化合物のトランス体
を単離し、その後、立体配置を保持させて加水分解し、
純度良くトランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カ
ルボン酸を製造する方法を見い出した。
すなわち、本発明は、下記工程〔A〕により、一般式
(I)で示される化合物を1,4−ジシアノシクロヘキサ
ンに変換し、次に、下記工程〔B〕により、トランス−
1,4−ジシアノシクロヘキサン(II)のみを選択的に単
離し、さらに下記工程〔C〕により、トランス−4−シ
アノシクロヘキサン−1−カルボン酸(III)を製造す
る方法である。
(式中、RはHまたはCH3を表わす。) 次に、本発明の実施方法を詳しく説明する。
工程〔A〕における1,4−ジシアノシクロヘキサンの製
造は、化合物(I)とアンモニア供給源となりうる化合
物、たとえば、アンモニア、尿素、炭酸アンモニウムな
どと200〜350℃、好ましくは230〜300℃において加熱す
ることにより実施できる。化合物(I)の立体配置は、
トランス、シスまたはトランス/シス混合物のいずれで
あつても、生成する1,4−ジシアノシクロヘキサンはト
ランス/シスの混合物を与える。また、この工程の反応
速度を増すために、塩酸、リン酸、硫酸などの鉱酸、ま
たはアルミナ、五酸化リン、酸化スズなどの酸化物、あ
るいは酢酸、プロピオン酸、安息香酸などの有機酸を触
媒として用いてもよい。
工程〔B〕のトランス−1,4−ジシアノシクロヘキサン
の単離は、シス−およびトランス−1,4−ジシアノシク
ロヘキサンの混合物を低級脂肪酸類、たとえば、酢酸、
またはアルコール類、たとえば、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、またはエーテル類、たとえば、エチ
ルエーテル等に十分溶解させた後、溶解度の差を利用す
る分別沈殿法でトランス体のみを晶析分取するものであ
る。この方法により、純度99.5%以上のものを単離する
ことができる。
工程〔C〕のトランス−1,4−ジシアノシクロヘキサン
からトランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボ
ン酸の製造には、化学的に製造する方法あるいは微生物
の作用を用いて製造する方法のいずれを用いてもよい。
化学的に製造する方法としては、(II)をアンモニア含
有溶媒中で、常圧下もしくは望ましくは加圧下で、20〜
140℃、望ましくは反応物の分解を抑えるために60〜80
℃に数時間加熱すればよい。反応溶媒は水あるいは有機
溶媒との混合液でよい。アンモニア濃度は2〜30%で使
用できるが、反応温度および反応圧力条件により最適条
件を選べばよい。アンモニアの使用量は、(II)に対し
て10〜100倍モル、望ましくは15〜35倍モルがよい。
微生物の作用を用いて製造する方法としては、(II)を
(III)に変換する能力を有する微生物の作用を利用す
るものであり、微生物を(II)の存在下に培養、あるい
は水溶性媒体中で、(II)と微生物の菌体、培養液ある
いは菌体処理物とを接触させればよい。
使用する微生物は、(II)を(III)に変換する能力の
あるものであれば、細菌、放線菌、酵母、カビのあらゆ
る属のものを使うことができ、この例としてはキヤンデ
イダ・ギアモンデイ(Candida guilliermondii)IFO 04
54などが使用できる。微生物の培養は、(II)から(II
I)に変換する能力をさまたげない範囲で、一般的な生
育培地で1〜5日培養すればよい。反応は前記のよう
に、(II)の存在下に培養して反応させてもよいし、培
養された培養液、培養液から集められた菌体、菌体処理
物、菌体抽出物、あるいはこれらの担体への固定化物等
を、水性溶媒中で(II)と接触させればよい。反応温度
は5〜50℃、pHは4〜11、反応時間は5〜100時間の範
囲で適当な条件を選べばよい。(II)の濃度は0.05〜10
重量%の範囲であればよく、(II)は連続的または間歇
的に補充してもよい。
この微生物の作用を用いる方法においては、1,4−ジシ
アノシクロヘキサンは上記のトランス体であつてもよい
し、実質的にはトランス/シスの混合物であつてもよ
い。
なお、工程〔C〕において、微生物の作用を用いて製造
する方法の方が、より効率的に目的を達成することがで
きる。工程〔C〕により得られた反応終了液より、公知
の方法によりトランス−4−シアノシクロヘキサン−1
−カルボン酸は容易に回収することができる。
(実施例) 以下、本発明の方法について代表的な例を示し、さらに
具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら
制限されるものではない。
実施例1 ジメチル−1,4−シクロヘキサンカルボキシレート100g
(0.5モル)と酸化スズ1.0gを、260〜280℃でアンモニ
アガスを0.25モル/Hrの流速で導入し、10時間反応を行
なつた。反応終了後、メタノール2,000mlを加え、メタ
ノールに不溶な物質を取した後、液を濃縮し冷却し
て、1,4−ジシアノシクロヘキサン70g(純度97.5%)を
得た。本製品はシス体42%、トランス体58%を含んでい
た。
上記のようにして得られた1,4−ジシアノシクロヘキサ
ン50g(0.373モル)を、メタノール1,000mlに50℃に加
温して十分に溶解させる。次に、このメタノール溶液を
冷却、静置させると、白色の結晶が析出する。これを
過して回収したところ、24.9gのトランス−1,4−シジア
ノシクロヘキサンが白色結晶として(純度99.8%)得ら
れた。
本製品は融点140℃を示し、赤外吸収スペクトル(KBr
錠)2.250cm-1(ニトリル)の吸収を有する。
このようにして得られたトランス−1,4−ジシアノシク
ロヘキサン2.5g(18.7ミリモル)、5%アンモニア水50
mlをオートクレーブに入れ、80℃に4時間反応させる。
冷却後、反応終了液を取出し、未反応のトランス−1,4
−シアノシクロヘキサンをエーテルで抽出除去した後、
減圧下に濃縮乾固し、水10mlに溶解後、5℃に冷却する
と、トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボ
ン酸が白色結晶として析出した。収量0.64g(純度98.2
%)。トランス−1,4−ジシアノシクロヘキサンからの
収率は21.8%であつた。また、本製品は高速液体クロマ
ト分析によつてもシス体を認めなかつた。融点150〜152
℃を示し、文献記載の融点と一致する。また、赤外線吸
収スペクトル(KBr)は2.235cm-1(シアノ基)に吸収を
示し、元素分析置も理論置と一致した。
実施例2 グルコース0.8g、酵母エキス0.02g、リン酸二カリウム
0.2g、塩化ナトリウム0.1g、硫酸マグネシウム0.02g、
トランス−1,4−ジシアノシクロヘキサン0.4gを含み、p
Hを9.0とした殺菌培地100mlに、あらかじめ同培地で培
養したキヤンデイダ・ギアモンデイ(Candida guillier
mondii)IFO 0454を植菌し、32℃、5日培養した後、遠
心分離により菌体(湿重量1.7g)を得た。この菌体を0.
01Mリン酸バツフアー25mlを含む三角フラスコ中に懸濁
させた後、実施例1と同様にして得られたトランス−1,
4−ジシアノシクロヘキサン0.1gを加え、32℃、250回転
の振盪器を用いて反応させた。70時間後に反応を終了
し、遠心分離により菌体を除去した後、その上清液に濃
塩酸を加え、pHを1.0〜2.0に調整し、5℃の冷蔵庫に一
晩放置した。析出した結晶を取して、トランス−4−
シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸0.082gを白色結
晶として得た。本製品の純度は、高速液体クロマト分析
により99.1%を示し、また、シス体の混在を認めなかつ
た。
(発明の効果) 本発明を利用することにより、安価な化合物(I)を、
1,4−ジシアノシクロヘキサンにした後、該化合物のト
ランス体を容易に純度よく単離するため、その後の化学
的もしくは微生物の作用による加水分解のみで、シス体
を含まないトランス−4−シアノシクロヘキサン−1−
カルボン酸を製造できる。したがつて、製造上プロセス
が簡単で、純度の良い製品を製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I) (式中、RはHまたはCH3を表わす。) で示される化合物より、トランス−4−シアノシクロヘ
    キサン−1−カルボン酸を製造する際に、化合物(I)
    を1,4−ジシアノシクロヘキサンにした後、該化合物の
    トランス体を単離し、これを加水分解することを特徴と
    するトランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボ
    ン酸の製造法。
JP16482286A 1986-06-16 1986-07-15 トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸の製造法 Expired - Lifetime JPH0730006B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61-138169 1986-06-16
JP13816986 1986-06-16

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JPS6310752A JPS6310752A (ja) 1988-01-18
JPH0730006B2 true JPH0730006B2 (ja) 1995-04-05

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JP16482286A Expired - Lifetime JPH0730006B2 (ja) 1986-06-16 1986-07-15 トランス−4−シアノシクロヘキサン−1−カルボン酸の製造法

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