JPH07248335A - 表面形状測定装置及び測定方法 - Google Patents
表面形状測定装置及び測定方法Info
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- JPH07248335A JPH07248335A JP6040227A JP4022794A JPH07248335A JP H07248335 A JPH07248335 A JP H07248335A JP 6040227 A JP6040227 A JP 6040227A JP 4022794 A JP4022794 A JP 4022794A JP H07248335 A JPH07248335 A JP H07248335A
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Landscapes
- Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 構成が簡単でしかも作製が容易なAFMカン
チレバーを備えた表面形状測定装置を提供する。 【構成】 原子間力検出用探針付きカンチレバーと、カ
ンチレバー上に二つの電極に挟まれて形成されカンチレ
バーの共振周波数付近の振動を励起するための圧電薄膜
と、圧電薄膜のインピーダンスを測定する手段を設けた
構造とする。
チレバーを備えた表面形状測定装置を提供する。 【構成】 原子間力検出用探針付きカンチレバーと、カ
ンチレバー上に二つの電極に挟まれて形成されカンチレ
バーの共振周波数付近の振動を励起するための圧電薄膜
と、圧電薄膜のインピーダンスを測定する手段を設けた
構造とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子間力を検出してナ
ノメータオーダで物体の表面形状を測定する表面形状測
定装置および測定方法に関する。
ノメータオーダで物体の表面形状を測定する表面形状測
定装置および測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分解能を有する表面測定装置には、原
子間力顕微鏡(AFM)があり、探針と被検物が接触す
るコンタクトモードではオングストロームオーダの解像
力を持つ装置が既に作製されている。しかしながら、コ
ンタクトモードでは探針と被検物の間の接触圧力が強
く、フォトレジスト等の柔らかい表面の測定では被検物
に傷を与えてしまい、またシリコン等の被検物では両者
の間に化学的結合が生ずること等の問題がある。さら
に、より高い解像力を得ることが要求されているため、
探針と被検物が接触しないノンコンタクトモードへの要
求が高まっている。このモードではカンチレバーを共振
させて使うため、通常のAFMの場合には複雑な変位検
出機構に加えて、セラミックス圧電振動子をカンチレバ
ーの励振のためにカンチレバー近傍に取り付ける必要が
ある。
子間力顕微鏡(AFM)があり、探針と被検物が接触す
るコンタクトモードではオングストロームオーダの解像
力を持つ装置が既に作製されている。しかしながら、コ
ンタクトモードでは探針と被検物の間の接触圧力が強
く、フォトレジスト等の柔らかい表面の測定では被検物
に傷を与えてしまい、またシリコン等の被検物では両者
の間に化学的結合が生ずること等の問題がある。さら
に、より高い解像力を得ることが要求されているため、
探針と被検物が接触しないノンコンタクトモードへの要
求が高まっている。このモードではカンチレバーを共振
させて使うため、通常のAFMの場合には複雑な変位検
出機構に加えて、セラミックス圧電振動子をカンチレバ
ーの励振のためにカンチレバー近傍に取り付ける必要が
ある。
【0003】また、もう一つのAFM開発の方向とし
て、カンチレバーの変位検出の手段として従来広く用い
られてきた光てこ等の光学的検出方法に換え、外部変位
検出機構の必要の無い単独で変位検出機構を持ったカン
チレバーの開発が挙げられる。このようなカンチレバー
に作り込むことのできる変位検出機構としては、カンチ
レバー上に圧電、ピエゾ抵抗部位を形成し、応力の変化
に対応するこれら特性の変化を読む方法、キャパシター
を形成して電気容量の変化を読む方法、さらにカンチレ
バー上に光導波路を形成して光学的干渉を測定する方法
などがある。
て、カンチレバーの変位検出の手段として従来広く用い
られてきた光てこ等の光学的検出方法に換え、外部変位
検出機構の必要の無い単独で変位検出機構を持ったカン
チレバーの開発が挙げられる。このようなカンチレバー
に作り込むことのできる変位検出機構としては、カンチ
レバー上に圧電、ピエゾ抵抗部位を形成し、応力の変化
に対応するこれら特性の変化を読む方法、キャパシター
を形成して電気容量の変化を読む方法、さらにカンチレ
バー上に光導波路を形成して光学的干渉を測定する方法
などがある。
【0004】上記二つのアプローチを同時に行うとすれ
ば、変位検出機構を持ったカンチレバーを励振用圧電セ
ラッミクス振動子と接合するか、あるいは励振用の圧電
薄膜を変位検出機構に併せて作製する必要がある。この
ことは素子デザインに大きな制限を加えると共に、カン
チレバー作製プロセスを極めて複雑なものとしてしま
う。
ば、変位検出機構を持ったカンチレバーを励振用圧電セ
ラッミクス振動子と接合するか、あるいは励振用の圧電
薄膜を変位検出機構に併せて作製する必要がある。この
ことは素子デザインに大きな制限を加えると共に、カン
チレバー作製プロセスを極めて複雑なものとしてしま
う。
【0005】この問題を回避する一つの手段として、音
叉型水晶振動子を原子間力検出用プローブとして用い、
ノンコンタクトモードでしかも外部変位検出手段を用い
ずに、表面形状を測定した例が報告されている(P. Gun
ther et al., Appl. Phys. B48,89-92)。また、この例
では水晶振動子を発振回路の一部として組み込み機械系
の共振点で安定な発振が得られるようにしてある。
叉型水晶振動子を原子間力検出用プローブとして用い、
ノンコンタクトモードでしかも外部変位検出手段を用い
ずに、表面形状を測定した例が報告されている(P. Gun
ther et al., Appl. Phys. B48,89-92)。また、この例
では水晶振動子を発振回路の一部として組み込み機械系
の共振点で安定な発振が得られるようにしてある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような音叉型水晶振動子を用いる方法では、水晶振動
子の先端に探針を形成することが困難で横分解能が極め
て低い。P. GuntherらのAFMでは大きな等価的な接触
面積を利用し空気抵抗が振動子に作用することを利用し
て初めて動作が可能になり、仮に振動子先端を鋭利に加
工できたとしても作用面積が小さくなり感度が落ちる。
また振動子のバネ定数が極めて高く、振動子が硬いた
め、力の感度即ち縦分解能を極めて低く設定する必要が
ある。また発振回路を構成しているため振動子の振幅が
大きくなっていることからも縦分解能を高くすることが
できない。
たような音叉型水晶振動子を用いる方法では、水晶振動
子の先端に探針を形成することが困難で横分解能が極め
て低い。P. GuntherらのAFMでは大きな等価的な接触
面積を利用し空気抵抗が振動子に作用することを利用し
て初めて動作が可能になり、仮に振動子先端を鋭利に加
工できたとしても作用面積が小さくなり感度が落ちる。
また振動子のバネ定数が極めて高く、振動子が硬いた
め、力の感度即ち縦分解能を極めて低く設定する必要が
ある。また発振回路を構成しているため振動子の振幅が
大きくなっていることからも縦分解能を高くすることが
できない。
【0007】本発明はこのような従来技術の問題に鑑み
て、先端に鋭利な探針を持ちしかも適切なバネ定数を有
し、単独で変位検出機構を備えノンコンタクトモードで
使われる、構成が簡単でしかも作製が容易なAFMカン
チレバーを備えた表面形状測定装置を提供することを目
的とする。
て、先端に鋭利な探針を持ちしかも適切なバネ定数を有
し、単独で変位検出機構を備えノンコンタクトモードで
使われる、構成が簡単でしかも作製が容易なAFMカン
チレバーを備えた表面形状測定装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来AF
Mカンチレバーの変位検出機構の一つとして使われてい
たカンチレバー上に形成された圧電薄膜をカンチレバー
を振動させるための駆動手段として使い、圧電薄膜のイ
ンピーダンス変化を測定することで、カンチレバーの振
動状態、言い換えると探針と被検物との間に働く力を知
ることができるとの着想を得た。
Mカンチレバーの変位検出機構の一つとして使われてい
たカンチレバー上に形成された圧電薄膜をカンチレバー
を振動させるための駆動手段として使い、圧電薄膜のイ
ンピーダンス変化を測定することで、カンチレバーの振
動状態、言い換えると探針と被検物との間に働く力を知
ることができるとの着想を得た。
【0009】よって本発明は「原子間力を検出して物体
の表面形状を測定する表面形状測定装置において、原子
間力検出用探針付きカンチレバーと、該カンチレバー上
に二つの電極に挟まれて形成されカンチレバーの共振周
波数付近の振動を励起するための圧電薄膜と、該圧電薄
膜のインピーダンスを測定する手段とからなることを特
徴とする表面形状測定装置(請求項1)」および、「原
子間力を検出して物体の表面形状を測定する表面形状測
定方法において、原子間力検出用探針付きカンチレバー
を、カンチレバー上に二つの電極に挟まれて形成された
圧電材料からなる薄膜によりカンチレバーの共振周波数
付近で振動させ、同時に圧電薄膜のインピーダンスを測
定して振動状態の変化を検出し、これにより表面形状を
測定することを特徴とする表面形状測定方法(請求項
6)」を提供する。
の表面形状を測定する表面形状測定装置において、原子
間力検出用探針付きカンチレバーと、該カンチレバー上
に二つの電極に挟まれて形成されカンチレバーの共振周
波数付近の振動を励起するための圧電薄膜と、該圧電薄
膜のインピーダンスを測定する手段とからなることを特
徴とする表面形状測定装置(請求項1)」および、「原
子間力を検出して物体の表面形状を測定する表面形状測
定方法において、原子間力検出用探針付きカンチレバー
を、カンチレバー上に二つの電極に挟まれて形成された
圧電材料からなる薄膜によりカンチレバーの共振周波数
付近で振動させ、同時に圧電薄膜のインピーダンスを測
定して振動状態の変化を検出し、これにより表面形状を
測定することを特徴とする表面形状測定方法(請求項
6)」を提供する。
【0010】
【作用】圧電薄膜の両側の電極に電界を加えると、横方
向の逆圧電効果(圧電定数d31で表される)により圧電
薄膜が膜面方向に伸縮しようとし、この薄膜が固着して
いるカンチレバーの長さは不変であるため、いわゆるユ
ニモルフとしての片持ち振動がカンチレバーに励起され
る。この時、駆動用電圧が圧電薄膜に印加された際の薄
膜に流れる電流を検出すれば圧電薄膜のインピーダンス
を知ることができる。圧電振動子のインピーダンスは加
える交流電圧の周波数が振動子に固有の共振周波数に近
づくとその前後で大きく変化する。従って、共振周波数
付近の周波数を持つ交流電圧を圧電薄膜に加えカンチレ
バーを振動させている場合、探針と被検物の間に原子間
力が作用するとカンチレバーの共振周波数がカンチレバ
ー単独の共振周波数からずれるため、インピーダンスが
大きく変化する。このインピーダンスの変化量から原子
間力を知ることができ、従って表面の形状に関する情報
を得ることができる。
向の逆圧電効果(圧電定数d31で表される)により圧電
薄膜が膜面方向に伸縮しようとし、この薄膜が固着して
いるカンチレバーの長さは不変であるため、いわゆるユ
ニモルフとしての片持ち振動がカンチレバーに励起され
る。この時、駆動用電圧が圧電薄膜に印加された際の薄
膜に流れる電流を検出すれば圧電薄膜のインピーダンス
を知ることができる。圧電振動子のインピーダンスは加
える交流電圧の周波数が振動子に固有の共振周波数に近
づくとその前後で大きく変化する。従って、共振周波数
付近の周波数を持つ交流電圧を圧電薄膜に加えカンチレ
バーを振動させている場合、探針と被検物の間に原子間
力が作用するとカンチレバーの共振周波数がカンチレバ
ー単独の共振周波数からずれるため、インピーダンスが
大きく変化する。このインピーダンスの変化量から原子
間力を知ることができ、従って表面の形状に関する情報
を得ることができる。
【0011】圧電薄膜を駆動・検出兼用の電気系の一部
として組み込み、帰還回路を構成すれば、駆動用電圧を
リファレンスとして、圧電薄膜に流れる電流を容易に位
相検波することができる。また、帰還回路の増幅率と位
相を調整すれば、AFMカンチレバーと回路からなる系
全体の振動のクオリティーファクター(Q値)をAFM
カンチレバーの単独のQ値より高めることができ、結果
として検出感度が向上する。
として組み込み、帰還回路を構成すれば、駆動用電圧を
リファレンスとして、圧電薄膜に流れる電流を容易に位
相検波することができる。また、帰還回路の増幅率と位
相を調整すれば、AFMカンチレバーと回路からなる系
全体の振動のクオリティーファクター(Q値)をAFM
カンチレバーの単独のQ値より高めることができ、結果
として検出感度が向上する。
【0012】効率の良いカンチレバーの励振を行うため
には、鉛系複合酸化物強誘電材料、特にチタン酸ジルコ
ニウム酸鉛複合酸化物の相境界領域組成からなる強誘電
材料を使用することが望ましい。鉛はカンチレバーを構
成するシリコン、窒化珪素、酸化珪素等の材料と極めて
反応性が高い。従って、鉛系複合酸化物を薄膜材料とし
て用いた場合、薄膜とカンチレバーの間に形成される電
極がこれらの化学反応に対する原子拡散バリヤーとして
の機能が高くないと、成膜時に鉛とカンチレバー材料の
間で反応が起こってしまう。白金はこの原子拡散バリヤ
ーとしての効果が著しく高い。
には、鉛系複合酸化物強誘電材料、特にチタン酸ジルコ
ニウム酸鉛複合酸化物の相境界領域組成からなる強誘電
材料を使用することが望ましい。鉛はカンチレバーを構
成するシリコン、窒化珪素、酸化珪素等の材料と極めて
反応性が高い。従って、鉛系複合酸化物を薄膜材料とし
て用いた場合、薄膜とカンチレバーの間に形成される電
極がこれらの化学反応に対する原子拡散バリヤーとして
の機能が高くないと、成膜時に鉛とカンチレバー材料の
間で反応が起こってしまう。白金はこの原子拡散バリヤ
ーとしての効果が著しく高い。
【0013】
【実施例】本発明に基づく、駆動用圧電薄膜が形成され
た探針付きAFMカンチレバーの基本構成を図1に示
す。作製方法としては、特願平5ー180532で開示
された方法に準じた。すなわち、シリコン基板(1)上
に窒化珪素膜(4)をCVD法で形成し、反応性ドライ
エッチングにより探針(3)に当たる部分の窒化珪素膜
を除去し、水酸化カリウムで異方性エッチングにより探
針となるエッチピットを形成する。CVD法によりさら
に窒化珪素を堆積し、この上にバッファー層となる酸化
マグネシウム(5)をスパッタ法により成膜する。続い
て、通常のフォトリソグラフィーとスパッタ法により白
金下部電極(6)パターンを形成する。さらに、フォト
リソグラフィーによりレジストパターンを形成し、カン
チレバー(2)本体とその基体となる部分以外の酸化マ
グネシウム、窒化珪素膜を反応性ドライエッチングによ
り除去し、異方性エッチングによりカンチレバー本体を
形成する。この後、スパッタ法によりPZT膜(7)を
形成し、最後に白金上部電極(8)をマスク蒸着により
作製する。尚、圧電効果をより有効に取り出すため、
上、下部電極を用いてPZT膜に対して分極処理を施す
ことが望ましい。
た探針付きAFMカンチレバーの基本構成を図1に示
す。作製方法としては、特願平5ー180532で開示
された方法に準じた。すなわち、シリコン基板(1)上
に窒化珪素膜(4)をCVD法で形成し、反応性ドライ
エッチングにより探針(3)に当たる部分の窒化珪素膜
を除去し、水酸化カリウムで異方性エッチングにより探
針となるエッチピットを形成する。CVD法によりさら
に窒化珪素を堆積し、この上にバッファー層となる酸化
マグネシウム(5)をスパッタ法により成膜する。続い
て、通常のフォトリソグラフィーとスパッタ法により白
金下部電極(6)パターンを形成する。さらに、フォト
リソグラフィーによりレジストパターンを形成し、カン
チレバー(2)本体とその基体となる部分以外の酸化マ
グネシウム、窒化珪素膜を反応性ドライエッチングによ
り除去し、異方性エッチングによりカンチレバー本体を
形成する。この後、スパッタ法によりPZT膜(7)を
形成し、最後に白金上部電極(8)をマスク蒸着により
作製する。尚、圧電効果をより有効に取り出すため、
上、下部電極を用いてPZT膜に対して分極処理を施す
ことが望ましい。
【0014】この様に従来のシリコンプロセスを応用す
れば、本発明のAFMカンチレバーは、従来のカンチレ
バーと同程度の鋭利な探針と適切なバネ定数を持つこと
が可能であり、またPZT膜及び電極の構造が単純であ
るためプロセスに対する負担は殆ど変わらない。また、
圧電膜をカンチレバーに載せたことで、自分自身が単独
で駆動できるという、水晶振動子プローブと基本的に同
じ作用を持つことができるようになった。
れば、本発明のAFMカンチレバーは、従来のカンチレ
バーと同程度の鋭利な探針と適切なバネ定数を持つこと
が可能であり、またPZT膜及び電極の構造が単純であ
るためプロセスに対する負担は殆ど変わらない。また、
圧電膜をカンチレバーに載せたことで、自分自身が単独
で駆動できるという、水晶振動子プローブと基本的に同
じ作用を持つことができるようになった。
【0015】図2に、本発明に基づく圧電薄膜を持つA
FMカンチレバーを使用し圧電薄膜を帰還回路の一部と
した表面形状測定の一態様を示す。発振器(9)よりA
FMカンチレバー(13)の共振周波数付近の交流駆動
信号をカンチレバー上の圧電薄膜へ加える。共振周波数
付近では圧電薄膜のインピーダンスは図3に示すように
大きく変化する。例えば、図中(a)で示される周波数
でカンチレバーを駆動するとする。圧電薄膜に流れる電
流は検出抵抗(12)により電圧として高抵抗差動アン
プ(14)により検出し、位相補正回路(15)により
駆動信号に対して位相を合わせ、同時にゲイン可変アン
プ(10)によりゲインを調整し、ロックインアンプ
(11)により位相検波を行い、測定する。この際、正
帰還回路の増幅率と位相を調整してAFMカンチレバー
と電気回路とからなる系全体のQ値をカンチレバー単独
のQ値より高めることにより、検出感度をさらに向上さ
せることもできる。
FMカンチレバーを使用し圧電薄膜を帰還回路の一部と
した表面形状測定の一態様を示す。発振器(9)よりA
FMカンチレバー(13)の共振周波数付近の交流駆動
信号をカンチレバー上の圧電薄膜へ加える。共振周波数
付近では圧電薄膜のインピーダンスは図3に示すように
大きく変化する。例えば、図中(a)で示される周波数
でカンチレバーを駆動するとする。圧電薄膜に流れる電
流は検出抵抗(12)により電圧として高抵抗差動アン
プ(14)により検出し、位相補正回路(15)により
駆動信号に対して位相を合わせ、同時にゲイン可変アン
プ(10)によりゲインを調整し、ロックインアンプ
(11)により位相検波を行い、測定する。この際、正
帰還回路の増幅率と位相を調整してAFMカンチレバー
と電気回路とからなる系全体のQ値をカンチレバー単独
のQ値より高めることにより、検出感度をさらに向上さ
せることもできる。
【0016】共振しているAFMカンチレバーの探針と
被検物との間に力が働くと、共振特性は図3中に示すよ
うに低周波数側へシフトする。この時、圧電薄膜のイン
ピーダンスは(a)から(a’)へと変化し、これをロ
ックインアンプで検出すれば、原子間力の変化、すなわ
被検物の表面形状を知ることができる。また、従来のA
FMのフィードバックモードのように、インピーダンス
一定になるようにAFM走査系に帰還することで引力走
査状態を保ちながら被検物に与えるダメージを極めて少
なくして測定することが可能である。
被検物との間に力が働くと、共振特性は図3中に示すよ
うに低周波数側へシフトする。この時、圧電薄膜のイン
ピーダンスは(a)から(a’)へと変化し、これをロ
ックインアンプで検出すれば、原子間力の変化、すなわ
被検物の表面形状を知ることができる。また、従来のA
FMのフィードバックモードのように、インピーダンス
一定になるようにAFM走査系に帰還することで引力走
査状態を保ちながら被検物に与えるダメージを極めて少
なくして測定することが可能である。
【0017】
【発明の効果】以上の通り、本発明に従えば、ノンコン
タクトモードで使われ、単独で変位検出機構を備え、適
切なバネ定数を有し、しかも構成が簡単で作製が容易な
AFMカンチレバーを備えた表面形状測定装置が得られ
る。
タクトモードで使われ、単独で変位検出機構を備え、適
切なバネ定数を有し、しかも構成が簡単で作製が容易な
AFMカンチレバーを備えた表面形状測定装置が得られ
る。
【図1】 本発明に基づく、駆動用圧電薄膜が形成され
た探針付きAFMカンチレバーの基本構成を示す図であ
る。
た探針付きAFMカンチレバーの基本構成を示す図であ
る。
【図2】 本発明に基づく、圧電薄膜を持つAFMカン
チレバーを使用し圧電薄膜を帰還回路の一部とした表面
形状測定の一態様を示す図である。
チレバーを使用し圧電薄膜を帰還回路の一部とした表面
形状測定の一態様を示す図である。
【図3】 圧電薄膜のインピーダンスの共振特性を示す
図である。
図である。
1 基板 2 カンチレバー 3 探針 4 窒化珪素膜 5 酸化マグネシウム膜 6 下部電極 7 PZT膜 8 上部電極 9 発振器 10 ゲイン可変アンプ 11 ロックインアンプ 12 電流検出用抵抗 13 AFMカンチレバー 14 高抵抗作動アンプ 15 位相補正回路
フロントページの続き (72)発明者 三五 貴敬 東京都千代田区丸の内3丁目2番3号 株 式会社ニコン内
Claims (6)
- 【請求項1】原子間力を検出して物体の表面形状を測定
する表面形状測定装置において、原子間力検出用探針付
きカンチレバーと、該カンチレバー上に二つの電極に挟
まれて形成されカンチレバーの共振周波数付近の振動を
励起するための圧電薄膜と、該圧電薄膜のインピーダン
スを測定する手段とからなることを特徴とする表面形状
測定装置。 - 【請求項2】請求項1に記載の表面形状測定装置におい
て、カンチレバー上の圧電薄膜が帰還回路の一部を構成
することを特徴とする表面形状測定装置。 - 【請求項3】請求項1に記載の表面形状測定装置におい
て、圧電材料が鉛系複合酸化物強誘電材料であることを
特徴とする表面形状測定装置。 - 【請求項4】請求項1に記載の表面形状測定装置におい
て、圧電材料がチタン酸ジルコニウム酸鉛強誘電材料で
あることを特徴とする表面形状測定装置。 - 【請求項5】請求項3または請求項4に記載の表面形状
測定装置において、圧電材料からなる薄膜とカンチレバ
ーの間に形成される電極が白金であることを特徴とする
表面形状測定装置。 - 【請求項6】原子間力を検出して物体の表面形状を測定
する表面形状測定方法において、原子間力検出用探針付
きカンチレバーを、カンチレバー上に二つの電極に挟ま
れて形成された圧電材料からなる薄膜によりカンチレバ
ーの共振周波数付近で振動させ、同時に圧電薄膜のイン
ピーダンスを測定して振動状態の変化を検出し、これに
より表面形状を測定することを特徴とする表面形状測定
方法。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6040227A JPH07248335A (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 表面形状測定装置及び測定方法 |
US08/276,021 US5537863A (en) | 1993-07-15 | 1994-07-15 | Scanning probe microscope having a cantilever used therein |
US08/566,631 US5689063A (en) | 1993-07-15 | 1995-12-04 | Atomic force microscope using cantilever attached to optical microscope |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6040227A JPH07248335A (ja) | 1994-03-11 | 1994-03-11 | 表面形状測定装置及び測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07248335A true JPH07248335A (ja) | 1995-09-26 |
Family
ID=12574867
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6040227A Pending JPH07248335A (ja) | 1993-07-15 | 1994-03-11 | 表面形状測定装置及び測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07248335A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003042924A (ja) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 粘度を測定するための方法及び装置 |
US20120192320A1 (en) * | 2009-08-06 | 2012-07-26 | Hitoshi Asakawa | Cantilever excitation device and scanning probe microscope |
-
1994
- 1994-03-11 JP JP6040227A patent/JPH07248335A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003042924A (ja) * | 2001-07-31 | 2003-02-13 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | 粘度を測定するための方法及び装置 |
US20120192320A1 (en) * | 2009-08-06 | 2012-07-26 | Hitoshi Asakawa | Cantilever excitation device and scanning probe microscope |
US8505111B2 (en) * | 2009-08-06 | 2013-08-06 | National University Corporation Kanazawa University | Cantilever excitation device and scanning probe microscope |
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