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JPH07258071A - 粒状皮膚用剤およびその用途 - Google Patents

粒状皮膚用剤およびその用途

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Publication number
JPH07258071A
JPH07258071A JP6050804A JP5080494A JPH07258071A JP H07258071 A JPH07258071 A JP H07258071A JP 6050804 A JP6050804 A JP 6050804A JP 5080494 A JP5080494 A JP 5080494A JP H07258071 A JPH07258071 A JP H07258071A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
granular
fine powder
skin
granular material
dermatological
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6050804A
Other languages
English (en)
Inventor
Noboru Yamada
昇 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
OJIRO YUKAGAKU KENKYUSHO KK
Original Assignee
OJIRO YUKAGAKU KENKYUSHO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by OJIRO YUKAGAKU KENKYUSHO KK filed Critical OJIRO YUKAGAKU KENKYUSHO KK
Priority to JP6050804A priority Critical patent/JPH07258071A/ja
Publication of JPH07258071A publication Critical patent/JPH07258071A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 油状物質を含む粒状物と、該粒状物の表面に
付着させられた微小粉末を含むことを特徴とする粒状皮
膚用剤。 【効果】 皮膚に容易に塗布できる軟らかい状態である
にもかかわらず、粒子表面のベタツキがなく、従って粒
子同志もしくは容器や製品の製造工程における機械の内
壁などにくっつくことがない、取扱い性および作業効率
が著しく向上したものであるばかりでなく、美観的にも
優れたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油状物質を主体とした
粒状物の表面に微小粉末を付着させた粒状皮膚用剤、お
よびそれを含むクリーム、軟膏、乳液あるいは化粧水に
関する。さらに詳しくは、安定性が高く、取扱い性に優
れ、同時に外観的にも美しい粒状皮膚用剤、およびそれ
を含むクリーム、軟膏、乳液あるいは化粧水に関する。
本発明の粒状皮膚用剤は、化粧料、医薬部外品、外用医
薬品などとして好適に使用しうる。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】粒状の化
粧料もしくは医薬品として、ゼラチンまたはアルギン酸
カルシウムなどの皮膜に包まれたカプセル状のものが知
られている。カプセル剤は現在主に内服用医薬品として
利用されている。これらのカプセルを皮膚に塗布する塗
布剤に利用した場合、カプセルが皮膚に容易に吸収され
ず皮膚上に残存したり、皮膚の上で力を加えてカプセル
を潰す時に、加えた圧力のために内容物が飛び出したり
など、とても皮膚用剤として適用できるものではない。
また、カプセル剤の表面がベタつくために、該カプセル
剤が収容されている容器の内壁にくっついたり、カプセ
ル剤同志がくっついてしまい、そのため個々のカプセル
剤を必要量だけ容器から取り出せないなど使い勝手も悪
く、さらに外観的にも汚いものとなってしまう欠点もあ
った。さらにカプセル剤は、構造上そのカプセル部分の
厚みが厚くなり、カプセル剤の外径に比較して実際カプ
セル中に含まれる内容物量は著しく少なくなるという欠
点もある。
【0003】上記欠点を解消する目的で、本発明者は既
に被膜のない、粒子状固形油脂製品の製造方法を提案し
ている(特開平3−146595)。
【0004】しかし、特開平3−146595開示の方
法では、化粧料、医薬部外品もしくは外用医薬品などの
皮膚用剤として使用可能な軟らかい粒子状固形油脂製品
については、カプセル剤と同様に、粒子がベタつくた
め、粒子が収容されている容器の内壁にくっついたり粒
子同志がくっつく傾向があり、使い勝手のよいものでは
なかった。
【0005】上記粒子のくっつきなどを防止する目的
で、水溶性ゲル中に分散させて、化粧料などとして使用
する球状油脂類分散製剤が提案されている(特開平5−
179283)。しかし、この分散製剤についても、常
にキサンタンガムやアクリル酸ソーダなどの水溶性ゲル
に分散した状態で使用しなければならず、使い勝手の点
においては満足できるものではなかった。また、高分子
ゲル水溶液などに有効成分を浮遊せしめた製品は、容器
からの取り出しに問題があった。すなわちチューブなど
軟らかい容器に充填されている場合、押出して取出すの
が簡便であるが、押出し時に壁面付近の粒状物が変形、
破損してしまい、きたなくなってしまう。また、スポイ
トを使用して取出す場合、変形や破損はないが、粒状物
を目的量だけ正確に取出すことは困難である。
【0006】本発明の目的は上記の如き問題点を一挙に
解決した粒状皮膚用剤を提供することである。すなわ
ち、有効成分が皮膚に容易に塗布できるような軟らかさ
であるにもかかわらず、塗布した時に容易に消滅しない
カプセルなど皮膜を有さないものであり、なおかつ個々
の粒子のベタツキがなく、粒子が容器の内壁にくっつい
たり粒子同志がくっついたりしない製剤を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明者は種々研究を重ねてきたところ、有効成
分として油状物質を含む粒状物の表面全体に微小粉末を
付着させた場合、上記の問題点を一挙に解決しうること
を知見し、さらに研究を重ねて本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は、油状物質を含む粒状物
と、該粒状物の表面に付着させられた微小粉末を含むこ
とを特徴とする粒状皮膚用剤に関する。
【0009】さらに本発明は、上記粒状皮膚用剤を含有
する化粧料、医薬部外品、外用医薬品など、特にクリー
ム、軟膏、乳液、化粧水などに関する。
【0010】本発明において使用される油状物質は、そ
れ単独で40℃以下で粒状を保ちうるものはもちろん、
他の成分(ここで他の成分とは、疎水性物質も包含する
概念である)と混合することによって40℃以下で粒状
を保ちうるものであれば、それ自体は液体、固体の区別
なく使用しうる。たとえば、油脂類、脂肪酸類、ワック
ス類、パラフィン類などが挙げられるが、これらに限定
されるものではない。すなわち、食品、食品添加物、化
粧品、医薬部外品もしくは医薬品の原料として使用され
る油状物質(疎水性物質)であれば問題ない。具体的に
列挙すれば枚挙にいとまがないが、そのうちの極一部を
列挙すれば次の通りである。
【0011】例えば、オリーブ油、トウモロコシ油、大
豆油、マカデミアンナッツ油、綿実油、ホホバ油、スク
ワラン、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィ
ン、パルミチン酸イソプロピル、カカオ脂、牛脂、カル
ナバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、ステアリン
酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラノリン、ソルビタン
脂肪酸、グリセリン脂肪酸、ショ糖脂肪酸、トコフェロ
ール、β−カロチン、アスコルビン酸ステアリルなどが
挙げられる。これらは単独あるいは混合物として使用さ
れる。
【0012】本発明では、上記油状物質に溶解しうる油
溶性物質を含有させることができる。該油溶性物質とし
ては、上記油状物質に保持されて使用しうるものであれ
ば特に制限なく、食品、医療品、化粧品、健康食品、調
味料などを初めとする広範囲の分野において使用される
ものが使用しうる。例えば、油溶性ビタミン、油溶性の
動植物抽出物、生理活性を示す物質、抗酸化作用などの
安定化作用を示す物質、香料、色素、抗炎症剤および抗
菌剤などが例示されるが、これらに限定されない。これ
らは単独あるいは混合物として使用される。またこれら
の油溶性物質を添加する時、必要に応じて界面活性剤を
使用してもよい。
【0013】さらに、本発明で使用される油状物質ある
いは油状物質と油溶性物質の混合物には、必要に応じて
界面活性剤を加えて、水および/または水溶性物質を含
有させることもできる。
【0014】該水溶性物質として、食品、医療品、化粧
品、健康食品、調味料などを初めとする広範囲の分野に
おいて使用されるものが使用でき、例えば水溶性ビタミ
ン、水溶性の動植物抽出物、生理活性を示す物質、抗酸
化作用などの安定化作用を示す物質、香料、色素類、抗
炎症剤および抗菌剤などが例示されるが、これらに限定
されない。
【0015】また界面活性剤としては、通常使用される
非イオン界面活性剤が好ましく使用され、具体例とし
て、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレング
リコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。
【0016】本発明で使用される粒状物は、例えば、上
記油状物質、あるいはこれと油溶性物質、界面活性剤、
水、水溶性物質の少なくとも一種からなる組成物あるい
は乳化物を、加熱融解し、当該融解物より5〜50℃低
い温度の水性溶媒中に落下することによって粒状物とす
ることができる。特にW/O型乳化物の溶融物、あるい
は融点の異なる、好ましくは20℃以上の差のある2種
以上の混合物の融解物を水性溶媒中に落下するのが好ま
しい。水性溶媒としては、エタノール水溶液、メタノー
ル水溶液、2−プロパノール水溶液、アセトン水溶液な
どが例示される。落下の方法は特に限定はなく、滴下さ
せる、ノズルを使用して射出させるなどの方法がある。
【0017】上記粒状物は、本発明の皮膚用剤を使用す
るヒトあるいは動物の体温付近、具体的には40℃以下
の範囲で、粒状を保ち、かつ指で軽く圧したときには容
易に潰れる程度の硬さ〔例えば、25℃において直径
2.5mmの粒状物1個あたり20〜50g(静止荷
重)を負荷した時に崩壊する〕をもつ。
【0018】粒状物の粒子径は特に限定されないが、下
限は通常0.2mm、好ましくは0.5mm、さらに好
ましくは1.0mmであり、上限は10mm、好ましく
は5mm、さらに好ましくは3mmである。
【0019】粒状物の形状に特別の限定はない。例え
ば、球状のもの、円盤状のもの、円錐状のもの、ナス形
のものなどが使用しうる。
【0020】本発明の特徴は、このようにして得た油状
物質の粒状物の表面全体に微小粉末を付着させることに
ある。本発明で使用しうる微小粉末は、化学的安定性が
高く、人体あるいは動物に対して安全性のある微小粉末
であれば、親油性であれ親水性であれ特に制限なく使用
できる。これらの条件を満たす微小粉末は、具体的に列
挙すれば枚挙にいとまがないが、人体あるいは動物への
安全性の見地、および上記粒状物のベタツキを抑制する
という点から、特に以下のものが有効である。
【0021】すなわち、タルク、カオリン、マイカ、ベ
ントナイト、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、窒化
ホウ素、二酸化チタン、ホワイトカーボン、シリカゲ
ル、結晶セルロース、セルロース誘導体、脂肪酸カルシ
ウム、脂肪酸亜鉛、酸化亜鉛、脂肪酸アルミニウム、ブ
ドウ糖などの単糖類、オリゴ糖類、多糖類、サイクロデ
キストリン、ヒドロキシエチル澱粉、ナイロンパウダ
ー、ポリスチレンパウダー、シルクパウダー、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン、キトサン、キチ
ン、コラーゲン、血漿蛋白質、アミノ酸、RNA、DN
Aなどが挙げられる。これらは単独あるいは混合物とし
て使用される。
【0022】なかでも、タルク、カオリン、マイカ、ベ
ントナイト、シリカゲル、結晶セルロース、脂肪酸亜
鉛、脂肪酸カルシウム、脂肪酸アルミニウム、単糖類、
サイクロデキストリン、ナイロンパウダー、シルクパウ
ダー、ポリビニルピロリドン、キトサン、コラーゲン、
血漿タンパク質、RNAおよびDNAが、ベタツキを特
に効果的に抑制するので、特に好ましい。
【0023】微小粉末の平均径は、下限が0.01μ
m、好ましくは0.05μm、さらに好ましくは0.1
μm、最も好ましくは0.2μmであって、上限は50
0μm、好ましくは200μm、さらに好ましくは10
0μmである。500μmを越えるような直径の大きな
微小粉末は、皮膚に塗布するとき違和感を与える。ま
た、0.01μm未満の微小粉末は、上記粒状物の表面
に付着させる工程で、環境中へ飛散したり、静電気によ
る製造装置への付着が顕著になり、製造上不適当であ
る。
【0024】上記微小粉末の量は、粒状物の粒子径およ
び組成によって適宜選択されるが、通常は粒状物に対
し、下限が0.1重量%、好ましくは1重量%、さらに
好ましくは3重量%であり、上限は30重量%、好まし
くは20重量%、さらに好ましくは10重量%である。
一般的に微小粉末の量が0.1重量%未満の場合、油状
物質の粒状物のベタツキ抑制効果が不十分であることが
多い。また、30重量%を越えて付着させてもベタツキ
抑制効果の更なる改善はないことが多い。
【0025】微小粉末を油状物質の粒状物に付着させる
方法としては、例えば、粒状物を転動させながら微小粉
末を振りかける方法が一般的であるが、粒状物の上に振
りかけた後、全体的に振動を与える方法や、微小粉末の
中に粒状物を投入する方法などによっても、目的を達成
し得る。
【0026】本発明の粒状皮膚用剤の特に好ましい組み
合わせとして、ミツロウまたはオリーブ油、あるいはこ
れらの混合物を主成分とする粒状物には、結晶セルロー
ス、キトサンあるいはDNAの微小粉末が、キャンデリ
ラロウまたはトウモロコシ油、あるいはこれらの混合物
を主成分とする粒状物には、マイカあるいはタルクの微
小粉末が、カルナバロウまたはオリーブ油、あるいはこ
れらの混合物を主成分とする粒状物には、ステアリン酸
亜鉛あるいはステアリン酸アルミニウムの微小粉末の組
み合わせがあげられる。また上記にかかわらず一般的
に、粒状物として水および/または水溶性物質を乳化・
混合して配合したW/O型乳化物を溶融して得た粒状物
には、サイクロデキストリン、マルトース、ブドウ糖、
アミノ酸(グリシン)の微小粉末を組み合わせるのが好
ましい。
【0027】このようにして得た本発明の粒状皮膚用剤
は、ベタツキがないため、粒状物同志、あるいは容器内
壁にくっつくことがほとんどなく、外観的にも美しいも
のである。本発明の粒状皮膚用剤はそのままでも、化粧
料、医薬部外品、医薬品などとして使用しうることは勿
論であるが、乳液、クリーム、化粧水、美容液、軟膏な
どに配合して使用することも可能である。また粒状物の
粒子径が均一でない場合、ベタツキがないため、標準ふ
るいなどを利用して容易に粒子径の均一なものを選別す
ることができる。
【0028】本発明の特徴は、油状物質を主成分とした
粒状物の表面全体に微小粉末を付着させ、粒状物のベタ
ツキを抑制させたことにある。本発明において微小粉末
が油状物質のベタツキを抑制する機序は定かではない
が、親油性微小粉末の場合は、粒状物の表面に浸出する
ベタツキの原因となる油分を、微小粉末内部に取り込む
ことにより、または親水性微小粉末の場合は、油分が粒
状物の表面に浸出することを該微小粉末が防止すること
により、ベタツキを抑制すると想定される。しかし微小
粉末の親水性、親油性だけでは、ベタツキ抑制の機序は
完全に説明することができず、付着した粉末の滑性(滑
性が大きければベタツキ抑制効果は大きくなる)や、粉
末が粒状物を覆い凸凹をなくすことによって摩擦を低下
させ、粒状物全体の流動性が高められることもベタツキ
抑制に寄与していると推定される。
【0029】その結果、本発明の粒状皮膚用剤は、皮膚
に容易に塗布できる軟らかい状態であるにもかかわら
ず、ベタついたり、相互にもしくは容器内壁などにくっ
つくことがないものになる。このことは水溶性ゲルなど
に分散させる必要がなく、粒状で化粧料や外用医薬品な
どとして供することを可能ならしめ、取扱い性を著しく
向上させる。また製品の製造工程においても、例えば均
一な粒子径のものを篩などで容易に選別できるなど、作
業能率を著しく向上させる結果ともなる。さらに粒状の
ものは、美観的にも優れている。一方、常温で不安定な
液状の化合物を、油状物質の粒状物に含ませることによ
って、該化合物の安定化を図ることが可能になる。この
ような粒状物の表面に微小粉末を付着させ、ベタツキを
なくし取扱い性を向上させることにより、通常は光や熱
に対して不安定な化合物についても、著しく用途が拡張
されるものである。
【0030】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものでは
ない。なお、実施例中、%は断らない限り重量%であ
る。
【0031】実施例1 ミツロウ100gをオリーブ油400g、ビタミンA3
g、ビタミンE3gとともに、70℃に加熱融解した。
融解物を35℃に調節した80容量%エタノール水溶液
中に滴下して粒状物とし、エタノール水溶液から取り出
し、室温で乾燥し、直径3mmの粒状物を得た。得られ
た粒状物は相互にくっつきあい、流動性に乏しく、ベタ
ツキを呈するものであった。該粒状物100gをアルミ
ニウム製深皿に入れ、粒状物に振動を与えながら、平均
粒子径10μmの結晶セルロース微小粉末5gをふりか
け、上記粒状物に付着させることによって粒状皮膚用剤
を得た。
【0032】得られた粒状皮膚用剤は、室温でベタつか
ず、流動性を有しており、粒状物相互にくっつきあうこ
とのない、使い勝手の良いものであった。さらに、45
℃の恒温器中に30日間保存しても、ベタツキや付着性
は認められなかった。室温で30日間保存した粒状皮膚
用剤1粒をスプーンで左手掌にとり、右親指で圧したと
ころ、粒子は容易に崩壊、すなわち良好な崩壊性を示
し、更にそのまま右親指を移動すると、崩壊した粒状皮
膚用剤は容易に伸延し、良好な伸延性を示し、何ら皮膜
のようなものを残すことはなく全量を皮膚に塗布するこ
とができた。
【0033】得られた粒状皮膚用剤5gを予め調製した
下記の組成の乳液100gに配合して、粒状皮膚用剤含
有乳液を得た。 乳液の組成:セタノール1.0%、ワセリン2.0%、
スクワラン6.0%、ミツロウ0.5%、ジメチルポリ
シロキサン2.0%、エタノール5%、グリセリン4
%、1,3−ブチレングリコール4.0%、ポリオキシ
エチレンモノオレイン酸エステル1.0%、グリセロー
ルモノステアリン酸エステル1.0%、クインズシード
抽出液(5%含有)20%、水53.5%
【0034】実施例2 グリチルレチン酸ステアリン酸エステル1gをカルナバ
ロウ5g、キャンデリラロウ12g、オレイン酸5g、
ホホバ油50gおよびトウモロコシ油50gとともに9
0℃に加熱融解した。融解物を30℃に調節した80容
量%エタノール水溶液中に滴下して粒状物とし、エタノ
ール水溶液から取り出し、室温で乾燥し、直径約1.5
mmの粒状物を得た。得られた粒状物は、ベタツキを呈
し、流動性に乏しく、取扱いの面倒なものであった。該
粒状物50gをアルミニウム製深皿に入れ、粒状物に振
動を与えながら、平均粒子径5μmのタルク微小粉末5
gをふりかけ上記粒状物に付着させることによって、粒
状皮膚用剤を得た。
【0035】得られた粒状皮膚用剤は、室温(20℃)
でベタつかず、流動性を有しており、粒状物相互に付着
しあうことのない、使い勝手の良いものであった。本剤
1粒を、左前腕部上にとり、右手第2指で圧すると、容
易に崩壊した。更に、そのまま右指を前腕上で移動する
と、崩壊した粒状物は容易に伸延し、皮膜などの異物は
何ら認められなかった。
【0036】本粒状物を、両手の指間にアトピー性皮膚
炎を惹起している患者の左手指間に1指間当たり、1回
に1粒の割合で5日間、朝晩各1回塗布した。6日目に
左右の指間を比較したところ、塗布処置を行った左手指
間の炎症は治癒していたが、処置しなかった右手指間の
炎症は増悪していた。このことから、本発明の粒状物は
抗炎症作用を有しているということがわかる。
【0037】さらに、得られた粒状皮膚用剤1gを下記
の組成を持つクリーム100gに練り込んで配合し、抗
炎症作用を有する粒状皮膚用剤含有クリームを得た。 クリームの組成:マイクロクリスタリンワックス9.0
%、固型パラフィン2.0%、スクワラン34.0%、
ミツロウ3.0%、ワセリン5.0%、還元ラノリン5
%、ヘキサデシルアジピン酸エステル10.0%、プロ
ピレングリコール5%、モノオレイン酸グリセリン1.
0%、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレイン酸エ
ステル1.0%、水24.5%、メチルパラベン0.5
【0038】実施例3 パルミチン酸デキサメタゾンエステル1gを、水素添加
牛脂(融点60℃)10g、ミツロウ20g、カカオ脂
10g、スクワラン10g、大豆油100gおよびマカ
ダミアナット油10gとともに70℃に加熱融解した。
融解物を30℃に調節した80容量%エタノール水溶液
中に滴下して粒状物とし、エタノール水溶液から取り出
し、室温で乾燥し、直径約2mmの粒状物を得た。得ら
れた粒状物は、ベタツキを呈した。該粒状物50gを、
平均粒子径5μmのステアリン酸亜鉛微小粉末5gを予
め入れたアルミニウム製深皿に入れ、これを強く揺り動
かしてステアリン酸亜鉛を付着させ、さらにこの上から
平均粒子径5μmのナイロンパウダー(東レ株式会社
製)5gを振りかけて付着させ、粒状皮膚用剤を得た。
【0039】得られた粒状皮膚用剤は、室温でベタつか
ず、流動性を有しており、粒状物相互にくっつきあうこ
とのない、使い勝手の良いもので、崩壊性、伸延性とも
に良好で、皮膚に塗布した時に皮膜などの残存が認めら
れないものであった。
【0040】粒状皮膚用剤を、慢性関節リウマチのため
に指関節にこわばりを起こしている患者に、1指当たり
1粒の割合で就寝前に塗布したところ、翌朝の起床時に
は、こわばりを感じなかった。
【0041】得られた粒状皮膚用剤1gを下記の組成の
軟膏100gに配合して、粒状皮膚用剤含有軟膏を得
た。 軟膏の組成:ステアリン酸8%、ステアリルアルコール
5%、ラノリン45%、モノステアリン酸グリセリン2
%、水40%
【0042】実施例4 アスコルビン酸ナトリウム1g、赤色色素(赤色10
6)10mg、甘草エキス1gを蒸留水50gに溶解
し、75℃に加熱した。この溶液を80℃に加熱融解し
たミツロウ5g、キャンデリラロウ10g、ラノリン5
g、イソプロピルパルミチン20g、綿実油50g、オ
リーブ油10g、ビタミンE0.5g、ソルビタントリ
オレイン酸エステル1gの混合物に添加し、ホモミキサ
ーを用いて攪拌、乳化させた。乳化後直ちに、40℃に
調節した65容量%エタノール水溶液中にノズルから射
出して粒状物とし、エタノール水溶液から取り出し、室
温で24時間乾燥し、直径約1.0〜2.0mmの粒状
物を得た。得られた粒状物50gをアルミニウム製深皿
に入れ、粒状物に振動を与えながら、平均粒子径2.5
μmのタルク微小粉末5gをふりかけ粒状物に付着さ
せ、さらにこの上から平均粒子径32μm以下のポリビ
ニルピロリドン微小粉末4gをふりかけ付着させ、粒状
皮膚用剤を得た。
【0043】得られた粒状皮膚用剤は、室温でベタつか
ず、流動性を有しており、粒状物相互にくっつきあうこ
とのない、使い勝手の良いもので、崩壊性、伸延性とも
に良好で、皮膚に塗布した時に皮膜などの残存が認めら
れないものであったばかりでなく、外観的にも赤色を呈
する美しいものであった。
【0044】得られた粒状皮膚用剤5gを、下記に示す
組成の化粧水100mlに添加して粒状物含有化粧水を
得た。 化粧水の組成:1,3−ブチレングリコール6%、グリ
セロール4%、オレイルアルコール0.1%、ポリオキ
シエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル0.5
%、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル
0.5%、エタノール10%、レモンオイル1%、水7
7.9%
【0045】実施例5 非ステロイド性抗炎症剤であるイブプロフェン5gをミ
ツロウ10g、カルナバロウ5g、ステアリン酸5g、
パルミチン酸5g、オレイン酸10g、オリーブ油80
g、スクワラン10gおよび大豆油20gとともに85
℃に加熱融解した。融解物を40℃に調節した80容量
%2−プロパノール水溶液中に滴下させ、直径約2.0
〜3.0mmの粒状物を得た。得られた粒状物100g
に、あらかじめ乳鉢で直径75μm以下に粉砕した(2
00メッシュ篩いを通過)β−サイクロデキストリン微
小粉末7gを添加付着させ、抗炎症性皮膚用剤を得た。
得られた抗炎症性皮膚用剤は、ベタツキは認められず、
良好な崩壊性と伸延性を示した。
【0046】該抗炎症性皮膚用剤10粒(約120m
g)を、筋・筋膜性腰痛を訴える患者の腰背部に塗布し
たところ、塗布15分後には痛みの消滅することが認め
られた。また、この皮膚用剤を室内でガラス瓶に入れ、
保存したところ、6ヶ月後にも粒状物相互の付着やベタ
ツキは認められず、良好に保存された。
【0047】実施例6 ミツロウ10g、キャンデリラロウ5g、パラフィン
(融点60℃)5g、サフラワー油20g、オリーブ油
30g、グリセリンモノステアリン酸エステル(HL
B:3.5)0.5g、ショ糖ステアリン酸エステル
(HLB:3)0.5g、甘草エキス1g、赤色102
号で着色した水25gとともに80℃に加熱融解した。
融解物を40℃に調節した70容量%エタノール水溶液
中にノズルから射出させ、直径1.0〜3.5mmの着
色粒状物を得た。得られた粒状物50gに、あらかじめ
乳鉢で直径75μm以下に粉砕した(200メッシュ篩
いを通過)ポリビニルピロリドン微小粉末4gを添加付
着させ粒状皮膚用剤を得た。得られた粒状皮膚用剤は、
ベタツキは認められず、良好な崩壊性と伸延性を示し
た。
【0048】さらに、得られた粒子径が約1.0〜3.
5mmの粒状皮膚用剤を7.5メッシュの標準ふるいを
用いて、粒子径が2.4mm以上と2.4mm未満に分
類したところ、粒の大きさが均一化され、さらに外観も
改善された。
【0049】実施例7 実施例6と同様の手順で、実施例1で得られた粒状物1
00gに表1に示す微小粉末を添加し、粒状皮膚用剤を
得た。得られた粒状皮膚用剤はいづれも、実施例1と同
様に、ベタツキは認められず、良好な崩壊性と伸延性を
示した。微小粉末の粒子径と添加量を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明の粒状皮膚用剤は、皮膚に容易に
塗布できる軟らかい状態であるにもかかわらず、粒子表
面のベタツキがなく、従って粒子同志もしくは容器や製
品の製造工程における機械の内壁などにくっつくことが
ない、取扱い性および作業効率が著しく向上したもので
あるばかりでなく、美観的にも優れたものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/00 L K 9/50 J L 35/78 C 8217−4C 45/00 ABE ADZ 47/02 D 47/12 D 47/26 D 47/32 D 47/34 D 47/36 D 47/42 D 47/44 B

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油状物質を含む粒状物と、該粒状物の表
    面に付着させられた微小粉末を含むことを特徴とする粒
    状皮膚用剤。
  2. 【請求項2】 微小粉末がタルク、カオリン、マイカ、
    ベントナイト、ホワイトカーボン、窒化ホウ素、二酸化
    チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカゲ
    ル、結晶セルロース、セルロース誘導体、脂肪酸亜鉛、
    脂肪酸カルシウム、脂肪酸アルミニウム、酸化亜鉛、単
    糖類、オリゴ糖類、多糖類、サイクロデキストリン、ヒ
    ドロキシエチル澱粉、ナイロン、ポリスチレン、シル
    ク、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、キ
    トサン、キチン、コラーゲン、DNA、RNA、血漿蛋
    白質およびアミノ酸からなる群から選ばれる一種以上で
    ある請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  3. 【請求項3】 微小粉末の粒子径が0.01〜500μ
    mである請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  4. 【請求項4】 微小粉末が粒状物に対し0.1〜30重
    量%付着している請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  5. 【請求項5】 油状物質が油脂類、ワックス類、脂肪酸
    類およびパラフィン類から選ばれる1種以上の成分から
    構成される請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  6. 【請求項6】 さらに油溶性物質を含む請求項1記載の
    粒状皮膚用剤。
  7. 【請求項7】 油溶性物質が炭化水素類、脂溶性ビタミ
    ン類、色素、香料、抗炎症剤、抗菌剤および動植物抽出
    物からなる群から選ばれる1種以上の成分から構成され
    る請求項6記載の粒状皮膚用剤。
  8. 【請求項8】 油状物質の成分が、融点の異なる二種以
    上の物質から構成される請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  9. 【請求項9】 油状物質および油溶性物質の成分が、融
    点の異なる二種以上の物質から構成される請求項6記載
    の粒状皮膚用剤。
  10. 【請求項10】 さらに界面活性剤および水および/ま
    たは水溶性物質を含む請求項1または6記載の粒状皮膚
    用剤。
  11. 【請求項11】 粒状物の直径が0.2〜10mmであ
    る請求項1記載の粒状皮膚用剤。
  12. 【請求項12】 請求項1、6または10の粒状皮膚用
    剤を含むクリーム。
  13. 【請求項13】 請求項1、6または10の粒状皮膚用
    剤を含む軟膏。
  14. 【請求項14】 請求項1、6または10の粒状皮膚用
    剤を含む乳液。
  15. 【請求項15】 請求項1、6または10の粒状皮膚用
    剤を含む化粧水。
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