JPH07289633A - 除去器及び除去装置 - Google Patents
除去器及び除去装置Info
- Publication number
- JPH07289633A JPH07289633A JP6106271A JP10627194A JPH07289633A JP H07289633 A JPH07289633 A JP H07289633A JP 6106271 A JP6106271 A JP 6106271A JP 10627194 A JP10627194 A JP 10627194A JP H07289633 A JPH07289633 A JP H07289633A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- blood
- plasma
- transthyretin
- atypical
- adsorbent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
- Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 血漿中の異型トランスサイレチンを選択的
に、簡便に除去するための除去器と除去装置を提供す
る。 【構成】 多孔質担体表面にカチオン性官能基を有する
吸着材を、血漿の入口と出口を有する容器に充填した異
型トランスサイレチンの除去器と、血液の導入手段、導
出手段、異型トランスサイレチンを除去する手段、血液
より血漿を分離する手段、血液を灌流する手段、血漿を
灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合する手段とを有す
る異型トランスサイレチンの除去装置。
に、簡便に除去するための除去器と除去装置を提供す
る。 【構成】 多孔質担体表面にカチオン性官能基を有する
吸着材を、血漿の入口と出口を有する容器に充填した異
型トランスサイレチンの除去器と、血液の導入手段、導
出手段、異型トランスサイレチンを除去する手段、血液
より血漿を分離する手段、血液を灌流する手段、血漿を
灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合する手段とを有す
る異型トランスサイレチンの除去装置。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は血漿中の異型トランスサ
イレチンの除去器、及び体外循環治療用の血漿中の異型
トランスサイレチンの除去装置に関する。
イレチンの除去器、及び体外循環治療用の血漿中の異型
トランスサイレチンの除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】家族性アミロイドポリニューロパシー
は、全身にアミロイド物質の沈着が起こり、やがて死に
もいたる遺伝性の難治性疾患である。この疾患の原因物
質は異型のトランスサイレチンであるとされている。家
族性アミロイドポリニューロパシー患者では、異型トラ
ンスサイレチン遺伝子の異常によって、血漿中のトラン
スサイレチンの一部又は全部が、異型トランスサイレチ
ンとなっていることが知られている。この異型トランス
サイレチンは極一部のアミノ酸のみが、例えばN末端か
ら30番目のバリンがメチオニンに、変異しているた
め、正常なトランスサイレチンとの区別は容易に行える
ものではない。そこで家族性アミロイドポリニューロパ
シーの治療法としては、患者血漿を取り出し、代わりに
健常人血漿を輸血することによって、正常なトランスサ
イレチンと異型トランスサイレチンを区別すること無く
全てのトランスサイレチンを交換することによって、異
型トランスサイレチンを除去しようとする血漿交換療法
が、患者に対して定期的に施されている。
は、全身にアミロイド物質の沈着が起こり、やがて死に
もいたる遺伝性の難治性疾患である。この疾患の原因物
質は異型のトランスサイレチンであるとされている。家
族性アミロイドポリニューロパシー患者では、異型トラ
ンスサイレチン遺伝子の異常によって、血漿中のトラン
スサイレチンの一部又は全部が、異型トランスサイレチ
ンとなっていることが知られている。この異型トランス
サイレチンは極一部のアミノ酸のみが、例えばN末端か
ら30番目のバリンがメチオニンに、変異しているた
め、正常なトランスサイレチンとの区別は容易に行える
ものではない。そこで家族性アミロイドポリニューロパ
シーの治療法としては、患者血漿を取り出し、代わりに
健常人血漿を輸血することによって、正常なトランスサ
イレチンと異型トランスサイレチンを区別すること無く
全てのトランスサイレチンを交換することによって、異
型トランスサイレチンを除去しようとする血漿交換療法
が、患者に対して定期的に施されている。
【0003】しかし血漿交換療法は輸血用の大量の血漿
が必要であること、輸血血漿によるウイルスなどの感染
の可能性があるなど、経済性や安全性の問題点があっ
た。また血漿交換療法は輸血用血漿が大量に、安定に準
備できる施設でないと実施できず、操作も煩雑であるた
め、汎用的に実施できる治療方法ではなかった。
が必要であること、輸血血漿によるウイルスなどの感染
の可能性があるなど、経済性や安全性の問題点があっ
た。また血漿交換療法は輸血用血漿が大量に、安定に準
備できる施設でないと実施できず、操作も煩雑であるた
め、汎用的に実施できる治療方法ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、血漿
中の他の蛋白質を吸着すること無く、繰り返し使用して
も主要血漿蛋白の低下を引き起こすことのない、トラン
スサイレチンを選択的に、しかも輸血用の血漿や補液が
不要で簡便に吸着除去または採取できる、異型トランス
サイレチンを除去する手段を提供することにある。
中の他の蛋白質を吸着すること無く、繰り返し使用して
も主要血漿蛋白の低下を引き起こすことのない、トラン
スサイレチンを選択的に、しかも輸血用の血漿や補液が
不要で簡便に吸着除去または採取できる、異型トランス
サイレチンを除去する手段を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
の下に異型トランスサイレチンの除去器と除去装置を完
成すべく鋭意研究した結果本発明を成すに至った。即ち
本発明の要旨は、多孔質担体表面にカチオン性官能基を
有する、トランスサイレチンの吸着材を、血漿の入口と
出口を有する容器に充填したことを特徴とする異型トラ
ンスサイレチンの除去器と、血液の導入手段、導出手
段、トランスサイレチンを除去する手段、血液より血漿
を分離する手段、血液を灌流する手段、血漿を灌流する
手段、抗凝固剤を血液に混合する手段とを有することを
特徴とする異型トランスサイレチンの除去装置に関する
ものである。
の下に異型トランスサイレチンの除去器と除去装置を完
成すべく鋭意研究した結果本発明を成すに至った。即ち
本発明の要旨は、多孔質担体表面にカチオン性官能基を
有する、トランスサイレチンの吸着材を、血漿の入口と
出口を有する容器に充填したことを特徴とする異型トラ
ンスサイレチンの除去器と、血液の導入手段、導出手
段、トランスサイレチンを除去する手段、血液より血漿
を分離する手段、血液を灌流する手段、血漿を灌流する
手段、抗凝固剤を血液に混合する手段とを有することを
特徴とする異型トランスサイレチンの除去装置に関する
ものである。
【0006】吸着剤のカチオン性官能基とは、アミン
類、及びアミン誘導体等が含まれ、3級アミノ基及び4
級アンモニウム基が例示でき、いずれであつても良い。
が、pKaが低すぎると異型トランスサイレチンの吸着
能力が低下するため好ましくない。好ましくはpKaが
8.0以上のものがあげられ、更に好ましくはpKaが
9以上であり、最も好ましくはpKaが10以上のカチ
オン性官能基である。又、特に血漿蛋白の非特異吸着
性、加えて血液或いは血漿の抗凝固剤として通常ヘパリ
ンが用いられていることより、ヘパリンの非特異吸着性
が少ないことがより望ましい。ここでpKaが高すぎる
と異型トランスサイレチンの吸着と共に非特異吸着もま
た増加するため好ましく無い。この点より好ましい例と
してはpKaが12.0以下の含窒素官能基があげられ
る。
類、及びアミン誘導体等が含まれ、3級アミノ基及び4
級アンモニウム基が例示でき、いずれであつても良い。
が、pKaが低すぎると異型トランスサイレチンの吸着
能力が低下するため好ましくない。好ましくはpKaが
8.0以上のものがあげられ、更に好ましくはpKaが
9以上であり、最も好ましくはpKaが10以上のカチ
オン性官能基である。又、特に血漿蛋白の非特異吸着
性、加えて血液或いは血漿の抗凝固剤として通常ヘパリ
ンが用いられていることより、ヘパリンの非特異吸着性
が少ないことがより望ましい。ここでpKaが高すぎる
と異型トランスサイレチンの吸着と共に非特異吸着もま
た増加するため好ましく無い。この点より好ましい例と
してはpKaが12.0以下の含窒素官能基があげられ
る。
【0007】含窒素官能基の窒素原子と結合した置換基
に特に制限はなく、任意の置換基を与えることができる
が、どこかの置換基が多孔質担体の主鎖と共有結合によ
って接続されているものが好ましい。置換基は例えば水
素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベ
ンジル基などの炭化水素置換基であっても良いし、メチ
ロール、エチロールなどの異核種の原子を含んだ置換基
でも良い。該置換基は2つ以上で環状となっているもの
でも良く、例えばピリジン、イミダゾール、ピペリジ
ン、ピロール、ピリミジンなどがこれに相当する。これ
らの内、異型トランスサイレチン吸着性能が高く且つ血
漿蛋白の非特異吸着性がより低い点より、置換基のいず
れか又は全部が炭素数が1以上6以下の直鎖アルキル鎖
であることがより好ましい。
に特に制限はなく、任意の置換基を与えることができる
が、どこかの置換基が多孔質担体の主鎖と共有結合によ
って接続されているものが好ましい。置換基は例えば水
素、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基、ベ
ンジル基などの炭化水素置換基であっても良いし、メチ
ロール、エチロールなどの異核種の原子を含んだ置換基
でも良い。該置換基は2つ以上で環状となっているもの
でも良く、例えばピリジン、イミダゾール、ピペリジ
ン、ピロール、ピリミジンなどがこれに相当する。これ
らの内、異型トランスサイレチン吸着性能が高く且つ血
漿蛋白の非特異吸着性がより低い点より、置換基のいず
れか又は全部が炭素数が1以上6以下の直鎖アルキル鎖
であることがより好ましい。
【0008】カチオン性官能基は、多孔質担体を構成す
る高分子鎖の側鎖に存在する必要は必ずしもなく、主鎖
を形成するものでも良い。多孔質担体にカチオン性官能
基を側鎖として導入する方法や、カチオン性官能基が重
合体の時は他に共有結合を介さずに多孔質担体表面に物
理的に結合させる方法など、カチオン性官能基を多孔質
担体に不溶化する方法も選択できる。これらの方法の
内、水不溶性担体に側鎖としてカチオン性基を導入する
方が製造上容易であり、実使用時に溶出する危険性もな
く好ましい。またカチオン性基は1本のアルキル鎖上に
複数が存在しても良い。
る高分子鎖の側鎖に存在する必要は必ずしもなく、主鎖
を形成するものでも良い。多孔質担体にカチオン性官能
基を側鎖として導入する方法や、カチオン性官能基が重
合体の時は他に共有結合を介さずに多孔質担体表面に物
理的に結合させる方法など、カチオン性官能基を多孔質
担体に不溶化する方法も選択できる。これらの方法の
内、水不溶性担体に側鎖としてカチオン性基を導入する
方が製造上容易であり、実使用時に溶出する危険性もな
く好ましい。またカチオン性基は1本のアルキル鎖上に
複数が存在しても良い。
【0009】カチオン性官能基を多孔質担体に不溶化す
る方法を具体的に示すと、カチオン性官能基を有する化
合物を溶解した液中に浸漬、或いは該液を噴霧すること
によってコーティングする方法、化学的に或いは放射線
や電子線を用いてのグラフト法によって多孔質担体表面
に共有結合する方法、或いは化学的方法により多孔質担
体表面の官能基を介して共有結合する方法などが例示で
きる。この中でグラフト法、官能基を介しての共有結合
法が使用時のカチオン性官能基の溶出の危険性がなく、
好ましい。多孔質担体が被覆層を有する場合はその被覆
層表面に不溶化することもできる。
る方法を具体的に示すと、カチオン性官能基を有する化
合物を溶解した液中に浸漬、或いは該液を噴霧すること
によってコーティングする方法、化学的に或いは放射線
や電子線を用いてのグラフト法によって多孔質担体表面
に共有結合する方法、或いは化学的方法により多孔質担
体表面の官能基を介して共有結合する方法などが例示で
きる。この中でグラフト法、官能基を介しての共有結合
法が使用時のカチオン性官能基の溶出の危険性がなく、
好ましい。多孔質担体が被覆層を有する場合はその被覆
層表面に不溶化することもできる。
【0010】多孔質担体表面に官能基を得る方法の一例
としてはハロゲン化シアン法、エピクロルヒドリン法、
ビスエポキシド法、ブロモアセチルブロミド法等が知ら
れている。具体的にはアミノ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、チオール基、酸無水物基、サクシニルイミ
ド基、塩素基、アルデヒド基、アミド基、エポキシ基、
トレシル基などがあげられる。いずれの方法であっても
良いが、水不溶性担体表面よりある一定の距離だけカチ
オン性基が離れているスペーサー構造を有する方が異型
トランスサイレチンの吸着性の点で優れており、カチオ
ン性基と多孔質担体とは少なくとも炭素数2個以上を含
むスペーサー構造で結合していることが好ましい。更に
このスペーサー構造は、カチオン性基が水溶液中で伸び
ていること、この部分での血漿蛋白の非特異吸着を起こ
さないことよりヒドロキシル基及び又はエステル基を有
していることが好ましい。以上の点、及び加熱滅菌時の
安定性よりエピクロルヒドリン法で誘導されるエポキシ
基が特に好ましい例としてあげられる。
としてはハロゲン化シアン法、エピクロルヒドリン法、
ビスエポキシド法、ブロモアセチルブロミド法等が知ら
れている。具体的にはアミノ基、カルボキシル基、ヒド
ロキシル基、チオール基、酸無水物基、サクシニルイミ
ド基、塩素基、アルデヒド基、アミド基、エポキシ基、
トレシル基などがあげられる。いずれの方法であっても
良いが、水不溶性担体表面よりある一定の距離だけカチ
オン性基が離れているスペーサー構造を有する方が異型
トランスサイレチンの吸着性の点で優れており、カチオ
ン性基と多孔質担体とは少なくとも炭素数2個以上を含
むスペーサー構造で結合していることが好ましい。更に
このスペーサー構造は、カチオン性基が水溶液中で伸び
ていること、この部分での血漿蛋白の非特異吸着を起こ
さないことよりヒドロキシル基及び又はエステル基を有
していることが好ましい。以上の点、及び加熱滅菌時の
安定性よりエピクロルヒドリン法で誘導されるエポキシ
基が特に好ましい例としてあげられる。
【0011】本吸着剤が表面に有する官能基の量、少な
すぎると吸着能力が低く、多すぎると血液適合性の低下
や使用時にカチオン性官能基が遊離するなどの危険性が
生じるため、多孔質担体の細孔容積を含む湿潤状態での
容積当たり1μeq/ml以上1000meq/ml以
下であることが良い。更に、あえてより好ましい範囲と
しては10μeq/ml以上10meq/ml以下があ
げられる。
すぎると吸着能力が低く、多すぎると血液適合性の低下
や使用時にカチオン性官能基が遊離するなどの危険性が
生じるため、多孔質担体の細孔容積を含む湿潤状態での
容積当たり1μeq/ml以上1000meq/ml以
下であることが良い。更に、あえてより好ましい範囲と
しては10μeq/ml以上10meq/ml以下があ
げられる。
【0012】本吸着剤で言う多孔質担体とは、カチオン
性官能基が導入できる多孔体であれば、無機化合物、有
機化合物を問わないが、温水に対する溶出物が少ないこ
と、多孔体の細孔の制御がより容易且つ精密にできるこ
とより、有機高分子が好ましい。多孔質担体は、水不溶
性の多孔体そのものを多孔質担体として用いても良い
し、表面に被覆層を有する水不溶性の多孔体を多孔質担
体としても良いが、血漿蛋白の非特異吸着が少なくでき
ることより、表面にヒドロキシル基或いはエステル基を
有することが好ましい。多孔質担体の例としては、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリレートエステ
ル、ポリアクリレートエステル、ポリアクリル酸、ポリ
ビニルアルコール等のビニル系化合物の重合体及び共重
合体、ナイロン6或いは66等のポリアミド系化合物、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系化合
物、セルロース等の植物由来の多糖類系化合物等を例示
することができる。
性官能基が導入できる多孔体であれば、無機化合物、有
機化合物を問わないが、温水に対する溶出物が少ないこ
と、多孔体の細孔の制御がより容易且つ精密にできるこ
とより、有機高分子が好ましい。多孔質担体は、水不溶
性の多孔体そのものを多孔質担体として用いても良い
し、表面に被覆層を有する水不溶性の多孔体を多孔質担
体としても良いが、血漿蛋白の非特異吸着が少なくでき
ることより、表面にヒドロキシル基或いはエステル基を
有することが好ましい。多孔質担体の例としては、ポリ
プロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリレートエステ
ル、ポリアクリレートエステル、ポリアクリル酸、ポリ
ビニルアルコール等のビニル系化合物の重合体及び共重
合体、ナイロン6或いは66等のポリアミド系化合物、
ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系化合
物、セルロース等の植物由来の多糖類系化合物等を例示
することができる。
【0013】本発明において用いられる多孔質担体の材
料は、カチオン性官能基が1μeq/ml以上導入でき
れば良く、以上に限定されるものではない。例示した中
では、重合の容易さ、カチオン性官能基の導入の容易さ
より、ビニル系化合物の重合体及び共重合体がより好ま
しく用いられる。このような例としては、スチレン、メ
チルスチレン、ジフェニルエチレン、エチルエチレン、
ジメチルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルフェナン
トレン、ビニルメシチレン、3,4,6−トリメチルス
チレン、1−ビニル−2−エチルアセチレン等の炭化水
素化合物:クロルスチレン、メトキシスチレン、ブロム
スチレン、シアノスチレン、フルオルスチレン、ジクロ
ルスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、ニトロ
スチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルスチレ
ン、トリフルオルメチルスチレン、アミノスチレン等の
スチレン誘導体:アクリロニトリル、α−アセトキシア
クリロニトリル等のアクリロニトリル誘導体:アクリル
酸、メタクリル酸:アクリル酸メチル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸クロルメチル、アセトキシアクリル酸
エチル等のアクリル酸エステル:メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エ
ステル:マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル:メチ
ルビニルケトン、エチルイソプロペニルケトン等のビニ
ルケトン、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、シアン化
ビニリデン等のビニリデン化合物:アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、
N−フェニルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の
アクリルアミド誘導体:酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプ
リン酸ビニル等の脂肪酸ビニル誘導体:チオメタクリル
酸フェニル、チオアクリル酸メチル、チオ酢酸ビニル等
のチオ脂肪酸誘導体:更にN−ビニルスクシンイミド、
N−ビニルピロリドン、N−ビニルフタルイミド、N−
ビニルカルバゾールビニルフラン、2−ビニルベンドフ
ラン、ビニルチオフェン、ビニルイミダゾール、メチル
ビニルイミダゾール、ビニルピラゾール、ビニルオキサ
ゾリドン、ビニルチアゾール、ビニルテトラゾール、ビ
ニルピリジン、メチルビニルピリジン、2,4−ジメチ
ル−6−ビニルトリアジン、ビニルキノリン等の異節環
状ビニル化合物がある。
料は、カチオン性官能基が1μeq/ml以上導入でき
れば良く、以上に限定されるものではない。例示した中
では、重合の容易さ、カチオン性官能基の導入の容易さ
より、ビニル系化合物の重合体及び共重合体がより好ま
しく用いられる。このような例としては、スチレン、メ
チルスチレン、ジフェニルエチレン、エチルエチレン、
ジメチルスチレン、ビニルナフタリン、ビニルフェナン
トレン、ビニルメシチレン、3,4,6−トリメチルス
チレン、1−ビニル−2−エチルアセチレン等の炭化水
素化合物:クロルスチレン、メトキシスチレン、ブロム
スチレン、シアノスチレン、フルオルスチレン、ジクロ
ルスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、ニトロ
スチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルスチレ
ン、トリフルオルメチルスチレン、アミノスチレン等の
スチレン誘導体:アクリロニトリル、α−アセトキシア
クリロニトリル等のアクリロニトリル誘導体:アクリル
酸、メタクリル酸:アクリル酸メチル、アクリル酸ラウ
リル、アクリル酸クロルメチル、アセトキシアクリル酸
エチル等のアクリル酸エステル:メタクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリ
ル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のメタクリル酸エ
ステル:マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル:メチ
ルビニルケトン、エチルイソプロペニルケトン等のビニ
ルケトン、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、シアン化
ビニリデン等のビニリデン化合物:アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、
N−フェニルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の
アクリルアミド誘導体:酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプ
リン酸ビニル等の脂肪酸ビニル誘導体:チオメタクリル
酸フェニル、チオアクリル酸メチル、チオ酢酸ビニル等
のチオ脂肪酸誘導体:更にN−ビニルスクシンイミド、
N−ビニルピロリドン、N−ビニルフタルイミド、N−
ビニルカルバゾールビニルフラン、2−ビニルベンドフ
ラン、ビニルチオフェン、ビニルイミダゾール、メチル
ビニルイミダゾール、ビニルピラゾール、ビニルオキサ
ゾリドン、ビニルチアゾール、ビニルテトラゾール、ビ
ニルピリジン、メチルビニルピリジン、2,4−ジメチ
ル−6−ビニルトリアジン、ビニルキノリン等の異節環
状ビニル化合物がある。
【0014】多孔質担体は架橋重合性単量体を構成単位
として含んでいても良い。架橋重合性単量体を例示する
と、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキ
シレン、ジビニルナフタリン、ジビニルエチルベンゼ
ン、ジビニルフェナントレン、トリビニルベンゼン、ジ
ビニルジフェニル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニ
ルジフェニルスルフイド、ジビニルジフェニルアミン、
ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルフラン、
ジビニルピリジン、ジピリルキノリン、ジ(ビニルピリ
ジノエチル)エチレンジアミン、フタル酸ジアリル、マ
レイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、コハク酸ジアリ
ル、炭酸ジアリル、シュウ酸ジアリル、アジピン酸ジア
リル、セバシン酸ジアリル、酒石酸ジアリル、ジアリル
アミン、トリアリルアミン、リン酸トリアリル、トリカ
ルバリル酸トリアリル、アコニット酸トリアリル、クエ
ン酸トリアリル、N,N−エチレンジアクリルアミド、
N,N−エチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレ
ンジメタクリルアミド、エチレングリコールメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラメタクリレート、エピクロルヒドリン、1,3−ブ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、トリメチルプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ト
リアリルイソシアヌレート、1,2,5−トリアクリロ
イルヘキサヒドロー1,3,5−トリアジン、ジアリー
ルメラミン等が含まれる。
として含んでいても良い。架橋重合性単量体を例示する
と、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキ
シレン、ジビニルナフタリン、ジビニルエチルベンゼ
ン、ジビニルフェナントレン、トリビニルベンゼン、ジ
ビニルジフェニル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニ
ルジフェニルスルフイド、ジビニルジフェニルアミン、
ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルフラン、
ジビニルピリジン、ジピリルキノリン、ジ(ビニルピリ
ジノエチル)エチレンジアミン、フタル酸ジアリル、マ
レイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、コハク酸ジアリ
ル、炭酸ジアリル、シュウ酸ジアリル、アジピン酸ジア
リル、セバシン酸ジアリル、酒石酸ジアリル、ジアリル
アミン、トリアリルアミン、リン酸トリアリル、トリカ
ルバリル酸トリアリル、アコニット酸トリアリル、クエ
ン酸トリアリル、N,N−エチレンジアクリルアミド、
N,N−エチレンジメタクリルアミド、N,N−メチレ
ンジメタクリルアミド、エチレングリコールメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロール
プロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラメタクリレート、エピクロルヒドリン、1,3−ブ
チレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジアクリレート、トリメチルプロパントリアクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ト
リアリルイソシアヌレート、1,2,5−トリアクリロ
イルヘキサヒドロー1,3,5−トリアジン、ジアリー
ルメラミン等が含まれる。
【0015】多孔質担体は、水不溶性の多孔体表面に血
液との親和性をよくするために、親水性の、血小板の付
着を制御するための重合体からなる被覆層を表面に有し
ていてもよい。親水性被覆層は血液適合性を上げること
が本来の目的であり、血液適合性の程度を示すことが必
要であるが、血液の安定入手が困難であること、血液間
差があることなどより、共通の安定した評価は困難であ
る。親水性の程度は簡便に表現できる。あえて親水性の
程度の好ましい範囲を示せば、水中におけるシート状或
いはフィルム状にした固体表面上の空気泡の25℃での
接触角で20度以上である。
液との親和性をよくするために、親水性の、血小板の付
着を制御するための重合体からなる被覆層を表面に有し
ていてもよい。親水性被覆層は血液適合性を上げること
が本来の目的であり、血液適合性の程度を示すことが必
要であるが、血液の安定入手が困難であること、血液間
差があることなどより、共通の安定した評価は困難であ
る。親水性の程度は簡便に表現できる。あえて親水性の
程度の好ましい範囲を示せば、水中におけるシート状或
いはフィルム状にした固体表面上の空気泡の25℃での
接触角で20度以上である。
【0016】親水性被覆層は使用中の剥離を防ぐために
重合体であることが望ましい。親水性被覆層の具体例を
あげると、重合体単位を単量体としての名前で例示すれ
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、
メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、グリ
セロールモノメタクリレート、などのアクリル酸或いは
メタクリル酸及びその誘導体、メトキシトリエチレング
リコールなどメトキシポリエチレングリコール類、ジエ
チルアミノエチルスチレン、ヒドロキシスチレン、ヒド
ロキシメチルスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルア
ミン、ビニルアルコールなどのビニル基を有する単量
体、セグメント化ポリウレタン、セグメント化ポリエス
テル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッ
ドフォスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)アシッドフォスフェート等のいずれかの単量体1種
以上を含む重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体や、ポリエチレンオキサイド鎖を有する単量体と他の
重合単量体のようなグラフト共重合体等が例示できる。
特に重合体中にヒドロキシル基を有していることが好ま
しい。ヒドロキシル基の重合体中における結合様式に特
に制限はない。
重合体であることが望ましい。親水性被覆層の具体例を
あげると、重合体単位を単量体としての名前で例示すれ
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2
−ヒドロキシブチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、
メトキシトリエチレングリコールメタクリレート、グリ
セロールモノメタクリレート、などのアクリル酸或いは
メタクリル酸及びその誘導体、メトキシトリエチレング
リコールなどメトキシポリエチレングリコール類、ジエ
チルアミノエチルスチレン、ヒドロキシスチレン、ヒド
ロキシメチルスチレンなどのスチレン誘導体、ビニルア
ミン、ビニルアルコールなどのビニル基を有する単量
体、セグメント化ポリウレタン、セグメント化ポリエス
テル、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッ
ドフォスフェート、モノ(2−アクリロイルオキシエチ
ル)アシッドフォスフェート等のいずれかの単量体1種
以上を含む重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合
体や、ポリエチレンオキサイド鎖を有する単量体と他の
重合単量体のようなグラフト共重合体等が例示できる。
特に重合体中にヒドロキシル基を有していることが好ま
しい。ヒドロキシル基の重合体中における結合様式に特
に制限はない。
【0017】重合体は、上記重合体単位の単独重合体で
あっても良く、或いは二つ以上の共重合体であっても良
い。またカチオン性官能基を持つ重合体単位を0.1か
ら20重量%含む、ヒドロキシル基を有する重合体単位
との共重合体であっても良い。これら重合体は線状重合
体、グラフト重合体、架橋重合体などの重合形態には特
に関係は無い。
あっても良く、或いは二つ以上の共重合体であっても良
い。またカチオン性官能基を持つ重合体単位を0.1か
ら20重量%含む、ヒドロキシル基を有する重合体単位
との共重合体であっても良い。これら重合体は線状重合
体、グラフト重合体、架橋重合体などの重合形態には特
に関係は無い。
【0018】重合体の被覆層は、グラフト法や沈澱法、
コーティング法、多孔体表面の官能基を利用した共有結
合法など、いずれによって得られるものであっても良
い。この中でも特にコーティング法が製造操作が容易で
あり、実用上好ましい。
コーティング法、多孔体表面の官能基を利用した共有結
合法など、いずれによって得られるものであっても良
い。この中でも特にコーティング法が製造操作が容易で
あり、実用上好ましい。
【0019】こうして得られ被覆層の量、即ち被覆量
は、被覆層としての効果を発揮させるためには、吸着剤
乾燥重量あたりの被覆層の重量で表すとき、1μg/g
以上100mg/g以下であり、より好ましくは10μ
g/g以上10mg/g以下である。
は、被覆層としての効果を発揮させるためには、吸着剤
乾燥重量あたりの被覆層の重量で表すとき、1μg/g
以上100mg/g以下であり、より好ましくは10μ
g/g以上10mg/g以下である。
【0020】本発明の吸着剤は、血漿蛋白の非特異吸着
が少ないことより、カチオン性基とは別に多孔質担体表
面にヒドロキシル基を有していることが好ましい。吸着
剤の細孔径は異型トランスサイレチンの吸着能力に影響
する。細孔径が小さいとトランスサイレチンは細孔内に
侵入しにくくなるため吸着能力は低下する。よって、細
孔径を排除限界分子量で表す時、100,000以上で
あることが好ましく、より好ましくは500,000以
上である。また、排除限界分子量が大きすぎると細孔数
が減少し、細孔表面積が減少するため異型トランスサイ
レチンの吸着能力が低下すること、他の血漿蛋白が接触
できる表面積もまた増加する結果非特異吸着が増加する
ことより好ましくない。よって好ましい排除限界分子量
は5,000,000以下である。同様に、吸着能力は
表面積によって大きく影響する。表面積が大きいと吸着
能力は上がり、小さいと下がることは自明である。同様
に本発明の吸着材は、全細孔表面積が0.5m2 /ml
以上であることが好ましい。より好ましくは1.0m2
/ml以上である。この中で特に好ましい例としては、
化学的に安定で、且つ容易に官能基を導入できること、
球形の50μmから1000μm程度の各種粒子径、孔
径の多孔体粒子をつくれることより、酢酸ビニルとトリ
アリルイソシアヌレートとの共重合体や、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、架橋セルロースなどがあげら
れる。
が少ないことより、カチオン性基とは別に多孔質担体表
面にヒドロキシル基を有していることが好ましい。吸着
剤の細孔径は異型トランスサイレチンの吸着能力に影響
する。細孔径が小さいとトランスサイレチンは細孔内に
侵入しにくくなるため吸着能力は低下する。よって、細
孔径を排除限界分子量で表す時、100,000以上で
あることが好ましく、より好ましくは500,000以
上である。また、排除限界分子量が大きすぎると細孔数
が減少し、細孔表面積が減少するため異型トランスサイ
レチンの吸着能力が低下すること、他の血漿蛋白が接触
できる表面積もまた増加する結果非特異吸着が増加する
ことより好ましくない。よって好ましい排除限界分子量
は5,000,000以下である。同様に、吸着能力は
表面積によって大きく影響する。表面積が大きいと吸着
能力は上がり、小さいと下がることは自明である。同様
に本発明の吸着材は、全細孔表面積が0.5m2 /ml
以上であることが好ましい。より好ましくは1.0m2
/ml以上である。この中で特に好ましい例としては、
化学的に安定で、且つ容易に官能基を導入できること、
球形の50μmから1000μm程度の各種粒子径、孔
径の多孔体粒子をつくれることより、酢酸ビニルとトリ
アリルイソシアヌレートとの共重合体や、スチレン−ジ
ビニルベンゼン共重合体、架橋セルロースなどがあげら
れる。
【0021】吸着剤の形状としては、球状、粒状、糸
状、中空糸状、平膜状等いずれも有効に用いられるが、
体液循環時の体液の流通面より球状または粒状が最も好
ましく用いられる。球状または粒状の平均粒径は、10
μmから2500μmのものが使いやすいが、25μm
から1,000μmの範囲が好ましく、より好ましくは
50μmから600μmである。
状、中空糸状、平膜状等いずれも有効に用いられるが、
体液循環時の体液の流通面より球状または粒状が最も好
ましく用いられる。球状または粒状の平均粒径は、10
μmから2500μmのものが使いやすいが、25μm
から1,000μmの範囲が好ましく、より好ましくは
50μmから600μmである。
【0022】以上の吸着材は異型トランスサイレチンを
吸着することが目的であるため他の血漿成分を吸着しな
いことが望ましい。が、トランスサイレチンは血漿中で
はレチノールバインディンプロテインやサイロキシンと
結合している。特にレチノールバインデイングプロデイ
ンとの結合は強固であり、薬剤を共存させるなどしてこ
れらを分離することは手間を要するため好ましくない。
よって、簡便に異型トランスサイレチンを吸着するには
レチノールバインディンプロテインを吸着しても良い。
但し何れであってもサイロキシンの吸着は好ましくな
い。よって簡便な除去器としては、トランスサイレチン
の吸着率を1.0とした時の相対的な吸着率の割合、吸
着比でこれらを定量的に示すと、レチノールバインディ
ンプロテインでは0.8以上1.2以下、サイロキシン
は0.6以下である。
吸着することが目的であるため他の血漿成分を吸着しな
いことが望ましい。が、トランスサイレチンは血漿中で
はレチノールバインディンプロテインやサイロキシンと
結合している。特にレチノールバインデイングプロデイ
ンとの結合は強固であり、薬剤を共存させるなどしてこ
れらを分離することは手間を要するため好ましくない。
よって、簡便に異型トランスサイレチンを吸着するには
レチノールバインディンプロテインを吸着しても良い。
但し何れであってもサイロキシンの吸着は好ましくな
い。よって簡便な除去器としては、トランスサイレチン
の吸着率を1.0とした時の相対的な吸着率の割合、吸
着比でこれらを定量的に示すと、レチノールバインディ
ンプロテインでは0.8以上1.2以下、サイロキシン
は0.6以下である。
【0023】吸着材の吸着率は、家族性アミロイドポリ
ニューロパシー血漿10容と吸着材1容とをフラスコ中
に加え、37℃で2時間振盪下で反応させたときの血漿
中の各成分の反応前後での低下率を、反応前濃度に対し
て百分率で示した値で示すことができる。以上の吸着材
を、血漿の入り口と出口とを有し、且つそれぞれの口に
は吸着材の漏出を防止するためのフィルターを備えた容
器内に充填保持させて除去器を得ることができる。除去
器には吸着材を単独で充填しても良く、他の吸着材と混
合もしくは、積層しても良い。
ニューロパシー血漿10容と吸着材1容とをフラスコ中
に加え、37℃で2時間振盪下で反応させたときの血漿
中の各成分の反応前後での低下率を、反応前濃度に対し
て百分率で示した値で示すことができる。以上の吸着材
を、血漿の入り口と出口とを有し、且つそれぞれの口に
は吸着材の漏出を防止するためのフィルターを備えた容
器内に充填保持させて除去器を得ることができる。除去
器には吸着材を単独で充填しても良く、他の吸着材と混
合もしくは、積層しても良い。
【0024】除去器の形状は円盤形、円筒型、直方体、
バッグ型などが例示できるが、このうち血漿の流れの均
一性の点より円筒型であることがより好ましい。吸着剤
充填部のより好ましい形状としては、血漿流れ断面の中
心部と外周部との線速の均一性が低下したり血漿の片流
れが発生するため、吸着剤の充填長(ベット高、L)と
血漿流れ断面の直径(D)の比(L/D)が0.8以上
であることが好ましい。L/Dは大きすぎると血漿の流
れ抵抗が増加して血漿の流入圧が上昇し、時には200
mmHg以上にもなるためやはり好ましくない。よって
L/Dは5.0以下、さらには3.0以下であることが
好ましい。
バッグ型などが例示できるが、このうち血漿の流れの均
一性の点より円筒型であることがより好ましい。吸着剤
充填部のより好ましい形状としては、血漿流れ断面の中
心部と外周部との線速の均一性が低下したり血漿の片流
れが発生するため、吸着剤の充填長(ベット高、L)と
血漿流れ断面の直径(D)の比(L/D)が0.8以上
であることが好ましい。L/Dは大きすぎると血漿の流
れ抵抗が増加して血漿の流入圧が上昇し、時には200
mmHg以上にもなるためやはり好ましくない。よって
L/Dは5.0以下、さらには3.0以下であることが
好ましい。
【0025】フィルターは血漿が通過し、同時に吸着材
を漏出しないものであれば何れであっても使用できる。
フィルターを例示するとナイロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどのメッシュ、ポリエステル不織布、濾紙
など、或いはスポンジ、燒結体、多孔質膜などである。
以上の吸着材を用いる場合は異型トランスサイレチンの
吸着能力に優れ、少量で多量の血漿を浄化できることよ
り、除去器の容量は10ml以上1,000ml以下で
あることがよい。体外循環に用いる場合、体外循環血液
量はより少ないことが望ましく、300ml以下とする
ことがより好ましい。
を漏出しないものであれば何れであっても使用できる。
フィルターを例示するとナイロン、ポリエチレン、ポリ
プロピレンなどのメッシュ、ポリエステル不織布、濾紙
など、或いはスポンジ、燒結体、多孔質膜などである。
以上の吸着材を用いる場合は異型トランスサイレチンの
吸着能力に優れ、少量で多量の血漿を浄化できることよ
り、除去器の容量は10ml以上1,000ml以下で
あることがよい。体外循環に用いる場合、体外循環血液
量はより少ないことが望ましく、300ml以下とする
ことがより好ましい。
【0026】本発明の除去装置は、血液の導入手段、導
出手段、血液を灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合す
る手段、血液より血漿を分離する手段、血漿を灌流する
手段、異型トランスサイレチンを除去する手段とにより
構成される。ここでいう血液の導入手段と導出手段は穿
刺針、留置針或いはこれらと接続できる構造など、血管
或いはシャントなどより血液を導入或いは導出できれば
よく何れの構造であっても良い。トランスサイレチンを
除去する手段としてはトランスサイレチン吸着材を充填
した除去器、膜型分離器、塩析等による沈降による手段
などがあげられる。これらの内、取り扱い性、血漿中の
蛋白質の低下が少ないことよりトランスサイレチン吸着
材を充填した除去器を用いることが好ましい。血液より
血漿を分離する手段には、大略次の二通りの方法があ
る。1つには血液を遠心分離機により分離する手段、他
の1つは膜型血漿分離器を使用して、血漿成分と血球成
分とに分離する手段である。これらの内、膜型血漿分離
器による手段が操作性、分離血漿への血球の混入がない
こと等より、より好ましい。血液や血漿の灌流手段とし
てはペリスタポンプ、遠心ポンプ、ベローズポンプ、ギ
アポンプなどが例示できるが、これらの内ペリスタポン
プなどチューブをしごく、或いは断続的に抑えることに
より灌流させるポンプが実用上手軽で且つ血液又は血漿
が外気と接触しないため好ましい。抗凝固剤を血液に混
合する手段は血液の灌流経路に対して抗凝固剤を合流さ
せる構造であれば良く、T字管或いはY字管様の構造が
例示できる。ここで血液灌流手段による脈流がある場
合、合流部で血液が抗凝固剤流路に逆流し、結果灌流血
液の部分によっては抗凝固剤の混合が不均一になる場合
があるため、合流部での血液流路に対して抗凝固剤流路
は断面積が1/5以下、好ましくは1/10以下である
ことが推賞される。
出手段、血液を灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合す
る手段、血液より血漿を分離する手段、血漿を灌流する
手段、異型トランスサイレチンを除去する手段とにより
構成される。ここでいう血液の導入手段と導出手段は穿
刺針、留置針或いはこれらと接続できる構造など、血管
或いはシャントなどより血液を導入或いは導出できれば
よく何れの構造であっても良い。トランスサイレチンを
除去する手段としてはトランスサイレチン吸着材を充填
した除去器、膜型分離器、塩析等による沈降による手段
などがあげられる。これらの内、取り扱い性、血漿中の
蛋白質の低下が少ないことよりトランスサイレチン吸着
材を充填した除去器を用いることが好ましい。血液より
血漿を分離する手段には、大略次の二通りの方法があ
る。1つには血液を遠心分離機により分離する手段、他
の1つは膜型血漿分離器を使用して、血漿成分と血球成
分とに分離する手段である。これらの内、膜型血漿分離
器による手段が操作性、分離血漿への血球の混入がない
こと等より、より好ましい。血液や血漿の灌流手段とし
てはペリスタポンプ、遠心ポンプ、ベローズポンプ、ギ
アポンプなどが例示できるが、これらの内ペリスタポン
プなどチューブをしごく、或いは断続的に抑えることに
より灌流させるポンプが実用上手軽で且つ血液又は血漿
が外気と接触しないため好ましい。抗凝固剤を血液に混
合する手段は血液の灌流経路に対して抗凝固剤を合流さ
せる構造であれば良く、T字管或いはY字管様の構造が
例示できる。ここで血液灌流手段による脈流がある場
合、合流部で血液が抗凝固剤流路に逆流し、結果灌流血
液の部分によっては抗凝固剤の混合が不均一になる場合
があるため、合流部での血液流路に対して抗凝固剤流路
は断面積が1/5以下、好ましくは1/10以下である
ことが推賞される。
【0027】これらの手段は、血液の導入手段、血液を
灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合する手段、血液よ
り血漿を分離する手段、血漿を灌流する手段、トランス
サイレチンを除去する手段、血液とトランスサイレチン
を除去した血漿とを混合する手段、血液を加湿する手
段、血液の導出手段の順に並んでいることが好ましい。
又これらのいずれかの途中部分に血液又は血漿の圧力を
測定する手段や採取する手段を有していても良い。除去
器への血漿の通液方法としては、使用上の必要に応じ、
或いは設備の装置状況に応じて、連続的に通液してもよ
いし、又断続的に通液しても良い。
灌流する手段、抗凝固剤を血液に混合する手段、血液よ
り血漿を分離する手段、血漿を灌流する手段、トランス
サイレチンを除去する手段、血液とトランスサイレチン
を除去した血漿とを混合する手段、血液を加湿する手
段、血液の導出手段の順に並んでいることが好ましい。
又これらのいずれかの途中部分に血液又は血漿の圧力を
測定する手段や採取する手段を有していても良い。除去
器への血漿の通液方法としては、使用上の必要に応じ、
或いは設備の装置状況に応じて、連続的に通液してもよ
いし、又断続的に通液しても良い。
【0028】
【発明の効果】本発明である、表面にカチオン性官能基
を有する水不溶性の多孔体からなる異型トランスサイレ
チンの吸着剤を充填した除去器と、異型トランスサイレ
チンの除去装置によって、血漿中の他の蛋白質を吸着す
ることなく異型トランスサイレチンを選択的に吸着する
ことが、輸血用の血漿や補液を用いることなく簡便に実
施出来るため、汎用的に異型トランスサイレチンの吸着
を行えるようになる。
を有する水不溶性の多孔体からなる異型トランスサイレ
チンの吸着剤を充填した除去器と、異型トランスサイレ
チンの除去装置によって、血漿中の他の蛋白質を吸着す
ることなく異型トランスサイレチンを選択的に吸着する
ことが、輸血用の血漿や補液を用いることなく簡便に実
施出来るため、汎用的に異型トランスサイレチンの吸着
を行えるようになる。
【0029】
【試作例1】酢酸ビニルとトリアリルイソシアヌレート
との懸濁重合により、ポリビニルアルコール製の表面に
ヒドロキシル基を有する球状の多孔質担体を得た。この
多孔質担体に、ジメチルスルフォキシド中でエピクロル
ヒドリンを反応させることにより、表面のヒドロキシル
基の一部にエポキシ基を導入した。次にエポキシ基を導
入した多孔質担体をジエチルアミン3%水溶液中に加え
て反応させ、エポキシ基を介してジエチルアミノ基を導
入した吸着材を得た。この吸着剤のpKaは10.8で
あった。吸着材は、湿潤状態で平均粒子径100μm、
排除限界分子量約200万、窒素吸着法(BET法)に
よる乾燥状態での表面積が21.7m2 /mlであっ
た。異型トランスサイレチン、レチノーバインディング
プロテイン、サイロキシンの濃度がそれぞれ25.9m
g/dl、5.8mg/dl、9.6μg/mlの家族
性アミロイドポリニューロパシー血漿(ホモザイゴー
ト)を用いて吸着比を測定した。測定は吸着材1容と家
族性アミロイドポリニューロパシー血漿10容とをガラ
ス製フラスコに加え、37℃で2時間、振盪下で反応さ
せた後の上清中の濃度を測定し、次の式により求めた。 この時、異型トランスサイレチンの吸着率を1.0とし
た時のレチノールバインディングプロテインとサイロキ
シンの相対的な吸着率の割合(吸着比)は、それぞれ
0.98、0.39であった。得られた吸着材を円筒型
の両端に血漿の入口と出口を有し、入口、出口それぞれ
の内部に吸着材漏出防止用の200メッシュのポリプロ
ピレン製メッシュを保持させた内容積10mlの容器に
吸着材10mlを充填して除去器とした。この容器の吸
着剤充填部の内径は1.8cm、長さ3.6cm、L/
D=2.0であった。除去器は0.9%塩化ナトリウム
を含むpH7.2のリン酸緩衝液中で、121℃、1時
間オートクレーブ滅菌した。
との懸濁重合により、ポリビニルアルコール製の表面に
ヒドロキシル基を有する球状の多孔質担体を得た。この
多孔質担体に、ジメチルスルフォキシド中でエピクロル
ヒドリンを反応させることにより、表面のヒドロキシル
基の一部にエポキシ基を導入した。次にエポキシ基を導
入した多孔質担体をジエチルアミン3%水溶液中に加え
て反応させ、エポキシ基を介してジエチルアミノ基を導
入した吸着材を得た。この吸着剤のpKaは10.8で
あった。吸着材は、湿潤状態で平均粒子径100μm、
排除限界分子量約200万、窒素吸着法(BET法)に
よる乾燥状態での表面積が21.7m2 /mlであっ
た。異型トランスサイレチン、レチノーバインディング
プロテイン、サイロキシンの濃度がそれぞれ25.9m
g/dl、5.8mg/dl、9.6μg/mlの家族
性アミロイドポリニューロパシー血漿(ホモザイゴー
ト)を用いて吸着比を測定した。測定は吸着材1容と家
族性アミロイドポリニューロパシー血漿10容とをガラ
ス製フラスコに加え、37℃で2時間、振盪下で反応さ
せた後の上清中の濃度を測定し、次の式により求めた。 この時、異型トランスサイレチンの吸着率を1.0とし
た時のレチノールバインディングプロテインとサイロキ
シンの相対的な吸着率の割合(吸着比)は、それぞれ
0.98、0.39であった。得られた吸着材を円筒型
の両端に血漿の入口と出口を有し、入口、出口それぞれ
の内部に吸着材漏出防止用の200メッシュのポリプロ
ピレン製メッシュを保持させた内容積10mlの容器に
吸着材10mlを充填して除去器とした。この容器の吸
着剤充填部の内径は1.8cm、長さ3.6cm、L/
D=2.0であった。除去器は0.9%塩化ナトリウム
を含むpH7.2のリン酸緩衝液中で、121℃、1時
間オートクレーブ滅菌した。
【0030】
【試作例2】試作例1において、ジエチルアミンに代え
てトリエチルアミンとした以外は同様に実施して除去器
を得た。滅菌は、局方生理食塩液中でオートクレーブす
ることによって行った。
てトリエチルアミンとした以外は同様に実施して除去器
を得た。滅菌は、局方生理食塩液中でオートクレーブす
ることによって行った。
【0031】
【試作例3】試作例2において、ジエチルアミンに代え
てジエタノールアミンとした以外は同様に実施して除去
器を得た。この吸着剤の異型トランスサイレチンの吸着
率は42.6%、レチノールバインディングプロテイン
とサイロキシンの吸着比は、それぞれ0.95、0.5
6であった。
てジエタノールアミンとした以外は同様に実施して除去
器を得た。この吸着剤の異型トランスサイレチンの吸着
率は42.6%、レチノールバインディングプロテイン
とサイロキシンの吸着比は、それぞれ0.95、0.5
6であった。
【0032】
【試作例4】試作例2において、ジメチルアミンに代え
てジメチルアミノエチルメタクリレートとした以外は同
様に実施して除去器を得た。
てジメチルアミノエチルメタクリレートとした以外は同
様に実施して除去器を得た。
【0033】
【試作例5】試作例1において、内径1.4cm、長さ
6.5cm、L/D=4.6の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
6.5cm、L/D=4.6の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
【0034】
【試作例6】試作例1において、内径2.3cm、長さ
2.4cm、L/D=1.0の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
2.4cm、L/D=1.0の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
【0035】
【実施例1〜6】試作例1から6の除去器を用いて家族
性アミロイドポリニューロパシー血漿をシリンジポンプ
を用いて1ml/分で灌流した。吸着器からの流出血漿
を10mlづつ60mlまで採取し、それぞれの異型ト
ランスサイレチン濃度を測定し、灌流前の血漿濃度に対
する濃度の低下率を測定してその平均値を吸着率として
求めた。同時に除去器入口での血漿の流入圧を測定し
た。
性アミロイドポリニューロパシー血漿をシリンジポンプ
を用いて1ml/分で灌流した。吸着器からの流出血漿
を10mlづつ60mlまで採取し、それぞれの異型ト
ランスサイレチン濃度を測定し、灌流前の血漿濃度に対
する濃度の低下率を測定してその平均値を吸着率として
求めた。同時に除去器入口での血漿の流入圧を測定し
た。
【0036】
【比較例1】試作例1で用いた多孔質担体を試作例1と
同様の容器に充填し、比較例とした。異型トランスサイ
レチンの吸着率は9.5%、レチノールバインディング
プロテインとサイロキシンの吸着比は、それぞれ0.9
9、1.02であった。
同様の容器に充填し、比較例とした。異型トランスサイ
レチンの吸着率は9.5%、レチノールバインディング
プロテインとサイロキシンの吸着比は、それぞれ0.9
9、1.02であった。
【0037】
【比較例2】試作例1において内径1.0cm、長さ1
2.7cm、L/D=12.7の円筒型容器を用いた以
外は同様にした。
2.7cm、L/D=12.7の円筒型容器を用いた以
外は同様にした。
【0038】
【比較例3】試作例1において内径5.0cm、長さ
0.5cm、L/D=0.1の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
0.5cm、L/D=0.1の円筒型容器を用いた以外
は同様にした。
【0039】以上の結果を表1に示す。実施例1から6
はいずれも流入圧の上昇はなく、且つ異型トランスサイ
レチンの高い吸着率を示し、優れた除去器であった。一
方比較例1及び3では異型トランスサイレチンの吸着率
は低く、また比較例2は流入圧の上昇があるため除去器
として利用できるものではなかった。
はいずれも流入圧の上昇はなく、且つ異型トランスサイ
レチンの高い吸着率を示し、優れた除去器であった。一
方比較例1及び3では異型トランスサイレチンの吸着率
は低く、また比較例2は流入圧の上昇があるため除去器
として利用できるものではなかった。
【0040】
【表1】
【0041】
【実施例7】ポリカーボネート製血液導入管、血液灌流
用シゴキポンプにセットするための内径8mm外径12
mmのシリコン製ポンプチューブを接続した内径6mm
外径10mmの塩化ビニル製の血液チューブ、該血液チ
ューブとT字型接続部で接続した0.17mg/mlフ
サン液を充填したシリンジとシリンジポンプ及び内径1
mm外径3mmのシリコン製抗凝固剤チューブとからな
る血液への抗凝固剤の混合器、血液チューブと接続した
濾過膜面積0.2m2 のポリエチレン製の血漿分離器
(プラズマフロー、旭メディカル社製)、該血漿分離器
の分離血漿出口と接続した内径6mm外径10mmの塩
化ビニル製の血漿チューブ、血漿チューブをセットした
血漿灌流用シゴキポンプ、血漿チューブと血漿の入口で
接続した、血漿の入口と出口それぞれに400メッシュ
のポリプロピレン製フィルターを有する内径4cm、外
径8cmのポリカーボネート製円筒型容器に試作例1で
試作した吸着剤100mlを充填した除去器、血漿の出
口と接続した内径6mm外径10mmの塩化ビニル製の
浄化血漿チューブ、血漿分離器の血液出口と接続した内
径6mm外径10mmの塩化ビニル製の血漿分離血液チ
ューブ、浄化血漿チューブと血漿分離血液チューブとの
T字型接続部からなる血液/血漿混合器、血液/血漿混
合器と接続した内径6mm外径10mmの塩化ビニル製
の浄化血液チューブ、及び浄化血液チューブと接続した
ポリカーボネート製血液導出管からなる異型トランスサ
イレチンの除去装置を作成した。ACD−A液10v/
v%下で得た家族性アミロイドポリニューロパシー血漿
0.6Lに同じ血液型の輸血用赤血球濃厚液(CRC
血)を遠心分離器を用いて生理食塩液で洗浄した後その
沈渣0.4Lを混合して家族性アミロイドポリニューロ
パシー血液とした。
用シゴキポンプにセットするための内径8mm外径12
mmのシリコン製ポンプチューブを接続した内径6mm
外径10mmの塩化ビニル製の血液チューブ、該血液チ
ューブとT字型接続部で接続した0.17mg/mlフ
サン液を充填したシリンジとシリンジポンプ及び内径1
mm外径3mmのシリコン製抗凝固剤チューブとからな
る血液への抗凝固剤の混合器、血液チューブと接続した
濾過膜面積0.2m2 のポリエチレン製の血漿分離器
(プラズマフロー、旭メディカル社製)、該血漿分離器
の分離血漿出口と接続した内径6mm外径10mmの塩
化ビニル製の血漿チューブ、血漿チューブをセットした
血漿灌流用シゴキポンプ、血漿チューブと血漿の入口で
接続した、血漿の入口と出口それぞれに400メッシュ
のポリプロピレン製フィルターを有する内径4cm、外
径8cmのポリカーボネート製円筒型容器に試作例1で
試作した吸着剤100mlを充填した除去器、血漿の出
口と接続した内径6mm外径10mmの塩化ビニル製の
浄化血漿チューブ、血漿分離器の血液出口と接続した内
径6mm外径10mmの塩化ビニル製の血漿分離血液チ
ューブ、浄化血漿チューブと血漿分離血液チューブとの
T字型接続部からなる血液/血漿混合器、血液/血漿混
合器と接続した内径6mm外径10mmの塩化ビニル製
の浄化血液チューブ、及び浄化血液チューブと接続した
ポリカーボネート製血液導出管からなる異型トランスサ
イレチンの除去装置を作成した。ACD−A液10v/
v%下で得た家族性アミロイドポリニューロパシー血漿
0.6Lに同じ血液型の輸血用赤血球濃厚液(CRC
血)を遠心分離器を用いて生理食塩液で洗浄した後その
沈渣0.4Lを混合して家族性アミロイドポリニューロ
パシー血液とした。
【0042】除去装置の血液導出管を該血液を加えた2
Lのガラス製容器に接続し、37℃で血液灌流速度30
ml/分、血漿灌流速度10ml/分で灌流した。この
時血液導出管から流出する異型トランスサイレチンを除
去した血液を別の容器で250mlづつ採取し、採取血
液中の異型トランスサイレチン濃度を測定した。異型ト
ランスサイレチン濃度は、家族性アミロイドポリニュー
ロパシー血液が22.8mg/dlであったのに対し
て、血液導出管より採取した血液中の濃度は、除去器で
の浄化血漿と血漿分離器からの血漿分離血液中に含まれ
る未浄化の血漿との混合物であるにも関わらず、処理2
50mlで6.1mg/dl、処理500mlで10.
0mg/dl、処理750mlで12.2mg/dl、
処理1,000mlで11.8mg/dlと明らかに異
型トランスサイレチン濃度の低下を示し、非常に優れた
異型トランスサイレチンの除去性能を示した。
Lのガラス製容器に接続し、37℃で血液灌流速度30
ml/分、血漿灌流速度10ml/分で灌流した。この
時血液導出管から流出する異型トランスサイレチンを除
去した血液を別の容器で250mlづつ採取し、採取血
液中の異型トランスサイレチン濃度を測定した。異型ト
ランスサイレチン濃度は、家族性アミロイドポリニュー
ロパシー血液が22.8mg/dlであったのに対し
て、血液導出管より採取した血液中の濃度は、除去器で
の浄化血漿と血漿分離器からの血漿分離血液中に含まれ
る未浄化の血漿との混合物であるにも関わらず、処理2
50mlで6.1mg/dl、処理500mlで10.
0mg/dl、処理750mlで12.2mg/dl、
処理1,000mlで11.8mg/dlと明らかに異
型トランスサイレチン濃度の低下を示し、非常に優れた
異型トランスサイレチンの除去性能を示した。
Claims (6)
- 【請求項1】 多孔質担体表面にカチオン性官能基を有
する吸着材を、血漿の入口と出口を有する容器に充填し
たことを特徴とする異型トランスサイレチンの除去器。 - 【請求項2】 排除限界分子量が100,000以上
5,000,000以下の吸着材が湿潤状態で充填され
ていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の除
去器。 - 【請求項3】 容器の入口と出口に血漿は通過するが吸
着材を通過させないフィルターを内蔵した円筒型の容器
であって、L/D値が0.6以上5.0以下であること
を特徴とする特許請求の範囲第1項又は第2項記載の除
去器。 - 【請求項4】 充填された吸着材がヒドロキシル基とエ
ステル基の少なくとも1種と含窒素カチオン性基とを表
面に有することを特徴とする特許請求の範囲第1項、第
2項、第3項のいずれかに記載の除去器。 - 【請求項5】 血液の導入手段、導出手段、血液を灌流
する手段、抗凝固剤を血液に混合する手段、血液より血
漿を分離する手段、血漿を灌流する手段、異型トランス
サイレチンを除去する手段とを有することを特徴とする
異型トランスサイレチンの除去装置。 - 【請求項6】 異型トランスサイレチンを除去する手段
が、多孔質担体表面にカチオン性官能器を有する吸着材
を充填した除去器によるものである特許請求の範囲第5
項記載の除去装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6106271A JPH07289633A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 除去器及び除去装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6106271A JPH07289633A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 除去器及び除去装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07289633A true JPH07289633A (ja) | 1995-11-07 |
Family
ID=14429426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6106271A Pending JPH07289633A (ja) | 1994-04-22 | 1994-04-22 | 除去器及び除去装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07289633A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010522069A (ja) * | 2007-03-19 | 2010-07-01 | センター フォー アプライド プロテオミックス アンド モレキュラー メディシン | バイオマーカーの収集のためのスマートヒドロゲル粒子 |
JPWO2011136329A1 (ja) * | 2010-04-28 | 2013-07-22 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 吸着材及びその製造方法 |
EP3173145B1 (en) * | 2014-07-22 | 2022-09-07 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Adsorbent for removing histone and purification device for liquid derived from living organism |
-
1994
- 1994-04-22 JP JP6106271A patent/JPH07289633A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010522069A (ja) * | 2007-03-19 | 2010-07-01 | センター フォー アプライド プロテオミックス アンド モレキュラー メディシン | バイオマーカーの収集のためのスマートヒドロゲル粒子 |
JPWO2011136329A1 (ja) * | 2010-04-28 | 2013-07-22 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 吸着材及びその製造方法 |
EP3173145B1 (en) * | 2014-07-22 | 2022-09-07 | Asahi Kasei Medical Co., Ltd. | Adsorbent for removing histone and purification device for liquid derived from living organism |
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