JPH07213010A - 軸及びその製造方法 - Google Patents
軸及びその製造方法Info
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- JPH07213010A JPH07213010A JP1406494A JP1406494A JPH07213010A JP H07213010 A JPH07213010 A JP H07213010A JP 1406494 A JP1406494 A JP 1406494A JP 1406494 A JP1406494 A JP 1406494A JP H07213010 A JPH07213010 A JP H07213010A
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Landscapes
- Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
- Manufacture Of Motors, Generators (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】設備投資や消耗工具費用などの加工費用を低減
して軸の原価を大幅に低減でき、軸及び軸受の精度や寿
命の向上を図ることができる軸及びその製造方法を得
る。 【構成】軸は金属製の板材をプレスにより塑性変形し、
有底管状に形成した。開口部に球面を有するスラスト当
接部材を固着してもよい。開口部側にラジアル方向に延
出した鍔部を設けてもよい。金属製の板材の表面に所定
形状の溝を形成してもよい。金属製板材の表面に潤滑剤
を塗布してもよい。金属製の板材をプレスにより塑性変
形させて、有底管状の軸部と、略カップ状のロータケー
ス部とを一体形成してもよい。金属性の板材を所望形状
に外形抜きする第1工程と板材を形成絞り加工により塑
性変形させて、有底管状の軸を形成する第2工程とを少
なくとも有する工程により軸を製造する。第2工程で得
られた部材に熱処理を施してもよい。
して軸の原価を大幅に低減でき、軸及び軸受の精度や寿
命の向上を図ることができる軸及びその製造方法を得
る。 【構成】軸は金属製の板材をプレスにより塑性変形し、
有底管状に形成した。開口部に球面を有するスラスト当
接部材を固着してもよい。開口部側にラジアル方向に延
出した鍔部を設けてもよい。金属製の板材の表面に所定
形状の溝を形成してもよい。金属製板材の表面に潤滑剤
を塗布してもよい。金属製の板材をプレスにより塑性変
形させて、有底管状の軸部と、略カップ状のロータケー
ス部とを一体形成してもよい。金属性の板材を所望形状
に外形抜きする第1工程と板材を形成絞り加工により塑
性変形させて、有底管状の軸を形成する第2工程とを少
なくとも有する工程により軸を製造する。第2工程で得
られた部材に熱処理を施してもよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転体を回転自在に支
持する軸及びその製造方法に関するものであり、特に電
動機やタイマー、ギアヘッド、オルゴール、音響機器等
の軸として適用可能なものである。
持する軸及びその製造方法に関するものであり、特に電
動機やタイマー、ギアヘッド、オルゴール、音響機器等
の軸として適用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】図17ないし図19は従来の軸を小型モ
ータに適用した例を示すものである。図17の例は、実
開平3−113952号公報に公知である構造である。
回転軸1はラジアル軸受2によって回転自在に支持され
ている。回転軸1の上端部には出力部材(図17におい
てハブ台)4が一体に固定されている。回転軸1の下端
には端面中央にねじ孔14が設けられ、このねじ孔14
にセンタービス7を螺合することで、ロータヨーク3が
回転軸1に一体に固定され、これらによりロータ19が
構成されている。上記出力部材4の下側にはスラスト当
接部材9が設けられている。スラスト当接部材9はスラ
スト与圧ばね8により軸線方向(図17において下方)
に付勢されることにより、軸受2の上端面に当接させら
れており、これにより回転軸1がスラスト方向に支持さ
れている。
ータに適用した例を示すものである。図17の例は、実
開平3−113952号公報に公知である構造である。
回転軸1はラジアル軸受2によって回転自在に支持され
ている。回転軸1の上端部には出力部材(図17におい
てハブ台)4が一体に固定されている。回転軸1の下端
には端面中央にねじ孔14が設けられ、このねじ孔14
にセンタービス7を螺合することで、ロータヨーク3が
回転軸1に一体に固定され、これらによりロータ19が
構成されている。上記出力部材4の下側にはスラスト当
接部材9が設けられている。スラスト当接部材9はスラ
スト与圧ばね8により軸線方向(図17において下方)
に付勢されることにより、軸受2の上端面に当接させら
れており、これにより回転軸1がスラスト方向に支持さ
れている。
【0003】図18の例は、前記公報及び実開平2−8
8463号公報に公知である構造である。なお、上記図
17と同一の構成については同一の符号を用い、説明を
省略する。回転軸1の上端部には、出力部材4を介して
ロータヨーク3が固定され、これらによりロータ19が
構成されている。一方、回転軸1の下端は略球面状に形
成されており、基板6上に固定されたスラスト軸受5に
当接し、これによりロータ19がスラスト方向に支持さ
れている。
8463号公報に公知である構造である。なお、上記図
17と同一の構成については同一の符号を用い、説明を
省略する。回転軸1の上端部には、出力部材4を介して
ロータヨーク3が固定され、これらによりロータ19が
構成されている。一方、回転軸1の下端は略球面状に形
成されており、基板6上に固定されたスラスト軸受5に
当接し、これによりロータ19がスラスト方向に支持さ
れている。
【0004】図19の例は、実開平5−23757号に
公知の構造である。なお、図18に示す例と同一の構成
については同一の符号を用い説明を省略する。基板6の
略中央部には、ボス10を介して固定軸11の下端部が
固定されている。固定軸11の外周にはラジアル軸受2
が回転自在に嵌められている。ロータヨーク3の略中央
部には出力部材4が取り付けられ、これらによりロータ
19が構成されている。出力部材4からは円筒部4aが
下方に延びている。円筒部4aの内側は上記軸受2の外
周面が嵌められており、これによりロータ19がラジア
ル方向に回転自在に支持されている。一方、出力部材4
の天井面には段部4bが形成されており、段部4bには
スラスト軸受5が固着されている。上記固定軸11の上
端部がこのスラスト軸受5に当接することによりロータ
19がスラスト方向に支持されている。
公知の構造である。なお、図18に示す例と同一の構成
については同一の符号を用い説明を省略する。基板6の
略中央部には、ボス10を介して固定軸11の下端部が
固定されている。固定軸11の外周にはラジアル軸受2
が回転自在に嵌められている。ロータヨーク3の略中央
部には出力部材4が取り付けられ、これらによりロータ
19が構成されている。出力部材4からは円筒部4aが
下方に延びている。円筒部4aの内側は上記軸受2の外
周面が嵌められており、これによりロータ19がラジア
ル方向に回転自在に支持されている。一方、出力部材4
の天井面には段部4bが形成されており、段部4bには
スラスト軸受5が固着されている。上記固定軸11の上
端部がこのスラスト軸受5に当接することによりロータ
19がスラスト方向に支持されている。
【0005】図17ないし図19に示すように、ロータ
側に界磁マグネット12を設け、ステータ側に駆動コイ
ル13を設け、図17及び図19に示すように界磁マグ
ネット12とステータコア15とを周対向させ、あるい
は図18に示すように界磁マグネット12と駆動コイル
13とを面対向させて配置している。この駆動コイル1
3を通電制御することにより、電磁作用によってロータ
19はトルクを得て回転する。なお、ロータ側に駆動コ
イルを設け、ステータ側に界磁マグネットを設けてもよ
い。また、図17及び図19に示すようにコイル13は
鉄芯15を有していてもよいし、図18に示すように鉄
芯を有していなくともよい。
側に界磁マグネット12を設け、ステータ側に駆動コイ
ル13を設け、図17及び図19に示すように界磁マグ
ネット12とステータコア15とを周対向させ、あるい
は図18に示すように界磁マグネット12と駆動コイル
13とを面対向させて配置している。この駆動コイル1
3を通電制御することにより、電磁作用によってロータ
19はトルクを得て回転する。なお、ロータ側に駆動コ
イルを設け、ステータ側に界磁マグネットを設けてもよ
い。また、図17及び図19に示すようにコイル13は
鉄芯15を有していてもよいし、図18に示すように鉄
芯を有していなくともよい。
【0006】以上に説明した従来の小型モータに使用す
る軸(図17、図18の例の回転軸1、あるいは図19
の例の固定軸11)の製造方法としては、図20(a)
に示すように丸棒材を熱処理したあと定尺に切断し、次
に、センターレス研削をしたあと端面を球面状あるいは
円弧状に研削し、最後にバレル仕上げを行う方法があ
る。また、図20(b)に示すように、定尺切断された
丸棒材の一端部にタップ加工を施した後、熱処理をし、
次に、センターレス研削をしたあと端面を球面状あるい
は円弧状に研削し、最後にバレル仕上げを行う方法など
がある。
る軸(図17、図18の例の回転軸1、あるいは図19
の例の固定軸11)の製造方法としては、図20(a)
に示すように丸棒材を熱処理したあと定尺に切断し、次
に、センターレス研削をしたあと端面を球面状あるいは
円弧状に研削し、最後にバレル仕上げを行う方法があ
る。また、図20(b)に示すように、定尺切断された
丸棒材の一端部にタップ加工を施した後、熱処理をし、
次に、センターレス研削をしたあと端面を球面状あるい
は円弧状に研削し、最後にバレル仕上げを行う方法など
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来の製造方法
は、軸の外径を高精度とすることが可能である反面、丸
棒材を用いると共にこれに旋削あるいは研削加工などを
施していたため、多くの設備投資が必要となり、また研
削加工等のため工具の消耗が激しく、コストが甚大であ
るという欠点があった。特に、軸の端部を球面形状とす
る場合、丸棒材の端部を研削加工する必要があるため、
加工時間が非常に長くなり、軸の原価が高くなるという
問題があった。
は、軸の外径を高精度とすることが可能である反面、丸
棒材を用いると共にこれに旋削あるいは研削加工などを
施していたため、多くの設備投資が必要となり、また研
削加工等のため工具の消耗が激しく、コストが甚大であ
るという欠点があった。特に、軸の端部を球面形状とす
る場合、丸棒材の端部を研削加工する必要があるため、
加工時間が非常に長くなり、軸の原価が高くなるという
問題があった。
【0008】また、負圧を利用した気体軸受を用いる場
合には、図21に示すように軸1にグルーブ溝24を設
ける必要があるため、別途特殊な2次加工を必要とし、
さらに原価が高くなってしまうという問題がある。
合には、図21に示すように軸1にグルーブ溝24を設
ける必要があるため、別途特殊な2次加工を必要とし、
さらに原価が高くなってしまうという問題がある。
【0009】さらに、上記のような図17ないし図19
に示す例では、軸1と軸受2及びスラスト軸受5とが摺
接していることなどから、軸受部の温度が上昇し、軸及
び軸受の精度が劣化し寿命が短くなってしまうという問
題がある。そのため、特開平4−88858号公報に記
載されているように、軸を中空とすることにより軸受部
の温度上昇を防止して精度及び寿命の劣化を回避するこ
とも考えられる。しかし、上記のような従来の製造方法
では、丸棒材に対し旋削加工を施していたため、中空の
軸を製造するための原価が甚大となってしまうという問
題があった。
に示す例では、軸1と軸受2及びスラスト軸受5とが摺
接していることなどから、軸受部の温度が上昇し、軸及
び軸受の精度が劣化し寿命が短くなってしまうという問
題がある。そのため、特開平4−88858号公報に記
載されているように、軸を中空とすることにより軸受部
の温度上昇を防止して精度及び寿命の劣化を回避するこ
とも考えられる。しかし、上記のような従来の製造方法
では、丸棒材に対し旋削加工を施していたため、中空の
軸を製造するための原価が甚大となってしまうという問
題があった。
【0010】本願発明は、上記従来技術の問題を解決す
るためになされたものであって、設備投資や消耗工具費
用などの加工費用を小さくすることにより、軸の原価を
大幅に低減できる軸の製造方法を提供することを目的と
する。また、軸及び軸受の精度や寿命の向上を図ること
ができる軸を得ることを目的とする。
るためになされたものであって、設備投資や消耗工具費
用などの加工費用を小さくすることにより、軸の原価を
大幅に低減できる軸の製造方法を提供することを目的と
する。また、軸及び軸受の精度や寿命の向上を図ること
ができる軸を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる軸は金属
製の板材をプレスにより塑性変形し、有底管状に形成し
たことを特徴とする。軸の開口部に球面を有するスラス
ト当接部材を固着してもよい。軸の開口部側にラジアル
方向に延出した鍔部を設けてもよい。金属製の板材の表
面に所定形状の溝を形成してもよい。金属製板材の表面
に潤滑剤を塗布してもよい。金属製の板材をプレスによ
り塑性変形させて、有底管状の軸部と、略カップ状のロ
ータケース部とを一体形成してもよい。本発明にかかる
軸の製造方法は、少なくとも、金属製の板材を所望形状
に外形抜きする第1工程とこの第1工程により得られた
板材を形成絞り加工により塑性変形させて、有底管状の
軸を形成する第2工程とを有することを特徴とする。第
2工程で得られた部材に熱処理を施してもよい。
製の板材をプレスにより塑性変形し、有底管状に形成し
たことを特徴とする。軸の開口部に球面を有するスラス
ト当接部材を固着してもよい。軸の開口部側にラジアル
方向に延出した鍔部を設けてもよい。金属製の板材の表
面に所定形状の溝を形成してもよい。金属製板材の表面
に潤滑剤を塗布してもよい。金属製の板材をプレスによ
り塑性変形させて、有底管状の軸部と、略カップ状のロ
ータケース部とを一体形成してもよい。本発明にかかる
軸の製造方法は、少なくとも、金属製の板材を所望形状
に外形抜きする第1工程とこの第1工程により得られた
板材を形成絞り加工により塑性変形させて、有底管状の
軸を形成する第2工程とを有することを特徴とする。第
2工程で得られた部材に熱処理を施してもよい。
【0012】
【作用】軸が有底管状に形成されているため、その中心
部には有底円筒孔を形成することができる。有底管状に
形成された軸は熱を発散し、軸受部の温度上昇を防止す
る。軸の開口部側に取り付けられたスラスト当接部材は
スラスト受けに当接することによって軸を回転自在に支
持する。軸の開口部からラジアル方向に延出した鍔部は
出力部材として利用することができる。板材の表面に形
成された溝は気体軸受においてグルーブ溝や空気抜きの
細孔、部材取付け用の孔等として作用する。板材の表面
に塗布された潤滑剤は軸と他部材との間の潤滑をおこな
う。軸部とロータケース部とが一体形成され、電動機の
ロータを構成する。
部には有底円筒孔を形成することができる。有底管状に
形成された軸は熱を発散し、軸受部の温度上昇を防止す
る。軸の開口部側に取り付けられたスラスト当接部材は
スラスト受けに当接することによって軸を回転自在に支
持する。軸の開口部からラジアル方向に延出した鍔部は
出力部材として利用することができる。板材の表面に形
成された溝は気体軸受においてグルーブ溝や空気抜きの
細孔、部材取付け用の孔等として作用する。板材の表面
に塗布された潤滑剤は軸と他部材との間の潤滑をおこな
う。軸部とロータケース部とが一体形成され、電動機の
ロータを構成する。
【0013】
【実施例】図1は本発明にかかる軸の製造方法の実施例
を示した図である。軸を製造する素材として金属製の板
材を使用する。板材の材質は、例えばマルテンサイト系
ステンレス材であるが、必要に応じ鉄材等の材質であっ
てもよいし、表面に他の材質層をあらかじめ設けたメッ
キ鋼板等であってもよい。また、板材の形状は一定寸法
に切断された定尺材であってもよいし、長尺の板材を巻
回したいわゆるロール材であってもよい。
を示した図である。軸を製造する素材として金属製の板
材を使用する。板材の材質は、例えばマルテンサイト系
ステンレス材であるが、必要に応じ鉄材等の材質であっ
てもよいし、表面に他の材質層をあらかじめ設けたメッ
キ鋼板等であってもよい。また、板材の形状は一定寸法
に切断された定尺材であってもよいし、長尺の板材を巻
回したいわゆるロール材であってもよい。
【0014】まず、上記板材より軸に使用する材料を打
ち抜く外形抜きを行う。通常、軸の外周形状は円である
ので、図3(a)に示すように略円形に打ち抜く。な
お、軸の外周形状に応じて略六角形、あるいは図3
(b)に示すような異形状に打ち抜いてもよい。また、
図3(c)に示すように板材の圧延方向に沿って楕円形
に打ち抜いてもよい。図3(b)(c)のように異形状
あるいは楕円形状などに打ち抜くことにより、絞り加工
時の延縮により偏りが生じ軸端部が波打つという不具合
を防止することができ、外観仕様が良好で精度の良い軸
を得ることができる。なお、打ち抜く際の形や大きさ
は、材料の特性に応じて適宜決めればよい。
ち抜く外形抜きを行う。通常、軸の外周形状は円である
ので、図3(a)に示すように略円形に打ち抜く。な
お、軸の外周形状に応じて略六角形、あるいは図3
(b)に示すような異形状に打ち抜いてもよい。また、
図3(c)に示すように板材の圧延方向に沿って楕円形
に打ち抜いてもよい。図3(b)(c)のように異形状
あるいは楕円形状などに打ち抜くことにより、絞り加工
時の延縮により偏りが生じ軸端部が波打つという不具合
を防止することができ、外観仕様が良好で精度の良い軸
を得ることができる。なお、打ち抜く際の形や大きさ
は、材料の特性に応じて適宜決めればよい。
【0015】上記工程により打ち抜かれた板材を形成絞
り加工により塑性変形させて、略カップ状の軸に形成す
る。かかる工程は一工程でもよいが、図1に示すように
数工程としてもよい。数工程で成形絞りを行うことによ
り亀裂の発生を予防し寸法精度の向上を図ることができ
る。なお、かかる工程の中で軸端部を球面形状、R形状
などに加工するようにしてもよい。なお、組成変形させ
る際に軸の開口端部に生じたバリを必要に応じて除去
し、外観仕様を良好にすると共に精度よく仕上げる。
り加工により塑性変形させて、略カップ状の軸に形成す
る。かかる工程は一工程でもよいが、図1に示すように
数工程としてもよい。数工程で成形絞りを行うことによ
り亀裂の発生を予防し寸法精度の向上を図ることができ
る。なお、かかる工程の中で軸端部を球面形状、R形状
などに加工するようにしてもよい。なお、組成変形させ
る際に軸の開口端部に生じたバリを必要に応じて除去
し、外観仕様を良好にすると共に精度よく仕上げる。
【0016】以上のような軸の製造工程よれば最低限必
要な設備投資は、プレス機と金型のみであるため、軸を
製造するための投資額は比較的小さくてすむ。また、必
要に応じて開口部等のバリを除去したとしても旋削、研
磨加工に比べ消耗工具費は僅少であり、この点でも製造
コストを抑えることができる。さらに、加工時間が短く
てすむので、作業能率が向上し加工費を大幅に低減する
ことができる。
要な設備投資は、プレス機と金型のみであるため、軸を
製造するための投資額は比較的小さくてすむ。また、必
要に応じて開口部等のバリを除去したとしても旋削、研
磨加工に比べ消耗工具費は僅少であり、この点でも製造
コストを抑えることができる。さらに、加工時間が短く
てすむので、作業能率が向上し加工費を大幅に低減する
ことができる。
【0017】なお、上記実施例においては単発プレス工
法を用いているが、単発プレス金型を並設し、金型間で
部材を搬送するトランスファーマシンを利用してもよ
い。これにより上記実施例の効果に加えて、さらに生産
性を向上させることができる。また、孔開け−形成絞り
−抜き落しの工程からなるいわゆる順送りプレス工法を
利用してもよく、これによっても生産性を向上させるこ
とができる。
法を用いているが、単発プレス金型を並設し、金型間で
部材を搬送するトランスファーマシンを利用してもよ
い。これにより上記実施例の効果に加えて、さらに生産
性を向上させることができる。また、孔開け−形成絞り
−抜き落しの工程からなるいわゆる順送りプレス工法を
利用してもよく、これによっても生産性を向上させるこ
とができる。
【0018】プレス加工時には一般的な部品のプレス加
工と同様にプレス加工油を使用してもよく、これにより
金型の耗損を防ぐことができる。なお、プレス加工油を
使用した場合には軸を洗浄する工程を追加してもよく、
これにより残存するプレス加工油を除去することがで
き、軸の使用に当って不具合が生じることをなくすこと
ができる。
工と同様にプレス加工油を使用してもよく、これにより
金型の耗損を防ぐことができる。なお、プレス加工油を
使用した場合には軸を洗浄する工程を追加してもよく、
これにより残存するプレス加工油を除去することがで
き、軸の使用に当って不具合が生じることをなくすこと
ができる。
【0019】上記工程に加えてプレス加工により所望の
形状とした軸に対し、バレル仕上げを施す工程を追加し
てもよい。これにより加工バリを除去することができる
と共に軸の表面の粗さを向上させることができる。な
お、要求される精度、仕上げによってはバレル仕上げ工
程を省略してもよい。
形状とした軸に対し、バレル仕上げを施す工程を追加し
てもよい。これにより加工バリを除去することができる
と共に軸の表面の粗さを向上させることができる。な
お、要求される精度、仕上げによってはバレル仕上げ工
程を省略してもよい。
【0020】さらに、上記工程に加えて軸に対し熱処理
を行う工程を追加してもよい。これによりプレス加工時
に生じた軸の歪みを取り除くことができると共に、軸の
表面硬度を向上させることができる。なお、かかる熱処
理は軸全体に対して行ってもよいし、図4に示すよう
に、特に高硬度を必要とする部分(図4においては軸2
1の先端部分21a)にのみ行ってもよい。
を行う工程を追加してもよい。これによりプレス加工時
に生じた軸の歪みを取り除くことができると共に、軸の
表面硬度を向上させることができる。なお、かかる熱処
理は軸全体に対して行ってもよいし、図4に示すよう
に、特に高硬度を必要とする部分(図4においては軸2
1の先端部分21a)にのみ行ってもよい。
【0021】また、上記工程の2次工程として従来工法
である旋削加工、研削加工の工程を追加してもよい。こ
れによりプレス加工によって所望の形状や寸法精度等が
完全には得られなかった場合でも、軸の形状を整えたり
寸法精度を向上させることなどができる。なお、かかる
加工を行う場合でも、概ね所望とする形状は既にプレス
加工により得られているので、2次加工の加工時間を短
くすることができ、軸の加工費を大幅に低減させること
ができる。
である旋削加工、研削加工の工程を追加してもよい。こ
れによりプレス加工によって所望の形状や寸法精度等が
完全には得られなかった場合でも、軸の形状を整えたり
寸法精度を向上させることなどができる。なお、かかる
加工を行う場合でも、概ね所望とする形状は既にプレス
加工により得られているので、2次加工の加工時間を短
くすることができ、軸の加工費を大幅に低減させること
ができる。
【0022】このような製造方法によれば、軸の下端部
等に開口部を必要とする軸を製造する場合でも、板材の
厚みを適当に設定することで任意の内径の有底孔(図4
において有底円筒孔20)を設けることができる。この
有底孔は、プレス工法の絞り加工によって軸を製造する
ことに付随して形成されるので、特別なコストはほとん
どかからない。従って、有底孔を有する軸の製造原価が
大幅に低減される。
等に開口部を必要とする軸を製造する場合でも、板材の
厚みを適当に設定することで任意の内径の有底孔(図4
において有底円筒孔20)を設けることができる。この
有底孔は、プレス工法の絞り加工によって軸を製造する
ことに付随して形成されるので、特別なコストはほとん
どかからない。従って、有底孔を有する軸の製造原価が
大幅に低減される。
【0023】図5(a)(b)に示すように、軸21に
細孔23を設けることで、この細孔23に結合部材を取
り付けたり、他の部材の一部を嵌合させることにより軸
21と他の部材との固定強度を向上させることができ
る。なお、かかる細孔23を設ける場合、従来の軸の製
造方法においては、2次加工を必要とし加工費用が多大
とならざるを得なかった。しかし、上記図1に示す実施
例の製造方法によれば、外形抜き工程の前、後、あるい
は同時に所定位置にプレス加工によってあらかじめ設け
ておけばよいので、孔明けを容易にすることができ、特
別なコストもほとんどかからない。従って、細孔23を
有する軸21の製造原価を大幅に低減させることができ
る。
細孔23を設けることで、この細孔23に結合部材を取
り付けたり、他の部材の一部を嵌合させることにより軸
21と他の部材との固定強度を向上させることができ
る。なお、かかる細孔23を設ける場合、従来の軸の製
造方法においては、2次加工を必要とし加工費用が多大
とならざるを得なかった。しかし、上記図1に示す実施
例の製造方法によれば、外形抜き工程の前、後、あるい
は同時に所定位置にプレス加工によってあらかじめ設け
ておけばよいので、孔明けを容易にすることができ、特
別なコストもほとんどかからない。従って、細孔23を
有する軸21の製造原価を大幅に低減させることができ
る。
【0024】本発明の軸の製造方法においては、外形抜
き工程の前、後、あるいは同時に所定位置にプレス加工
による凹部(図6において溝24)を容易に設けること
ができ、特別なコストもほとんどかからない。従って、
流体軸受を構成する軸に必要とされるグルーブ溝を非常
に安価に得ることができる。図6(a)は外周にグルー
ブ溝24を設けた例、図6(b)は周溝24、図6
(c)は縦溝24、図6(d)はスパイラル状の溝24
を設けた例、図6(e)(f)は有底孔20の内周にそ
れぞれグルーブ溝24、縦溝24を設けた例、図6
(g)は軸の上端面に凹部としての溝24を設けた例、
図6(h)は有底孔20の底面に凹部としての溝24を
設けた例である。溝24はその軸の用途や機能に基づい
て任意に設ければよい。このように、板材の状態で適宜
の形の溝24を設け、これを塑性変形させることによ
り、任意の形状、数、位置の溝を有する軸を容易に得る
ことができるので、このような溝を有する軸の製造原価
を大幅に低減させることができる。従って、従来原価の
制約により溝を設けることができなかった軸に対して
も、本発明にかかる製造方法を用いれば、所望の溝を設
けた軸を使用することが可能になり、モータ等の精度や
寿命を向上させることができる。
き工程の前、後、あるいは同時に所定位置にプレス加工
による凹部(図6において溝24)を容易に設けること
ができ、特別なコストもほとんどかからない。従って、
流体軸受を構成する軸に必要とされるグルーブ溝を非常
に安価に得ることができる。図6(a)は外周にグルー
ブ溝24を設けた例、図6(b)は周溝24、図6
(c)は縦溝24、図6(d)はスパイラル状の溝24
を設けた例、図6(e)(f)は有底孔20の内周にそ
れぞれグルーブ溝24、縦溝24を設けた例、図6
(g)は軸の上端面に凹部としての溝24を設けた例、
図6(h)は有底孔20の底面に凹部としての溝24を
設けた例である。溝24はその軸の用途や機能に基づい
て任意に設ければよい。このように、板材の状態で適宜
の形の溝24を設け、これを塑性変形させることによ
り、任意の形状、数、位置の溝を有する軸を容易に得る
ことができるので、このような溝を有する軸の製造原価
を大幅に低減させることができる。従って、従来原価の
制約により溝を設けることができなかった軸に対して
も、本発明にかかる製造方法を用いれば、所望の溝を設
けた軸を使用することが可能になり、モータ等の精度や
寿命を向上させることができる。
【0025】本発明の軸の製造方法においては、外形抜
き工程の前、後、あるいは同時に所定位置にプレス加工
による突部を、特別なコストを要することなく容易に設
けることができる。例えば、図12に示すように軸21
の外周に多数の張り出し凸部25を容易に設けることが
できる。この図12に示す軸21を前記図17の構造の
モータのロータに使用すれば、軸21と出力部材4との
一体成形において、軸21に対する出力部材4の固定強
度を軸線方向、回転方向ともに飛躍的に向上させること
ができる。
き工程の前、後、あるいは同時に所定位置にプレス加工
による突部を、特別なコストを要することなく容易に設
けることができる。例えば、図12に示すように軸21
の外周に多数の張り出し凸部25を容易に設けることが
できる。この図12に示す軸21を前記図17の構造の
モータのロータに使用すれば、軸21と出力部材4との
一体成形において、軸21に対する出力部材4の固定強
度を軸線方向、回転方向ともに飛躍的に向上させること
ができる。
【0026】本発明の製造方法により製造した軸の端部
(有底孔の外縁部)は、プレス加工による破断面が露出
することが多いため、軸端部に錆が生じることがある。
かかる錆の発生を防止するため、軸の一部分あるいは全
体に、メッキ、塗装、電着、蒸着等の表面処理を施して
もよい。これにより高湿度環境下における保管、使用に
よっても、発錆による不都合を防止することができる。
なお、表面処理は窒化処理のように表面硬度を向上する
目的で行われるものでもよい。
(有底孔の外縁部)は、プレス加工による破断面が露出
することが多いため、軸端部に錆が生じることがある。
かかる錆の発生を防止するため、軸の一部分あるいは全
体に、メッキ、塗装、電着、蒸着等の表面処理を施して
もよい。これにより高湿度環境下における保管、使用に
よっても、発錆による不都合を防止することができる。
なお、表面処理は窒化処理のように表面硬度を向上する
目的で行われるものでもよい。
【0027】また、従来、小型モータの軸に潤滑剤を塗
布等により均一にコーティングすることは、困難であり
熟練を要する作業であった。しかし、本発明によれば、
板材あるいは外形抜き後の状態で全体、両面、片面、あ
るいは一部に潤滑剤を印刷、塗布等することができ、こ
れにより、均一にしかも経済的に潤滑剤をコーティング
することが容易にできる。
布等により均一にコーティングすることは、困難であり
熟練を要する作業であった。しかし、本発明によれば、
板材あるいは外形抜き後の状態で全体、両面、片面、あ
るいは一部に潤滑剤を印刷、塗布等することができ、こ
れにより、均一にしかも経済的に潤滑剤をコーティング
することが容易にできる。
【0028】次に、上記製造方法等より製造された軸を
モータに適用した例を説明する。図2(a)は本発明の
軸を図17の構造のモータに適用した例である。図2
(a)のモータにおいて、基板6の中心部の孔には軸受
ホルダーを介して軸受2が固定されている。軸受2によ
り軸21が回転自在に支持されている。この軸21は上
記図1に示す製造方法により製造されたものであり、そ
の中心部には有底円筒孔20が形成されている。この有
底円筒孔20の開口部側には、ロータヨーク3が取り付
けられている。ロータヨーク3と軸21とは、セルフタ
ッピング形状のセンタービス22がロータヨーク3の中
心孔から有底円筒孔20にかけて螺合されることにより
一体に結合されている。また、軸21の上端部には出力
部材4が固着されている。
モータに適用した例を説明する。図2(a)は本発明の
軸を図17の構造のモータに適用した例である。図2
(a)のモータにおいて、基板6の中心部の孔には軸受
ホルダーを介して軸受2が固定されている。軸受2によ
り軸21が回転自在に支持されている。この軸21は上
記図1に示す製造方法により製造されたものであり、そ
の中心部には有底円筒孔20が形成されている。この有
底円筒孔20の開口部側には、ロータヨーク3が取り付
けられている。ロータヨーク3と軸21とは、セルフタ
ッピング形状のセンタービス22がロータヨーク3の中
心孔から有底円筒孔20にかけて螺合されることにより
一体に結合されている。また、軸21の上端部には出力
部材4が固着されている。
【0029】このように、軸21は中心部に有底円筒孔
20を有していることから、図17に記載した従来例と
同様な効果を奏することができる。また、上記図1に示
すような製造方法により軸21を製造していることか
ら、容易にロータヨーク3と軸とをねじ止めすることが
できると共に、従来のような切削による穴開け工程は不
要であることから、軸受の原価を抑えることができ、製
造コストを低く抑えたモータを得ることができる。
20を有していることから、図17に記載した従来例と
同様な効果を奏することができる。また、上記図1に示
すような製造方法により軸21を製造していることか
ら、容易にロータヨーク3と軸とをねじ止めすることが
できると共に、従来のような切削による穴開け工程は不
要であることから、軸受の原価を抑えることができ、製
造コストを低く抑えたモータを得ることができる。
【0030】なお、図2(a)に示す例では軸21に雌
ねじ加工を行うことを省略して、さらに軸21の製造コ
ストを低減しているが、必要に応じ雌ねじ加工を行って
もよい。また、図15に示すように、外形抜き時に外形
形状を歯車状(非円形)とすることで端部に凹凸27を
連続して形成してもよい。この板材を塑性変形して得ら
れた軸21を図2(a)に示すようなモータに適用すれ
ば、軸21とロータヨーク3との回転方向の固定強度を
向上させることができる。また、有底円筒孔20を利用
し、ロータヨーク3と軸21の同軸精度を向上すること
も容易にできる。図2(g)に示すように、ロータヨー
ク3の中心に中央凸起28を設けて、これに軸21の有
円筒底孔20を嵌合し、圧入、接着、溶接その他の方法
で固定してもよい。かかる構成であっても上記図2
(a)に示す例と同様な効果を奏することができると共
に、容易にロータヨーク3と軸21とを固定することが
できる。
ねじ加工を行うことを省略して、さらに軸21の製造コ
ストを低減しているが、必要に応じ雌ねじ加工を行って
もよい。また、図15に示すように、外形抜き時に外形
形状を歯車状(非円形)とすることで端部に凹凸27を
連続して形成してもよい。この板材を塑性変形して得ら
れた軸21を図2(a)に示すようなモータに適用すれ
ば、軸21とロータヨーク3との回転方向の固定強度を
向上させることができる。また、有底円筒孔20を利用
し、ロータヨーク3と軸21の同軸精度を向上すること
も容易にできる。図2(g)に示すように、ロータヨー
ク3の中心に中央凸起28を設けて、これに軸21の有
円筒底孔20を嵌合し、圧入、接着、溶接その他の方法
で固定してもよい。かかる構成であっても上記図2
(a)に示す例と同様な効果を奏することができると共
に、容易にロータヨーク3と軸21とを固定することが
できる。
【0031】次に、図2(c)に示す例について説明す
る。図2(c)は本発明の軸を図18(a)の構造のモ
ータに適用した例である。なお、上記図2(a)のモー
タと同一の構成については同一の符号を付し説明を省略
する。図2(c)のモータは、図2(b)に示す回転軸
体29を回転軸として使用したものである。図2(b)
(c)において回転軸体29は、上記軸21の有底円筒
孔20に樹脂成形等によるスラスト当接部材26を圧入
固定したものである。スラスト当接部材26は断面が略
逆T字状をしており、その基部26aが有底円筒孔20
に圧入され、その頭部26bは外形が球状をしており、
基板6と摺接している。スラスト当接部材26を基板6
に直接当接させたことから、スラスト軸受を省略するこ
とができるので、スラスト当接部材26を追加してもコ
ストの上昇はなく、全体としてモータの製造コストを低
減させることができる。なお、スラスト当接部材26の
圧入時に有底円筒孔20内が気密となって、作業に支障
が発生する場合には、図5に示したように細孔23を設
け、排気を行ってもよく、これによりスムーズに作業を
行うことができる。
る。図2(c)は本発明の軸を図18(a)の構造のモ
ータに適用した例である。なお、上記図2(a)のモー
タと同一の構成については同一の符号を付し説明を省略
する。図2(c)のモータは、図2(b)に示す回転軸
体29を回転軸として使用したものである。図2(b)
(c)において回転軸体29は、上記軸21の有底円筒
孔20に樹脂成形等によるスラスト当接部材26を圧入
固定したものである。スラスト当接部材26は断面が略
逆T字状をしており、その基部26aが有底円筒孔20
に圧入され、その頭部26bは外形が球状をしており、
基板6と摺接している。スラスト当接部材26を基板6
に直接当接させたことから、スラスト軸受を省略するこ
とができるので、スラスト当接部材26を追加してもコ
ストの上昇はなく、全体としてモータの製造コストを低
減させることができる。なお、スラスト当接部材26の
圧入時に有底円筒孔20内が気密となって、作業に支障
が発生する場合には、図5に示したように細孔23を設
け、排気を行ってもよく、これによりスムーズに作業を
行うことができる。
【0032】次に、図13に示す実施例について説明す
る。なお、図2(c)に示す例と同一の構成については
同一の符号を付し説明を省略する。図13のモータにお
いて、軸21の中心部には有底円筒孔20が設けられて
いる。この有底円筒孔20は図13において上方に開口
部を有しており、この開口部には高硬度部材30が圧入
固着されている。高硬度部材30はスラスト当接部材の
一種であって、断面T字状をしており、その基部が有底
円筒孔20に嵌合し、その頭部の外周面は球状に形成さ
れている。
る。なお、図2(c)に示す例と同一の構成については
同一の符号を付し説明を省略する。図13のモータにお
いて、軸21の中心部には有底円筒孔20が設けられて
いる。この有底円筒孔20は図13において上方に開口
部を有しており、この開口部には高硬度部材30が圧入
固着されている。高硬度部材30はスラスト当接部材の
一種であって、断面T字状をしており、その基部が有底
円筒孔20に嵌合し、その頭部の外周面は球状に形成さ
れている。
【0033】上記のような図13に示すモータによれ
ば、高硬度部材30を設けていることから、高寸法精度
と耐摩耗性を必要とされる機器に適用した場合、軸全体
を高硬度部材で構成しなくともよいし、また、軸は上記
図1に示す製造方法により製造されていることから、製
造コストを抑えることができる。従って、図13に示す
モータは特に、3.5フロッピーディスク装置等に使用
される小型モータとして有効であって、軸21の上端に
取り付けられた高硬度部材30によりフロッピーディス
クの位置決めを行うことにより、コストを抑えつつ十分
な耐摩耗性を得ることができると共に、高い精度で位置
決めすることができる。
ば、高硬度部材30を設けていることから、高寸法精度
と耐摩耗性を必要とされる機器に適用した場合、軸全体
を高硬度部材で構成しなくともよいし、また、軸は上記
図1に示す製造方法により製造されていることから、製
造コストを抑えることができる。従って、図13に示す
モータは特に、3.5フロッピーディスク装置等に使用
される小型モータとして有効であって、軸21の上端に
取り付けられた高硬度部材30によりフロッピーディス
クの位置決めを行うことにより、コストを抑えつつ十分
な耐摩耗性を得ることができると共に、高い精度で位置
決めすることができる。
【0034】次に、図2(d)に示す例について説明す
る。この例は本発明にかかる軸を図18(b)の構造の
モータに適用した例である。なお、上記実施例と同一の
構成については同一の符号を付し説明を省略する。図2
(d)に示すモータでは、軸21は玉軸受からなる軸受
2により回転自在に支持されている。軸21の中心部に
有底円筒孔20が形成されており、軸21の下端に開口
部を有している。そして、軸21の上端部には出力部材
4(図2(d)においてはハブ台)を介してロータヨー
クが取り付けられている。なお、図2(d)においては
軸受2は玉軸受であるが、図2(e)に示すように軸受
2として焼結含油軸受を用いてもよい。
る。この例は本発明にかかる軸を図18(b)の構造の
モータに適用した例である。なお、上記実施例と同一の
構成については同一の符号を付し説明を省略する。図2
(d)に示すモータでは、軸21は玉軸受からなる軸受
2により回転自在に支持されている。軸21の中心部に
有底円筒孔20が形成されており、軸21の下端に開口
部を有している。そして、軸21の上端部には出力部材
4(図2(d)においてはハブ台)を介してロータヨー
クが取り付けられている。なお、図2(d)においては
軸受2は玉軸受であるが、図2(e)に示すように軸受
2として焼結含油軸受を用いてもよい。
【0035】上記図2(d)に示す実施例によれば、軸
21に有底円筒孔20を有することから、軸21は中空
状となり、これにより軸受部の熱を放出することが出き
るため、軸受部の温度上昇を抑えることができ、軸受部
の精度及び寿命の劣化を防止することができる。またこ
れに加えて、軸21を上記図1に示す製造工程により製
造するため容易製造することができ、製造コストを低く
抑えた小型モータを提供することができる。
21に有底円筒孔20を有することから、軸21は中空
状となり、これにより軸受部の熱を放出することが出き
るため、軸受部の温度上昇を抑えることができ、軸受部
の精度及び寿命の劣化を防止することができる。またこ
れに加えて、軸21を上記図1に示す製造工程により製
造するため容易製造することができ、製造コストを低く
抑えた小型モータを提供することができる。
【0036】次に、図2(f)に示す実施例について説
明する。なお、上記実施例と同一の構成については同一
の符号を付し説明を省略する。図2(f)のモータは、
図19の小型モータに本発明にかかる固定軸31を適用
したものである。基板6の中央部には介在部材10を介
して固定軸31が一体に固定されている。固定軸31の
外周には軸受2が取り付けられている。ロータヨーク3
の中心部には下方に向けて円筒部3aが設けられてい
る。円筒部3aの内周面には出力部材4の下面に形成さ
れた円筒部4aが圧入固着され、出力部材4とロータヨ
ーク3とが一体に固定されている。そして、出力部材4
の円筒部4a内周面が上記軸受2の外周と摺接すること
により、ロータが回転自在に支持されている。
明する。なお、上記実施例と同一の構成については同一
の符号を付し説明を省略する。図2(f)のモータは、
図19の小型モータに本発明にかかる固定軸31を適用
したものである。基板6の中央部には介在部材10を介
して固定軸31が一体に固定されている。固定軸31の
外周には軸受2が取り付けられている。ロータヨーク3
の中心部には下方に向けて円筒部3aが設けられてい
る。円筒部3aの内周面には出力部材4の下面に形成さ
れた円筒部4aが圧入固着され、出力部材4とロータヨ
ーク3とが一体に固定されている。そして、出力部材4
の円筒部4a内周面が上記軸受2の外周と摺接すること
により、ロータが回転自在に支持されている。
【0037】上記のような図2(f)に示す実施例によ
れば、軸31は上記図1に示した製造方法により製造さ
れるため、軸31の製造コストを低く抑えることがで
き、図19に示す例と略同様の構造のモータを比較的安
価で提供することができる。なお、図10に示すよう
に、固定軸31の中央に透孔23を設け、この透孔23
にスラスト当接部材26を固定して固定軸体32として
もよい。これによれば上記図2(f)に記載した実施例
の効果に加えて、ロータの出力部材4にスラスト軸受5
を取り付ける必要がなくなり、全体としてコストを低く
抑えたモータを得ることができる。
れば、軸31は上記図1に示した製造方法により製造さ
れるため、軸31の製造コストを低く抑えることがで
き、図19に示す例と略同様の構造のモータを比較的安
価で提供することができる。なお、図10に示すよう
に、固定軸31の中央に透孔23を設け、この透孔23
にスラスト当接部材26を固定して固定軸体32として
もよい。これによれば上記図2(f)に記載した実施例
の効果に加えて、ロータの出力部材4にスラスト軸受5
を取り付ける必要がなくなり、全体としてコストを低く
抑えたモータを得ることができる。
【0038】次に、図2(h)に示す実施例について説
明する。なお、上記実施例と同一の構成については同一
の符号を用いて説明する。図2(h)において、軸21
の両端面は略球面形状に形成されており、その端部は図
示しない軸受やロータ底面に設けられたスラスト受けに
当接するようになっている。また、軸21の中心部には
有底円筒孔20が形成されており、軸21の上端側には
有底円筒孔20の開口として細孔23が形成されてい
る。上記図2(h)に示す軸21は、図1に示す製造方
法により一方端部に開口部を有するように形成される。
そして、図16(a)(b)に示すように、プレスダイ
ス42、プレスパンチ41を用い、プレスパンチ41の
半球形の形成穴により軸21の上端の開口部を中心側に
押し曲げ、軸21の上端部が略球面状になるように成形
する。
明する。なお、上記実施例と同一の構成については同一
の符号を用いて説明する。図2(h)において、軸21
の両端面は略球面形状に形成されており、その端部は図
示しない軸受やロータ底面に設けられたスラスト受けに
当接するようになっている。また、軸21の中心部には
有底円筒孔20が形成されており、軸21の上端側には
有底円筒孔20の開口として細孔23が形成されてい
る。上記図2(h)に示す軸21は、図1に示す製造方
法により一方端部に開口部を有するように形成される。
そして、図16(a)(b)に示すように、プレスダイ
ス42、プレスパンチ41を用い、プレスパンチ41の
半球形の形成穴により軸21の上端の開口部を中心側に
押し曲げ、軸21の上端部が略球面状になるように成形
する。
【0039】上記図2(h)に示すような軸21によれ
ば、軸21を上記図1に示す製造方法により製造してい
ることから、軸21の製造原価を低く抑えることができ
る。さらに、軸21の両端部をプレスによって球面形状
とすることができるため、上記図2(b)の実施例にお
けるスラスト当接部材や、図13に示す実施例の高硬度
部材を省略することができ、さらに一層、軸のコストの
低減を図ることができる。また、軸の一方端部に細孔2
3を容易に形成することができるため、この細孔に結合
部材や他の部材の一部を嵌合させることにより、他の部
材との固定強度を向上させることができる。
ば、軸21を上記図1に示す製造方法により製造してい
ることから、軸21の製造原価を低く抑えることができ
る。さらに、軸21の両端部をプレスによって球面形状
とすることができるため、上記図2(b)の実施例にお
けるスラスト当接部材や、図13に示す実施例の高硬度
部材を省略することができ、さらに一層、軸のコストの
低減を図ることができる。また、軸の一方端部に細孔2
3を容易に形成することができるため、この細孔に結合
部材や他の部材の一部を嵌合させることにより、他の部
材との固定強度を向上させることができる。
【0040】以上図2(a)ないし図2(h)に説明し
た実施例によれば、軸の製造コストを大幅に低減するこ
とができるため、モータの製造コストを低減させること
ができ、モータを安価に提供することができる。
た実施例によれば、軸の製造コストを大幅に低減するこ
とができるため、モータの製造コストを低減させること
ができ、モータを安価に提供することができる。
【0041】上記図2(a)ないし図2(h)に示す実
施例のモータのロータヨーク等の構成部材は、鉄系材料
をプレス加工により形成すればよく、これにより軸とロ
ータヨーク等の他の部材を一体化して製造コストを大幅
に低減したモータを提供することができる。また、図2
(d)ないし図2(f)に示す例においては、軸中央に
有底円筒孔20を有していることから、軸受部に発生し
た熱を効率的に放熱することができ、軸受部の温度上昇
を防止することができる。従って、従来よりも容易かつ
安価に軸受部の精度や寿命を向上させたモータを提供す
ることができる。
施例のモータのロータヨーク等の構成部材は、鉄系材料
をプレス加工により形成すればよく、これにより軸とロ
ータヨーク等の他の部材を一体化して製造コストを大幅
に低減したモータを提供することができる。また、図2
(d)ないし図2(f)に示す例においては、軸中央に
有底円筒孔20を有していることから、軸受部に発生し
た熱を効率的に放熱することができ、軸受部の温度上昇
を防止することができる。従って、従来よりも容易かつ
安価に軸受部の精度や寿命を向上させたモータを提供す
ることができる。
【0042】次に、図7、図8に示す実施例について説
明する。図7、図8に示す実施例は、図13に示す例の
うち回転軸、ハブ台、ロータヨークをプレス加工により
一体形成し、回転体33とした例である。この回転体3
3は上記図1に示す例と同様な製造方法により製造した
ものであり、打ち抜いた板材をプレス加工により製造し
た回転部材である。かかる図7、図8に示す実施例によ
れば回転軸、ハブ台、ロータヨークとを図1に示す製造
方法により一体に形成したことから、より製造コストを
大幅に低減することができると共に、軸とロータヨーク
との同軸精度のよい安価なモータを提供することができ
る。
明する。図7、図8に示す実施例は、図13に示す例の
うち回転軸、ハブ台、ロータヨークをプレス加工により
一体形成し、回転体33とした例である。この回転体3
3は上記図1に示す例と同様な製造方法により製造した
ものであり、打ち抜いた板材をプレス加工により製造し
た回転部材である。かかる図7、図8に示す実施例によ
れば回転軸、ハブ台、ロータヨークとを図1に示す製造
方法により一体に形成したことから、より製造コストを
大幅に低減することができると共に、軸とロータヨーク
との同軸精度のよい安価なモータを提供することができ
る。
【0043】次に、図14に示す実施例について説明す
る。図14(a)は出力部材である鍔部を一体に形成し
た実施例であり、一体部材35に形成された有底円筒部
35bは回転軸部分であり、上部に形成された鍔部35
aは出力部材でありスピンドルモータのボス部等に該当
する。このように、図14(a)に示す構成とすること
で回転軸と出力部材(ハブ台部)とを一体に形成するこ
とができることから、比較的製造コストを低く抑えるこ
とができる。
る。図14(a)は出力部材である鍔部を一体に形成し
た実施例であり、一体部材35に形成された有底円筒部
35bは回転軸部分であり、上部に形成された鍔部35
aは出力部材でありスピンドルモータのボス部等に該当
する。このように、図14(a)に示す構成とすること
で回転軸と出力部材(ハブ台部)とを一体に形成するこ
とができることから、比較的製造コストを低く抑えるこ
とができる。
【0044】なお、3.5フロッピーディスク装置に使
用するスピンドルモータに本発明を適用する場合には、
図14(b)に示すように、鍔部35aに潤滑剤36の
コーティング層を形成すればよい。これにより、上記効
果に加えてハブ台部の上面に潤滑性をもたせることがで
き、スピンドルモータとして好適な特性を有するモータ
を提供することができる。さらに、上記図1に示す製造
方法により製造することから、板材に均一に潤滑剤を塗
布等することができ、均一に潤滑材をコーティングした
安価な回転軸を用いることができ、精度が良好でかつ安
価なモータを提供することができる。また、ロータの構
成部材であるプーリー、ギア等出力部材や、アマチュア
コアなど他の部材と一体化してもよい。
用するスピンドルモータに本発明を適用する場合には、
図14(b)に示すように、鍔部35aに潤滑剤36の
コーティング層を形成すればよい。これにより、上記効
果に加えてハブ台部の上面に潤滑性をもたせることがで
き、スピンドルモータとして好適な特性を有するモータ
を提供することができる。さらに、上記図1に示す製造
方法により製造することから、板材に均一に潤滑剤を塗
布等することができ、均一に潤滑材をコーティングした
安価な回転軸を用いることができ、精度が良好でかつ安
価なモータを提供することができる。また、ロータの構
成部材であるプーリー、ギア等出力部材や、アマチュア
コアなど他の部材と一体化してもよい。
【0045】次に、図9に示す例について説明する。な
お、図2(f)の例と同一の構成については同一の符号
を付し説明を省略する。図9に示す例は、固定軸34と
その鍔部37とを一体に形成した例であり、鍔部37を
基板6への取付け部としたものである。このような構成
とすることで、基板6と軸との精度をよくすることがで
きると共に、固定軸34と鍔部37とは上記図1に示す
製造方法により製造されるためより製造コストを低く抑
えることができ、安価で精度のよい軸等を提供すること
ができる。なお、図9は軸34と鍔部37とを一体化し
た例を示したが、図9の基板6や鉄芯等の他の構成部材
と軸34とを一体化してもよい。
お、図2(f)の例と同一の構成については同一の符号
を付し説明を省略する。図9に示す例は、固定軸34と
その鍔部37とを一体に形成した例であり、鍔部37を
基板6への取付け部としたものである。このような構成
とすることで、基板6と軸との精度をよくすることがで
きると共に、固定軸34と鍔部37とは上記図1に示す
製造方法により製造されるためより製造コストを低く抑
えることができ、安価で精度のよい軸等を提供すること
ができる。なお、図9は軸34と鍔部37とを一体化し
た例を示したが、図9の基板6や鉄芯等の他の構成部材
と軸34とを一体化してもよい。
【0046】次に、図11に示す別の実施例について説
明する。図11において、軸21の長さ方向中間部の外
周には周溝24が形成されている。周溝24は軸21を
プレス加工する工程で形成される。そして、この周溝2
4を玉軸受の内輪の玉受け部とし軸受2を外輪として、
これらの間にはボール38が圧入されることにより玉軸
受が構成されている。かかる構成とすることにより、軸
受の内輪を省略することができるため軸受のコストを低
く抑えることができると共に、軸21は上記図1に示す
ような工程により製造されるためさらに安価に軸21と
軸受とを提供することができる。
明する。図11において、軸21の長さ方向中間部の外
周には周溝24が形成されている。周溝24は軸21を
プレス加工する工程で形成される。そして、この周溝2
4を玉軸受の内輪の玉受け部とし軸受2を外輪として、
これらの間にはボール38が圧入されることにより玉軸
受が構成されている。かかる構成とすることにより、軸
受の内輪を省略することができるため軸受のコストを低
く抑えることができると共に、軸21は上記図1に示す
ような工程により製造されるためさらに安価に軸21と
軸受とを提供することができる。
【0047】以上説明した実施例においては、軸をモー
タに適用した例について説明してきたが、本願発明にか
かる軸は、オルゴールの軸、タイマーの軸、ギアヘッド
の軸、音響機器、産業機器の軸等軸一般にも適用するこ
とができる。
タに適用した例について説明してきたが、本願発明にか
かる軸は、オルゴールの軸、タイマーの軸、ギアヘッド
の軸、音響機器、産業機器の軸等軸一般にも適用するこ
とができる。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、金属製の板材がプレス
加工により塑性変形され、有底管状に形成されているこ
とから、軸の原価を大幅に低減することができる。ま
た、有底管状に形成された軸の有底円筒部から軸受部の
熱を放熱することができるため、軸受部の精度がよく、
寿命の長い軸を得ることができる。さらに、有底管状に
形成された軸の有底円筒部を他の部材との接合などに用
いることができ、別途軸に孔をあける必要がなく、軸の
製造コストを低く抑えることができる。
加工により塑性変形され、有底管状に形成されているこ
とから、軸の原価を大幅に低減することができる。ま
た、有底管状に形成された軸の有底円筒部から軸受部の
熱を放熱することができるため、軸受部の精度がよく、
寿命の長い軸を得ることができる。さらに、有底管状に
形成された軸の有底円筒部を他の部材との接合などに用
いることができ、別途軸に孔をあける必要がなく、軸の
製造コストを低く抑えることができる。
【0049】本願請求項2記載の発明によれば、スラス
ト当接部材を比較的容易に取り付けることができるた
め、作業能率が向上しコストを低く抑えることができる
と共に、スラスト軸受を省略することができるためコス
トを低く抑えることができる。
ト当接部材を比較的容易に取り付けることができるた
め、作業能率が向上しコストを低く抑えることができる
と共に、スラスト軸受を省略することができるためコス
トを低く抑えることができる。
【0050】本願請求項4記載の発明によれば、気体軸
受に要求されるグルーブ溝を有する軸を比較的安価に提
供することができる。
受に要求されるグルーブ溝を有する軸を比較的安価に提
供することができる。
【0051】本願請求項5記載の発明によれば、軸の表
面に潤滑剤を均一かつ安価に塗布することができ、精度
のよい軸を提供することができる。
面に潤滑剤を均一かつ安価に塗布することができ、精度
のよい軸を提供することができる。
【0052】本願請求項6記載の発明によれば、有底管
状の軸部と略カップ状のロータケース部とを一体形成し
たことから、モータの製造コストを飛躍的に低減させ、
組立て精度が向上されると共に、安価で高品質なモータ
を提供することができる。
状の軸部と略カップ状のロータケース部とを一体形成し
たことから、モータの製造コストを飛躍的に低減させ、
組立て精度が向上されると共に、安価で高品質なモータ
を提供することができる。
【0053】本願請求項7記載の発明によれば、金属性
の板材を所望形状に外形抜きし、この板材に形成絞り加
工を加えて塑性変形させ、有底管状の軸を得るようにし
たので、製造のための設備投資や消耗工具費用を減らす
ことができ、軸の製造原価を大幅に低減することができ
る。また、有底孔、細孔、凹部、凸部を有する軸を安価
に得ることができるし、しかも潤滑剤のコーティングを
均一かつ経済的にすることができるので、コストの制約
を回避することができる。
の板材を所望形状に外形抜きし、この板材に形成絞り加
工を加えて塑性変形させ、有底管状の軸を得るようにし
たので、製造のための設備投資や消耗工具費用を減らす
ことができ、軸の製造原価を大幅に低減することができ
る。また、有底孔、細孔、凹部、凸部を有する軸を安価
に得ることができるし、しかも潤滑剤のコーティングを
均一かつ経済的にすることができるので、コストの制約
を回避することができる。
【0054】本願請求項8記載の発明によれば、プレス
加工時の歪みを取り除くことができると共に、軸の硬度
を向上させることができる。
加工時の歪みを取り除くことができると共に、軸の硬度
を向上させることができる。
【図1】本発明にかかる軸の製造方法の実施例を示す工
程図。
程図。
【図2】本発明にかかる軸及びこの軸を電動機に適用し
た各種例を示す断面図。
た各種例を示す断面図。
【図3】本発明にかかる軸の製造方法におけるプレス工
程の例を示す平面図及び側面図。
程の例を示す平面図及び側面図。
【図4】本発明にかかる軸に熱処理を施した例を示す断
面図。
面図。
【図5】本発明にかかる軸に細孔を設けた例を示す断面
図。
図。
【図6】本発明にかかる軸に溝を設けた各種例を示す平
面図及び側面図並びに断面図。
面図及び側面図並びに断面図。
【図7】本発明にかかる軸の別の例を示す底面斜視図。
【図8】同上軸を電動機に適用した例を示す断面図。
【図9】本発明にかかる軸を固定軸とした例の要部を示
す断面図。
す断面図。
【図10】本発明にかかる軸にスラスト当接部材を取付
けた例を示す断面図。
けた例を示す断面図。
【図11】本発明にかかる軸に溝を形成し、玉軸受の内
輪とした例を示す断面図。
輪とした例を示す断面図。
【図12】本発明にかかる軸に突出部を設けた例を示す
側面図。
側面図。
【図13】本発明にかかる軸に高硬度部材を取付けた例
を示す断面図。
を示す断面図。
【図14】本発明にかかる軸と鍔部とを一体に形成した
例を示す要部断面図。
例を示す要部断面図。
【図15】本発明にかかる軸の外形形状を歯車状とした
例を示す底面図及び側面図。
例を示す底面図及び側面図。
【図16】本発明にかかる別の実施例の軸の製造工程を
示す断面図。
示す断面図。
【図17】従来の軸を用いた電動機の例を示す断面図。
【図18】従来の軸を用いた電動機の別の例を示す断面
図。
図。
【図19】従来の軸を用いた電動機のさらに別の例を示
す断面図。
す断面図。
【図20】従来の軸の製造工程を示した工程図。
【図21】気体軸受の軸の例を示す斜視図。
21 回転軸 24 溝 26 スラスト当接部材 33 回転体 35a 鍔部 36 潤滑剤
Claims (8)
- 【請求項1】 金属製の板材がプレスにより塑性変形さ
れ、有底管状に形成されていることを特徴とする軸。 - 【請求項2】 球面を有するスラスト当接部材を開口部
に固着してなる請求項1記載の軸。 - 【請求項3】 ラジアル方向に延出した鍔部を開口部側
に有することを特徴とする請求項1記載の軸。 - 【請求項4】 金属製の板材は、表面に所定形状の溝が
形成されていることを特徴とする請求項1記載の軸。 - 【請求項5】 表面に潤滑剤を塗布したことを特徴とす
る請求項1記載の軸。 - 【請求項6】 金属製の板材がプレスにより塑性変形さ
れ、有底管状の軸部と、略カップ状のロータケース部と
が一体形成されてなる軸。 - 【請求項7】 少なくとも次の工程を備えていることを
特徴とする軸の製造方法 (1)金属製の板材を所望形状に外形抜きする第1工程 (2)上記板材を成形絞り加工により塑性変形させて、
有底管状の軸を形成する第2工程。 - 【請求項8】 上記第2工程で得られた部材に熱処理を
施すことを特徴とする請求項7記載の軸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1406494A JPH07213010A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 軸及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1406494A JPH07213010A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 軸及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07213010A true JPH07213010A (ja) | 1995-08-11 |
Family
ID=11850668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1406494A Pending JPH07213010A (ja) | 1994-01-12 | 1994-01-12 | 軸及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07213010A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11210764A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Ntn Corp | 軸受外輪及びその製造方法、並びにクラッチレリーズ軸受 |
WO2003073585A1 (en) * | 2002-02-28 | 2003-09-04 | Sankyo Seiki Mfg. Co., Ltd. | Motor |
JP2006043776A (ja) * | 2005-09-05 | 2006-02-16 | Hitachi Ltd | 円筒部品およびその製造方法 |
US7954226B2 (en) | 2003-11-28 | 2011-06-07 | Mabuchi Motor Co., Ltd. | Method of manufacturing a gear unit of a motor |
CN109861455A (zh) * | 2019-04-10 | 2019-06-07 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机的磁感应发电机结构 |
JP2020195216A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 株式会社ミツバ | ブランク材のプレス方法及びプレス装置 |
-
1994
- 1994-01-12 JP JP1406494A patent/JPH07213010A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11210764A (ja) * | 1998-01-23 | 1999-08-03 | Ntn Corp | 軸受外輪及びその製造方法、並びにクラッチレリーズ軸受 |
WO2003073585A1 (en) * | 2002-02-28 | 2003-09-04 | Sankyo Seiki Mfg. Co., Ltd. | Motor |
US7954226B2 (en) | 2003-11-28 | 2011-06-07 | Mabuchi Motor Co., Ltd. | Method of manufacturing a gear unit of a motor |
JP2006043776A (ja) * | 2005-09-05 | 2006-02-16 | Hitachi Ltd | 円筒部品およびその製造方法 |
CN109861455A (zh) * | 2019-04-10 | 2019-06-07 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机的磁感应发电机结构 |
CN109861455B (zh) * | 2019-04-10 | 2024-04-16 | 广西玉柴机器股份有限公司 | 发动机的磁感应发电机结构 |
JP2020195216A (ja) * | 2019-05-28 | 2020-12-03 | 株式会社ミツバ | ブランク材のプレス方法及びプレス装置 |
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