JPH0727021Y2 - 本縫いミシンの糸切り装置 - Google Patents
本縫いミシンの糸切り装置Info
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- JPH0727021Y2 JPH0727021Y2 JP11453789U JP11453789U JPH0727021Y2 JP H0727021 Y2 JPH0727021 Y2 JP H0727021Y2 JP 11453789 U JP11453789 U JP 11453789U JP 11453789 U JP11453789 U JP 11453789U JP H0727021 Y2 JPH0727021 Y2 JP H0727021Y2
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- 238000009966 trimming Methods 0.000 title claims description 21
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- 238000010408 sweeping Methods 0.000 claims 1
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 6
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 6
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
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Description
【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この考案は、本縫いミシンにおいて、上糸及び下糸を針
板下方で切断するようにした糸切り装置に関するもので
ある。
板下方で切断するようにした糸切り装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 現在、本縫いミシンには、縫製終了後などにおいて自動
的に糸切り動作を行なう糸切り装置が設けられている。
この糸切り装置としては、所定の糸切り指令により針及
びミシン釜が一縫製動作を行い、その間に可動刃が針板
とミシン釜との間で水平移動して、ミシン釜を通過する
上糸ループと下糸とを捕捉し、固定刃との間で切断する
ものが一般に知られている。通常、このような糸切り装
置には、可動刃の往復動作の初期位置において、可動刃
の刃部と接する板ばねが設けられており、切断された糸
の端部を、その板ばねと可動刃との間で挟持することに
より、次の縫製において、下糸を上糸ループと確実に結
節させ得るようになっている。
的に糸切り動作を行なう糸切り装置が設けられている。
この糸切り装置としては、所定の糸切り指令により針及
びミシン釜が一縫製動作を行い、その間に可動刃が針板
とミシン釜との間で水平移動して、ミシン釜を通過する
上糸ループと下糸とを捕捉し、固定刃との間で切断する
ものが一般に知られている。通常、このような糸切り装
置には、可動刃の往復動作の初期位置において、可動刃
の刃部と接する板ばねが設けられており、切断された糸
の端部を、その板ばねと可動刃との間で挟持することに
より、次の縫製において、下糸を上糸ループと確実に結
節させ得るようになっている。
[考案が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の糸切り装置にあっては、次の
ような問題があった。
ような問題があった。
すなわち、(イ)上糸及び下糸は、可動刃における同一
箇所、つまり可動刃先端部に設けられたフック状の糸捕
捉部により捕捉され、固定刃との間で同時に同一箇所で
切断されることとなる。従って、下糸だけではなく、針
に連なる上糸(以下、この糸を針側上糸と称する。)も
その切断端部を板ばねによって保持されることとなる。
このため、縫製動作終了後、縫製物の取り出しを行う
と、針に連なる上糸が縫製物から抜け出しにくくなると
共に、縫製物と共に、上糸供給源から糸が繰り出されて
いまい、次の縫製作業に支障を来たす。
箇所、つまり可動刃先端部に設けられたフック状の糸捕
捉部により捕捉され、固定刃との間で同時に同一箇所で
切断されることとなる。従って、下糸だけではなく、針
に連なる上糸(以下、この糸を針側上糸と称する。)も
その切断端部を板ばねによって保持されることとなる。
このため、縫製動作終了後、縫製物の取り出しを行う
と、針に連なる上糸が縫製物から抜け出しにくくなると
共に、縫製物と共に、上糸供給源から糸が繰り出されて
いまい、次の縫製作業に支障を来たす。
(ロ) 縫製物が針板における針落上に存在しない状態
で糸切り動作を行った場合(以下、この糸切り動作を落
し切りと称す。)、針板付近における上ループの挙動が
不安定になるため、切断後板ばねによって保持される針
側上糸の切断端部から針の上糸挿通孔までの糸長が不規
則となり、場合によってはその糸長不足により次の縫製
時において上糸が針の挿通孔から抜脱してしまい、縫製
不良が発生する。
で糸切り動作を行った場合(以下、この糸切り動作を落
し切りと称す。)、針板付近における上ループの挙動が
不安定になるため、切断後板ばねによって保持される針
側上糸の切断端部から針の上糸挿通孔までの糸長が不規
則となり、場合によってはその糸長不足により次の縫製
時において上糸が針の挿通孔から抜脱してしまい、縫製
不良が発生する。
(ハ) 切断時において可動刃によって捕捉された糸に
は、ある程度の張力がかかっていることが望ましいが、
上糸はミシン釜を通過する際に上糸供給源から針板下方
へ繰り出されるため、切断時において張力が発生しにく
く、良好な切れ味が得られない、などといった問題があ
った。
は、ある程度の張力がかかっていることが望ましいが、
上糸はミシン釜を通過する際に上糸供給源から針板下方
へ繰り出されるため、切断時において張力が発生しにく
く、良好な切れ味が得られない、などといった問題があ
った。
この考案は上記問題に着目してなされたもので、糸切り
後の縫製物の取り出しにおいて、縫製物から針側上糸を
スムーズに抜脱させることができると共に、次の縫製動
作開始時における針からの上糸の抜け出しを防止でき、
かつ上糸に対して良好な切れ味が得られる本縫いミシン
の糸切り装置の提供を目的とする。
後の縫製物の取り出しにおいて、縫製物から針側上糸を
スムーズに抜脱させることができると共に、次の縫製動
作開始時における針からの上糸の抜け出しを防止でき、
かつ上糸に対して良好な切れ味が得られる本縫いミシン
の糸切り装置の提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] この考案は、所定の糸切り指令に応じて可動刃を針落延
長線を横切って一往復動させると共に、本縫いミシンの
針及びミシン釜による一縫製動作を行わせることによ
り、下糸と上糸ループとを可動刃にて捕捉させ、両糸を
可動刃とこれに摺接する固定刃との間で切断すると同時
に、切断した両糸端を可動刃と板ばねとの間で挟持する
ようにした本縫いミシンの糸切り装置において、前記ミ
シン釜内に装着されるボビンケースの上糸ループ接触面
に、上糸ループとの非接触部を形成すると共に、先端部
に前記非接触部に嵌入可能なフック状の糸掛け部を有す
る上糸引出し部材を前記可動刃の往復動作に連動してミ
シン釜の側方から前記非接触部との嵌入位置に亘って往
復動させるようにし、かつ、前記可動刃の往復動作終了
に同期して糸払い部材を前記可動刃から針に至る上糸経
路を横切るよう移動させるようにしたものである。
長線を横切って一往復動させると共に、本縫いミシンの
針及びミシン釜による一縫製動作を行わせることによ
り、下糸と上糸ループとを可動刃にて捕捉させ、両糸を
可動刃とこれに摺接する固定刃との間で切断すると同時
に、切断した両糸端を可動刃と板ばねとの間で挟持する
ようにした本縫いミシンの糸切り装置において、前記ミ
シン釜内に装着されるボビンケースの上糸ループ接触面
に、上糸ループとの非接触部を形成すると共に、先端部
に前記非接触部に嵌入可能なフック状の糸掛け部を有す
る上糸引出し部材を前記可動刃の往復動作に連動してミ
シン釜の側方から前記非接触部との嵌入位置に亘って往
復動させるようにし、かつ、前記可動刃の往復動作終了
に同期して糸払い部材を前記可動刃から針に至る上糸経
路を横切るよう移動させるようにしたものである。
[作用] この考案において、上糸引出し部材は、可動刃の往復動
作に連動して往復動を行い、ボビンケース前面を通過す
る上糸ループを捕捉し、ミシン釜の側方へ引き出す。こ
のため、上糸ループは可動刃と上糸引き出し部材にて捕
捉されることとなり、切断時において、可動刃から針に
至る上糸経路は上糸引き出し部材により屈曲することと
なる。従って、従来の上糸引き出し部材を具備しない装
置に比べて上糸経路長を増加させることができ、落し切
りを行った場合にも上糸が針の上糸挿通孔から抜脱する
ことはない。また、この上糸引出し部材の上糸引き出し
動作により上糸には張力が発生するため、上糸に対応す
る切れ味は極めて良好なものとなる。
作に連動して往復動を行い、ボビンケース前面を通過す
る上糸ループを捕捉し、ミシン釜の側方へ引き出す。こ
のため、上糸ループは可動刃と上糸引き出し部材にて捕
捉されることとなり、切断時において、可動刃から針に
至る上糸経路は上糸引き出し部材により屈曲することと
なる。従って、従来の上糸引き出し部材を具備しない装
置に比べて上糸経路長を増加させることができ、落し切
りを行った場合にも上糸が針の上糸挿通孔から抜脱する
ことはない。また、この上糸引出し部材の上糸引き出し
動作により上糸には張力が発生するため、上糸に対応す
る切れ味は極めて良好なものとなる。
さらに、針側上糸の切断端部は、切断動作と同時に一旦
板ばねによって保持されるが、その後直ちに糸払い部材
が可動刃から針に至る上糸経路を横切って移動し、上糸
引出し部材の糸掛け部にて引き出されている針側上糸を
引き払うため、同糸の切断端部は板ばねから引き抜か
れ、開放状態となる。このため、縫製物の取り出しに際
し、針側上糸はスムーズに縫製物から抜け出し、不必要
な上糸が上糸供給源から繰り出されることはなくなり、
次の縫製動作を円滑に開始することができる。
板ばねによって保持されるが、その後直ちに糸払い部材
が可動刃から針に至る上糸経路を横切って移動し、上糸
引出し部材の糸掛け部にて引き出されている針側上糸を
引き払うため、同糸の切断端部は板ばねから引き抜か
れ、開放状態となる。このため、縫製物の取り出しに際
し、針側上糸はスムーズに縫製物から抜け出し、不必要
な上糸が上糸供給源から繰り出されることはなくなり、
次の縫製動作を円滑に開始することができる。
[考案の実施例] 以下、この考案の一実施例を図面と共に説明する。
第1図ないし第3図において、1は針板Bの下方に設け
られた周知のミシン釜で、ミシン機枠に係止される内釜
2と、この内釜2の周面に回動可能に嵌合する外釜3と
より成り、前記内釜2には、内部に下糸ボビンを収納し
たボビンケース4が装着されている。また、このボビン
ケース4の前面には、上糸ループとの非接触部としての
長溝4aが形成されている。
られた周知のミシン釜で、ミシン機枠に係止される内釜
2と、この内釜2の周面に回動可能に嵌合する外釜3と
より成り、前記内釜2には、内部に下糸ボビンを収納し
たボビンケース4が装着されている。また、このボビン
ケース4の前面には、上糸ループとの非接触部としての
長溝4aが形成されている。
6はミシンベッド下面に固定された糸切り土台、7はこ
の糸切り土台6に形成されたガイド溝6aに移動可能に嵌
合させた移動台である。この移動台7は、常には第2図
に示す初期位置にあり、所定の糸切り指令が入力される
と、リンク部材5をはじめとする図外の連動機構を介し
てミシン下軸に連結され、ミシン下軸がミシン上軸と共
に位置回転する間に、その回転力を駆動力とする前記連
動機構によりガイド溝6aに沿って一往復動するようにな
っている。また、8は前記移動台7の上面にねじ9によ
って固定した板状の可動刃で、その先端部にはフック状
の糸捕捉部8aが形成され、さらにその糸捕捉部8aの上面
には刃部8bが形成されている。10は前記糸切り土台6の
前端部上面にねじ11によって固着した板状の固定刃であ
り、その先端部には前記可動刃8の刃部8bと接合する刃
部10aが形成されている。12は後端部を前記移動台7の
下面にねじ13により固定した板ばねであり、その前端部
12aは前記可動刃8の下面に圧接している。
の糸切り土台6に形成されたガイド溝6aに移動可能に嵌
合させた移動台である。この移動台7は、常には第2図
に示す初期位置にあり、所定の糸切り指令が入力される
と、リンク部材5をはじめとする図外の連動機構を介し
てミシン下軸に連結され、ミシン下軸がミシン上軸と共
に位置回転する間に、その回転力を駆動力とする前記連
動機構によりガイド溝6aに沿って一往復動するようにな
っている。また、8は前記移動台7の上面にねじ9によ
って固定した板状の可動刃で、その先端部にはフック状
の糸捕捉部8aが形成され、さらにその糸捕捉部8aの上面
には刃部8bが形成されている。10は前記糸切り土台6の
前端部上面にねじ11によって固着した板状の固定刃であ
り、その先端部には前記可動刃8の刃部8bと接合する刃
部10aが形成されている。12は後端部を前記移動台7の
下面にねじ13により固定した板ばねであり、その前端部
12aは前記可動刃8の下面に圧接している。
14は前記移動台7の下面にねじ15によって固定したピッ
カ移動台、16はこのピッカ移動台14の下面にねじ15によ
って固定したピッカであり、その先端部には前記ボビン
ケース4の長溝4aに嵌入可能な糸掛け部16aが形成され
ている。
カ移動台、16はこのピッカ移動台14の下面にねじ15によ
って固定したピッカであり、その先端部には前記ボビン
ケース4の長溝4aに嵌入可能な糸掛け部16aが形成され
ている。
また、18は支持台19によってミシン機枠に取り付けられ
たロータリーソレノイドである。このロータリーソレノ
イド18は、前記可動刃8の往復動作終了に同期して、ソ
レノイド軸18aが一揺動回転するようになっている。20
は前記ソレノイド軸18aに一端部を固定して成る揺動
腕、21はこの揺動腕20の他端部に固着したワイパ(糸払
い部材)であり、前記ソレノイド軸18aの揺動回転に伴
って揺動腕20と一体に揺動回転し、その先端部21aが前
記ピッカ16とミシン釜1との間において、可動刃8から
針Nに至る上糸経路を横切るようになっている。
たロータリーソレノイドである。このロータリーソレノ
イド18は、前記可動刃8の往復動作終了に同期して、ソ
レノイド軸18aが一揺動回転するようになっている。20
は前記ソレノイド軸18aに一端部を固定して成る揺動
腕、21はこの揺動腕20の他端部に固着したワイパ(糸払
い部材)であり、前記ソレノイド軸18aの揺動回転に伴
って揺動腕20と一体に揺動回転し、その先端部21aが前
記ピッカ16とミシン釜1との間において、可動刃8から
針Nに至る上糸経路を横切るようになっている。
以上の構成に基づき、次に作用に説明する。
糸切り指令入力前の初期状態において、移動台7は後方
(第2図中右方)に位置しており、可動刃8の糸掛け部
8aは固定刃10と板ばね12との接触位置、すなわち、針落
位置の延長線Lから退避した位置に保持されている。こ
の時ピッカ16は、その糸掛け部8aがミシン釜1の側方に
位置しており、またワイパ21はその先端部21aがピッカ1
6の移動経路から退避している。この状態で縫製動作は
行なわれるため、可動刃8及びピッカ16が針Nやミシン
釜1の縫製動作を妨げることはない。
(第2図中右方)に位置しており、可動刃8の糸掛け部
8aは固定刃10と板ばね12との接触位置、すなわち、針落
位置の延長線Lから退避した位置に保持されている。こ
の時ピッカ16は、その糸掛け部8aがミシン釜1の側方に
位置しており、またワイパ21はその先端部21aがピッカ1
6の移動経路から退避している。この状態で縫製動作は
行なわれるため、可動刃8及びピッカ16が針Nやミシン
釜1の縫製動作を妨げることはない。
ここでいま、縫製動作の終了に伴ない糸切り指令が入力
されると、ミシン上軸及び下軸1回転し、針N及び外釜
3により一縫製動作が行われると共に、移動台7がガイ
ド溝6aに沿って一往復動し、可動刃8及びピッカ16を往
復動させる。この時、可動刃8及びピッカ16は第4図
(a)〜(f)に示すようにして往復動作を行う。
されると、ミシン上軸及び下軸1回転し、針N及び外釜
3により一縫製動作が行われると共に、移動台7がガイ
ド溝6aに沿って一往復動し、可動刃8及びピッカ16を往
復動させる。この時、可動刃8及びピッカ16は第4図
(a)〜(f)に示すようにして往復動作を行う。
すなわち、可動刃8は第4図(a)に示す初期位置か
ら、同図(b)に示すように水平移動して行き、針板B
とミシン釜1との間を通過して針落位置の延長線Lを横
切る。この時、可動刃8の先端部は、外釜3の剣先3aに
より捕捉されて内釜2を通過しつつある上糸ループI1中
に入り込み、同ループI1の2本のループ糸I11,I12を第
4図(c)に示すように選り分ける。その後、可動刃8
は最往動位置に達して復動を開始し、若干復動したとこ
ろで、先に選り分けたループ糸I11と下糸I2とを糸捕捉
部8aにて捕捉し、両糸I11,I2を引き出しながら初期位置
へ向けて復動する(第4図(d)参照)。そして可動刃
8が初期位置に達する直前で、捕捉された両糸I11,I2
は、可動刃8の刃部8bと固定刃10の刃部10aとの間で切
断される。これにより、下糸I2はミシン釜1に連なる部
分(釜側下糸)I2aと縫製物に連なる部分(縫目側下
糸)I2bとに分断され、上糸I1は針Nに連通する部分
(針側上糸)I1aと縫製物に連なる部分(縫目側上糸)I
1bとに分段される。そして、可動刃8が完全に初期位置
へ復帰した時点で、針側上糸I1a及び釜側下糸I2aの各切
断端部が板ばね16と可動刃8との間で挟持される。
ら、同図(b)に示すように水平移動して行き、針板B
とミシン釜1との間を通過して針落位置の延長線Lを横
切る。この時、可動刃8の先端部は、外釜3の剣先3aに
より捕捉されて内釜2を通過しつつある上糸ループI1中
に入り込み、同ループI1の2本のループ糸I11,I12を第
4図(c)に示すように選り分ける。その後、可動刃8
は最往動位置に達して復動を開始し、若干復動したとこ
ろで、先に選り分けたループ糸I11と下糸I2とを糸捕捉
部8aにて捕捉し、両糸I11,I2を引き出しながら初期位置
へ向けて復動する(第4図(d)参照)。そして可動刃
8が初期位置に達する直前で、捕捉された両糸I11,I2
は、可動刃8の刃部8bと固定刃10の刃部10aとの間で切
断される。これにより、下糸I2はミシン釜1に連なる部
分(釜側下糸)I2aと縫製物に連なる部分(縫目側下
糸)I2bとに分断され、上糸I1は針Nに連通する部分
(針側上糸)I1aと縫製物に連なる部分(縫目側上糸)I
1bとに分段される。そして、可動刃8が完全に初期位置
へ復帰した時点で、針側上糸I1a及び釜側下糸I2aの各切
断端部が板ばね16と可動刃8との間で挟持される。
一方、ピッカ16は可動刃8と共に第4図(a)示す初期
位置から往動動作を開始し、所定距離移動した時点で第
4図(b)に示すように、糸掛け部16aの端部がボビン
ケース4の前面に形成された長溝4aに嵌入し、以後、こ
の長溝4aに沿って往動する。すると、内釜2を通過する
上糸のうち、ボビンケース4の前面側を移動するループ
糸I11が前記糸掛け部16aに当接して係止され(第4図
(c)参照)、同糸I11は内釜2から抜け出した時点
で、第4図(d)に示すように糸掛け部16aにより捕捉
される。そして、ピッカ16は上糸ループI1を保持しつつ
可動刃8と共に復動し、可動刃8が糸を切断した時点
で、上糸ループI1をミシン釜1の側方へ引き出す(第4
図(e)参照)。その結果、可動刃8から針Nに至る上
糸経路は第5図に示すように、前記ピッカ16の糸掛け部
16aにて屈曲する経路となり、従来のようにピッカ16を
具備していないものにおける経路(第5図中、一点鎖線
にて示す)に比べて経路長を増加することができる。こ
のため、仮え縫製物を取り除いた状態で糸切り動作を行
ったとしても(落し切りを行ったとしても)針Nの上糸
挿通孔Naから上糸切断端部までの長さは、必要十分な長
さに維持されるため、次の縫製において、上糸I1aが針
Nの上糸挿通孔Naより抜脱することはない。
位置から往動動作を開始し、所定距離移動した時点で第
4図(b)に示すように、糸掛け部16aの端部がボビン
ケース4の前面に形成された長溝4aに嵌入し、以後、こ
の長溝4aに沿って往動する。すると、内釜2を通過する
上糸のうち、ボビンケース4の前面側を移動するループ
糸I11が前記糸掛け部16aに当接して係止され(第4図
(c)参照)、同糸I11は内釜2から抜け出した時点
で、第4図(d)に示すように糸掛け部16aにより捕捉
される。そして、ピッカ16は上糸ループI1を保持しつつ
可動刃8と共に復動し、可動刃8が糸を切断した時点
で、上糸ループI1をミシン釜1の側方へ引き出す(第4
図(e)参照)。その結果、可動刃8から針Nに至る上
糸経路は第5図に示すように、前記ピッカ16の糸掛け部
16aにて屈曲する経路となり、従来のようにピッカ16を
具備していないものにおける経路(第5図中、一点鎖線
にて示す)に比べて経路長を増加することができる。こ
のため、仮え縫製物を取り除いた状態で糸切り動作を行
ったとしても(落し切りを行ったとしても)針Nの上糸
挿通孔Naから上糸切断端部までの長さは、必要十分な長
さに維持されるため、次の縫製において、上糸I1aが針
Nの上糸挿通孔Naより抜脱することはない。
また、上述のようにピッカ16によって上糸ループI1の経
路長を増大させることにより、切断時において上糸ルー
プには張力が発生するため、良好な切れ味を得ることが
できる。
路長を増大させることにより、切断時において上糸ルー
プには張力が発生するため、良好な切れ味を得ることが
できる。
そして、切断動作と同時に針側上糸I1aの切断端部は、
釜側下糸I2aと共に板ばね12によって一旦保持される。
しかし、可動刃8の復動動作が終了すると、これに同期
してロータリーソレノイド18のソレノイド軸18aが第6
図中矢符A方向へ回転し、ワイパ21が回転してその先端
部21aがピッカ16から針Nに至る上糸経路を横切るた
め、針側上糸I1aはこのワイパ先端部21aに捕捉されて引
き出される。その結果、板ばね12により保持された針側
上糸I1aの切断端部は、ワイパ21の引き出し動作により
板ばね12から引き払われ、第6図の一点鎖線にて示すよ
うに開放状態となる。このため、縫製物Wを取り出した
場合、針側上糸I1aはスムーズに縫製物Wから抜脱す
る。従って、その取り出しに際し、上糸が上糸供給源か
ら不必要に繰り出されることはなくなり、次の縫製動作
が妨げられることはない。なお、上糸I1aを引き払った
後、ワイパ21はロータリーソレノイド18によって初期位
置へ復帰する。
釜側下糸I2aと共に板ばね12によって一旦保持される。
しかし、可動刃8の復動動作が終了すると、これに同期
してロータリーソレノイド18のソレノイド軸18aが第6
図中矢符A方向へ回転し、ワイパ21が回転してその先端
部21aがピッカ16から針Nに至る上糸経路を横切るた
め、針側上糸I1aはこのワイパ先端部21aに捕捉されて引
き出される。その結果、板ばね12により保持された針側
上糸I1aの切断端部は、ワイパ21の引き出し動作により
板ばね12から引き払われ、第6図の一点鎖線にて示すよ
うに開放状態となる。このため、縫製物Wを取り出した
場合、針側上糸I1aはスムーズに縫製物Wから抜脱す
る。従って、その取り出しに際し、上糸が上糸供給源か
ら不必要に繰り出されることはなくなり、次の縫製動作
が妨げられることはない。なお、上糸I1aを引き払った
後、ワイパ21はロータリーソレノイド18によって初期位
置へ復帰する。
ところで、上記実施例においては、ボビンケース4の前
面に長溝4aを設けて上糸ループI1との非接触部を形成し
たが、この非接触部としては、前記長溝4aに限らず、段
部あるいは貫通孔などによって形成することも可能であ
る。
面に長溝4aを設けて上糸ループI1との非接触部を形成し
たが、この非接触部としては、前記長溝4aに限らず、段
部あるいは貫通孔などによって形成することも可能であ
る。
また、この考案に係る糸切り装置は、本縫動作を行なう
ミシン、すなわち針とミシン釜との協動により上糸ルー
プと下糸とを結節させて縫い目を形成するミシンであれ
ば適用可能であり、直線的な縫い目を形成するミシンだ
けでなく、千鳥縫いを行なうミシンにも適用可能であ
る。
ミシン、すなわち針とミシン釜との協動により上糸ルー
プと下糸とを結節させて縫い目を形成するミシンであれ
ば適用可能であり、直線的な縫い目を形成するミシンだ
けでなく、千鳥縫いを行なうミシンにも適用可能であ
る。
[考案の効果] 以上説明したとおり、この考案に係る糸切り装置は、可
動刃の往復動作により上糸及び下糸の捕捉、切断を行う
と共に、前記可動刃の動作に連動して上糸引き出し部材
が往復動し、ボビンケース前面を通過する上糸ループを
捕捉して、ミシン釜の側方へ引き出すようにしたことに
より、切断時において、針から可動刃に至る上糸は、前
記上糸引出し部材にて屈曲し、その経路長が従来の装置
に比べて増加するため、例え、落し切りを行ったとして
も針の上挿通孔から上糸切断端までの長さを十分に維持
することができ、次の縫製において上糸が針から抜脱す
るのを防止できるため、確実に次の縫製動作を行わせる
ことができる。
動刃の往復動作により上糸及び下糸の捕捉、切断を行う
と共に、前記可動刃の動作に連動して上糸引き出し部材
が往復動し、ボビンケース前面を通過する上糸ループを
捕捉して、ミシン釜の側方へ引き出すようにしたことに
より、切断時において、針から可動刃に至る上糸は、前
記上糸引出し部材にて屈曲し、その経路長が従来の装置
に比べて増加するため、例え、落し切りを行ったとして
も針の上挿通孔から上糸切断端までの長さを十分に維持
することができ、次の縫製において上糸が針から抜脱す
るのを防止できるため、確実に次の縫製動作を行わせる
ことができる。
また、上糸引出し部材が、上糸ループの経路長を増加さ
せるため、切断時、可動刃にて捕捉された上糸には張力
が発生し、切断時の切れ味は極めて良好なものとなる。
せるため、切断時、可動刃にて捕捉された上糸には張力
が発生し、切断時の切れ味は極めて良好なものとなる。
さらに、この考案に係る糸切り装置は、可動刃の復動動
作終了に同期して、糸払い部材が可動刃から針に至る上
糸経路を横切り同経路に位置する上糸を引き出して上糸
の切断端部を板ばねから引き払うようにしたため、縫製
物の取り出しにおいて、上糸切断端をスムーズに縫製物
から抜脱させることができ、無理なく縫製物を取り出す
ことができると共に、不要な糸が上糸供給源から繰り出
されるのを防止し得るという効果もある。
作終了に同期して、糸払い部材が可動刃から針に至る上
糸経路を横切り同経路に位置する上糸を引き出して上糸
の切断端部を板ばねから引き払うようにしたため、縫製
物の取り出しにおいて、上糸切断端をスムーズに縫製物
から抜脱させることができ、無理なく縫製物を取り出す
ことができると共に、不要な糸が上糸供給源から繰り出
されるのを防止し得るという効果もある。
第1図はこの考案の一実施例を示す分解斜視図、第2図
(a)は同実施例における可動刃、固定刃、板ばね及び
ピッカの取付け状態を示す平面図、同図(b)は同図
(a)に示したものの側面図、同図(c)は同図(b)
に示したものの底面図、第3図は同実施例における要部
拡大斜視図、第4図(a)〜(f)は同実施例における
可動刃及びピッカの動作状態を示す説明斜視図、第5図
は同実施例における上糸切断時の状態を示す説明側面
図、第6図は同実施例におけるワイパの動作状態を示す
斜視図である。 図において、 1……ミシン釜 4……ボビンケース 4a……長溝 8……可動刃 8b……刃部 10……固定刃 10a……刃部 16……ピッカ(上糸引出し部材) 16a……糸掛け部 I1……上糸ループ L……針落位置の延長線 21……ワイパ(糸払い部材)
(a)は同実施例における可動刃、固定刃、板ばね及び
ピッカの取付け状態を示す平面図、同図(b)は同図
(a)に示したものの側面図、同図(c)は同図(b)
に示したものの底面図、第3図は同実施例における要部
拡大斜視図、第4図(a)〜(f)は同実施例における
可動刃及びピッカの動作状態を示す説明斜視図、第5図
は同実施例における上糸切断時の状態を示す説明側面
図、第6図は同実施例におけるワイパの動作状態を示す
斜視図である。 図において、 1……ミシン釜 4……ボビンケース 4a……長溝 8……可動刃 8b……刃部 10……固定刃 10a……刃部 16……ピッカ(上糸引出し部材) 16a……糸掛け部 I1……上糸ループ L……針落位置の延長線 21……ワイパ(糸払い部材)
Claims (1)
- 【請求項1】針板とミシン釜との中間位置に設けられ、
針の落下位置より水平方向に退避させた初期位置から前
記針落位置の延長線を横切る往復経路を移動する可動刃
と、 前記初期位置において前記可動刃の刃部と摺接する刃部
を有する固定刃と、 前記可動刃の一面に接合する板ばねと、を備え、 所定の糸切り指令に応じて前記可動刃を位置往復させる
と共に、本縫いミシンの針及びミシン釜による一縫目形
成動作を行わせることにより、下糸と針板下面に形成さ
める上糸ループとを可動刃にて捕捉させ、両糸を可動刃
と板ばねとの間で切断すると同時に切断した両糸端を可
動刃と板ばねとの間で挟持するようにした本縫いミシン
の糸切り装置において、 前記ミシン釜内に装着されるボビンケースの前面に上糸
ループとの非接触部を形成すると共に、 先端部に前記段部と嵌入可能なフック状の糸掛け部を有
し、前記可動刃の往復動作に連動して前記糸掛け部がミ
シン釜の側方から前記非接触部への嵌入位置に亘って往
復動する上糸引出し部材を設け、 前記ボビンケースの前面を通過する上糸ループを前記非
接触部に嵌入した前記糸掛け部にて捕捉し、捕捉した上
糸ループを糸掛け部の復動によってミシン釜の側方へ引
き出すようにし、かつ、 前記可動刃の復動動作終了に同期して前記可動刃から針
に至る上糸経路を横切るよう移動する糸払い部材を設
け、 前記上糸引き出し部材の糸掛部にて引き出された上糸を
前記糸払い部材によって引き払うようにしたことを特徴
とする本縫いミシンの糸切り装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11453789U JPH0727021Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 本縫いミシンの糸切り装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11453789U JPH0727021Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 本縫いミシンの糸切り装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0355078U JPH0355078U (ja) | 1991-05-28 |
JPH0727021Y2 true JPH0727021Y2 (ja) | 1995-06-21 |
Family
ID=31662899
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11453789U Expired - Fee Related JPH0727021Y2 (ja) | 1989-09-29 | 1989-09-29 | 本縫いミシンの糸切り装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0727021Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115710783B (zh) * | 2021-04-27 | 2024-03-19 | 浙江镨美科智能刺绣设备有限公司 | 一种刺绣机剪线方法 |
-
1989
- 1989-09-29 JP JP11453789U patent/JPH0727021Y2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0355078U (ja) | 1991-05-28 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |