JPH0724616A - ドリル - Google Patents
ドリルInfo
- Publication number
- JPH0724616A JPH0724616A JP16358493A JP16358493A JPH0724616A JP H0724616 A JPH0724616 A JP H0724616A JP 16358493 A JP16358493 A JP 16358493A JP 16358493 A JP16358493 A JP 16358493A JP H0724616 A JPH0724616 A JP H0724616A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tip
- drill
- cutting edge
- cutting
- edge portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 claims abstract description 234
- 230000002093 peripheral effect Effects 0.000 claims abstract description 20
- 239000000463 material Substances 0.000 abstract description 55
- 238000007599 discharging Methods 0.000 abstract description 7
- 239000004918 carbon fiber reinforced polymer Substances 0.000 abstract description 6
- 239000002994 raw material Substances 0.000 abstract 1
- 230000000452 restraining effect Effects 0.000 abstract 1
- 238000005553 drilling Methods 0.000 description 22
- 230000001154 acute effect Effects 0.000 description 11
- 238000003892 spreading Methods 0.000 description 11
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 6
- 230000006866 deterioration Effects 0.000 description 5
- 229920002430 Fibre-reinforced plastic Polymers 0.000 description 4
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 4
- 239000011151 fibre-reinforced plastic Substances 0.000 description 4
- 235000019589 hardness Nutrition 0.000 description 4
- 230000003746 surface roughness Effects 0.000 description 3
- 238000005219 brazing Methods 0.000 description 2
- 239000000470 constituent Substances 0.000 description 2
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 2
- 239000010730 cutting oil Substances 0.000 description 2
- -1 for example Substances 0.000 description 2
- 230000001771 impaired effect Effects 0.000 description 2
- 238000004519 manufacturing process Methods 0.000 description 2
- 229920000049 Carbon (fiber) Polymers 0.000 description 1
- 239000004917 carbon fiber Substances 0.000 description 1
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 1
- 238000013016 damping Methods 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000002474 experimental method Methods 0.000 description 1
- 239000003365 glass fiber Substances 0.000 description 1
- 230000020169 heat generation Effects 0.000 description 1
- 238000003754 machining Methods 0.000 description 1
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 1
- 150000002739 metals Chemical class 0.000 description 1
- VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N methane Chemical compound C VNWKTOKETHGBQD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000012779 reinforcing material Substances 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Drilling Tools (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ドリル本体21の先端に切刃チップ24を固
着し、ドリル軸線Oに沿って2条の切屑排出溝25,2
5を形成するとともに先端逃げ面26,27を設ける。
この切屑排出溝25,25底面のドリル回転方向を向く
壁面25a,25aと先端逃げ面26,27との交差稜
線部に沿って、それぞれドリル回転中心Cから外周側に
向かうに従ってドリル軸線方向先端側に向かう第1の切
刃部30a,31aと、これら第1の切刃部30a,3
1aに交点32,33で連なりドリル外周側に向かうに
従いドリル軸線方向基端側に向かう第2の切刃部30
b,31bとから構成される先端切刃30,31を形成
する。また先端逃げ面26,27にはエアーホール35
A,35Bを形成する。 【効果】 高い求心性が得られるとともに、被削材の切
削部位の高温化やバリの発生が抑えられ、特にCFRP
素材の加工に最適である。
着し、ドリル軸線Oに沿って2条の切屑排出溝25,2
5を形成するとともに先端逃げ面26,27を設ける。
この切屑排出溝25,25底面のドリル回転方向を向く
壁面25a,25aと先端逃げ面26,27との交差稜
線部に沿って、それぞれドリル回転中心Cから外周側に
向かうに従ってドリル軸線方向先端側に向かう第1の切
刃部30a,31aと、これら第1の切刃部30a,3
1aに交点32,33で連なりドリル外周側に向かうに
従いドリル軸線方向基端側に向かう第2の切刃部30
b,31bとから構成される先端切刃30,31を形成
する。また先端逃げ面26,27にはエアーホール35
A,35Bを形成する。 【効果】 高い求心性が得られるとともに、被削材の切
削部位の高温化やバリの発生が抑えられ、特にCFRP
素材の加工に最適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にガラス繊維や炭素
繊維等の強化材を用いた繊維強化プラスチック(FR
P)の穴明け加工に最適なドリルに関するものである。
繊維等の強化材を用いた繊維強化プラスチック(FR
P)の穴明け加工に最適なドリルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような繊維強化プラスチックのう
ち、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、
従前の金属などに比べて比剛性、比強度、耐疲労性、耐
摩耗性、耐薬品性、および振動減衰性等に優れていると
いう数多くの長所を有しており、このようなCFRP素
材を用いた製品は日用品から航空宇宙機器に至るまで幅
広い分野に適用されている。そして、その用途も、2次
構成部材から1次構成部材へと、また小型単純形状部材
から大型単純形状部材へと、さらに小型複雑形状部材か
ら大型複雑形状部材へと拡大しつつあり、これに伴いこ
のようなCFRP素材を加工する工具に対して高い加工
性能が要求されるようになってきた。
ち、例えば炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は、
従前の金属などに比べて比剛性、比強度、耐疲労性、耐
摩耗性、耐薬品性、および振動減衰性等に優れていると
いう数多くの長所を有しており、このようなCFRP素
材を用いた製品は日用品から航空宇宙機器に至るまで幅
広い分野に適用されている。そして、その用途も、2次
構成部材から1次構成部材へと、また小型単純形状部材
から大型単純形状部材へと、さらに小型複雑形状部材か
ら大型複雑形状部材へと拡大しつつあり、これに伴いこ
のようなCFRP素材を加工する工具に対して高い加工
性能が要求されるようになってきた。
【0003】ここで図4ないし図8に示すのは、このよ
うなCFPR素材の穴明け加工に使用されていた従来の
ドリルである。これらのドリルのうち、図4ないし図6
に示すのはいわゆるガンドリルと称されるものであっ
て、そのドリル本体1は図示しない工作機械の工具把持
部に装着されてドリル軸線O回りに回転される円筒状の
ドライバー2と、このドライバー2の中心孔に同軸的に
嵌合されるシャンク3と、このシャンク3の先端にロウ
付け等により固着された超硬合金製の切刃チップ4とか
ら構成されている。
うなCFPR素材の穴明け加工に使用されていた従来の
ドリルである。これらのドリルのうち、図4ないし図6
に示すのはいわゆるガンドリルと称されるものであっ
て、そのドリル本体1は図示しない工作機械の工具把持
部に装着されてドリル軸線O回りに回転される円筒状の
ドライバー2と、このドライバー2の中心孔に同軸的に
嵌合されるシャンク3と、このシャンク3の先端にロウ
付け等により固着された超硬合金製の切刃チップ4とか
ら構成されている。
【0004】このドリル本体1の外周には切刃チップ4
からシャンク3にかけて、切刃チップ4の先端面に開口
してドリル軸線方向基端側に向かう1条の切屑排出溝5
が形成されている。この切屑排出溝5は、その底面がド
リル回転方向(図6において反時計回り方向)を向く面
5aとドリル回転方向後方側を向く面5bとから構成さ
れていて、図6に示すように上記ドリル軸線Oと直交す
る断面視において略V字型をなすように形成されてい
る。また切刃チップ4の先端面には、この切屑排出溝5
の開口部から上記ドリル回転方向の後方側に連なるよう
に先端逃げ面6が設けられている。そして、この切刃チ
ップ4の先端には、切屑排出溝5の上記ドリル回転方向
を向く面5aと先端逃げ面6との交差稜線部に沿って、
ドリル本体1先端の回転中心C近傍から外周に達する先
端切刃7が形成されている。
からシャンク3にかけて、切刃チップ4の先端面に開口
してドリル軸線方向基端側に向かう1条の切屑排出溝5
が形成されている。この切屑排出溝5は、その底面がド
リル回転方向(図6において反時計回り方向)を向く面
5aとドリル回転方向後方側を向く面5bとから構成さ
れていて、図6に示すように上記ドリル軸線Oと直交す
る断面視において略V字型をなすように形成されてい
る。また切刃チップ4の先端面には、この切屑排出溝5
の開口部から上記ドリル回転方向の後方側に連なるよう
に先端逃げ面6が設けられている。そして、この切刃チ
ップ4の先端には、切屑排出溝5の上記ドリル回転方向
を向く面5aと先端逃げ面6との交差稜線部に沿って、
ドリル本体1先端の回転中心C近傍から外周に達する先
端切刃7が形成されている。
【0005】またドリル本体1内には、ドリル軸線方向
に沿ってドライバー2からシャンク3を通り切刃チップ
4にまで、当該ドリル本体1を貫通するように断面円形
の中空管路8が穿設されている。この中空管路8は、ド
リル本体1の先端に冷却や切屑排出のための圧縮空気や
切削油等を供給したりするためのものであって、この中
空管路8の先端は上記先端逃げ面6に開口せしめられて
エアーホール(図示略)を形成している。
に沿ってドライバー2からシャンク3を通り切刃チップ
4にまで、当該ドリル本体1を貫通するように断面円形
の中空管路8が穿設されている。この中空管路8は、ド
リル本体1の先端に冷却や切屑排出のための圧縮空気や
切削油等を供給したりするためのものであって、この中
空管路8の先端は上記先端逃げ面6に開口せしめられて
エアーホール(図示略)を形成している。
【0006】一方、図7に示すのはフラットフルートド
リルと称されるものであって、超硬合金等からなる軸状
のドリル本体11の先端には、ドリル軸線Oを挟み、ド
リル軸線方向基端側に向かうに従いドリル本体11の外
周側に向かう一対の傾斜面12,12が形成されてい
る。さらに、これらの傾斜面12,12の両側部は、当
該ドリル本体11先端の回転中心Cから外周側に向かう
に従いドリル軸線方向基端側に後退する方向に切り欠か
れていて、ここに一対の切欠面13,13が形成されて
おり、これによりドリル本体11先端は矢じり状に成形
されている。そして、このドリル本体11先端の、上記
傾斜面12,12のドリル回転方向を向く側部と切欠面
13,13との交差稜線部には、ドリル軸線Oに関して
対称となるように2つの先端切刃14,14が形成され
ており、その先端角θ1は一般に鋭角に設定されてい
る。
リルと称されるものであって、超硬合金等からなる軸状
のドリル本体11の先端には、ドリル軸線Oを挟み、ド
リル軸線方向基端側に向かうに従いドリル本体11の外
周側に向かう一対の傾斜面12,12が形成されてい
る。さらに、これらの傾斜面12,12の両側部は、当
該ドリル本体11先端の回転中心Cから外周側に向かう
に従いドリル軸線方向基端側に後退する方向に切り欠か
れていて、ここに一対の切欠面13,13が形成されて
おり、これによりドリル本体11先端は矢じり状に成形
されている。そして、このドリル本体11先端の、上記
傾斜面12,12のドリル回転方向を向く側部と切欠面
13,13との交差稜線部には、ドリル軸線Oに関して
対称となるように2つの先端切刃14,14が形成され
ており、その先端角θ1は一般に鋭角に設定されてい
る。
【0007】さらに図8に示すのは、いわゆるローソク
タイプと称されるドリルである。このドリルでは、ドリ
ル本体15の外周に2条の螺旋状の切屑排出溝16,1
6が形成されており、一方このドリル本体15の先端に
は、その先端面と上記切屑排出溝16,16の底面との
交差稜線部に沿って、2つの先端切刃17,17がドリ
ル軸線Oに関して対称となるように形成されていて、こ
の先端切刃17,17の先端角θ2は一般に鈍角となる
ように設定されている。
タイプと称されるドリルである。このドリルでは、ドリ
ル本体15の外周に2条の螺旋状の切屑排出溝16,1
6が形成されており、一方このドリル本体15の先端に
は、その先端面と上記切屑排出溝16,16の底面との
交差稜線部に沿って、2つの先端切刃17,17がドリ
ル軸線Oに関して対称となるように形成されていて、こ
の先端切刃17,17の先端角θ2は一般に鈍角となる
ように設定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のドリルはそれぞれに、穴明け加工上の、あるいは当該
ドリルを製造する際の成形上の問題点を有している。す
なわち、まず図4ないし図6に示したガンドリルでは先
端切刃7が1つであるので、切削時に先端切刃7に作用
する切削抵抗によりドリル本体1がその径方向に受ける
力がドリルの回転に伴って逐次変化し、これによってド
リル本体1が径方向にぶれてしまって形成される穴径の
増大を招いたり、真円度や面精度が低下したりしてしま
う。また、先端切刃7が一つであるのでドリル1回転当
りの切削量も限られたものとなり、このため軸方向の送
りを大きくできないなど加工条件も限定されたものとな
る。
のドリルはそれぞれに、穴明け加工上の、あるいは当該
ドリルを製造する際の成形上の問題点を有している。す
なわち、まず図4ないし図6に示したガンドリルでは先
端切刃7が1つであるので、切削時に先端切刃7に作用
する切削抵抗によりドリル本体1がその径方向に受ける
力がドリルの回転に伴って逐次変化し、これによってド
リル本体1が径方向にぶれてしまって形成される穴径の
増大を招いたり、真円度や面精度が低下したりしてしま
う。また、先端切刃7が一つであるのでドリル1回転当
りの切削量も限られたものとなり、このため軸方向の送
りを大きくできないなど加工条件も限定されたものとな
る。
【0009】一方、図7に示したようなフラットフルー
トドリルでは、ドリル本体11の先端に2つの先端切刃
14,14が形成されているため、両先端切刃14,1
4に作用する切削抵抗の上記径方向の分力が互いに相殺
し合うこととなり、またドリル1回転当りの切削量も先
端切刃が1つの場合に比べて計算上は2倍とすることが
できる。
トドリルでは、ドリル本体11の先端に2つの先端切刃
14,14が形成されているため、両先端切刃14,1
4に作用する切削抵抗の上記径方向の分力が互いに相殺
し合うこととなり、またドリル1回転当りの切削量も先
端切刃が1つの場合に比べて計算上は2倍とすることが
できる。
【0010】ところが、このようなフラットフルートド
リルでは、上記ガンドリルの先端逃げ面に形成したよう
なエアーホールを設けることが困難となる。これはすな
わち、先端切刃14,14の先端角θ1を鋭角に設定す
ることによってドリル本体11の先端に形成される傾斜
面12,12の傾斜角も小さくならざるを得ず、従って
ドリル本体11にこれら傾斜面12,12に開口する中
空管路を貫設しても、その開口部は図7に破線で示すよ
うにドリル軸線方向基端側に後退した楕円となってしま
うからである。このため、このようなフラットフルート
ドリルでは、先端切刃14,14の最先端にまで十分に
圧縮空気や切削油等が供給されず、切削部位が著しく高
温となったり、切屑詰まりや切削抵抗の増大を引き起こ
すおそれがある。そして、特に被削材が上述したような
CFRP材などの場合には、切削部位が高温となると被
削材の材質が劣化するという弊害が生じてしまう。
リルでは、上記ガンドリルの先端逃げ面に形成したよう
なエアーホールを設けることが困難となる。これはすな
わち、先端切刃14,14の先端角θ1を鋭角に設定す
ることによってドリル本体11の先端に形成される傾斜
面12,12の傾斜角も小さくならざるを得ず、従って
ドリル本体11にこれら傾斜面12,12に開口する中
空管路を貫設しても、その開口部は図7に破線で示すよ
うにドリル軸線方向基端側に後退した楕円となってしま
うからである。このため、このようなフラットフルート
ドリルでは、先端切刃14,14の最先端にまで十分に
圧縮空気や切削油等が供給されず、切削部位が著しく高
温となったり、切屑詰まりや切削抵抗の増大を引き起こ
すおそれがある。そして、特に被削材が上述したような
CFRP材などの場合には、切削部位が高温となると被
削材の材質が劣化するという弊害が生じてしまう。
【0011】さらに、上述のように先端切刃14,14
の先端角θ1を鋭角に設定すると、各先端切刃14はド
リル軸線方向に長尺化してしまうことになる。このた
め、被削材に貫通孔を形成する際に送りが同じ場合に
は、上記ローソクタイプドリルなどの先端角が鈍角に設
定されたドリルに比べ、先端切刃が被削材に食いついて
から先端切刃の後端が被削材を完全に貫通するまでに長
時間を必要とし、加工時間の増加が避けられないという
欠点が生じる。さらにまた、先端角θ1が鋭角であるた
め、切刃強度の確保が困難で欠けが生じ易いという欠点
もある。
の先端角θ1を鋭角に設定すると、各先端切刃14はド
リル軸線方向に長尺化してしまうことになる。このた
め、被削材に貫通孔を形成する際に送りが同じ場合に
は、上記ローソクタイプドリルなどの先端角が鈍角に設
定されたドリルに比べ、先端切刃が被削材に食いついて
から先端切刃の後端が被削材を完全に貫通するまでに長
時間を必要とし、加工時間の増加が避けられないという
欠点が生じる。さらにまた、先端角θ1が鋭角であるた
め、切刃強度の確保が困難で欠けが生じ易いという欠点
もある。
【0012】他方、図8に示す上記ローソクタイプのド
リルの場合は、先端切刃17,17の先端角θ2が鈍角
に設定されているため、エアーホールをドリル回転中心
部Cの近傍に形成することが可能であり、また先端角を
鋭角に設定したことによる加工時間の増加や切刃の欠け
等の欠点は防ぐことができる。しかしながら、このよう
に先端角θ2を鈍角とした場合には、被削材への先端先
端切刃17,17の食いつきが悪化し、かつ先端角が鋭
角の場合に比べて先端先端切刃17,17が被削材を押
し広げながら切削するような切削形態となるため、概し
てドリルの案内性が損なわれて穴明け加工時にドリルに
ぶれが生じ、形成される穴の真円度や面精度の劣化を一
層助長する結果となる。さらに、先端切刃17,17に
よる被削材の押し広げ作用が強くなることから、例えば
被削材に貫通孔を形成する場合の抜けぎわ等に、バリが
発生し易くなってしまう。そして、これは上記CFRP
材等に穴明け加工を行う場合に特にその傾向が顕著とな
る。さらにまた、このようなローソクタイプのドリルで
は切屑排出溝16,16が螺旋状に形成されているた
め、その全長も自ずと長くなり、このため切屑排出性が
悪化してしまうという問題もある。
リルの場合は、先端切刃17,17の先端角θ2が鈍角
に設定されているため、エアーホールをドリル回転中心
部Cの近傍に形成することが可能であり、また先端角を
鋭角に設定したことによる加工時間の増加や切刃の欠け
等の欠点は防ぐことができる。しかしながら、このよう
に先端角θ2を鈍角とした場合には、被削材への先端先
端切刃17,17の食いつきが悪化し、かつ先端角が鋭
角の場合に比べて先端先端切刃17,17が被削材を押
し広げながら切削するような切削形態となるため、概し
てドリルの案内性が損なわれて穴明け加工時にドリルに
ぶれが生じ、形成される穴の真円度や面精度の劣化を一
層助長する結果となる。さらに、先端切刃17,17に
よる被削材の押し広げ作用が強くなることから、例えば
被削材に貫通孔を形成する場合の抜けぎわ等に、バリが
発生し易くなってしまう。そして、これは上記CFRP
材等に穴明け加工を行う場合に特にその傾向が顕著とな
る。さらにまた、このようなローソクタイプのドリルで
は切屑排出溝16,16が螺旋状に形成されているた
め、その全長も自ずと長くなり、このため切屑排出性が
悪化してしまうという問題もある。
【0013】このような問題点に加えてこれらのドリル
では、先端切刃がそのドリル軸線方向最先端の一点で被
削材に食いついて切削が進行することになるため、例え
ば上記CFPR材など、硬質な部分とそうでない部分と
が混在している被削材を加工する場合や、あるいは球面
等の曲面に穴明け加工を施す場合に、上記先端切刃の被
削材に食いつく点が被削材の硬度の境界面や曲面に蹴ら
れてずれ動き、求芯性が著しく損なわれてしまうおそれ
がある。そして、これによりドリル軸線に振れが生じて
形成される穴径の拡大を招いたり、穴明け加工の際の進
捗度や形成された穴の面精度が著しく劣化してしまう結
果となってしまう。
では、先端切刃がそのドリル軸線方向最先端の一点で被
削材に食いついて切削が進行することになるため、例え
ば上記CFPR材など、硬質な部分とそうでない部分と
が混在している被削材を加工する場合や、あるいは球面
等の曲面に穴明け加工を施す場合に、上記先端切刃の被
削材に食いつく点が被削材の硬度の境界面や曲面に蹴ら
れてずれ動き、求芯性が著しく損なわれてしまうおそれ
がある。そして、これによりドリル軸線に振れが生じて
形成される穴径の拡大を招いたり、穴明け加工の際の進
捗度や形成された穴の面精度が著しく劣化してしまう結
果となってしまう。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な課題を解決するためになされたもので、軸線回りに回
転されるドリル本体の外周に、該ドリル本体の先端面に
開口して上記軸線方向基端側に向かう2条の切屑排出溝
を形成するとともに、上記ドリル本体先端面に上記切屑
排出溝の開口部のドリル回転方向後方側にそれぞれ連な
るように先端逃げ面を設け、この先端逃げ面に当該ドリ
ル本体内に形成された中空管路の一端を開口せしめ、さ
らに上記ドリル本体の先端に、当該ドリル本体先端の回
転中心部から上記切屑排出溝のドリル回転方向を向く面
と上記先端逃げ面との交差稜線部に沿って2つの先端切
刃を形成し、これら2つの先端切刃のそれぞれを、上記
回転中心部から外周側に向かうに従い上記軸線方向先端
側に向かう第1の切刃部と、この第1の切刃部に連なり
上記回転中心部側から外周側に向かうに従い上記軸線方
向基端側に後退して上記ドリル本体の外周に達する第2
の切刃部とから構成した特徴とするものである。
な課題を解決するためになされたもので、軸線回りに回
転されるドリル本体の外周に、該ドリル本体の先端面に
開口して上記軸線方向基端側に向かう2条の切屑排出溝
を形成するとともに、上記ドリル本体先端面に上記切屑
排出溝の開口部のドリル回転方向後方側にそれぞれ連な
るように先端逃げ面を設け、この先端逃げ面に当該ドリ
ル本体内に形成された中空管路の一端を開口せしめ、さ
らに上記ドリル本体の先端に、当該ドリル本体先端の回
転中心部から上記切屑排出溝のドリル回転方向を向く面
と上記先端逃げ面との交差稜線部に沿って2つの先端切
刃を形成し、これら2つの先端切刃のそれぞれを、上記
回転中心部から外周側に向かうに従い上記軸線方向先端
側に向かう第1の切刃部と、この第1の切刃部に連なり
上記回転中心部側から外周側に向かうに従い上記軸線方
向基端側に後退して上記ドリル本体の外周に達する第2
の切刃部とから構成した特徴とするものである。
【0015】
【作用】このような構成のドリルによれば、まず先端切
刃が2つであって各先端切刃に作用する切削抵抗のドリ
ル径方向の分力が互いに相殺し合うため、当該分力の作
用する方向がドリルの回転に伴い変化することによるド
リル回転軸のぶれを抑えることができる。また先端切刃
が2つであるため、ドリル1回転当りの切削量も先端切
刃が1つの場合に比べて2倍とすることができる。
刃が2つであって各先端切刃に作用する切削抵抗のドリ
ル径方向の分力が互いに相殺し合うため、当該分力の作
用する方向がドリルの回転に伴い変化することによるド
リル回転軸のぶれを抑えることができる。また先端切刃
が2つであるため、ドリル1回転当りの切削量も先端切
刃が1つの場合に比べて2倍とすることができる。
【0016】また、第1の切刃部はドリル軸線方向基端
側に凹むように形成されることとなるので、先端切刃の
長さが同じ場合でも上記フラットフルートドリルのよう
に先端切刃全体がドリル軸線方向先端側に突出したドリ
ルに比べ、第1の切刃部が凹んでいる分だけドリル軸線
方向に占める先端切刃の長さを短くできる。このため、
先端逃げ面に設けられるエアーホールから切刃の最先端
までの距離を短くすることができ、この切刃の最先端や
被削材の切削部位を充分に冷却することが可能となる一
方、被削材に貫通孔を形成する場合等の加工時間を短縮
することができる。
側に凹むように形成されることとなるので、先端切刃の
長さが同じ場合でも上記フラットフルートドリルのよう
に先端切刃全体がドリル軸線方向先端側に突出したドリ
ルに比べ、第1の切刃部が凹んでいる分だけドリル軸線
方向に占める先端切刃の長さを短くできる。このため、
先端逃げ面に設けられるエアーホールから切刃の最先端
までの距離を短くすることができ、この切刃の最先端や
被削材の切削部位を充分に冷却することが可能となる一
方、被削材に貫通孔を形成する場合等の加工時間を短縮
することができる。
【0017】さらに本発明では、例えば上述したような
ローソクタイプのドリルに比べてドリル軸線方向に占め
る先端切刃の長さが同じでも、第2の切刃部の先端角を
小さく設定することによって先端切刃による被削材の押
し広げ作用を低減することが可能となり、ドリルの軸方
向への案内性を向上させることができる。また、このよ
うに先端切刃の外周側において押し広げ作用が低減する
ことから、被削材に貫通孔を形成する場合の抜けぎわの
バリの発生を抑えることも可能となる。
ローソクタイプのドリルに比べてドリル軸線方向に占め
る先端切刃の長さが同じでも、第2の切刃部の先端角を
小さく設定することによって先端切刃による被削材の押
し広げ作用を低減することが可能となり、ドリルの軸方
向への案内性を向上させることができる。また、このよ
うに先端切刃の外周側において押し広げ作用が低減する
ことから、被削材に貫通孔を形成する場合の抜けぎわの
バリの発生を抑えることも可能となる。
【0018】これに加えて上記構成のドリルでは、第1
の切刃部がドリルの回転中心部から外周側に向かうに従
いドリル軸線方向先端側に向かう方向に形成されている
一方、第2の切刃部はこれとは逆に外周側に向かうに従
いドリル軸線方向基端側に向かう方向に形成されてい
る。すなわち、各先端切刃はそれぞれドリル本体の側面
視において、第1の切刃部と第2の切刃部との交点部分
が最もドリル軸線方向先端側に突出した山形に形成さ
れ、切刃全体としてはこれら2つの交点部分よりも内側
がドリル軸線方向基端側に凹んだM字形をなすこととな
る。従って本発明では、上記2つの交点部分が被削材に
食いつきながら切削が進行することとなり、上述した従
来のドリルのように一点のみで被削材に食いつくドリル
に比べ、CFPR素材等の部分的に硬度が違う材質の穴
明けや曲面に穴明けするような場合でも、食いつき部が
ずれ動くのを抑えて求芯性の向上を図ることができる。
の切刃部がドリルの回転中心部から外周側に向かうに従
いドリル軸線方向先端側に向かう方向に形成されている
一方、第2の切刃部はこれとは逆に外周側に向かうに従
いドリル軸線方向基端側に向かう方向に形成されてい
る。すなわち、各先端切刃はそれぞれドリル本体の側面
視において、第1の切刃部と第2の切刃部との交点部分
が最もドリル軸線方向先端側に突出した山形に形成さ
れ、切刃全体としてはこれら2つの交点部分よりも内側
がドリル軸線方向基端側に凹んだM字形をなすこととな
る。従って本発明では、上記2つの交点部分が被削材に
食いつきながら切削が進行することとなり、上述した従
来のドリルのように一点のみで被削材に食いつくドリル
に比べ、CFPR素材等の部分的に硬度が違う材質の穴
明けや曲面に穴明けするような場合でも、食いつき部が
ずれ動くのを抑えて求芯性の向上を図ることができる。
【0019】さらに、第1の切刃部がドリル軸線方向基
端側に凹んだ形状であるため、この第1の切刃部によっ
て切削される部分は、これとは逆に円錐状に突出した形
状をとりながら削り取られていく。そして穴明け加工時
には、この円錐状に突出した被削材部分に両先端切刃の
第1の切刃部が係合しながら切削が進行することとな
り、これによってドリル本体の径方向への移動が拘束さ
れてドリル軸線の振れが抑えられるため、上記作用と相
俟ってドリルの求芯性を一層向上させることができる。
また上記構成によれば、第2の切刃部の先端角を小さく
設定しても第1の切刃部の先端角を適当に設定すること
により、上記交点部分における両切刃部の交差角を大き
く設定することができるため、このような食いつき部に
おける切刃の欠けを防ぐこともできる。
端側に凹んだ形状であるため、この第1の切刃部によっ
て切削される部分は、これとは逆に円錐状に突出した形
状をとりながら削り取られていく。そして穴明け加工時
には、この円錐状に突出した被削材部分に両先端切刃の
第1の切刃部が係合しながら切削が進行することとな
り、これによってドリル本体の径方向への移動が拘束さ
れてドリル軸線の振れが抑えられるため、上記作用と相
俟ってドリルの求芯性を一層向上させることができる。
また上記構成によれば、第2の切刃部の先端角を小さく
設定しても第1の切刃部の先端角を適当に設定すること
により、上記交点部分における両切刃部の交差角を大き
く設定することができるため、このような食いつき部に
おける切刃の欠けを防ぐこともできる。
【0020】なお、これら第1および第2の切刃部の先
端角については、第1の切刃部の先端角が200°〜2
40°の範囲に設定されることが望ましく、また第2の
の切刃部の先端角は20°〜30°の範囲に設定される
ことが望ましい。これは、まず第1の切刃部の先端角が
上記範囲よりも大きく、また第2の切刃部の先端角が上
記範囲よりも小さいと、これに準じて第1の切刃部と第
2の切刃部との交差角が小さくなってしまい、両切刃部
の交点部分における切刃強度が維持できなくなるおそれ
があるためである。一方、第1の切刃部の先端角が上記
範囲よりも小さいと、各先端切刃の2つの第1の切刃部
が一直線に近い状態に配置されてしまい、ドリルの求芯
性が損なわれるおそれがある。さらに、第2の切刃部の
先端角が上記範囲より大きくなると、この第2の切刃部
による押し広げ作用が強くなってバリの発生を招くおそ
れがある。
端角については、第1の切刃部の先端角が200°〜2
40°の範囲に設定されることが望ましく、また第2の
の切刃部の先端角は20°〜30°の範囲に設定される
ことが望ましい。これは、まず第1の切刃部の先端角が
上記範囲よりも大きく、また第2の切刃部の先端角が上
記範囲よりも小さいと、これに準じて第1の切刃部と第
2の切刃部との交差角が小さくなってしまい、両切刃部
の交点部分における切刃強度が維持できなくなるおそれ
があるためである。一方、第1の切刃部の先端角が上記
範囲よりも小さいと、各先端切刃の2つの第1の切刃部
が一直線に近い状態に配置されてしまい、ドリルの求芯
性が損なわれるおそれがある。さらに、第2の切刃部の
先端角が上記範囲より大きくなると、この第2の切刃部
による押し広げ作用が強くなってバリの発生を招くおそ
れがある。
【0021】ただし切刃の先端角とは、ドリル軸線に平
行な仮想平面に先端切刃を平行にして投影したときの切
刃の角度であり、上述のように本発明では第1の切刃部
は、ドリル外周側に向かうに従いドリル軸線方向先端側
に向かう方向に形成されているので、その先端角は理論
的には180°〜360°の範囲内で設定可能である。
また同様に、第2の切刃部はドリル外周側に向かうに従
いドリル軸線方向基端側に向かう方向に形成されている
ので、その先端角は理論的には0°〜180°の範囲で
設定可能である。
行な仮想平面に先端切刃を平行にして投影したときの切
刃の角度であり、上述のように本発明では第1の切刃部
は、ドリル外周側に向かうに従いドリル軸線方向先端側
に向かう方向に形成されているので、その先端角は理論
的には180°〜360°の範囲内で設定可能である。
また同様に、第2の切刃部はドリル外周側に向かうに従
いドリル軸線方向基端側に向かう方向に形成されている
ので、その先端角は理論的には0°〜180°の範囲で
設定可能である。
【0022】さらに、このような構成のドリルにおいて
第2の切刃部の長さが長くなると、上記2つの交点部分
がともにドリル軸線に接近することとなり、結果的に一
点で被削材に食いつく従来のドリルと変わらなくなって
しまって本発明の作用効果が得られなくなるおそれがあ
る。また逆に第2の切刃部の長さが短くなると、相対的
に第1の切刃部による押し広げ作用が強くなってしまう
ため、好ましくない。このため、第2の切刃部の長さは
5mm〜7mmに設定されることが望ましい。
第2の切刃部の長さが長くなると、上記2つの交点部分
がともにドリル軸線に接近することとなり、結果的に一
点で被削材に食いつく従来のドリルと変わらなくなって
しまって本発明の作用効果が得られなくなるおそれがあ
る。また逆に第2の切刃部の長さが短くなると、相対的
に第1の切刃部による押し広げ作用が強くなってしまう
ため、好ましくない。このため、第2の切刃部の長さは
5mm〜7mmに設定されることが望ましい。
【0023】
【実施例】図1ないし図3は、本発明の一実施例を示す
ものである。本実施例においてドリル本体21は図1に
示すように、工作機械の工具把持部に装着されてドリル
軸線O回りに回転される円筒状のドライバー22と、こ
のドライバー22の中心孔22aに同軸に嵌合された軸
状のシャンク23と、このシャンク23の先端にロウ付
けにより固着された超硬合金製の切刃チップ24とから
概略構成されている。
ものである。本実施例においてドリル本体21は図1に
示すように、工作機械の工具把持部に装着されてドリル
軸線O回りに回転される円筒状のドライバー22と、こ
のドライバー22の中心孔22aに同軸に嵌合された軸
状のシャンク23と、このシャンク23の先端にロウ付
けにより固着された超硬合金製の切刃チップ24とから
概略構成されている。
【0024】ドリル本体21の外周には、切刃チップ2
4の先端面に開口し、ドリル軸線方向に沿って当該ドリ
ル本体21の基端側に向かう2条の切屑排出溝25,2
5が、ドリル軸線Oを挟むように切刃チップ24からシ
ャンク23にかけて形成されている。これらの切屑排出
溝25,25は、それぞれその底面がドリル回転方向
(図3において反時計回り方向)を向く壁面25aと、
このドリル回転方向の後方側を向く壁面25bとから構
成されていて、図3に示すようにドリル軸線方向先端側
から見てその狭角が鈍角であるV字型をなすように形成
されている。また、これら両切屑排出溝25,25の上
記ドリル回転方向を向く壁面25a,25aは共にドリ
ル軸線Oを含む同一平面に形成されており、他方上記ド
リル回転方向後方側を向く壁面25b,25b同士は互
いに平行となるように成形されている。
4の先端面に開口し、ドリル軸線方向に沿って当該ドリ
ル本体21の基端側に向かう2条の切屑排出溝25,2
5が、ドリル軸線Oを挟むように切刃チップ24からシ
ャンク23にかけて形成されている。これらの切屑排出
溝25,25は、それぞれその底面がドリル回転方向
(図3において反時計回り方向)を向く壁面25aと、
このドリル回転方向の後方側を向く壁面25bとから構
成されていて、図3に示すようにドリル軸線方向先端側
から見てその狭角が鈍角であるV字型をなすように形成
されている。また、これら両切屑排出溝25,25の上
記ドリル回転方向を向く壁面25a,25aは共にドリ
ル軸線Oを含む同一平面に形成されており、他方上記ド
リル回転方向後方側を向く壁面25b,25b同士は互
いに平行となるように成形されている。
【0025】一方、上記切刃チップ24の先端面には、
切屑排出溝25,25の各開口部からそれぞれドリル回
転方向後方側に連なるように先端逃げ面26,27が設
けられており、これらの先端逃げ面26,27はそれぞ
れ切刃チップ24の先端のドリル回転中心C側の第1の
逃げ面26a,27aとドリル外周側の第2の逃げ面2
6b,27bとから構成されている。また、これらの先
端逃げ面26,27のドリル回転方向後方側には、上記
第1の逃げ面26a,27aと第2の逃げ面26b,2
7bとにそれぞれ連なり、ドリル軸線方向基端側に傾斜
して上記切屑排出溝25,25の各壁面25a,25b
に続く先端面28,29が設けられている。
切屑排出溝25,25の各開口部からそれぞれドリル回
転方向後方側に連なるように先端逃げ面26,27が設
けられており、これらの先端逃げ面26,27はそれぞ
れ切刃チップ24の先端のドリル回転中心C側の第1の
逃げ面26a,27aとドリル外周側の第2の逃げ面2
6b,27bとから構成されている。また、これらの先
端逃げ面26,27のドリル回転方向後方側には、上記
第1の逃げ面26a,27aと第2の逃げ面26b,2
7bとにそれぞれ連なり、ドリル軸線方向基端側に傾斜
して上記切屑排出溝25,25の各壁面25a,25b
に続く先端面28,29が設けられている。
【0026】さらにこれらの逃げ面のうち、まず第1の
逃げ面26a,27aはともにドリル軸線Oに対して互
いに等しい角度に交差する方向に形成されるとともに、
その交線はドリル軸線Oに交差せしめられており、かつ
その交差角がドリル本体21側で鈍角となるように設定
されている。他方、第2の逃げ面26b,27bもドリ
ル軸線Oに対して互いに等しい角度で交差する方向に、
かつその交線がドリル軸線Oに交わるように形成されて
いるが、その交差角はドリル本体21側で鋭角となるよ
うに設定されている。
逃げ面26a,27aはともにドリル軸線Oに対して互
いに等しい角度に交差する方向に形成されるとともに、
その交線はドリル軸線Oに交差せしめられており、かつ
その交差角がドリル本体21側で鈍角となるように設定
されている。他方、第2の逃げ面26b,27bもドリ
ル軸線Oに対して互いに等しい角度で交差する方向に、
かつその交線がドリル軸線Oに交わるように形成されて
いるが、その交差角はドリル本体21側で鋭角となるよ
うに設定されている。
【0027】ただし、これらの先端逃げ面26,27は
本実施例ではドリル軸線Oに関して非対称な形状に形成
されている。すなわち、一方の先端逃げ面26は、その
第1の逃げ面26aの稜辺部にドリル軸線Oが交差する
ように形成されているのに対し、他方の先端逃げ面27
は、その第1の逃げ面27aが該ドリル軸線Oに交わる
ことなく、上記ドリル回転中心Cから僅かに隔たった位
置に形成されている。従って、一方の先端逃げ面26と
他方の先端逃げ面27とは、それぞれの第1の逃げ面2
6aと第1の逃げ面27aとが実際に交差することはな
いが、両先端逃げ面26,27はドリル軸線Oを中心と
する回転軌跡において互いに重なり合うように設定され
ている。
本実施例ではドリル軸線Oに関して非対称な形状に形成
されている。すなわち、一方の先端逃げ面26は、その
第1の逃げ面26aの稜辺部にドリル軸線Oが交差する
ように形成されているのに対し、他方の先端逃げ面27
は、その第1の逃げ面27aが該ドリル軸線Oに交わる
ことなく、上記ドリル回転中心Cから僅かに隔たった位
置に形成されている。従って、一方の先端逃げ面26と
他方の先端逃げ面27とは、それぞれの第1の逃げ面2
6aと第1の逃げ面27aとが実際に交差することはな
いが、両先端逃げ面26,27はドリル軸線Oを中心と
する回転軌跡において互いに重なり合うように設定され
ている。
【0028】そして、これらの先端逃げ面26,27と
上記切屑排出溝25,25のそれぞれのドリル回転方向
を向く壁面25a,25aとの交差稜線部には、先端切
刃30,31が形成されている。ここで、上述のように
各先端逃げ面26,27はそれぞれ2つの逃げ面26
a,26bおよび逃げ面27a,27bから構成されて
いるため、これら2つの先端切刃30,31もそれぞれ
2つの切刃部から構成されることとなる。つまり一方の
先端切刃30は、先端逃げ面26の第1の逃げ面26a
と上記壁面25aとの交差稜線部に形成される第1の切
刃部30aと、第2の逃げ面26bと上記壁面25aと
の交差稜線部に形成される第2の切刃部30bとから構
成される。また他方の先端切刃31は、先端逃げ面27
の第1の逃げ面27aと上記壁面25aとの交差稜線部
に形成される第1の切刃部31aと、第2の逃げ面27
bと上記壁面25aとの交差稜線部に形成される第2の
切刃部31bとから構成される。
上記切屑排出溝25,25のそれぞれのドリル回転方向
を向く壁面25a,25aとの交差稜線部には、先端切
刃30,31が形成されている。ここで、上述のように
各先端逃げ面26,27はそれぞれ2つの逃げ面26
a,26bおよび逃げ面27a,27bから構成されて
いるため、これら2つの先端切刃30,31もそれぞれ
2つの切刃部から構成されることとなる。つまり一方の
先端切刃30は、先端逃げ面26の第1の逃げ面26a
と上記壁面25aとの交差稜線部に形成される第1の切
刃部30aと、第2の逃げ面26bと上記壁面25aと
の交差稜線部に形成される第2の切刃部30bとから構
成される。また他方の先端切刃31は、先端逃げ面27
の第1の逃げ面27aと上記壁面25aとの交差稜線部
に形成される第1の切刃部31aと、第2の逃げ面27
bと上記壁面25aとの交差稜線部に形成される第2の
切刃部31bとから構成される。
【0029】ここで、これらの先端切刃30,31に連
なる上記壁面25a,25aは、上述のようにドリル軸
線Oを含む同一平面に形成されているため、これら先端
切刃30,31もこの同一平面内に含まれることにな
る。また各先端逃げ面26,27は、それぞれその第1
の逃げ面26a,27aがドリル軸線Oに鈍角に交差す
る方向に、第2の逃げ面26b,27bがドリル軸線O
に鋭角に交差する方向に形成されているため、各先端切
刃30,31も、それぞれその第1の切刃部30a,3
1aがドリル回転中心C部分からドリル外周側に向かう
に従ってドリル軸線方向先端側に向かうように形成され
る一方、第2の切刃部30b,31bがドリル外周側に
向かうに従いドリル軸線方向基端側に向かうように形成
されることとなる。
なる上記壁面25a,25aは、上述のようにドリル軸
線Oを含む同一平面に形成されているため、これら先端
切刃30,31もこの同一平面内に含まれることにな
る。また各先端逃げ面26,27は、それぞれその第1
の逃げ面26a,27aがドリル軸線Oに鈍角に交差す
る方向に、第2の逃げ面26b,27bがドリル軸線O
に鋭角に交差する方向に形成されているため、各先端切
刃30,31も、それぞれその第1の切刃部30a,3
1aがドリル回転中心C部分からドリル外周側に向かう
に従ってドリル軸線方向先端側に向かうように形成され
る一方、第2の切刃部30b,31bがドリル外周側に
向かうに従いドリル軸線方向基端側に向かうように形成
されることとなる。
【0030】すなわち、各先端切刃30,31はそれぞ
れ、第1の切刃部30a,31aと第2の切刃部30
b,31bとの交点32,33が最もドリル軸線方向先
端側に突出する山形に形成されており、従って先端切刃
全体としては上記壁面25aに直交する側面視にドリル
回転中心C側がドリル軸線方向基端側に凹んだM字型を
呈することとなる。なお、本実施例では2つの先端逃げ
面26,27が上述のように非対称に形成されているた
め、一方の先端逃げ面26の第1の逃げ面26aの稜辺
部に形成される第1の切刃部30aは、上記交点32か
らドリル軸線O側に向かってドリル回転中心Cを僅かに
超えた部分にまで延設される。また、他方の先端逃げ面
27の第1の逃げ面26bの稜辺部に形成される第1の
切刃部31aは、上記交点33からドリル軸線O側に向
かうがドリル回転中心Cにまで達することはない。ただ
し、両先端逃げ面26,27がドリル軸線Oを中心とし
た回転軌跡において互いに重なり合うように設定されて
いるため、各先端切刃30,31も上記回転軌跡におい
て互いに重なり合うこととなり、従って上記2つの交点
32,33もドリル軸線Oに関して互いに軸対称な位置
に配置される。
れ、第1の切刃部30a,31aと第2の切刃部30
b,31bとの交点32,33が最もドリル軸線方向先
端側に突出する山形に形成されており、従って先端切刃
全体としては上記壁面25aに直交する側面視にドリル
回転中心C側がドリル軸線方向基端側に凹んだM字型を
呈することとなる。なお、本実施例では2つの先端逃げ
面26,27が上述のように非対称に形成されているた
め、一方の先端逃げ面26の第1の逃げ面26aの稜辺
部に形成される第1の切刃部30aは、上記交点32か
らドリル軸線O側に向かってドリル回転中心Cを僅かに
超えた部分にまで延設される。また、他方の先端逃げ面
27の第1の逃げ面26bの稜辺部に形成される第1の
切刃部31aは、上記交点33からドリル軸線O側に向
かうがドリル回転中心Cにまで達することはない。ただ
し、両先端逃げ面26,27がドリル軸線Oを中心とし
た回転軌跡において互いに重なり合うように設定されて
いるため、各先端切刃30,31も上記回転軌跡におい
て互いに重なり合うこととなり、従って上記2つの交点
32,33もドリル軸線Oに関して互いに軸対称な位置
に配置される。
【0031】ここで本実施例では、図2に示すように上
記両先端切刃30,31において、第1の切刃部30
a,31aがなす先端角αは200°〜240°の範囲
に設定されており、一方第2の切刃部30b,31bが
なす先端角βは20°〜30°の範囲に設定されてい
る。また、各第2の切刃部30b,31bの長さLは、
5mm〜7mmの範囲に設定されている。
記両先端切刃30,31において、第1の切刃部30
a,31aがなす先端角αは200°〜240°の範囲
に設定されており、一方第2の切刃部30b,31bが
なす先端角βは20°〜30°の範囲に設定されてい
る。また、各第2の切刃部30b,31bの長さLは、
5mm〜7mmの範囲に設定されている。
【0032】さらに本実施例では、ドリル本体21内に
はドライバー22の中空孔22aからシャンク23で分
岐して切刃チップ24に至るまで、当該ドリル本体21
をそのドリル軸線方向に沿って貫通するように断面円形
の2つの中空管路34A,34Bが穿設されている。そ
して、これらの中空管路34A,34Bのドリル軸線方
向先端側の一端は、それぞれ上記先端逃げ面26,27
に開口せしめられてエアーホール35A,35Bを形成
している。なお本実施例においては、これらのエアホー
ル35A,35Bのうち上記一方の先端逃げ面26に形
成されるエアーホール35Aは、該先端逃げ面26を構
成する第1および第2の逃げ面26a,26bの交差稜
線上に開口せしめられている。また他方の先端逃げ面2
7に形成されるエアーホール35Bは、第1および第2
の逃げ面27a,27bの交差稜線と、これらの逃げ面
27a,27bに連なる上記先端面29との交点部分に
開口せしめられている。
はドライバー22の中空孔22aからシャンク23で分
岐して切刃チップ24に至るまで、当該ドリル本体21
をそのドリル軸線方向に沿って貫通するように断面円形
の2つの中空管路34A,34Bが穿設されている。そ
して、これらの中空管路34A,34Bのドリル軸線方
向先端側の一端は、それぞれ上記先端逃げ面26,27
に開口せしめられてエアーホール35A,35Bを形成
している。なお本実施例においては、これらのエアホー
ル35A,35Bのうち上記一方の先端逃げ面26に形
成されるエアーホール35Aは、該先端逃げ面26を構
成する第1および第2の逃げ面26a,26bの交差稜
線上に開口せしめられている。また他方の先端逃げ面2
7に形成されるエアーホール35Bは、第1および第2
の逃げ面27a,27bの交差稜線と、これらの逃げ面
27a,27bに連なる上記先端面29との交点部分に
開口せしめられている。
【0033】このような構成のドリルによれば、まず先
端切刃30,31がドリル軸線Oを挟んで同一平面内
に、その回転軌跡において互いに重なり合うように形成
されており、各先端切刃30,31に作用する切削抵抗
のドリル径方向の分力が互いに相殺し合うため、従来の
ガンドリルのように当該分力の作用する方向が変化する
ことによってドリル本体21にぶれが生じることはな
い。また2つの先端切刃30,31を有するため、ドリ
ル1回転当りの切削量を切刃が1つの場合に比べて2倍
とすることができるので、送りを増やして穴明け効率の
向上を図ることが可能である。
端切刃30,31がドリル軸線Oを挟んで同一平面内
に、その回転軌跡において互いに重なり合うように形成
されており、各先端切刃30,31に作用する切削抵抗
のドリル径方向の分力が互いに相殺し合うため、従来の
ガンドリルのように当該分力の作用する方向が変化する
ことによってドリル本体21にぶれが生じることはな
い。また2つの先端切刃30,31を有するため、ドリ
ル1回転当りの切削量を切刃が1つの場合に比べて2倍
とすることができるので、送りを増やして穴明け効率の
向上を図ることが可能である。
【0034】また、先端切刃30,31の各第1の切刃
部30a,31aはドリル軸線方向基端側に凹むように
形成されることとなるので、先端切刃の長さが同じ場合
でも例えば従来のフラットフルートドリルに比べてドリ
ル軸線方向に占める先端切刃30,31の長さを短くす
ることができる。これにより、まずドリル外周側の第2
の切刃部30b,31bの交差角を鋭角に設定した場合
でも、先端逃げ面26,27に開口するエアーホール3
5A,35Bの位置を先端切刃30,31に接近させる
ことができる。このため、切刃の先端部や被削材の切削
部位を充分に冷却することが可能となり、特に被削材が
CFPR材等の場合にも、切削部位の高温化による材質
の劣化を効果的に防ぐことができる。またこれととも
に、被削材に貫通孔を形成する場合など、ドリルが被削
材に食いついてから先端切刃30,31の後端が抜け出
すまでの時間が短くなり、加工時間の大幅な短縮を図る
ことができる。
部30a,31aはドリル軸線方向基端側に凹むように
形成されることとなるので、先端切刃の長さが同じ場合
でも例えば従来のフラットフルートドリルに比べてドリ
ル軸線方向に占める先端切刃30,31の長さを短くす
ることができる。これにより、まずドリル外周側の第2
の切刃部30b,31bの交差角を鋭角に設定した場合
でも、先端逃げ面26,27に開口するエアーホール3
5A,35Bの位置を先端切刃30,31に接近させる
ことができる。このため、切刃の先端部や被削材の切削
部位を充分に冷却することが可能となり、特に被削材が
CFPR材等の場合にも、切削部位の高温化による材質
の劣化を効果的に防ぐことができる。またこれととも
に、被削材に貫通孔を形成する場合など、ドリルが被削
材に食いついてから先端切刃30,31の後端が抜け出
すまでの時間が短くなり、加工時間の大幅な短縮を図る
ことができる。
【0035】さらに上記構成のドリルでは、従来のロー
ソクタイプのドリルに対し、ドリル軸線方向に占める先
端切刃30,31の長さが同じであっても、第2の切刃
部30b,31bの先端角βを上述のように鋭角に設定
することが可能である。これによって先端切刃30b,
31bによる被削材の押し広げ作用を低減することが可
能となり、ドリルの軸方向への案内性を向上させること
ができる。また、このように先端切刃30,31のドリ
ル外周側の第2の切刃部30b,31bにおいて押し広
げ作用が低減することから、被削材に貫通孔を形成する
際に該貫通孔の抜けぎわにバリが発生するのを抑えるこ
とができ、品位の高い穴加工を行うことが可能となる。
ソクタイプのドリルに対し、ドリル軸線方向に占める先
端切刃30,31の長さが同じであっても、第2の切刃
部30b,31bの先端角βを上述のように鋭角に設定
することが可能である。これによって先端切刃30b,
31bによる被削材の押し広げ作用を低減することが可
能となり、ドリルの軸方向への案内性を向上させること
ができる。また、このように先端切刃30,31のドリ
ル外周側の第2の切刃部30b,31bにおいて押し広
げ作用が低減することから、被削材に貫通孔を形成する
際に該貫通孔の抜けぎわにバリが発生するのを抑えるこ
とができ、品位の高い穴加工を行うことが可能となる。
【0036】そしてこれらに加え、各先端切刃30,3
1は上述のように第1の切刃部30a,31aと第2の
切刃部30b,31bとの交点32,33が最もドリル
軸線方向先端側に突出し、先端切刃全体としてはこれら
2つの交点32,33よりも内側がドリル軸線方向基端
側に凹んだM字形をなしている。しかも、これらの先端
切刃30,31はドリル軸線Oを中心とした回転軌跡が
互いに重なり合うように形成されており、従って上記2
つの交点32,33はドリル軸線Oについて軸対称位置
に配置される。すなわち、ドリル軸線Oから等距離にあ
るこれら2つの交点32,33が同時に被削材に食いつ
くこととなり、従来の各種ドリルのように一点のみで被
削材に食いつくドリルに対して2点で被削材に食いつき
ながら切削が進行するので、例えば被削材がCFPR材
等であって上述のように微視的に硬度の異なる部分が存
在したり、あるいは球面等の曲面に穴明けするような場
合でも、このような硬度の異なる部分の境界面や曲面に
より先端切刃30,31の食いつき部が蹴られてずれ動
くような事態を防止することができ、ドリルの求芯性を
大幅に向上させることが可能となる。
1は上述のように第1の切刃部30a,31aと第2の
切刃部30b,31bとの交点32,33が最もドリル
軸線方向先端側に突出し、先端切刃全体としてはこれら
2つの交点32,33よりも内側がドリル軸線方向基端
側に凹んだM字形をなしている。しかも、これらの先端
切刃30,31はドリル軸線Oを中心とした回転軌跡が
互いに重なり合うように形成されており、従って上記2
つの交点32,33はドリル軸線Oについて軸対称位置
に配置される。すなわち、ドリル軸線Oから等距離にあ
るこれら2つの交点32,33が同時に被削材に食いつ
くこととなり、従来の各種ドリルのように一点のみで被
削材に食いつくドリルに対して2点で被削材に食いつき
ながら切削が進行するので、例えば被削材がCFPR材
等であって上述のように微視的に硬度の異なる部分が存
在したり、あるいは球面等の曲面に穴明けするような場
合でも、このような硬度の異なる部分の境界面や曲面に
より先端切刃30,31の食いつき部が蹴られてずれ動
くような事態を防止することができ、ドリルの求芯性を
大幅に向上させることが可能となる。
【0037】さらに先端切刃30,31の第1の切刃部
30a,31aがドリル軸線方向基端側に凹んだ形状を
なすことにより、これら第1の切刃部30a,31aに
よって切削される穴底の中央部分は逆に円錐状に突出し
た形状をとりながら削り取られていく。このため、穴明
け中にはこの円錐状に突出した穴底の中央部分に第1の
切刃部30a,31aが係合し、ドリル本体21先端の
切刃チップ24がその径方向への移動を拘束された状態
で切削が進行することとなり、ドリルの直進が促され
る。従って上記構成のドリルによれば、上述した先端切
刃が2点で食いつく作用と相俟ってドリルの求芯性をよ
り一層高めることができるので、ドリル軸線の振れを抑
えて形成される穴径の拡大を防ぎ、高精度の穴明け加工
が可能となるとともに、加工の際の進捗度や穴の面精度
の著しい向上を図ることができる。
30a,31aがドリル軸線方向基端側に凹んだ形状を
なすことにより、これら第1の切刃部30a,31aに
よって切削される穴底の中央部分は逆に円錐状に突出し
た形状をとりながら削り取られていく。このため、穴明
け中にはこの円錐状に突出した穴底の中央部分に第1の
切刃部30a,31aが係合し、ドリル本体21先端の
切刃チップ24がその径方向への移動を拘束された状態
で切削が進行することとなり、ドリルの直進が促され
る。従って上記構成のドリルによれば、上述した先端切
刃が2点で食いつく作用と相俟ってドリルの求芯性をよ
り一層高めることができるので、ドリル軸線の振れを抑
えて形成される穴径の拡大を防ぎ、高精度の穴明け加工
が可能となるとともに、加工の際の進捗度や穴の面精度
の著しい向上を図ることができる。
【0038】さらにまた上記構成のドリルでは、先端切
刃全体が合計4つの切刃部30a,30b,31a,3
1bから構成されており、従って該先端切刃によって生
成される切屑は、生成時から4つに分断されてしまう。
さらに、上記第2の切刃部30b,31bにより生成さ
れる切屑は、その切刃部の向きから切屑排出溝25,2
5内をドリルの内側に向けて押しやられ、他方第1の切
刃部30a,31aにより生成される切屑は、略ドリル
軸線方向に沿って切屑排出溝25,25内を擦過するの
で、両切刃部により生成された切屑が切屑排出溝25,
25内で衝突し、より細かく分断されることとなる。こ
のように上記構成のドリルによれば、切屑を細かく分断
することが可能であって円滑な切屑排出が促されるとと
もに、分断されない切屑がシャンク23に絡みつくよう
な事態を防止することができる。また、これに加えて、
第1の切刃部30a,31aによって生成されて切屑排
出溝25,25内をドリル軸線方向に沿って擦過する切
屑により、第2の切刃部30b,31bによって生成さ
れた切屑も強制的にドリル軸線方向に沿って排出される
ことになり、一層良好な切屑排出性を得ることができ
る。
刃全体が合計4つの切刃部30a,30b,31a,3
1bから構成されており、従って該先端切刃によって生
成される切屑は、生成時から4つに分断されてしまう。
さらに、上記第2の切刃部30b,31bにより生成さ
れる切屑は、その切刃部の向きから切屑排出溝25,2
5内をドリルの内側に向けて押しやられ、他方第1の切
刃部30a,31aにより生成される切屑は、略ドリル
軸線方向に沿って切屑排出溝25,25内を擦過するの
で、両切刃部により生成された切屑が切屑排出溝25,
25内で衝突し、より細かく分断されることとなる。こ
のように上記構成のドリルによれば、切屑を細かく分断
することが可能であって円滑な切屑排出が促されるとと
もに、分断されない切屑がシャンク23に絡みつくよう
な事態を防止することができる。また、これに加えて、
第1の切刃部30a,31aによって生成されて切屑排
出溝25,25内をドリル軸線方向に沿って擦過する切
屑により、第2の切刃部30b,31bによって生成さ
れた切屑も強制的にドリル軸線方向に沿って排出される
ことになり、一層良好な切屑排出性を得ることができ
る。
【0039】一方、本実施例においては先端逃げ面2
6,27を非対称に形成することにより、上記2つの先
端切刃30,31も、その一方の第1の切刃部30aが
上記交点32からドリル回転中心Cを超える位置まで延
設され、他方の第1の切刃部31aはドリル回転中心C
に達しない位置に止められており、しかも両先端切刃3
0,31はドリル軸線Oを中心とした回転軌跡において
重なり合っている。このため本実施例によれば、例えば
通常のツイストドリルのチゼル部のような切削の働きを
しない部分が先端切刃上に形成されることはなく、従っ
てドリルの押し込み力を低減させることができるという
利点が得られる。
6,27を非対称に形成することにより、上記2つの先
端切刃30,31も、その一方の第1の切刃部30aが
上記交点32からドリル回転中心Cを超える位置まで延
設され、他方の第1の切刃部31aはドリル回転中心C
に達しない位置に止められており、しかも両先端切刃3
0,31はドリル軸線Oを中心とした回転軌跡において
重なり合っている。このため本実施例によれば、例えば
通常のツイストドリルのチゼル部のような切削の働きを
しない部分が先端切刃上に形成されることはなく、従っ
てドリルの押し込み力を低減させることができるという
利点が得られる。
【0040】また本実施例では、第2の切刃部30b,
31bの先端角βを鋭角側に小さく設定しても、第1の
切刃部30a,31aの先端角αを上記範囲に設定する
ことにより、先端切刃30,31のドリル外周側の部分
による押し広げ作用を押えつつ、上記2つの交点32,
33における各切刃部30a,30bおよび31a,3
1bの交差角を大きくし得て切刃の欠けを防ぐことがで
きる。ここで、本発明では上述したように第1の切刃部
30a,31aの先端角αは180°〜360°の間
で、また第2の切刃部30b,31bの先端角βは0°
〜180°の間で、それぞれ設定可能である。しかしな
がら、上記先端角αが240°よりも大きかったり、あ
るいは上記先端角βが20°よりも小さかったりする
と、これに準じて上記交差角が小さくなってしまい、上
記交点32,33における切刃強度が維持できなくなる
おそれがあるため、好ましくない。またこの先端角αが
200°より小さいと、両切刃部30a,31aが一直
線に近い状態に配置されてしまい、ドリルの求芯性が損
なわれるおそれがあり、他方、先端角βが30°よりも
大きくなると、上記押し広げ作用が強くなるおそれがあ
るため、ともに好ましくない。
31bの先端角βを鋭角側に小さく設定しても、第1の
切刃部30a,31aの先端角αを上記範囲に設定する
ことにより、先端切刃30,31のドリル外周側の部分
による押し広げ作用を押えつつ、上記2つの交点32,
33における各切刃部30a,30bおよび31a,3
1bの交差角を大きくし得て切刃の欠けを防ぐことがで
きる。ここで、本発明では上述したように第1の切刃部
30a,31aの先端角αは180°〜360°の間
で、また第2の切刃部30b,31bの先端角βは0°
〜180°の間で、それぞれ設定可能である。しかしな
がら、上記先端角αが240°よりも大きかったり、あ
るいは上記先端角βが20°よりも小さかったりする
と、これに準じて上記交差角が小さくなってしまい、上
記交点32,33における切刃強度が維持できなくなる
おそれがあるため、好ましくない。またこの先端角αが
200°より小さいと、両切刃部30a,31aが一直
線に近い状態に配置されてしまい、ドリルの求芯性が損
なわれるおそれがあり、他方、先端角βが30°よりも
大きくなると、上記押し広げ作用が強くなるおそれがあ
るため、ともに好ましくない。
【0041】さらに、このように先端角α,βを設定し
たとしても、第2の切刃部30b,31bの長さLが長
くなると、上記2つの交点32,33がともにドリル軸
線Oに接近してしまい、結果的に一点で被削材に食いつ
く従来のドリルと変わらなくなって上記作用効果が得ら
れなくなるおそれがある。また逆に上記長さLが短くな
ると、第2の切刃部30b,31bの先端角βを上記範
囲に設定したことによる上記押し広げ作用の抑制効果が
損なわれるとともに、第1の切刃部30a,31aによ
る押し広げ作用が強くなってしまうおそれがある。本実
施例において第2の切刃部30b,31bの長さLが5
mm〜7mmの範囲に設定されているのは、このような理由
による。
たとしても、第2の切刃部30b,31bの長さLが長
くなると、上記2つの交点32,33がともにドリル軸
線Oに接近してしまい、結果的に一点で被削材に食いつ
く従来のドリルと変わらなくなって上記作用効果が得ら
れなくなるおそれがある。また逆に上記長さLが短くな
ると、第2の切刃部30b,31bの先端角βを上記範
囲に設定したことによる上記押し広げ作用の抑制効果が
損なわれるとともに、第1の切刃部30a,31aによ
る押し広げ作用が強くなってしまうおそれがある。本実
施例において第2の切刃部30b,31bの長さLが5
mm〜7mmの範囲に設定されているのは、このような理由
による。
【0042】次に、実験例を挙げて本発明の有効性につ
いて実証する。この実験では、上記実施例において先端
角α,βおよび第2の切刃部30b,31bの長さL
を、表1に示すように変えた3種類のドリル(ドリル径
はすべて6.35mm)を製造した。これらを実験例1〜
3とする。そして、これらのドリルにより、厚さ11mm
のCFPR素材に貫通孔を形成して出口のバリ、拡大
代、面粗度、および発熱等について測定した。この結果
を表1に示す。なお、ここで拡大代とは、要求される穴
径と実際に形成された穴の径との差をいうものであり、
本実験例ではドリル径と形成された穴径との差として示
されている。また、表1においてこの拡大代が負の値を
示しているのは、被削材がCFPR材であって形成され
た穴が穴明け加工後に縮径する傾向があるからである。
いて実証する。この実験では、上記実施例において先端
角α,βおよび第2の切刃部30b,31bの長さL
を、表1に示すように変えた3種類のドリル(ドリル径
はすべて6.35mm)を製造した。これらを実験例1〜
3とする。そして、これらのドリルにより、厚さ11mm
のCFPR素材に貫通孔を形成して出口のバリ、拡大
代、面粗度、および発熱等について測定した。この結果
を表1に示す。なお、ここで拡大代とは、要求される穴
径と実際に形成された穴の径との差をいうものであり、
本実験例ではドリル径と形成された穴径との差として示
されている。また、表1においてこの拡大代が負の値を
示しているのは、被削材がCFPR材であって形成され
た穴が穴明け加工後に縮径する傾向があるからである。
【0043】一方、これらの実験例に対する比較例とし
て図7に示したようなフラットフルートドリルを製造
し、上記実験例と同様にCFPR素材に穴径6.350m
mの穴明け加工を施し、その性能を実験例のドリルと比
較した。ただし、この比較例では先端角θ1 は35°に
設定されている。この比較例による穴明け加工の結果
を、上記実験例と併せて表1に示す。ただし、この実験
例および比較例による穴明け加工において切削条件は、
ドリル回転数が2100r.p.mであり、送りは15mm/mi
nであった。またドリルの材質は、実験例、比較例とも
超硬合金である。
て図7に示したようなフラットフルートドリルを製造
し、上記実験例と同様にCFPR素材に穴径6.350m
mの穴明け加工を施し、その性能を実験例のドリルと比
較した。ただし、この比較例では先端角θ1 は35°に
設定されている。この比較例による穴明け加工の結果
を、上記実験例と併せて表1に示す。ただし、この実験
例および比較例による穴明け加工において切削条件は、
ドリル回転数が2100r.p.mであり、送りは15mm/mi
nであった。またドリルの材質は、実験例、比較例とも
超硬合金である。
【0044】
【表1】
【0045】表1の結果から、実験例1〜3のドリルで
はバリの発生も少なく、特に実験例1のドリルでは良好
な結果が得られた。また、これら実験例1〜3のドリル
では、拡大代も小さく抑えられているとともに面粗度も
良好であり、これらの点については特に実験例3のドリ
ルで良好な結果を得ることができた。また、先端切刃お
よび被削材の切削部位の発熱も僅かであり、高温による
被削材の材質劣化も認められなかった。これに対して比
較例のドリルでは、面粗度については実験例1〜3のド
リルと略同等の比較的良好な結果が得られたが、拡大代
は大きくなる傾向を示していた。またこれに加えてバリ
の発生が著しく、さらに切刃および非切削材の発熱も非
常に大きいもので高温による材質劣化が認められた。
はバリの発生も少なく、特に実験例1のドリルでは良好
な結果が得られた。また、これら実験例1〜3のドリル
では、拡大代も小さく抑えられているとともに面粗度も
良好であり、これらの点については特に実験例3のドリ
ルで良好な結果を得ることができた。また、先端切刃お
よび被削材の切削部位の発熱も僅かであり、高温による
被削材の材質劣化も認められなかった。これに対して比
較例のドリルでは、面粗度については実験例1〜3のド
リルと略同等の比較的良好な結果が得られたが、拡大代
は大きくなる傾向を示していた。またこれに加えてバリ
の発生が著しく、さらに切刃および非切削材の発熱も非
常に大きいもので高温による材質劣化が認められた。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ド
リル本体先端に形成される2つの先端切刃をそれぞれ、
ドリル回転中心部からドリル外周に向かうに従いドリル
軸線方向先端側に向かう第1の切刃部と、この第1の切
刃部に連なりドリル外周に向かうに従ってドリル軸線方
向基端側に向かう第2の切刃部とから構成することによ
り、ドリルは各先端切刃の第1の切刃部と第2の切刃部
とのそれぞれの交点部分の2点で被削材に食いつくこと
になり、かつこれら第1の切刃部がこれによって円錐状
に削られる穴底中央部に係合しつつ切削が進行するた
め、ドリルの求心性の大幅な向上を図ることができる。
そして、これによりドリルの振れを抑えて穴径の拡大を
防ぎ、高精度の穴明け加工が可能となるとともに、加工
の際の進捗度や穴の面精度の大幅な向上を図ることがで
きる。
リル本体先端に形成される2つの先端切刃をそれぞれ、
ドリル回転中心部からドリル外周に向かうに従いドリル
軸線方向先端側に向かう第1の切刃部と、この第1の切
刃部に連なりドリル外周に向かうに従ってドリル軸線方
向基端側に向かう第2の切刃部とから構成することによ
り、ドリルは各先端切刃の第1の切刃部と第2の切刃部
とのそれぞれの交点部分の2点で被削材に食いつくこと
になり、かつこれら第1の切刃部がこれによって円錐状
に削られる穴底中央部に係合しつつ切削が進行するた
め、ドリルの求心性の大幅な向上を図ることができる。
そして、これによりドリルの振れを抑えて穴径の拡大を
防ぎ、高精度の穴明け加工が可能となるとともに、加工
の際の進捗度や穴の面精度の大幅な向上を図ることがで
きる。
【0047】また本発明では、エアーホールの位置を先
端切刃に接近させることができるので、切削の際の切刃
や被削材の切削部位の発熱・高温化を防ぐことができる
とともに、ドリル外周側の先端切刃部分による押し広げ
作用が低減されるから、貫通孔の抜けぎわのバリの発生
を防止できる等の利点をも得ることができる。従って本
発明によれば、特に高い求心性が求められるとともに、
高熱による材質劣化やバリが発生し易い、CFPR材等
の繊維強化プラスチックの穴明け加工に最適なドリルを
提供することができる。
端切刃に接近させることができるので、切削の際の切刃
や被削材の切削部位の発熱・高温化を防ぐことができる
とともに、ドリル外周側の先端切刃部分による押し広げ
作用が低減されるから、貫通孔の抜けぎわのバリの発生
を防止できる等の利点をも得ることができる。従って本
発明によれば、特に高い求心性が求められるとともに、
高熱による材質劣化やバリが発生し易い、CFPR材等
の繊維強化プラスチックの穴明け加工に最適なドリルを
提供することができる。
【図1】本発明の一実施例を示す一部破断側面図であ
る。
る。
【図2】図1に示す実施例のドリル先端部の拡大側面図
である。
である。
【図3】図1に示す実施例の先端面の拡大図である。
【図4】従来のガンドリルを示す側面図である。
【図5】図4に示すガンドリルの先端部の拡大側面図で
ある。
ある。
【図6】図4に示すガンドリルの先端部の軸線Oに垂直
な断面である。
な断面である。
【図7】従来のフラットフルートドリルを示す側面図で
ある。
ある。
【図8】従来のローソクタイプのドリルを示す側面図で
ある。
ある。
21 ドリル本体 22 ドライバー 23 シャンク 24 切刃チップ 25 切屑排出溝 26,27 先端逃げ面 30,31 先端切刃 30a,31a 第1の切刃部 30b,31b 第2の切刃部 34A,34B 中空管路 35A,35B エアーホール O ドリル軸線 C ドリル回転中心部 α 第1の切刃部30a,31aの先端角 β 第2の切刃部30b,31bの先端角 L 第2の切刃部30b,31bの長さ
Claims (4)
- 【請求項1】 軸線回りに回転されるドリル本体の外周
に、該ドリル本体の先端面に開口して上記軸線方向基端
側に向かう2条の切屑排出溝が形成されるとともに、上
記ドリル本体先端面には上記切屑排出溝の開口部のドリ
ル回転方向後方側にそれぞれ連なるように先端逃げ面が
設けられ、この先端逃げ面には当該ドリル本体内に形成
された中空管路の一端が開口せしめられており、さらに
上記ドリル本体の先端には、当該ドリル本体先端の回転
中心部から上記切屑排出溝のドリル回転方向を向く面と
上記先端逃げ面との交差稜線部に沿って2つの先端切刃
が形成されていて、これら2つの先端切刃のそれぞれ
が、上記回転中心部から外周側に向かうに従い上記軸線
方向先端側に向かう第1の切刃部と、この第1の切刃部
に連なり上記回転中心部側から外周側に向かうに従い上
記軸線方向基端側に後退して上記ドリル本体の外周に達
する第2の切刃部とから構成されていることを特徴とす
るドリル。 - 【請求項2】 上記2つの先端切刃を構成する切刃部の
うち、上記第1の切刃部のなす先端角が200°〜24
0°であることを特徴とする請求項1記載のドリル。 - 【請求項3】 上記2つの先端切刃を構成する切刃部の
うち、上記第2の切刃部のなす先端角が20°〜30°
であることを特徴とする請求項1または2記載のドリ
ル。 - 【請求項4】 上記第2の切刃部の長さが5mm〜7mmで
あることを特徴とする請求項1、2、または3記載のド
リル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16358493A JPH0724616A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | ドリル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16358493A JPH0724616A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | ドリル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0724616A true JPH0724616A (ja) | 1995-01-27 |
Family
ID=15776694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16358493A Withdrawn JPH0724616A (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | ドリル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0724616A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107900420A (zh) * | 2017-11-21 | 2018-04-13 | 常州山迪智能科技有限公司 | 一种适用于纤维增强复合材料制孔加工的钻头 |
-
1993
- 1993-07-01 JP JP16358493A patent/JPH0724616A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107900420A (zh) * | 2017-11-21 | 2018-04-13 | 常州山迪智能科技有限公司 | 一种适用于纤维增强复合材料制孔加工的钻头 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2984446B2 (ja) | ドリル | |
US6923602B2 (en) | Drill having construction for reducing thrust load in drilling operation, and method of manufacturing the drill | |
US4728231A (en) | Drill bit structure | |
US7516686B2 (en) | Two-flute twist drill | |
WO2009142323A1 (ja) | ドリルおよび切削インサート並びに被削加工物の製造方法 | |
JP2005118991A (ja) | 高速度穴あけ用セラミックビット | |
JP6556229B2 (ja) | ドリルおよび切削加工物の製造方法 | |
JP2011073129A (ja) | 穴あけ用ドリル | |
WO2019044791A1 (ja) | テーパーリーマ | |
US20050271482A1 (en) | Ballnose end mill | |
JP4088271B2 (ja) | 切削工具 | |
US20240181542A1 (en) | Drill | |
JPS61270010A (ja) | 穴あけ工具 | |
JP2020519467A (ja) | ドリル本体およびドリル | |
JPS6389211A (ja) | ツイストドリル | |
WO2020213482A1 (ja) | ドリル | |
JPS5822283B2 (ja) | 穴明け工具 | |
JPH0258042B2 (ja) | ||
JPH0724616A (ja) | ドリル | |
JPH02190215A (ja) | リーマ | |
JP7400311B2 (ja) | ドリル | |
JP3639227B2 (ja) | 脆性材料用穴明け工具 | |
JP6902284B2 (ja) | 切削工具 | |
JP4206778B2 (ja) | センタドリル | |
JP2005177891A (ja) | ドリル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000905 |