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JPH07292125A - 高剛性制振材 - Google Patents

高剛性制振材

Info

Publication number
JPH07292125A
JPH07292125A JP8664594A JP8664594A JPH07292125A JP H07292125 A JPH07292125 A JP H07292125A JP 8664594 A JP8664594 A JP 8664594A JP 8664594 A JP8664594 A JP 8664594A JP H07292125 A JPH07292125 A JP H07292125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
vibration damping
damping material
epoxy
damping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8664594A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Mori
啓之 森
Atsushi Takusagawa
篤 田草川
Hiroki Ueda
宏樹 上田
Yoshio Inoue
喜雄 井上
Kazuko Nagura
和子 名倉
Tomoji Takahashi
知二 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP8664594A priority Critical patent/JPH07292125A/ja
Publication of JPH07292125A publication Critical patent/JPH07292125A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制振鋼板よりも軽量であるFRP素材におい
て、構造部材として利用できるレベルの高い剛性・強度
と、充分な制振特性を兼ね備えた高剛性制振材と提供す
ることを目的とする。 【構成】 エポキシ系マトリックス樹脂と、引張弾性率
が40000kgf/mm2 以上の強化繊維を複合させた高剛
性制振材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造体の剛性を犠牲に
することなく、かつ優れた制振性を発揮し得る高剛性制
振材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建築物の階段や電化製品の外装材等に、
発生する振動や騒音の防止対策として制振材が用いられ
ており、このような制振材としては、鋼板の上、もしく
は2枚の鋼板の間に粘弾性物質である高分子材料を挟持
させた構造の制振鋼板が知られている。例えば特開昭62
−280032号には、ニトリル系ゴムと(メタ)アクリル酸
エステルを反応させた系の制振鋼板が記載されている。
またその他にも、ポリウレタン樹脂(特開昭47-19277号
公報)、ポリエステル樹脂(特開昭50-143880 号公
報)、ポリアミド樹脂(特開昭51-79146号公報)、エチ
レン/α−オレフィン系樹脂(特開昭55-84665号公
報)、エチレン/酢酸ビニル系樹脂(特開昭57-34949号
公報)、架橋タイプのポリオレフィン系樹脂(特開昭59
-152847 号公報)等を制振材に利用した例が多く開示さ
れている。
【0003】ところが、これらの熱可塑性樹脂は常温で
の制振性を重視するあまりに耐熱性が悪く、自動車産業
や、建材、電化製品用途には必須の工程である構造物焼
付塗装(通常 180℃×30分〜 230℃×30分程)に耐えら
れないという問題があり、制振鋼板の用途が拡大するに
つれてますます厳しくなる要求特性には対応できていな
かった。
【0004】このような観点から、焼付塗装にも耐えら
れる熱硬化型の制振材料の開発が行われ、本願出願人に
よってエポキシ系樹脂を利用した制振鋼板が既に出願さ
れている(特願平 4−281701号)。ここに示されるエポ
キシ樹脂と液状ゴムを利用した制振材料用樹脂組成物
は、無溶剤の無公害型で、幅広い温度で制振性を示す上
に焼付塗装にも耐え、しかも鋼板との密着性に優れたも
のであり、工業的に非常に有用な発明である。しかし上
記制振鋼板は鋼板間に樹脂層を設けるものであるため、
制振材の力学的特性には優れるが、反面非常に重いとい
うデメリットがあり、制振材の需要の増大、用途の拡大
に伴い、軽量化の要求も大きくなっていた。
【0005】制振材の軽量化を達成するために採用し得
る手段としてはFRPの利用が容易であり、事実FRP
タイプの制振材も知られている。例えば、特公昭63−20
449号には変性ポリエチレングリコールとエポキシ樹脂
と補強繊維からなる振動減衰性複合材料が、また特公平
1-25702 号や、実開昭64−46221 号には高弾性率樹脂と
繊維の層と高振動減衰特性を有する樹脂と繊維の層を積
層した制振材が開示されている。これらの制振材は、制
振鋼板に比べて軽量化の達成には成功している。しか
し、制振材としての強度や剛性を制振鋼板並みにするに
は、マトリックス樹脂をかなり堅い高分子材料にしなけ
ればならず、逆にこのような堅い樹脂では制振性が劣っ
たものとなるため、高強度と制振性の両立が不充分であ
る。
【0006】すなわち特公昭63−20449 号のものは、制
振材の引張強度が13000 kgf/mm2 程度と優れているが、
振動減衰係数は約0.4×10-2であり、損失係数ηに
換算すれば(2倍すれば良い)0.008となり非常に
小さくなっている。これは制振材の強度を高めるために
制振性能を犠牲にした設計である。一方、特公平1-2570
2 号や実開昭64−46221 号では、剛性と制振性能を一素
材で達成することが難しいことから、各々の性能を別々
の層に持たせた設計の積層構造としている。しかし、層
間強度が弱いという問題や、積層工程のために生産性が
劣る、あるいは製造可能な製品形状に制約があるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な事
情に着目してなされたものであって、制振鋼板よりも軽
量であるFRP素材において、構造部材として利用でき
るレベルの高い剛性・強度と、充分な制振特性を兼ね備
えた高剛性制振材と提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明の高剛性制振材は、マトリックス樹脂
と、引張弾性率が40000kgf/mm2 以上の強化繊維を
複合させたところに要旨を有する。上記マトリックス樹
脂が、エポキシ当量300g/eq以上のエポキシ樹脂と、
酸無水物およびイミダゾールまたはその誘導体の反応硬
化物か、あるいはさらにカルボキシル基、アミノ基、ヒ
ドロキシル基およびエポキシ基よりなる群から選択され
る1種以上の官能基を末端に有する液状ジエン系エラス
トマーを加えた反応硬化物ことが、得られる制振材の性
能を高める上で好ましい。また上記強化繊維が炭素繊維
であること、複合後の損失係数ηが0.1以上で、かつ
動的等価弾性率が10000kgf/mm2 以上であること
は、本発明の高剛性制振材の好ましい実施態様である。
【0009】
【作用】本発明者等は、高剛性と制振性を兼ね備えたF
RP材料を見出すために、種々のマトリックス樹脂およ
び強化繊維について検討を重ねた。そして、引張強度4
0000kgf/mm2 以上の強化繊維の使用によって、上記
目的を達成し得ることを見出した。また、さらに特願平
4−281701号に示された制振鋼板用樹脂組成物がFRP
用マトリックス樹脂としても高い剛性を示し、特に高強
度炭素繊維との組合わせによって制振性にも強度にも優
れた複合材料が得られることを知見して、本発明に到達
し得たのである。以下本発明を詳細に説明する。
【0010】本発明においてマトリックス樹脂として用
いられるものは、一般的にFRP用マトリックスとして
用いられているエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化
性樹脂や、その他研究開発が進んでいるポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂
が利用可能である。なかでも、剛性、制振性はもとよ
り、好ましい強化繊維である炭素繊維との密着性が優れ
ているエポキシ系樹脂の利用が推奨される。
【0011】エポキシ樹脂としては、ビスフェノール
型、ノボラック型、グリシジルエステル型、グリシジル
アミン型、環状脂肪族型、線状脂肪族型、脂環式、複素
環式、ハロゲン化型、ウレタン変性型等いずれも単独ま
たは混合して使用することができる。このとき、エポキ
シ当量は300g/eq以上のものを使用することが好まし
い。エポキシ当量が小さいと、硬化剤を調整しても、反
応点間の分子量が小さくなり3次元硬化物の物性が堅く
て脆い方向に進むため、制振性に悪影響が出る。より好
ましいエポキシ等量は380g/eq以上である。
【0012】エポキシ当量が300g/eq以上のエポキシ
樹脂としては、油化シェルエポキシ社製「EPON10
01」、「EPON1004」、「EPON100
7」、「エピコート871」、チバガイギー社製「GY
6071」、「GY6084」、RHONE-POULENC 社製
「ヘロキシWC−84」、「ヘロキシWC−85」、
「エピレッツ5132」、エー・シー・アール社製「R
1348」等が市販されている。エピコート871は比
較的粘度が低く、加熱反応速度が速いため取扱い性とい
う点で好ましい。
【0013】上記エポキシ樹脂の硬化剤には、脂肪族ポ
リアミン、脂環式ポリアミン、酸無水物がFRP製造時
に低粘度である点で好ましい。なかでも酸無水物が、低
粘度で、反応速度が速く、また得られる硬化物の弾性率
が大きいため推奨される。酸無水物としては、粘度の低
いメチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒド
ロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、ドデシル無水
コハク酸等が、硬化物の強度、制振性が良くなり、しか
も取扱い易い点で好ましい。これらの酸無水物は単独ま
たは混合物として使用できる。
【0014】本発明では、イミダゾールまたはその誘導
体を、上記エポキシ樹脂と好ましい硬化剤である酸無水
物を反応硬化させるときの硬化促進剤として使用するこ
とが推奨される。酸無水物とイミダゾール類の反応によ
って生じるアルコキシアニオン等がエポキシ基と反応
し、3次元硬化反応を促進するためである。イミダゾー
ル誘導体の例としては、2−メチルイミダゾール、2−
エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミ
ダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニ
ルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾー
ル、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−
シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、
1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シア
ノエチル−2−ウンデシルイミダゾール等が挙げられ、
これらのイミダゾール類は単独または混合物として使用
できる。
【0015】本発明で用いられるマトリックス樹脂の好
ましいもののひとつは、上記したエポキシ樹脂と酸無水
物とイミダゾールまたはその誘導体の反応硬化物であ
る。もうひとつの好ましいマトリックス樹脂として、エ
ポキシ樹脂との反応性を有する末端官能基型液状ジエン
系エラストマーを加えた系を挙げることができる。液状
ジエン系エラストマーの添加は、制振材が使用される温
度付近に損失係数ηの最大値をシフトさせ、しかも制振
性を向上させる効果をもたらす。例えば、マトリックス
樹脂の主要成分であるエポキシ樹脂が、1500HZ、
25℃でηの最大値をとる場合、ジエン系エラストマー
を加えれば、ηの最大値が高温側にシフトし、より高い
温度で良好な制振作用を発揮することができるようにな
る。ただし、ηや硬化物の剛性は、エポキシ樹脂のグレ
ードや量、酸無水物の種類と量等とも絡み合って複雑に
変化するため、それぞれの系におけるジエン系エラスト
マーの適正使用量は実験的に得ることが重要である。
【0016】エポキシ樹脂との反応性を有する末端官能
基としては、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル
基およびエポキシ基が挙げられ、これらの官能基を両末
端に有する液状ジエン系エラストマーは、エポキシ樹脂
中のエポキシ基と反応して3次元硬化物の架橋点間分子
量を長くする。ジエン系エラストマーの分子量は100
0〜7000程度のものが好ましい。
【0017】具体的には、NBR(アクリロニトリル−
ブタジエンゴム)、BR(ブタジエン)、IR(イソプ
レン)等の末端に上記官能基を導入したものが用いら
れ、末端カルボキシル基型としてはB.F.GOODR
ICH社製の「HYCAR CTBN」シリーズや、日
本曹達社製「NISSO PBC」シリーズ等が、末端
アミノ基型にはB.F.GOODRICH社製の「HY
CAR ATBN」シリーズ等が、末端ヒドロキシル基
型には日本曹達社製「NISSO PBG」シリーズ等
が市販されている。末端エポキシ基含有ジエン系エラス
トマーとしては、例えば末端官能基型NBRとエポキシ
樹脂を反応させればよく、また、大都産業社製「ダイト
サイザー8208」や、エー・シー・アール社製の「R
1309」、「R1415−1」、「R1637」等が
市販されているものを用いることもできる。これらの液
状エラストマーは、単独または2種以上組合せて使用す
ることもできる。
【0018】本発明のマトリックス樹脂として好ましい
上記実施態様における各成分の最適配合量は、各成分の
グレードによっていろいろ変化するため一概には決めら
れないが、エポキシ樹脂を100重量部使用するとし
て、酸無水物が10〜100重量部、より好ましくは2
0〜80重量部、イミダゾールまたはその誘導体が1〜
10重量部、より好ましくは2〜8重量部である。酸無
水物やイミダゾール類が上記範囲より少ないと、硬化が
スムーズに行われず、硬化速度、硬化物の強度が低下し
たものとなり、上記範囲を超えると硬化過剰となって制
振性に悪影響がでる恐れがある。また末端官能基ジエン
系エラストマーを用いる時は、エポキシ樹脂100重量
部に対して同量程度までとすることが好ましい。同量を
超えると、硬化前の組成物粘度が高くなり過ぎて、強化
繊維との複合が不完全になり易いためである。
【0019】本発明では、上記液状ジエン系エラストマ
ー以外に、エポキシ樹脂に配合する成分として、ポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカ
ーボネート等の熱可塑性樹脂を利用してもよい。
【0020】本発明の高剛性制振材は上記マトリックス
樹脂に、引張弾性率が40000kgf/mm2 以上の強化繊
維を複合させたものである。なお引張弾性率は、AST
MD4018 に準じて測定した初期弾性率である。引張弾性
率が、40000kgf/mm2より小さいと、得られる複合
制振材の強度、剛性が劣ったものとなるため、引張弾性
率は高い方が好ましい。より好ましい引張弾性率は50
000kgf/mm2 以上であり、70000kgf/mm2 以上の
ものを用いると、鋼板並みの剛性を持たせることができ
る。
【0021】この様な高弾性の強化繊維としては、特に
素材は限定されず、炭素繊維、ガラス繊維や、ナイロ
ン、ポリエステル、アラミド等の有機繊維、その他金属
繊維等が利用できる。これらのなかでも、軽量、且つ高
弾性で、しかも安価である炭素繊維が好ましい。例え
ば、日本石油化学製「グラノック」シリーズのXN−4
0、XN−50、XN−70や、東レ社製「トレカM」
シリーズのM40B、M50B、M60B、三菱化成工
業社製「ダイアリードK」シリーズのK−135、K−
137、K−139、K−13B等が市販されており、
ピッチ系、PAN系問わず用いられる。なお、単独では
引張弾性率が上記規定条件未満の繊維であっても、高弾
性率繊維と組合わせる(ハイブリッド繊維)ことによっ
て上記条件を満足すれば用いることができる。また、マ
トリックス樹脂との接着性向上のため繊維に表面処理を
施したものであってもよい。
【0022】本発明の高剛性制振材を製造する方法とし
ては、公知のFRP製造方法を採用すれば良く特に限定
されないが、制振材の弾性率、強度向上のためには、強
化繊維を一方向に配向させることが好ましい。具体的に
は、連続繊維を用いる引き抜き成形法や、フィラメント
ワインディング法が挙げられる。またその他に、一方向
プリプレグをローリング法等によって成形し、その後に
例えばオートクレーブ等で加圧・硬化させる製造方法等
が挙げられる。
【0023】本発明の高剛性制振材は以上の様に構成さ
れるが、必要に応じて公知のFRP添加剤フィラーであ
る酸化亜鉛、ガラスビーズ、カーボンビーズ、SiCウ
ィスカー等を添加してもよい。これらのフィラーの添加
は、制振材の損失係数、弾性率をより高める効果を有す
る。
【0024】本発明の高剛性制振材は、複合後の制振材
の損失係数ηの最大値が0.1以上で、そのときの動的
等価弾性率が10000kgf/mm2 以上であることが好ま
しい。図1に従来の制振構造材料(FRP板に樹脂層を
挟持させたタイプの制振材料)、本発明例、樹脂、FR
P、およびAlとFeの弾性率と損失係数を示した。本
発明の制振材は従来の種々の材料より、損失係数、弾性
率共に格段に優れていることがわかる。なお、複合後の
損失係数および動的等価弾性率は、直径10mm、長さ
300mmの棒状体試料を両端自由状態で曲げ方向にひ
ずみ(打撃)を加え、減衰振動曲線の波形を周波数分析
装置(小野測器社製CF350)で分析して曲げ1次固
有振動数を求め、下式で計算した値である(共振法)。
【0025】 E=16×(2πf)2 ×L4 ×ρ÷9800(4.734 ・D2 )…(1) ただし、E:動的等価弾性率(kgf/mm2 ) f:1次固有振動数(Hz) L:試料長(mm) ρ:複合材の密度(kg/mm3 ) D:直径(mm) また損失係数ηは、減衰振動曲線の波形から対数減衰率
δを求め、 η=δ/π の関係式から計算した値である。
【0026】本発明の高剛性制振材の用途としては、本
発明の特徴を最も生かせる「剛性」と「制振性」が必要
で、かつ「軽量」なる制振材が望まれている分野、すな
わち一般住宅・共同住宅の階段、ドアー、床等の建築部
材、自動車のダッシュパネル、フロア、汎用エンジンカ
バー等の自動車構造部材、電気洗濯機の外板等の様な電
化製品部材、ホッパーのシュート部等機械構造部材等
に、衝撃、振動、騒音の低減を目的として使用すること
ができる。また制振鋼板や従来の複合材積層物とは異な
って、製品形状に特に制限がないので、スキー板等の板
状物はもとより、ゴルフシャフト、スキーストック等の
中空棒状製品や、曲線構造物であっても利用することが
できる。さらに、中ぐり作業時に用いられるボーリング
バー等の様にL/Dが大きい(細長い)棒状体切削工具
においてよく見られる「びびり現象」(振動伝達による
先端部の「ぶれ」現象)を防止するためにも本発明の高
剛性制振材が効果的である。
【0027】
【実施例】以下実施例によって本発明をさらに詳述する
が、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・
後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て
本発明の技術範囲に包含される。
【0028】実施例および比較例 表2に示した繊維1(単繊維φ10μmが2000本の
ロービング)約275本を表1に示した樹脂1が入れら
れた樹脂含浸槽へ、引抜成形機のクリールスタンドから
30mm/分で供給し、次いで、これを全長約1メート
ルの金型へ装填し180℃で30分硬化させた(実施例
1)。実施例1と同様にして、表1に示した成分組成の
マトリックス樹脂と、表2に示した強化繊維を表3の様
に組み合わせて、直径10mmの棒状制振材を連続引き
抜き成形法によって作成した。
【0029】得られた棒状体を長さ300mmに切断
し、小野測器社製の周波数分析装置で分析した曲げ一次
固有振動数から下式で動的等価弾性率を計算して、表3
に併記した。 E=16×(2πf)2 ×L4 ×ρ÷9800(4.734 ・D2 )…(1) ただし、E:動的等価弾性率(kgf/mm2 ) f:1次固有振動数(Hz) L:試料長(mm) ρ:複合材の密度(kg/mm3 ) D:直径(mm) また損失係数ηの最大値は、減衰振動曲線の波形から対
数減衰率δを求め、 η=δ/π の関係式から計算した値である。また、表2に示した各
繊維の引張弾性率は、ASTM D4018 に準じて測定し
た初期弾性率である。
【0030】
【表1】
【0031】表1で用いた略語: EP 871:エピコート871 (ダイコー酸グリシジルエステル、エポキシ当量=430
g/eq、油化シェルエポキシ社製) CTBN :HYCAR CTBN 1300 × 8 (カルボキシル基末端NBR、B.F.GOODRICH社製) B 570 :エピクロンB570 (酸無水物系硬化剤、大日本インキ化学社製) EMI 24:エピキュアEMI−24 (イミダゾール、油化シェルエポキシ社製) LY 556:アラルダイトLY556 (ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、エポキシ
当量=185 g/eq、チバガイギー社製) HY917J:HY917J (酸無水物系硬化剤、チバガイギー社製) DYO62 :DYO62 (3級アミン、チバガイギー社製) WC84 :ヘロキシWC−84 (脂肪族ポリオールポリグリシジルエーテル、エポキシ
当量=620 〜680 g/eq、RHONE-POULENC 社製) WC85 :ヘロキシWC−85 (ヒマシ油ポリグリシジルエーテル、エポキシ当量=55
0 〜650g/eq、RHONE-POULENC 社製)
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】表から明らかな様に本発明実施例の制振材
は、いずれも優れた制振性と高い引張弾性率を有してい
た。強度の小さい繊維を用いた比較例1は、強度、制振
性が劣り、エポキシ当量が小さく損失係数ηの小さいマ
トリックス樹脂を用いた比較例2、3は、弾性率は高い
が制振性に劣っていることがわかる。比較例2および3
の結果から、マトリックス樹脂の影響が繊維強度の影響
より大きいことがうかがえる。
【0035】
【発明の効果】本発明の高剛性制振材は以上の様に構成
されており、高剛性と良好な制振性を兼ね備えた制振材
である。この高剛性制振材は、鋼と同程度の強度・弾性
率でかつ約1/5の軽さであり、同時に制振鋼板と同等
以上の制振性を有するので、高性能な制振構造材料を提
供することができた。また、制振鋼板や従来の積層FR
Pと異なり、成形品の形状の自由度が大きく製品形状に
制限がないので、作業性がよくコストも安く連続製造が
できるというメリットがある。従って、自動車や各種交
通機関、産業機械、共同住宅や工場建屋等の金属製階段
や金属ドア、家電製品等の振動に伴う騒音防止材等とし
て幅広く活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】各材料の弾性率と損失係数を表すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 喜雄 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 名倉 和子 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 高橋 知二 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックス樹脂と、引張弾性率が40
    000kgf/mm2 以上の強化繊維を複合させたものである
    ことを特徴とする高剛性制振材。
  2. 【請求項2】 上記マトリックス樹脂が、エポキシ当量
    300g/eq以上のエポキシ樹脂と酸無水物およびイミダ
    ゾールまたはその誘導体の反応硬化物である請求項1に
    記載の高剛性制振材。
  3. 【請求項3】 上記マトリックス樹脂が、エポキシ当量
    300g/eq以上のエポキシ樹脂と、カルボキシル基、ア
    ミノ基、ヒドロキシル基およびエポキシ基よりなる群か
    ら選択される1種以上の官能基を末端に有する液状ジエ
    ン系エラストマーと、酸無水物およびイミダゾールまた
    はその誘導体の反応硬化物である請求項1に記載の高剛
    性制振材。
  4. 【請求項4】 上記強化繊維が炭素繊維である請求項1
    〜3のいずれかに記載の高剛性制振材。
  5. 【請求項5】 複合後の損失係数ηが0.1以上で、か
    つ動的等価弾性率が10000kgf/mm2 以上である請求
    項1〜4のいずれかに記載の高剛性制振材。
JP8664594A 1994-04-25 1994-04-25 高剛性制振材 Withdrawn JPH07292125A (ja)

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