[go: up one dir, main page]

JPH07268117A - 易接着性ポリエステルフィルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフィルム

Info

Publication number
JPH07268117A
JPH07268117A JP6059263A JP5926394A JPH07268117A JP H07268117 A JPH07268117 A JP H07268117A JP 6059263 A JP6059263 A JP 6059263A JP 5926394 A JP5926394 A JP 5926394A JP H07268117 A JPH07268117 A JP H07268117A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wax
film
water
weight
polyester film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6059263A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Hirata
純 平田
Takashi Mimura
尚 三村
Yuzo Shimizu
有三 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP6059263A priority Critical patent/JPH07268117A/ja
Priority to KR1019950702833A priority patent/KR960700152A/ko
Priority to EP94923060A priority patent/EP0696502B1/en
Priority to PCT/JP1994/001276 priority patent/WO1995013188A1/ja
Priority to CA002153506A priority patent/CA2153506A1/en
Priority to CN94191141A priority patent/CN1117719A/zh
Priority to DE69426768T priority patent/DE69426768T2/de
Publication of JPH07268117A publication Critical patent/JPH07268117A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、
特定量のポリオキシアルキレングリコ−ル成分及びエチ
レングリコールオリゴマーを含有してなる水溶性共重合
ポリエステルと、酸化ワックスおよび/または天然性ワ
ックスを主体とした混合物の塗膜が形成されてなる易接
着性ポリエステルフィルム。 【効果】 帯電防止性、易滑平滑性、接着性、耐ブロッ
キング性、水溶性、耐溶剤性、耐削れ性等に優れ、磁気
記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一
般工業材料等に好適な易接着性ポリエステルフィルムを
提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
ィルムに関するものである。詳しくは帯電防止性、易滑
性、接着性、耐ブロッキング性などに優れ、磁気記録材
料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁材料、一般工業
材料などに使用される基材フィルムとして好適な易接着
ポリエステルフィルムに関するものである。特に磁気記
録材料に使用される基材フィルムとして好適な易接着ポ
リエステルフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン
ナフタレ−トあるいはポリ−1、4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレ−ト及びこれらを主体とするポリエ
ステルは優れた物理的、化学的特性を有しており、繊
維、フィルムあるいはシ−トさらにはその成型品として
広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等多くの用途に用いられている。
【0004】これらの用途においてはポリエステルフィ
ルム単体で使用されることは無く、フィルム表面に種々
の被覆物、例えば磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジ
アゾ感光塗料、ゼラチン組成物、ヒ−トシ−ル付与組成
物、インキなどを塗布あるいは印刷して使用される。
【0005】特に、磁気テ−プやフロッピ−ディスク等
に用いられるフィルムには、磁気記録の高信頼性、高密
度化のために平坦性、平滑性が求められているととも
に、磁性体塗料とベ−スフィルムとの接着力の向上が強
く求められている。しかし、フィルムに磁性体塗料への
接着力を付与すると、逆にフィルム間でブロッキングを
生じ、各種の作業性が低下したり、磁気記録性能が悪化
したりする。一方、ベ−スフィルムあるいは易接着フィ
ルムを用いて磁気テ−プ等を製造する加工工程では一般
に高速で多くの各種ロ−ルを有する工程を通過したりす
る際に、ロ−ルとフィルム間あるいはフィルム同志の摩
擦によって帯電現象を生じるため、防爆上の観点からし
ばしば停機を余儀なくされるため、作業性の低下を招い
たり磁気記録性能が悪化したりする。このため、フィル
ムの接着性付与には、フィルムの帯電防止性、易滑性、
ブロッキング防止性などの性能も同時に満足させる必要
がある。それと共にフィルム表面に塗布あるいは印刷さ
れる種々の被覆物に含有されている各種溶剤に対しても
抵抗力のある易接着性物質が望まれている。
【0006】しかしながら、一般にポリエステル自体が
不活性で接着性に乏しいため、フィルム表面に種々の被
覆物、例えば磁性体塗料、ケミカルマット塗料、ジアゾ
感光塗料、ゼラチン組成物、ヒ−トシ−ル付与組成物、
インキなどを塗布あるいは印刷する際には、該被覆物と
の接着性を良好とするためにフィルム表面にコロナ放電
あるいはプラズマ等の物理的な処理やアルカリあるいは
アミン類の化学薬品を使用した化学的な処理をする方
法、さらには易接着性物質をコ−ティングする方法など
が知られている。しかし、物理的あるいは化学的な表面
処理方法は工程が煩雑となり、コストアップとなるばか
りでなく、十分な接着性が得られない。
【0007】一方、易接着性物質をコ−ティングする方
法はポリエステルフィルムの製造工程内で実施でき、コ
スト面で有利であり、かつ、種々の被覆物に対応できる
接着性物質を選択することが可能である。さらに、ポリ
エステルフィルムの取り扱い性、フィルム製造時の作業
性の点から、種々の水分散あるいは水溶性共重合ポリエ
ステルおよび該共重合ポリエステルをポリエステルフィ
ルムに積層あるいは塗布することが提案されて来た。例
えば、特開昭50−83497号公報、特開昭53−2
536号公報、特開昭54−3848号公報にはエステ
ル形成スルホン酸金属塩化合物および脂肪族ジカルボン
酸成分、さらにはジエチレングリコ−ルを共重合したポ
リエステル、特開昭59−215318号公報にはエス
テル形成性スルホン酸金属塩化合物および脂肪族ジカル
ボン酸成分を共重合したポリエステルを下塗りしたフィ
ルムなどがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術においては次のような問題点がある。すなわ
ち特開昭50−83497号公報、特開昭53−253
6号公報、特開昭54−3848号公報および特開昭5
9−215318号公報のようにエステル形成性スルホ
ン酸金属塩化合物および脂肪族ジカルボン酸成分、さら
にはジエチレングリコ−ルを共重合した場合には接着性
は発現するものの、耐ブロッキング性、易滑性に劣り、
良好な帯電防止性が得られないなどの欠点がある。本発
明はこれらの欠点を解消せしめ、帯電防止性、易滑性、
接着性、耐ブロッキング性、水溶性などに優れ、磁気記
録材料等に使用される基材フィルムとして好適な易接着
ポリエステルフィルムを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記した本発明の目的
は、ポリエステルフィルム基体の少なくとも片面に、ポ
リオキシアルキレングリコ−ル成分が20重量%以上4
0重量%未満、エチレングリコールオリゴマー含有量が
1モル%以上20モル%以下含有されてなる水溶性共重
合ポリエステルと酸化ワックスおよび/または天然性ワ
ックスとを主体とした混合物の塗膜が形成されてなる易
接着性ポリエステルフィルムであり、該水溶性共重合ポ
リエステルのポリオキシアルキレングリコ−ル含有量
〔A重量%〕とエチレングリコールオリゴマー含有量
〔Bモル%〕が下記式(1)を満足することを特徴とす
る易接着性ポリエステルフィルム。
【0010】1≦A/B≦10 (1) 本発明における水溶性共重合ポリエステルの酸成分は特
に限定されるものではないが、芳香族ジカルボン酸を6
0モル%以上、さらには70モル%以上とすることが好
ましく、特には80モル%以上とすることが帯電防止
性、耐ブロツキング防止性、耐溶剤性に優れる点から好
ましい。芳香族ジカルボン酸が60モル%未満であると
帯電防止性、耐ブロツキング防止性および耐溶剤性に劣
る。芳香芳香族ジカルボン酸としては特に限定されるこ
とはないが、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフ
ェニルエ−テルジカルボン酸等を挙げることができ、こ
れらのなかで好ましい芳香族ジカルボン酸としてはテレ
フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸であ
る。
【0011】本発明の水溶性共重合ポリエステルは、水
溶性付与の点からエステル形成性スルホン酸アルカリ金
属塩化合物を全酸成分に対して、5〜40モル%、好ま
しくは7〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モ
ル%、特に好ましくは11〜15モル%添加することが
好ましい。エステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化
合物が5モル%未満であると、十分な水溶性および接着
性が得られない。一方、40モル%を超えると接着性は
飽和に達し、逆に帯電防止性、耐ブロツキング防止性、
耐溶剤性が低下する。エステル形成性スルホン酸アルカ
リ金属塩化合物としては特に限定されることはないが、
例えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
2−スルホイソフタル酸、4−スルホイソフタル酸、4
−スルホナフタレン−2,6−ジカルボン酸等のアルカ
リ金属塩を挙げることができ、なかでも5−スルホイソ
フタル酸、スルホテレフタル酸のリチウム、ナトリウ
ム、カリウム塩がより好ましく用いられる。
【0012】本発明の水溶性共重合ポリエステルのグリ
コ−ル成分は、炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ルおよび
/または炭素数6〜16の肪環族グリコ−ル80〜99
モル%、エチレングリコールオリゴマー1〜20モル
%、好ましくは炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ルおよび
/または炭素数6〜16の肪環族グリコ−ル82〜95
モル%、エチレングリコールオリゴマー3〜18モル%
であり、さらに好ましくは炭素数2〜8の脂肪族グリコ
−ルおよび/または炭素数6〜16の肪環族グリコ−ル
84〜93モル%、エチレングリコールオリゴマー6〜
15モル%である。
【0013】炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ルおよび/
または炭素数6〜16の肪環族グリコ−ルが80モル%
未満あるいはエチレングリコールオリゴマーが20モル
%を超えた場合は耐ブロッキング性、易滑性、耐溶剤性
等他の特性が著しく劣るようになるので好ましくない。
一方、炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ルおよび/または
炭素数6〜16の肪環族グリコ−ルが99モル%を超え
るか、あるいはエチレングリコールオリゴマーが1モル
%未満の場合は耐ブロッキング性は良好であるものの、
水溶性および接着性に劣る。
【0014】本発明の炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ル
および/または炭素数6〜16の肪環族グリコ−ルとし
ては、例えばエチレングリコ−ル、1,2−プロパンジ
オ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、ネオペンチルグリ
コ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ
−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジ
オ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3
−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロヘキサ
ンジメタノ−ル等のグリコ−ルを挙げることができる。
好ましい炭素数2〜8の脂肪族グリコ−ルおよび/また
は炭素数6〜16の肪環族グリコ−ルとしては、エチレ
ングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、1,4−ブタ
ンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ルであ
る。これらのグリコ−ルは1種のみ用いても良く、また
2種以上併用しても良い。
【0015】また、本発明でいうエチレングリコールオ
リゴマーとは下記式(2)で表される、エチレングリコ
−ルの低重合体をいい、好ましくはn=2〜5、特に好
ましくはn=2(ジエチレングリコール)である。これ
らのエチレングリコールオリゴマーは1種のみ用いても
良く、また2種以上併用しても良い。
【0016】HO(CH2 CH2 O)n H (2) (但し、n=2〜8) なお、本発明におけるジエチレングリコール等のエチレ
ングリコールオリゴマーは、通常エチレングリコールを
グリコール成分とするポリエステルの製造の際に副生す
るジエチレングリコ−ル等のエチレングリコールオリゴ
マーを含むものである。
【0017】本発明の水溶性共重合ポリエステルには上
述の酸成分およびグリコ−ル成分以外に、本発明の効果
を損なわない範囲で脂肪族ジカルボン酸、オキシ酸ある
いは単官能化合物、三官能以上の多官能化合物等の他の
成分を含んでいても良い。これら他の成分の含有量は、
本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されな
いが、通常30モル%程度以下である。
【0018】本発明の水溶性共重合ポリエステルの製造
は、従来公知の任意の方法を採用することができ、特に
限定される物ではない。例えば酸成分としてテレフタル
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸およびグリコ−
ル成分としてエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−
ルからなる共重合ポリエステルについて説明すると、テ
レフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸および
エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ルとを直接エ
ステル化反応させるか、テレフタル酸のアルキルエステ
ル、5−ナトリウムスルホイソフタル酸のアルキルエス
テルおよびエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル
とをエステル交換反応させる第1段階と、この第1段階
の反応生成物を重縮合反応させる第2段階とによって製
造する方法等を挙げることができる。この際反応触媒と
して、従来公知のアルカリ金属、アルカリ土類金属、マ
ンガン、コバルト、亜鉛、アンチモン、ゲルマニウム、
チタン化合物等が持ちいられ、さらに着色防止剤として
リン化合物等を用いても良い。
【0019】本発明の水溶性共重合ポリエステルには、
ポリオキシアルキレングリコ−ル成分が、20重量%以
上、40重量%未満、好ましくは20〜30重量%、特
に好ましくは20〜25重量%含有されている必要があ
る。一般に水溶性共重合ポリエステルは、水溶性を付与
するためにエステル形成性スルホン酸アルカリ金属塩化
合物を共重合成分としているが、スルホン酸基は摩擦帯
電におけるマイナス帯電を促進するため、該共重合ポリ
エステルを積層した易接着性ポリエステルフィルムは、
通常の剥離帯電、シリコンロ−ルを多用した工程帯電に
おいて強いマイナス帯電を示すことになる。本発明では
鋭意研究の結果、このマイナス帯電を回避し、工程帯電
においてプラスマイナスゼロとなるように、帯電列にお
いてポリエチレンテレフタレ−トよりプラス側にあるポ
リエ−テル鎖を導入することにより、種々検討の結果、
ポリオキシアルキレングリコ−ルが摩擦帯電、工程帯電
においてプラス帯電化が可能であり、その含有量も20
重量%以上、40重量%未満が適当であることが判明し
た。
【0020】ポリオキシアルキレングリコ−ル成分の含
有量と摩擦帯電の関係は極大値をもち、20重量%未満
であると十分な帯電防止性が得られない。一方、ポリオ
キシアルキレングリコ−ル成分の含有量が40重量%以
上となると逆に帯電防止性が劣るようになり、易滑性、
耐ブロッキング性にも劣るようになるので好ましくな
い。ポリオキシアルキレングリコ−ル成分の種類は特に
限定されることはないが、優れた接着性、水溶性、帯電
防止性を兼備させる点からポリオキシアルキレングリコ
−ル成分の数平均分子量400〜10000が好まし
く、さらには数平均分子量500〜6000が好まし
く、特には数平均分子量600〜4000が好ましい。
このようなポリオキシアルキレングリコ−ル成分として
は、例えばポリエレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等を挙げること
ができる。なかでも水溶性、帯電防止性、接着性の点か
らポリエレングリコ−ルが好ましい。
【0021】本発明においては、水溶性共重合ポリエス
テルのポリオキシアルキレングリコ−ル含有量〔A重量
%〕とエチレングリコールオリゴマー含有量〔Bモル
%〕が1≦A/B≦10、好ましくは2≦A/B≦7、
さらに好ましくは3≦A/B≦5の関係を満足する必要
がある。A/Bが1未満では帯電防止性に劣るようにな
り、40以上では水溶性に劣るようになるので好ましく
ない。
【0022】一般に、プラス帯電化のためにポリオキシ
アルキレングリコ−ルの含有量を多量にすると水溶性が
低下する。そのため、工程帯電における易接着フィルム
の帯電防止性において鋭意研究の結果、水溶性共重合ポ
リエステル中のエチレングリコールオリゴマー含有量が
溶解性と密接に関係しており、エチレングリコールオリ
ゴマー含有量が多量になるほど溶解性は向上することが
判明した。すなわち、ポリオキシアルキレングリコ−ル
含有の共重合ポリエステルは、一般にポリオキシアルキ
レングリコ−ルの結晶性のために水溶化しにくくなる
が、エチレングリコールオリゴマーを増量することによ
り、その非晶効果で溶解性を向上することができると推
察している。そのことから、ポリオキシアルキレングリ
コ−ルの増量が可能となり、帯電特性向上が図れる。
【0023】本発明のポリオキシアルキレングリコ−ル
成分を共重合ポリエステルに含有させる方法は特に限定
されるものではなく、例えばポリオキシアルキレングリ
コ−ル成分を共重合ポリエステルの製造工程の任意の段
階で添加する方法、あるいは共重合ポリエステルとポリ
オキシアルキレングリコ−ル成分とを押出機等を用いて
溶融混練りする方法等を挙げることができる。この際、
ポリオキシアルキレングリコ−ル成分は粉体、溶融ある
いは溶液状態等任意の方法で添加することができる。
【0024】また、本発明の水溶性共重合ポリエステル
の固有粘度は特に限定されるものではないが、接着性の
点で0.3dl/g以上が好ましく、さらには0.4d
l/g以上が好ましい。
【0025】また、該水溶性共重合ポリエステルには必
要に応じて、難燃剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、顔料、
染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤あるい
はポリシロキ酸などの消泡剤を配合してもよく、さらに
は滑り性などを付与する目的でクレ−、マイカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、カオリン、湿式および乾式法シ
リカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、アルミナなどの無機粒子、さらにはアクリル酸
類、スチレンなどを構成成分とする有機粒子等を配合し
ても良い。
【0026】本発明のポリエステルフィルムに積層する
水溶性共重合ポリエステルは、水に溶解し、水溶液とし
て使用する。この水溶液とは物理的、化学的な意味で厳
密性を有するものではなく、水に大部分が溶解し、一部
が微分散しているようなものも含むものである。
【0027】本発明における酸化ワツクスとは、特に限
定されるものではないが、ワックスのエチレン鎖部分を
空気酸化などの方法で酸化してカルボキシル基や水酸基
などを付加したものが好ましく用いられる。分子量、融
点なども特に限定されないが、分子量1000以上有す
るものが好ましい。
【0028】また、天然性ワックスとしてはキャンデリ
ラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、オリキュ−
リ−ワックス、さとうきびロウなどが挙げられるが、本
発明においては特にカルナウバワックスが好ましい。
【0029】本発明における、酸化ワックスおよび天然
性ワックスは、水溶性共重合ポリエステルに対して各々
単独で使用しても良く、あるいはこれらを混合して用い
ても良い。
【0030】さらに該酸化ワックス及び/又は天然性ワ
ックスにさらにロジン変成ワックスが混合されていても
よい。ロジン変性ワックスを混合することにより、酸化
ワックス及び/又は天然性ワックスの分散性、均一性を
より良化せしめることができる。ロジン変成ワックスと
は、特に限定されるものではないが、本発明においては
特に下記化合物からなる組成物が好ましい。すなわち
{ロジンまたは不均化ロジン、または水添ロジン・α,
β置換エチレン(α置換基:カルボキシル、β置換基:
水素またはメチルまたはカルボキシル)付加物}・アル
キルまたはアルケニル(各炭素数1〜8)ポリ(繰り返
し単位:1〜6)アルコ−ルのエステル付加物を用いる
のが特に好ましい。酸化ワックス及び/又は天然性ワッ
クス(A)とロジン変成ワックス(B)の混合比率は特
に限定される物ではないが、(A)/(B)は10/9
0〜90/10、好ましくは20/80〜80/20、
更に好ましくは30/70〜70/30とするのが好ま
しい。混合比率(A)/(B)を90/10以下とする
のは水に乳化あるいは懸濁させる場合の均一分散性が良
好で均一な塗布膜を得るのに好適であることによる。ま
た、10/90以上とするのは塗布後の易滑性が良好で
あることによる。
【0031】本発明の酸化ワックスあるいは天然ワック
スの易滑性付与効果、ブロッキング防止効果については
十分解明されていないが、パラフィンワックスなどに比
べ本発明のワックスはその表面自由エネルギ−の分散力
成分が大きく、かつ極性力成分が小さいことによるもの
で、水溶性共重合ポリエステルとの混合系においても同
様の効果を示していると推定している。上記組成物中に
は本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加剤を併用
することができる。例えば帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化
防止剤、有機、無機の粒子、顔料などが挙げられる。
【0032】本発明における塗膜(皮膜)とは、上記の
水溶性共重合ポリエステルと上記の酸化ワックスあるい
は天然性ワックス単独あるいはそれらの混合物とを主体
(主成分)としたもので形成されるものである。なお、
水溶性共重合ポリエステルとワックスとを主体としたと
は、該混合物が塗膜の80重量%以上、好ましくは90
重量%以上含まれていることが望ましい。
【0033】本発明においては、塗膜に対し、水溶性共
重合ポリエステル70〜99.9重量%、好ましくは8
5〜99重量%、ワックスが30〜0.1重量%、好ま
しくは15〜1重量%混合されているのが好ましい。水
溶性共重合ポリエステルが70重量%以下では接着性が
劣り易い。逆に99.9重量%以上では易滑性、耐ブロ
ッキング性に劣り易い。本発明の範囲内である場合、帯
電防止性、易滑性、接着性、耐ブロッキング性の両立と
言う点で好ましい。なお、塗膜には他の成分として、公
知のシランカップリング剤等の架橋剤を添加しても良
い。なお、塗膜の厚みは特に限定されないが、0.00
1〜1μm、特に0.01〜0.2μmが好ましい。
【0034】本発明におけるポリエステルフィルムと
は、周知の方法で形成したポリエステルフィルム、すな
わち、ポリエステルを溶融してシ−トに押出し、これを
少なくとも一方向に延伸して形成したフィルムで、その
フィルムの機械特性としては通常のバランスタイプ、一
軸方向に強力化されたタイプ、二軸方向に強力化された
タイプのいずれかであることが望ましい。また、ポリエ
ステルフィルムの表面は平滑であることが望ましく、具
体的にはフィルムの表面粗さは、触針式表面粗さ計のカ
ットオフ値0.08mmで、Ra値が0.003〜0.
030μmの範囲内にあることが望ましい。
【0035】なお、Ra値とは、触針式表面粗さ計から
得られる断面曲線から適当なカットオフ値を用いてうね
りを除いた粗さ曲線において、中心線(中心線より上の
部分と下の部分の面積が等しくなるようにして求められ
る)からの粗さ曲線の高さ(低さ)の絶対値の算術平均
である(DIN 4768による)。
【0036】上記フィルムを形成するポリエステルは、
線状ポリエステルを主体とするものであればどのような
ものでも良い。たとえば、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリテトラメチレンテレフフタレ−ト、ポリ−1,
4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレ−ト、ポリ
エチレン−2,6−ナフタリンジカルボキシレ−ト、ポ
リエチレン−p−オキシベンゾエ−トなどがその代表例
である。
【0037】また、上記のポリエステルはホモポリエス
テルであってもコポリエステルであっても良い。コポリ
エステルの場合、共重合する成分としては、例えば、ジ
エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ネオペン
チルグリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、p−キシリ
レングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル
などのジオ−ル成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン酸、
5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボン酸
成分、トメリット酸、ピロメリツト酸などの多官能カル
ボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸などが挙げら
れる。なお共重合の場合、共重合する成分は20モル%
以下が望ましい。
【0038】本発明のフィルムの製法について説明す
る。ただし、これに限定されるものではない。実質的に
無配向、結晶性のポリエチレンテレフタレ−ト原料を、
270℃〜290℃に溶融してシ−ト状に押出し、20
〜30℃のキャスティングドラムで冷却固化して、未延
伸シ−トとし、続いて二軸延伸、熱処理してフィルムを
製造する。二軸延伸は縦、横逐次延伸あるいは二軸同時
延伸のいづれでもよく、延伸倍率は特に限定されるので
はないが、通常は縦、横それぞれ2.0〜5.0倍が適
当である。あるいは、縦、横延伸後、縦、横いずれかの
方向に再延伸してもよい。また、ポリエステルの厚みは
特に限定されるものではないが、2〜200μmが好ま
しく用いられる。
【0039】本発明の易接着ポリエステルフィルムの易
接着層塗膜の積層方法はポリエステルフィルムの製造工
程中に塗布し、基材と共に延伸する方法が最も好まし
い。例えば、溶融押し出しされた結晶配向前のポリエス
テルフィルムを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、連
続的に塗布する面にコロナ放電処理を施し、その処理面
に塗布液を塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加
熱されたゾ−ンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5
〜5倍程度延伸される。さらに連続的に150〜250
℃の加熱ゾ−ンに導かれ結晶配向を完了させる方法によ
って得られる。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防
爆性の点で水系が好ましい。基材フィルム上への塗布の
方法は公知の塗布方法、例えばリバ−スコ−ト法、グラ
ビアコ−ト法、ロッドコ−ト法、ダイコ−ト法、ワイア
−バ−法などを用いることができる。上記塗布層(易接
着層)中には本発明の効果を阻害しない範囲内で公知の
添加剤、例えば耐熱安定剤、耐酸化安定剤、耐候安定
剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔料、染料、有機ま
たは無機の微粒子、充填剤、帯電防止剤、核剤などを配
合しても良い。なお、塗料組成としては、水溶性共重合
ポリエステルは、水中に水溶性共重合ポリエステルを
0.5〜10重量%程度含むものが好ましい。水溶性共
重合ポリエステル塗料は、例えば80〜90℃程度の温
湯に水溶性共重合ポリエステルを加え、撹拌することに
より調製することができる。ワックス塗料は、水中にワ
ックス成分を1〜30重量%程度含むものが好ましい。
非イオン性界面活性剤、リン酸エステル、オレイン酸ア
ンモニウム、2−アミノ−2−メチルプロパノ−ル等を
例えば1重量%程度加えることにより、ワックスの水へ
の分散が容易になるので好ましい。上記水溶性共重合ポ
リエステル塗料とワックス塗料とは混合後、ポリエステ
ルフィルムに塗布することが好ましい。次に本発明の易
接着性ポリエステルフィルムの製造方法について説明す
るが、当然これに限定されるものではない。PETを常
法に従って乾燥後、溶融押出し、押出しされたシ−ト状
溶融体を冷却固化せしめて未延伸PETフィルムを作
る。このフィルムを80〜120℃に加熱して長手方向
に2.0〜5.0倍延伸して一軸配向フィルムとする。
このフィルムの片面にコロナ放電処理を施し、この処理
面に所定の濃度に水で希釈した本発明の範囲の水性塗剤
を塗布する。次いで、この塗布されたフィルムを90〜
140℃に加熱しつつ幅方向に2.5〜5.0倍延伸
し、引き続いて160〜240℃の熱処理ゾ−ン中に導
き、1〜10秒間熱処理を行う。この熱処理中に必要に
応じて幅方向に3〜12%の弛緩処理を施しても良い。
【0040】なお、上記例において、易接着層が塗布さ
れるポリエステル基体にもスルホン酸および/またはそ
の塩を有する化合物が共重合されたポリマ−、ポリエチ
レングリコ−ル並びに酸化ワックスおよび/または天然
性ワックスを含有せしめることができる。この場合は、
塗布層と基体フィルムの易滑性、耐ブロッキング性、接
着性が向上するなどの長所がある。スルホン酸および/
またはその塩を有する化合物が共重合されたポリマ−、
ポリエチレングリコ−ル並びに酸化ワックスおよび/ま
たは天然性ワックスを含有した組成物を含有させる場合
には、その添加量が5ppm以上20重量%未満である
のが易滑性、耐ブロッキング性、接着性向上の点で好ま
しい。もちろん、基体フィルム上に設けるコ−ティング
組成物(本発明の易接着性ポリエステルフィルムの再生
ペレット等も含む)であってもよいことは言うまでもな
い。
【0041】かくして得られた易接着性ポリエステルフ
ィルムの巻取性、スリット性は良好であり、塗布層側に
用途に応じた塗剤を塗布することにより、各種用途、例
えば磁気記録材料、セロファン用インク、オフセット用
インク、紫外線硬化インキなどの各種インク印刷用、電
子写真トナ−易接着用、ケミカルマット塗料易接着用、
ジアゾ塗料易接着用、蒸着用などの無機質被覆用などの
基材フィルムとして好適に使用されるものである。
【0042】
【特性値の測定方法および評価方法】本発明における特
性の測定方法および効果の評価方法は次のとうりであ
る。
【0043】 (1)共重合ポリエステルの極限粘度:[η] o−クロロフェノ−ル溶媒を用い、25℃で測定した。
【0044】(2)共重合ポリエステルの水溶性 共重合ポリエステル2gを水100g中に入れ、60
℃、2時間撹拌溶解して冷却後、2μmフィルタ−で瀘
過する。溶解状態および瀘上物量によって水溶性を判定
した。
【0045】○:水溶液は透明あるいは僅かに白濁して
いるが、瀘上物はほとんど認められなかった。
【0046】 △:水溶液は強く白濁しており、瀘上物が認められた。
【0047】×:溶解しにくい、あるいは水溶液は強く
白濁しており、多量の瀘上物が認められた。
【0048】(3)密着性 共重合ポリエステルおよびワックスの水溶液をポリエス
テルフィルム基板上に塗布し、易接着層を設けたけ易接
着層面に磁性体塗料(ダイフェラコ−トCAD−430
1:大日精化工業(株)製)100重量部と硬化剤であ
るスミジュ−ルN75(住友バイエル(株)製)1重量
部からなる塗料を乾燥後で5μmになるようにバ−コ−
タ−で塗布し、100℃、5分間乾燥して被覆層を設け
た。
【0049】別にPETフィルム(50μm)基板に大
日精化(株)製の接着剤であるセイカボンド(E270
/C−26=10/2( 重量比) )を乾燥後で8μmに
なるようにバ−コ−タ−で塗布し60℃、1分間乾燥し
て被覆層を設けた。この接着剤を塗布した2枚のPET
基板の間に、先の磁性塗料を塗布したサンプルを挟んで
ロ−ラ−で気泡が入らないように張り合わせる。さらに
表面温度が100℃のラミネ−タ−のプレスロ−ルの間
を一往復させる。このサンプルを40℃、48時間以上
エ−ジングした後、15mm幅の短冊状サンプルをテン
シロン引張試験機(引張速度200mm/min)で易
接着層/磁性塗料間を90°剥離して密着力を測定し
た。以下の基準により判定した。
【0050】◎: 250g/15mm幅以上 ○: 200g/15mm幅以上、250g/15mm
幅未満 △: 150g/15mm幅以上、200g/15mm
幅未満 ×: 150g/15mm幅未満 (4)帯電防止性 金属ドラム回転体の表面に易接着層を積層していないポ
リエステルフィルムを巻き付け、回転させながら易接着
層を積層したフィルムの易接着層の端部に荷重255g
を掛け、金属ドラム回転体に沿わせて5秒間擦る。直後
に静電気測定機によりフィルムに荷電した電位を測定
し、帯電防止性を判定した。
【0051】 ○ :帯電量 +3KV以上〜+7KV未満 △ :帯電量 0KV以上〜+3KV未満 × :帯電量 0KV未満(マイナス帯電)か+7KV
以上 静電気測定機:シシド静電気 製スタチロンTH型 測定距離;ヘッド開口部より50mm 金属ドラム回転体 : 寸法 65mm幅×150mm
φ 回転数860rpm 測定サンプル : 30mm幅×300mm長さ (5)耐ブロッキング性 易接着層を設けたフィルムの易接着層面と2軸配向PE
Tフィルムを重ね合わせたもの(重ね面積:3cm×4
cm)に500g/12cm2 の加重をかけて40℃8
0%RH中で24時間放置した後、重ね合わせ部のせん
断応力をテンシロン引張り試験機を用い引張り速度20
cm/分で測定し、下記基準で判定した。
【0052】 ◎ : 0kg/cm2 (全くブロッキングしない) ○ : 0.1kg/cm2 〜1kg/cm2 以下 △ : 1kg/cm2 〜3kg/cm2 以下 × : 3kg/cm2 以上 (6)易滑性(静摩擦係数μs 、動摩擦係数μd ) フィルム同士の摩擦係数は、ASTM−D−1894−
63に準じ、静摩擦係数μs 、動摩擦係数 μd を新東
科学 製表面性測定機HEIDON−14DRを用い
て、サンプル移動速度200mm/min、荷重200
g、接触面積63.5mm×63.5mmの条件で測定
し、アナライジングレコ−ダ−TYPE:HEIDON
3655E−99で記録し評価し、以下の基準により易
滑性を判定した。
【0053】○ : μs =0.8未満 △ : μs =0.8以上〜1.3未満 × : μs =1.3以上 (7)塗布層の厚み 日立製作所製透過型電子顕微鏡HU−12型を用い、積
層フィルムの超薄膜面切片を観察し、厚みを求めた。
【0054】(8)表面粗さ JIS−B−0601に従い、株式会社小坂研究所製の
触針型表面粗さ計BE−3Eを用い、カツトオフ0.0
25mm、測定長4mmで平均表面粗さRaを測定し
た。
【0055】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明するが必
ずしもこれに限定されるものではない。
【0056】実施例1 テレフタル酸ジメチル71重量部、5−ナトリウムスル
ホイソフタル酸ジメチル15重量部、エチレングリコ−
ル50.0重量部、ジエチレングリコ−ル6.0重量
部、数平均分子量600のポリエチレングリコ−ル21
重量部および酢酸カルシウム0.1重量部、酢酸リチウ
ム0.3重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を加
え、常法に従いエステル交換反応せしめたのち、リン酸
トリメチル0.05重量部を添加した。次いで徐々に昇
温、減圧にし、最終的に280℃、1mmHg以下で重
縮合反応を行ない、水溶性共重合ポリエステルを得た。
得られた水溶性共重合ポリエステルの組成をNMR(13
C−NMRスペクトル)により測定した結果、酸成分は
テレフタル酸87.5モル%、5−ナトリウムスルホイ
ソフタル酸12.5モル%、グリコ−ル成分はエチレン
グリコ−ル95モル%、ジエチレングリコ−ル5モル%
であり、また、ポリエチレングリコ−ル含有量は20重
量%で、固有粘度は0.83dl/gであった。
【0057】得られた水溶性共重合ポリエステル2gを
水100g中に入れ、80℃、2時間撹拌溶解して冷却
後、2μmフィルタ−で瀘過し、濃度2重量%の水溶性
共重合ポリエステル水溶液を得た。水溶性共重合ポリエ
ステルの水溶液はほぼ透明性であり、フィルタ−瀘上物
も認められなかった。
【0058】一方、水溶性共重合ポリエステルに混合す
るワツクスとしては、固形分濃度2重量%の酸化ワツク
スを水溶性共重合ポリエステル水溶液に対して10重量
添加後、良く混合撹拌し本発明の塗剤とした。
【0059】 [塗料組成] 1)水溶性共重合ポリエステル 90重量部 2)ワックス 10重量部 (a)酸化ワックス 上記酸化ワックスを水分散体とするため非イオン性界面
活性剤、燐酸エステル、オレイン酸アンモニウム、2−
アミノ−2−メチルプロパノ−ルを各1重量部添加し、
水中で強撹拌し、さらに超音波分散機で全固形分比率が
2重量%の水分散体を作成した。
【0060】一方、平均粒径0.2μmの二酸化ケイ素
を0.2重量%含有した極限粘度0.60のポリエチレ
ンテレフタレ−トを十分に乾燥した後、押出機に供給し
て280℃で溶融し、10μmカットの金属焼結フィル
タ−で瀘過した後、T字型口金よりシ−ト状に押出し、
これを表面温度30℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固
化せしめた。この間のシ−トと冷却ドラム表面との密着
性を向上させるため、シ−ト側にワイヤ−電極を配置し
て6,000Vの直流電圧を印加した。かくして得られ
た未延伸PETフィルムを95℃に加熱して長手方向に
3.5倍延伸し、一軸延伸フィルムとした。このフィル
ムの片面に空気雰囲気中でコロナ放電処理を施し、その
処理面にグラビアコ−ト方式で上記組成の塗料を二軸延
伸後の塗布層厚みが0.04μmになるように塗布し
た。塗布された一軸延伸フィルムをテンタ−内に導き1
10℃の予熱工程で水分を乾燥させた後、120℃に加
熱しつつクリップで把持しながら幅方向に3.5倍延伸
し、続いて225℃で5秒間熱処理を施し、塗布層厚み
0.04μm、フィルム厚み10μmの易接着性ポリエ
ステルフィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2
に示す。このフィルムは帯電特性、易滑性、磁性塗料密
着性、耐ブロッキング性、表面平滑性に優れたものであ
つた。
【0061】実施例2 実施例1と同様にして、酸成分はテレフタル酸87.5
モル%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸12.5モ
ル%、グリコ−ル成分はエチレングリコ−ル94モル
%、ジエチレングリコ−ル6モル%であり、また、ポリ
エチレングリコ−ル含有量は20重量%で、固有粘度は
0.85dl/gであった。実施例1と同様にして、2
重量%の水溶性共重合ポリエステル水溶液を調製した。
一方、添加ワックスの種類、配合比を下記の様に変更し
た他は実施例1と全く同様にして塗布層厚み0.04μ
m、フィルム厚み10μmの易接着性ポリエステルフィ
ルムを得た。
【0062】 [塗料組成] 1)水溶性共重合ポリエステル 94重量部 2)ワツクス 6重量部 (a)酸化ワックス 65重量部 (b)ロジン変成ワックス 35重量部 {水添ロジン・αβ置換エチレン(α置換基:カルボキ
シル基、β置換基:メチル)付加物}・アルキル(炭素
数6)ポリ(繰り返し単位:5)アルコ−ルのエステル
化合物。上記(a)+(b)を水分散体とするため非イ
オン界面活性剤、燐酸エステル、オレイン酸アンモニウ
ム、2−アミノ−2−メチルプロパノ−ルを各1重量部
添加し、水中で強撹拌し、さらに超音波分散機で全固形
分比率が2.0重量%の水分散体を作成した。得られた
易接着性ポリエステルフィルムの特性を表2に示す。
【0063】比較例1 水溶性共重合ポリエステルとして、実施例2で使用した
ものと同組成の水溶性共重合ポリエステルを使い、濃度
2重量%の水溶性共重合ポリエステル水溶液を得た。水
溶性共重合ポリエステルの水溶液はほぼ透明性であり、
瀘上物は認められなかった。
【0064】この塗剤をワックスを添加することなく単
独で用いて、実施例1と同様の方法で塗布層厚み0.0
4μm、フィルム厚み10μmの易接着性ポリエステル
フィルムを得た。得られた易接着性ポリエステルフィル
ムの特性を表2に示すが易滑性に劣っていた。
【0065】実施例3〜5、比較例2 実施例1と同様の方法で、表1に示すような組成の濃度
2重量%の水溶性共重合ポリエステルならびに濃度2重
量%のワックスを使い、それぞれ表2に示すような塗布
層厚み0.04μm、フィルム厚み10μmの易接着性
ポリエステルフィルムを得た。
【0066】実施例3〜5は本発明の範囲内のものであ
り、帯電防止性、易滑性、接着性、耐ブロッキング性、
耐溶剤性ともに良好であった。
【0067】一方、比較例2は本発明の範囲外であり、
接着性、易滑性に劣っていた。
【0068】比較例3 表1に示すように、酸成分がテレフタル酸87.5モル
%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸12.5モル
%、グリコ−ル成分はエチレングリコ−ル99.2モル
%、ジエチレングリコ−ル0.8モル%、また、ポリエ
チレングリコ−ル含有量は20重量%の水溶性共重合ポ
リエステルを得た。固有粘度は0.65dl/gであっ
た。
【0069】この塗剤に酸化ワックスを20部添加し
て、実施例1と同様の方法で塗布層厚み0.04μm、
フィルム厚み10μmの易接着性ポリエステルフィルム
を得た。得られた易接着性ポリエステルフィルムの特性
を表2に示すが帯電防止性、接着性等に劣っていた。
【0070】比較例4 表1に示すように、酸成分がテレフタル酸87.5モル
%、5−ナトリウムスルホイソフタル酸12.5モル
%、グリコ−ル成分はエチレングリコ−ル90モル%、
ジエチレングリコ−ル10モル%でポリエチレングリコ
−ル含有量が45重量%の水溶性共重合ポリエステルを
得た。固有粘度は0.93dl/gであった。
【0071】この塗剤に酸化ワックスを15部添加し
て、実施例1と同様の方法で塗布層厚み0.04μm、
フィルム厚み10μmの易接着性ポリエステルフィルム
を得た。得られた易接着性ポリエステルフィルムの特性
を表2に示すが帯電防止性、易滑性等に劣っていた。
【0072】実施例6 基材フィルムとして、実施例1で用いたポリエチレンテ
レフタレ−トの代わりに、水溶性共重合ポリエステルと
酸化ワックスをポリエチレンテレフタレ−トに混合して
用いた以外は、実施例1と全く同様にして塗布層厚み
0.04μm、フィルム厚み10μmの易接着性ポリエ
ステルフィルムを得た。すなわち、酸成分としてテレフ
タル酸87.5モル%、5−ナトリウムスルホイソフタ
ル酸12.5モル%、ジオ−ル成分としてエチレングリ
コ−ル95モル%、ジエチレングリコ−ル5モル%から
なるポリエステル80重量%と分子量600のポリエチ
レングリコ−ル20重量%からなる水溶性共重合ポリエ
ステル90重量部と酸化ワックス10重量部との混合物
10重量%をポリエチレンテレフタレ−トに混合して用
いた。塗剤としては、表1に示すように水溶性共重合ポ
リエステル/酸化ワックス=90/10のものを用い
た。かくして得られたフィルムの特性を表2に示すが、
このように、ベ−ス層にスルホン酸ナトリウム塩、ポリ
エチレングリコ−ルおよび酸化ワックスを有する方が易
滑性、耐ブロッキング性、接着性等に優れていることが
わかる。
【0073】
【表1】
【表2】
【0074】
【発明の効果】本発明はポリエステルの少なくとも片面
に、特定量のポリオキシアルキレングリコ−ル成分及び
エチレングリコールオリゴマーを含有してなる水溶性共
重合ポリエステルと酸化ワックスおよび/または天然性
ワックスとを主体とした混合物の塗膜が形成されてなる
易接着性ポリエステルフィルムであって、帯電防止性、
易滑平滑性、水溶性、耐ブロッキング性、耐溶剤性に優
れ、磁気記録材料、各種写真材料、包装材料、電気絶縁
材料、一般工業材料等に好ましく用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/36 7421−4F G11B 5/704 // B29K 67:00 B29L 7:00 9:00 C08L 67:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルム基体の少なくとも
    片面に、ポリオキシアルキレングリコ−ル成分が20重
    量%以上40重量%未満、エチレングリコールオリゴマ
    ー含有量が1モル%以上20モル%以下含有されてなる
    水溶性共重合ポリエステルと酸化ワックスおよび/また
    は天然性ワックスとを主体とした混合物の塗膜が形成さ
    れてなる易接着性ポリエステルフィルムであり、該水溶
    性共重合ポリエステルのポリオキシアルキレングリコ−
    ル含有量〔A重量%〕とエチレングリコールオリゴマー
    含有量〔Bモル%〕が下記式(1)を満足することを特
    徴とする易接着性ポリエステルフィルム。 1≦A/B≦10 (1)
  2. 【請求項2】 該塗膜が、上記水溶性共重合ポリエステ
    ル70〜99.9重量%、酸化ワツクスおよび/または
    天然性ワックス30〜0.1重量%を主体とした混合物
    で形成されてなる請求項1に記載の易接着性ポリエステ
    ルフィルム。
  3. 【請求項3】 上記塗膜中にさらにロジン変成ワックス
    が含有されていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 上記ポリオキシアルキレングリコ−ル成
    分がポリエチレングリコ−ルであり、その数平均分子量
    が400〜10000であることを特徴とする請求項1
    から3に記載の易接着性ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルフィルム基体が、スルホン
    酸および/またはその塩を有する化合物が共重合された
    ポリマ−、ポリエチレングリコ−ル並びに酸化ワックス
    および/または天然性ワックスをそれぞれ5ppm以上
    20重量%未満含有した組成物からなることを特徴とす
    る請求項1から4に記載の易接着性ポリエステルフィル
    ム。
JP6059263A 1993-11-09 1994-03-29 易接着性ポリエステルフィルム Pending JPH07268117A (ja)

Priority Applications (7)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6059263A JPH07268117A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 易接着性ポリエステルフィルム
KR1019950702833A KR960700152A (ko) 1993-11-09 1994-08-03 이접착성 폴리에스테르필름(Polyester film having good adhesiveness)
EP94923060A EP0696502B1 (en) 1993-11-09 1994-08-03 Readily bondable polyester film
PCT/JP1994/001276 WO1995013188A1 (fr) 1993-11-09 1994-08-03 Feuille polyester facile a coller
CA002153506A CA2153506A1 (en) 1993-11-09 1994-08-03 Readily bondable polyester film
CN94191141A CN1117719A (zh) 1993-11-09 1994-08-03 易粘着性聚酯薄膜
DE69426768T DE69426768T2 (de) 1993-11-09 1994-08-03 Leicht haftbarer polyesterfilm

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6059263A JPH07268117A (ja) 1994-03-29 1994-03-29 易接着性ポリエステルフィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07268117A true JPH07268117A (ja) 1995-10-17

Family

ID=13108319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6059263A Pending JPH07268117A (ja) 1993-11-09 1994-03-29 易接着性ポリエステルフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07268117A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000094382A (ja) * 1998-09-28 2000-04-04 Teijin Ltd 積層フィルム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000094382A (ja) * 1998-09-28 2000-04-04 Teijin Ltd 積層フィルム
JP4746163B2 (ja) * 1998-09-28 2011-08-10 帝人株式会社 積層フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1961032B (zh) 积层聚酯薄膜及其制造方法
JP3296015B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
EP0696502B1 (en) Readily bondable polyester film
JP3044960B2 (ja) 水溶性共重合ポリエステルおよびポリエステルフィルム
JP3298252B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JPH06293839A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JPH07268117A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3227984B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3198669B2 (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3106809B2 (ja) 水溶性共重合ポリエステルおよびポリエステルフィルム
JP3640026B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP3289439B2 (ja) ポリエステルフィルム
JPH0872213A (ja) 積層フィルム
JP3185367B2 (ja) 易接着性ポリエステルフイルム
JPH06263902A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3141488B2 (ja) 共重合ポリエステルおよび積層ポリエステルフィルム
JP3128889B2 (ja) 共重合ポリエステル
JP4401933B2 (ja) 電気絶縁用二軸配向積層ポリエステルフィルム
JP3289330B2 (ja) フィルム用水溶性共重合ポリエステル及び磁気記録材料用コーティング剤
JP3259451B2 (ja) 積層ポリエステルフィルム及びその製造方法
JP3097251B2 (ja) 易接着性ポリエステルフイルム
JP4186524B2 (ja) 粘着ラベル用ポリエステルフィルムおよび粘着ラベル
JPH0752348A (ja) 易接着性ポリエステルフィルム
JP3132083B2 (ja) 水溶性共重合ポリエステル
JP2002273834A (ja) 積層フィルム